かつて、戦争がありました。
 遺伝子操作を受けて生まれたコーディネーターと、自然に生まれたナチュラルとの
間の抗争に端を発した戦争は、世界中の国々を巻き込み、休戦を挟みながら、ようやく
5年前に、オーブ首長国連邦主導の元に、終結しました。
 オーブの代表、カガリ・ユラ・アスハ様は、史上初の統一地球圏連合政府の主席に
なり、弟のキラ様、キラ様の奥方でカガリ様の親友でもあるラクス・クライン様と、
世界をお治めになり、人類史上初の恒久平和を完成させたのでした。
 今の世の中に不満を持つ人は殆どいません。
 皆、にこやかに笑いながら過ごしています。
 ちょっとムシャクシャしても、ラクス様の歌声を聞けば、幸せな気分になれます。
 ときどき、街中で「この世界はおかしい!!」と叫ぶ人を見かけますが、すぐにSPの
方が連れ去って行きます。
 何でも、精神を患った可哀相な人なんだそうです。
 世界は平和でした。
 カガリ様の統治の下、人々は皆幸せでした。

その日は孤児院の食料の買出しのためにアンナ先生と町に出かけたました
食料の買出しが終わり、孤児院に帰ろうと町の中央の噴水付近を通りがかった時でした
「みんな騙されている何故それがわからないんだ!!!」
唐突に噴水のところにいた老人が叫びました。
一瞬その声に歩みを止めた人達も、またかという顔でそのまま歩み去っていきます。 
私と先生も同じく歩み去ろうとした時でした。
「何故誰もラクスやアスハの言う事を疑いもしない!! 5年前に戦争を起こしたのは奴等だというのに!!」
その老人の声が再度響いたのは。
「え!?」私は思わず歩みをとめ老人を凝視しました。 
5年前の戦争・・・それは私の両親と家族を奪った戦争
…(コノヒトハナニヲイッテイルノ?)

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