先にコデックとコンテナの区別を把握して下さい。
こちらに説明があります。
MPEG4とは
1.二種類の「MPEG4」
巷間「MPEG4」と呼ばれるものには大きくわけて二種類ある。
ISO-MPEG4規格と、MsMPEG4ベースの映像コデックだ。
ISO-MPEG4規格と、MsMPEG4ベースの映像コデックだ。
1.1. ISO MPEG-4規格の動画ファイル
ISOというのは世界各国のJISの親玉。
MPEG-4はそこが決めた再生の規格。
だから、エンコードはナニを使っても良い。
乱暴に言えば再生紙だろうが手漉き和紙だろうがB5の紙はB5として通用するのに近い。
規格書は、主要なものだけでこれだけある。
MPEG-4はそこが決めた再生の規格。
だから、エンコードはナニを使っても良い。
乱暴に言えば再生紙だろうが手漉き和紙だろうがB5の紙はB5として通用するのに近い。
規格書は、主要なものだけでこれだけある。
- ISO 14496-1 (Systems), Animation/Interactivity (like DVD Menus)
- ISO 14496-2 (Video), e.g. Advanced Simple Profile (ASP), as followed by XviD, DivX5, 3ivx...
- ISO 14496-3 (Audio), Advanced Audio Coding (AAC)
- ISO 14496-10 (Video), Advanced Video Coding (AVC), also known as H.264
- ISO 14496-14 (Container), MP4 container format (uses the .mp4 extension)
- ISO 14496-17 (Subtitles), MPEG-4 Timed Text subtitle format
見れば解る通り、一般人が把握できるものでわ、無い。
それぞれの規格書は膨大で、例えばISO 14496-2 (Video)の下にはさらに細かい分類がある。レベルとかプロファイルとか、、、。
かつ、上記で全部でも、無い。
上記規格書に書かれている規格の全てをサポートした製品は、QuickTime7とapple-H264を含めて、存在しない。
それぞれの規格書は膨大で、例えばISO 14496-2 (Video)の下にはさらに細かい分類がある。レベルとかプロファイルとか、、、。
かつ、上記で全部でも、無い。
上記規格書に書かれている規格の全てをサポートした製品は、QuickTime7とapple-H264を含めて、存在しない。
つまり、現時点(2005年秋)では「当社の◎◎は国際標準規格ISO MPEG-4に対応です!!」てのは、無意味。上記規格書の一部だけをサポートしているに過ぎない。
とはいえ、ご家庭では、だいたいB5かA4があれば充分だと思う。A0やB3なんて大きな紙を使う事はそんなに無いし、まして製紙工場むけのロール紙の規格など知ってても仕方が無いだろう。
ISO MPEG-2に対するDVD規格のように、家電メーカーの団体が適当に整理した規格を作るまでは、こうしたややこしさは解消されないと思う。
ISO-MPEG規格がややこしい理由は2つある。1つめは、工業規格としてデジタル動画が使われそうな領域を全部カバーしなくちゃいけないという理由。2つめは、「世界中の企業・団体から特許を出してもらって、あらかた全部もりこんだから」。
これで技術的にはスゲェ優れた規格になる。そのかわり、この規格を使う人には特許料がドンとかかる。規格にキッチリ全部、完全対応した商品にはドドンとかかる。端的な例を出すと、中国メーカーがDVD再生機を作ると特許料は一台20ドルと聞く。これでは技術投資どころかマトモにやってくのも難しい。現在20ドル払う立場であれ、貰う立場であれ、自社特許を規格に入れなければ浮沈がかかる。全体から見れば些細な特許でも、採用されれば、特許料の相殺に使えるかも知れないからだ。
そんなわけで実際の規格策定には各企業の政治力や資金力、場合によっちゃ一国の産業政策も絡む。収拾が付かないまま会議は繰り返され、規格書はずんずん膨大になっていく。いや、誰が悪いとかぢゃなくて、そういう構造になっていると言う事。
これで技術的にはスゲェ優れた規格になる。そのかわり、この規格を使う人には特許料がドンとかかる。規格にキッチリ全部、完全対応した商品にはドドンとかかる。端的な例を出すと、中国メーカーがDVD再生機を作ると特許料は一台20ドルと聞く。これでは技術投資どころかマトモにやってくのも難しい。現在20ドル払う立場であれ、貰う立場であれ、自社特許を規格に入れなければ浮沈がかかる。全体から見れば些細な特許でも、採用されれば、特許料の相殺に使えるかも知れないからだ。
そんなわけで実際の規格策定には各企業の政治力や資金力、場合によっちゃ一国の産業政策も絡む。収拾が付かないまま会議は繰り返され、規格書はずんずん膨大になっていく。いや、誰が悪いとかぢゃなくて、そういう構造になっていると言う事。
1.2. MsMPEG4ベースの映像コデック
MPEG4規格のキモは映像の圧縮効率。
マイクロソフトはいち早くそこに着目し、.asf専用コデックを出した。MsMPEG4。
.aviサポートが無い事に怒ったおっさんが速攻ハッキング。リッピングとファイル交換を通して一気に普及。これがDivx。
出自と使われ方はちょいと黒い。いろいろあってキレイな体になり、DivX4以降、会社になって商業化した。
.aviサポートが無い事に怒ったおっさんが速攻ハッキング。リッピングとファイル交換を通して一気に普及。これがDivx。
出自と使われ方はちょいと黒い。いろいろあってキレイな体になり、DivX4以降、会社になって商業化した。
XviDと3ivxはその「いろいろあって」の間に誕生した多数の亜種、競合の中で生きのこったもの。2005/秋、画質評価が最も高いのはXviD。
名前がなにやら似てるのは「いろいろあった」名残り。
どれもMPEG-4 ASP準拠(最初のリストの「ISO 14496-2」の中で定義されている内の一つ)なのでコデックさえあれば「映像部分は」再生互換性がある。
問題はコンテナと音声コデック。ISO MPEG-4規格ではaac音声と.mp4コンテナだが、
名前がなにやら似てるのは「いろいろあった」名残り。
どれもMPEG-4 ASP準拠(最初のリストの「ISO 14496-2」の中で定義されている内の一つ)なのでコデックさえあれば「映像部分は」再生互換性がある。
問題はコンテナと音声コデック。ISO MPEG-4規格ではaac音声と.mp4コンテナだが、
「一気に普及」の過程でデファクトを取ったのは「DivX+CBR-mp3.avi」。
Win用のTVキャプチャや動画再生機器類に「MPEG-4対応」とあったら、これを指すことがある。スペックシートを読むと「但し.mp4コンテナは不可」とか。でも「.avi」とは書いてないとか。これも「いろいろあった」名残りかも。
2. MPEG-4 AVC/H.264
、、、と、いうようなややこしい事を繰り返さない為に、新しいMPEG-4 AVC/H.264規格は少し整理された。上のリストで言うと ISO 14496-10。同じ映像規格なのにわざわざ新しい規格書として独立している。
AVCというのはMPEGという団体の呼び名で、H.264というのは通信規格を決める別の団体の呼び名。合同で作った規格なので、中身は同じ。
AVCというのはMPEGという団体の呼び名で、H.264というのは通信規格を決める別の団体の呼び名。合同で作った規格なので、中身は同じ。
とはいえAVC/H264映像+aac音声.mp4ならどれでもOKなのかと言うと、どうもそうでもないらしい。整理されても元々が膨大なわけだし、AVC自体、はじまったばかりなので、すこしは「いろいろある」かも。
2.1.QuickTime7のAVC/H.264
ISO-MPEG4 AVC/H.264をフルサポートしたものでは無い。
基本的にAppleは映像圧縮の特許を持っていない為、画質や圧縮効率では競争力が無い。.mp4コンテナは.movが土台なので、QuickTimeは、コンテナの取り扱いは最強、映像コデックは最弱という悩ましい存在。
既にx264オプションとの非互換性がいくつか明らかになりつつある。
基本的にAppleは映像圧縮の特許を持っていない為、画質や圧縮効率では競争力が無い。.mp4コンテナは.movが土台なので、QuickTimeは、コンテナの取り扱いは最強、映像コデックは最弱という悩ましい存在。
既にx264オプションとの非互換性がいくつか明らかになりつつある。
- ffmpegXのx264+aac.mp4でBフレームを使うと、QuickTime Player 7Proで加工不能になる(再生は大丈夫)。
- winのx264でb_pyramidというオプションを使うとQuickTime Player7で再生できない。
など。
x264の開発チームは画質と圧縮率にしか関心が無く、開発速度はエンコードが終わる前に次が出ると言われる程速い。ソースコードからビルドするのは難儀だが、ffmpegXの最新版は、x264を内蔵したMac用MEncoderと同時にリリースされる。当方がffmpegXにこだわるのはコレのため。
x264の開発チームは画質と圧縮率にしか関心が無く、開発速度はエンコードが終わる前に次が出ると言われる程速い。ソースコードからビルドするのは難儀だが、ffmpegXの最新版は、x264を内蔵したMac用MEncoderと同時にリリースされる。当方がffmpegXにこだわるのはコレのため。
噂のビデオiPod + iTunes Video Store、さらにテレビの横はMacMiniでいいじゃん?ときたらなかなか魅力的ではあるが。個人的にはつまらない。せめて3ivx買収してクレヨン。
2.2.ISO-MPEG4非互換の.mp4
- .srt形式の字幕が入った.mp4
- 北米にNero Digitalという会社がある。コデックの技術に定評があり、Win用AVCコデックで高評価を得ている。ここのMPEG-4対応DVD再生機は.srt形式の字幕が入った.mp4というものに対応している。規格外だが、DVDバックアップには適しているようだ。この機械はまだASP+aac.mp4しかサポートしていないが、いずれAVC+aac.mp4にも対応したものが出ると思われる。
- AVC+CBR-MP3.mp4
- なんてのも作れるらしい。音ズレのリスクが少ないというメリットがあるようだ。コンテナヘッダなど信用しない再生ソフト(MPlayerやVLC)なら再生もできるだろう。
2.3.AVIコンテナ
さすがにAVIは、字幕や副音声が入れ難く、AVCとの親和性も低いため、winでも徐々に引退気味らしい。
ただし、シンプルで扱い易い構造なので、Win/linux界のエンコード環境のインフラとしては、永く残るだろう。
Win界にはAviUtilやAvisynthといった優れたエンコードツールがある。これらが吐き出す固定fpsベースの映像にaac音声を貼付けた.mp4を、全体の持続時間ベースのQuickTimeがどこまで扱えるか。現時点では不明瞭。
前述のAVC+CBR-MP3.mp4で音ズレ回避というのも関連するかも。
、、、intelMacでAvisynth動いたりしねぇかな。
ただし、シンプルで扱い易い構造なので、Win/linux界のエンコード環境のインフラとしては、永く残るだろう。
Win界にはAviUtilやAvisynthといった優れたエンコードツールがある。これらが吐き出す固定fpsベースの映像にaac音声を貼付けた.mp4を、全体の持続時間ベースのQuickTimeがどこまで扱えるか。現時点では不明瞭。
前述のAVC+CBR-MP3.mp4で音ズレ回避というのも関連するかも。
、、、intelMacでAvisynth動いたりしねぇかな。
2.4.次世代DVDの動向
「DVDバックアップ」を閉め出す為にも、単純にAVC+aac.mp4をそのまま再生とは行かないハズ。分裂のままコンテンツが出揃わない状況が続けば、Nero Digitalのような会社が勢力を伸ばす余地がある。
2.5.AVC/H.264の対抗馬
- VC-1(旧称wmv9。wmv3とも)
- 次世代DVD再生機はAVCと並んでVC-1にも対応する。そうしないとBlueRayともHDDVDとも名乗れないようだ。映像圧縮の原理自体はどっちも一緒。現状、Macではwmv3映像は再生できないので(有償のコンポーネントはあるけど)ちょっとこれは勘弁してほしい。
- SNOW
- 開発途上のlibavcodecの最新コデック。MPEG系とは全く異なる圧縮理論に基づく。AVC/H.264を遥かに凌ぐ重さらしい。libavcodec-AVCって聞かないなと思っていたら、そっちに行ってたのね。ポイントはISO-MPEG系につきものの特許問題を嫌ったという事らしい。linuxを中心にSNOW+ogg.mkvはある程度勢力を伸ばすだろう。