1.フィルタチェイン
例1:ffmpegX0.0.9t-r4
-vop scale=640:480,pp=md,denoise3d,pp=0x77
- -vop:ビデオフィルタの開始。旧式で書いた逆順に適用。
- scale=640:480:スケーリング
- pp=md:インタレ解除。中央値補完。
- denoise3d:デノイズ
- pp=0x77:デリング、デブロック
- 考察
- オールラウンドに使えるように考えられている模様。
- 動くものの輪郭に若干ジャギが出るが、そこに目をつむれば大概の素材でほぼ安定した結果が出る。
- -vopは旧式だが、逆に言えば、それだけ古くから使っている人が多く、枯れた設定例が多いという事でもある。例えばpp=0x77はMEncoderのマニュアルに記載されていない。2進数でポストプロセスフィルタを指定する方式。
- 理屈から言えば、デリング・デブロック・デノイズの順番で素材にフィルタをかけ、次にインタレ解除した上で、最後にスケーリングしている。インタレ解除は最初に行うべきとする文書が多いが、pp系(ポストプロセスフィルタ)は画面の全てを一律に処理するため、例外の可能性がある。
- 作者のmajor氏が古くからのffmpeg/MEncoderユーザである事に疑いはないが、MEncoder新入生の当方が-vopユーザになるのは危険と考えている。英文の設定事例を漁っても、それが古くからの信頼すべきユーザなのか、当方同様の真似っ子なのか判断し難いからだ。
例2:管理人の常用設定
-vf filmdint=fast=0/comb_thres=48/crop=720:480:0:0,\ pp=l5,scale=640:480,hqdn3d=3:2:5 \
- -vf;ビデオフィルタの開始。新式で書いた順番に適用。
- filmdint=fast=0/comb_thres=48/crop=720:480:0:0;インタレ解除+逆テレシネ+クロップ
- pp=l5;インタレ解除の補助
- scale=640:480;スケール
- hqdn3d=3:2:5;高精度デノイズ。デフォルトは4:3:6
- 紹介
- TVキャプチャのアニメ/映画用24fps化設定。
- 別途"-fps 30000/1001 -ofps 24000/1001"が必要
- 管理人の最善設定。上記目的に限り、手許では最も安定している。
- pp=mdの輪郭線のジャギはなくなり、filmdintにpp=l5を合わせる事でインタレ縞の解除漏れもほぼ根絶可能。l5も画面の全てを一律に処理するため、デノイズは少し弱めている。
- filmdintは子オプションでcropもできるので、チェイン内の順番次第で画質に悪影響がでる問題を緩和できる。
なお、理論上、
-vf filmdint=fast=0/comb_thres=48/crop=720:480:0:0,\ scale=640:480,hqdn3d=3:2:5,pp=l5 \
とpp=l5を末尾に追い出せばl5の悪影響を緩和できる可能性がある。
例3:2chで教えて頂いた設定
-vf pullup,softskip,kerndeint,以下略。
- pullup;逆テレシネフィルタ
- softskip;softskipより前のフィルタに全フレームを処理させる。
- kerndeint;インタレ縞を自動検出して解除(お好みで)
- 考察
- 24fpsカメラで撮影された素材に向く?
- これを紹介された方の手許ではfilmdintより良いとの事。
- 手許ではTVキャプチャには向かない模様。
- 原本が24fpsカメラ撮影素材のみ、filmdintより若干の画質向上が見られた。
- インタレ解除漏れはfilmdint単独より若干少ない。
- その他の素材ではインタレ縞の解除漏れやゴーストが激しかった。
pullupにインタレ解除機能は無いが、原本が24fpsカメラで撮影された素材は、TV放送の30000/1001fps(DVDでも多い)を逆テレシネ変換するだけで、充分奇麗になるようだ。
具体的には、
具体的には、
- 映画(TV放送の字幕は要注意)
- 古いアニメ(概ね1990年以前)
の2種に向くと考える。