「玄武III」地対地巡航ミサイル


韓国紙の記事によれば、韓国陸軍は射程距離500kmの地対地巡航ミサイル「玄武IIIA」、射程距離1,000kmの「玄武IIIB」を既に1~2年前から実戦配備しており、射程距離が1,500kmにも及ぶ「玄武IIIC」の開発も最終段階にあるという。玄武Ⅲは巡航ミサイルであり弾頭重量も500kgを超えないため、アメリカとの間で結ばれた覚書の制限を受けないと韓国政府は主張している。また韓国は2007年度の国防予算に玄武の性能改良事業として1,627億ウォンを計上しているが、これが玄武ⅢAの開発を指しているのかどうかは不明。また艦載用の「天龍」、航空機用の「若鷹」という巡航ミサイルも開発中、若しくは既に実戦配備されており、これ等のミサイルは「玄武III」シリーズを改修したものと思われる。なお「玄武III」はナイキ・ハーキュリーズを改良した地対地ミサイル「玄武」及び「玄武II」と名称が同じだが、巡航ミサイルそのものは新規に開発した全く別物である。

【2007.10.28追記】
韓国軍消息筋が2007年10月23日に連合ニュースに語ったとされる内容によると、陸軍ミサイル司令部は既に射程距離1,000km以上の巡航ミサイルを保有しているという。但し実戦配備されているかどうかについては不明。このミサイルは以前から配備されている「玄武」の改良型で、INS(Inertial Navigation System:慣性航法装置)の他にミサイルの赤外線カメラで捉えた映像と事前に入力した地形データを照合して現在位置を確認する地形映像照合装置を備えているという。またミサイル司令部の司令官は10月22日の国会国防委員会の国政監査の場で、「我が国が保有する巡航ミサイルの燃料は液体か固体か」という質問に対し、「液体燃料である」と答えた。しかしこの後ミサイル司令部側は「司令官の答弁は海外の事例を挙げただけであり、現在ミサイル司令部は巡航ミサイルを保有していない」と上記について否定するコメントを出した。以前から韓国陸軍は「玄武III」と呼ばれる巡航ミサイルの存在が噂されており、また海軍には「天龍」と呼ばれる巡航ミサイルが配備されているという。

【2007.10.30追記】
韓国連合ニュースによれば、金星坤国防委員長が国政監査の場において「ADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)の予算に巡航ミサイル関連のものが組み込まれている」と発言し、韓国で巡航ミサイルが開発中である事を示唆した。

【参考資料】
朝鮮日報
連合ニュース
PowerCorea
North Korea Today



2007-11-17 16:16:41 (Sat)

最終更新:2007年11月17日 16:16