MM38艦対艦ミサイル「エグゾセ」(韓国)


▼MM40

MM38性能緒元
全長 5.2m
直径 34.8cm(翼幅113.5cm)
重量 666kg
弾頭重量 165kg(HE/徹甲弾頭)
最大速度 マッハ0.93
射程 50km
誘導方式 慣性誘導(中間期)
  アクティブ・レーダー誘導(終末期)

フランスのアエロ・スパシアル社が開発した対艦ミサイル。1982年のフォークランド紛争で、アルゼンチン空軍のシュペル・エタンダール攻撃機が放ったエグゾセにより、イギリス海軍の誇るミサイル駆逐艦シェフィールド(Sheffield)が撃沈されるなど、多くの戦果を挙げ一躍有名になった。1987年のイラン・イラク戦争ではイラク空軍のミラージュF1が発射したエグゾセにより、アメリカ海軍ペリー級フリゲイトのスターク(FFG-31 Stark)が大破している。エグゾセは世界中に輸出され、3000発以上が生産されたといわれる。開発が始まったのは1967年からで、艦上発射型のMM38が1975年に就役した。その後、空中発射型のAM39、潜水艦発射型のSM39、艦上発射改良型のMM40などが実用化された。

エグゾセは中央部に折畳み式の主翼を4枚装備し、後部には同じく4枚のコントロール・フィンを有している。推進は固体燃料ロケット。弾頭は165kgの高性能炸薬で、同級のハープーン対艦ミサイルと比較すると若干少なめ(ハープーンは約220kg)。射程距離もハープーンの200km以上と比べて50km(MM40は65km)と劣る。エグゾセの巡航速度はマッハ0.93で、海面状態にもよるが電波高度計により飛行高度を3mまで下げて海面上を這うようにして目標に接近する。1991年に発表されたMM40Block2では敵の迎撃を回避する運動を取るようプログラムされているという。誘導は中間期は慣性航法により、終末期(目標から10km前後)はモノパルス・アクティブ・レーダー・シーカーで目標を捕捉する。

韓国海軍ではポーハン級コルベットの最初の4隻(PCC-756~759)にMM38の単装発射筒2基を装備したが、その後の艦はハープーンを搭載している。チャムスリ型戦闘艇(PKM/キロギ型)にも271、272号の2隻にだけMM38の単装発射筒2基が装備された。韓国海軍は既にエグゾセを全て退役させたと思われる。

【参考資料】
世界の艦船(海人社)
艦載兵器ハンドブック改訂第2版(海人社)
Military Analysis Network(Federation of American Sientists)


2010-08-06 03:22:29 (Fri)

最終更新:2010年08月06日 03:22
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