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#CONTENTS ---- **核兵器って具体的に何をさしているのですか? 核分裂反応兵器と核融合反応兵器があります。 核分裂反応兵器=原子爆弾(ウラニウム、プルトニウム) 核融合反応兵器=水素爆弾 #right(){(84:432)} 原爆、水爆、中性子爆弾、原子力潜水艦など核燃料を動力としている兵器。 #right(){(84:433)} 原子力潜水艦は”核兵器”とは普通言わないのではないだろうか。 「物質原子の分裂反応、もしくは融合反応によって生じたエネルギーを直接破壊力 に用いる兵器」 というのが”核兵器”の定義だと思う。 原子爆弾(原子核分裂反応兵器)は核兵器の1ジャンル、というところかな。 #right(){(84:436)} **今の核爆弾ってどれぐらいの威力があるんですか? 現役核爆弾、核弾頭は、アメリカで0.3キロトンから9メガトン、ロシアは100キロトンから20メガトンです。 現配備中ではこの20メガトンが最大でしょう。 最大の核爆弾は、1961年、旧ソ連がノバムゼリア実験場の上空4000mで爆発させた50メガトンの水爆です。 ただ、この爆弾は本来ウラニウムで作るべき外殻ケースを敢えて鉛で作って放射性降下物を減らしたもので、 まともに作れば100メガトンに達しただろうといわれています。 #right(){(3:598)} 最近の核ミサイルは、命中精度がよいので 威力を抑えめにしています。 威力はいろいろ、0.5キロトンとかメガトンクラスの物もあります。 広島級は20キロトン(TNT爆薬20000トン分) 何発で日本が滅ぶかについては、定義が示されていないので不明です。 #right(){(108:965)} **中国か北朝鮮から日本に向けて発射された核ミサイルを到達前にミサイルで破壊した場合、核汚染とかの心配はないのですか。 良く問題になる話です。まさにそのためにブースト段階撃破、つまり敵国内で上昇中に撃破することが望まれるわけです。 しかしブースト段階撃破に対してはアメリカの調査会が先日「技術的に多大な努力が必要であり、まだ現実的でない」と結論したところです。 ただ、核ミサイルを日本上空で仮に撃破したとして(終末時撃破なので技術的にこれも大変です)、 確かに核汚染は生じますが、起爆用プルトニウムが主な汚染源ですので、さほど(比較的)大した被害は生じないものと思われます。 #right(){(3:721)} **核ってミサイルかなんかで吹っ飛ばされても核爆発しないよねぇ?付近一体が汚染されるかもしれないけど。 核弾頭をミサイルや爆弾で吹っ飛ばした場合、誘爆するのは起爆用の通常爆薬 までです。核物質はばらまかれますが、問題になるのは一段目のプルトニウムで、 二段目の核融合物質、三段目の劣化ウランの放射性は大したものではありません。 核爆発は精密に制御された何段にもわたる過程ですから、ちゃんとした起動なしには 発生しません。小型化のために追い込んだ設計になっていますから、一段目の原爆 だけですら、誘爆などで作動することは考えにくいのです。 #right(){(12:system)} **核テロがが行われるとしたら最低何kmくらい離れていれば大丈夫でしょうか? 加害半径が小さいので有名な中性子爆弾で、1km程度と言われています。 中性子弾頭でない水爆は、小さくとも熱線、爆風が強く出ますから、通常はそれ以上でしょう。 従って、小型でも数キロメートル離れる必要があります。 1人で運搬できる核爆弾自体は、米ソともに開発し、所有していました。 小型化し、破壊力を必要最低限に抑えるために、水爆ではなく、単純な核分裂爆弾として作られています。 しかし、スーツケース爆弾として話に出る、60×40×20cmの核爆弾、というものが存在したかどうかは定かでありません。 また、存在したとしても、それがテロリストの手に渡った可能性は大変低いものと思われます。 そのような兵器はソ連/ロシアにとっても大変な脅威ですから。 最小の核分裂爆弾は、TNT換算10~20トン程度の爆発力に抑えることが理論的には可能であり、 事実、W-54デビークロケット弾頭は最小出力を10トン相当にセットすることが可能でした。 この場合、半径300mが放射線による致死範囲、400mが大変危険なレベルとなっているようです。 爆風、熱線による殺傷範囲は、10トンのTNTの爆発力相当と考えると、放射線による範囲と大体同じぐらいではないでしょうか。 #right(){(14:918)} **地下核実験って、核爆発に伴う高熱や大量の核汚染物質をどうやって処理していたんですか? 処理してないから、カザフスタンで、白血病とか遺伝子異常とか悲惨な状況があらわれた。 地上核実験の最中に、ネバタで映画ロケやってた連中は、ものすごい高確率でガンに罹患した。筆頭は、ジョン・ウェイン(肺ガン) #right(){(22:501)} **一発で地球が消滅するほど強力な核爆弾って現実に作れるの? 核爆弾では無理かと思います。 原理的には可能かもしれませんが、核融合反応に必要な反応物質の量が 足りなすぎます。たぶん三桁から四桁は不足でしょう。 #right(){(23:813)} ”1発で地球全域を破壊できる威力のある核爆弾”はソビエトが設計し、 モックアップを試作した(流石に本物は作ってない)。  理論上では地球のどこで起爆させても地球のほぼ全域に爆風が到達すると計算された。 ただ、この計算には後から「ちょっと威力を大きく見積もり過ぎ」との修正が出ている。  この超大型水爆、モックアップを作ったのはいいが「既存の爆撃機には積めない。 専用機を開発しなきゃいけないがとてつもない大きさの飛行機になる。 ロケット(ミサイル)に積むことは・・・そんなでかいロケットは作れんな」 ということになって兵器としてはボツった。  そもそも、地球のどこであれ撃ち込んだら自分たちの国にまで被害が及ぶような代物、 兵器としての実用性などあるわけもなし。  結局「わがソビエトの技術力は世界一ィィィイイイ!!」と自慢するためのものだったらしい。 #right(){(85:342)} 核爆弾、といってもこの場合は原子爆弾(核分裂爆弾)じゃなく水爆(核融合爆弾)だーね。  最初はともかくやってるうちに「わがソビエトはこんなすごいものを作れるんだぞ!!  どうだすごいだろう!!」という方向へ暴走していったものと思われ。  兵器としての実用性なんぞ途中でどーでもよくなってたのであろー。  一応、アメリカの核実験で最大のものは1954年の「ブラボー実験」で15メガトン、 世界最大の核実験はソビエトが1961年にノヴァヤ・ゼムリャ島で行った水爆実験 でこれが58メガトン水爆。この水爆実験で発生した衝撃波は微量ながら地球の裏側 でも観測され、しかも3回も観測された(衝撃波が地球を3週した=地球を3週する ほどのエネルギーの衝撃波が発生した)。  この58メガトン水爆(Tsar Bomba)、本来は100メガトンを狙っていたそう だし、発展型でもっと大きなものが計画されていた(>>342 のはそのことだろう)。 #right(){(85:349)} **核弾頭のICBMが自爆した場合、安全対策はどうなっているんでしょう? もちろん核物質がばらまかれて汚染の原因となる。 #right(){(68:94)} **戦術核と戦略核の違いを教えてください。 戦場で使うのが戦術核 後方の都市やICBM基地なんかを狙うのが戦略核 破戒力は一般的には戦略核>戦術核だが、定義とは無関係 #right(){(98:572)} **航空爆弾搭載できれば戦後の機体なら大抵核兵器は運用できるのでしょうか? アメリカに限って言えば60年代頃まで全面核戦争になった時に装備をフル活用する ために写真偵察機まで核爆撃ミッションが可能にして、訓練もしていた。 通常装備も拡充して核を使わない戦争にも柔軟に対応しようと考え直したので、 爆装可能≠核爆弾装備可能となった。 #right(){(355:56)} **いわゆるアトミックソルジャーが存在した事が疑問です。 >Wikiに掲載されているクロスロード作戦の項目では関わった人員が必要以上の放射能を浴びないよう >慎重な配慮がされていたと説明されてますが、米海軍と陸軍では放射能に対する考え方が違っていたのでしょうか? アトミックソルジャーは広島での放射能障害の実態が全世界に浸透するまでの、 対東側の戦術ドクトリンとしての試行錯誤の中で生まれたものです 放射線被爆による重篤な障害が認知される頃には中止されています 当時は開発に携わった一部の学者がその危険性について認識しておりましたが 軍中枢を始め一般には原爆の威力についても「すげぇ威力の爆弾」という認識がそれまでの常識でしたので 当時としては別段異常な対応ではありません。 #right{(362:197:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)} **アメリカとソ連は何故地球を何百回も滅ぼせるほどの核兵器を作ったのでしょうか?せいぜい2,3回滅ぼせる分あれば十分だったと思います。 稼働率の問題と、相手の先制攻撃を喰らっても報復攻撃できるようにするためってのもあるでしょう。 どちらか一方の弾頭数が極端に少ない状態だと「ひょっとすると先制攻撃で息の根を止められるかも(ニヤリ」というヴァカが現れかねませんから。 MADを調べればその辺のことは分かると思います。 #right(){(4:214)} ひとつは地球を滅ぼすために作ったのではないからです。さまざまな状況下の戦場で、限定用途を含んで、 さまざまに使うことを考えて作られたため、多種多数の核兵器が作られ、合計すると無用に多いという事情です。 また、ひとつの運搬方法が戦闘時の事情によって無効になっても、必ず100%の破壊力が発揮できるようにするため、 ミサイル用、航空爆弾用、潜水艦用など、何通りもフルセットでそろえる必要があります。 さらに発射ボタンを押したミサイルすべてが目標上で爆発するとは限らないため、ここでも保険をかけて何倍かの数を持つ必要があります。 さらに、旧式化した弾頭にしても、バラすのは費用と時間がかかりますから、何となく在庫、という状況もあるでしょう。 まあ、これだけで必要量の数十倍にはなると思います。また、核兵器は更新もされていきますから、作った量の延べは大きなものになるでしょう。 #right(){(4:217)} **熱線の温度ってどれくらいなんでしょうか? 「反応温度」であれば、核分裂で数百万度、核融合で数千万度。 1MTの核弾頭が上空5000m付近で爆発した場合、爆心直下は3000~4000度。 到達する熱戦の温度は、爆心からの距離の2乗に比例して高く、当然核出力 が大きいものほど熱戦の到達範囲は広くなります。 #right(){(19:らむ ◆26Am7uFo)} **臨界前実験ってなんですか? 原爆を核爆発寸前の核分裂状態にする実験です。爆発しないから国際法違反じゃないとアメリカとロシアとフランスは主張。 #right(){(21:379)} **通常の原発も核関連施設になるのですか? 常の原発も核関連施設かと言うと答えはYesです。 簡単に言うとウラン235を燃やすと、燃えかすが出来ます。 この燃えかすを加工するとプルトニウムが出来ます。 これを使えば、核爆弾が出来るわけです。 日本の原発にも査察が入って、転用に目を光らせていますよ。 #right(){(36:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **核弾頭を小さくして拳銃の弾頭に使えないんですか? ミニ核として実用できそうなのはカリフォルニウムでしょうが、Cf-251の cross scatterが4barn、cross fissionが2.5barn、分裂ごとに約4個の中性子を 放出するとして、臨界質量に達する球体は直径3cm弱、重量約2kgとなります。 爆縮で圧縮すればもっと数分の一の質量で急激な連鎖反応を起こしますが、爆縮 装置の方が大きくなって意味ないでしょう。ただ、超高速弾で弾着時に十分な 圧縮が得られるようにすれば、20mm口径ぐらいのピストル(レールガン?)で 核爆発ってのは否定できない(てのが限界だな)と思います。もちろん、撃った 腕は反動で吹っ飛んでますが。ついでに標的もある程度硬くないと不発でしょうが。 えー、カルフォニウムという半減期30分ほどの核物質がありまして、70年代初めにアメリカの 学者がこれを使ってライフルから発射できる核弾頭の構想を発表したことがあります 実用性皆無ですが、あまりの面白さに一時、SFの小道具として大流行しました #right(){(39:901-902)} **核搭載ミサイルを通常爆弾で爆破させた時って核爆発は起きますか? 核爆弾は複雑な起爆方法で起爆します 小さな多数の核を、火薬で同時に1個に圧縮するような方法です。 そのため、外部からの破壊が加わると 臨界に達せず、核反応がおこらない=核爆発しない。 #right(){(63:728)} **核兵器ですが、公式に保有していることを宣言している国はどれぐらいありますか? 公式な保有国 アメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国 核不拡散条約(NPT)で以下のように定義されています 第9条:1967年1月1日前に核兵器その他核爆発装置を製造しかつ爆発させた国を核兵器国と定義する。 条約の期日までに核実験を行っていたのが上記の5カ国です 核保有について非難や、廃棄の要求はもちろんあります #right(){(64:名無し三等兵候補)} 核保有を公表している国 アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国・インド・パキスタン・北朝鮮 公式には宣言しないが事実上の保有国 イスラエル かつて核を保有していた国 南アフリカ共和国 上記のうち米・露・英・仏・中については核拡散防止条約(NPT)に基づいて核を保有していると言えます。 というか、言い方を変えるとNPTは上記5ヶ国で核保有を独占するための条約です。 大国で安保理の常任理事国なのでそういうことしても誰もとめられんわけです。 で、それ以外のインドやパキスタンは非難されたり、廃棄を求められたりしていて 日本も含めた各国から経済制裁を受けたりしていたのですが、あんまり経済制裁を続けていると 貿易できなくて商売上困る、ということでなし崩しになっています。 #right(){(64:名無し三等兵候補)}※北朝鮮を追記 **核の爆発は、失明させる程の強い光を発するのか? 爆発モロに見れば障害が発生します。 #right(){(64:478)} 核爆発の威力=中性子の運動量*中性子の数+光子の波長*光子の数 だから、失明するかどうかは、威力のみに関係する。 #right(){(64:481)} 広島の原爆で実際に失明した人がいるわけだが。 これは原爆白内障と呼ばれている。 #right(){(200:163)} **現在ロシアやアメリカが保有している核爆弾はプルトニウムを使用するタイプというのは正しいのでしょうか? 正しいです。 >そしてその理由はプルトニウムは原子炉を保有すれば生成が容易であり、臨界量がウランを使用するタイプより少なく小型化に向く? その通りです。 #right(){(65:273)} **原爆の話でよく出てくる「ガンバレル式」って、どうゆうの? 広島に投下されたリトルボーイの場合ですと、臨界に達しない程度に分割したウランの塊を 筒の両端に配置し、高性能爆薬によってウラン同士をぶつけることで核分裂を起こすタイプです。 #right(){(65:280)} ガンバレル=gun barrel ということで。 _________ 火薬|ウラン|ウラン>←弾頭  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ という内部構造をしてまして(ものごっつい略図)、上図の火薬の爆発で ウラン同士を押しつけて臨界を達成させるタイプの原爆です。 詳しくは上の検索とか見て下さい。形が似てるんでガンバレル型=砲身型といわれます。 #right(){(65:283)} 280に追補。 その格好が銃身に似ているので銃身型=GunBarrel型なのでつ。 もっと強い威力を持つ原爆を作るためにプルトニウムを爆圧で 圧縮する、インプロージョン型(爆縮型)って原爆もありまつ。 #right(){(65:285)} **今、考えられる最大の核ミサイルを打たれた場合、どのぐらいの被害が出るのですか? >東京がなくなるほどですか? 通常に使用する核兵器で首都圏ほどの穴が空いたり、 四国がまるまる吹っ飛んだりすることはないです。 通常核兵器は空から持ってきて地表か上空で爆発させます。 20~25メガトンの場合で首都圏の木造建築が皆一瞬で燃えあがり 56メガトン0発で四国に相当する面積があっという間に焼け野原になるだけです。 曖昧なデータで何ですが、バリンジャークレーター(幅1.2キロ、深さ200メートル) を作った隕石の衝突エネルギーが約10~20メガトンですから、 地下に核兵器を埋め込んでから爆発させても四国が吹っ飛ぶことはないです。 隕石の衝突と核爆発では条件が違うので、詳しい方もう少しフォロー願います。 #right(){(66:339)} 104㌔㌧の核爆弾で直径635フィート(200㍍くらい?)のクレーターが出来、 12メガ㌧だったら1200フィート(400㍍?)のクレータができるそうでつ。 #right(){(66:340)} 単に威力が最大というのであれば、旧ソ連が50メガトン(あるいは100メガトン)級の 水爆を作ってたはずです。 理論上は威力は無制限に高められますから、地球を木っ端微塵とかいうような 話ではないですにゃ。 #right(){(78:836)} 歴史上最大の核兵器はソ連が実験したTsar Bomba(爆弾の皇帝)と 呼ばれる58メガトンの水爆です。この爆弾の破壊力を最大にすると 100メガトンの出力を得られるそうであります。 #right(){(78:839)} 実戦配備されているもので最大のものなら、 浦和に落とせば関東平野全域がくまなく焼け野原になるだけの威力があった筈。 #right(){(85:227)} **核爆弾は火薬換算? TNT火薬で換算するのが一般的です。キロトンとかメガトンとゆーやつです。 たまに広島型原爆何発分と例えられます。 #right(){(67:ふみ)} **日本に誤射で不発の核ミサイルが落ちた場合、何処が回収するんでしょう? アメリカサンが研究のため回収してくれればいいのですが、そうでなければ自衛隊が、やらされるでしょうね。 自衛官の許容法定被曝量は一般人の100倍。別に放射能に強いわけではないが。 #right(){(68:剣恒光@自衛隊板 ◆yl213OWCWU)} 基本的に>>183の中の人の回答でよろしいでしょう。 参考になる例として、むかしソ連の原子炉衛星がカナダに落下して放射性物質(ウラン)を広範囲にばらまいたときは、 カナダ軍が中心になって汚染を除去して、あとで経費をソ連に請求しました。 衛星落下による被害は宇宙条約で飛ばした国が賠償することと定められているので、 ソ連もすなおに支払いました。 しかし核ミサイルの発射となると戦争状態ですから(訓練ではまず実弾頭は使わない) 相手の国に回収なり回収経費の支払いなどを求めることが出来るかどうか。 ま、交渉次第ですな。 #right(){(68:186)} B-52がスペインの海水浴場のすぐ沖で核爆弾を落っことした有名な事件がありますが これは米政府がただちにスペイン政府にねじ込んで現場一帯を封鎖し、米から派遣された 技術者が回収作業をしました 米の核弾頭が誤って日本に落ちても、自衛隊に任せるなどという(安全保障上の)危険は 冒さず自らが出動すると予想するべきだと思います #right(){(68:205)} **北朝鮮の地下鉄が核シェルターの意味もこめて深さ約100mあるといいますが100mも掘らなくても十分だと思うんですが。 >実際核シェルターはどのくらいの深さにあるんでしょうか? 都市部の場合は、深さ5,6メートル程度のシェルターでは、熱で蒸し焼き になることが考えられる。 一方、深さ百にも達するようでは、今度は入り口がふさがる可能性もある。 まあ。それはともかく核シェルターの深さは、だいたい10から30メートル 程度が適当なような話だ。 放射能の99%は、シェルターに籠もって二週間もたてば、消滅するから、 最低限二週間は、シェルターに籠もっていられる装備は必要。 もっとも残り1%の放射能でも、人体には致命傷だし。 少ない放射能でも長期間、被曝すれば、それはそれで致命的だ。 #right(){(73:940)} **核の冬って放射能が関係するんじゃなくて爆発で酸素が失われるからだよね? ダウンフォールのせいで日照が減少するからです。 酸素は関係ないぽ。 #right(){(75:712)} どこから聞いたんですか。その説は。 かくのふゆ 【核の冬】 核戦争後に起こるとされる全地球的規模の寒冷化現象。 核爆発とそれに伴う大火災によって生ずる大量の煤煙(ばいえん)・ 塵埃(じんあい)が太陽光を遮り、地球の温度を下げる。 1983年に米国の科学者らが命名。(大辞林第二版) #right(){(75:713)}  >>713 がホント。  ダウンフォールというのは、(元々は)彗星や隕石の衝突に伴ってチリが 大量に大気中に舞い上がり、それが太陽を遮ることです。  ”核の冬”というのは、大規模全面核戦争によって同様の事態が起きる、 という事を予想したものです。 #right(){(75:717)} **中性子爆弾と原水爆は使い道に違いが有るでしょうか? >(地球に向ってくる小天体を水爆ミサイルで迎撃するとかでは無くて、人間相手の実戦又は威嚇に使う場合) 一応、奇麗汚いも無いのですが…。 原爆、水爆は、爆風と熱線による破壊を主にします。 中性子爆弾は、その爆風と熱線を最小限に抑え、代わりに中性子線とガンマ線 を大量に発生させ、生体組織を破壊する、即ち生物を殺すものです。 米国の場合、原爆、水爆は面制圧兵器として戦略兵器に、中性子爆弾は、戦術 ミサイル、核砲弾に使用し、前面の敵を掃討するために使用しようとしていました。 #right(){(78:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **20ktの核爆が地上で爆発したときのコンクリート製のビルの倒壊半径等具体的な数字 20kt級核兵器が使用された場合、爆心から半径3800m以内の家屋は通常の居住が不可に なるまでの損傷を受けるとされているようです。 コンクリート製ビルの倒壊半径は知らない。 #right(){(78:861)} えーとちょっと単位が大きくなりますが500キロトンの核弾頭が爆発した際に生じる1次放射線は 半径2000メートルまで致死放射線量といわれる600レム(今単位違うような)以上を保ちます。 この一次放射線は1mのコンクリートで200分の1に、1mの土で150分の1に弱めることができます。 この数字も参考にしてみて下さい。 #あとこの手の被害予想結構科学的な文献あるんだよなー。リアル工房のころに読んだんだが・・・。 #right(){(78:870)} マール社『武器 歴史,形,用法,威力』 にワシントンに20ktの核爆弾を落とした場合の 熱線、放射線、爆風の影響についての想定図がある。 同じ本に規模別の熱線、爆風の被害ゾーンの表もあるし、 図書館あたりで探して確認することをお勧めする。 #right(){(78:871)} **中性子爆弾は戦略兵器に使わないのは何か不都合があるのでしょうか? 単純に中性子爆弾は破壊力が押さえてあるから。 敵があらかじめ隠蔽されたシェルターなどに篭っていれば反撃される可能性があります。 一撃で確実に敵重要施設を破壊しないと、ICBMなどで反撃されてしまいます。 前線では核爆発から隠蔽する事はきわめて難しいので、威力が低くとも人員が殺傷できればいいのです。 #right(){(78:名無し軍曹)} 敵方の地下ICBMサイロや指揮所を無力化できないと戦略核としては片手落ちになるからでは 中性子爆弾はソ連の戦車を止めるために作られた兵器であり、それに対抗して戦車を遮蔽しようと したらえらく装甲が分厚くなって現実的ではなくなるとかいう話だったような ということは建物の奥とか地下施設の兵力を無力化できない可能性もあるかも? #right(){(78:904) **一発ぐらいの核ミサイルでは核の冬は起こらないのでしょうか? 「核の冬」とはそもそも核爆発にともなう放射性のチリや吹き飛ばされた土壌・ 大火災によるススなどが太陽の光をさえぎり、気温がいちじるしく下がる現象を言います。 一発やそこらの核爆弾では地球を覆い尽くすほどの大量のチリは発生しません。 それらの放射性降下物が発生し地上に降下して来る現象を俗にフォールアウトといい 降り注ぐ放射性降下物を「死の灰」といいます。 死の灰は核爆発が行なわれた条件や場所によって違いますがかなり広範囲に降下します。 逆にいえば、局地的に死の灰が上空を覆ってしまう事はないです。 #right(){(78:名無し軍曹)} 一発や二発では起こりません。 多分十発でも二十発でも起こらないでしょう(相当な高破壊力のものを用いない限り)。 >また核の冬は局地的に起こるものではないのでしょうか? > >日本に落ちたら日本だけ寒冷化するとか…。 地球には大気というものがありますので、そんな事は起こりえません。 日本の上に大きな日傘ができたとしても、他の場所から暖かい空気が 流れ込んできますから。 っつーか、局地的な核の冬なんてものがありえるなら、曇りの日は それこそエラいことになってしまいます。 #right(){(78:902)} 大規模な火山噴火によって生じたチリが高層大気の流れに乗って 北半球なら北半球を覆い、平均気温を少しだけ下げるということは実際にあります。 「核の冬」は核兵器が多数に使用され、爆発に伴って生じた大量に生じたチリによって 上記の現象がより大規模に生じた状態を言うわけです。少々の爆発では起きないかと #right(){(78:905)} **核兵器の本当の実力は? >実際に使用されたのは広島・長崎の2箇所だけで、しかも何十年も前ことです。 >たしかに多くの方がなくなられていますが現代にもあてはまるのでしょうか? 広島・長崎で強い放射線や爆風を浴びながら生き延びた人はある意味奇跡的なだけ。 普通は浴びた線量に応じてそのまま人体はダメージを受ける。 核兵器の威力は当時に比べて大幅に増大しているし、人間が放射線に強くなるよう進化したわけでもない。 建物に対するダメージはたしかに未知数の部分もあるけれど、 爆心地周辺では耐震も防火も関係無し。 >長門 一回目の水爆実験ではなんとか浮いてました。 二回目くらったら沈みました。 >ぶっちゃけ核平気? いままでも、そしてこれからも人類にとって最大最凶の兵器です。 #right(){(78:855)} 広島の原爆が炸裂した際、警報は出ておらず広島市民はほとんど外にいたのであれだけの死者がでました。 午前中にあった警報の解除を知らず、何時間も防空壕に篭ったままだった中学生がほぼ無傷だったという例もあります。 最初の脅威である熱線と衝撃波を防ぎ、かつ炸裂後しばらくは防空壕にいたため重度の被爆を逃れたからです。 適切な防護施設で、後も正しい知識をつけて行動すれば、かなりの効果があるのは事実です。 しかし、水爆が使用された場合、発生する放射能塵は半端でなく、人の足で行ける程度の距離は焼け野原ですから、 意味も相当薄くなってきますし、中性子爆弾はただの防空壕では防げません。 よって、核は重大な脅威です。 #right(){(78:859)} **原子力電池と原子炉はどう違うんでしょう? ぐぐって調べるほうが早いような 原子炉は核分裂によって生じる熱を利用して作動流体を熱してタービンを回します たいてい制御棒などがついていて反応速度を制御します 多くの場合原子力電池はプルトニウム等が崩壊する時に出る熱を利用して熱電対で発電するものです ゆっくり崩壊するようになっているので制御棒とかはついてません・・・とかだったはず 出力の割に重いけどとりあえず長期間動作しまつ #right(){(79:932)} **現在の最新式の核兵器ってミサイル式ですか? 初めは原爆が重すぎて爆弾型しかなかったのですが、 爆撃機以外の運搬方法は無いかということで、 ICBMができて、こっちのほうが確実に当てられるし、 高い能力の爆撃機を配備するより安いやってことで、 いまはICBMが主流です。 #right(){(84:378)} **中・印・パが核軍備に至った理由はなんとなくわかるのですが、英・仏が核軍備をしたのは何故なんでしょうか? WW2の思い出と対ソビエト保険 #right(){(84:529)} **日本をはじめ核を持たない国は冷戦時代のMADという戦略の中でどのようにして先制核攻撃を抑止していたんですか? 核の傘 #right(){(84:572)} 核保有国と同盟を組む。 別に過去形じゃなく、今でも。 #right(){(84:573)} **核兵器は、使わないと威力はわからないんですか? その地域の地形、当日の気象により効果は変化すると言われています。 核兵器、原爆を使用する場合、開けた平野に落とす事によって放射線状に被害が広がるので効果的だと言われています。 まぁ、現代の核とWW2のアメリカの核とは性能が違うはずですので。 核は投下し爆発すると、投下地点の空気が圧縮されて、爆心地に周辺の空気が引き寄せられます。 次の瞬間引き寄せられた空気が外に拡散し凄まじい爆風を発生させます。 非常に高温の空気は人間の皮膚細胞を痛めつけ、鉄は溶けます。 爆心地に近い人間は蒸発したと言われています。 放射線は爆心地から離れた人、遺体回収に携わった人などを蝕みます。 最近の核は電磁波を発生させ電子機器を狂わせると言われています。 周囲のライフラインは停止するでしょう。 車も恐らく動きません。 というのが確かNHKの高等学校用のビデオの核の恐怖とか言うようなタイトルのないようだった気がします。 多分図書館に行けばあるかとおもいます。 間違ってるところがかなりあるかと。 ごめんなさい。 #right(){(85:223)} **Tsar Bombaの記録映像って、カメラはどうやって衝撃波や熱線から守ってるのでしょうか? 確かコンクリで固めまくるんじゃなかった? #right(){(85:232)} **ウラン235をつかった原子爆弾を現在でも保有している国はあるんでしょうか? はい。ロシアとパキスタンが持っています。 水爆のも原爆のもあります。 #right(){(86:667)} **50メガトン級核実験の動画or画像無いでしょうか? 映画「博士の異常な愛情」のラストでアメリカとソ連とフランスの水爆実験が見れます。 #right(){(87:831)} **核重力爆弾なんて聞いたこと無いんですが、何ですか? 重力落下型(自由落下型)核爆弾を訳し違えたのでしょう。 B-83は制動傘を持つので自由落下とは言い難いのですが、 推進装置を持たない爆弾は普通自由落下型と言われます。 英語だとfree-fall-nuclear-bomb、gravity-nuclear-bombね。 #right(){(90:200)} **全ての国家が核を保有(弾道ミサイルあるいはSSBN)を運用したら、核による相互確証破壊による抑止効果で戦争のない平和な世界になるでしょうか? 核兵器を現有戦力として第一線配備するのは膨大なコストが必要となります。 そのようなコストを自国で負担できる国家は極少数です。 核弾頭を装備した弾道ミサイルをいつでも使用できる状態で維持するのは、 殆どの国にとって国家財政に致命な的負担となります。 また、「国家」=「(主要先進各国のような)マトモな法治国家」というわけでもありません。 よって、提案されるような核による平和な世界を構築したら、 半世紀後には「核の冬」による半永久的(永久的?)平和が実現するでしょう。 #right(){(91:916)} 核抑止はプレイヤーが増えれば増えるほど不安定になります。 基本的に相手側の良識(自国の耐え難い損害を許容しない)を信用し、 技術と兵力レベルが均衡している事が条件です。 プレイヤーが増えるとこれらの条件が成立するのが難しくなります。 (最近話題の某国が核武装した場合、その良識を信用する事の困難さが判ると思います。 #right(){(91:917)} **アメリカの技術者が終戦後、ソビエト連邦に原子爆弾の重要な技術を流出させてしまった? とりあえず内容は本当です。 開発スタッフの一人がアメリカだけが核兵器を持ち世界の覇権を握る事を恐れ ソ連に爆縮レンズなどの開発法を漏らしてます。 この情報提供が無ければソ連の原爆開発は大幅に遅れるか、最悪開発に失敗していたでしょう #right(){(92:622)} 原爆の機密をソ連に売り渡したスパイとして, ローゼンバーグ夫妻が処刑された事件が有名です (夫妻に関しては冤罪とする説もあります) 同種の事件は冷戦期に数多く起こっているようです #right(){(92:625)} 「KGB衝撃の秘密工作」 Written by Pavel A. & Anatoli P. Sudoplatov Edited by Jerrold L. & Leona P. Schecter Editorial supervised & Translated by KIMURA Akio 木村明生監訳 Published by Porupu Publishing ほるぷ出版 によれば,核情報をソ連側に渡した科学者として, ロバート・オッペンハイマー クラウス・フックス エンリコ・フェルミ などの名が挙げられています.  動機は622で述べられている通りです.  この内,フックスについては 原爆を盗んだ男クラウス・フックス ノーマン・モス 朝日新聞社 1989 1800  オッペンハイマーについては 機密漏洩事件・水爆とオッペンハイマー J・メジャー 平凡社 1974 2800 がそれぞれ出版されています. #right(){(92:消印所沢@FAQ保守員 ◆z3kTlzXTZk)} **原子爆弾の最大威力はどの程度のものなんでしょうか?  >原爆だけでメガトン級の核兵器と言ったものはできるんでしょうか? 理論上は下限はあっても(臨界量の核物質が最低限必要)、上限はなかったかと。 #right(){(93:ゆうか ◆9a1boPv5wk)} 核分裂だけでどれくらいの威力が出るものか、試しに造ってみた爆弾があって、 名前はスーパーオーラロイ爆弾で(オーラロイはウラン235のこと)、 威力は0.5メガトンだったとか。現実に造られ実験された原爆はそれが最大のはず。 #right(){(93:550)} 臨界量の核物質がそこ有れば臨海に達してしまう訳ですから、 あまり工夫を凝らさねば、200ktくらいが限界となるそうです。 まあ色々と手は有ると思いますが、そんな事するよりも水爆にする方が合理的です。 >>544 臨界量は物質の状態(密度など)やダンパーで変わってきますし、 臨界量の核物質全てが反応を行う訳でもないので、 ダンパーや殺物質の工夫によって威力を小さくは出来ます。 #right(){(93:552)} **旧ソ連は井戸水や油田を掘るのに核爆弾を使用していたというのは本当ですか? ソ連では鉱山の採掘に小型核を利用したことがあったはず。他国でも運河の掘削に複数の原爆を使用する 計画があったが、放射能の問題があり断念した。 #right(){(93:657)} ソ連は「平和的核爆発」と称して大規模土木工事に核爆弾を何気に 使用しておりました。その総数は150回をこえるとか。 それの代表的なところでは ・地震研究のため。地中核爆発で地震波を出してみた。 ・石油掘削のため。穴掘って核爆発を起こせば近くの油田のアブラの出がよくなると 思ってやってみた。 ・運河開削のため。連続的に核爆発でクレータを作ってそれをつなげて運河にしようと 思った。・・・これはさすがに二発だけ爆発させてやめた。 ・地中ガスタンク作成のため。地中に球状の空洞が出来る筈だったが、地下水で 埋まってしまってだめぽ。 ・汚染土壌廃棄場作成のため。汚染土壌がかえって増えてる、って点については偉大なる 社会主義国家建設のためなので気にしてはいけない。 ・貯水池作成のため。その水をなんに使ったのかも気にしてはいけない。 ・炭鉱の粉塵を除去するため。ものすごい爆風で粉塵は収まったらしいですが、 炭鉱夫の健康状況は悪化したとか。何故だろう。 ・有害化学物質の焼却のため。だんだん書いてて頭が痛くなってきた。 #right(){(93:667)} アメリカで”第2パナマ運河”の建設に水爆を使用して一気に、 という案が真面目に検討されたことがあったそうな。 あと、大量の品質保証期限切れ化学兵器の処分方法として、 ”核爆弾の周りに処分する化学兵器をひたすら集積してどかんと一発” というのも真面目に検討されたことがあるとか。 でもまぁソビエトよりは・・・あ、いや、アラスカ(のド田舎)に核兵器を使って湾を掘り、 港を作るって計画が・・・(汗  あぁ、自分も頭が痛くなってきました。 #right(){(93:669)} **貯蔵してある核兵器の安全性ってどのくらいでしょうか? 基本的に核兵器は火薬の爆発等では誘爆し、核爆発が起こるようなことはありません。 内部の核物質が拡散する可能性はあると思いますが… #right(){(94:233)} 現在圧倒的主流のプルトニウムを用いた核兵器は、全て厳密に計算された 爆薬の爆発により分散されたプルトニウムを一カ所に高圧をかけて集めることで、 所定の爆発を起こすようになっています また設計と工作精度の向上からプルトニウムの量も最小限となってきており これが外部からの力により無理に圧縮されたとしても、爆発を起こすことはありません (天文学的確率の妙が起これば別ですが) ただし爆発は起こさずとも臨界を越えることはありますので、 東海村事故レベルのことはおきえますから、不用意に近づくのは危険です #right(){(94:234)} **MIRV化された核ミサイルで、例えば弾頭が2つとしてこれをフィラデルフィア、ニューヨークに落とすといった方式はとられるのでしょうか? ふつう2ヶ所別々に攻撃します 核兵器は威力が高いため多少のずれはたいした誤差になりません #right(){(94:609)} >ついでに質問なのですが、その際にバスから弾頭が放出されていくとおもうのですが、 >たとえば4つの弾頭をもつものが、ワシントンDC、NY、フィラデルフィア、ノーフォークなど広範囲にばらまく等は可能なのでしょうか? MIRVはポストブースト段階(加速直後、大気圏外)で各弾等を別々の軌道に乗せます。 散布範囲はPBMバスの能力によりますが、何かの本に100*500kmくらいの数値が載ってました。 #right(){(94:616)} 当然攻撃範囲には制限があります 細かい値は失念したのですが単純に言えば 進行方向に対して左右への範囲は狭く 前後は左右に比べて範囲が広いという感じです #right(){(94:617)} 実は同一地点を連続して核攻撃するのって結構むづかしいんです。 先行弾頭の電磁パルスが後攻弾頭の起爆装置をワヤにするかもしれないし、 かといって時間をおいて攻撃しようと思っても先行弾頭の爆発で 空気中に巻き起こされたガレキや土砂と衝突して後攻弾頭が壊れてしまうかもしれないからです。 (マッハ20近くで飛んでいる弾頭はすごくナイーブなのです) #right(){(94:620)} **コバルト60って凶悪なダーティーボムに使用可能と思うのですが正解でしょうか? 当方、放射線医薬品としてのコバルト60の知識しかありませんが、 コバルト60のペレット(固体)に、防御手段無しで長時間被爆すると 死亡することもあり得ます。ちなみにコバルト60の半減期は5年ほどですので ダーティボムとして使用された場合の危険性は、セシウムやヨウ素の放射性 同位体と比べて低いと言えます。 #right(){(94:940)} **原爆の半減期は、どのくらい? 広島型原爆に使われていたウラン235が7億年。 長崎のはプルトニウム239でこれは2.4万年。 水爆に使用されているトリチウムは12年(ただし起爆用の原爆は無関係)。 #right(){(96:59)} 仮に半減期を過ぎたとしても(えらく気の長い話しだが)理屈の上では ニコ一すれば再生できるし。 #right(){(96:62)} 近代的な核兵器は原爆と言えども中央にトリチウムを使用する強化原爆がメインなので、 これの自然崩壊が核兵器の有効(少なくとも信頼)期間を左右するようです。 確か5~10年程度で入れ替えする必要があったような。 #right(){(96:system)} **水素を特定金属に吸蔵させて核兵器(特に小型核)をつくることは理論的に可能でしょうか 「理論的に」は可能かもしれませんが 点火するためには金属に吸蔵された状態とはほど遠い状態にする必要はあるでしょうね #right(){(96:137)} 核融合反応を起こすなら、例えば水素や三重水素等それぞれの原子間距離を10^-13m 程度まで近づけないとならない。 一方で固体や合金触媒に水素を担持させる場合せいぜい10^-9 m程度の距離にしかならない。 水素貯蔵合金も同様だしね、理論的にも無理でしょうな。 #right(){(96:139)} あーまぁ、要するに核融合反応起こすには、複数の原子を近づけなくては駄目なんだ。 だが、水素貯蔵合金なんかで担持した程度の距離では、 各々の原子核同士が遠すぎてその反応が起きないねん。 まぁくっつかすには色々と方法があって、一番簡単なのは高温・高圧に晒すって訳だが、まぁそれは別の話や。 #right(){(96:147)} **地下核実験は単に計器をくくりつけて地中でドカーン…というような単純なものではなく、高度な技術を必要とするものなのですか? どこまでやるかによります。 極端な場合は、単に塔の上で起爆する替わりに地下で起爆し、 ただちゃんと爆発することを確認するだけですので、爆発装置作成以上の技術は必要ありません。 何がどのように起こって、どの部分がうまく行き、どこが計算外の動きをしたかなどを知ろうとすると、 高度の技術とノウハウが必要になります。 #right(){(96:system)} **中性子爆弾が炸裂した場合有効範囲内に居る、戦車等の車両内の搭乗員はどのような状態になるのですか? 被曝量により、死亡したり負傷したりします。 #right(){(99:869)} >搭乗員の肉体が著しく損傷したりするのですか? 急性放射線障害 1)分子死:1kGy以上で動物は即死.身体を構成する重要細胞の 重要分子(主にタンパク)が変性することによる. 2)中枢神経障害死:100Gy程度以上(マウス).神経症状を起し, 数分から数十時間以内に死ぬ. 3)腸死:10~100Gy(マウス).被曝後1~2日後から嘔吐,下痢を 起し,3~4日後死ぬ.絨毛上皮細胞死と粘膜下組織の露出に起因する脱水,菌血症. 4)造血器官障害死:5~10Gy(マウス).骨髄細胞の死に伴う 白血球減少,易感染,免疫障害,赤血球減少による貧血等で10~20日で死ぬ. 補足 ですから至近距離で中性子爆弾が爆発すれば、分子死状態となり、例えば外見として 白っぽくなってるとかはあるかもしれないのですが、実際には至近距離では熱線、爆風も 発生しているので、戦車ごとこんがり焼けてるものと思われます。 まあ、目立った違いというか、変わった点を挙げると、中性子線によって殺菌も行われるので 死体がなかなか腐敗しないということでしょう。ミイラになりやすい、というか。 #right(){(99:system)} **先日核実験の映像を見たのですが、撮影するとき、カメラはどのようにして守られていたのでしょうか? 普通はコンクリートのバンカーに入れて撮影。 #right(){(101:一等自営業 ◆BVruYgneoI)} ようするに爆風を直接に受けないようにコンクリートのバンカーか何かのなかに入れて、 もちろん遠隔操作かタイマーで自動だろう。まさかカメラマンはいないよな。 #right(){(101:289)} **実戦で使える小型核とかをアメリカなどが開発してるらしいけどなんか意味あるんですか? >威力がある核を使ったら非難轟々だし >威力をいうなら気化爆弾とかで十分な気がするんですが? 実戦で使える小型核なんてものはとうに存在してますし なぜそこで気化爆弾が引き合いにだされるのか理解できません。 気化爆弾と小型の核では代替性がありませんよ。 #right(){(101:453)} 例えば地中不覚に設けられた司令部施設を攻撃する場合など、 大量の空気と混合しなければ爆発しないFAE(燃料気化爆弾)は使えない。 サーモバリックってのはFAEとはちょっと違うしね。 #right(){(101:461)} **水爆や原爆の起爆装置はどのようになっているのですか? え~書くと、非常に長くなるので、少々かいつまんでお話します。それゆえ、理解しにくい部分 があったり勉強不足で間違いにもし気づいた方がいらっしゃったら、補足訂正をお願いします。 まずは原爆の起爆方式には代表的なものは2つあります。その前に、まず原爆を起爆させるのは どういう事かと申しますと、ウラン235(もしくは239)をまずは臨界状態(つまりウラン 原子が核分裂する状態)にしてやれば良いわけです。いくつかでも原子分裂が始まれば、核分裂 から生まれた中性子が回りのウラン原子にも核分裂反応を引き起こして連鎖反応で凄まじいエネ ルギーが生まれていく・・・と。良く言われるプルトニウムはそれ単体で核反応は起きませんが 他の放射線物質を利用したり、反射材(核反応のための中性子を逃がさないように反射材と言わ れる物質でウランやプルトニウムを囲む)を使う事で核反応を起こせます。 これをふまえた上でお話します。 まず、ウランを使い場合は結構簡単で、ウランを二つに分けて、それを火薬の威力で一気にぶつ ける事で臨界に達する事が出来ます。 プルトニウムの方式は結構やっかいで、核反応を促進させる物質を中心において、その周辺にプ ルトニウムを囲むように配置します。サッカーボールの黒い部分みたいに。と言えば良いかな? いくつに分割するかは失念しました。すいません。ちなみに、同じ量のプルトニウムを厳密に対 象に配置して同じ瞬間にプルトニウムを結合させてやらないと核反応がうまくいきません。これ が原爆製造の難しい所。爆縮型と言います。 これが基本的な原爆の起爆方式。水爆はさらにこの原爆の威力を利用して核融合を引き起こして やるものなのですが、勉強不足できちんと説明出来る自信が無いので割愛。 ちなみに核分裂ではなく、レーザーで融合を引き起こす純粋水爆。と呼ばれるものも近年話題を 呼んでいますがまだ実験段階です #right(){(101:901)} 水爆の場合は、原子の原子核を融合させると質量喪失が起き、それがエネルギーに変わるので、その エネルギーを利用した爆弾なのですが、それには、原子核の回りを飛んでいる電子が邪魔です。 で、電子は高温に成ると速度が増し、排除し易く成ります。それでも原子核同士は電気的に反発し合い ますので、圧力をかけてやる必要性が有ります。その高温高圧を原爆を使って行おうと言うのが水爆です。 ですから、設計がヘタレだと核融合が起きず、起爆用の原爆以上の破壊力を生まなかったりします。 #right(){(101:903)} **ウラニウム型原爆って、重量1トンでどの程度の破壊力(kt)があるのでしょうか? 広島型原爆(リトルボーイ)に使用されたウランの量は、標的側(静止している方)が約40kg、 投射側(ぶつける方)が約25kg、計65kg程度となっています。 ただ、実際には近接した途端に連鎖反応が始まり、これによって接触部の 温度が上がって密度が下がり、さらには飛散してしまうため、実際に 核分裂反応を行ったのはごく一部だけなのです。広島型では1.4%程度と言われています。 爆縮型プルトニウム原爆でも同様の問題が起きるため、全体が可能な限り 同時に連鎖反応を始めるよう、設計や爆縮レンズの製作にはノウハウが注ぎ込まれています。 現代の技術と知識の蓄積を持ってすれば、1トンにまとめることもおそらく可能でしょう。 爆発力自体は全体の重量ではなく使用される核分裂物質の量(広島型では10数kg)、 その中で実際に反応する質量で決まります。 ウラニウムを使用したガンバレル型では一つの塊の大きさに限界があるため、 爆弾の重量を増しても大した出力増加は期待できません。 というわけで1トンになんとかまとめて20キロトン逝けば上等かと。 #right(){(103:system)} **今は核兵器の威力ってどの程度上がっているのでしょう? >2メガトンの戦略核で関東平野が消滅する?  旧ソ連が58Mtの実験を行って以降、 基本的に核兵器の平均的な爆発威力は低下傾向にあります。 (命中精度などの改善で「威力」は向上しているとも言える) #right(){(104:73)} 概算ですが、2メガトンの核爆弾による破壊(致死)半径は、 熱:20km、爆風:10km、放射線:4km 程度です。東京駅に落として 西は調布市から東は船橋市、北は川口、南は羽田あたり。 関東平野消滅とはとても言えません。 放射性降下物による汚染半径であれば、関東平野全迷惑と言ってよいかも。 #right(){(104:system)} **インプロッシブ型原爆を使わずに、水爆を造れますか? >(純粋水爆とかは抜きにして、現在の科学技術で) 十分な量のX線が発生すればなんでも良いわけですから、 ガン・バレルタイプの原爆を起爆に使用することは 可能だと思います。ただ、通常は核融合燃料の着火に 燃料中央においたプルトニウム製中空棒のインプロージョンを 利用しますから、結局インプロージョンさせることに なってしまいます。それなしに外側からの中性子だけで 起爆させるとかなり効率が悪い~着火失敗することになりそうです。 #right(){(107:system)} **何でイギリスやフランスは核を持つのでしょうか? 英国については昔の帝国主義時代の残滓で、欧州に於いて ソ連に唯一対抗できるようにすると言う目的で持っている。 だから、その核技術も余りお金を掛けずに1960年代以降は米国のものを購入している。 フランスは完全な見栄で、しかも純国産に拘っている。 (名目は、米ソの対立に欧州が巻き込まれては叶わないから、欧州独自に核戦力を持つ必要がある…だけど) まぁ、ド・ゴールのおっさんの意地ですな。 だから、フランスは小銃開発まで資金が行き渡らず、長い間欧州で最も旧式な銃と言われていた。 #right(){(107:578)} フランスは、大戦で同盟国なる物がアテに出来ないと確信したんです。 同盟関係にあってもしょせんは自国が大事。 当事国が負け始めたら、同盟国は増援を出すより撤退を選ぶ(特に次に狙われてるのが自国の場合)ことがままある。 そんなこともあり国防に関しては、「協調すれど頼らない。」これがフランスの基本理念。 従って、ことさらに一度身につけた技術を継承したいと言うこともあり、自前に拘ってますな。 #right(){(107:582)} **トム・クランシーの「恐怖の総和」を読み返していたんですが、核分裂爆弾のプルトニウムの形について質問です。 >物理の本を読んでいると、核分裂爆弾のコアのプルトニウムは 「コアピットと呼ばれる球状の中空のカタマリに成型」と書いてあるんですが、 >『恐怖の総和』で核融合のきっかけとして使っていた核分裂爆弾のプルトニウムは >「ガラスのタンブラーの上部を下へ折り曲げたような形をして、金属の二つの並行した壁ができていた」 >と書いてあります。どっちが正しいんでしょう? 正月早々の軍オタです。おそらく両者とも正しいと思います。 通常は前者の中空の球(といっても中央の空所はベリリウムの 中空小球が入るだけで小さい)が使用されていると思います。 後者の描写はおそらくリニアー・アラインメント、つまり直線状、 あるいは平面状に構成された核分裂装置です。 核装置を小型化する際、プルトニウム球の直径が形状を大きく制限します。 その制限を超えて薄型の核分裂装置を作る、ということで、 リニアーなものが設計されたようです。詳細は明らかにされていないはずです。 少なくとも初期のものは球形のものに比べて効率が落ちるという欠点があったと聞きますが、 起爆用ならなんとかなるのかも。 いずれにしてもなかなか詳細が公開されるものではないので、確実なことは言えませんが。 #right(){(111:system)} **核弾頭って周囲で爆発が起こったり射撃を受けると誘爆(核爆発)するんですか? しません。 #right(){(111:765)} 可能性としては非常に低いと思われます。 理由は、多重化した安全装置、の存在。 >周囲で爆発が起こったり 近くで核爆発が起きると、電磁パルスにより起爆装置に悪影響が出る可能性があります。 1つの目標に複数の弾頭が密集して到達すると、弾頭が爆発しない可能性も否定できません。 #right(){(111:766)} 現代の核爆弾は、小型化軽量化のために核分裂条件がかなりシビアです。 精密にタイミングを合わせた、複数の爆薬レンズの同期の取れた作動によって 初めて連鎖反応条件を満たすことができるのが普通ですので、 同期を取る電子回路の確実な作動なしでは核燃料をまき散らして 核汚染を起すのがせいぜいです。 偶然に恵まれればごく低収量の核反応が起きる可能性は否定できませんが。 #right(){(111:system)} **日本が保有しているプルトニウムを使えば、100発以上の核兵器が容易に作れる? 「その気になれば明日までに自動小銃だって手に入る」からといって、 「拳銃を持っているかいないのかわからない」強盗の影に怯えなくていい、ということにはならない。 潜在的実力があるということと、今現在さらされている脅威に対処する能力があるということは別。 一応付け加えておくと、もし日本が「北韓の核兵器保有疑惑に対処する為に」核武装したりしたら、 周辺の全ての国に敵視される。アメリカの支持も得られず、最悪の場合アメリカに攻撃されるだろう。 もっとも、プルトニウムを持ってるからといって即座に核兵器が作れるなんてことはありえないんだけどもね・・・。 #right(){(112:691)} **倫理的な問題を置いておけば対空核ミサイルは有効と思っていいんでしょうか? 倫理的・政治的な問題をおいておけば、核兵器というのは重量あたりの 威力という点で通常の爆薬とは比較にならないほど有利です。 しかし、核兵器の使用という点に関して倫理的・政治的な問題を等閑に 付すことを前提として質問をするのは愚かな振る舞いとしかいいようがありません。 #right(){(113:591)} 対ミサイル核ミサイルは確かに有効ですが、自国の上空で核爆発を 起こしますので、EMPによる被害が大なり小なり発生します。もちろん 対EMP対策は施してあるわけですが、レーダーのように電波を受けることが 仕事という装置はどうしても脆弱です。最初の一発を無事核ミサイルで 撃破しても、レーダーや無線、ネットワークやコンピューターなどが 満足に作動しなくなると、あとは無防備になってしまいます。対空核ミサイルは 決して万能最強の策でありません。 #right(){(113:system)} **原爆の発案者はいったい誰なんでしょうか? ハンガリーの物理学者 レオ・シラード #right(){(118:447)} **なんで原爆をつくってしまったんですか? ナチス・ドイツが原爆を作ってしまう可能性と恐怖が有ったから、アメリカへ亡命した欧州の科学者 (アインシュタインとか)が、米国政府をけしかけた。 #right(){(118:447)} **核の冬説はいまはどういう扱いなんだろう。 「核の冬」は、当初書かれたほど厳しくないのではないかという反論がその後出てます。 ただ、巨大隕石による恐竜絶滅がほぼ確実な史実とされたのち、 これによる全地球規模の大火災が核の冬と同様の現象を起こし、 植物、動物相を一気に書き換えただろうとも言われており、 多少の規模の違いはあっても、最悪の全面核戦争が生じた場合 「核の冬」が起きる事自体はかなり確かなようです。 #right(){(118:system)} んなこたねぇ。異論反論反証が山ほど出てきて決着はついてない。 #right(){(118:822)} **戦略原潜や水爆搭載機が攻撃を終えた後で、どのような行動を取ることになっているんでしょう? 映画のエンドオブザワールドがそんな感じです。 映画では米潜水艦が1隻だけ生き残りオーストラリアまで逃げます。 南半球は直接の被害は少なかったという設定ですね。 実際にはどこか比較的安全なところに逃げるんじゃないでしょうか。 少なくとも放射能による汚染が「まだ」来ていないところまで。 #right(){(118:777)} 軍の基本は、敵が降伏するか新たな指示があるまで敵を攻撃するです。 核戦争でも変わりません。 爆撃機であれば爆弾投下後、他に指示が無ければ発進基地へ帰還して次の出撃に備えます。 基地が攻撃を受けて着陸できなければ、指示されたあるいは事前に指定された代替基地へ向かいます。 そこで再度補給を受けて次の攻撃指示に従います。 潜水艦もミサイル発射後は、再装填のために基地に帰還する、あるいは別途洋上で補給作業を行い その時の武装で可能な次の任務に向かいます。 指揮系統か補給系統が戦争継続不可能な状態になるまで、これは続きます。 そして、最後まで指揮系統と補給系統を維持できたものが勝者となります。 指揮系統と補給系統が戦争継続不可能な状態になったばあい、降伏しないのであれば 最後に命令された場所を離れて、どちらかが回復可能な場所まで 自主判断で移動することになります。 #right(){(118:908)} **核地雷とか核手榴弾てホントに開発進められたのですか? 理論上はマッチ箱サイズも可能。半減期が短いので頻繁に核物質を 取り替えないと駄目だが。 核地雷は普通にあった。別にデカイ地雷でも問題無いだろ? 他はロケット核バズーカやスーツケース核爆弾くらいか。 手榴弾はない。 #right(){(119:707)} **核爆発は地上爆発と空中爆発ではどれほど威力が違うものなのでしょうか? 空中爆発の方が威力が広範囲に伝播するとかなんとか。 広島や長崎も空中破裂だったし、実験や地下施設への核攻撃でもない限り普通は空中だと思います。 #right(){(119:705)} **20メガトン核弾頭はどれほどの威力なのか 熱線の致死半径がおよそ60kmと計算されるので、新宿上空で起爆した場合、東は成田空港、西は相模湖。 南は三浦半島先端、北は筑波山あたりまで。爆風の致死半径は30km弱です。 二次的な放射性降下物被害で関東平野は全滅でしょうね。 上記は遮蔽物なしの場合。1Mt程度までの計算式なので、誤差はありそう。 おそらく上記数値より小さくなるでしょう。 補足 アリゾナ砂漠の隕石クレーターは直径1.1kmですが、 隕石の衝突エネルギーは12.5メガトン程度と推測されています。 この推測は核実験の出力対生成クレーターの関係から出された物なので、 20メガトンの核爆弾が地上爆発してもクレーターの直径はせいぜい1.5km程度かと。 新宿駅で起爆して、東は新宿三丁目、西は都庁、北は西武新宿北口、南は代々木駅止まり。 #right(){(119:system)} 全滅の定義をはっきりさせないと、どんな結論でも出せると思う #right(){(119:677)} 消し飛ばすのは無理でも熱線やら放射線やら爆風やらで 壊滅的状態までもっていくのは可能と #right(){(119:678)} **ウラン爆縮原爆のメリットを教えてください。 >プルトニウムによる核開発と比べて何が優れているのですか? ウラニウムは核分裂連鎖反応の効率が悪く、プルトニウムと比べて 多くの材料が必要であり、反応に時間もかかります。時間がかかると言うことは 一部で核分裂が進行する間、他の部分は熱膨張を起こし、密度低下=連鎖反応停止を 起こすと言うことです。それゆえウラニウム爆弾は効率が悪い一方、いい加減な 爆発装置でも一部は反応してくれます。プルトニウムではトロい反応装置を使用すると 急速な熱発生と膨張によって、ろくに出力が得られないうちに連鎖反応が止まります。 したがって、プルトニウム爆弾は一瞬で全体を圧縮、起爆する必要があり、高度の 技術とデータの蓄積が必要です。ガンバレルのような鈍足装置で起爆できるのが ウラニウムの利点。効率がとても悪いのが欠点です。 #right(){(120:system)} >ウラニウムは精度の甘い爆縮装置でも(少なくとも一部は)爆発してくれるということでしょうか? おっしゃる通りです。爆縮ではなく、ガンバレル型の衝突合体型 装置で取りあえず起爆するということです。そのかわり、効率は 1.5%程度。爆縮は一桁高い収率を期待できますが、爆薬の衝撃波による 核分裂物質の密度変化をコントロールする必要があり、高度の技術と 高圧急速変化物性のデータベースが必要です。レーザー爆縮が核分裂の シミュレーションとして有効なのはこの時点です。そのような技術や コンピューターシミュレーションの基礎、データ集積がなかった時代には X線撮影によるテストが数え切れないぐらい行われ、実際に起爆させて 確認、仮説とパラメーターの再設定、再試験、という大変な努力が 必要でした。データベースが拡散しているであろう現在でも、核実験なしに 核弾頭を作ろうとすればウランのガンバレル or 爆縮型が不発の可能性が 格段に少ない方法なのです。特に前者ですね。 #right(){(120:system)} **核兵器の放射線防御ってどうなっているのでしょうか。 核弾頭は通常U238(簡単に言えば劣化ウラン。不正確ですが)が外周に使用されており、 これが効果的な放射線防御となっています。 劣化ウラン自体も放射線を出しますが、紙一枚で遮蔽できる程度のものであり、弾頭の外殻で十分遮断できます。 U238を使用するのは核爆発を助けるためなのですが、それが遮蔽材にもなってくれているわけです。 また、核弾頭に使用される核物質から放出される放射線はさほど強いものではありません。 原子炉からの廃棄物の方が遙かに危険です。核弾頭は起爆してはじめて危険になるのです。 #right(){(120:system)} **現代における核抑止力の有効性はどの程度のものなのでしょうか? 有効な核抑止力を持った国に国家意思の強制を行うことが出来る国はありません。 過去も核保有国が最終的な対決を避けた様に、現在でも核抑止の考え自体は有効です。 ですから逆に持たざる国の核開発に過敏とも言える反応を示すのです。 #right(){(121:320)} **原子力発電所を保有しているにもかかわらず核兵器を保有していない国は日本だけなのでしょうか? ドイツ #right(){(121:447)} 台湾と韓国も。 #right(){(121:448)} むしろ持ってない国の方が多い #right(){(121:449)} **アメリカの核兵器事故について >ちょっと昔、水爆を数個積載したB-52がアメリカ国内で墜落して水爆内の火薬が爆発したものの、 >核分裂は起きなくてなんとか助かったけど、放射能が広範囲に飛散して放射線を放ったって話は本当ですか? ちょっと前というか、40年近く前にグリーンランドでそんな事故が起きました。 B-52だとあとは40年以上前のスペインの事故ぐらい。 米軍の核兵器事故は下記サイトにまとまっているので参照してください。 http://www.cdi.org/Issues/NukeAccidents/accidents.htm #right(){(355:779)} **高速増殖炉によって生産されたプルトニウムを軍事転用することは可能ですか? ・そのままぶちまけるのなら可能。 兵器級プルトニュームにするなら、再処理がさらに必要です。 #right(){(378:62)} ・高遠増殖炉の使用済み燃料は、東海村や六ヶ所村の再処理工場で処理すれば兵器級のプルトニウム239を生産できます。 米国ではプルトニウムの品質をプルトニウム240の含有比率で区分して、7%以下のものを「兵器級」、18%以上のものを「原子炉級」としている。 プルトニウム240の割合が多いと核爆弾が「早発」になる可能性が高く、アメリカの核兵器はプルトニウム239の濃縮度96%以上のものを使ってると言われます。 日本の高速炉『もんじゅ』の場合プルトニウム239の濃縮度は97.6%で、『常陽』では99.4%だから、兵器級としても高品質。 ちなみに『もんじゅ』がフル稼働すれば、一年でおよそ核爆弾30発分のプルトニウム239が作れます。 (軍事板) **日本が核武装することは可能ですか? 言うまでもないですが、技術面より政治・外交的ハードルの方が遥かに高いです。 期間に関しては専用スレが有るので探してみて下さい。 #right(){(76:752)} 日本は政治家が「核武装を議論すべき」と言っただけで左寄りのメディアや政党から集中砲火を浴びる。 非核三原則に「議論させない」を加えた非核四原則であるとも言われる状況なので非常に困難なのが実情。 もし国内の政治状況が一変して核武装が国民のコンセンサスを得たと仮定すれば、外交的にはアメリカの「承認」か「暗黙の了解」があれば可能。 NPTを脱退しても国連安保理による制裁決議案をアメリカの拒否権で破棄できるから。 アメリカでは中国脅威論の高まりからネオコンの一部やマケイン大統領候補が日本の核武装を承認していると言われる。ただし今のところは少数派。 (軍事板) **もし日本が核武装するとしたらどれぐらいの費用と期間がかかりますか? ・伊藤貫の試算によれば核弾頭(原爆)付き巡航ミサイル200~300基と、専用の駆逐艦及び潜水艦約30隻の建設と 運用にかかる軍事予算は年間1兆円となっている。日本の核開発の経費を具体的に試算したのは今のところ伊藤貫だけ。 参考までにイギリス、フランスが核戦力の運用に投じている費用は(購買力平価換算で)年間4000~6000億円。 ただしこれには初期の研究開発費は含まれていない。 ・以前アメリカのメディアで日本は2ヶ月程度で原爆の開発が可能と報道された。 ただし初期型の原爆は1~2トンの重量になるはずで核戦力としての運用は難しい。 戦力化するには弾頭の小型化と、運搬手段である原潜、巡航ミサイル又は弾道ミサイルを並行して開発することが必要。 巡航ミサイルについては日本は関連技術を全て持っているので数年で開発可能。 また参考までにアメリカは世界初のSSBNジョージ・ワシントン級とポラリスミサイルを半世紀前に4年少しで開発している。 一番難易度が高いと思われるのは核弾頭の小型化で、これには複数回の核実験が必要とされる。 核実験は日本の場合本土から離れた無人島でやるしかないが、フランスのムルロアでの実験の時のようにグリーンピースみたいな 団体が身体をはって阻止しようとするのは必死。ちなみにフランスはグリーンピースを強制排除しようとして船の爆破工作を行って ニュージーランドとの国際問題に発展した(虹の戦士号爆破事件) このような問題を避けるためNPT非加盟国のインドやイスラエルから核弾頭の技術を購入するという方法もあるが。 いずれにせよ核兵器の実戦配備は政府が開発を決定してから最短でも4~5年という所だろう。 #right(){(軍事板)} 技術レベルという意味では原子力発電所は核分裂を制御しなければならず、 いわゆる核爆弾よりは難しいといわれています。 よって国民の同意が得られるなら可。 #right(){(14:797)} 常識的に考えて2年以上。 すごく急いで、幸運が重なれば1年ぐらいかと思われます。 #right(){(73:475)} 材料というか、原料はあります。 技術「力」もあります。ただ、核爆弾製造の直接のノウハウは持っていません。せいぜい研究所が 製造法は知ってる程度です。 何日で配備出来るかは、そんな事誰にも明確に答えようがありません。やった事が無いんですから。 ちなみに実戦配備ともなれば、弾頭を作るほかにそれの起爆実験。運送方法の確立。部隊の整備・・・ と色々なステップを踏まなければなりません。仮に推測してみても机上の空論にしかなりません。 #right(){(103:102)} **「核の傘」とよく言われますが、実際に日本が中国やロシアから核攻撃を受けたらアメリカは核で反撃するんですか? ・核の傘なんてのが実際にあるならフランスもイスラエルも核武装してない。 ・冷戦時代のソ連に対してはあったでしょう。しかし現在の中国に対しては無いかと。 中国は外貨保有高が既に世界一で対米貿易額も日本を抜いています。米国にとって中国は旧ソ連と違い共存しなければならない相手であって、 もし日本が核攻撃を受けたからといって核で中国経済を壊滅させるようなことは出来ませんし、また中国の核による反撃を受けるリスクを取る ことも出来ないでしょう。日米安保はもちろん発動されますがトマホークやB-2などで中国の軍事基地を攻撃するだけかと。 ・核の傘、正確には「拡大抑止」と呼ばれるものは冷戦時代から信憑性に議論があり、退任後のキッシンジャーなどは明確に否定してる。 日本が核攻撃を受けたからといってアメリカが核で中国やロシアを攻撃なんてありえないと考えていい。 しかし「拡大抑止」というのが全く無いというわけではない。アメリカは世界最強の軍事大国であり、通常戦力だけでも中国やロシアの 体制を崩壊させるだけの能力がある。そのアメリカの軍事力の中核が核戦力だから、ある意味で日本はアメリカの「核」に守られてるわけだ。 ・抑止力は存在すると公言している以上必ず存在する。 抑止力を公言している以上、核攻撃に対する何らかの軍事的アクションを起こさないと 同盟国どころか自国の抑止力自体がブラフをに聞こえ、以降相手のさらなる攻撃を助長することとなりかねない。 ではここでの軍事的アクションとは何ですかと言われるその線引きは難しい。それはドコがどれくらいやられたかの被害規模、経緯によっても違うだろう。 (速やかなるアクションで相手をけん制し核戦争に発展する恐れを未然に防ぐ目的から、 合衆国内部では最高の軍事機密としてある程度具体的なプランがあるような気はする。もちろん大統領がgoを出さないと発動しないよ) 中国やロシアによって東京が核攻撃をされたからと言って中国首都北京、ロシア首都モスクワを核攻撃するかと言われるとそれは絶対に期待しないほうがいい。 (両者がヒステリックになり、自国すらを巻き込む核戦争の事態にエスカレートさせるだけだから) もしも現実的に報復の核攻撃をするなら、核ミサイルを放ったミサイルサイロ(ミサイル基地)もしくはそれに準じる軍事施設に対して速やかに行われると思われる。 (もちろん通常戦力のみの報復も考えられるよ。個人的で稚拙な見解だけど、どっちらにせよ開戦だから、初期段階で 合衆国は如何なる軍事的手段も辞さないと言うシグナルを目的が明確な報復の一発でしっかりお見舞いしておいた方が後々のためにいいと思うけど) (軍事板) **現代戦で戦術核をマジでつかう事を想定して準備している国家はあるのでしょうか? ・防衛庁の幕僚だった人物の著書によれば核を持ってない国は核保有国と交戦する際、 通常戦力による戦闘でも対核戦術というのを強要されるため前者が圧倒的に不利になるのだそうだ。 ・あるからこそ、戦術核を持ち、あるいは出力を可変にしてるわけです。(B61など) でないと全面核戦争か通常戦争かという選択になりかねず、そうなると核が大変使い辛い。 もちろん、核を使用するのは最後の選択ではありますが、その最後の選択の中に、さらに一拠点にのみ限定的に使用する、 といった選択肢があると、例えば相手の生物兵器工場とか、地下司令部とかだけに使う、という可能性ができます。 (軍事板) **核兵器に使うプルトニウムの球は直径何ミリの大きさまで出来るのですか? http://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq4-2.html#Nfaq4.2.3 の「Minimum Size」のところに詳細があるとおり、完成品弾頭としては直径25cm程度までいける。 臨界量としての球形プルトニウムコアの最小サイズであれば、4kgがアルファ相に移行した状態として 直径5cm程度となる。もっとも、このまわりにベリリウムのけっこう厚い層(10cmとか)が必要になる。 1kgのプルトニウムでも特殊なデザインの使用で臨界に持って行ける(効率は落ちても)可能性がある。 ただし、この場合は球形にはならない。 #right(){(初心者スレ479:911)} **核保有国はおしなべて「死者の手」みたいな司令部が壊滅しても自動的に核攻撃を行うシステムを持っているのでしょうか? 当然国家機密だが、SSBN(戦略原潜)保有国は持ってると想定されてる。 SSBNは定期的にVLF(超長波)の到達可能深度まで浮上して司令部と連絡を取っているが、一定以上の連絡途絶が確認されれば 司令部が攻撃を受けて全滅したと判断され、艦長と幹部の判断でミサイルの発射が許可されているといわれている。 #right(){(初心者スレ479、一部修正)} **「自動報復システム」とはどのようなものなのでしょうか? >この間のテロのような事態でペンタゴンやホワイトハウスが消滅してしまったら勝手にハルマゲドンを始めてしまうような融通が利かないシステムなのでしょうか。 米本土が大規模に核攻撃を受けた際に、各国への報復マニュアルは存在したが、自立したシステムが 自動的に判断するような「自動報復システム」なるものは存在してない。 #right(){(337:)} 旧ソ連ではあった。 ロシアで今も働く自動核報復システム「死の手」 http://www.gensuikin.org/nw/doomsd_m.htm #right(){(337:458,480)} 旧ソ連崩壊後、CIS軍首脳が「旧ソ連には自動報復システムがあった」と言明しております 現在のロシアも保有しているのかどうかについては語っておりませんが、かなり高い確率で 引き継いでいると考えるべきでしょう #right(){(127:210)} **核シェルターって効果あるの? 直撃すりゃ死ぬよ 核でもっとも殺傷半径が大きいのは熱線であり、これは遮蔽内に入れば逃れることができる。 次は爆圧だが、これもシェルターに入ることである程度まで助かる。 さらに、放射性降下物による周囲の汚染は急速に(7の法則)減衰するから、 数日間シェルター内に籠もっていれば生存確率は格段に大きくなる。 直撃(放射線による致死半径、あるいは爆圧が特に強い部分)でやられる範囲は狭いから、 シェルターを使用することで生存者を何十倍、何百倍も増やすことができる。 #right(){(初心者スレ482:653)} ついこないだまで、広島の爆心地の直下に居た人が、生きてたよ。 その人が居たのが、学校か何かの地下室だった。 民間防衛によれば、ある都市が警告なしで核攻撃を受けた場合、65%が死傷しますが、全員が避難所にいれば死傷者は10%に留められると見積もっています。 そりゃ、シェルターから至近距離で核が爆発したら助からない。 でも、空中爆発だったり(都市攻撃用の核はていていこれ)、着弾点から少し離れていれば、シェルターは爆風や熱線を完全に防いでくれる。 爆発時に発生する一次放射線も、ある程度防いでくれます。 民間防衛によれば、1mのコンクリートで100分の一に、1mの土では150分の一に、放射線を低減するそうです。 また二次放射線(爆発によって生じた放射性降下物など)も、シェルター内に閉じこもっていれば、その大半をやり過ごすことが可能です。 同じく民間防衛によれば、1mのコンクリで10000分の一に、1mの土では5000分の一に、二次放射線を弱めてくれえるそうです。 #right(){(初心者スレ482:656)} **核シェルターをつくろうと思っているんですが、何メートルぐらい掘ればいいんでしょうか? 核シェルターは専門の業者があるぞ。 織部精機製作所ってところで1000万円から作ってくれる #right{(502:680)} **自衛隊で核兵器保有の研究はやってますか? 政府がするなと言ってます #right(){(自衛隊板初質スレ12:88)} **実際のところ、国家による核武装って意味あるんですか?現在の核に対する国際的な見解において、核って使用できる余地なくないですか? ないよ。 ただし、「うちの国と全面戦争にでもなったら核を使わざるをえない」とちらつかせて、 相手の攻撃の意図を牽制する効果はあるし、 特に発展途上国においては、自国の技術を示すステータスシンボルとしての意味もある。 核兵器は、通常使用されることを前提に評価される通常兵器とはまったく別物と考えていい。 #right(){(自衛隊板初質スレ1:242)} **核爆発の動画などを見ると、爆発してる横で何本もの縦スジ状の煙が見えるものがあるんですけど、何でしょうか? #video(http://jp.youtube.com/watch?v=NpbCZ8QRpEg&fmt=16) >↑例えば25秒付近の画面中央部の数本の縦スジ 核爆発時の衝撃波・大気の動きを可視化し記録する為の、観測ロケットの排気煙です。 #right{(514:769)} もうちょい判りやすい写真。 http://nuclearweaponarchive.org/Usa/Tests/Tsable1.jpg 当初は気球を上げて、そこから伸ばしたワイヤーを撮影して観測したそうですが、 1952年4月1日の”Tumbler-Snapper”実験からロケットの噴煙を観測するようになりました。 写真はその時のもの。 #right{(514:769,名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **アーガス計画ってなんでしょうか? >語感から、旧ソ連のレゲンダシステムみたいな全地球的な何かの様な気もするんですが。 成層圏でわざと核爆発を起こして放射線の層を作ることで 飛来する核兵器の弾頭を不発にしようという防空計画 >放射線を核弾頭に浴びせる事でEMPと同様の効果を狙ったと言う理解でOKですか? #right{(515:676)} 通過する核弾頭のアンコを放射線で変質させて爆発しないようにしようという、 どうしようもなくダイナミックかつマッドな計画です。 #right{(515:678)} **核兵器が宇宙空間で使用された場合、どのような事態が起こるのでしょうか? >また、これに関連する資料があったら教えていただきたい 大気がないので衝撃はや爆風等の影響はたいしたことはない。 輻射線や放射線の影響は距離による。 一番効力を発するのは電磁パルス(EMP)で、おそらく広範囲のシールドされていない人工衛星がオシャカになる。 また低軌道ならば地表にも影響が及び大規模な通信障害や電力・通信などの停電、途絶をもたらす可能性がある。 実際に1962年にハワイで高度400kmでの水爆の高高度爆発実験を行ったところ、オアフ島などで大規模な停電がおきるという事件が発生している。 その実験の爆発映像と説明資料 http://www.nv.doe.gov/library/films/film.aspx?ID=49 http://www.nv.doe.gov/library/films/fulltext/0800062.htm http://www.radiochemistry.org/history/nuke_tests/dominic/ #right{(529:312)} **宇宙空間に核兵器を配備する計画というのはあったんでしょうか? 衛星軌道に核兵器を上げるということはいつでも好きな場所を攻撃できるということで、守る側にとっては悪夢だった。 スプートニクの打ち上げをアメリカが脅威と受け止めたのも、上記の手段をソ連が獲得したため。 そのため1966年に宇宙条約が締結され、宇宙に核を上げることが禁止された。 しかしその後も、核弾頭を一旦衛星軌道に乗せて地球を一周しないうちに再突入させる部分軌道爆撃システム(FOBS)というのを 1960年代にソ連が開発していた。 これは宇宙条約を回避するための手段だったが、米ソ間の第二次戦略兵器制限交渉での合意に基き廃止されている。 #right{(537:233)} **核物質に使われるウランはプルトニウムのように合金にしたりメッキ処理が行われたりしたんでしょうか プルトニウムは合金にします。相(デルタ相)の安定化が主な理由、加工の容易さなども考慮したもので、 ガリウムをはじめとしてモル比で3%程度混入されていると言われています。 またウラニウムは同位体の合金と呼べば呼べるわけで、実際Oralloy、つまりOak Ridge合金というコードネームが 使用されていました。欺瞞のためもありますが、合金でもあったわけです。 しかし、他の元素をわざと混入したいわゆる合金という意味では、ウラニウムの場合には使用されていないと思います。 気になったので定番サイトで確認してみましたが、やはりウラニウムについては合金、メッキともに なされなかったようです。プルトニウムについても詳細がありますのでご一読下さい。 ttp://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq8.html #right(){(351:634:639)} **核兵器は自国領内に殺到した膨大な敵勢力を、「自国内」で使われるケースは考えられないのでしょうか? 冷戦時代のNATOの戦略の一つがそれだったりします。 要は西ドイツの中で殺到するソ連やWTOの戦車群に対し、核兵器を使用して足留めすると言うものでした。 #right(){(342:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **広島長崎に落ちた「原子爆弾」と核爆弾って違うもの? 核爆弾ってのは、核分裂や核融合などの原子核反応で放出されるエネルギーを利用した爆弾のこと。 原子爆弾や水素爆弾、中性子爆弾なんかを総称して「核爆弾」と呼ぶと考えればいい。 ちなみにミサイルに積まれた場合は「核爆弾」ではなく「核弾頭」と呼ばれることが多い。 #right(){(自衛隊板初質スレ89:290)} **核兵器使った後の土地って住めるんですか?広島や長崎は見事に復興してるわけですが。 使用された兵器の種類、規模、爆発形態(地上か空中か海中か)などによるし、 どこまでを「住める」とするか(自然放射線の地域差レベルまで落ちればよいのか、など)にもよります。 強い放射線を放つ放射性降下物は早期に崩壊しますから、長時間経過後にはゆっくり崩壊する、 放射性の弱い物質しか残存せず、それも水で流れたり地中深くに潜ったりするので、 よほどのことがない限り「住む」のに問題になることはありません。 わざと汚染を残すよう作られたコバルト爆弾でも、計算上10年とかで居住可能だったとうろ覚え。 ただし、爆弾がなかった場合と比較すると、年間10万人あたりの癌発生率が何人増える、とかはありそう。 放射性降下物などによる後期のトラブルのほとんどは、残存放射能ではなく、放射線の影響を受けやすい時期 (30才以下)に被曝したことによる白内障やガンの発症率増加です。 放射性ヨウ素の半減期は8日、ストロンチウムで40日であり、残存放射能は時間と共に減少しますから、 これらについては数十年経過後も有害なほどの汚染が残っていることは考えにくいのです。 放射性降下物の中でセシウムは半減期が30年と長いのですが、カリウムと相似した化学的性質を持っているため、 外部に豊富に存在するカリウムによって薄められ、ただちに健康被害にはつながらないと考えられます。 ただし、降水量が少ないなどの理由でセシウムが土壌中に長く留まった場合、 農作物や牧草(→牛乳)などによって濃縮されて摂取されるおそれがあります。 このため、非常に濃厚な汚染が生じた場合、数十年は自由に使えない土地(上に住むだけならOK) になる可能性はあります。 #right(){(338:776-781)} **冷戦期の米ソの戦時用核攻撃目標などを教えてください うちにある核関係の文献では、米の核攻撃目標は第1にソ連と東欧/中国のICBM/IRBMサイロ、 ついでモスクワを筆頭にしたソ連の主要都市、最後に港湾などとなっている ソ連側の目標については余り記載がないが、基本的に米の核攻撃に対し反撃するという 戦略方針だったので、欧州方面の軍事基地が主目標だったらしい(米の第1撃で大都市 攻撃能力は不能になると判断。戦争が継続すればSLBMで攻撃→地球壊滅となる) なお、80年代までの技術では、ミサイル弾頭に生物兵器を積んでも散布が不可能なため 有効ではないという見方が有力だった で、冷戦時代のソ連の軍事/外交の基本は「何があっても米との直接対決と全面核戦争は 避ける」つーもんだった 大祖国戦争の傷跡は深く、ソ連指導者は自分たちの権益を維持する意味でも、平和を希求 していたからね 今の中国の基本戦略に近い #right(){(337:461)} **米軍の核爆弾の一覧表 http://www.designation-systems.net/usmilav/nuke.html #right(){(332:743)} **『核ボタン』なるものですが、本当に米露の大統領がポチッと押すと、それだけで核ミサイルが飛んでいくようなボタンがあるんですか? 細かいプロセスは機密のベールに覆われてますので、 プロセスのどっかにボタンがある可能性も否定できませんが、 最高指導者がするのは核兵器の指揮に関する装置をどうにかして活性化するとからしく そのための装置は「鍵」ではないかといわれています。 #right(){(326:593)} ボタンだけで核ミサイルが飛ばせるわけではなさそう。 http://www.cnn.co.jp/usa/30000641.html核攻撃用の暗証番号を紛失 クリントン政権期 紛失していたのは、核攻撃を命令する際に使用する暗証番号の書かれたカードとみられる。 ブッシュ政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたフラン・タウンゼント氏は、 核攻撃の実行には多層的手順が定められており、 仮に第三者がカードを入手しても核攻撃を実行させるのは困難だと述べている。 **日本のような専守防衛を原則としている国は核兵器さえ持っていれば、通常戦力が皆無でも戦略目標は十分に達成出来ますよね? 第二次世界大戦直後に、核戦力と核戦力を自在に行使しえる制空権さえあれば 他はいらないという考えがありました。  米国だと空軍の爆撃機で核爆弾を運搬して落とせればということで、海軍や陸軍は その意義を確立する必要に迫られます。それで、ミサイル開発に傾注したり、歩兵部隊でも 核戦争下で生き延びられるようペントミック部隊を編み出すなどしています。  実際には既に指摘されている通り、圧倒的な核戦力を有する米国相手に戦う国は いたのでした。例えば朝鮮戦争がそうですし、中国の国共内戦にしても大まかにいえばそうです。 この大まかと言うのは随分乱暴な丸め方なんですが。それにインドシナ戦争にしてもそうだと いえるでしょう。アメリカはフランスを随分支援しています。 #right(){(607:430)} **核弾頭を施設に直撃させることってありますか?また直撃に耐えられるようにはどうすればいいですか 敵のICBMサイロや防空司令部に対する核攻撃は直撃ねらいです。 サイロに対して効率的なのは直上の空中で爆発させて圧力を加えること。 対抗手段として、ミサイルハッチや出入り口などに耐圧性を持たせて、 圧が加わっても破壊しない、作動不能にならないように作ります。 地中の司令部などに対しては地中に貫通してから起爆させること。 衝撃、震動で破壊するのが目的ですから、司令部全体を緩衝装置に載せて 震動を緩和します。 #right(){(324:805)} **全面核戦争が起こった時のマニュアルで「撃ち合いが終わったあと」の手順については明確にされているのでしょうか? >「北斗の拳」みたいに無法地帯になるだけですか? 核戦争の脅威が叫ばれていた1950年代米国では、警察が、その警察が駄目な場合は、郵便局が 中心になって政府との連絡を取ったり、国民の保護に当たったりすると言うマニュアルが整備され ていた様に記憶しています。 他の核保有国も多かれ少なかれ、その辺の対応マニュアルはあるでしょうが、日本は多分未だ無い でしょうね。 #right(){(322:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **核爆弾や核弾頭の種類などを詳しく解説したサイト(wikipedia以外で)ってあるでしょうか? 核兵器サイト この分野、英語を読めない人はかなり損です。 http://nuclearweaponarchive.org/ 特に下1/3ぐらいのとこにある 「Nuclear Weapons Frequently Asked Questions (NWFAQ)」が有用。あと、 http://www.fas.org/sgp/eprint/morland.html http://www.brookings.edu/projects/archive/nucweapons/50.aspx http://pagesperso-orange.fr/sacw/saan/ddevices.html http://www.johnstonsarchive.net/nuclear/ http://www.websters-online-dictionary.org/Nu/Nuclear.html http://nuclearweaponarchive.org/France/FranceArsenalDev.html http://www.nv.doe.gov/library/films/testfilms.aspx などなど http://www.fas.org/nuke/intro/nuke/7906/790604.pdf (デトロイト、レニングラード(懐かし)上で爆発した場合のシミュレーション) http://www.armscontrol.org/factsheets/Nuclearweaponswhohaswhat (各国の推定保有数) おまけ http://www.survivalring.org/pdf/Domestic_Nuclear_Shelters.pdf あと、Amazonで10ドル足らずで買ったKindle(PC版あり)の「Hell's Fire」も真面目で読み応えありました。 マンハッタン計画がメインだからちょっと話が古いですが。 http://www.amazon.com/Hells-Fire-Thermonuclear-Hiroshima-ebook/dp/B002H3F7P6/ #right(){(614:system ◆systemVXQ2)} **核兵器って何万発もあると思うんですが、今まで誤爆が一度もなかったってどうしてなんでしょうか? 万が一でも起爆したら、核のパイ投げが始まるのが分かりきっていたからみんな気をつけてた。 ちなみに安全装置は6重であるとか何とか聞いた事がある気がする。 核兵器は起爆させることが難しい爆弾なので、 一部のパーツが勝手に発火しても、せいぜい核物質がばらまかれる程度で終わる。 また、起爆用原爆の中に中性子吸収物質を挿入してあり、これを抜かないとどうやっても起爆しないとか、 かなりやばいものだと核物質そのものを使用までは入れないとか、いろいろ工夫してある。 爆薬自体も低感度爆薬が早くから使われており、火災にあっても簡単には爆発しないし、 仮に誘爆しても、きちんと同期しないから核爆発にはなかなか至らない。 #right(){(319:142-145)} **混合コアってMOXみたいに核物質混ぜたモノなの? >あるいは物理的に二種類離しておいて(接触させて?)爆縮させて合体(浮遊式コアのように)させるモノのことなんでしょうか? 核爆弾の混合コアについて。Composite coreのことだと思います。定番ですが、 http://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq4-1.html#Nfaq4.1.7.2 に説明がありました。比較的安価なU-235と、高価なPu-239やU-233とU-235を併用する方法のようです。 ともにU-235より効率的な連鎖反応を生み、したがって軽量小型化が可能なものの、高価であること、 Pu-239では自発中性子放出(による早発の危険性)が、U-233ではγ線放出(による健康被害)が多いため、 U-235との混用でその欠点をカバーできることが利点のようです。ウランからプルトニウムへの転換期に 米では軍用クラスウランが過剰になったことも大きな要因のようです。 使用方法としては分裂時の中性子放出が多い(連鎖反応を起こしやすい)Pu-239あるいはU-233を中心部に置き、 周りにU-235を置く配置が効率的なようです。配合率はその時の在庫や価格によって左右されるとのこと。 浮遊コアであれば中央をPu-239やU-233で作る、材料が少なければ中央のピットの中心部だけ使う、 というような割り振りをしたのではないでしょうか。軽量の核融合爆弾が実用化されてから、 これらのデザインは兵器庫から姿を消した、とあります。最初のComosite core爆弾のテストは 「X-Ray」のようです。 >ブーストが主流になる過渡期のものとして捉えたほうが良さそうですね この時期の核爆弾は水爆がまだ実験装置の段階であり、ブースト原爆にようやく実用化の 光が見えてきた状態です。したがって、いかに原爆の威力を強化するかにも大きな開発努力が 注がれていました。一つの方向がcomposite coreに見られる高効率化であり、もう一つがIvy Kingのように 円筒状コアによって、通常の臨界質量を超えて大型化する方法でした。 しかしステージ式乾式水爆が実用化され、その産物である高エネルギー中性子によってU238の核分裂が 可能になると、安価軽量に大出力が得られるようになり、ブースト併用と相まって高価な核分裂物質を多用したり 複数の核分裂物質を製造、管理、加工したりする必要はなくなってしまったわけです。 逆に、まだそのレベルでない核保有国にとって、compsite coreは二種の核物質さえなんとか入手できれば 高効率化によってミサイルに搭載可能な核弾頭を作る手段となり得るわけで、そのあたりで 情報が制限され続けているのではないかと思っています。これまた憶測で申し訳ありませんが。 #right(){(318:763,976)} **地下核実験の際、核爆発装置を収めたトンネルは、コンクリートを充填して閉鎖するのでしょうか? >トンネル内壁はコンクリートで補強されてるので、土を詰めただけではトンネル坑口方向は脆弱だと思うのですが… 土砂、コンクリートなどで閉鎖します。それでも完全な閉鎖は至難であり、 北朝鮮の場合、爆発力がお笑いであったにもかかわらず、検出された放射性物質から プルトニウム爆弾であろうという話が出ているのは、閉鎖不全による漏出があったからと 考えられています。閉鎖が完全でも放射性キセノンなどのガスの漏出はほとんど不可避ですが、 それだけでは爆弾の種類までは判別困難だからです。 #right(){(317:267)} **原子力潜水艦のような核動力は「核兵器」に含まれるんでしょうか? それは解釈やその国の情勢次第で変わる政治的な区分と思ってください。 昔の日本では核兵器であると言う世論が一般的でした。 老朽か甚だしいキティホークがいつまでも現役だったのは、その世論に配慮してのものです。 しかし今の日本では原潜が日常的に入港しています。問題にしてるのは一部左翼団体だけです。 また今度、横須賀に前進配備されるジョージ・ワシントンも核動力の空母です。 よって現行の政府の解釈では核兵器にあらずと言う事です。 #right(){(317:250)} **相手からの先制核攻撃は自国の核を狙ってくるのですか? 電離層のあたりで核爆発させれば半径数百キロの範囲で電子機器が全て死ぬから 実際は先制した方が勝つと言われてる。 ロシアが真空管でそれに対応していたのは今は昔。 維持コストの問題でほとんど電子チップになってしまったしな。 #right(){(戦争板初質スレ3:187)} 核兵器には当然EMP対策がされているので電子機器が破壊されて使用不能になることはないです。 弱小の核保有国相手ならともかく、先制攻撃で勝てません。 以下のサイトを参照下さい。 電磁パルスで核爆弾は機能しなくなりますか? http://okwave.jp/qa/q5218700.html 相互確証破壊 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E4%BA%92%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E7%A0%B4%E5%A3%8A **核ミサイルを大量に所持すれば、それが他国に対しての大きな抑止力になるから、通常兵器は削減できるんでしょうか? 一般論ですが、削減はできません。 キッシンジャーによれば、彼は核兵器の登場にもかかわらず、 北部インドシナの喪失やスエズ危機を防げなかったことに着目し、 「特定の政治目的のため・・・・・相手の意思を押しつぶすのではなく、影響を及ぼし、 課せられる条件で抵抗を続けるより魅力的であると思わせ、特定の目的を達成せんとする」 ”限定戦争”には、いまだに軍事力が必要だとされる。 (『軍事学入門』より。一部改変)。 と唱えました。そういうことです。 #right(){(312:797)} **最近のビルだと核爆発の爆風による被害は少ないでしょうか? 都市のオフィスだと、最近のビルは省エネの為硝子を多用しているのが多いので 爆風による被害のほうは昔よりもひどくなるのではと思っている。 建築基準法での標準風速が東京23区で34m/s 猛烈な台風で風速54m/s以上 最近のビルでは風速100m/sに耐えられると言うが 広島原爆での爆風は爆心地より1.8km地点で72m/sから200m/s 戦争後の復旧は建物がしっかり残っているので早いかもしれないが #right(){(644:583)} **核兵器は核実験をせずに実戦配備まで行えるものなのでしょうか? 現状では核実験を行い核爆発を起こした国が核保有国とされています。 どこのお馬鹿か知りませんが、くだらない詭弁です。 「お縄にならず痴漢になった男はいない」といっているようなモノ。 事実はどうあるか私の知るところではないですが、可能性を 否定することはできません。 それに核弾頭を自前で製造できなくとも核保有国にはなり得ます。 #right(){(43:45)} 核実験をせずに核配備した国家と言いますと、パキスタンが挙げられると思います。 数年前にパキスタンは核実験を行い、核保有を宣言しましたが、パキスタンが核を 保有していることは、インドの核保有とセットでずっと昔から言われていたことです。 核実験から3ヶ月で、中距離弾道ミサイルの発射実験を行ったことは、すでに核技術 を保有していたと見てよいと思います。 番外としてイスラエルがありますが、こちらはアメリカの核実験として行われたことや、 南アフリカの核実験に関与されたと言われており、核実験をしなかったとは言えないかと。 #right(){(43:49)} **核爆弾を焚き火に投げ込んだりして高温に晒した場合、爆縮レンズの火薬に引火してそれが原因で爆発することってありえますか? ありえません。爆縮レンズの火薬は点火のタイミングが非常に厳しく、偶然の着火では 核爆発をおこすのは不可能です。 #right(){(43:737)} **核爆発に伴う放射能汚染を防ぐ手はないの?わかめを食べろとかよく聞くけど。 わかめを食べろ、というのはヨウ素の摂取が目的でしょう。 放射性物質は甲状腺に蓄積されるので、 事前にヨウ素を適量摂取しておけば、甲状腺に放射性物質が蓄積されません。 ま、ちょっと洒落にならないぐらいのわかめを食べる必要があるとは思いますが。 #right(){(47:50)} 本質的には放射性物質を体から遠ざけることしか対処法はありません。 第一にやることは爆心地からすこしでも離れること。 空中に巻き上げられた放射性物質の降下を避けるため、逃げる方向は風上がベストです。 つぎにやることは身体の洗浄。 身体表面に付着している(であろう)放射性物質を洗い流す、これ。 体内に入ってしまった放射性物質を取り除くのはさらにその後の話。 わかめ云々はそこらへんの段階で有用な話ですね。 #right(){(47:54)} **核兵器はその維持管理に莫大な金が掛かると聞きましたが具体的にどんな事をするんでしょう? 高価な核物質は速やかに劣化しますので、大体5年から10年で交換しないと核爆発してくれません 交換作業そのものも危険で困難なため、当然多額の経費が要求されます #right(){(47:600)} 核の主要部分、プルトニウム・ピット(塊)の寿命は85年 http://www.47news.jp/CN/200611/CN2006113001000308.html **「ワン・ボム・カントリー」という単語ですが、どういう意味なんですか? おそらく「一発だけ核を持っている国」=(核を戦力としてでなく、政治的象徴として保有する国) と言う意味で、かつてのインドの様な国を指す言葉だったと思います。 #right(){(48:443)} **一般的には3F爆弾=水爆とゆうことなのでしょうか? 一般的に言って 核融合兵器が「水爆」 核分裂兵器が「原爆」 です。 たとえば3F爆弾の破壊力の大部分は分裂-融合-分裂の3段階目の核分裂に由来するんだけど でも核融合を起こしているので兵器としては水爆になります。 #right(){(50:433)} **IAEAの査察を受けつつも密かに核開発、なんてことは可能ですか? 別にIAEAの職員が張りついているわけではない。 年に一回やってきて視察する。 査察要求を出した施設には全部入れる。 全部の部屋に入ってもいいし、入ってくる。 置いてある書類も全部見て良いし、見る。 自前で計測機器も持ちこんでくる。 査察を受けつつも密かに核開発したければ 予算自体を国から出さないで国有地とか使用せず 核物質は正規ルートを通さずに密輸する必要がある。 #right(){(51:844)} **なぜ核軍拡が進行するのですか? 武力的な侵攻に対して国家の安全保障に必要な条件は二つ。 1.周辺国に自国を攻撃させる意思を持たせない事。 2.もし周辺国が(なんらかの政治的要因で)自国への武力行使の意思   を持ったとしても、それを安易に実行させない対抗力(抑止力)を   持つ事。 前者は主に政治的な手段で、後者は主に軍事的な手段に依ります。 さて、では昨今流行の「貧国に核兵器」は何故か?、国力に乏しい国が 上記の2点を得る為の手っ取り早いアイテムなわけです核兵器は。 10の政治的なカードとして、2.の軍事的なカードとしてです。 #right(){(51:914)} **どのくらいの密度のプルトニウムで爆縮型の原爆ができるんですか? プルトニウム239が93%以上。 #right(){(57:343)} **水爆ってプルトニウム使うのに何故水爆って言うの?水素はどの辺で関係してくるの? 原爆もプルトニウム爆弾とは呼ばんがな 基本構造は、原爆の周りにあり、その外側を反射材兼用の放射性物質で覆っており 核爆発→核融合→核爆発(外側)と反応していきます #right(){(58:CCIA ◆vvx6VMwMl.)} 水爆は三重水素、重水素あたりの核融合を利用するので水素爆弾です。 ただし点火には高温高圧(てーか高密度中性子流)が必要なので プルトニウム原爆を使います。誤解を恐れずに言えば、プルトニウム原爆を 信管とした水素爆弾炸薬なわけです。 #right(){(58:389)} **爆縮型の原爆って実験なしでミサイルの弾頭にして飛ばせるんですか? とりあえず核爆発すりゃいいだけなら、起爆装置の実験だけで使える #right(){(58:594)} **戦略核の一発あたりの威力ってどれくらい? 戦略核の出力 http://www.cdi.org/issues/nukef&f/database/nukearsenals.cfm に一覧があります。100Ktから5Mtぐらいまで。ばらつきが大きいのは、 命中精度の低い後進国の核弾頭は大出力になりがちだからです。同サイトに あるとおり、戦術核だと0.3Ktというものもありました。 あと、MIRV技術が進歩している国では、大出力弾頭1個で堅固な目標を 破壊する替わりに、もっと効率のいい小出力弾頭複数個の同時爆発を 使用するので大出力弾頭が不要、という事情もあります。この場合、単に 多弾頭を正確に誘導するだけでなく、起爆タイミングをそろえる、 他の弾頭の放射線によって無効化されない工夫など、技術的な困難が増えます。 #right(){(58:692-693)} **臨海前核実験とスーパーコンピューターで核爆発をシミュレートするのは同じことですか? マジレス 全く違います アメリカは臨界前核実験は既存の核兵器の安全管理や 信頼性維持のためのデータ取得が目的だと説明しています 高性能火薬とプルトニウムを用いて、火薬の爆発によるプルトニウムの 反応や動きを調べる核爆発の模擬実験です シミュレーションはあくまで、反応が起きることが前提ですが、 臨界前核実験はその反応がきちんと起こるか検証しようとするものです #right(){(59:名無し三等兵候補)} 臨界前核実験 臨界前核実験とシミュレーションは違います。シミュレーションで予測された とおりに事が起きるかどうかを確認するのが臨界前核実験です。点火装置各部 のタイミング一致や干渉の有無、そして重要なのが核分裂材料が予測通りの 爆縮を行うか。材料内に密度のゆらぎや衝撃波の干渉が起きないかなどを 確認することです。臨界前核実験によって、シミュレーションソフトの信頼性 確認や、未確定だったパラメーターの固定なども行われます。 #right(){(59:358)} **はだしのゲンに、広島に死体整理にやってきた陸軍の兵隊が2-3日の間に大量死した描写があるけど、直接被爆してない兵隊が2-3日の間に突然死するなんてありえるの? 数日では死にません。基本がわかっていれば説明の必要もない常識ですが。 中枢死レベルの放射線を浴びたければ、起爆時に近くにいるか、まだ熱いうちに 爆心に突っ込むしかない。それ以下だと、熱傷など受けない限り、簡単には死ねない。 間接被曝では(まして7時間以降なら)、死は決定されてもすぐには訪れません。 原発の「青い光が見えた」事故ですら、放置しても数週間、手当を受けたら数ヶ月経たないと 死ねません。幸か不幸か。だから、致死量(~数倍)の放射線直撃を受けた人間を「Living dead」と呼ぶんよ。 普通に歩き回って、しゃべってるんだけど、数週間~数ヶ月で死ぬことが運命づけられている。 >チェルノブイリでは作業させられた軍人がたくさん死んでるけど? 苦よもぎ(チェルノブイリ)では核分裂反応による放射線放出が長期間にわたって続いていたし、その中での強行封鎖作業だったからな。 残留放射線被曝や放射化した物質からの二次被曝とはわけが違う。 一般兵士は放射線についての知識に乏しいので、防護服など無意味なほど強力な放射線が発生してる中で作業をさせられ、 そして急性放射線症で死んでいった。 10シーベルト以上だと急性症状を示して数日で死亡する可能性が急激に高まる。 100シーベルト超えると一日保たない。 放射線を大量被曝すれば場合によって数日で死亡することはあり得る。 もっとも、爆心地で当日救援活動をした人でも、1時間当り0.2シーベルト程度の被曝量だそうだが。 ↑時間0.2シーベルトってことは、大雑把に言って50時間の滞在で急性症状を発症し得る。 実際には翌日には早くも時間0.1シーベルトまで下がっているし、もう少しかかるだろうけど、 終戦間際の体力低下状態だともっと低い水準で急性症状発症は考えられなくもない。 #right(){(646:437-441)} **冷戦中の英仏の核兵器は米ソの核兵器と比較して、意味のないものだったのでしょうか? 英仏の核武装はスエズ危機(第二次中東戦争)の時に 「アメリカもソビエトも核兵器持ってるのに、うちらは持ってない!  核兵器持ってないと持ってる国に逆らえず、何言われても言いなりだ!」 ということに直面したショックを機会に始められた。 確かに真っ向から米ソと核戦争したら国土をくまなく焼き払われて終わりだが、 それでも相手の首都や大都市をいくつか焼き払ってやることは出来る。 そうであれば相手もこちらを攻撃することや核兵器を盾に高圧的な態度には 出れなくなるので、一方的に言うことを聞かされる関係からは逃れられる。 #right(){(301:366)} **都市などを攻撃する場合の核兵器の最適爆発高度(?)とはどのように決まるのでしょうか? >熱線と爆風どちらの効果を優先して考えるのでしょうか? 熱線は見通し範囲には到達し、距離による減弱は僅かですから高度についての制限は比較的少なく、 逆に爆風は高度が高いと到達する衝撃波がはっきり減弱する替わりに到達範囲が広くなり、 低いとその逆となります。熱線と違って距離による変化が大きいため、爆風では起爆高度が重要です。 そこから至適高度が計算されます。すなわち、至適高度は爆風に対して計算されたものです。 厳密には衝撃波は地表から反射した衝撃波と合成され、強い一つの衝撃波となって拡がる(マッハ効果)ので これも加味したものになります。 #right(){(297:110)} **MIRVは何で現代のクラスター爆弾みたいに、超小型の核弾頭を無数にばら撒くような形じゃないんでしょうか? >小さいのを沢山ばら撒いた方が迎撃しにくいし、破壊効率もいいと思うのですが 技術より先に政治の問題でそれは× 条約によって「MIRVの数」で弾頭数を数えることになってるので、わざわざ1発当たりのMIRV搭載数を減らしてるくらい。 条約の問題もあるが、核弾頭は小型化の度が過ぎると効率が著しく低下するため 例えば米軍における最小の核弾頭であるW48核砲弾は、同世代の核弾頭と比較して威力が1/100でありながら、 使用するプルトニウム量は3倍と言う効率の悪さになってる #right(){(665:66-72)} **広島やチェルノブイリは、今後数百年は放射能汚染により人が住めないと言われてたそうですが、 >広島は日本有数の都市に変貌し、チェルノブイリなんかは自然豊かなサファリパークになっていると聞きました >一度空気中に飛散した死の灰は分解されるのに数億年かかるそうですが、何故このようなことになったんですか? 単純な理屈があります。 半減期の短い放射性物質は、多量の放射線を発するため危険だが、どんどん減ってしまい、 短期間で無害~人体に有意な害を及ぼさないレベルまで減少する。 半減期の長い放射性物質は、長期間残存するが、当然少しずつしか崩壊しないため、 発する放射線の量が少なく、無害~人体に有意な害を及ぼさない。 数億年かかるからこそ安全、というわけです。 #right(){(670:system ◆systemVXQ2)} **核兵器って使われたら人の住めない荒野になるの?たとえば広島は復興したよね? >核兵器は熱にエネルギーが変わるからあんまり放射能が出なくて >現代の核兵器でも放射能被害は広島程度って聞いたけどホント? 高度と出力によるとしか。地表爆発だとクレーターも出来るし、放射性降下物も多量に発生するので、 比較的長期間人が住めない〜作物等に汚染が生ずることになるでしょう。でも土壌入替とかすれば、 10年とかの時間スケールでなんとかなると思うけど。問題は手間と費用ですね。 空中爆発(普通はこれ。広島、長崎も)であれば、降下物の量は少なく、広島的に見て良いでしょう。 ただし、遙かに広範囲が破壊されますが。 後半も出力と構造しだいなんだけど(中性子爆弾は比較的マシ)、熱核爆弾も点火に 核分裂爆弾を使う上、出力の半分ぐらいは熱核燃料の周りにあるウランが分裂して発生するので、 放射性降下物はしっかり発生します。でも効率よく反応するので、べらぼうに多いわけではなく、 「範囲のすごく広い広島程度」という表現は悪くないかも。 放射能汚染のポイントは、 半減期の短い放射性物質は強力に放射線を放つがすぐ減衰し、 半減期の長い放射性物質はしつこいが、放つ放射線は弱い。 という事。爆発直後から短い期間(7日~7週間)で、放射性降下物の 放射能は大きく低下します。 残留放射性物質の作物や動物による生体濃縮に注意すれば、 そのあたりから復興活動が(被曝累積を避けるために交代制にするなどの 工夫は必要ですが)可能になるでしょう。 放射能減衰についての「7の法則」ってのがあるんですが、探してたら面白い資料があった。 ttp://standeyo.com/News_Files/NBC/survivenbc.pdf 2週間で残留放射能は1/1000になる、という話。 #right(){(697:system ◆systemVXQ2)} **プルトニウム、ウラン以外で核兵器は作れますか? 代替核物質まとめ回答。  プルトニウム、ウラン以外の兵器に応用可能な核分裂物質として、トリウム、プロトアクチニウム、 ネプツニウム、アメリシウム、カリフォルニウムが挙げられます。このうち、現時点で兵器として 実用可能なのはトリウムです。ウラン以上(鉛並み)に豊富に存在し、レアメタル精製の副産物として 得られます。しかし、単独では連鎖反応を起こさないため、熱核兵器のタンパーとして3段目の 核分裂反応に寄与する程度の使用方法しかなく、それもU-238に劣ります。U-238を使うのが正解。  プロトアクチニウムは臨界量が大きすぎ(あるいは無限大しても不可能)、ネプツニウムは20~100kgの 臨界質量とはなりますが、Np-237は半減期も長く使用可能。しかし、人工元素であり、大変高価で割に合いません。 アメリシウム(Am-241)も臨界質量は25~85kgと大きく、高価で、自壊によって大きな熱量を常に放出するため、 兵器としての実用化は困難です。Am-243の放熱はマシですが、Am-241から人工的に作るため、大変高価です。 カリフォルニウムは臨界質量が2~6kgと小さく(反射材、爆縮によって1kg以下にできる)、小型核兵器には 魅力的、製造も可能ですが、一発あたりの原料費が(Cf-251の場合)1兆円を越えると言われています。無理っぽい。 #right(){(678:system ◆systemVXQ2)} **核兵器による被害半径は出力の平方根に比例するのですよね? 出力の平方根に比例する被害半径は熱線によるもの。これが一番範囲が広い。 圧力、爆風による被害半径は三乗根に比例するので、もっとせまいです。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **破壊力可変の核兵器はどのようにして出力を調整するのでしょうか。 簡単にいえば、 核分裂から核融合反応に発展しないようにカットする 核分裂反応にブースト(重水素注入)を使用しない 核分裂反応を不完全な状態に留める この順で出力が小さくなります。基本的には下に行くほど、未反応核分裂物質が たくさん放出されます。重水素の添加量を加減するとか、スパークリングプラグを ずらして、部分的に核融合が起きるようにするとかで、さらに調整できるでしょう。 一番下の「不完全核分裂」を極端なまでに(ほとんど失敗レベルに)下げると 数kt~1kt以下の爆発になります。北朝鮮の核装置ですね。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **核ミサイル積んだまま沈んでる原潜があったとして、サルベージすれば核弾頭使えるの? 核弾頭は電子的に起爆し、電子回路には起爆許可用の保安回路が組み込みになっています。 このため、正しいコードを入力しない限り、電子回路は正しく、あるいはまったく作動せず、 使い物になりません。 全部ばらして、あらたに起爆回路を取り付け直す必要がありますが、それには 核開発できるレベルの知識と技術が必要です。また、そのような事態に備えて、 核弾頭には一種の自爆回路(核爆発は起こさないが、部分的な爆薬の起爆を起こして 使い物にならないようにする仕掛け)が組み込まれているといわれています。 この話はかなり確度が高いと考えられています。 #right(){(690:system ◆systemVXQ2)} **熱核兵器のプライマリとセカンダリはTNT換算される威力においてそれぞれどれくらいの割合になりますか? うる憶えで書いてしまいますが、プライマリ(起爆用原爆)の出力は5~10kt程度。 以前のスレでも書きましたが、可変出力兵器の最低出力はプライマリの不完全起爆です。 次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)なし、次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)ありの出力。 そして完全起爆。さらに調整は可能ですが、例えばB-61の場合、可変出力は0.3, 5, 10, 80ktとなっており、 この場合は、それぞれプライマリの不完全起爆、ブースターなし、ブースター付き、熱核融合に相当すると考えられます。 核分裂単体兵器であれば、出力は必要に応じて様々ですが、熱核兵器のプライマリの場合、 重量、容積、なにより高価なプルトニウムの使用量から考えても、プライマリの出力は必要最小限と考えられます。 すると、ブースターなし出力とブースターあり出力のあいだに、そのセカンダリ起動の最小限出力があるでしょうから、 プライマリの出力は10kt、改良型ならもう少し低い可能性もあるが、5kt以下ではない、と言えるでしょう。 ですから、プライマリの出力はB-61の場合であれば、1/8に過ぎないと言えそうです。 セカンダリの出力自体、半分は3段目、つまり熱核融合で生じた中性子によるタンパーの 核分裂ですから、プライマリの出力分担が小さいのはうなずけます。 #right(){(691:system ◆systemVXQ2)} **原爆の臨界質量について質問。 >プルトニウム爆弾の場合は5kgだそうですが、これは臨界のための最小限の質量だと理解してます。 >では逆に最大限の質量とはどれぐらいのものなんでしょう? >ウランでもプルトニウムでも、仮に2kgのものを50個、合計100kgを一気に合体させれば全て反応するんでしょうか? 2kgのものを50個、一気に合体させることは事実上不可能です。 自発崩壊による中性子密度が一定以上に達した段階で連鎖反応が起きますから、 早発(部分的な連鎖反応)する部分が生じ、そこで発する熱によって膨張(拡散)が生じ、 それ以外の部分は連鎖反応に達することなく分解してしまいます。例え2個に絞っても、 ウランですら大半が連鎖反応に参加できずに終り、プルトニウムであれば ほとんどが未反応で吹き飛ばされてしまいます。だから爆縮が必要なのです。 逆に、そのような低レベルの連鎖反応であれば、5kgでなくとも実現は可能です。 一般的に言われる臨界質量は、裸の核分裂物質を球状に(つまり効率よい形態で) 丸めたときに、連鎖反応が生ずる質量を指します。衝撃波による圧縮が加わった場合、 圧縮による相変化が生じた場合、中性子反射材の使用の有無などによって 大きく変わってきます。 水爆の場合は多段階で爆縮をかけられますから、理論上 出力は無限大です。ツァーリボンバは分裂→融合→融合の3ステージだったと言われています。 うる覚えだけで書いてしまいますが、水爆登場前、三重水素ブーストすら試験前後の頃、 核分裂だけで出力を上げる実験が行われた時期があり、当時は高価なプルトニウムを 節約する意味もあって、プルトニウムとウランを組み合わせた爆縮とか、いろいろテストされたこともあります。 それでも核分裂オンリーでは数百ktぐらいが限界ではなかったかなあ・・・ 気になったので今ググったら500ktだったそうです。三重水素ブーストでほとんど1Mtまでいけたのかも。 ただ核分裂物質はどれも高価なので、実用的には点火用だけに節約使用して、あとは核融合するのが当然ですが。 多数の小さな核物質を同時に一点に集めるという困難な作業の替わりに、 臨界量を超える核物質を球面状に薄く拡げることによって臨界を防ぎ、 爆縮によって一気に超臨界にするのが、核分裂オンリーの大出力爆弾の デザインです。 上に書いたのは1952年に試験されたIvy Kingのことですが、 60kgの高濃縮ウランを薄い球殻状に整形し、これを爆縮によって 一点に圧縮して起爆させています。本来はウラン、プルトニウム混合の Mk-13用のデザインでしたが、プルトニウムが入っていると、多量の 核物質を使用した際、いくら爆縮させても早発してしまうからでしょう。 ttp://www.sonicbomb.com/modules.php?name=Content&pa=showpage&pid=58 U-235は1kgが完全に分裂すると約20ktを発生しますから、500ktであれば 25kgが分裂したことになり、効率は25/60。広島型原爆(ガンバレル)の効率が 10%程度であったことを考えると、悪くない数字と言えるでしょう。 #right(){(696:system ◆systemVXQ2)} **核兵器の放射線防御ってどうなっているのですか。防御されていなかったら運用する兵士が大変な事になりそうですが。 核弾頭は通常U238(簡単に言えば劣化ウラン。不正確ですが)が外周に使用されており、これが 効果的な放射線防御となっています。劣化ウラン自体も放射線を出しますが、紙一枚で遮蔽できる 程度のものであり、弾頭の外殻で十分遮断できます。U238を使用するのは核爆発を助けるためなのですが、 それが遮蔽材にもなってくれているわけです。また、核弾頭に使用される核物質から放出される放射線は さほど強いものではありません。原子炉からの廃棄物の方が遙かに危険です。核弾頭は起爆してはじめて 危険になるのです。 #right(){(120:system)} **ソビエトが1961年にTsarBombaを爆発させた後、アメリカが対抗してそれ以上の威力を持つ水爆実験を行おうという考えは無かったのでしょうか? なかったと思います。 アメリカでは海外での核実験の多額の費用や、第5福竜丸事件に代表される 放射能被害が問題になっていました。 そこでアメリカは、核実験のエスカレートを避けるために1958年10月31日に アイゼンハワー大統領によって核実験モラトリアムの宣言をしています。 ソ連側でもこれを受け入れて、1958年11月から1961年8月まで実験は中断しました。 しかし、フルシチョフ首相は1961年に実験再開を表明し、8月から実験を再開しました。 TsarBombaの実験は61年10月です。 アメリカもこれに対抗して1961年9月からネバダ州の核実験場で実験を再開しています。 その後、1962年10月のキューバ危機で核戦争の危機が高まったことから 部分的核実験禁止条約の交渉が始まり、これに伴ってソ連は1962年12月から1964年3月まで 再び実験を中止しました。 1963年8月に米・英・ソは、大気圏、水中、宇宙空間での核爆発を禁じた 部分的核実験禁止条約に調印しています。 これに伴い、核実験はすべて地下核実験に移行しました。 いずれにせよ、米国領内での核実験ではTsarBombaなみの実験は出来なかったのでは。 #right(){(266:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **核シェルターがあっても核の冬が来たら死にますよね? 核シェルターの存在意義には、熱線と爆風による被害から免れることの他に、 放射性降下物の放射性が高い時期をしのぐこともあります。 核爆発で生じた不安定な放射性同位元素は、急速に崩壊して放射性が 低下します。最初の数時間~数日間で放射能レベルが急降下しますから、 この間をなんとかしのげば、簡易な防護服、場合によっては窓を閉め切った 自動車などで、安全な地域まで移動できる、少なくともその際の被曝が マシになる、というわけです。 「核の冬」については「誰にわかる?」が正解でしょう。なにぶん気象は いまだにシミュレートしきれない現象であり、まして地球各地での核爆発と なると、惹起される火災の推定から必要で、とても先が読めません。しかし 「核の冬」レベルはかなり悲観的な予想でしょう。 #right(){(131:system ◆systemVXQ2)} **原爆の爆縮レンズは何故32個でなくてはならないのでしょうか? 核分裂爆弾(implosion system)の爆縮レンズは別に32個である 必要はありません。確かに多角形で球を囲む際にはサッカーボール的に 5角形×12と6角形×20を組み合わせる32個がムダが少ないと言われますが、 例えば1974年に実験されたインドのプルトニウム原爆は12個の 爆縮レンズ(6角形×12)を使用しています。 http://nuclearweaponarchive.org/India/IndiaSmiling.html 対称に爆縮が行われるためには、可能な限り多数の平面で球を 囲むことが望ましく、そのため、40~92個の爆縮レンズを使った デザインも使用されています。 http://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq4-1.html ただし、数が増えると起爆の同期が困難になったり、体積、重量が 増加するという欠点もあります。現在のアメリカの爆縮装置は 32枚のレンズではないという意見もあります。(ソース同上) #right(){(133:system ◆systemVXQ2)} **核ミサイルは2人同時に発射キーを回さなければ発射出来ないと記憶してますが、もし2人のうち片方が何らかの事情でキーを回さない場合、その人はどうなるんですか?  任務拒否で罪に問われる。  場合によっては反乱行為扱いでとてつもなく重罪に。  思想信条を理由に発射指令を拒否した場合は、保安要員によって連行され、予備の要員が 充当されます。  思想信条の問題ではなく生理的、心理的な問題により任務が果たせない場合は、予備要員が 替わりに任務に就く。  また、ミサイル発射要員は、いざという時にそういった問題を起さないように、頻繁に健康(心身とも) チェックが行われ、自分で少しでも自覚症状がある場合は自己申告する事が義務付けられている。  自己申告を怠って生理的、心理的な問題によって任務を果たせなくなった場合は、自己管理不充分、 ということで規定にしたがって処罰されます。  実際、ミサイル発射要員の任務はストレスが大きく、肉体的、心理的理由で転属する(させられる)人は とても多いらしい。  いつだかTVのドキュメンタリーで見たICBM基地の話で、「今日は問題があるので替わってください」 と言っている(外されている)のにはこんなケースだった。 ・奥さんが出産を控えていて、いつ子供が生まれるかわからない ・子供が病気で入院した ・健康診断の結果が不安 ・急に虫歯が痛み出した ・見た目でわかるぐらいあきらかに睡眠不足  なんか「そんなことに気を取られるんじゃない!!」的なのもあったけど、とにかく、コンディション、特に 精神面でのコンディションには過剰なまでに配慮されていた。  あと、ミサイル管制要員は実際にミサイルサイロで任務に就くまでの待機中と、ミサイルサイロで当直に ついている間は、TV、ラジオ、新聞等、全ての外部情報からは遮断される。  これは当然、社会的(場合によっては芸能ニュースとかでも)な影響から隔離する為。  映画「ウォーゲーム」でミサイル発射指令を拒否したら、同僚に拳銃を突き付けられる…というシーンが あったけど、実際には発射管制室内には武器は持ちこみ禁止だそうな。 #right(){(135:427-433)} **インプロージョン型の原爆は臨界質量を少なくできるの? インプロージョン型の原爆は臨界質量を少なくするためではなく、 サイズを自由にするために設計されています。質量の面では既存の球形原爆が やはりもっとも効率的ですが、球の周りにいろいろ取り付けますから、 一定の直径が必要となり、例えばスーツケースには入らない、ボストンバッグ なら入るけど、という状態になります。あるいは砲弾に詰めたい。長さは 余裕があるが、口径が不足、ということもあるでしょう。そのような際に リニア・インプロージョンタイプだと総体積はむしろ増加しても厚さや 口径を小さくでき、設計の自由度が上がるということです。 また、インプロージョンタイプは、効率は悪いものの球形の 原爆より簡単に作れる可能性があり、テロリストなどが作成するなら このタイプかも知れないと言われています。 #right(){(142:system ◆systemVXQ2)} **SALTやSTARTといった米ソ(露)間の核兵器削減条約の他に、英仏や中国も批准した核兵器規制条約、というものは無いのですか? 一つは核不拡散条約で、これには英仏中も加盟しています。 これが無期限延長されたことで、核実験のモラトリアムを各国が行っています。 (最近、米国を始めとして、核実験をすることが多いので、反故にされている感 無きにしも非ずですが…) #right(){(255:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **核融合のエネルギーより核分裂のエネルギーの方が上だったら水爆じゃなくて原爆になるんですか? いいえ。一般的なFissionFusionFission水爆では、出力の半分以上が核分裂によることも多いです。 ただし、最後のFission部分が核分裂出力の大半を受け持ち、Fusion部分がないとこの核分裂は起きません。 きちんとした核融合段階を持ち、その動作なしには規格に近い出力を出せない爆弾が水爆って感じでしょうか。 ブースト原爆でも三重水素の核融合反応なしでは規格に近い出力を出せないし、 きちんとした核融合段階ってなんだという議論もありますが・・・ まあ、あきらめて強化原爆は原爆。そこから先は水爆と割り切ってください。 追記。 現代では純原爆はまずありません。以下定番サイトからまとめ。 重水素/三重水素を使用した強化原爆の場合、このブーストによって核出力は倍になりますが、 核融合反応の出力はその1%程度に過ぎません。核融合で発生した中性子が、核分裂を促進することで 出力が倍加するわけです。これはまあ原爆だよなあ。 テラー・ウラムデザインに基づく一般的な分裂/融合/分裂爆弾の場合、例えば最初の水爆である アイヴィー・マイク実験では、10.4メガトンのうち77%が核分裂(その大半が3段目のタンパー核分裂)の出力でした。 逆に有名なツァーボムでは、50メガトンのうち97%が核融合による出力でした。どれも水爆といわれるわけで、 きちんとした議論をする場合にはそもそも原爆、水爆という分類はふさわしくないのでしょう。 強化原爆と水爆の中間といわれるのがアラームクロック(あるいはスロイカ=レイヤードケーキ)デザインです。 核分裂物質、核融合燃料、核分裂物質の三層同心球構造であり、この場合の核融合による出力は 全体の15~20%といわれます。 #right(){(255:105-108)} **核爆弾は年月が経過すると劣化して使い物にならなくなるそうですが、これは起爆装置が駄目になるのか、核物質が駄目になるのかどちらなのでしょうか? 核兵器のメンテ寿命はトリチウム(三重水素)で決まります。 このためトリチウムを入れ替えやすい構造に作ってあるのが普通です。 ただ核兵器にトリチウムは必須ではないので、これを使用しないもっと寿命の長い兵器も作れます。 しかしトリチウムを使うと爆縮型に限らず核分裂兵器の効率を大幅にアップでき、 核融合兵器においてもトリガーである核分裂装置を軽量小型にできるため、 現用核兵器はほとんど例外なくトリチウムを使用しています。そこでメンテが必要になる。 電子装置などについては自己診断システムが発達していますから、チェックはできますが、 それでもコンデンサーなどの劣化に伴い定期的な交換が必要。爆薬も20年程度は問題ないといわれますが、 通常の爆弾よりシビアな品質が要求されます。トリチウムがなくとも、やはり10年越えたあたりからメンテが必要でしょう。 核分裂物質、核融合燃料それ自体はもっと長寿命です。 #right(){(235:933)} **核兵器に使われる、「Mk」とか「W」の違いについて教えて下さい。 http://www.designation-systems.net/usmilav/nuke.html に詳しいですが、 原則としてMkは爆弾。Wは核装置の名前。ただし、1968年以降の核爆弾はBに替わりました。Mkは通常爆弾にも 使用される名称だから核兵器であることを明示するために、ということのようです。 爆弾の場合も、核装置自体にはWが付きますが、爆弾全体としても同じナンバーのMkまたはBが付きます。 上記サイトで示されている例を引けば、W-28核装置を使った爆弾はMk-28。通常はMkまたはBの方の 名称が使われます。Mk-28と書くことによって、W-28核装置が使われた爆弾であることが自動的にわかるからです。 ECはEmergency Capabilityの略で、基本的には試作品だが一応実用にも供せる核装置のこと。 TXはTestr Experimentalの略で、実験用核兵器のコード名。 #right(){(173:63)} **水爆の具体的な構造ってどうなっているのでしょうか? >一つの水爆に搭載される起爆用の原爆の標準的な数とか、 >重水素化リチウムや三重水素化リチウムなどの配置や配合とかの解説キボンヌです。 要点だけお答えしておきますと、起爆用の原爆は1つ。爆弾の一端に置かれ、発生したX線が反射されて 弾体方向に導かれ、弾体を満たす炭化水素から中性子をたたき出します。 この中性子が弾体中央のシリンダー状の核融合燃料をたたいて圧縮(慣性圧縮)し 核融合に必要な密度を達成しますが、この際一定以上圧縮されると核融合燃料中央部に置かれた プルトニウムが核反応を起こし、内側からも中性子とX線を放出します。外と内から圧縮された 核融合燃料は核融合反応を起こします。同時に、核融合で放出された高エネルギー中性子が 弾体外殻のU238に核分裂反応を惹き起こし、これが総出力の約半分を発揮します。 単に原爆の周囲に燃料を置いても、四散するだけです。ただし核分裂燃料と相互に重ねて (Layer cake デザイン)核融合を起こさせる事は可能です。しかし大変効率が悪く、 この方式をしばらく実験したソ連の結果では、総出力の20%以下しか核融合は貢献して いませんでした。核融合反応が起きたとたんにその部分は膨張し、反応は停止してしまいますから、 核融合反応は全体を一瞬に圧縮する必要があります。核融合燃料の芯にプルトニウムが 入っているのはこのためです。核分裂燃料にも実は同様の事情があり、このため中心部に トリチウムを注入するなどの「起爆薬(兼出力増加)」的設計がなされています。 #right(){(132:system ◆systemVXQ2)} 現在では核融合燃料を臨界まで爆縮するのは、プラズマの圧力によりも水爆燃料容器のablation(溶発=一種の蒸発)に よる運動エネルギーが主要な要因と判明している。 現用の水爆(Te;;er-Ulam方式)の構造、原理についてはここがアニメ入りでわかりやすい。 http://science.howstuffworks.com/nuclear-bomb9.htm 専門的な解説は http://en.wikipedia.org/wiki/Teller-Ulam_design http://nuclearweaponarchive.org/Library/Teller.html 簡単に要約すると、テラー/ウラム方式ではプルトニウム原爆(核分裂装置)を起爆器とし、 その横に二重円筒状の水爆(核融合装置)容器を並列してある。 原爆 _____    |____|←アルミ+鉛製外側容器。空隙はスチロールを充填 ◎  ||-------|| ←タングステン(or 劣化ウラン)容器。重水素化リチウム燃料を充填。    | ̄ ̄ ̄ ̄|  中心部に棒状プルトニウム燃料を配置      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 原爆が起爆されるとエネルギーの大部分はX線として放出される。この超高エネルギーX線が 外側容器で反射されタングステン容器を表面から蒸発(ablation)させる。ロケットの原理で反作用 がタングステン容器を内側へ爆縮する。容器内部のリチウム燃料とプルトニウムは共に超高圧に よって圧縮され、まずプルトニウム燃料棒の密度が臨界点を超える。プルトニウムが核融合を 起こして爆発するとそのエネルギーが重水素化リチウム燃料を超高温・超高圧にし、核融合が 起きる。 初期の水爆は核分裂起爆装置と核融合装置を一体にした球形デザインだったが、これは原爆 の爆発と同時に球構造が変形しはじめるため、核融合燃料が十分に圧縮されないという欠陥が あった。並列円筒タイプのデザインではエネルギーがX線(光の速度)によって伝えられるため、 原爆の爆発による力学的変形が及ぶはるか以前に核融合プロセスが終了するため、きわめて 均一に核融合燃料が圧縮され効率がはるかによい。 #right(){(230:46)} **リニア・インプロージョン方式とガンバレル方式の違いを教えて下さい。 臨界質量未満の大きさに分けられた2つの核物質を金属筒の両端に配置し、起爆時に2つの核物質が衝突して 核分裂反応を起こす点は同じです。 リニア・インプロージョン方式がガンバレル方式と異なる点は、核物質に連鎖的な 核分裂反応を起こさせるメカニズムです。 ガンバレル方式は、臨界質量未満の2つのウラニウム・コアを合体させることによって 「臨界質量を超過」させ、それによって核分裂の連鎖反応を起こさせます。このため、 ガンバレル方式で得られる核出力には一定の範囲の限界がありますし、プルトニウム の場合は除去不可能な不純物として微量に含まれる不安定なプルトニウム239が 過早の核爆発を起こして残りのプルトニウムを四散させてしまい、正常な核爆発を起こせません。 これに対して、リニア・インプロージョン方式では、2つのプルトニウム・コアをそれぞれの 背後で同時に爆発した高性能爆薬の生み出す衝撃波により合体させると同時に高密度に圧縮 することにより、プルトニウム239による過早反応を押さえ込みながらプルトニウム全体を反応させ ます。これにより、リニア・インプロージョン方式は、ウラニウム、プルトニウムのどちらでも使え、 しかも臨界質量未満の核物質にも核爆発をおこさせることを可能にしました。 #right(){(225:599)} **これまで作られた核兵器って何万発もあると思うんですけど、今まで誤爆がなかったのは、よっぽど安全装置がちゃんとしてたんでしょうか? 核爆発はいろんなシビアな条件を満たさないと起きないぞ。安全装置だけが死んで その他の爆発機構だけ生き残るなんて偶然でもなければ予期しない核爆発は起きない。 #right(){(俺初質スレ710:385)} ICBMが、サイロの中で発射口の蓋を閉じたまま誤発射して、蓋は突き破ったけど、 弾頭とミサイル本体は飛翔できず、基地内をゴロゴロ転がった事故とか、 イギリス空軍基地で、着陸に失敗した機体が、核兵器用貯蔵庫に突っ込みかけた事故とかもある。 いずれも、核爆発には至ってないけど。 #right(){(俺初質スレ710:387)} **核爆発を見たら失明する可能性があるというのは本当ですか? 可能性も何も、広島の原爆で実際に失明した人がいるわけだが。 これは原爆白内障と呼ばれている。 #right(){(200:163)} **アメリカやロシアの核攻撃の第一目標って、やっぱり相手の核戦力ですか? >人口殲滅目的の相手国の大都市への核攻撃って、優先順位としてはどれくらいのものなんでしょうか? 核攻撃といっても局地戦術核使用から全面核戦争までレベルが様々ですが、 優先順位の第一は自国被害の最小化であり、それはつまり敵の未使用核兵器の破壊です。 次いで、戦争終了後の自国軍事力の優位であり、敵の非核戦力が次の 優先順位になります。敵の指揮系統の破壊が問題になり、軍事指揮系統の 破壊は高い優先順位が与えられていますが、政治指揮系統については 停戦、終戦後処理のためにある程度温存すると考えられています。 都市攻撃は最後の選択肢であり、基本的には原潜が報復攻撃のために行うものと 考えられています。ICBMでも目標が存在しなくなれば、そのような使われ方をするかも知れませんが。 中国の核戦力は限定的であり、米露の核戦力に致命的な打撃は与えられません。このため、 中国の核はICBMも都市を目標としているのではないかと考えられています。 それでも、米露に大損害を与えても、壊滅させることは不可能でしょう。 #right(){(717:system ◆systemVXQ2)} **戦後アメリカ以外の戦勝国が核保有してるけどあれは各国が独自に作ったものですか? 英国はマンハッタン計画に科学者を派遣していた、仏国はイスラエルと共同で開発した、 旧ソ連は米国から盗んだ、中共は旧ソ連に教えてもらった。 #right(){(俺初質スレ2050:50)} **核ミサイルは暗証番号以外にどのような安全装置があるのでしょうか? 暗証番号なんか使ってないぞ 暗号キーは100ケタだか200ケタあるそうで、人間の記憶力が及ぶ範囲を超えるし(例外は認める) 毎日変わるんだから、推測も不可能だろう で、暗号キー以外に物理的な鍵もあるらしいが(2人が離れた場所にあるのを同時に解除する)その 他にもいくつかステップをへなきゃいかん(戦略核の場合) 戦術核はもっと気軽に使えるようだ #right(){(俺初質スレ436:139)} ----
#CONTENTS ---- **核兵器って具体的に何をさしているのですか? 核分裂反応兵器と核融合反応兵器があります。 核分裂反応兵器=原子爆弾(ウラニウム、プルトニウム) 核融合反応兵器=水素爆弾 #right(){(84:432)} 原爆、水爆、中性子爆弾、原子力潜水艦など核燃料を動力としている兵器。 #right(){(84:433)} 原子力潜水艦は”核兵器”とは普通言わないのではないだろうか。 「物質原子の分裂反応、もしくは融合反応によって生じたエネルギーを直接破壊力 に用いる兵器」 というのが”核兵器”の定義だと思う。 原子爆弾(原子核分裂反応兵器)は核兵器の1ジャンル、というところかな。 #right(){(84:436)} **今の核爆弾ってどれぐらいの威力があるんですか? 現役核爆弾、核弾頭は、アメリカで0.3キロトンから9メガトン、ロシアは100キロトンから20メガトンです。 現配備中ではこの20メガトンが最大でしょう。 最大の核爆弾は、1961年、旧ソ連がノバムゼリア実験場の上空4000mで爆発させた50メガトンの水爆です。 ただ、この爆弾は本来ウラニウムで作るべき外殻ケースを敢えて鉛で作って放射性降下物を減らしたもので、 まともに作れば100メガトンに達しただろうといわれています。 #right(){(3:598)} 最近の核ミサイルは、命中精度がよいので 威力を抑えめにしています。 威力はいろいろ、0.5キロトンとかメガトンクラスの物もあります。 広島級は20キロトン(TNT爆薬20000トン分) 何発で日本が滅ぶかについては、定義が示されていないので不明です。 #right(){(108:965)} **中国か北朝鮮から日本に向けて発射された核ミサイルを到達前にミサイルで破壊した場合、核汚染とかの心配はないのですか。 良く問題になる話です。まさにそのためにブースト段階撃破、つまり敵国内で上昇中に撃破することが望まれるわけです。 しかしブースト段階撃破に対してはアメリカの調査会が先日「技術的に多大な努力が必要であり、まだ現実的でない」と結論したところです。 ただ、核ミサイルを日本上空で仮に撃破したとして(終末時撃破なので技術的にこれも大変です)、 確かに核汚染は生じますが、起爆用プルトニウムが主な汚染源ですので、さほど(比較的)大した被害は生じないものと思われます。 #right(){(3:721)} **核ってミサイルかなんかで吹っ飛ばされても核爆発しないよねぇ?付近一体が汚染されるかもしれないけど。 核弾頭をミサイルや爆弾で吹っ飛ばした場合、誘爆するのは起爆用の通常爆薬 までです。核物質はばらまかれますが、問題になるのは一段目のプルトニウムで、 二段目の核融合物質、三段目の劣化ウランの放射性は大したものではありません。 核爆発は精密に制御された何段にもわたる過程ですから、ちゃんとした起動なしには 発生しません。小型化のために追い込んだ設計になっていますから、一段目の原爆 だけですら、誘爆などで作動することは考えにくいのです。 #right(){(12:system)} **核テロがが行われるとしたら最低何kmくらい離れていれば大丈夫でしょうか? 加害半径が小さいので有名な中性子爆弾で、1km程度と言われています。 中性子弾頭でない水爆は、小さくとも熱線、爆風が強く出ますから、通常はそれ以上でしょう。 従って、小型でも数キロメートル離れる必要があります。 1人で運搬できる核爆弾自体は、米ソともに開発し、所有していました。 小型化し、破壊力を必要最低限に抑えるために、水爆ではなく、単純な核分裂爆弾として作られています。 しかし、スーツケース爆弾として話に出る、60×40×20cmの核爆弾、というものが存在したかどうかは定かでありません。 また、存在したとしても、それがテロリストの手に渡った可能性は大変低いものと思われます。 そのような兵器はソ連/ロシアにとっても大変な脅威ですから。 最小の核分裂爆弾は、TNT換算10~20トン程度の爆発力に抑えることが理論的には可能であり、 事実、W-54デビークロケット弾頭は最小出力を10トン相当にセットすることが可能でした。 この場合、半径300mが放射線による致死範囲、400mが大変危険なレベルとなっているようです。 爆風、熱線による殺傷範囲は、10トンのTNTの爆発力相当と考えると、放射線による範囲と大体同じぐらいではないでしょうか。 #right(){(14:918)} **地下核実験って、核爆発に伴う高熱や大量の核汚染物質をどうやって処理していたんですか? 処理してないから、カザフスタンで、白血病とか遺伝子異常とか悲惨な状況があらわれた。 地上核実験の最中に、ネバタで映画ロケやってた連中は、ものすごい高確率でガンに罹患した。筆頭は、ジョン・ウェイン(肺ガン) #right(){(22:501)} **一発で地球が消滅するほど強力な核爆弾って現実に作れるの? 核爆弾では無理かと思います。 原理的には可能かもしれませんが、核融合反応に必要な反応物質の量が 足りなすぎます。たぶん三桁から四桁は不足でしょう。 #right(){(23:813)} ”1発で地球全域を破壊できる威力のある核爆弾”はソビエトが設計し、 モックアップを試作した(流石に本物は作ってない)。  理論上では地球のどこで起爆させても地球のほぼ全域に爆風が到達すると計算された。 ただ、この計算には後から「ちょっと威力を大きく見積もり過ぎ」との修正が出ている。  この超大型水爆、モックアップを作ったのはいいが「既存の爆撃機には積めない。 専用機を開発しなきゃいけないがとてつもない大きさの飛行機になる。 ロケット(ミサイル)に積むことは・・・そんなでかいロケットは作れんな」 ということになって兵器としてはボツった。  そもそも、地球のどこであれ撃ち込んだら自分たちの国にまで被害が及ぶような代物、 兵器としての実用性などあるわけもなし。  結局「わがソビエトの技術力は世界一ィィィイイイ!!」と自慢するためのものだったらしい。 #right(){(85:342)} 核爆弾、といってもこの場合は原子爆弾(核分裂爆弾)じゃなく水爆(核融合爆弾)だーね。  最初はともかくやってるうちに「わがソビエトはこんなすごいものを作れるんだぞ!!  どうだすごいだろう!!」という方向へ暴走していったものと思われ。  兵器としての実用性なんぞ途中でどーでもよくなってたのであろー。  一応、アメリカの核実験で最大のものは1954年の「ブラボー実験」で15メガトン、 世界最大の核実験はソビエトが1961年にノヴァヤ・ゼムリャ島で行った水爆実験 でこれが58メガトン水爆。この水爆実験で発生した衝撃波は微量ながら地球の裏側 でも観測され、しかも3回も観測された(衝撃波が地球を3週した=地球を3週する ほどのエネルギーの衝撃波が発生した)。  この58メガトン水爆(Tsar Bomba)、本来は100メガトンを狙っていたそう だし、発展型でもっと大きなものが計画されていた(>>342 のはそのことだろう)。 #right(){(85:349)} **核弾頭のICBMが自爆した場合、安全対策はどうなっているんでしょう? もちろん核物質がばらまかれて汚染の原因となる。 #right(){(68:94)} **戦術核と戦略核の違いを教えてください。 戦場で使うのが戦術核 後方の都市やICBM基地なんかを狙うのが戦略核 破戒力は一般的には戦略核>戦術核だが、定義とは無関係 #right(){(98:572)} **航空爆弾搭載できれば戦後の機体なら大抵核兵器は運用できるのでしょうか? アメリカに限って言えば60年代頃まで全面核戦争になった時に装備をフル活用する ために写真偵察機まで核爆撃ミッションが可能にして、訓練もしていた。 通常装備も拡充して核を使わない戦争にも柔軟に対応しようと考え直したので、 爆装可能≠核爆弾装備可能となった。 #right(){(355:56)} **いわゆるアトミックソルジャーが存在した事が疑問です。 >Wikiに掲載されているクロスロード作戦の項目では関わった人員が必要以上の放射能を浴びないよう >慎重な配慮がされていたと説明されてますが、米海軍と陸軍では放射能に対する考え方が違っていたのでしょうか? アトミックソルジャーは広島での放射能障害の実態が全世界に浸透するまでの、 対東側の戦術ドクトリンとしての試行錯誤の中で生まれたものです 放射線被爆による重篤な障害が認知される頃には中止されています 当時は開発に携わった一部の学者がその危険性について認識しておりましたが 軍中枢を始め一般には原爆の威力についても「すげぇ威力の爆弾」という認識がそれまでの常識でしたので 当時としては別段異常な対応ではありません。 #right{(362:197:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)} **アメリカとソ連は何故地球を何百回も滅ぼせるほどの核兵器を作ったのでしょうか?せいぜい2,3回滅ぼせる分あれば十分だったと思います。 稼働率の問題と、相手の先制攻撃を喰らっても報復攻撃できるようにするためってのもあるでしょう。 どちらか一方の弾頭数が極端に少ない状態だと「ひょっとすると先制攻撃で息の根を止められるかも(ニヤリ」というヴァカが現れかねませんから。 MADを調べればその辺のことは分かると思います。 #right(){(4:214)} ひとつは地球を滅ぼすために作ったのではないからです。さまざまな状況下の戦場で、限定用途を含んで、 さまざまに使うことを考えて作られたため、多種多数の核兵器が作られ、合計すると無用に多いという事情です。 また、ひとつの運搬方法が戦闘時の事情によって無効になっても、必ず100%の破壊力が発揮できるようにするため、 ミサイル用、航空爆弾用、潜水艦用など、何通りもフルセットでそろえる必要があります。 さらに発射ボタンを押したミサイルすべてが目標上で爆発するとは限らないため、ここでも保険をかけて何倍かの数を持つ必要があります。 さらに、旧式化した弾頭にしても、バラすのは費用と時間がかかりますから、何となく在庫、という状況もあるでしょう。 まあ、これだけで必要量の数十倍にはなると思います。また、核兵器は更新もされていきますから、作った量の延べは大きなものになるでしょう。 #right(){(4:217)} **熱線の温度ってどれくらいなんでしょうか? 「反応温度」であれば、核分裂で数百万度、核融合で数千万度。 1MTの核弾頭が上空5000m付近で爆発した場合、爆心直下は3000~4000度。 到達する熱戦の温度は、爆心からの距離の2乗に比例して高く、当然核出力 が大きいものほど熱戦の到達範囲は広くなります。 #right(){(19:らむ ◆26Am7uFo)} **臨界前実験ってなんですか? 原爆を核爆発寸前の核分裂状態にする実験です。爆発しないから国際法違反じゃないとアメリカとロシアとフランスは主張。 #right(){(21:379)} **通常の原発も核関連施設になるのですか? 常の原発も核関連施設かと言うと答えはYesです。 簡単に言うとウラン235を燃やすと、燃えかすが出来ます。 この燃えかすを加工するとプルトニウムが出来ます。 これを使えば、核爆弾が出来るわけです。 日本の原発にも査察が入って、転用に目を光らせていますよ。 #right(){(36:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **核弾頭を小さくして拳銃の弾頭に使えないんですか? ミニ核として実用できそうなのはカリフォルニウムでしょうが、Cf-251の cross scatterが4barn、cross fissionが2.5barn、分裂ごとに約4個の中性子を 放出するとして、臨界質量に達する球体は直径3cm弱、重量約2kgとなります。 爆縮で圧縮すればもっと数分の一の質量で急激な連鎖反応を起こしますが、爆縮 装置の方が大きくなって意味ないでしょう。ただ、超高速弾で弾着時に十分な 圧縮が得られるようにすれば、20mm口径ぐらいのピストル(レールガン?)で 核爆発ってのは否定できない(てのが限界だな)と思います。もちろん、撃った 腕は反動で吹っ飛んでますが。ついでに標的もある程度硬くないと不発でしょうが。 えー、カルフォニウムという半減期30分ほどの核物質がありまして、70年代初めにアメリカの 学者がこれを使ってライフルから発射できる核弾頭の構想を発表したことがあります 実用性皆無ですが、あまりの面白さに一時、SFの小道具として大流行しました #right(){(39:901-902)} **核搭載ミサイルを通常爆弾で爆破させた時って核爆発は起きますか? 核爆弾は複雑な起爆方法で起爆します 小さな多数の核を、火薬で同時に1個に圧縮するような方法です。 そのため、外部からの破壊が加わると 臨界に達せず、核反応がおこらない=核爆発しない。 #right(){(63:728)} **核兵器ですが、公式に保有していることを宣言している国はどれぐらいありますか? 公式な保有国 アメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国 核不拡散条約(NPT)で以下のように定義されています 第9条:1967年1月1日前に核兵器その他核爆発装置を製造しかつ爆発させた国を核兵器国と定義する。 条約の期日までに核実験を行っていたのが上記の5カ国です 核保有について非難や、廃棄の要求はもちろんあります #right(){(64:名無し三等兵候補)} 核保有を公表している国 アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国・インド・パキスタン・北朝鮮 公式には宣言しないが事実上の保有国 イスラエル かつて核を保有していた国 南アフリカ共和国 上記のうち米・露・英・仏・中については核拡散防止条約(NPT)に基づいて核を保有していると言えます。 というか、言い方を変えるとNPTは上記5ヶ国で核保有を独占するための条約です。 大国で安保理の常任理事国なのでそういうことしても誰もとめられんわけです。 で、それ以外のインドやパキスタンは非難されたり、廃棄を求められたりしていて 日本も含めた各国から経済制裁を受けたりしていたのですが、あんまり経済制裁を続けていると 貿易できなくて商売上困る、ということでなし崩しになっています。 #right(){(64:名無し三等兵候補)}※北朝鮮を追記 **核の爆発は、失明させる程の強い光を発するのか? 爆発モロに見れば障害が発生します。 #right(){(64:478)} 核爆発の威力=中性子の運動量*中性子の数+光子の波長*光子の数 だから、失明するかどうかは、威力のみに関係する。 #right(){(64:481)} 広島の原爆で実際に失明した人がいるわけだが。 これは原爆白内障と呼ばれている。 #right(){(200:163)} **現在ロシアやアメリカが保有している核爆弾はプルトニウムを使用するタイプというのは正しいのでしょうか? 正しいです。 >そしてその理由はプルトニウムは原子炉を保有すれば生成が容易であり、臨界量がウランを使用するタイプより少なく小型化に向く? その通りです。 #right(){(65:273)} **原爆の話でよく出てくる「ガンバレル式」って、どうゆうの? 広島に投下されたリトルボーイの場合ですと、臨界に達しない程度に分割したウランの塊を 筒の両端に配置し、高性能爆薬によってウラン同士をぶつけることで核分裂を起こすタイプです。 #right(){(65:280)} ガンバレル=gun barrel ということで。 _________ 火薬|ウラン|ウラン>←弾頭  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ という内部構造をしてまして(ものごっつい略図)、上図の火薬の爆発で ウラン同士を押しつけて臨界を達成させるタイプの原爆です。 詳しくは上の検索とか見て下さい。形が似てるんでガンバレル型=砲身型といわれます。 #right(){(65:283)} 280に追補。 その格好が銃身に似ているので銃身型=GunBarrel型なのでつ。 もっと強い威力を持つ原爆を作るためにプルトニウムを爆圧で 圧縮する、インプロージョン型(爆縮型)って原爆もありまつ。 #right(){(65:285)} **今、考えられる最大の核ミサイルを打たれた場合、どのぐらいの被害が出るのですか? >東京がなくなるほどですか? 通常に使用する核兵器で首都圏ほどの穴が空いたり、 四国がまるまる吹っ飛んだりすることはないです。 通常核兵器は空から持ってきて地表か上空で爆発させます。 20~25メガトンの場合で首都圏の木造建築が皆一瞬で燃えあがり 56メガトン0発で四国に相当する面積があっという間に焼け野原になるだけです。 曖昧なデータで何ですが、バリンジャークレーター(幅1.2キロ、深さ200メートル) を作った隕石の衝突エネルギーが約10~20メガトンですから、 地下に核兵器を埋め込んでから爆発させても四国が吹っ飛ぶことはないです。 隕石の衝突と核爆発では条件が違うので、詳しい方もう少しフォロー願います。 #right(){(66:339)} 104㌔㌧の核爆弾で直径635フィート(200㍍くらい?)のクレーターが出来、 12メガ㌧だったら1200フィート(400㍍?)のクレータができるそうでつ。 #right(){(66:340)} 単に威力が最大というのであれば、旧ソ連が50メガトン(あるいは100メガトン)級の 水爆を作ってたはずです。 理論上は威力は無制限に高められますから、地球を木っ端微塵とかいうような 話ではないですにゃ。 #right(){(78:836)} 歴史上最大の核兵器はソ連が実験したTsar Bomba(爆弾の皇帝)と 呼ばれる58メガトンの水爆です。この爆弾の破壊力を最大にすると 100メガトンの出力を得られるそうであります。 #right(){(78:839)} 実戦配備されているもので最大のものなら、 浦和に落とせば関東平野全域がくまなく焼け野原になるだけの威力があった筈。 #right(){(85:227)} **核爆弾は火薬換算? TNT火薬で換算するのが一般的です。キロトンとかメガトンとゆーやつです。 たまに広島型原爆何発分と例えられます。 #right(){(67:ふみ)} **日本に誤射で不発の核ミサイルが落ちた場合、何処が回収するんでしょう? アメリカサンが研究のため回収してくれればいいのですが、そうでなければ自衛隊が、やらされるでしょうね。 自衛官の許容法定被曝量は一般人の100倍。別に放射能に強いわけではないが。 #right(){(68:剣恒光@自衛隊板 ◆yl213OWCWU)} 基本的に>>183の中の人の回答でよろしいでしょう。 参考になる例として、むかしソ連の原子炉衛星がカナダに落下して放射性物質(ウラン)を広範囲にばらまいたときは、 カナダ軍が中心になって汚染を除去して、あとで経費をソ連に請求しました。 衛星落下による被害は宇宙条約で飛ばした国が賠償することと定められているので、 ソ連もすなおに支払いました。 しかし核ミサイルの発射となると戦争状態ですから(訓練ではまず実弾頭は使わない) 相手の国に回収なり回収経費の支払いなどを求めることが出来るかどうか。 ま、交渉次第ですな。 #right(){(68:186)} B-52がスペインの海水浴場のすぐ沖で核爆弾を落っことした有名な事件がありますが これは米政府がただちにスペイン政府にねじ込んで現場一帯を封鎖し、米から派遣された 技術者が回収作業をしました 米の核弾頭が誤って日本に落ちても、自衛隊に任せるなどという(安全保障上の)危険は 冒さず自らが出動すると予想するべきだと思います #right(){(68:205)} **北朝鮮の地下鉄が核シェルターの意味もこめて深さ約100mあるといいますが100mも掘らなくても十分だと思うんですが。 >実際核シェルターはどのくらいの深さにあるんでしょうか? 都市部の場合は、深さ5,6メートル程度のシェルターでは、熱で蒸し焼き になることが考えられる。 一方、深さ百にも達するようでは、今度は入り口がふさがる可能性もある。 まあ。それはともかく核シェルターの深さは、だいたい10から30メートル 程度が適当なような話だ。 放射能の99%は、シェルターに籠もって二週間もたてば、消滅するから、 最低限二週間は、シェルターに籠もっていられる装備は必要。 もっとも残り1%の放射能でも、人体には致命傷だし。 少ない放射能でも長期間、被曝すれば、それはそれで致命的だ。 #right(){(73:940)} **核の冬って放射能が関係するんじゃなくて爆発で酸素が失われるからだよね? ダウンフォールのせいで日照が減少するからです。 酸素は関係ないぽ。 #right(){(75:712)} どこから聞いたんですか。その説は。 かくのふゆ 【核の冬】 核戦争後に起こるとされる全地球的規模の寒冷化現象。 核爆発とそれに伴う大火災によって生ずる大量の煤煙(ばいえん)・ 塵埃(じんあい)が太陽光を遮り、地球の温度を下げる。 1983年に米国の科学者らが命名。(大辞林第二版) #right(){(75:713)}  >>713 がホント。  ダウンフォールというのは、(元々は)彗星や隕石の衝突に伴ってチリが 大量に大気中に舞い上がり、それが太陽を遮ることです。  ”核の冬”というのは、大規模全面核戦争によって同様の事態が起きる、 という事を予想したものです。 #right(){(75:717)} **中性子爆弾と原水爆は使い道に違いが有るでしょうか? >(地球に向ってくる小天体を水爆ミサイルで迎撃するとかでは無くて、人間相手の実戦又は威嚇に使う場合) 一応、奇麗汚いも無いのですが…。 原爆、水爆は、爆風と熱線による破壊を主にします。 中性子爆弾は、その爆風と熱線を最小限に抑え、代わりに中性子線とガンマ線 を大量に発生させ、生体組織を破壊する、即ち生物を殺すものです。 米国の場合、原爆、水爆は面制圧兵器として戦略兵器に、中性子爆弾は、戦術 ミサイル、核砲弾に使用し、前面の敵を掃討するために使用しようとしていました。 #right(){(78:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **20ktの核爆が地上で爆発したときのコンクリート製のビルの倒壊半径等具体的な数字 20kt級核兵器が使用された場合、爆心から半径3800m以内の家屋は通常の居住が不可に なるまでの損傷を受けるとされているようです。 コンクリート製ビルの倒壊半径は知らない。 #right(){(78:861)} えーとちょっと単位が大きくなりますが500キロトンの核弾頭が爆発した際に生じる1次放射線は 半径2000メートルまで致死放射線量といわれる600レム(今単位違うような)以上を保ちます。 この一次放射線は1mのコンクリートで200分の1に、1mの土で150分の1に弱めることができます。 この数字も参考にしてみて下さい。 #あとこの手の被害予想結構科学的な文献あるんだよなー。リアル工房のころに読んだんだが・・・。 #right(){(78:870)} マール社『武器 歴史,形,用法,威力』 にワシントンに20ktの核爆弾を落とした場合の 熱線、放射線、爆風の影響についての想定図がある。 同じ本に規模別の熱線、爆風の被害ゾーンの表もあるし、 図書館あたりで探して確認することをお勧めする。 #right(){(78:871)} **中性子爆弾は戦略兵器に使わないのは何か不都合があるのでしょうか? 単純に中性子爆弾は破壊力が押さえてあるから。 敵があらかじめ隠蔽されたシェルターなどに篭っていれば反撃される可能性があります。 一撃で確実に敵重要施設を破壊しないと、ICBMなどで反撃されてしまいます。 前線では核爆発から隠蔽する事はきわめて難しいので、威力が低くとも人員が殺傷できればいいのです。 #right(){(78:名無し軍曹)} 敵方の地下ICBMサイロや指揮所を無力化できないと戦略核としては片手落ちになるからでは 中性子爆弾はソ連の戦車を止めるために作られた兵器であり、それに対抗して戦車を遮蔽しようと したらえらく装甲が分厚くなって現実的ではなくなるとかいう話だったような ということは建物の奥とか地下施設の兵力を無力化できない可能性もあるかも? #right(){(78:904) **一発ぐらいの核ミサイルでは核の冬は起こらないのでしょうか? 「核の冬」とはそもそも核爆発にともなう放射性のチリや吹き飛ばされた土壌・ 大火災によるススなどが太陽の光をさえぎり、気温がいちじるしく下がる現象を言います。 一発やそこらの核爆弾では地球を覆い尽くすほどの大量のチリは発生しません。 それらの放射性降下物が発生し地上に降下して来る現象を俗にフォールアウトといい 降り注ぐ放射性降下物を「死の灰」といいます。 死の灰は核爆発が行なわれた条件や場所によって違いますがかなり広範囲に降下します。 逆にいえば、局地的に死の灰が上空を覆ってしまう事はないです。 #right(){(78:名無し軍曹)} 一発や二発では起こりません。 多分十発でも二十発でも起こらないでしょう(相当な高破壊力のものを用いない限り)。 >また核の冬は局地的に起こるものではないのでしょうか? > >日本に落ちたら日本だけ寒冷化するとか…。 地球には大気というものがありますので、そんな事は起こりえません。 日本の上に大きな日傘ができたとしても、他の場所から暖かい空気が 流れ込んできますから。 っつーか、局地的な核の冬なんてものがありえるなら、曇りの日は それこそエラいことになってしまいます。 #right(){(78:902)} 大規模な火山噴火によって生じたチリが高層大気の流れに乗って 北半球なら北半球を覆い、平均気温を少しだけ下げるということは実際にあります。 「核の冬」は核兵器が多数に使用され、爆発に伴って生じた大量に生じたチリによって 上記の現象がより大規模に生じた状態を言うわけです。少々の爆発では起きないかと #right(){(78:905)} **核兵器の本当の実力は? >実際に使用されたのは広島・長崎の2箇所だけで、しかも何十年も前ことです。 >たしかに多くの方がなくなられていますが現代にもあてはまるのでしょうか? 広島・長崎で強い放射線や爆風を浴びながら生き延びた人はある意味奇跡的なだけ。 普通は浴びた線量に応じてそのまま人体はダメージを受ける。 核兵器の威力は当時に比べて大幅に増大しているし、人間が放射線に強くなるよう進化したわけでもない。 建物に対するダメージはたしかに未知数の部分もあるけれど、 爆心地周辺では耐震も防火も関係無し。 >長門 一回目の水爆実験ではなんとか浮いてました。 二回目くらったら沈みました。 >ぶっちゃけ核平気? いままでも、そしてこれからも人類にとって最大最凶の兵器です。 #right(){(78:855)} 広島の原爆が炸裂した際、警報は出ておらず広島市民はほとんど外にいたのであれだけの死者がでました。 午前中にあった警報の解除を知らず、何時間も防空壕に篭ったままだった中学生がほぼ無傷だったという例もあります。 最初の脅威である熱線と衝撃波を防ぎ、かつ炸裂後しばらくは防空壕にいたため重度の被爆を逃れたからです。 適切な防護施設で、後も正しい知識をつけて行動すれば、かなりの効果があるのは事実です。 しかし、水爆が使用された場合、発生する放射能塵は半端でなく、人の足で行ける程度の距離は焼け野原ですから、 意味も相当薄くなってきますし、中性子爆弾はただの防空壕では防げません。 よって、核は重大な脅威です。 #right(){(78:859)} **原子力電池と原子炉はどう違うんでしょう? ぐぐって調べるほうが早いような 原子炉は核分裂によって生じる熱を利用して作動流体を熱してタービンを回します たいてい制御棒などがついていて反応速度を制御します 多くの場合原子力電池はプルトニウム等が崩壊する時に出る熱を利用して熱電対で発電するものです ゆっくり崩壊するようになっているので制御棒とかはついてません・・・とかだったはず 出力の割に重いけどとりあえず長期間動作しまつ #right(){(79:932)} **現在の最新式の核兵器ってミサイル式ですか? 初めは原爆が重すぎて爆弾型しかなかったのですが、 爆撃機以外の運搬方法は無いかということで、 ICBMができて、こっちのほうが確実に当てられるし、 高い能力の爆撃機を配備するより安いやってことで、 いまはICBMが主流です。 #right(){(84:378)} **中・印・パが核軍備に至った理由はなんとなくわかるのですが、英・仏が核軍備をしたのは何故なんでしょうか? WW2の思い出と対ソビエト保険 #right(){(84:529)} **日本をはじめ核を持たない国は冷戦時代のMADという戦略の中でどのようにして先制核攻撃を抑止していたんですか? 核の傘 #right(){(84:572)} 核保有国と同盟を組む。 別に過去形じゃなく、今でも。 #right(){(84:573)} **核兵器は、使わないと威力はわからないんですか? その地域の地形、当日の気象により効果は変化すると言われています。 核兵器、原爆を使用する場合、開けた平野に落とす事によって放射線状に被害が広がるので効果的だと言われています。 まぁ、現代の核とWW2のアメリカの核とは性能が違うはずですので。 核は投下し爆発すると、投下地点の空気が圧縮されて、爆心地に周辺の空気が引き寄せられます。 次の瞬間引き寄せられた空気が外に拡散し凄まじい爆風を発生させます。 非常に高温の空気は人間の皮膚細胞を痛めつけ、鉄は溶けます。 爆心地に近い人間は蒸発したと言われています。 放射線は爆心地から離れた人、遺体回収に携わった人などを蝕みます。 最近の核は電磁波を発生させ電子機器を狂わせると言われています。 周囲のライフラインは停止するでしょう。 車も恐らく動きません。 というのが確かNHKの高等学校用のビデオの核の恐怖とか言うようなタイトルのないようだった気がします。 多分図書館に行けばあるかとおもいます。 間違ってるところがかなりあるかと。 ごめんなさい。 #right(){(85:223)} **Tsar Bombaの記録映像って、カメラはどうやって衝撃波や熱線から守ってるのでしょうか? 確かコンクリで固めまくるんじゃなかった? #right(){(85:232)} **ウラン235をつかった原子爆弾を現在でも保有している国はあるんでしょうか? はい。ロシアとパキスタンが持っています。 水爆のも原爆のもあります。 #right(){(86:667)} **50メガトン級核実験の動画or画像無いでしょうか? 映画「博士の異常な愛情」のラストでアメリカとソ連とフランスの水爆実験が見れます。 #right(){(87:831)} **核重力爆弾なんて聞いたこと無いんですが、何ですか? 重力落下型(自由落下型)核爆弾を訳し違えたのでしょう。 B-83は制動傘を持つので自由落下とは言い難いのですが、 推進装置を持たない爆弾は普通自由落下型と言われます。 英語だとfree-fall-nuclear-bomb、gravity-nuclear-bombね。 #right(){(90:200)} **全ての国家が核を保有(弾道ミサイルあるいはSSBN)を運用したら、核による相互確証破壊による抑止効果で戦争のない平和な世界になるでしょうか? 核兵器を現有戦力として第一線配備するのは膨大なコストが必要となります。 そのようなコストを自国で負担できる国家は極少数です。 核弾頭を装備した弾道ミサイルをいつでも使用できる状態で維持するのは、 殆どの国にとって国家財政に致命な的負担となります。 また、「国家」=「(主要先進各国のような)マトモな法治国家」というわけでもありません。 よって、提案されるような核による平和な世界を構築したら、 半世紀後には「核の冬」による半永久的(永久的?)平和が実現するでしょう。 #right(){(91:916)} 核抑止はプレイヤーが増えれば増えるほど不安定になります。 基本的に相手側の良識(自国の耐え難い損害を許容しない)を信用し、 技術と兵力レベルが均衡している事が条件です。 プレイヤーが増えるとこれらの条件が成立するのが難しくなります。 (最近話題の某国が核武装した場合、その良識を信用する事の困難さが判ると思います。 #right(){(91:917)} **アメリカの技術者が終戦後、ソビエト連邦に原子爆弾の重要な技術を流出させてしまった? とりあえず内容は本当です。 開発スタッフの一人がアメリカだけが核兵器を持ち世界の覇権を握る事を恐れ ソ連に爆縮レンズなどの開発法を漏らしてます。 この情報提供が無ければソ連の原爆開発は大幅に遅れるか、最悪開発に失敗していたでしょう #right(){(92:622)} 原爆の機密をソ連に売り渡したスパイとして, ローゼンバーグ夫妻が処刑された事件が有名です (夫妻に関しては冤罪とする説もあります) 同種の事件は冷戦期に数多く起こっているようです #right(){(92:625)} 「KGB衝撃の秘密工作」 Written by Pavel A. & Anatoli P. Sudoplatov Edited by Jerrold L. & Leona P. Schecter Editorial supervised & Translated by KIMURA Akio 木村明生監訳 Published by Porupu Publishing ほるぷ出版 によれば,核情報をソ連側に渡した科学者として, ロバート・オッペンハイマー クラウス・フックス エンリコ・フェルミ などの名が挙げられています.  動機は622で述べられている通りです.  この内,フックスについては 原爆を盗んだ男クラウス・フックス ノーマン・モス 朝日新聞社 1989 1800  オッペンハイマーについては 機密漏洩事件・水爆とオッペンハイマー J・メジャー 平凡社 1974 2800 がそれぞれ出版されています. #right(){(92:消印所沢@FAQ保守員 ◆z3kTlzXTZk)} **原子爆弾の最大威力はどの程度のものなんでしょうか?  >原爆だけでメガトン級の核兵器と言ったものはできるんでしょうか? 理論上は下限はあっても(臨界量の核物質が最低限必要)、上限はなかったかと。 #right(){(93:ゆうか ◆9a1boPv5wk)} 核分裂だけでどれくらいの威力が出るものか、試しに造ってみた爆弾があって、 名前はスーパーオーラロイ爆弾で(オーラロイはウラン235のこと)、 威力は0.5メガトンだったとか。現実に造られ実験された原爆はそれが最大のはず。 #right(){(93:550)} 臨界量の核物質がそこ有れば臨海に達してしまう訳ですから、 あまり工夫を凝らさねば、200ktくらいが限界となるそうです。 まあ色々と手は有ると思いますが、そんな事するよりも水爆にする方が合理的です。 >>544 臨界量は物質の状態(密度など)やダンパーで変わってきますし、 臨界量の核物質全てが反応を行う訳でもないので、 ダンパーや殺物質の工夫によって威力を小さくは出来ます。 #right(){(93:552)} **旧ソ連は井戸水や油田を掘るのに核爆弾を使用していたというのは本当ですか? ソ連では鉱山の採掘に小型核を利用したことがあったはず。他国でも運河の掘削に複数の原爆を使用する 計画があったが、放射能の問題があり断念した。 #right(){(93:657)} ソ連は「平和的核爆発」と称して大規模土木工事に核爆弾を何気に 使用しておりました。その総数は150回をこえるとか。 それの代表的なところでは ・地震研究のため。地中核爆発で地震波を出してみた。 ・石油掘削のため。穴掘って核爆発を起こせば近くの油田のアブラの出がよくなると 思ってやってみた。 ・運河開削のため。連続的に核爆発でクレータを作ってそれをつなげて運河にしようと 思った。・・・これはさすがに二発だけ爆発させてやめた。 ・地中ガスタンク作成のため。地中に球状の空洞が出来る筈だったが、地下水で 埋まってしまってだめぽ。 ・汚染土壌廃棄場作成のため。汚染土壌がかえって増えてる、って点については偉大なる 社会主義国家建設のためなので気にしてはいけない。 ・貯水池作成のため。その水をなんに使ったのかも気にしてはいけない。 ・炭鉱の粉塵を除去するため。ものすごい爆風で粉塵は収まったらしいですが、 炭鉱夫の健康状況は悪化したとか。何故だろう。 ・有害化学物質の焼却のため。だんだん書いてて頭が痛くなってきた。 #right(){(93:667)} アメリカで”第2パナマ運河”の建設に水爆を使用して一気に、 という案が真面目に検討されたことがあったそうな。 あと、大量の品質保証期限切れ化学兵器の処分方法として、 ”核爆弾の周りに処分する化学兵器をひたすら集積してどかんと一発” というのも真面目に検討されたことがあるとか。 でもまぁソビエトよりは・・・あ、いや、アラスカ(のド田舎)に核兵器を使って湾を掘り、 港を作るって計画が・・・(汗  あぁ、自分も頭が痛くなってきました。 #right(){(93:669)} **貯蔵してある核兵器の安全性ってどのくらいでしょうか? 基本的に核兵器は火薬の爆発等では誘爆し、核爆発が起こるようなことはありません。 内部の核物質が拡散する可能性はあると思いますが… #right(){(94:233)} 現在圧倒的主流のプルトニウムを用いた核兵器は、全て厳密に計算された 爆薬の爆発により分散されたプルトニウムを一カ所に高圧をかけて集めることで、 所定の爆発を起こすようになっています また設計と工作精度の向上からプルトニウムの量も最小限となってきており これが外部からの力により無理に圧縮されたとしても、爆発を起こすことはありません (天文学的確率の妙が起これば別ですが) ただし爆発は起こさずとも臨界を越えることはありますので、 東海村事故レベルのことはおきえますから、不用意に近づくのは危険です #right(){(94:234)} **MIRV化された核ミサイルで、例えば弾頭が2つとしてこれをフィラデルフィア、ニューヨークに落とすといった方式はとられるのでしょうか? ふつう2ヶ所別々に攻撃します 核兵器は威力が高いため多少のずれはたいした誤差になりません #right(){(94:609)} >ついでに質問なのですが、その際にバスから弾頭が放出されていくとおもうのですが、 >たとえば4つの弾頭をもつものが、ワシントンDC、NY、フィラデルフィア、ノーフォークなど広範囲にばらまく等は可能なのでしょうか? MIRVはポストブースト段階(加速直後、大気圏外)で各弾等を別々の軌道に乗せます。 散布範囲はPBMバスの能力によりますが、何かの本に100*500kmくらいの数値が載ってました。 #right(){(94:616)} 当然攻撃範囲には制限があります 細かい値は失念したのですが単純に言えば 進行方向に対して左右への範囲は狭く 前後は左右に比べて範囲が広いという感じです #right(){(94:617)} 実は同一地点を連続して核攻撃するのって結構むづかしいんです。 先行弾頭の電磁パルスが後攻弾頭の起爆装置をワヤにするかもしれないし、 かといって時間をおいて攻撃しようと思っても先行弾頭の爆発で 空気中に巻き起こされたガレキや土砂と衝突して後攻弾頭が壊れてしまうかもしれないからです。 (マッハ20近くで飛んでいる弾頭はすごくナイーブなのです) #right(){(94:620)} **コバルト60って凶悪なダーティーボムに使用可能と思うのですが正解でしょうか? 当方、放射線医薬品としてのコバルト60の知識しかありませんが、 コバルト60のペレット(固体)に、防御手段無しで長時間被爆すると 死亡することもあり得ます。ちなみにコバルト60の半減期は5年ほどですので ダーティボムとして使用された場合の危険性は、セシウムやヨウ素の放射性 同位体と比べて低いと言えます。 #right(){(94:940)} **原爆の半減期は、どのくらい? 広島型原爆に使われていたウラン235が7億年。 長崎のはプルトニウム239でこれは2.4万年。 水爆に使用されているトリチウムは12年(ただし起爆用の原爆は無関係)。 #right(){(96:59)} 仮に半減期を過ぎたとしても(えらく気の長い話しだが)理屈の上では ニコ一すれば再生できるし。 #right(){(96:62)} 近代的な核兵器は原爆と言えども中央にトリチウムを使用する強化原爆がメインなので、 これの自然崩壊が核兵器の有効(少なくとも信頼)期間を左右するようです。 確か5~10年程度で入れ替えする必要があったような。 #right(){(96:system)} **水素を特定金属に吸蔵させて核兵器(特に小型核)をつくることは理論的に可能でしょうか 「理論的に」は可能かもしれませんが 点火するためには金属に吸蔵された状態とはほど遠い状態にする必要はあるでしょうね #right(){(96:137)} 核融合反応を起こすなら、例えば水素や三重水素等それぞれの原子間距離を10^-13m 程度まで近づけないとならない。 一方で固体や合金触媒に水素を担持させる場合せいぜい10^-9 m程度の距離にしかならない。 水素貯蔵合金も同様だしね、理論的にも無理でしょうな。 #right(){(96:139)} あーまぁ、要するに核融合反応起こすには、複数の原子を近づけなくては駄目なんだ。 だが、水素貯蔵合金なんかで担持した程度の距離では、 各々の原子核同士が遠すぎてその反応が起きないねん。 まぁくっつかすには色々と方法があって、一番簡単なのは高温・高圧に晒すって訳だが、まぁそれは別の話や。 #right(){(96:147)} **地下核実験は単に計器をくくりつけて地中でドカーン…というような単純なものではなく、高度な技術を必要とするものなのですか? どこまでやるかによります。 極端な場合は、単に塔の上で起爆する替わりに地下で起爆し、 ただちゃんと爆発することを確認するだけですので、爆発装置作成以上の技術は必要ありません。 何がどのように起こって、どの部分がうまく行き、どこが計算外の動きをしたかなどを知ろうとすると、 高度の技術とノウハウが必要になります。 #right(){(96:system)} **中性子爆弾が炸裂した場合有効範囲内に居る、戦車等の車両内の搭乗員はどのような状態になるのですか? 被曝量により、死亡したり負傷したりします。 #right(){(99:869)} >搭乗員の肉体が著しく損傷したりするのですか? 急性放射線障害 1)分子死:1kGy以上で動物は即死.身体を構成する重要細胞の 重要分子(主にタンパク)が変性することによる. 2)中枢神経障害死:100Gy程度以上(マウス).神経症状を起し, 数分から数十時間以内に死ぬ. 3)腸死:10~100Gy(マウス).被曝後1~2日後から嘔吐,下痢を 起し,3~4日後死ぬ.絨毛上皮細胞死と粘膜下組織の露出に起因する脱水,菌血症. 4)造血器官障害死:5~10Gy(マウス).骨髄細胞の死に伴う 白血球減少,易感染,免疫障害,赤血球減少による貧血等で10~20日で死ぬ. 補足 ですから至近距離で中性子爆弾が爆発すれば、分子死状態となり、例えば外見として 白っぽくなってるとかはあるかもしれないのですが、実際には至近距離では熱線、爆風も 発生しているので、戦車ごとこんがり焼けてるものと思われます。 まあ、目立った違いというか、変わった点を挙げると、中性子線によって殺菌も行われるので 死体がなかなか腐敗しないということでしょう。ミイラになりやすい、というか。 #right(){(99:system)} **先日核実験の映像を見たのですが、撮影するとき、カメラはどのようにして守られていたのでしょうか? 普通はコンクリートのバンカーに入れて撮影。 #right(){(101:一等自営業 ◆BVruYgneoI)} ようするに爆風を直接に受けないようにコンクリートのバンカーか何かのなかに入れて、 もちろん遠隔操作かタイマーで自動だろう。まさかカメラマンはいないよな。 #right(){(101:289)} **実戦で使える小型核とかをアメリカなどが開発してるらしいけどなんか意味あるんですか? >威力がある核を使ったら非難轟々だし >威力をいうなら気化爆弾とかで十分な気がするんですが? 実戦で使える小型核なんてものはとうに存在してますし なぜそこで気化爆弾が引き合いにだされるのか理解できません。 気化爆弾と小型の核では代替性がありませんよ。 #right(){(101:453)} 例えば地中不覚に設けられた司令部施設を攻撃する場合など、 大量の空気と混合しなければ爆発しないFAE(燃料気化爆弾)は使えない。 サーモバリックってのはFAEとはちょっと違うしね。 #right(){(101:461)} **水爆や原爆の起爆装置はどのようになっているのですか? え~書くと、非常に長くなるので、少々かいつまんでお話します。それゆえ、理解しにくい部分 があったり勉強不足で間違いにもし気づいた方がいらっしゃったら、補足訂正をお願いします。 まずは原爆の起爆方式には代表的なものは2つあります。その前に、まず原爆を起爆させるのは どういう事かと申しますと、ウラン235(もしくは239)をまずは臨界状態(つまりウラン 原子が核分裂する状態)にしてやれば良いわけです。いくつかでも原子分裂が始まれば、核分裂 から生まれた中性子が回りのウラン原子にも核分裂反応を引き起こして連鎖反応で凄まじいエネ ルギーが生まれていく・・・と。良く言われるプルトニウムはそれ単体で核反応は起きませんが 他の放射線物質を利用したり、反射材(核反応のための中性子を逃がさないように反射材と言わ れる物質でウランやプルトニウムを囲む)を使う事で核反応を起こせます。 これをふまえた上でお話します。 まず、ウランを使い場合は結構簡単で、ウランを二つに分けて、それを火薬の威力で一気にぶつ ける事で臨界に達する事が出来ます。 プルトニウムの方式は結構やっかいで、核反応を促進させる物質を中心において、その周辺にプ ルトニウムを囲むように配置します。サッカーボールの黒い部分みたいに。と言えば良いかな? いくつに分割するかは失念しました。すいません。ちなみに、同じ量のプルトニウムを厳密に対 象に配置して同じ瞬間にプルトニウムを結合させてやらないと核反応がうまくいきません。これ が原爆製造の難しい所。爆縮型と言います。 これが基本的な原爆の起爆方式。水爆はさらにこの原爆の威力を利用して核融合を引き起こして やるものなのですが、勉強不足できちんと説明出来る自信が無いので割愛。 ちなみに核分裂ではなく、レーザーで融合を引き起こす純粋水爆。と呼ばれるものも近年話題を 呼んでいますがまだ実験段階です #right(){(101:901)} 水爆の場合は、原子の原子核を融合させると質量喪失が起き、それがエネルギーに変わるので、その エネルギーを利用した爆弾なのですが、それには、原子核の回りを飛んでいる電子が邪魔です。 で、電子は高温に成ると速度が増し、排除し易く成ります。それでも原子核同士は電気的に反発し合い ますので、圧力をかけてやる必要性が有ります。その高温高圧を原爆を使って行おうと言うのが水爆です。 ですから、設計がヘタレだと核融合が起きず、起爆用の原爆以上の破壊力を生まなかったりします。 #right(){(101:903)} **ウラニウム型原爆って、重量1トンでどの程度の破壊力(kt)があるのでしょうか? 広島型原爆(リトルボーイ)に使用されたウランの量は、標的側(静止している方)が約40kg、 投射側(ぶつける方)が約25kg、計65kg程度となっています。 ただ、実際には近接した途端に連鎖反応が始まり、これによって接触部の 温度が上がって密度が下がり、さらには飛散してしまうため、実際に 核分裂反応を行ったのはごく一部だけなのです。広島型では1.4%程度と言われています。 爆縮型プルトニウム原爆でも同様の問題が起きるため、全体が可能な限り 同時に連鎖反応を始めるよう、設計や爆縮レンズの製作にはノウハウが注ぎ込まれています。 現代の技術と知識の蓄積を持ってすれば、1トンにまとめることもおそらく可能でしょう。 爆発力自体は全体の重量ではなく使用される核分裂物質の量(広島型では10数kg)、 その中で実際に反応する質量で決まります。 ウラニウムを使用したガンバレル型では一つの塊の大きさに限界があるため、 爆弾の重量を増しても大した出力増加は期待できません。 というわけで1トンになんとかまとめて20キロトン逝けば上等かと。 #right(){(103:system)} **今は核兵器の威力ってどの程度上がっているのでしょう? >2メガトンの戦略核で関東平野が消滅する?  旧ソ連が58Mtの実験を行って以降、 基本的に核兵器の平均的な爆発威力は低下傾向にあります。 (命中精度などの改善で「威力」は向上しているとも言える) #right(){(104:73)} 概算ですが、2メガトンの核爆弾による破壊(致死)半径は、 熱:20km、爆風:10km、放射線:4km 程度です。東京駅に落として 西は調布市から東は船橋市、北は川口、南は羽田あたり。 関東平野消滅とはとても言えません。 放射性降下物による汚染半径であれば、関東平野全迷惑と言ってよいかも。 #right(){(104:system)} **インプロッシブ型原爆を使わずに、水爆を造れますか? >(純粋水爆とかは抜きにして、現在の科学技術で) 十分な量のX線が発生すればなんでも良いわけですから、 ガン・バレルタイプの原爆を起爆に使用することは 可能だと思います。ただ、通常は核融合燃料の着火に 燃料中央においたプルトニウム製中空棒のインプロージョンを 利用しますから、結局インプロージョンさせることに なってしまいます。それなしに外側からの中性子だけで 起爆させるとかなり効率が悪い~着火失敗することになりそうです。 #right(){(107:system)} **何でイギリスやフランスは核を持つのでしょうか? 英国については昔の帝国主義時代の残滓で、欧州に於いて ソ連に唯一対抗できるようにすると言う目的で持っている。 だから、その核技術も余りお金を掛けずに1960年代以降は米国のものを購入している。 フランスは完全な見栄で、しかも純国産に拘っている。 (名目は、米ソの対立に欧州が巻き込まれては叶わないから、欧州独自に核戦力を持つ必要がある…だけど) まぁ、ド・ゴールのおっさんの意地ですな。 だから、フランスは小銃開発まで資金が行き渡らず、長い間欧州で最も旧式な銃と言われていた。 #right(){(107:578)} フランスは、大戦で同盟国なる物がアテに出来ないと確信したんです。 同盟関係にあってもしょせんは自国が大事。 当事国が負け始めたら、同盟国は増援を出すより撤退を選ぶ(特に次に狙われてるのが自国の場合)ことがままある。 そんなこともあり国防に関しては、「協調すれど頼らない。」これがフランスの基本理念。 従って、ことさらに一度身につけた技術を継承したいと言うこともあり、自前に拘ってますな。 #right(){(107:582)} **トム・クランシーの「恐怖の総和」を読み返していたんですが、核分裂爆弾のプルトニウムの形について質問です。 >物理の本を読んでいると、核分裂爆弾のコアのプルトニウムは 「コアピットと呼ばれる球状の中空のカタマリに成型」と書いてあるんですが、 >『恐怖の総和』で核融合のきっかけとして使っていた核分裂爆弾のプルトニウムは >「ガラスのタンブラーの上部を下へ折り曲げたような形をして、金属の二つの並行した壁ができていた」 >と書いてあります。どっちが正しいんでしょう? 正月早々の軍オタです。おそらく両者とも正しいと思います。 通常は前者の中空の球(といっても中央の空所はベリリウムの 中空小球が入るだけで小さい)が使用されていると思います。 後者の描写はおそらくリニアー・アラインメント、つまり直線状、 あるいは平面状に構成された核分裂装置です。 核装置を小型化する際、プルトニウム球の直径が形状を大きく制限します。 その制限を超えて薄型の核分裂装置を作る、ということで、 リニアーなものが設計されたようです。詳細は明らかにされていないはずです。 少なくとも初期のものは球形のものに比べて効率が落ちるという欠点があったと聞きますが、 起爆用ならなんとかなるのかも。 いずれにしてもなかなか詳細が公開されるものではないので、確実なことは言えませんが。 #right(){(111:system)} **核弾頭って周囲で爆発が起こったり射撃を受けると誘爆(核爆発)するんですか? しません。 #right(){(111:765)} 可能性としては非常に低いと思われます。 理由は、多重化した安全装置、の存在。 >周囲で爆発が起こったり 近くで核爆発が起きると、電磁パルスにより起爆装置に悪影響が出る可能性があります。 1つの目標に複数の弾頭が密集して到達すると、弾頭が爆発しない可能性も否定できません。 #right(){(111:766)} 現代の核爆弾は、小型化軽量化のために核分裂条件がかなりシビアです。 精密にタイミングを合わせた、複数の爆薬レンズの同期の取れた作動によって 初めて連鎖反応条件を満たすことができるのが普通ですので、 同期を取る電子回路の確実な作動なしでは核燃料をまき散らして 核汚染を起すのがせいぜいです。 偶然に恵まれればごく低収量の核反応が起きる可能性は否定できませんが。 #right(){(111:system)} **日本が保有しているプルトニウムを使えば、100発以上の核兵器が容易に作れる? 「その気になれば明日までに自動小銃だって手に入る」からといって、 「拳銃を持っているかいないのかわからない」強盗の影に怯えなくていい、ということにはならない。 潜在的実力があるということと、今現在さらされている脅威に対処する能力があるということは別。 一応付け加えておくと、もし日本が「北韓の核兵器保有疑惑に対処する為に」核武装したりしたら、 周辺の全ての国に敵視される。アメリカの支持も得られず、最悪の場合アメリカに攻撃されるだろう。 もっとも、プルトニウムを持ってるからといって即座に核兵器が作れるなんてことはありえないんだけどもね・・・。 #right(){(112:691)} **倫理的な問題を置いておけば対空核ミサイルは有効と思っていいんでしょうか? 倫理的・政治的な問題をおいておけば、核兵器というのは重量あたりの 威力という点で通常の爆薬とは比較にならないほど有利です。 しかし、核兵器の使用という点に関して倫理的・政治的な問題を等閑に 付すことを前提として質問をするのは愚かな振る舞いとしかいいようがありません。 #right(){(113:591)} 対ミサイル核ミサイルは確かに有効ですが、自国の上空で核爆発を 起こしますので、EMPによる被害が大なり小なり発生します。もちろん 対EMP対策は施してあるわけですが、レーダーのように電波を受けることが 仕事という装置はどうしても脆弱です。最初の一発を無事核ミサイルで 撃破しても、レーダーや無線、ネットワークやコンピューターなどが 満足に作動しなくなると、あとは無防備になってしまいます。対空核ミサイルは 決して万能最強の策でありません。 #right(){(113:system)} **原爆の発案者はいったい誰なんでしょうか? ハンガリーの物理学者 レオ・シラード #right(){(118:447)} **なんで原爆をつくってしまったんですか? ナチス・ドイツが原爆を作ってしまう可能性と恐怖が有ったから、アメリカへ亡命した欧州の科学者 (アインシュタインとか)が、米国政府をけしかけた。 #right(){(118:447)} **核の冬説はいまはどういう扱いなんだろう。 「核の冬」は、当初書かれたほど厳しくないのではないかという反論がその後出てます。 ただ、巨大隕石による恐竜絶滅がほぼ確実な史実とされたのち、 これによる全地球規模の大火災が核の冬と同様の現象を起こし、 植物、動物相を一気に書き換えただろうとも言われており、 多少の規模の違いはあっても、最悪の全面核戦争が生じた場合 「核の冬」が起きる事自体はかなり確かなようです。 #right(){(118:system)} んなこたねぇ。異論反論反証が山ほど出てきて決着はついてない。 #right(){(118:822)} **戦略原潜や水爆搭載機が攻撃を終えた後で、どのような行動を取ることになっているんでしょう? 映画のエンドオブザワールドがそんな感じです。 映画では米潜水艦が1隻だけ生き残りオーストラリアまで逃げます。 南半球は直接の被害は少なかったという設定ですね。 実際にはどこか比較的安全なところに逃げるんじゃないでしょうか。 少なくとも放射能による汚染が「まだ」来ていないところまで。 #right(){(118:777)} 軍の基本は、敵が降伏するか新たな指示があるまで敵を攻撃するです。 核戦争でも変わりません。 爆撃機であれば爆弾投下後、他に指示が無ければ発進基地へ帰還して次の出撃に備えます。 基地が攻撃を受けて着陸できなければ、指示されたあるいは事前に指定された代替基地へ向かいます。 そこで再度補給を受けて次の攻撃指示に従います。 潜水艦もミサイル発射後は、再装填のために基地に帰還する、あるいは別途洋上で補給作業を行い その時の武装で可能な次の任務に向かいます。 指揮系統か補給系統が戦争継続不可能な状態になるまで、これは続きます。 そして、最後まで指揮系統と補給系統を維持できたものが勝者となります。 指揮系統と補給系統が戦争継続不可能な状態になったばあい、降伏しないのであれば 最後に命令された場所を離れて、どちらかが回復可能な場所まで 自主判断で移動することになります。 #right(){(118:908)} **核地雷とか核手榴弾てホントに開発進められたのですか? 理論上はマッチ箱サイズも可能。半減期が短いので頻繁に核物質を 取り替えないと駄目だが。 核地雷は普通にあった。別にデカイ地雷でも問題無いだろ? 他はロケット核バズーカやスーツケース核爆弾くらいか。 手榴弾はない。 #right(){(119:707)} **核爆発は地上爆発と空中爆発ではどれほど威力が違うものなのでしょうか? 空中爆発の方が威力が広範囲に伝播するとかなんとか。 広島や長崎も空中破裂だったし、実験や地下施設への核攻撃でもない限り普通は空中だと思います。 #right(){(119:705)} **20メガトン核弾頭はどれほどの威力なのか 熱線の致死半径がおよそ60kmと計算されるので、新宿上空で起爆した場合、東は成田空港、西は相模湖。 南は三浦半島先端、北は筑波山あたりまで。爆風の致死半径は30km弱です。 二次的な放射性降下物被害で関東平野は全滅でしょうね。 上記は遮蔽物なしの場合。1Mt程度までの計算式なので、誤差はありそう。 おそらく上記数値より小さくなるでしょう。 補足 アリゾナ砂漠の隕石クレーターは直径1.1kmですが、 隕石の衝突エネルギーは12.5メガトン程度と推測されています。 この推測は核実験の出力対生成クレーターの関係から出された物なので、 20メガトンの核爆弾が地上爆発してもクレーターの直径はせいぜい1.5km程度かと。 新宿駅で起爆して、東は新宿三丁目、西は都庁、北は西武新宿北口、南は代々木駅止まり。 #right(){(119:system)} 全滅の定義をはっきりさせないと、どんな結論でも出せると思う #right(){(119:677)} 消し飛ばすのは無理でも熱線やら放射線やら爆風やらで 壊滅的状態までもっていくのは可能と #right(){(119:678)} **ウラン爆縮原爆のメリットを教えてください。 >プルトニウムによる核開発と比べて何が優れているのですか? ウラニウムは核分裂連鎖反応の効率が悪く、プルトニウムと比べて 多くの材料が必要であり、反応に時間もかかります。時間がかかると言うことは 一部で核分裂が進行する間、他の部分は熱膨張を起こし、密度低下=連鎖反応停止を 起こすと言うことです。それゆえウラニウム爆弾は効率が悪い一方、いい加減な 爆発装置でも一部は反応してくれます。プルトニウムではトロい反応装置を使用すると 急速な熱発生と膨張によって、ろくに出力が得られないうちに連鎖反応が止まります。 したがって、プルトニウム爆弾は一瞬で全体を圧縮、起爆する必要があり、高度の 技術とデータの蓄積が必要です。ガンバレルのような鈍足装置で起爆できるのが ウラニウムの利点。効率がとても悪いのが欠点です。 #right(){(120:system)} >ウラニウムは精度の甘い爆縮装置でも(少なくとも一部は)爆発してくれるということでしょうか? おっしゃる通りです。爆縮ではなく、ガンバレル型の衝突合体型 装置で取りあえず起爆するということです。そのかわり、効率は 1.5%程度。爆縮は一桁高い収率を期待できますが、爆薬の衝撃波による 核分裂物質の密度変化をコントロールする必要があり、高度の技術と 高圧急速変化物性のデータベースが必要です。レーザー爆縮が核分裂の シミュレーションとして有効なのはこの時点です。そのような技術や コンピューターシミュレーションの基礎、データ集積がなかった時代には X線撮影によるテストが数え切れないぐらい行われ、実際に起爆させて 確認、仮説とパラメーターの再設定、再試験、という大変な努力が 必要でした。データベースが拡散しているであろう現在でも、核実験なしに 核弾頭を作ろうとすればウランのガンバレル or 爆縮型が不発の可能性が 格段に少ない方法なのです。特に前者ですね。 #right(){(120:system)} **核兵器の放射線防御ってどうなっているのでしょうか。 核弾頭は通常U238(簡単に言えば劣化ウラン。不正確ですが)が外周に使用されており、 これが効果的な放射線防御となっています。 劣化ウラン自体も放射線を出しますが、紙一枚で遮蔽できる程度のものであり、弾頭の外殻で十分遮断できます。 U238を使用するのは核爆発を助けるためなのですが、それが遮蔽材にもなってくれているわけです。 また、核弾頭に使用される核物質から放出される放射線はさほど強いものではありません。 原子炉からの廃棄物の方が遙かに危険です。核弾頭は起爆してはじめて危険になるのです。 #right(){(120:system)} **現代における核抑止力の有効性はどの程度のものなのでしょうか? 有効な核抑止力を持った国に国家意思の強制を行うことが出来る国はありません。 過去も核保有国が最終的な対決を避けた様に、現在でも核抑止の考え自体は有効です。 ですから逆に持たざる国の核開発に過敏とも言える反応を示すのです。 #right(){(121:320)} **原子力発電所を保有しているにもかかわらず核兵器を保有していない国は日本だけなのでしょうか? ドイツ #right(){(121:447)} 台湾と韓国も。 #right(){(121:448)} むしろ持ってない国の方が多い #right(){(121:449)} **58メガトンの水爆でクレーターは出来ないのでしょうか? できますよ。クレーター。 ただ、核は威力が高くなるほど高い場所で爆発させないといけないので 威力が高くなったからといってそれほどでかいクレーターができるわけではない。 あと、クレーターの定義にもよるでしょう。 地面がへこんだようになるのは間違い無いけど中心部から どこまでをクレーターと呼ぶのかは定義が難しい。 川から水が流れてきて溜まるようだと分かりやすいんだけどね。 #right(){(124:412)} **アメリカの核兵器事故について >ちょっと昔、水爆を数個積載したB-52がアメリカ国内で墜落して水爆内の火薬が爆発したものの、 >核分裂は起きなくてなんとか助かったけど、放射能が広範囲に飛散して放射線を放ったって話は本当ですか? ちょっと前というか、40年近く前にグリーンランドでそんな事故が起きました。 B-52だとあとは40年以上前のスペインの事故ぐらい。 米軍の核兵器事故は下記サイトにまとまっているので参照してください。 http://www.cdi.org/Issues/NukeAccidents/accidents.htm #right(){(355:779)} **高速増殖炉によって生産されたプルトニウムを軍事転用することは可能ですか? ・そのままぶちまけるのなら可能。 兵器級プルトニュームにするなら、再処理がさらに必要です。 #right(){(378:62)} ・高遠増殖炉の使用済み燃料は、東海村や六ヶ所村の再処理工場で処理すれば兵器級のプルトニウム239を生産できます。 米国ではプルトニウムの品質をプルトニウム240の含有比率で区分して、7%以下のものを「兵器級」、18%以上のものを「原子炉級」としている。 プルトニウム240の割合が多いと核爆弾が「早発」になる可能性が高く、アメリカの核兵器はプルトニウム239の濃縮度96%以上のものを使ってると言われます。 日本の高速炉『もんじゅ』の場合プルトニウム239の濃縮度は97.6%で、『常陽』では99.4%だから、兵器級としても高品質。 ちなみに『もんじゅ』がフル稼働すれば、一年でおよそ核爆弾30発分のプルトニウム239が作れます。 (軍事板) **日本が核武装することは可能ですか? 言うまでもないですが、技術面より政治・外交的ハードルの方が遥かに高いです。 期間に関しては専用スレが有るので探してみて下さい。 #right(){(76:752)} 日本は政治家が「核武装を議論すべき」と言っただけで左寄りのメディアや政党から集中砲火を浴びる。 非核三原則に「議論させない」を加えた非核四原則であるとも言われる状況なので非常に困難なのが実情。 もし国内の政治状況が一変して核武装が国民のコンセンサスを得たと仮定すれば、外交的にはアメリカの「承認」か「暗黙の了解」があれば可能。 NPTを脱退しても国連安保理による制裁決議案をアメリカの拒否権で破棄できるから。 アメリカでは中国脅威論の高まりからネオコンの一部やマケイン大統領候補が日本の核武装を承認していると言われる。ただし今のところは少数派。 (軍事板) **もし日本が核武装するとしたらどれぐらいの費用と期間がかかりますか? ・伊藤貫の試算によれば核弾頭(原爆)付き巡航ミサイル200~300基と、専用の駆逐艦及び潜水艦約30隻の建設と 運用にかかる軍事予算は年間1兆円となっている。日本の核開発の経費を具体的に試算したのは今のところ伊藤貫だけ。 参考までにイギリス、フランスが核戦力の運用に投じている費用は(購買力平価換算で)年間4000~6000億円。 ただしこれには初期の研究開発費は含まれていない。 ・以前アメリカのメディアで日本は2ヶ月程度で原爆の開発が可能と報道された。 ただし初期型の原爆は1~2トンの重量になるはずで核戦力としての運用は難しい。 戦力化するには弾頭の小型化と、運搬手段である原潜、巡航ミサイル又は弾道ミサイルを並行して開発することが必要。 巡航ミサイルについては日本は関連技術を全て持っているので数年で開発可能。 また参考までにアメリカは世界初のSSBNジョージ・ワシントン級とポラリスミサイルを半世紀前に4年少しで開発している。 一番難易度が高いと思われるのは核弾頭の小型化で、これには複数回の核実験が必要とされる。 核実験は日本の場合本土から離れた無人島でやるしかないが、フランスのムルロアでの実験の時のようにグリーンピースみたいな 団体が身体をはって阻止しようとするのは必死。ちなみにフランスはグリーンピースを強制排除しようとして船の爆破工作を行って ニュージーランドとの国際問題に発展した(虹の戦士号爆破事件) このような問題を避けるためNPT非加盟国のインドやイスラエルから核弾頭の技術を購入するという方法もあるが。 いずれにせよ核兵器の実戦配備は政府が開発を決定してから最短でも4~5年という所だろう。 #right(){(軍事板)} 技術レベルという意味では原子力発電所は核分裂を制御しなければならず、 いわゆる核爆弾よりは難しいといわれています。 よって国民の同意が得られるなら可。 #right(){(14:797)} 常識的に考えて2年以上。 すごく急いで、幸運が重なれば1年ぐらいかと思われます。 #right(){(73:475)} 材料というか、原料はあります。 技術「力」もあります。ただ、核爆弾製造の直接のノウハウは持っていません。せいぜい研究所が 製造法は知ってる程度です。 何日で配備出来るかは、そんな事誰にも明確に答えようがありません。やった事が無いんですから。 ちなみに実戦配備ともなれば、弾頭を作るほかにそれの起爆実験。運送方法の確立。部隊の整備・・・ と色々なステップを踏まなければなりません。仮に推測してみても机上の空論にしかなりません。 #right(){(103:102)} **「核の傘」とよく言われますが、実際に日本が中国やロシアから核攻撃を受けたらアメリカは核で反撃するんですか? ・核の傘なんてのが実際にあるならフランスもイスラエルも核武装してない。 ・冷戦時代のソ連に対してはあったでしょう。しかし現在の中国に対しては無いかと。 中国は外貨保有高が既に世界一で対米貿易額も日本を抜いています。米国にとって中国は旧ソ連と違い共存しなければならない相手であって、 もし日本が核攻撃を受けたからといって核で中国経済を壊滅させるようなことは出来ませんし、また中国の核による反撃を受けるリスクを取る ことも出来ないでしょう。日米安保はもちろん発動されますがトマホークやB-2などで中国の軍事基地を攻撃するだけかと。 ・核の傘、正確には「拡大抑止」と呼ばれるものは冷戦時代から信憑性に議論があり、退任後のキッシンジャーなどは明確に否定してる。 日本が核攻撃を受けたからといってアメリカが核で中国やロシアを攻撃なんてありえないと考えていい。 しかし「拡大抑止」というのが全く無いというわけではない。アメリカは世界最強の軍事大国であり、通常戦力だけでも中国やロシアの 体制を崩壊させるだけの能力がある。そのアメリカの軍事力の中核が核戦力だから、ある意味で日本はアメリカの「核」に守られてるわけだ。 ・抑止力は存在すると公言している以上必ず存在する。 抑止力を公言している以上、核攻撃に対する何らかの軍事的アクションを起こさないと 同盟国どころか自国の抑止力自体がブラフをに聞こえ、以降相手のさらなる攻撃を助長することとなりかねない。 ではここでの軍事的アクションとは何ですかと言われるその線引きは難しい。それはドコがどれくらいやられたかの被害規模、経緯によっても違うだろう。 (速やかなるアクションで相手をけん制し核戦争に発展する恐れを未然に防ぐ目的から、 合衆国内部では最高の軍事機密としてある程度具体的なプランがあるような気はする。もちろん大統領がgoを出さないと発動しないよ) 中国やロシアによって東京が核攻撃をされたからと言って中国首都北京、ロシア首都モスクワを核攻撃するかと言われるとそれは絶対に期待しないほうがいい。 (両者がヒステリックになり、自国すらを巻き込む核戦争の事態にエスカレートさせるだけだから) もしも現実的に報復の核攻撃をするなら、核ミサイルを放ったミサイルサイロ(ミサイル基地)もしくはそれに準じる軍事施設に対して速やかに行われると思われる。 (もちろん通常戦力のみの報復も考えられるよ。個人的で稚拙な見解だけど、どっちらにせよ開戦だから、初期段階で 合衆国は如何なる軍事的手段も辞さないと言うシグナルを目的が明確な報復の一発でしっかりお見舞いしておいた方が後々のためにいいと思うけど) (軍事板) **現代戦で戦術核をマジでつかう事を想定して準備している国家はあるのでしょうか? ・防衛庁の幕僚だった人物の著書によれば核を持ってない国は核保有国と交戦する際、 通常戦力による戦闘でも対核戦術というのを強要されるため前者が圧倒的に不利になるのだそうだ。 ・あるからこそ、戦術核を持ち、あるいは出力を可変にしてるわけです。(B61など) でないと全面核戦争か通常戦争かという選択になりかねず、そうなると核が大変使い辛い。 もちろん、核を使用するのは最後の選択ではありますが、その最後の選択の中に、さらに一拠点にのみ限定的に使用する、 といった選択肢があると、例えば相手の生物兵器工場とか、地下司令部とかだけに使う、という可能性ができます。 (軍事板) **核兵器に使うプルトニウムの球は直径何ミリの大きさまで出来るのですか? http://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq4-2.html#Nfaq4.2.3 の「Minimum Size」のところに詳細があるとおり、完成品弾頭としては直径25cm程度までいける。 臨界量としての球形プルトニウムコアの最小サイズであれば、4kgがアルファ相に移行した状態として 直径5cm程度となる。もっとも、このまわりにベリリウムのけっこう厚い層(10cmとか)が必要になる。 1kgのプルトニウムでも特殊なデザインの使用で臨界に持って行ける(効率は落ちても)可能性がある。 ただし、この場合は球形にはならない。 #right(){(初心者スレ479:911)} **核保有国はおしなべて「死者の手」みたいな司令部が壊滅しても自動的に核攻撃を行うシステムを持っているのでしょうか? 当然国家機密だが、SSBN(戦略原潜)保有国は持ってると想定されてる。 SSBNは定期的にVLF(超長波)の到達可能深度まで浮上して司令部と連絡を取っているが、一定以上の連絡途絶が確認されれば 司令部が攻撃を受けて全滅したと判断され、艦長と幹部の判断でミサイルの発射が許可されているといわれている。 #right(){(初心者スレ479、一部修正)} **「自動報復システム」とはどのようなものなのでしょうか? >この間のテロのような事態でペンタゴンやホワイトハウスが消滅してしまったら勝手にハルマゲドンを始めてしまうような融通が利かないシステムなのでしょうか。 米本土が大規模に核攻撃を受けた際に、各国への報復マニュアルは存在したが、自立したシステムが 自動的に判断するような「自動報復システム」なるものは存在してない。 #right(){(337:)} 旧ソ連ではあった。 ロシアで今も働く自動核報復システム「死の手」 http://www.gensuikin.org/nw/doomsd_m.htm #right(){(337:458,480)} 旧ソ連崩壊後、CIS軍首脳が「旧ソ連には自動報復システムがあった」と言明しております 現在のロシアも保有しているのかどうかについては語っておりませんが、かなり高い確率で 引き継いでいると考えるべきでしょう #right(){(127:210)} **核シェルターって効果あるの? 直撃すりゃ死ぬよ 核でもっとも殺傷半径が大きいのは熱線であり、これは遮蔽内に入れば逃れることができる。 次は爆圧だが、これもシェルターに入ることである程度まで助かる。 さらに、放射性降下物による周囲の汚染は急速に(7の法則)減衰するから、 数日間シェルター内に籠もっていれば生存確率は格段に大きくなる。 直撃(放射線による致死半径、あるいは爆圧が特に強い部分)でやられる範囲は狭いから、 シェルターを使用することで生存者を何十倍、何百倍も増やすことができる。 #right(){(初心者スレ482:653)} ついこないだまで、広島の爆心地の直下に居た人が、生きてたよ。 その人が居たのが、学校か何かの地下室だった。 民間防衛によれば、ある都市が警告なしで核攻撃を受けた場合、65%が死傷しますが、全員が避難所にいれば死傷者は10%に留められると見積もっています。 そりゃ、シェルターから至近距離で核が爆発したら助からない。 でも、空中爆発だったり(都市攻撃用の核はていていこれ)、着弾点から少し離れていれば、シェルターは爆風や熱線を完全に防いでくれる。 爆発時に発生する一次放射線も、ある程度防いでくれます。 民間防衛によれば、1mのコンクリートで100分の一に、1mの土では150分の一に、放射線を低減するそうです。 また二次放射線(爆発によって生じた放射性降下物など)も、シェルター内に閉じこもっていれば、その大半をやり過ごすことが可能です。 同じく民間防衛によれば、1mのコンクリで10000分の一に、1mの土では5000分の一に、二次放射線を弱めてくれえるそうです。 #right(){(初心者スレ482:656)} **核シェルターをつくろうと思っているんですが、何メートルぐらい掘ればいいんでしょうか? 核シェルターは専門の業者があるぞ。 織部精機製作所ってところで1000万円から作ってくれる #right{(502:680)} **自衛隊で核兵器保有の研究はやってますか? 政府がするなと言ってます #right(){(自衛隊板初質スレ12:88)} **実際のところ、国家による核武装って意味あるんですか?現在の核に対する国際的な見解において、核って使用できる余地なくないですか? ないよ。 ただし、「うちの国と全面戦争にでもなったら核を使わざるをえない」とちらつかせて、 相手の攻撃の意図を牽制する効果はあるし、 特に発展途上国においては、自国の技術を示すステータスシンボルとしての意味もある。 核兵器は、通常使用されることを前提に評価される通常兵器とはまったく別物と考えていい。 #right(){(自衛隊板初質スレ1:242)} **核爆発の動画などを見ると、爆発してる横で何本もの縦スジ状の煙が見えるものがあるんですけど、何でしょうか? #video(http://jp.youtube.com/watch?v=NpbCZ8QRpEg&fmt=16) >↑例えば25秒付近の画面中央部の数本の縦スジ 核爆発時の衝撃波・大気の動きを可視化し記録する為の、観測ロケットの排気煙です。 #right{(514:769)} もうちょい判りやすい写真。 http://nuclearweaponarchive.org/Usa/Tests/Tsable1.jpg 当初は気球を上げて、そこから伸ばしたワイヤーを撮影して観測したそうですが、 1952年4月1日の”Tumbler-Snapper”実験からロケットの噴煙を観測するようになりました。 写真はその時のもの。 #right{(514:769,名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **アーガス計画ってなんでしょうか? >語感から、旧ソ連のレゲンダシステムみたいな全地球的な何かの様な気もするんですが。 成層圏でわざと核爆発を起こして放射線の層を作ることで 飛来する核兵器の弾頭を不発にしようという防空計画 >放射線を核弾頭に浴びせる事でEMPと同様の効果を狙ったと言う理解でOKですか? #right{(515:676)} 通過する核弾頭のアンコを放射線で変質させて爆発しないようにしようという、 どうしようもなくダイナミックかつマッドな計画です。 #right{(515:678)} **核兵器が宇宙空間で使用された場合、どのような事態が起こるのでしょうか? >また、これに関連する資料があったら教えていただきたい 大気がないので衝撃はや爆風等の影響はたいしたことはない。 輻射線や放射線の影響は距離による。 一番効力を発するのは電磁パルス(EMP)で、おそらく広範囲のシールドされていない人工衛星がオシャカになる。 また低軌道ならば地表にも影響が及び大規模な通信障害や電力・通信などの停電、途絶をもたらす可能性がある。 実際に1962年にハワイで高度400kmでの水爆の高高度爆発実験を行ったところ、オアフ島などで大規模な停電がおきるという事件が発生している。 その実験の爆発映像と説明資料 http://www.nv.doe.gov/library/films/film.aspx?ID=49 http://www.nv.doe.gov/library/films/fulltext/0800062.htm http://www.radiochemistry.org/history/nuke_tests/dominic/ #right{(529:312)} **宇宙空間に核兵器を配備する計画というのはあったんでしょうか? 衛星軌道に核兵器を上げるということはいつでも好きな場所を攻撃できるということで、守る側にとっては悪夢だった。 スプートニクの打ち上げをアメリカが脅威と受け止めたのも、上記の手段をソ連が獲得したため。 そのため1966年に宇宙条約が締結され、宇宙に核を上げることが禁止された。 しかしその後も、核弾頭を一旦衛星軌道に乗せて地球を一周しないうちに再突入させる部分軌道爆撃システム(FOBS)というのを 1960年代にソ連が開発していた。 これは宇宙条約を回避するための手段だったが、米ソ間の第二次戦略兵器制限交渉での合意に基き廃止されている。 #right{(537:233)} **核物質に使われるウランはプルトニウムのように合金にしたりメッキ処理が行われたりしたんでしょうか プルトニウムは合金にします。相(デルタ相)の安定化が主な理由、加工の容易さなども考慮したもので、 ガリウムをはじめとしてモル比で3%程度混入されていると言われています。 またウラニウムは同位体の合金と呼べば呼べるわけで、実際Oralloy、つまりOak Ridge合金というコードネームが 使用されていました。欺瞞のためもありますが、合金でもあったわけです。 しかし、他の元素をわざと混入したいわゆる合金という意味では、ウラニウムの場合には使用されていないと思います。 気になったので定番サイトで確認してみましたが、やはりウラニウムについては合金、メッキともに なされなかったようです。プルトニウムについても詳細がありますのでご一読下さい。 ttp://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq8.html #right(){(351:634:639)} **核兵器は自国領内に殺到した膨大な敵勢力を、「自国内」で使われるケースは考えられないのでしょうか? 冷戦時代のNATOの戦略の一つがそれだったりします。 要は西ドイツの中で殺到するソ連やWTOの戦車群に対し、核兵器を使用して足留めすると言うものでした。 #right(){(342:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **広島長崎に落ちた「原子爆弾」と核爆弾って違うもの? 核爆弾ってのは、核分裂や核融合などの原子核反応で放出されるエネルギーを利用した爆弾のこと。 原子爆弾や水素爆弾、中性子爆弾なんかを総称して「核爆弾」と呼ぶと考えればいい。 ちなみにミサイルに積まれた場合は「核爆弾」ではなく「核弾頭」と呼ばれることが多い。 #right(){(自衛隊板初質スレ89:290)} **核兵器使った後の土地って住めるんですか?広島や長崎は見事に復興してるわけですが。 使用された兵器の種類、規模、爆発形態(地上か空中か海中か)などによるし、 どこまでを「住める」とするか(自然放射線の地域差レベルまで落ちればよいのか、など)にもよります。 強い放射線を放つ放射性降下物は早期に崩壊しますから、長時間経過後にはゆっくり崩壊する、 放射性の弱い物質しか残存せず、それも水で流れたり地中深くに潜ったりするので、 よほどのことがない限り「住む」のに問題になることはありません。 わざと汚染を残すよう作られたコバルト爆弾でも、計算上10年とかで居住可能だったとうろ覚え。 ただし、爆弾がなかった場合と比較すると、年間10万人あたりの癌発生率が何人増える、とかはありそう。 放射性降下物などによる後期のトラブルのほとんどは、残存放射能ではなく、放射線の影響を受けやすい時期 (30才以下)に被曝したことによる白内障やガンの発症率増加です。 放射性ヨウ素の半減期は8日、ストロンチウムで40日であり、残存放射能は時間と共に減少しますから、 これらについては数十年経過後も有害なほどの汚染が残っていることは考えにくいのです。 放射性降下物の中でセシウムは半減期が30年と長いのですが、カリウムと相似した化学的性質を持っているため、 外部に豊富に存在するカリウムによって薄められ、ただちに健康被害にはつながらないと考えられます。 ただし、降水量が少ないなどの理由でセシウムが土壌中に長く留まった場合、 農作物や牧草(→牛乳)などによって濃縮されて摂取されるおそれがあります。 このため、非常に濃厚な汚染が生じた場合、数十年は自由に使えない土地(上に住むだけならOK) になる可能性はあります。 #right(){(338:776-781)} **冷戦期の米ソの戦時用核攻撃目標などを教えてください うちにある核関係の文献では、米の核攻撃目標は第1にソ連と東欧/中国のICBM/IRBMサイロ、 ついでモスクワを筆頭にしたソ連の主要都市、最後に港湾などとなっている ソ連側の目標については余り記載がないが、基本的に米の核攻撃に対し反撃するという 戦略方針だったので、欧州方面の軍事基地が主目標だったらしい(米の第1撃で大都市 攻撃能力は不能になると判断。戦争が継続すればSLBMで攻撃→地球壊滅となる) なお、80年代までの技術では、ミサイル弾頭に生物兵器を積んでも散布が不可能なため 有効ではないという見方が有力だった で、冷戦時代のソ連の軍事/外交の基本は「何があっても米との直接対決と全面核戦争は 避ける」つーもんだった 大祖国戦争の傷跡は深く、ソ連指導者は自分たちの権益を維持する意味でも、平和を希求 していたからね 今の中国の基本戦略に近い #right(){(337:461)} **米軍の核爆弾の一覧表 http://www.designation-systems.net/usmilav/nuke.html #right(){(332:743)} **『核ボタン』なるものですが、本当に米露の大統領がポチッと押すと、それだけで核ミサイルが飛んでいくようなボタンがあるんですか? 細かいプロセスは機密のベールに覆われてますので、 プロセスのどっかにボタンがある可能性も否定できませんが、 最高指導者がするのは核兵器の指揮に関する装置をどうにかして活性化するとからしく そのための装置は「鍵」ではないかといわれています。 #right(){(326:593)} ボタンだけで核ミサイルが飛ばせるわけではなさそう。 http://www.cnn.co.jp/usa/30000641.html核攻撃用の暗証番号を紛失 クリントン政権期 紛失していたのは、核攻撃を命令する際に使用する暗証番号の書かれたカードとみられる。 ブッシュ政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたフラン・タウンゼント氏は、 核攻撃の実行には多層的手順が定められており、 仮に第三者がカードを入手しても核攻撃を実行させるのは困難だと述べている。 **日本のような専守防衛を原則としている国は核兵器さえ持っていれば、通常戦力が皆無でも戦略目標は十分に達成出来ますよね? 第二次世界大戦直後に、核戦力と核戦力を自在に行使しえる制空権さえあれば 他はいらないという考えがありました。  米国だと空軍の爆撃機で核爆弾を運搬して落とせればということで、海軍や陸軍は その意義を確立する必要に迫られます。それで、ミサイル開発に傾注したり、歩兵部隊でも 核戦争下で生き延びられるようペントミック部隊を編み出すなどしています。  実際には既に指摘されている通り、圧倒的な核戦力を有する米国相手に戦う国は いたのでした。例えば朝鮮戦争がそうですし、中国の国共内戦にしても大まかにいえばそうです。 この大まかと言うのは随分乱暴な丸め方なんですが。それにインドシナ戦争にしてもそうだと いえるでしょう。アメリカはフランスを随分支援しています。 #right(){(607:430)} **核弾頭を施設に直撃させることってありますか?また直撃に耐えられるようにはどうすればいいですか 敵のICBMサイロや防空司令部に対する核攻撃は直撃ねらいです。 サイロに対して効率的なのは直上の空中で爆発させて圧力を加えること。 対抗手段として、ミサイルハッチや出入り口などに耐圧性を持たせて、 圧が加わっても破壊しない、作動不能にならないように作ります。 地中の司令部などに対しては地中に貫通してから起爆させること。 衝撃、震動で破壊するのが目的ですから、司令部全体を緩衝装置に載せて 震動を緩和します。 #right(){(324:805)} **全面核戦争が起こった時のマニュアルで「撃ち合いが終わったあと」の手順については明確にされているのでしょうか? >「北斗の拳」みたいに無法地帯になるだけですか? 核戦争の脅威が叫ばれていた1950年代米国では、警察が、その警察が駄目な場合は、郵便局が 中心になって政府との連絡を取ったり、国民の保護に当たったりすると言うマニュアルが整備され ていた様に記憶しています。 他の核保有国も多かれ少なかれ、その辺の対応マニュアルはあるでしょうが、日本は多分未だ無い でしょうね。 #right(){(322:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **核爆弾や核弾頭の種類などを詳しく解説したサイト(wikipedia以外で)ってあるでしょうか? 核兵器サイト この分野、英語を読めない人はかなり損です。 http://nuclearweaponarchive.org/ 特に下1/3ぐらいのとこにある 「Nuclear Weapons Frequently Asked Questions (NWFAQ)」が有用。あと、 http://www.fas.org/sgp/eprint/morland.html http://www.brookings.edu/projects/archive/nucweapons/50.aspx http://pagesperso-orange.fr/sacw/saan/ddevices.html http://www.johnstonsarchive.net/nuclear/ http://www.websters-online-dictionary.org/Nu/Nuclear.html http://nuclearweaponarchive.org/France/FranceArsenalDev.html http://www.nv.doe.gov/library/films/testfilms.aspx などなど http://www.fas.org/nuke/intro/nuke/7906/790604.pdf (デトロイト、レニングラード(懐かし)上で爆発した場合のシミュレーション) http://www.armscontrol.org/factsheets/Nuclearweaponswhohaswhat (各国の推定保有数) おまけ http://www.survivalring.org/pdf/Domestic_Nuclear_Shelters.pdf あと、Amazonで10ドル足らずで買ったKindle(PC版あり)の「Hell's Fire」も真面目で読み応えありました。 マンハッタン計画がメインだからちょっと話が古いですが。 http://www.amazon.com/Hells-Fire-Thermonuclear-Hiroshima-ebook/dp/B002H3F7P6/ #right(){(614:system ◆systemVXQ2)} **核兵器って何万発もあると思うんですが、今まで誤爆が一度もなかったってどうしてなんでしょうか? 万が一でも起爆したら、核のパイ投げが始まるのが分かりきっていたからみんな気をつけてた。 ちなみに安全装置は6重であるとか何とか聞いた事がある気がする。 核兵器は起爆させることが難しい爆弾なので、 一部のパーツが勝手に発火しても、せいぜい核物質がばらまかれる程度で終わる。 また、起爆用原爆の中に中性子吸収物質を挿入してあり、これを抜かないとどうやっても起爆しないとか、 かなりやばいものだと核物質そのものを使用までは入れないとか、いろいろ工夫してある。 爆薬自体も低感度爆薬が早くから使われており、火災にあっても簡単には爆発しないし、 仮に誘爆しても、きちんと同期しないから核爆発にはなかなか至らない。 #right(){(319:142-145)} **混合コアってMOXみたいに核物質混ぜたモノなの? >あるいは物理的に二種類離しておいて(接触させて?)爆縮させて合体(浮遊式コアのように)させるモノのことなんでしょうか? 核爆弾の混合コアについて。Composite coreのことだと思います。定番ですが、 http://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq4-1.html#Nfaq4.1.7.2 に説明がありました。比較的安価なU-235と、高価なPu-239やU-233とU-235を併用する方法のようです。 ともにU-235より効率的な連鎖反応を生み、したがって軽量小型化が可能なものの、高価であること、 Pu-239では自発中性子放出(による早発の危険性)が、U-233ではγ線放出(による健康被害)が多いため、 U-235との混用でその欠点をカバーできることが利点のようです。ウランからプルトニウムへの転換期に 米では軍用クラスウランが過剰になったことも大きな要因のようです。 使用方法としては分裂時の中性子放出が多い(連鎖反応を起こしやすい)Pu-239あるいはU-233を中心部に置き、 周りにU-235を置く配置が効率的なようです。配合率はその時の在庫や価格によって左右されるとのこと。 浮遊コアであれば中央をPu-239やU-233で作る、材料が少なければ中央のピットの中心部だけ使う、 というような割り振りをしたのではないでしょうか。軽量の核融合爆弾が実用化されてから、 これらのデザインは兵器庫から姿を消した、とあります。最初のComosite core爆弾のテストは 「X-Ray」のようです。 >ブーストが主流になる過渡期のものとして捉えたほうが良さそうですね この時期の核爆弾は水爆がまだ実験装置の段階であり、ブースト原爆にようやく実用化の 光が見えてきた状態です。したがって、いかに原爆の威力を強化するかにも大きな開発努力が 注がれていました。一つの方向がcomposite coreに見られる高効率化であり、もう一つがIvy Kingのように 円筒状コアによって、通常の臨界質量を超えて大型化する方法でした。 しかしステージ式乾式水爆が実用化され、その産物である高エネルギー中性子によってU238の核分裂が 可能になると、安価軽量に大出力が得られるようになり、ブースト併用と相まって高価な核分裂物質を多用したり 複数の核分裂物質を製造、管理、加工したりする必要はなくなってしまったわけです。 逆に、まだそのレベルでない核保有国にとって、compsite coreは二種の核物質さえなんとか入手できれば 高効率化によってミサイルに搭載可能な核弾頭を作る手段となり得るわけで、そのあたりで 情報が制限され続けているのではないかと思っています。これまた憶測で申し訳ありませんが。 #right(){(318:763,976)} **地下核実験の際、核爆発装置を収めたトンネルは、コンクリートを充填して閉鎖するのでしょうか? >トンネル内壁はコンクリートで補強されてるので、土を詰めただけではトンネル坑口方向は脆弱だと思うのですが… 土砂、コンクリートなどで閉鎖します。それでも完全な閉鎖は至難であり、 北朝鮮の場合、爆発力がお笑いであったにもかかわらず、検出された放射性物質から プルトニウム爆弾であろうという話が出ているのは、閉鎖不全による漏出があったからと 考えられています。閉鎖が完全でも放射性キセノンなどのガスの漏出はほとんど不可避ですが、 それだけでは爆弾の種類までは判別困難だからです。 #right(){(317:267)} **原子力潜水艦のような核動力は「核兵器」に含まれるんでしょうか? それは解釈やその国の情勢次第で変わる政治的な区分と思ってください。 昔の日本では核兵器であると言う世論が一般的でした。 老朽か甚だしいキティホークがいつまでも現役だったのは、その世論に配慮してのものです。 しかし今の日本では原潜が日常的に入港しています。問題にしてるのは一部左翼団体だけです。 また今度、横須賀に前進配備されるジョージ・ワシントンも核動力の空母です。 よって現行の政府の解釈では核兵器にあらずと言う事です。 #right(){(317:250)} **相手からの先制核攻撃は自国の核を狙ってくるのですか? 電離層のあたりで核爆発させれば半径数百キロの範囲で電子機器が全て死ぬから 実際は先制した方が勝つと言われてる。 ロシアが真空管でそれに対応していたのは今は昔。 維持コストの問題でほとんど電子チップになってしまったしな。 #right(){(戦争板初質スレ3:187)} 核兵器には当然EMP対策がされているので電子機器が破壊されて使用不能になることはないです。 弱小の核保有国相手ならともかく、先制攻撃で勝てません。 以下のサイトを参照下さい。 電磁パルスで核爆弾は機能しなくなりますか? http://okwave.jp/qa/q5218700.html 相互確証破壊 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E4%BA%92%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E7%A0%B4%E5%A3%8A **核ミサイルを大量に所持すれば、それが他国に対しての大きな抑止力になるから、通常兵器は削減できるんでしょうか? 一般論ですが、削減はできません。 キッシンジャーによれば、彼は核兵器の登場にもかかわらず、 北部インドシナの喪失やスエズ危機を防げなかったことに着目し、 「特定の政治目的のため・・・・・相手の意思を押しつぶすのではなく、影響を及ぼし、 課せられる条件で抵抗を続けるより魅力的であると思わせ、特定の目的を達成せんとする」 ”限定戦争”には、いまだに軍事力が必要だとされる。 (『軍事学入門』より。一部改変)。 と唱えました。そういうことです。 #right(){(312:797)} **最近のビルだと核爆発の爆風による被害は少ないでしょうか? 都市のオフィスだと、最近のビルは省エネの為硝子を多用しているのが多いので 爆風による被害のほうは昔よりもひどくなるのではと思っている。 建築基準法での標準風速が東京23区で34m/s 猛烈な台風で風速54m/s以上 最近のビルでは風速100m/sに耐えられると言うが 広島原爆での爆風は爆心地より1.8km地点で72m/sから200m/s 戦争後の復旧は建物がしっかり残っているので早いかもしれないが #right(){(644:583)} **核兵器は核実験をせずに実戦配備まで行えるものなのでしょうか? 現状では核実験を行い核爆発を起こした国が核保有国とされています。 どこのお馬鹿か知りませんが、くだらない詭弁です。 「お縄にならず痴漢になった男はいない」といっているようなモノ。 事実はどうあるか私の知るところではないですが、可能性を 否定することはできません。 それに核弾頭を自前で製造できなくとも核保有国にはなり得ます。 #right(){(43:45)} 核実験をせずに核配備した国家と言いますと、パキスタンが挙げられると思います。 数年前にパキスタンは核実験を行い、核保有を宣言しましたが、パキスタンが核を 保有していることは、インドの核保有とセットでずっと昔から言われていたことです。 核実験から3ヶ月で、中距離弾道ミサイルの発射実験を行ったことは、すでに核技術 を保有していたと見てよいと思います。 番外としてイスラエルがありますが、こちらはアメリカの核実験として行われたことや、 南アフリカの核実験に関与されたと言われており、核実験をしなかったとは言えないかと。 #right(){(43:49)} **核爆弾を焚き火に投げ込んだりして高温に晒した場合、爆縮レンズの火薬に引火してそれが原因で爆発することってありえますか? ありえません。爆縮レンズの火薬は点火のタイミングが非常に厳しく、偶然の着火では 核爆発をおこすのは不可能です。 #right(){(43:737)} **核爆発に伴う放射能汚染を防ぐ手はないの?わかめを食べろとかよく聞くけど。 わかめを食べろ、というのはヨウ素の摂取が目的でしょう。 放射性物質は甲状腺に蓄積されるので、 事前にヨウ素を適量摂取しておけば、甲状腺に放射性物質が蓄積されません。 ま、ちょっと洒落にならないぐらいのわかめを食べる必要があるとは思いますが。 #right(){(47:50)} 本質的には放射性物質を体から遠ざけることしか対処法はありません。 第一にやることは爆心地からすこしでも離れること。 空中に巻き上げられた放射性物質の降下を避けるため、逃げる方向は風上がベストです。 つぎにやることは身体の洗浄。 身体表面に付着している(であろう)放射性物質を洗い流す、これ。 体内に入ってしまった放射性物質を取り除くのはさらにその後の話。 わかめ云々はそこらへんの段階で有用な話ですね。 #right(){(47:54)} **核兵器はその維持管理に莫大な金が掛かると聞きましたが具体的にどんな事をするんでしょう? 高価な核物質は速やかに劣化しますので、大体5年から10年で交換しないと核爆発してくれません 交換作業そのものも危険で困難なため、当然多額の経費が要求されます #right(){(47:600)} 核の主要部分、プルトニウム・ピット(塊)の寿命は85年 http://www.47news.jp/CN/200611/CN2006113001000308.html **「ワン・ボム・カントリー」という単語ですが、どういう意味なんですか? おそらく「一発だけ核を持っている国」=(核を戦力としてでなく、政治的象徴として保有する国) と言う意味で、かつてのインドの様な国を指す言葉だったと思います。 #right(){(48:443)} **一般的には3F爆弾=水爆とゆうことなのでしょうか? 一般的に言って 核融合兵器が「水爆」 核分裂兵器が「原爆」 です。 たとえば3F爆弾の破壊力の大部分は分裂-融合-分裂の3段階目の核分裂に由来するんだけど でも核融合を起こしているので兵器としては水爆になります。 #right(){(50:433)} **IAEAの査察を受けつつも密かに核開発、なんてことは可能ですか? 別にIAEAの職員が張りついているわけではない。 年に一回やってきて視察する。 査察要求を出した施設には全部入れる。 全部の部屋に入ってもいいし、入ってくる。 置いてある書類も全部見て良いし、見る。 自前で計測機器も持ちこんでくる。 査察を受けつつも密かに核開発したければ 予算自体を国から出さないで国有地とか使用せず 核物質は正規ルートを通さずに密輸する必要がある。 #right(){(51:844)} **なぜ核軍拡が進行するのですか? 武力的な侵攻に対して国家の安全保障に必要な条件は二つ。 1.周辺国に自国を攻撃させる意思を持たせない事。 2.もし周辺国が(なんらかの政治的要因で)自国への武力行使の意思   を持ったとしても、それを安易に実行させない対抗力(抑止力)を   持つ事。 前者は主に政治的な手段で、後者は主に軍事的な手段に依ります。 さて、では昨今流行の「貧国に核兵器」は何故か?、国力に乏しい国が 上記の2点を得る為の手っ取り早いアイテムなわけです核兵器は。 10の政治的なカードとして、2.の軍事的なカードとしてです。 #right(){(51:914)} **どのくらいの密度のプルトニウムで爆縮型の原爆ができるんですか? プルトニウム239が93%以上。 #right(){(57:343)} **水爆ってプルトニウム使うのに何故水爆って言うの?水素はどの辺で関係してくるの? 原爆もプルトニウム爆弾とは呼ばんがな 基本構造は、原爆の周りにあり、その外側を反射材兼用の放射性物質で覆っており 核爆発→核融合→核爆発(外側)と反応していきます #right(){(58:CCIA ◆vvx6VMwMl.)} 水爆は三重水素、重水素あたりの核融合を利用するので水素爆弾です。 ただし点火には高温高圧(てーか高密度中性子流)が必要なので プルトニウム原爆を使います。誤解を恐れずに言えば、プルトニウム原爆を 信管とした水素爆弾炸薬なわけです。 #right(){(58:389)} **爆縮型の原爆って実験なしでミサイルの弾頭にして飛ばせるんですか? とりあえず核爆発すりゃいいだけなら、起爆装置の実験だけで使える #right(){(58:594)} **戦略核の一発あたりの威力ってどれくらい? 戦略核の出力 http://www.cdi.org/issues/nukef&f/database/nukearsenals.cfm に一覧があります。100Ktから5Mtぐらいまで。ばらつきが大きいのは、 命中精度の低い後進国の核弾頭は大出力になりがちだからです。同サイトに あるとおり、戦術核だと0.3Ktというものもありました。 あと、MIRV技術が進歩している国では、大出力弾頭1個で堅固な目標を 破壊する替わりに、もっと効率のいい小出力弾頭複数個の同時爆発を 使用するので大出力弾頭が不要、という事情もあります。この場合、単に 多弾頭を正確に誘導するだけでなく、起爆タイミングをそろえる、 他の弾頭の放射線によって無効化されない工夫など、技術的な困難が増えます。 #right(){(58:692-693)} **臨海前核実験とスーパーコンピューターで核爆発をシミュレートするのは同じことですか? マジレス 全く違います アメリカは臨界前核実験は既存の核兵器の安全管理や 信頼性維持のためのデータ取得が目的だと説明しています 高性能火薬とプルトニウムを用いて、火薬の爆発によるプルトニウムの 反応や動きを調べる核爆発の模擬実験です シミュレーションはあくまで、反応が起きることが前提ですが、 臨界前核実験はその反応がきちんと起こるか検証しようとするものです #right(){(59:名無し三等兵候補)} 臨界前核実験 臨界前核実験とシミュレーションは違います。シミュレーションで予測された とおりに事が起きるかどうかを確認するのが臨界前核実験です。点火装置各部 のタイミング一致や干渉の有無、そして重要なのが核分裂材料が予測通りの 爆縮を行うか。材料内に密度のゆらぎや衝撃波の干渉が起きないかなどを 確認することです。臨界前核実験によって、シミュレーションソフトの信頼性 確認や、未確定だったパラメーターの固定なども行われます。 #right(){(59:358)} **はだしのゲンに、広島に死体整理にやってきた陸軍の兵隊が2-3日の間に大量死した描写があるけど、直接被爆してない兵隊が2-3日の間に突然死するなんてありえるの? 数日では死にません。基本がわかっていれば説明の必要もない常識ですが。 中枢死レベルの放射線を浴びたければ、起爆時に近くにいるか、まだ熱いうちに 爆心に突っ込むしかない。それ以下だと、熱傷など受けない限り、簡単には死ねない。 間接被曝では(まして7時間以降なら)、死は決定されてもすぐには訪れません。 原発の「青い光が見えた」事故ですら、放置しても数週間、手当を受けたら数ヶ月経たないと 死ねません。幸か不幸か。だから、致死量(~数倍)の放射線直撃を受けた人間を「Living dead」と呼ぶんよ。 普通に歩き回って、しゃべってるんだけど、数週間~数ヶ月で死ぬことが運命づけられている。 >チェルノブイリでは作業させられた軍人がたくさん死んでるけど? 苦よもぎ(チェルノブイリ)では核分裂反応による放射線放出が長期間にわたって続いていたし、その中での強行封鎖作業だったからな。 残留放射線被曝や放射化した物質からの二次被曝とはわけが違う。 一般兵士は放射線についての知識に乏しいので、防護服など無意味なほど強力な放射線が発生してる中で作業をさせられ、 そして急性放射線症で死んでいった。 10シーベルト以上だと急性症状を示して数日で死亡する可能性が急激に高まる。 100シーベルト超えると一日保たない。 放射線を大量被曝すれば場合によって数日で死亡することはあり得る。 もっとも、爆心地で当日救援活動をした人でも、1時間当り0.2シーベルト程度の被曝量だそうだが。 ↑時間0.2シーベルトってことは、大雑把に言って50時間の滞在で急性症状を発症し得る。 実際には翌日には早くも時間0.1シーベルトまで下がっているし、もう少しかかるだろうけど、 終戦間際の体力低下状態だともっと低い水準で急性症状発症は考えられなくもない。 #right(){(646:437-441)} **冷戦中の英仏の核兵器は米ソの核兵器と比較して、意味のないものだったのでしょうか? 英仏の核武装はスエズ危機(第二次中東戦争)の時に 「アメリカもソビエトも核兵器持ってるのに、うちらは持ってない!  核兵器持ってないと持ってる国に逆らえず、何言われても言いなりだ!」 ということに直面したショックを機会に始められた。 確かに真っ向から米ソと核戦争したら国土をくまなく焼き払われて終わりだが、 それでも相手の首都や大都市をいくつか焼き払ってやることは出来る。 そうであれば相手もこちらを攻撃することや核兵器を盾に高圧的な態度には 出れなくなるので、一方的に言うことを聞かされる関係からは逃れられる。 #right(){(301:366)} **都市などを攻撃する場合の核兵器の最適爆発高度(?)とはどのように決まるのでしょうか? >熱線と爆風どちらの効果を優先して考えるのでしょうか? 熱線は見通し範囲には到達し、距離による減弱は僅かですから高度についての制限は比較的少なく、 逆に爆風は高度が高いと到達する衝撃波がはっきり減弱する替わりに到達範囲が広くなり、 低いとその逆となります。熱線と違って距離による変化が大きいため、爆風では起爆高度が重要です。 そこから至適高度が計算されます。すなわち、至適高度は爆風に対して計算されたものです。 厳密には衝撃波は地表から反射した衝撃波と合成され、強い一つの衝撃波となって拡がる(マッハ効果)ので これも加味したものになります。 #right(){(297:110)} **MIRVは何で現代のクラスター爆弾みたいに、超小型の核弾頭を無数にばら撒くような形じゃないんでしょうか? >小さいのを沢山ばら撒いた方が迎撃しにくいし、破壊効率もいいと思うのですが 技術より先に政治の問題でそれは× 条約によって「MIRVの数」で弾頭数を数えることになってるので、わざわざ1発当たりのMIRV搭載数を減らしてるくらい。 条約の問題もあるが、核弾頭は小型化の度が過ぎると効率が著しく低下するため 例えば米軍における最小の核弾頭であるW48核砲弾は、同世代の核弾頭と比較して威力が1/100でありながら、 使用するプルトニウム量は3倍と言う効率の悪さになってる #right(){(665:66-72)} **広島やチェルノブイリは、今後数百年は放射能汚染により人が住めないと言われてたそうですが、 >広島は日本有数の都市に変貌し、チェルノブイリなんかは自然豊かなサファリパークになっていると聞きました >一度空気中に飛散した死の灰は分解されるのに数億年かかるそうですが、何故このようなことになったんですか? 単純な理屈があります。 半減期の短い放射性物質は、多量の放射線を発するため危険だが、どんどん減ってしまい、 短期間で無害~人体に有意な害を及ぼさないレベルまで減少する。 半減期の長い放射性物質は、長期間残存するが、当然少しずつしか崩壊しないため、 発する放射線の量が少なく、無害~人体に有意な害を及ぼさない。 数億年かかるからこそ安全、というわけです。 #right(){(670:system ◆systemVXQ2)} **核兵器って使われたら人の住めない荒野になるの?たとえば広島は復興したよね? >核兵器は熱にエネルギーが変わるからあんまり放射能が出なくて >現代の核兵器でも放射能被害は広島程度って聞いたけどホント? 高度と出力によるとしか。地表爆発だとクレーターも出来るし、放射性降下物も多量に発生するので、 比較的長期間人が住めない〜作物等に汚染が生ずることになるでしょう。でも土壌入替とかすれば、 10年とかの時間スケールでなんとかなると思うけど。問題は手間と費用ですね。 空中爆発(普通はこれ。広島、長崎も)であれば、降下物の量は少なく、広島的に見て良いでしょう。 ただし、遙かに広範囲が破壊されますが。 後半も出力と構造しだいなんだけど(中性子爆弾は比較的マシ)、熱核爆弾も点火に 核分裂爆弾を使う上、出力の半分ぐらいは熱核燃料の周りにあるウランが分裂して発生するので、 放射性降下物はしっかり発生します。でも効率よく反応するので、べらぼうに多いわけではなく、 「範囲のすごく広い広島程度」という表現は悪くないかも。 放射能汚染のポイントは、 半減期の短い放射性物質は強力に放射線を放つがすぐ減衰し、 半減期の長い放射性物質はしつこいが、放つ放射線は弱い。 という事。爆発直後から短い期間(7日~7週間)で、放射性降下物の 放射能は大きく低下します。 残留放射性物質の作物や動物による生体濃縮に注意すれば、 そのあたりから復興活動が(被曝累積を避けるために交代制にするなどの 工夫は必要ですが)可能になるでしょう。 放射能減衰についての「7の法則」ってのがあるんですが、探してたら面白い資料があった。 ttp://standeyo.com/News_Files/NBC/survivenbc.pdf 2週間で残留放射能は1/1000になる、という話。 #right(){(697:system ◆systemVXQ2)} **プルトニウム、ウラン以外で核兵器は作れますか? 代替核物質まとめ回答。  プルトニウム、ウラン以外の兵器に応用可能な核分裂物質として、トリウム、プロトアクチニウム、 ネプツニウム、アメリシウム、カリフォルニウムが挙げられます。このうち、現時点で兵器として 実用可能なのはトリウムです。ウラン以上(鉛並み)に豊富に存在し、レアメタル精製の副産物として 得られます。しかし、単独では連鎖反応を起こさないため、熱核兵器のタンパーとして3段目の 核分裂反応に寄与する程度の使用方法しかなく、それもU-238に劣ります。U-238を使うのが正解。  プロトアクチニウムは臨界量が大きすぎ(あるいは無限大しても不可能)、ネプツニウムは20~100kgの 臨界質量とはなりますが、Np-237は半減期も長く使用可能。しかし、人工元素であり、大変高価で割に合いません。 アメリシウム(Am-241)も臨界質量は25~85kgと大きく、高価で、自壊によって大きな熱量を常に放出するため、 兵器としての実用化は困難です。Am-243の放熱はマシですが、Am-241から人工的に作るため、大変高価です。 カリフォルニウムは臨界質量が2~6kgと小さく(反射材、爆縮によって1kg以下にできる)、小型核兵器には 魅力的、製造も可能ですが、一発あたりの原料費が(Cf-251の場合)1兆円を越えると言われています。無理っぽい。 #right(){(678:system ◆systemVXQ2)} **核兵器による被害半径は出力の平方根に比例するのですよね? 出力の平方根に比例する被害半径は熱線によるもの。これが一番範囲が広い。 圧力、爆風による被害半径は三乗根に比例するので、もっとせまいです。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **破壊力可変の核兵器はどのようにして出力を調整するのでしょうか。 簡単にいえば、 核分裂から核融合反応に発展しないようにカットする 核分裂反応にブースト(重水素注入)を使用しない 核分裂反応を不完全な状態に留める この順で出力が小さくなります。基本的には下に行くほど、未反応核分裂物質が たくさん放出されます。重水素の添加量を加減するとか、スパークリングプラグを ずらして、部分的に核融合が起きるようにするとかで、さらに調整できるでしょう。 一番下の「不完全核分裂」を極端なまでに(ほとんど失敗レベルに)下げると 数kt~1kt以下の爆発になります。北朝鮮の核装置ですね。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **核ミサイル積んだまま沈んでる原潜があったとして、サルベージすれば核弾頭使えるの? 核弾頭は電子的に起爆し、電子回路には起爆許可用の保安回路が組み込みになっています。 このため、正しいコードを入力しない限り、電子回路は正しく、あるいはまったく作動せず、 使い物になりません。 全部ばらして、あらたに起爆回路を取り付け直す必要がありますが、それには 核開発できるレベルの知識と技術が必要です。また、そのような事態に備えて、 核弾頭には一種の自爆回路(核爆発は起こさないが、部分的な爆薬の起爆を起こして 使い物にならないようにする仕掛け)が組み込まれているといわれています。 この話はかなり確度が高いと考えられています。 #right(){(690:system ◆systemVXQ2)} **熱核兵器のプライマリとセカンダリはTNT換算される威力においてそれぞれどれくらいの割合になりますか? うる憶えで書いてしまいますが、プライマリ(起爆用原爆)の出力は5~10kt程度。 以前のスレでも書きましたが、可変出力兵器の最低出力はプライマリの不完全起爆です。 次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)なし、次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)ありの出力。 そして完全起爆。さらに調整は可能ですが、例えばB-61の場合、可変出力は0.3, 5, 10, 80ktとなっており、 この場合は、それぞれプライマリの不完全起爆、ブースターなし、ブースター付き、熱核融合に相当すると考えられます。 核分裂単体兵器であれば、出力は必要に応じて様々ですが、熱核兵器のプライマリの場合、 重量、容積、なにより高価なプルトニウムの使用量から考えても、プライマリの出力は必要最小限と考えられます。 すると、ブースターなし出力とブースターあり出力のあいだに、そのセカンダリ起動の最小限出力があるでしょうから、 プライマリの出力は10kt、改良型ならもう少し低い可能性もあるが、5kt以下ではない、と言えるでしょう。 ですから、プライマリの出力はB-61の場合であれば、1/8に過ぎないと言えそうです。 セカンダリの出力自体、半分は3段目、つまり熱核融合で生じた中性子によるタンパーの 核分裂ですから、プライマリの出力分担が小さいのはうなずけます。 #right(){(691:system ◆systemVXQ2)} **原爆の臨界質量について質問。 >プルトニウム爆弾の場合は5kgだそうですが、これは臨界のための最小限の質量だと理解してます。 >では逆に最大限の質量とはどれぐらいのものなんでしょう? >ウランでもプルトニウムでも、仮に2kgのものを50個、合計100kgを一気に合体させれば全て反応するんでしょうか? 2kgのものを50個、一気に合体させることは事実上不可能です。 自発崩壊による中性子密度が一定以上に達した段階で連鎖反応が起きますから、 早発(部分的な連鎖反応)する部分が生じ、そこで発する熱によって膨張(拡散)が生じ、 それ以外の部分は連鎖反応に達することなく分解してしまいます。例え2個に絞っても、 ウランですら大半が連鎖反応に参加できずに終り、プルトニウムであれば ほとんどが未反応で吹き飛ばされてしまいます。だから爆縮が必要なのです。 逆に、そのような低レベルの連鎖反応であれば、5kgでなくとも実現は可能です。 一般的に言われる臨界質量は、裸の核分裂物質を球状に(つまり効率よい形態で) 丸めたときに、連鎖反応が生ずる質量を指します。衝撃波による圧縮が加わった場合、 圧縮による相変化が生じた場合、中性子反射材の使用の有無などによって 大きく変わってきます。 水爆の場合は多段階で爆縮をかけられますから、理論上 出力は無限大です。ツァーリボンバは分裂→融合→融合の3ステージだったと言われています。 うる覚えだけで書いてしまいますが、水爆登場前、三重水素ブーストすら試験前後の頃、 核分裂だけで出力を上げる実験が行われた時期があり、当時は高価なプルトニウムを 節約する意味もあって、プルトニウムとウランを組み合わせた爆縮とか、いろいろテストされたこともあります。 それでも核分裂オンリーでは数百ktぐらいが限界ではなかったかなあ・・・ 気になったので今ググったら500ktだったそうです。三重水素ブーストでほとんど1Mtまでいけたのかも。 ただ核分裂物質はどれも高価なので、実用的には点火用だけに節約使用して、あとは核融合するのが当然ですが。 多数の小さな核物質を同時に一点に集めるという困難な作業の替わりに、 臨界量を超える核物質を球面状に薄く拡げることによって臨界を防ぎ、 爆縮によって一気に超臨界にするのが、核分裂オンリーの大出力爆弾の デザインです。 上に書いたのは1952年に試験されたIvy Kingのことですが、 60kgの高濃縮ウランを薄い球殻状に整形し、これを爆縮によって 一点に圧縮して起爆させています。本来はウラン、プルトニウム混合の Mk-13用のデザインでしたが、プルトニウムが入っていると、多量の 核物質を使用した際、いくら爆縮させても早発してしまうからでしょう。 ttp://www.sonicbomb.com/modules.php?name=Content&pa=showpage&pid=58 U-235は1kgが完全に分裂すると約20ktを発生しますから、500ktであれば 25kgが分裂したことになり、効率は25/60。広島型原爆(ガンバレル)の効率が 10%程度であったことを考えると、悪くない数字と言えるでしょう。 #right(){(696:system ◆systemVXQ2)} **核兵器の放射線防御ってどうなっているのですか。防御されていなかったら運用する兵士が大変な事になりそうですが。 核弾頭は通常U238(簡単に言えば劣化ウラン。不正確ですが)が外周に使用されており、これが 効果的な放射線防御となっています。劣化ウラン自体も放射線を出しますが、紙一枚で遮蔽できる 程度のものであり、弾頭の外殻で十分遮断できます。U238を使用するのは核爆発を助けるためなのですが、 それが遮蔽材にもなってくれているわけです。また、核弾頭に使用される核物質から放出される放射線は さほど強いものではありません。原子炉からの廃棄物の方が遙かに危険です。核弾頭は起爆してはじめて 危険になるのです。 #right(){(120:system)} **ソビエトが1961年にTsarBombaを爆発させた後、アメリカが対抗してそれ以上の威力を持つ水爆実験を行おうという考えは無かったのでしょうか? なかったと思います。 アメリカでは海外での核実験の多額の費用や、第5福竜丸事件に代表される 放射能被害が問題になっていました。 そこでアメリカは、核実験のエスカレートを避けるために1958年10月31日に アイゼンハワー大統領によって核実験モラトリアムの宣言をしています。 ソ連側でもこれを受け入れて、1958年11月から1961年8月まで実験は中断しました。 しかし、フルシチョフ首相は1961年に実験再開を表明し、8月から実験を再開しました。 TsarBombaの実験は61年10月です。 アメリカもこれに対抗して1961年9月からネバダ州の核実験場で実験を再開しています。 その後、1962年10月のキューバ危機で核戦争の危機が高まったことから 部分的核実験禁止条約の交渉が始まり、これに伴ってソ連は1962年12月から1964年3月まで 再び実験を中止しました。 1963年8月に米・英・ソは、大気圏、水中、宇宙空間での核爆発を禁じた 部分的核実験禁止条約に調印しています。 これに伴い、核実験はすべて地下核実験に移行しました。 いずれにせよ、米国領内での核実験ではTsarBombaなみの実験は出来なかったのでは。 #right(){(266:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **核シェルターがあっても核の冬が来たら死にますよね? 核シェルターの存在意義には、熱線と爆風による被害から免れることの他に、 放射性降下物の放射性が高い時期をしのぐこともあります。 核爆発で生じた不安定な放射性同位元素は、急速に崩壊して放射性が 低下します。最初の数時間~数日間で放射能レベルが急降下しますから、 この間をなんとかしのげば、簡易な防護服、場合によっては窓を閉め切った 自動車などで、安全な地域まで移動できる、少なくともその際の被曝が マシになる、というわけです。 「核の冬」については「誰にわかる?」が正解でしょう。なにぶん気象は いまだにシミュレートしきれない現象であり、まして地球各地での核爆発と なると、惹起される火災の推定から必要で、とても先が読めません。しかし 「核の冬」レベルはかなり悲観的な予想でしょう。 #right(){(131:system ◆systemVXQ2)} **原爆の爆縮レンズは何故32個でなくてはならないのでしょうか? 核分裂爆弾(implosion system)の爆縮レンズは別に32個である 必要はありません。確かに多角形で球を囲む際にはサッカーボール的に 5角形×12と6角形×20を組み合わせる32個がムダが少ないと言われますが、 例えば1974年に実験されたインドのプルトニウム原爆は12個の 爆縮レンズ(6角形×12)を使用しています。 http://nuclearweaponarchive.org/India/IndiaSmiling.html 対称に爆縮が行われるためには、可能な限り多数の平面で球を 囲むことが望ましく、そのため、40~92個の爆縮レンズを使った デザインも使用されています。 http://nuclearweaponarchive.org/Nwfaq/Nfaq4-1.html ただし、数が増えると起爆の同期が困難になったり、体積、重量が 増加するという欠点もあります。現在のアメリカの爆縮装置は 32枚のレンズではないという意見もあります。(ソース同上) #right(){(133:system ◆systemVXQ2)} **核ミサイルは2人同時に発射キーを回さなければ発射出来ないと記憶してますが、もし2人のうち片方が何らかの事情でキーを回さない場合、その人はどうなるんですか?  任務拒否で罪に問われる。  場合によっては反乱行為扱いでとてつもなく重罪に。  思想信条を理由に発射指令を拒否した場合は、保安要員によって連行され、予備の要員が 充当されます。  思想信条の問題ではなく生理的、心理的な問題により任務が果たせない場合は、予備要員が 替わりに任務に就く。  また、ミサイル発射要員は、いざという時にそういった問題を起さないように、頻繁に健康(心身とも) チェックが行われ、自分で少しでも自覚症状がある場合は自己申告する事が義務付けられている。  自己申告を怠って生理的、心理的な問題によって任務を果たせなくなった場合は、自己管理不充分、 ということで規定にしたがって処罰されます。  実際、ミサイル発射要員の任務はストレスが大きく、肉体的、心理的理由で転属する(させられる)人は とても多いらしい。  いつだかTVのドキュメンタリーで見たICBM基地の話で、「今日は問題があるので替わってください」 と言っている(外されている)のにはこんなケースだった。 ・奥さんが出産を控えていて、いつ子供が生まれるかわからない ・子供が病気で入院した ・健康診断の結果が不安 ・急に虫歯が痛み出した ・見た目でわかるぐらいあきらかに睡眠不足  なんか「そんなことに気を取られるんじゃない!!」的なのもあったけど、とにかく、コンディション、特に 精神面でのコンディションには過剰なまでに配慮されていた。  あと、ミサイル管制要員は実際にミサイルサイロで任務に就くまでの待機中と、ミサイルサイロで当直に ついている間は、TV、ラジオ、新聞等、全ての外部情報からは遮断される。  これは当然、社会的(場合によっては芸能ニュースとかでも)な影響から隔離する為。  映画「ウォーゲーム」でミサイル発射指令を拒否したら、同僚に拳銃を突き付けられる…というシーンが あったけど、実際には発射管制室内には武器は持ちこみ禁止だそうな。 #right(){(135:427-433)} **インプロージョン型の原爆は臨界質量を少なくできるの? インプロージョン型の原爆は臨界質量を少なくするためではなく、 サイズを自由にするために設計されています。質量の面では既存の球形原爆が やはりもっとも効率的ですが、球の周りにいろいろ取り付けますから、 一定の直径が必要となり、例えばスーツケースには入らない、ボストンバッグ なら入るけど、という状態になります。あるいは砲弾に詰めたい。長さは 余裕があるが、口径が不足、ということもあるでしょう。そのような際に リニア・インプロージョンタイプだと総体積はむしろ増加しても厚さや 口径を小さくでき、設計の自由度が上がるということです。 また、インプロージョンタイプは、効率は悪いものの球形の 原爆より簡単に作れる可能性があり、テロリストなどが作成するなら このタイプかも知れないと言われています。 #right(){(142:system ◆systemVXQ2)} **SALTやSTARTといった米ソ(露)間の核兵器削減条約の他に、英仏や中国も批准した核兵器規制条約、というものは無いのですか? 一つは核不拡散条約で、これには英仏中も加盟しています。 これが無期限延長されたことで、核実験のモラトリアムを各国が行っています。 (最近、米国を始めとして、核実験をすることが多いので、反故にされている感 無きにしも非ずですが…) #right(){(255:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **核融合のエネルギーより核分裂のエネルギーの方が上だったら水爆じゃなくて原爆になるんですか? いいえ。一般的なFissionFusionFission水爆では、出力の半分以上が核分裂によることも多いです。 ただし、最後のFission部分が核分裂出力の大半を受け持ち、Fusion部分がないとこの核分裂は起きません。 きちんとした核融合段階を持ち、その動作なしには規格に近い出力を出せない爆弾が水爆って感じでしょうか。 ブースト原爆でも三重水素の核融合反応なしでは規格に近い出力を出せないし、 きちんとした核融合段階ってなんだという議論もありますが・・・ まあ、あきらめて強化原爆は原爆。そこから先は水爆と割り切ってください。 追記。 現代では純原爆はまずありません。以下定番サイトからまとめ。 重水素/三重水素を使用した強化原爆の場合、このブーストによって核出力は倍になりますが、 核融合反応の出力はその1%程度に過ぎません。核融合で発生した中性子が、核分裂を促進することで 出力が倍加するわけです。これはまあ原爆だよなあ。 テラー・ウラムデザインに基づく一般的な分裂/融合/分裂爆弾の場合、例えば最初の水爆である アイヴィー・マイク実験では、10.4メガトンのうち77%が核分裂(その大半が3段目のタンパー核分裂)の出力でした。 逆に有名なツァーボムでは、50メガトンのうち97%が核融合による出力でした。どれも水爆といわれるわけで、 きちんとした議論をする場合にはそもそも原爆、水爆という分類はふさわしくないのでしょう。 強化原爆と水爆の中間といわれるのがアラームクロック(あるいはスロイカ=レイヤードケーキ)デザインです。 核分裂物質、核融合燃料、核分裂物質の三層同心球構造であり、この場合の核融合による出力は 全体の15~20%といわれます。 #right(){(255:105-108)} **核爆弾は年月が経過すると劣化して使い物にならなくなるそうですが、これは起爆装置が駄目になるのか、核物質が駄目になるのかどちらなのでしょうか? 核兵器のメンテ寿命はトリチウム(三重水素)で決まります。 このためトリチウムを入れ替えやすい構造に作ってあるのが普通です。 ただ核兵器にトリチウムは必須ではないので、これを使用しないもっと寿命の長い兵器も作れます。 しかしトリチウムを使うと爆縮型に限らず核分裂兵器の効率を大幅にアップでき、 核融合兵器においてもトリガーである核分裂装置を軽量小型にできるため、 現用核兵器はほとんど例外なくトリチウムを使用しています。そこでメンテが必要になる。 電子装置などについては自己診断システムが発達していますから、チェックはできますが、 それでもコンデンサーなどの劣化に伴い定期的な交換が必要。爆薬も20年程度は問題ないといわれますが、 通常の爆弾よりシビアな品質が要求されます。トリチウムがなくとも、やはり10年越えたあたりからメンテが必要でしょう。 核分裂物質、核融合燃料それ自体はもっと長寿命です。 #right(){(235:933)} **核兵器に使われる、「Mk」とか「W」の違いについて教えて下さい。 http://www.designation-systems.net/usmilav/nuke.html に詳しいですが、 原則としてMkは爆弾。Wは核装置の名前。ただし、1968年以降の核爆弾はBに替わりました。Mkは通常爆弾にも 使用される名称だから核兵器であることを明示するために、ということのようです。 爆弾の場合も、核装置自体にはWが付きますが、爆弾全体としても同じナンバーのMkまたはBが付きます。 上記サイトで示されている例を引けば、W-28核装置を使った爆弾はMk-28。通常はMkまたはBの方の 名称が使われます。Mk-28と書くことによって、W-28核装置が使われた爆弾であることが自動的にわかるからです。 ECはEmergency Capabilityの略で、基本的には試作品だが一応実用にも供せる核装置のこと。 TXはTestr Experimentalの略で、実験用核兵器のコード名。 #right(){(173:63)} **水爆の具体的な構造ってどうなっているのでしょうか? >一つの水爆に搭載される起爆用の原爆の標準的な数とか、 >重水素化リチウムや三重水素化リチウムなどの配置や配合とかの解説キボンヌです。 要点だけお答えしておきますと、起爆用の原爆は1つ。爆弾の一端に置かれ、発生したX線が反射されて 弾体方向に導かれ、弾体を満たす炭化水素から中性子をたたき出します。 この中性子が弾体中央のシリンダー状の核融合燃料をたたいて圧縮(慣性圧縮)し 核融合に必要な密度を達成しますが、この際一定以上圧縮されると核融合燃料中央部に置かれた プルトニウムが核反応を起こし、内側からも中性子とX線を放出します。外と内から圧縮された 核融合燃料は核融合反応を起こします。同時に、核融合で放出された高エネルギー中性子が 弾体外殻のU238に核分裂反応を惹き起こし、これが総出力の約半分を発揮します。 単に原爆の周囲に燃料を置いても、四散するだけです。ただし核分裂燃料と相互に重ねて (Layer cake デザイン)核融合を起こさせる事は可能です。しかし大変効率が悪く、 この方式をしばらく実験したソ連の結果では、総出力の20%以下しか核融合は貢献して いませんでした。核融合反応が起きたとたんにその部分は膨張し、反応は停止してしまいますから、 核融合反応は全体を一瞬に圧縮する必要があります。核融合燃料の芯にプルトニウムが 入っているのはこのためです。核分裂燃料にも実は同様の事情があり、このため中心部に トリチウムを注入するなどの「起爆薬(兼出力増加)」的設計がなされています。 #right(){(132:system ◆systemVXQ2)} 現在では核融合燃料を臨界まで爆縮するのは、プラズマの圧力によりも水爆燃料容器のablation(溶発=一種の蒸発)に よる運動エネルギーが主要な要因と判明している。 現用の水爆(Te;;er-Ulam方式)の構造、原理についてはここがアニメ入りでわかりやすい。 http://science.howstuffworks.com/nuclear-bomb9.htm 専門的な解説は http://en.wikipedia.org/wiki/Teller-Ulam_design http://nuclearweaponarchive.org/Library/Teller.html 簡単に要約すると、テラー/ウラム方式ではプルトニウム原爆(核分裂装置)を起爆器とし、 その横に二重円筒状の水爆(核融合装置)容器を並列してある。 原爆 _____    |____|←アルミ+鉛製外側容器。空隙はスチロールを充填 ◎  ||-------|| ←タングステン(or 劣化ウラン)容器。重水素化リチウム燃料を充填。    | ̄ ̄ ̄ ̄|  中心部に棒状プルトニウム燃料を配置      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 原爆が起爆されるとエネルギーの大部分はX線として放出される。この超高エネルギーX線が 外側容器で反射されタングステン容器を表面から蒸発(ablation)させる。ロケットの原理で反作用 がタングステン容器を内側へ爆縮する。容器内部のリチウム燃料とプルトニウムは共に超高圧に よって圧縮され、まずプルトニウム燃料棒の密度が臨界点を超える。プルトニウムが核融合を 起こして爆発するとそのエネルギーが重水素化リチウム燃料を超高温・超高圧にし、核融合が 起きる。 初期の水爆は核分裂起爆装置と核融合装置を一体にした球形デザインだったが、これは原爆 の爆発と同時に球構造が変形しはじめるため、核融合燃料が十分に圧縮されないという欠陥が あった。並列円筒タイプのデザインではエネルギーがX線(光の速度)によって伝えられるため、 原爆の爆発による力学的変形が及ぶはるか以前に核融合プロセスが終了するため、きわめて 均一に核融合燃料が圧縮され効率がはるかによい。 #right(){(230:46)} **リニア・インプロージョン方式とガンバレル方式の違いを教えて下さい。 臨界質量未満の大きさに分けられた2つの核物質を金属筒の両端に配置し、起爆時に2つの核物質が衝突して 核分裂反応を起こす点は同じです。 リニア・インプロージョン方式がガンバレル方式と異なる点は、核物質に連鎖的な 核分裂反応を起こさせるメカニズムです。 ガンバレル方式は、臨界質量未満の2つのウラニウム・コアを合体させることによって 「臨界質量を超過」させ、それによって核分裂の連鎖反応を起こさせます。このため、 ガンバレル方式で得られる核出力には一定の範囲の限界がありますし、プルトニウム の場合は除去不可能な不純物として微量に含まれる不安定なプルトニウム239が 過早の核爆発を起こして残りのプルトニウムを四散させてしまい、正常な核爆発を起こせません。 これに対して、リニア・インプロージョン方式では、2つのプルトニウム・コアをそれぞれの 背後で同時に爆発した高性能爆薬の生み出す衝撃波により合体させると同時に高密度に圧縮 することにより、プルトニウム239による過早反応を押さえ込みながらプルトニウム全体を反応させ ます。これにより、リニア・インプロージョン方式は、ウラニウム、プルトニウムのどちらでも使え、 しかも臨界質量未満の核物質にも核爆発をおこさせることを可能にしました。 #right(){(225:599)} **これまで作られた核兵器って何万発もあると思うんですけど、今まで誤爆がなかったのは、よっぽど安全装置がちゃんとしてたんでしょうか? 核爆発はいろんなシビアな条件を満たさないと起きないぞ。安全装置だけが死んで その他の爆発機構だけ生き残るなんて偶然でもなければ予期しない核爆発は起きない。 #right(){(俺初質スレ710:385)} ICBMが、サイロの中で発射口の蓋を閉じたまま誤発射して、蓋は突き破ったけど、 弾頭とミサイル本体は飛翔できず、基地内をゴロゴロ転がった事故とか、 イギリス空軍基地で、着陸に失敗した機体が、核兵器用貯蔵庫に突っ込みかけた事故とかもある。 いずれも、核爆発には至ってないけど。 #right(){(俺初質スレ710:387)} **核爆発を見たら失明する可能性があるというのは本当ですか? 可能性も何も、広島の原爆で実際に失明した人がいるわけだが。 これは原爆白内障と呼ばれている。 #right(){(200:163)} **アメリカやロシアの核攻撃の第一目標って、やっぱり相手の核戦力ですか? >人口殲滅目的の相手国の大都市への核攻撃って、優先順位としてはどれくらいのものなんでしょうか? 核攻撃といっても局地戦術核使用から全面核戦争までレベルが様々ですが、 優先順位の第一は自国被害の最小化であり、それはつまり敵の未使用核兵器の破壊です。 次いで、戦争終了後の自国軍事力の優位であり、敵の非核戦力が次の 優先順位になります。敵の指揮系統の破壊が問題になり、軍事指揮系統の 破壊は高い優先順位が与えられていますが、政治指揮系統については 停戦、終戦後処理のためにある程度温存すると考えられています。 都市攻撃は最後の選択肢であり、基本的には原潜が報復攻撃のために行うものと 考えられています。ICBMでも目標が存在しなくなれば、そのような使われ方をするかも知れませんが。 中国の核戦力は限定的であり、米露の核戦力に致命的な打撃は与えられません。このため、 中国の核はICBMも都市を目標としているのではないかと考えられています。 それでも、米露に大損害を与えても、壊滅させることは不可能でしょう。 #right(){(717:system ◆systemVXQ2)} **戦後アメリカ以外の戦勝国が核保有してるけどあれは各国が独自に作ったものですか? 英国はマンハッタン計画に科学者を派遣していた、仏国はイスラエルと共同で開発した、 旧ソ連は米国から盗んだ、中共は旧ソ連に教えてもらった。 #right(){(俺初質スレ2050:50)} **核ミサイルは暗証番号以外にどのような安全装置があるのでしょうか? 暗証番号なんか使ってないぞ 暗号キーは100ケタだか200ケタあるそうで、人間の記憶力が及ぶ範囲を超えるし(例外は認める) 毎日変わるんだから、推測も不可能だろう で、暗号キー以外に物理的な鍵もあるらしいが(2人が離れた場所にあるのを同時に解除する)その 他にもいくつかステップをへなきゃいかん(戦略核の場合) 戦術核はもっと気軽に使えるようだ #right(){(俺初質スレ436:139)} ----

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