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四国放浪 ~トンボ公園との出会い~

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四国放浪

~トンボ公園との出会い~

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 2000年3月21日(火)快晴。ヤボ用で四国に来ていたむしごろうは、知人と二人で愛媛は松山駅前にいた。特に目的もなく放浪しようとしてはいたものの、とりあえずの目的地を設定しなければ動くに動けない。四国といえば四万十川だろう!ということで、南下することにした。

松山駅から伊予大洲まで電車は走る。車窓には夏蜜柑畑(?)が映える。のんびりとした四国の雰囲気が心地よい。知人は、いや、知人では言いにくい。H君にしよう。H君は心地よいからなのか、それともただ眠いだけなのか、ぐーすかぴーと寝こけている。
伊予大洲から乗り換えて宇和島へ。宇和島といえば闘牛の町として有名である。工芸品に牛鬼というものがあるし、駅弁にも闘牛弁当というものがある。太刀魚の巻焼き(太刀魚一匹?が竹に巻きついていて、醤油風味で焼いてある。1本350円)なんてものもあった。

H君が釣りがしたいと前々から行っていたのを思い出し、それなら海へ行かねばならないと、宇和島からバスに乗り海へ行くことにした。バスは平浦というところで終点だった。潮の香りがする。海はもうすぐそこだ。
 あっ、そういえば、竿とリールは(何故か)あるけれども、エサも仕掛けもない!それに気付いたときには、すでに18:00を回っていた。近所のおばちゃんに釣具屋はないかと尋ねると、「宇和島まで行かないとない」と言われた。あのー、僕たち宇和島から来たんですけど、、、。仕方がないので釣具屋を求めてバスが来た道を歩いて戻ってみた。途中、自販機があったので一休み。ところがこの自販機が曲者だった。おすすめの品のところにほっとレモンがあるのに、実際ほっとレモンは売っていない。写真があるのでいつか載せます。こんな自販機を後にして私たちは歩き続けた。

るるぶの地図は縮尺が大きすぎて、今どこにいるのかさっぱりわからない。大小浜というバス停まで歩いたところで、バス会社に宇和島行きのバスがあるか電話で聞いてみた。こういうときに携帯電話はとても便利だ。ところが、「ないです」の一言だった。今日はこの辺で野宿かと思っていた矢先、H君が平浦経由、市立病院行きのバスがあると言う。しばらくすると、そのバスがやってきた。運ちゃんに市立病院とはどこなのかを聞くと、宇和島駅まで2kmくらいのところらしい。2kmならば近いと思った二人はそのバスに乗り込んだ。

市立病院から宇和島駅までの道順は運ちゃんに聞いていたので、なんとか宇和島駅に辿り着くことはできたが、結局釣りはできなかったわけで、まるまる無駄足であった(泣)。今後はこのようなことがないように、駅でしっかりと作戦を練った。そして、高知入りし、山奥で野宿しようと決めた矢先に、またH君がさらに南下するバスを見つけてきた。H君はよっぽど釣りがしたいらしい。それならばと、むしごろうはH君に従い、南レク御荘公園行きのバスに乗ることにした。

21:00頃、南レク御荘公園に到着。南レク御荘公園はアスレチックやテニス場などがある総合公園(?)である。近くには2:00までやってるコンビニがあった。そこの兄ちゃんから近所の情報を仕入れ、野宿の準備にとりかかる。公園の中におこさま広場というところを見つけた二人は、そこの東屋で寝袋で寝ることに決めた。公園の注意書きをちゃんと読んで、それに触れないようにするのが旅人の最低限のマナーである。遅い夕飯の準備をH君に任せて、むしごろうは周辺の探索に出かけた。入手した情報どおり、釣具屋を発見、郵便局もあった。これで安心だ。明日の朝には釣りができる。そう思ったむしごろうは公園に戻って夕飯を食べた。メニューはスパゲッティーである。H君が主食担当、むしごろうはおかず担当である。今日は釣りをしなかったので、おかずはないが、おいしくいただきました。夕食後はワインを少々呑んで、じゃんけんで寝場所を決め、少し語ってから0:30には寝ました。

3月22日(水)快晴。春とはいえまだまだ肌寒い。8:00頃むしごろうはH君に起こされた。二人は朝飯も食べずに撤収し、早速釣具屋に行ってみる。ところが、この井上釣具店はこの時季営業していないらしい。そこでライバルの店を教えてもらってそこに行くことにした。ゴールデンレトリバーのゴン太がいる宮本釣具店には、磯用の釣具しか置いていなかった。それもそのはず、この周辺には磯しかない。防波堤などないのであった。磯で釣りをするほど本格的な装備もないし、お金もない。とりあえず、仕掛けが作れるだけの最低限のものを購入し、さらに南下することに決めた。行き先は宿毛(すくも、やどげじゃないよ)である。宿毛行きのバスに乗り高知県に入ったのは9:48であった。

車内で朝飯として、ミニドーナツを5個ずつ食べたが、余計に腹が減っただけであった。そして、宿毛駅着。ここは思い出の駅。そう、あれは高3のちょうど今頃のことだった。当時片思いの女の子に恋文を送った地である(しみじみ)。宿毛は珊瑚が特産で、お土産物として駅の売店にたくさん並んでいる。しかし、どれもこれも高い。それに、珊瑚のアクセサリーなんてあげる相手もいないし(泣)。売店の前で佇むむしごろうをよそに、H君は釣りができそうなポイントの情報を入手してきた。今度は案内所で聞いてきたらしく、地図もある。バスで片島岩壁というところへ向かった。

片島は九州の佐伯とフェリーを結ぶ港がある。そしてちゃんと釣具屋もあった。そこの親父が言うにはチヌ(クロダイ)とキスゴ(シロギス)がポツポツ釣れるらしい。フェリー乗り場から少し離れたところで、3回目のチャンスにして初めてH君待望の釣りが始まった。



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 結果は散々たるものだった。むしごろうはお手本として15cmくらいのベラを1匹釣ってみせて、あとはぶらぶらしていた。その後、H君はあっちこっちに竿を立てては、手を替え品を替えて奮闘していた。が、結局ボウズ(長靴さえも釣れない事)だった(笑)。
12:00のサイレンとともに、二人は昼飯を作り始めた。またスパゲッティーである。しかし、今回は前回とは少し違う。おかず担当のむしごろうにも出番があった。むしごろうはナイフでベラを捌き、細かく切ってソテーし、スパゲッティーと合わせた。しかし、海のそばで調理をするものではない。風が強く、なかなか湯が沸かない。かつ、ガスがきれる。そこでその固ゆでスパゲッティーを固形燃料を使って炒めて、食べてみた。明らかに固い。しかし、タバスコで味をごまかし食べきった二人であった。

14:00頃、宿毛駅に戻るバスに乗った。そして、特急あしずり2号で中村へ。わずか17分で着く。特急ってなんて素晴らしいんだろう。でも、うっかり寝過ごすと高知まで行ってしまう。それはそれで面白いが、そんな金は無い。眠い目をこすりながら頑張って起きていた。

高校の卒業旅行で友達5人と来たことがある中村。その5人の中に中村ってやつがいて、駅名の前で記念撮影した記憶がある。彼は今元気だろうか?
この中村にトンボ公園というものがあるのは前々から知っていた。知っていたが行ったことがなかったむしごろうは、是非この機会に行っておこうと思っていた。ところが、駅前の案内図にはトンボ公園のトの字も載っていなかった。ナゼ?駅のスタンプにもトンボ公園の絵が使われているのに、、、。どうしたものかと悩んでいると、四国に来て初めて、観光客とお遍路さん以外の旅人に出会った(観光客と旅人は、むしごろう的観点から見るとまったく別物である)。彼は旅4日目で、足摺岬からヒッチハイクで中村に来たらしい。毛布や夏蜜柑?を親切な人からもらったという。おいしそうな夏蜜柑を見て、「半分くれませんか?」と言いかけたが、その言葉を飲み込んだむしごろうであった(笑)。今日はこれから四万十川河口に行ってから上流に向かって歩いて上ると彼は言う。お互いガンバロウと言って、彼とは別れた。別れ際、彼はトンボ公園の大体の位置を教えてくれた。

中村駅からトンボ公園を目指し、二人は歩き続ける。四万十川の上流に向かって。途中、河原で休憩したが、それでもずんずん歩き続ける。すると、遠くに森が見え始めた。あれかっ!!と思ったら違った。さらにごんごん歩き続けると、何やら怪しい橋が私たちの前に姿を現した。





 その橋はトンボ公園が近づいている証拠だった。橋の両端にはトンボのオブジェが飾られていた。その名もヤンマ橋だ。むしごろうはうれしさのあまり、普段はめったに撮らない写真を撮った(そのトンボのオブジェとツーショット)。確実にトンボ公園が近づいていることに、二人ははりきってヤンマ橋を渡りにかかった。そして、橋を渡り終えて、ある重大なことに気付いたのだった。橋の向こう側のトンボのオブジェは、なぜか足しか残っていなかった。誰かが記念に持って帰ってしまったのか?それとも、天空の彼方に足を残して飛び去ってしまったのか?後者ならばいいが、前者ならば実にけしからんことだ(怒)。一応ここでも記念撮影しておいた(H君と足のツーショット)。こんな橋を越えながらも、なんとかトンボ公園に辿り着くむしごろう一行だった(二人だけだけど)。

正式名称(?)トンボ王国(中村市トンボ自然公園)は、大きく分けて二つのエリアに分かれている。一つは四万十トンボ自然館で、もう一つがトンボ保護区である。むしごろうはとりあえず四万十トンボ自然館に足を踏み入れた。入館料420円。この四万十トンボ自然館、実は3月21日(昨日)にリニューアルオープンしたばかりで、その前の1週間くらいは入館できなかったのだ。何も情報を集めずにいきなり来たわけだから、ナイスタイミングとしか言いようがない。しかも、饅頭2個のおまけ付きだ。感動しながら受付のまわりを見回すと、何やら面白げな用紙を見つけた。
『トンボ王国一口オーナー募集』というものである。これは、開発の危機にさらされているトンボ王国のトンボ保護区の土地を一口10000円で買わないか、というものである。オーナーの利点としてはトンボの保護に一役買えるというだけでなく、その自分の土地に名前入りの看板を立ててくれるという。これは買うしかない!むしごろうはそう思った。しかし・・・、財布と相談した結果(本当は相談するまでもなく)、この買い物は見送られた。そして、今現在まで忘れていたむしごろうがここにいる・・・。まあまあ、貧乏なんだから仕方あるまい。気を取り直し、自然館の奥に向かった。

自然館の中は、童話的な絵で自然保護を訴える第一展示室、日本のトンボの標本がずらりと並ぶ第二展示室、東映制作のトンボに関するビデオが見れる第三展示室、四万十川の魚から世界のBigFishが楽しめる第四展示室からなっている。
第一展示室は、まあ、むしごろうにとってはごくごく当たり前の内容だったので、ほぼ素通りし、第二展示室はその数に驚かされたものの、標本にはあまり興味のないむしごろうは、またも軽く流した。第三展示室のビデオはトンボの生態などにも詳しく、興味もあったので一生懸命見ていたが途中でぷつんと切れて終わってしまったので非常に残念だった。ちなみに観客はむしごろうとH君の二人だけだった。第四展示室では大きなナマズをじっと見ていた。むしごろうは変な格好をした生き物がとても好きである。ナマズとテレパシー交換していると、時が結構流れていた。なんと時間がなくなったのであった。もともと、ここに着いた時間も遅かったし、しかも今日これから足摺岬まで行く予定だったからだ。それでもむしごろうは、粘って特別展示室の世界の昆虫(標本)を見て回り、お土産を悠長に物色した。お土産はトンボTシャツと竹細工のトンボの置物、トンボの絵葉書を購入した。

足摺岬行きのバスの時間が差し迫っていた。中村駅に戻る時間はすでにない。ゆえに、トンボ保護区で生のトンボを見ることは叶わなかった。まあ、季節的にもそんなにトンボがいるわけでもないだろうし、もうすぐ暗くなる。また今度、夏か秋にでも来ればいい。そう思ったむしごろうは、受付のおばちゃんにバスに関する情報を教えてもらい、礼を言ってから急ぎ足でトンボ公園を後にした。

受付のおばちゃんが言うには、現在バス路線が工事中で、いつもとバス停の位置が違うらしい。あと20分くらいしかない。バス停があるらしい四万十川橋(赤い鉄橋)周辺まで二人は走る。バスの時間(中村駅18:07発)の5分前には近くまで辿り着くことができた。とりあえず、バス停を探す。H君がバス停を探している間、むしごろうは中村駅の観光課にバス会社の電話番号を聞き、そこに電話してみた。ここでも携帯電話が大活躍!!(当時携帯電話を持ってまだ3ヶ月だったので、携帯電話をやけに褒めています。今はほとんどの人が持っているからこんなに感動しないでしょうね)バス会社のおっちゃんが言うには、大橋通り2丁目(?)で乗れと言う。しかし、H君が見つけてきたバス停では具同で乗れと書いてあるらしい。はてさてどっち?とりあえず、ダッシュで具同のバス停に行く。ところが、ソンナコトハカイテイナイ。冷静に考えれば、H君よりバス会社のおっちゃんが言うことのほうが正しいに決まっている。そういえば、赤い鉄橋の中村側200mがどうのこうのって言ってた気が・・・。それって橋の向こうじゃん!!全力疾走で橋を渡る。すでに、18:10、走りながらもう一度バス会社に電話してみる。ロイヤルホテルの前とか言ってる。

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・。(怪しい人じゃないよ)

・・・フゥー。(果てたわけではありません)

むしごろうは橋の真ん中あたりであきらめて煙草を吸い出した。あーあぁー、今までなんとかうまくいってたのにー。今日は四万十川泊かぁー。河原で寝れるかなぁー。トンボ公園、もっとちゃんと見ておけばよかったなぁー、などと愚痴をこぼしつつ、トボトボと歩いてバス停に辿り着いた。バス停のベンチに腰を掛けて、これからどうしようか考えていると、やっぱりH君が発見した!!!このバス停にバスが来るのは18:17。現在18:14。やったぁー!!!!まだ大丈夫じゃぁーん!!!!!奇跡のウルトラ大逆転。二人は無事にバスに乗ることができた。しかし、ここで運を使い果たしたことにより、後に訪れる不幸を回避することはできなかった。





 バスはくねくねと山を登っていく。うとうとしつつ、ようやく足摺岬に着く。さぁ、足摺岬だ!むしごろうは3回目、H君は初めて。H君はやっと着いたとうれしそうだ。ところが、いざバスを降りようとした時に事件は起こった。
*四万十フリー切符が使えない!西南交通バスになってからは使えなくなったとのこと!!ガーンガーンガーンガーン、ガーン、ガーンガーンガーン。2年前は使えたのに。運ちゃんも「2年前は使えた」と言っている。ガガガガーン。それはつまり、中村から足摺岬までのバス運賃1900円/人を払えということである。そんな金は無いないっスよー!!!!!ブルー入りつつも、H君が金を持っていたので、2人分しぶしぶ払う。



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 うーん、去り行くバスを眺めながら、悲しいやらおかしいやらで泣きが入りつつ笑ってしまう。人生山から谷へで面白い。




*四万十フリー切符・・・正式名称 四万十・宇和海フリーきっぷ。四万十・宇和海フリー区間内全線を指定の3日間(連続)自由に乗り降りできる。3600円。具体的には、宇和島‐宿毛間のバス(宇和島自動車線)、宿毛‐窪川間の土佐くろしお鉄道、宇和島‐若井間のJR予土線(しまんとグリーンライン)が対象になる。特急・普通列車どちらにも乗れる。今回むしごろうたちが使った中村‐足摺岬間は西南交通で対象外である。むしごろうが2年前足摺岬を訪れたときは、ここも対象内だったが変更されていたことに気付かなかった。




 しばらく呆然とした後、気を取り直して展望台に向かおうとする。が、暗くて道がよくわからない。すると、旅館っぽいところからおばちゃんが出てきて、展望台への道とオススメの野宿ポイントを二つ教えてくれた。道はいいとしても、野宿ポイントまで教えてくれるとは・・・このおばちゃん、プロだな!と思うむしごろうだった。それとも、足摺岬で野宿する人がそんなに多いんだろうか?教えられた道を行く。同業っぽい人たちを横目に、展望台へ登る。すると、空一面に星が・・・!これぞ天然プラネタリウム、略して「天プラ」と我等は名づけた。荷物を放っぽって横になり、しばらく星座を見続ける。キレイすぎる。美しすぎる。っていうか、言葉ではナカナカ表現できない。それくらいのものである。あんなことのあった後だから、余計そう感じるのかもしれないが、とりあえず絶景である。空に吸い込まれるとか、空が落ちてくるとか、星が動いて見えるというのは、このことか。

南風が暖かい。S君(星座に詳しい)だったらもっと星のこととかわかるんだろうなぁと思いつつも、そんなウンチクないほうがいいとも思った。

静かな時が流れる_________________。

しかぁーし、ここで寝てしまうわけにはいかない。展望台の下にある自販機が明るいので、ここで夕飯にする。やっぱりスパゲッティである。ヤケ食いかのように残った食材のほとんどを食いきる。昼間に釣りに使ったエサ(アミエビ大)さえも、スナック風にして食べてしまう。久しぶりの満腹にホッと一息。
トンボ公園で買った絵葉書を知り合いに送ろう。むしごろうはそう考えた。むしごろうはいつも財布の中に切手を持ち歩いている。むしごろうはさらさらと筆を執った。H君はその隙に木陰にテントを設営した。むしごろうは携帯電話をトイレで30分ほど充電し、電話をかけようとした。が、圏外だった(笑)。疲れも程よく、狭いテントの中で二人は眠る。今日は長い一日だった。ムニャムニャ、天プラごち。





 2000年3月23日(木)晴れのち雨。やっぱりH君に起こされる。6:00過ぎ、朝日を拝むために展望台に登る。足摺岬からの朝日を一目見ようという多くの観光客に囲まれながら、朝日を見た。この日は少し曇り気味だったのが残念だった。一応記念撮影をする。二人の写真がこの旅では一枚もなかったので、周りの人に撮ってもらった。ついでに、朝の散歩がてら、白山洞門というものを見に行った。展望台から600m遊歩道を歩いていくと、それはあった。海流浸食(?)によって削られた岩が門のような形をしていた。

テントの撤収を終え、朝飯も食べずにバスに乗る。7:21、家に向けて出発である。バス内でパンとチョコレートを少しずつ食べ、寝る。起きたら中村駅に着いた。当然また1930円/人払う(泣)。9:26、中村駅発。やっぱり寝て起きると宿毛に着いた。ここで30分くらい余裕があるので、二人の残金428円のうち、300円をはたいて、弁当を買い半分コした。むしごろうは昨夜書いた絵葉書をポストに投函し、H君はお土産屋に置いてあった珊瑚のカケラをもらっていた。そして、バスに乗る。このバス(宇和島自動車線)は明日24日、ストらしい。危ない危ない。明日は仕事があるので、どうしても今日中に帰らなければならない。もし今日だったら帰れなくなるところだった。まだ運は残っているとみた。10:46、宿毛発。ここはフリー切符が使える。西南交通くそくらえ!!!(怒)

愛媛に入ると、雨が降り出した。嫌だなー。やっぱり寝て起きて寝て起きてを繰り返し、宇和島着。ここでも30分くらい時間がある。駅前の郵便局で10000円下ろし、H君に6000円返し、残り4040円。帰りの交通費を計算すると・・・、うん、よし、メシを豪勢に食おう!むしごろうはお腹が減っていたので、闘牛弁当とイチゴタルト、ポンジュースを買って食べ、夕食用にパンを買い込んだ。闘牛弁当の箱(プラスチック製)が今でも家にあるのは内緒である(笑)。

そんなこんなで13:56、松山に向けて宇和島発。松山まで3時間、しつこいようですが、やっぱり寝て起きて寝て起きて・・・zzz・・・、ハッと目が覚めると松山に着いた。17:05である。改札をダッシュで抜け、タクシーを拾う。17:30のフェリーに乗らねば帰れない。ところが、よく赤信号に捕まる。外は雨。夕方なので少し混んでいる。車内は沈黙である。間に合わないのか?二人の間に不安がよぎる。そう思っていると、タクシーの運ちゃんが突然しゃべりだす。松山から足摺岬までタクシーで5時間かかるとか、昔は足をズるほど歩かないと行けなかったから足摺岬というんじゃないかと言っていた客の話とか。少し方言が混じって聞き取りにくいが、これによって車内の空気が軽くなる。そして・・・10分前に三津浜港に着く。むしごろうが料金を払っている間にH君はトランクから急いで荷物を取り出す。そして、雨の中、走る走る走る。フェリーが見えた!やったーと思ったら、フェリーの階段が動いている。「ちょっと待ってくださーい!!」と叫ぶと・・・、あらあら、まだ柳井からのお客さんを降ろす前だった。というわけで、何とか間に合ったわけである。

二人はフェリーに乗り込み、2等の客室で寝る。まじ寝る。







あとがき



 本当は話はまだ続くのですが、むしごろうの自宅近辺の地名が頻繁に出てくるので、ここで終わらせていただきます。長い文章を読んでいただき誠にありがとうございました。また、このお話に対する意見、質問、感想、誤字脱字、おかしい日本語表現などをメールまたは掲示板で受け付けています。何かありましたら、是非お願いします。

さて、余談ですがこの話の結末をかいつまんでお話します。むしごろうが自宅に着いたのは22:37でした。翌日は朝10時くらいから、夜10時過ぎまで息つく暇なく忙しい一日でした。H君とも会う予定でしたが、彼は風邪を引いて寝込んでいたようです。そんな彼は、27日から屋久島へ旅立ちました。H君のおかげでむしごろうの旅(二人の旅)がより一層充実したものになったというのは言うまでもありません。H君、ありがとう。

さらに、どうでもいいことですが、この旅におけるエンゲル係数(出費全体における食費の割合)は20%でした。

本当にどうでもいいことですが、私たち二人がどうやってスパゲッティを食べていたかを説明したいと思います。茹でた後、たっぷりのオリーブオイルで炒め、コンソメ・ケチャップ・味塩コショウで味付けをしました。最後にタバスコとバルメザンチーズをたっぷりかけて食べました。タバスコはやめられないおいしさです。ちなみに当時H君は普段の生活でもスパゲッティが主食でした(笑)。今はどうだか知りませんが。



おしまい



 この文章は、むしごろうの日記および「四国耐久124hの旅~どゆこと、どゆこと、どゆこと?~」(むしごろう著・自費出版)を改編したものです。この文章の内容の全部または一部を無断で複製・転載・上演・放送等をすることは法律で決められた場合を除き著作者の権利侵害になります。予め許諾を求めてください。まあ、営利目的以外だったら、自由に使ってもらって結構です。

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