機関銃(韓国)


次期重機関銃開発計画


韓国国防省は2009年度予算案に、次期重機関銃の研究・開発費を盛り込んだと発表した。恐らく現用のK6の後継と思われるが、詳細は不明。



K6 12.7mm重機関銃


性能緒元
重量 37.0kg(三脚架を含む)
全長 1,654mm
口径 12.7mmNATO(M33)
銃身長 1,143mm(6条右回り)
作動方式 ショートリコイル
発射速度 750~850r/m
銃口初速 860m/s
最大射程距離 7,000m
有効射程距離 2,400m

K6重機関銃はアメリカのM2重機関銃の韓国版コピーである。韓国軍は創設当時からM2を使用しており、ベトナム戦争時には大量にアメリカから供与され、また韓国国内でもライセンス生産されてアジア最大のM2保有国となった。しかし1980年代になると耐用年数が切れはじめたM2の代替が必要になり、新規に生産が始まったK1戦車やK200装甲車用の重機関銃も調達する必要があったため、統一重工業がM2QCB(Quick Changeable Barrel)モデルをベースに新たな重機関銃を国内開発する事になった。1986年から始まったM2の改良作業は僅か1年で終了し、こうして作られた重機関銃はK6の制式名が与えられ、1989年から韓国軍への配備が始まった。

K6の構造はM2とほとんど同じだが、違うのはバレルが改良されてキャリング・ハンドルが取り付けられた事だ。これによりバレルの交換がM2より容易になり、耐久性も高まったという。構造が変わらないためK6とM2はほぼ全ての部品に互換性があり、極端にいうとバレルと幾つかの部品をK6用のものに交換するだけでM2はK6へと変身する。実際、部隊では整備する機会を利用して、既存のM2をK6へと改修しているようだ。このようにほぼ同じ銃といえるK6とM2だから当然性能も同じで、給弾口の左右切替や連発・単発射撃の選択などの機能も同じである。使用する弾丸が韓国国内の豊山工業で生産されており、KM33徹甲焼夷曳光弾、KM20曳光弾、KM17徹甲弾、KM2徹甲焼夷弾などがある。



M2 12.7mm重機関銃

▼手前がM2、奥はK6。ほとんど違いが無い事が分かる。

性能緒元
重量 38.0kg(三脚架を含まず)
全長 1,650mm
口径 12.7mmNATO(M33)
銃身長 1,143mm(8条右回り)
作動方式 ショートリコイル
発射速度 400~600r/m(M2HB)
銃口初速 887.1m/s
最大射程距離 7,000m
有効射程距離 700~1,000m

米コルト社のジョン・ブローニングが開発した傑作機関銃。1933年に米軍に制式採用されて以来、地上部隊用のみに留まらず、車載、艦載、戦闘機などの主要武器としても採用され、70年以上に渡って現在まで使用され続けている。米軍はもちろん、西側各国の軍隊で標準的重機関銃として採用されている。


K3 5.56mm分隊支援火器

▼K2ライフル用の30連マガジンを装備したK3

性能緒元
重量 6.85kg
全長 1,030mm
銃身長 533mm(6条右回り)
作動方式 ガス直圧式オープンボルト
発射速度 85r/min(平射・バレル交換無)
  200r/min(急射・2分毎にバレル交換)
  850r/min(連射・1分毎にバレル交換)
最大射程距離 3,600m
有効射程距離 600m(点射撃)
  1,000m(面制圧)

アメリカ軍がM249 SAW(MINIMI)を使用し始めた事を受けて、韓国軍は自軍にも同様の分隊支援火器を配備する計画を立てた。早急な配備を望んだ韓国は自国での開発を断念し(アメリカが国内開発に反対し圧力を掛けたとの説もある)、M249を生産しているベルギーのFN(ファブリック・ナショナル)社に開発を依頼した。FN社はM249をベースにK2アサルト・ライフルとの互換性も考慮して開発を進め、K3を完成させた。K3は当初FN社で生産され韓国へ輸入されていたが、現在は大宇精密工業(現S&T大宇)が国内で生産している。韓国軍は1990年から古いM60を置き換える形でK3の配備を始め、現在はほぼ全ての部隊に行き渡っている。2007年7月、韓国はフィリピンにK3機関銃6,540挺を176億ウォンで輸出する事を決定した。

K3とM249の違いは幾つかある。ハンドガードはM249より角張っており、レシーバー部はM249が後面が後方に傾いているがK3では前面が傾いている。またトリガー・メカニズム部とグリップ、バットストックはK2と同じものが使用されている。その他の部分はM249と同じで、部品の互換性もあるようだ。しかしK3の初期生産型はM249より故障率が高いと言われて問題になり、その後改良が加えられた。これはマガジンの給弾不良とボルトキャリアー部のレールに問題があったためだという。



M60 7.62mm機関銃


性能緒元
重量 10.5kg
全長 1,067mm
口径 7.62×51mmNATO
銃身長 560mm
作動方式 ガス直圧式オープンボルト
発射速度 550r/m
銃口初速 853m/s
有効射程距離 700~1,500m

米サコー・ディフェンス社が1957年に開発した汎用機関銃。米軍を始めとする各国に採用され、分隊用支援火器としてベトナム戦争を初め多くの実戦で使用された。現在米軍はM60の後継としてM240を配備しており、M60は使用されていない。韓国軍でもK3を分隊支援火器として配備したため、M60は予備役部隊用の第2線兵器として保管されているか、ヘリコプター搭載用機関銃としてしか使用されていない。


【参考資料】
コンバットマガジン(株ワールドフォトプレス)


2009-05-10 16:04:38 (Sun)

最終更新:2009年05月10日 16:04