【2006.10.01追記】
韓国軍のDAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)の関係者は2006年9月27日、3,000トン級の潜水艦3隻(KSS-III)を2018年から建造すると発言した。開発、建造は全て韓国国内で行われる予定で、この事業の総予算は2兆5,000億ウォンにのぼると見込まれている。韓国国防省は2007年度予算にKSS-III型の基礎研究費として62億ウォンを計上している(結局100億ウォンの研究開発費が認められた)。当局は3年程度で基礎研究を終え、2010年代半ばから事業社を指定し建造の本格準備に入るつもりのようだ。以前からKSS-III型は攻撃原潜として計画されているという噂が存在しており、今回通常動力という発言が流れたのは周辺諸国の反発を考慮したものと思われる。新聞の報道によればKSS-III型の潜行時間はソン・ウォンイル級を上回る連続50日間を予定しているという。3,000トン級の通常動力潜水艦を建造する技術を保有している国は世界でも数少なく、いくら韓国がチャン・ボゴ級やソン・ウォンイル級の生産で潜水艦建造技術を手にしたとは言え、大型潜水艦を自主開発する事は至難といえるだろう。
【2006.12.09追記】
現在韓国ではKSS-III型開発計画について様々な発言や憶測が報道されており、国防省が対応に追われている。2006年12月6日、韓国国防省関係者の「3,000トン級潜水艦の開発は難しいため一時延期し、替わりに214型を6隻追加建造する」という発言が報道された。理由はADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)の基礎研究が当初定められた期間内に終わらないと判断されたためで、KSS-III型開発の遅延を穴埋めするために2兆5,000億ウォンで214型6隻を2010年までに追加建造する予定だという。しかしこの報道のすぐ後に国防省は「KSS-III型開発計画は予定通り推進する」と発表し、前出の報道を否定した。KSS-III型は当初2012年から建造を始める計画だったが、大型潜水艦の国産設計技術が未熟なため2018年まで延ばされた経緯がある。報道では独HDW社が技術移転を渋っているために、潜水艦の国内開発が遅れる事態になったのではないかという推測もされており、ドイツに開発遅延の責任を被せる動きもみられるようだ。
【2006.02.21追記】
DAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)は2007年度からKSS-III型潜水艦の開発事業をADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)を中心に進め、2017年度に開発を終えて2018年度から建造に着手する予定だと発表した。設計開発には潜水艦建造のノウハウを積んだ現代重工の特殊船事業部が携わり、フランスやドイツなど国外の企業も関連する可能性がある。KSS-III型は3,000トン級の潜水艦になる予定で、機関は以前噂されていた原子力ではなくディーゼルとAIP(Air Independent Propulsion:大気非依存型推進)によると思われる。