ここ数年、TV番組において
絶対音感が取り上げられるようになり、
絶対音感を持つ人は我々凡人には理解できない悩みがあるとされ、
絶対音感に対して様々なくだらなーい幻想が生まれました。
何がくだらないか
1.言ったもの勝ち
2.演奏には関係ない
3.言うほど希有な能力でもない
1、言ったもの勝ち
くだらないと言いつつ僕は
絶対音感の持ち主です。覚えている曲はすぐに弾けますし、知らない曲も3回聞けばだいたい覚えます。
…嘘です。これらは
絶対音感関係ありません。
耳コピが早いのは練習のたまものですし、
メロディ?を覚えていれば
コード?をつけることは簡単にできます。信じた方はごめんなさい。しかし、これは
絶対音感がもつ幻想の側面でもあります。
例えば、自称
絶対音感の人がいきなりならされたクラクションに対して「A」だと言ったところでいちいちそれを確認するような性格の悪い人はそういません。
また、
ブログなどで「私は
絶対音感がある」と言ったところで読み手にはそれの真偽を確かめる術はありません。
早い話しが言った者勝ちでしかないわけです。殆どの場合
絶対音感の持ち主であることを自分から言う人は、どこかで自分は特別な人間だと思いこみたいだけです。
2、演奏には関係ない
…いや、それ
コード感?無いだけやから。
# 歌が下手なだけとも言う
上記は実際に
CATで学生が言っていた台詞です。もっとも自称でしたが。中途半端な
絶対音感ほどその人の音楽人生の足を引っ張るものはありません。
絶対音感を身につけると言うことは、文字を覚えるのと同じです。しかし、文字を読み書きできる人すべてか良い小説家ではないのと同様に、
絶対音感を持つからと言って良いミュージシャンであるとはかぎりません
3そんなに希有な能力でもない
中途半端なものを含めると
絶対音感の持ち主はかなりいるようです。別にプレイヤーでなくとも、幼少の頃から音楽に親しんできた場合、それと無く身につく能力のようです。
問題なのは
音楽のことをよく解っていない親が、
絶対音感に対する幻想で子供に
絶対音感をつけさせようとする事でしょうか。
マスコミ?の不勉強さが築きあげた幻想に乗り、音を楽しむという大切な部分を見失い、結果として音楽人生の足かせにしかならない半端な
絶対音感の持ち主を生み出しているようです。
ミュージシャンとしては、半端な
絶対音感を身につけるよりも、洗練された
相対音感を身につけるべきでしょう。
最終更新:2006年08月29日 07:09