MILES(多目的レーザー交戦訓練システム)


▼MILESを装備して訓練を行う兵士たち。K2ライフルにはレーザー発信器が、ヘルメットや戦闘服には受信機が付けられている。

MILES(Multiple Integrated Laser Engagement System:多目的レーザー交戦訓練システム)は韓国陸軍が採用している訓練器材で、陸上自衛隊が使用している交戦用訓練システム「バトラー(通称)」によく似ており、ライフルやミサイル発射器などの発射口にレーザー発信器を、また兵士の身体や装甲車の車体にレーザー受信機を取り付ける事で、リアルタイムに仮想戦闘状況を作り出せるシステムだ。国防省は1999年から約3,000億ウォンを投じてこのシステムの整備を行なってきた。

2007年5月18日、韓国警察庁はMILES事業に不正があったとして関連業者の家宅捜査を行なった。また陸軍兵器システム開発軍団に所属する准将と大佐に戒告処分を下した。警察庁によればこの准将と大佐は、特定の事業者が落札しやすいように性能要求を引き下げ、開発期限の遅れも容認したという。

また2007年10月の国政監査院の報告によれば、MILESは欠陥だらけの問題品だという。例えば曲線を描いて飛ぶはずのグレネード弾が、レーザーを使用するMILESでは直線の射線でしか運用できないため、全く訓練の体を成していない。またライフルから発射されたレーザーは一度に複数人を「ヒット判定」するほど精度が低い。この問題は既に2000年の時点で判明していたが、陸軍が130億ウォンの改修費を開発会社に支払ったにも関わらず、この問題は放置されたままだったという。

【参考資料】
朝鮮日報
PowerCorea


2007-10-28 23:16:18 (Sun)

最終更新:2007年10月28日 23:16
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