その5

楽しいときって、楽しいから、みんな寄ってくるんだ。だから、そこには何の深みもない。
単純に楽しいことを共有したいと思ってる連中が集まってきて、その楽しい雰囲気が好きなヤツらを、みんなで友達って呼び合う。
けど、自分にとって一番の真価を問われるのはどういうときか。
それは一番苦しいときに、どれだけ自分の周りに仲間がいてくれるかってこと。
そのときに自分の周りにいる連中は"友達"ってカテゴリーではなく本当の"仲間"になれるんだ。
いつも言うのは、どれだけ逆境で、どれだけ苦しいことやつらいことがあっても、
それは"仲間"と"友達"を分ける、いいチャンスだと思うべきなんだ。
こういうときにそばにいてくれるのは、こいつらだったのか?って思える。
うまくいってるときって、誰が本当の仲間か分からない。
けど本当にうまくいってないときや、本当に苦しいときに、そばで一生懸命やってくれるのは、
一生涯の仲間になれる可能性があるヤツなんだ。そこにいてくれる人たちはね、損得勘定じゃない。


これは、私の尊敬するGACKTが本の中で言ってた言葉。
ファンデッキCGIとして通常運営してた頃、私はルールを守らなかったりグレーだったりする人に対して、
厳しすぎるのではないか?と思われるくらい、厳しめに対応してきた。
それはひとえに、自分と利用者が培ってきたいわば「楽しい度」(胡乱な言葉だ)を減らしたくなかったから。
ここを利用してくれる人達は、この場の「楽しい度」がその人の中で高いから、利用してくれているわけだ。
だから今いる人達の「楽しい度」を絶対に減らしたくなくて、私は環境とプレイヤーの現状維持という事を最優先にした。

楽しいからそこに集まる。それは"友達"の集まり方で、間違った集まり方では全くない。
ネット上の、数あるCGIの中のたかが1サイトなわけで……楽しくなければ、他へ行けばいい。
その当然の考え方に、常に怯えて、恐怖しながらやってきたのがこの1年半だと思う。

毎日デュエル場を見続けて、ある人の姿を長い事見かけなくなったら、どうしたんだろう?ここが楽しくなくなってしまったんだろうか?
って不安になって、自分の方針や言動に間違いがあっただろうか?なんていちいち考えたりする。
「たかが1サイト」に顔を出さなくなるのなんて、ちょっとしたきっかけ、いやきっかけなんてなく何となく行かなくなったってそれで十分な理由なんだけど、
でも本当に「楽しい度」が高ければそれはあんまり起こらないはずって、それで皆がもっと楽しくなれる場を作るにはどうしたらいいだろう?って考え続けた。


考えて考えて、いろいろな事を実行していく中で、有難い事に常連と言える定着したメンバーが何人も出てきてくれて、
そういう中で迎えたのが第二回咲夜大会だった。

これが最後の大イベントだと始める前から心に決めて挑んだけど、これが予想以上に大変だった。
段取り・進行、全員分のデッキチェックにメール返信、表図やhtmlの作成に抽選会、そして本番……
何よりその中で、自分のポカが原因で、ここを快く思わない外部の人間につけいる隙を与えてしまったこと。
安心しきっていて、慣れすぎていたんだね。周りが「友達」だけだという環境に。

だから結構打ちのめされたし、自分以上に利用者のメンバーに対して申し訳なかった。
それは自分が最も恐れる、場の「楽しい度」の減少に他ならなかったから。あの頃、空気も悪くなっちゃったよね? 
自分とみんなで築いてきた物が、こんなにあっさり崩れちゃうんだって思うと惨めで悲しかったし、投げ出してしまえと思いたくなる事すらあった。
連日の作業による疲れもピークだった頃なんで、とにかく本当に参っていた。もう勘弁してくれよって。


でもそんな中、メッセンジャーで、メールで、掲示板で、私はいつでも味方だぞって、そう言って応援してくれる人がいっぱいいた。
そこでようやく気付いたんだね。まさに最初のGACKTの言葉だよ。本当に苦しい時にあって、初めて分かった。
楽しい度が減ったからって去っていってしまう"友達"じゃなくて、辛い時こそ助けてくれる"仲間"がいっぱいいたって。
この1年半の触れ合いを通して、そうした"仲間"を得られていたっていうこと。

その仲間みんなに支えてもらわなかったら、あの大会はひょっとしたらうまくいかないまま終わってたかもしれない。
この仲間達に恥じないよう、精一杯頑張らなきゃ。って思いがあったからこそ、最後までやり遂げる事が出来たし、
閉会の書き込みをして、皆のコメントが次々書き込まれるのを見てたら、涙が出て止まらなかった。

1年半、毎日毎日実装カードやバグ取り、運営方針、なんだかんだ考えまくって、命懸けてやってきたこと。
ただのデュエルツールじゃない、デュエル・コミュニケーションの場としてやってきたこと。
それは決して間違ってなかったって、ようやく思えたんだ。

だから皆には、今でもどんなに感謝してもし足りない。
自分の全力投球に、全力で応えてくれる皆がいたから、ここを続けてきた意味は確かにあった。
楽しい度が減っても、この場所が無くなろうとしても、最後まで"仲間"でいてくれようとする皆。本当にありがとう!!

では、よいお年を!