IL-28爆撃機(ビーグル? > 轟炸5? > H-5? > B-5)(北朝鮮)


▼編隊で飛行する北朝鮮のIl-28(H-5)

H-5性能緒元
自重 12.890kg
全長 16.768m
全幅 21.45m
全高 6.20m
エンジン 渦噴5(WP-5) 2,700kg ×2
最大速度 750km/h
海面上昇率 900m/min
航続距離 2,400km
上昇限度 12,500m
武装 NR-23 23mm機関砲×2
  自由落下爆弾3トン
乗員 3名

IL-28(NATOコード:Bergle/ビーグル)は1947年12月に旧ソ連(ロシア)のイリューシン設計局が開発を開始した中型ジェット爆撃機。1949年末からソ連空軍に配備され始め、ソ連以外にも北朝鮮を含む21ヶ国に輸出された。また中国は1963年からハルビン航空機生産株式会社(HAMC)でIl-28のライセンス生産を行い、H-5(轟炸5)として配備した。

IL-28は直線の前縁と前進角の付いた後縁を持つテーパー型の主翼で、その内側3分の1付近にエンジン・ポッドを装備している。尾翼は水平尾翼、垂直尾翼ともに35゜の後退角を有し、水平尾翼はエンジン排気を避ける高さに取り付けられている。エンジンは当初ロールスロイス・ニーンのソ連生産型であるRD-45を装備し、本機の実用化とともに発展型であるVK-1Aに変更された(このエンジンは中国でも渦噴5としてライセンス生産された)。爆弾兵装類は胴体内の爆弾倉に搭載し標準爆弾搭載量は1トンだったが、爆弾倉には余裕があったことから航続距離の低下を忍べば最大3トンまで搭載できる。巡航ミサイルや空対地ミサイルなどは搭載できないが、自由落下型の核爆弾は搭載できる。爆弾倉扉直前の胴体下面には航法及び爆撃レーダー収納部の張り出しがついている。固定武装としては胴体尾部に銃座が設けられており、NR-23 23mm機関砲2門をIL-K6ターレットに装備している。また一部には機首部に前方向け23mm機関砲1門を装備している機体もあるようだ。乗員は3名でパイロットが胴体上面に張り出したキャノピー内の操縦席に座り、航法/爆撃手が機首のガラス張りされた部分に搭乗する。もう1名は尾部銃手で通信員も兼務している。尾部銃座は極めて堅固に装甲が施されており、その装甲材だけで450kg以上の重量にもなるという。

北朝鮮は1953~1954年にソ連から35機のIl-28を購入し、その後中国からもH-5を44機を購入したという。北朝鮮空軍が保有する一部のIl-28(H-5)は偵察機型に改造されているものと思われる。Il-28(H-5)は3個爆撃機連隊に配備されており、一部のIl-28(H-5)は苔灘(Tae-tan/テタン)に前進配備され、発進後僅か十数分でソウル上空に到達できるという。1983年に1機のH-5が北方境界線を越えて韓国領空を侵犯、白翎島付近まで南下し同島にあるレーダーサイトへの攻撃姿勢を見せた。

▼中国国境に近い北朝鮮・新義州基地に駐機するIl-28/H-5

▼【参考】中国空軍のH-5(Il-28)

【参考資料】
北朝鮮軍の全貌(清水惇/光人社)
Jウイング特別編集 戦闘機年鑑2005-2006(青木謙知/イカロス出版)
Chinese Defence Today
Grobal Security
PowerCorea


2008-01-13 23:49:51 (Sun)

最終更新:2008年01月13日 23:49