チャン・ボゴ級潜水艦(KSS-I > 209型)


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性能緒元
水中排水量 1,285t
全長 56.0m
全幅 6.2m
主機 ディーゼル・エレクトリック 1軸
  MTU 12V-396se 4基(3,800馬力)
水上速力 11kts
水中速力 22kts
航続距離 7,500nm/9kts
(潜行時) 370nm
最大潜行深度 250m
乗員 33名

【兵装】
対艦ミサイル UGM-84Dハープーン Block1C  
魚雷 SUT mod.2 533mm長魚雷等(14本) 8門
機雷 (魚雷を積まない場合) 28個

【電子兵装】
航海レーダー I-band 1基
兵装管制システム ISUS-83 TFCS  
ソナー CSU-83  

チャン・ボゴ級は韓国海軍初の本格的通常動力潜水艦。韓国はそれまでも潜水艦の整備を熱望しており(効果的な対潜訓練を行うには自前の潜水艦が必要なため)、韓国海軍が1968年に潜水艦の専門家でアメリカ海軍協会のノーマン・ボルマー氏を招致して潜水艦建造に関する協力を得ようとしたが、アメリカ海軍が氏の訪韓を阻止したため結局この時の潜水艦建造計画は実現しなかった。当時のアメリカは韓国が独自の潜水艦を保有する事を全く望んでいなかったようだ。そのため韓国はアメリカではなくドイツから潜水艦を購入しなければならなくなったという。

チャン・ボゴ級は輸出用潜水艦のベストセラーであるドイツのHDW(Howaldtswerke-Deutsche Werft)社製209型(1200)の韓国海軍向けバージョンで、5タイプ(1100~1500)ある209型の中では2番目に小型のクラス。小型で基本的には沿岸防衛用の潜水艦だが、それなりの航洋性を有しておりリムパックに参加した事もある。水上航続距離は9ktsで7,500nmにも及ぶ。船体は単殻構造で、耐圧殻の上に比較的大型の上構を載せたデザインである。最初の6隻の兵装は魚雷と機雷のみだが、第3バッチの3隻(SS-068、069、071)はハープーン対艦ミサイルの発射が可能になっている。実績の高い設計だけに性能は極めて安定しているという。当初の計画では18隻が建造される予定だったが、より高性能の214型の導入が決定したため9隻で打ち切られた。1番艦の「張保皐(チャン・ボゴ)」はHDW社のキール造船所で建造され浮きドックで韓国へ送られたが、2番艦以降は大宇造船海洋の玉浦造船所で建造された。1993年~2001年に同型9隻が竣工した。

朝鮮日報の取材によれば、チャン・ボゴ級には食堂が無く艦長室も僅か0.5坪ほどの広さしかないという。また、航海が40日以上の長期に渡る場合は、艦内の居住区に臨時の寺院や教会が作られる(乗組員のストレスを緩和するためらしい)。韓国海軍の潜水艦乗組員は特別に60万ウォン(約7万7,000円)から80万ウォン(約10万3,000円)の手当てが支給されるが、あまりに厳しい環境のため潜水艦乗り組みを志願した兵の30%は、途中で耐え切れずに他の兵科へ移っていくそうだ。

1999年、グアム島近海で行われた環太平洋合同演習(リムパック)では、2番艦「李阡(イ・チョン)」がドイツ製魚雷SUTたった一発で12,000トンの水上標的艦(米退役巡洋艦オクラホマシティ)を撃沈し、米軍など演習に参加した各国軍関係者を驚かせたと言われる。当時の韓国海軍は実弾魚雷を使用した訓練をほとんど行っていなかったため、オクラホマシティに対する攻撃訓練は貴重な経験になった。また2004年の同演習ではアメリカの原子力空母とイージス艦、日本の護衛艦など35隻の艦艇に40発の仮想魚雷を命中させ、米軍から「幽霊に化かされたようだ」とまで言わせた、と朝鮮日報の記者は語っている。

韓国はインドネシアに対し、チャン・ボゴ級潜水艦2~4隻の売却を提案しているという。これは2006年1月23日にジャカルタで行われた両国の国防相会談で明らかになったもので、1隻あたり3億5,000万~4億ドル、改造費6,000万ドルを韓国側は提示している。インドネシアの現有潜水艦は同じ209型が2隻のみで、これを2024年までに12隻まで増やす計画。この計画には韓国の他にロシアや中国も積極的に売り込みをかけているようだ。またチャン・ボゴ級をライセンス生産した大宇造船海洋は、南米のペルーに対しても209型の輸出を推進している。

1番艦 張保皐(チャン・ボゴ) ROK Chang Bo Go SS-061 1993年就役
2番艦 李阡(イ・チョン) ROK Yi Chon SS-062 1994年就役
3番艦 崔茂宣(チェ・ムソン) ROK Choi Mu Son SS-063 1996年就役
4番艦 朴葳(パク・ウィ) ROK Pak Ui SS-065 1996年就役
5番艦 李従茂(イ・ジョンム) ROK Lee Jong Moo SS-066 1998年就役
6番艦 鄭運(ジョン・ウン) ROK Chong Un SS-067 1998年就役
7番艦 李純信(イ・スンシン) ROK Lee Sun Sin SS-068 1999年就役
8番艦 羅大用(ナ・デヨン) ROK Na Dae Yong SS-069 2000年就役
9番艦 李億祺(イ・オッギ) ROK Lee Okgi SS-071 2001年就役

▼出航するチャン・ボゴ級。整列した乗員と比較すると乾舷はかなり低い
▼リムパック演習で米海軍のニミッツ級原子力空母と併走するチャン・ボゴ級
▼専用施設内に停泊中のチャン・ボゴ級
▼進水式間近のチャン・ボゴ級
▼建造中のチャン・ボゴ級
▼艦内での食事風景

【参考資料】
世界の艦船2009年4月号(海人社)
世界の艦船1994年7月号(海人社)
朝鮮日報
R.O.K joint chiefs of staff
Kojii.net
大紀元


2009-05-09 18:16:23 (Sat)