KN-02短距離弾道ミサイル


▼2007年4月25日の朝鮮人民軍創設75周年の軍事パレードに登場したKN-02

KN-02は旧ソ連製の弾道ミサイル9K79「トーチカ」(NATOコード:SS-21 Scarab/スカラベ)を、北朝鮮が独自に改良した地上発射型短距離弾道ミサイル。KN-02は、2007年4月25日の朝鮮人民軍創設75周年の軍事パレードで初めて一般に公開された。

1983年にシリアはソ連から9K79を導入したが、北朝鮮は1996年頃に専門家をシリアへ派遣しデータを入手したという。2004年4月の最初の発射テストは失敗したが、2005年に5発、2006年にも3発と発射テストを続け、2007年6月28日に日本海に行ったKN-02 3発の試射は成功した。今後北朝鮮は旧式化したFROGシリーズの代替として、KN-02の実戦配備を進めるだろう。射程距離は100~120km(資料によっては140km)で、CEP(Circular Error Probability:半数必中界)は160m程度と推測されており、スカッドシリーズよりも命中精度は高い。またKN-02は固体燃料を使用した1段ロケットであるため、液体燃料を使用するスカッドが発射準備に30分以上かかっていたのと比べ、極めて短時間(約5分)で発射体制に入る事が出来る。弾頭重量は500kgで化学弾頭の搭載も可能だろう。2007年10月にハンナラ党の金議員は「韓国軍にNK-02を迎撃できる兵器は無く、お手上げの状態だ」と語り、緊急の対策が必要である事を指摘した。

▼【参考】旧ソ連の9K79「トーチカ」弾道ミサイル(NATOコード:SS-21 Scarab/スカラベ)

【参考資料】
朝鮮日報
連合ニュース
Grobal Security
Kojii.net
Defense News


2009-07-04 23:18:01 (Sat)

最終更新:2009年07月04日 23:18
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