《幻獣神バハムート》

条件召喚モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻 2800/守 2000
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に「幻獣」と名のついたモンスターが7体以上存在する場合のみ特殊召喚できる。
ライフポイントを1000払い、自分の墓地に存在する「幻獣」と名のついたモンスター3体をゲームから除外する事で、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
「幻獣神バハムート」はフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

墓地に7体の幻獣が存在するときに召喚できる幻獣のフィニッシャー。ライフ・墓地リソース・攻撃権を消費して発動する全体除去効果を持つ。

《幻獣召喚師 リディア》によるサーチに対応している点はフィニッシャーとしてはかなり大きな強みであり、召喚条件さえ満たせればそのまま召喚に繋げられる展開が多い。
また召喚自体には一切コストが無いため効果さえ使わなければ、《幻獣召喚師 リディア》や《死者転生》《石油採掘》から即座に後続・復帰に繋げられる。
さらに、手札に戻ってもすぐにまた召喚できるため、《強制脱出装置》は実質《亜空間物質転送装置》となり、《巨竜の羽ばたき》は専用の《大嵐》となるため非常に便利である。
特に《巨竜の羽ばたき》は《大嵐》が禁止の現在、魔法・罠を全体破壊できる貴重なカードであるため、非常に強力であるといえる。
このカードの起動効果と合わせればほぼ全体破壊に近い効果を得られるのである。
しかし肝心の召喚条件が恐ろしく重い。除外のない幻獣版《究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン》といった具合だが、闇属性と幻獣の比べるのすら虚しくなるカードプールの差から難易度は段違いである。
軽快に墓地に幻獣を溜め込んでいたつもりでも足りないことが多々あるのでこのカードを運用する場合はこまめな墓地確認と計画的な立ち回りが求められる。

除去効果はハンドアドバンテージにこそ響かないがライフ・墓地・攻撃権を一斉に失うため総合的には決して軽いコストではない。
一応ハンドアドバンテージを消費せずに《ライトニング・ボルテックス》が使えるということは相手のモンスターの数がそのままアドに繋がるということなので全く使い道がないわけではない。

厳しい召喚条件を満たしたにしてはステータスが若干心許ないが、これに関しては実際にフィールドに出れば《幻獣クロスウィング》の存在で大分改善されるためそれほど気にする必要はない。
《幻獣クロスウィング》が墓地に3体存在するときに召喚出来れば攻撃力3700と、ノーコストで召喚できるモンスターとしては破格の攻撃力になる。3体は厳しくても1体でもいれば3000ラインを超えるため《幻獣サンダーペガス》の補助も手伝って戦闘では抜群の強さを誇る。また戦闘で叶わない相手が現れても除去効果で吹き飛ばせる。
なんだかんだで専用条件召喚モンスターに見合うだけの性能は持っていると言えるだろう。それにしても少々重すぎる嫌いはあるが。

墓地肥やしとの相性の良い【幻獣】だが肝心の墓地を肥やすカードが存在しないためそれを別ギミックで如何にして補っていくかが重要となる。
一切効果耐性を持たない戦闘向きのカードなので墓地肥やしと魔法・罠除去をまとめて行ってくれる《ライトロード・マジシャン ライラ》とは好相性。その他にもライトロードは単体性能の高さに加え属性も幻獣とマッチするので面白い組み合わせである。スペース的に構築難易度は高めだが完成すれば《裁きの龍》へと化ける可能性も秘めている。
その性質からモンスターが多くなりがちなので、いっそのこと魔法・罠は完全に捨てて《魔導雑貨商人》にすべてを託してしまうのも一興。高速で幻獣7体を落とし後は《死者転生》《創世の預言者》でバハムートを徹底的に使い回していく。更に隙あらば《神聖なる魂》《カオス・ソーサラー》《ゾンビキャリア》をシンクロさせ《スターダスト・ドラゴン》を出せればかなり磐石と言えるだろう。この構築の場合うまく行けば一瞬で条件が満たせるためバハムート特化構築にでき、型にはまった時の爆発力は凄まじいが、条件を満たすまでの立ち回りは通常の構築に輪を掛けて苦しくなる。



  • 原作において―
ファイナルファンタジーシリーズに登場する召喚獣。役割や扱いは様々だが形を変えてFF2を除く全てのナンバリングタイトルに出演している。
由来は旧約聖書に登場する怪物ベヒんもスの表記の一種。ドラゴンとしてのバハムートはD&D(ダンジョンズドラゴンズ)からのイメージであり、それを擬えたファイナルファンタジーの大ヒットによって日本では大きく普及することになる。

FF3以降は召喚獣として使用可能になる。以降も入れ替わりの激しい召喚獣枠の中で安定した出演率と強さを持つため代表的な召喚獣として扱われる。
召喚獣としての強さは安定したものを持つが、システムによっては召喚魔法そのものが使い物にならなかったりするので有用性に関しては作品毎にまちまち。傾向としては味方の火力及び敵HPがインフレを起こしている作品ではあまり活躍できないことが多く、逆に最大火力がそこまで大きくない作品では高威力の無属性全体攻撃として作中有数の大技の一つに数えられる。

  • 各作品のバハムート
+ FF1
ドラゴンの洞窟を治める竜の王。試練の城にある勇気を証明するアイテムであるネズミのしっぽを見せることで主人公たちをクラスチェンジさせてくれる。
クラスチェンジ後のジョブ名は彼が考えてるのかと思うと一部の謎ネーミングももしかしたら納得出来るかもしれない。

今作ではチョイ役(別にあわなくてもクリア可能)だが、高い知能を持ち人語を介するなどの後に引き継がれるキャラクター設定も多い。


+ FF3
今作から召喚獣としてのバハムートの立ち位置が確立された。

作中では序盤に勝てない敵として一度遭遇、その後終盤に入ってから再び戦えるようになり打ち倒せれば召喚獣としてバハムル名義で従えることが出来るようになる。

FF3の召喚魔法のシステムに従いバハムートにも白バハムル・合体バハムルが存在する。
白バハムルは味方全体の攻撃回数をアップさせるオーラ、合体時ではバハムートの代名詞「メガフレア」の初登場となる。サポート・全体攻撃と用途は違うがどちらも強力で特にメガフレアはメテオ・ホーリーが残念なFF3における賢者のメインウェポンとなる。

しかしDS版では主な使用者である賢者の弱体化と同時に出現する敵の数の上限がかなり少なくなったことで需要が激減してしまった(賢者では扱いきれなくなっただけで「魔界幻士を使うなら」悪くない性能)。


+ FF4
幻獣神の肩書きを持つバハムートは本作のもの。リディアが幻獣王リヴァイアサンを習得していると戦闘することができ撃破することで使用可能になる。

本作最強の召喚獣であり全作通しても屈指の強バハムート。威力・習得時期の早さでリディアのメインウェポンとしてシナリオ上最強魔法扱いのメテオ・幻獣王リヴァイアサンを完全に食っている。
抜け道要素の少なく正攻法での火力もあまり高くないFF4においては純粋に単発火力の高いメガフレアは本作最高の攻撃手段の一つ。また威力に反してやたら燃費が良くリヴァイアサンと10しか消費MPが変わらない点も優秀。
習得可能時期がほぼ同時なので本作のリヴァイアサンは半ばバハムートの前座扱いなのだが、後に前座王街道を爆進するバハムートを思うと今作でのはしゃぎっぷりが途端に哀れに見えてくる。

DS版では威力・消費MP・演出がえらいことになってロマン技へと変貌。ダメージ限界突破をつければ火力を持て余す心配はないが殺るか殺られるかのDSFF4では詠唱時間の長さが少々気になるところ。

続編のTHE AFTER-月の帰還-では始まる前から謎の少女マイナスに操られるという大失態を犯す。
そして本編開始直後前作主人公であるセシルをタイマンで打ち破り世界最強のパラディンと世界最大の軍事国家バロンを敵の手中に収めさせるという最悪の貢献をしてしまった。
その後奪われた幻獣たちが続々と自分を取り戻しパーティーの力となってくれる中、よっぽど少女が気に入ったのか最後の最後まで敵方にいいように使われる。終章も粗方片付いたころになってマイナスのリフレクをぶち破るメガフレアというかっこいい展開と共にようやく使用可能になるがそのころには試し撃ちの相手がラスボスくらいしか残っていない。
性能自体は依然としてリディアの主砲としてつかっていけるだけのものを持っているだけにせめて終章のボスラッシュ前くらいには習得しておきたかったところである。


+ FF5
ピラミッドにある第一の石版と共に封印されていた竜王。かつて伝説の12の武器の勇者たちと共にエヌオーを討ち倒す力となったようだ。

ピラミッド攻略後に北の山に現れやはり撃破することで使用解禁される。
単体火力では一部自重してない性能のアビリティに食われがちだが数の多い雑魚戦や対ネクロフォビア・ネオエクスデス戦などで真価を発揮する…金を気にするなら…。

だが属性攻撃を強化するウィザードロッドを装備するとシルドラが異常なコストパフォーマンスを発揮するようになるので少々影が薄い。威力ではギリギリこちらが勝っており無属性の強みもあるのでなんとか最強召喚獣としての体は成している。…もしウィザードロッドに水属性強化がついていたらと思うと空恐ろしい。

また余談となるが本作ではバハムートと全く関係ないところでギガフレアが初登場していたりする。


+ FF6
没落の始まり。
サマサでの封魔壁イベントで少し映ったと思いきやなぜか崩壊後の世界でデスゲイズに食われていた。幻獣狩りを逃げ切ったと考えればまだ格好はつくが魔石化してるので残念ながらそんなこともなく普通にやられてなぜかデスゲイズの手(口)に渡ったのだろう。

これまで散々竜王・幻獣神などと崇められてきたのに突然ありえないくらい扱いが悪くなった。セリフ一つない。
実は今作でも「幻獣の中では」ジハードに次ぐ威力を持っており、ジハードがパーティーアタックのデメリット持ちであることを考えると実質的には最強召喚獣の座は死守していると言える。だがそもそもFF6では幻獣全般がゴミみたいな威力しかないので全く使われない。パーティーに幻獣の血を引いた者がいるのであまり強くしすぎるわけにもいかないという調整なのだろうが、それならもっと調整して欲しいものがたくさんあるのだが…。

没落の始まりと評したが一作にしてすでに落ちるとこまで落ちてしまった感がある。


+ FF7
何を血迷ったのかバハムートの後ろに改だの零式だのつけた類似品が登場。上位メガフレアの○○フレアネタも今作から。
そもそも旧約聖書出典のバハムートに改だの零式だのをくっつけるという発想が凄まじい。
以降もFF7派生作品では震・烈などの独自の展開を続けておりどんどん胡散臭くなっている。

こうした末期のアイドルユニットのような形振り構わない立ち回りも虚しく本作では問答無用の最強召喚獣ナイツ・オブ・ラウンドが登場したため言い訳の余地のない完全敗北を喫することになった。

それでもバハムート系列を使うのであれば威力では零式が一番だがリアル時間効率的に改をオススメする。


+ FF8
空気・謎テコ入れと2作続けてやらかしてさすがにまずいと思ったのかFF9に先立って原点回帰した結果、尊大・メガフレア・G.F.を統べる王と今作ではとても基本に忠実なバハムートである。
しかし彼の入手は最強のG.F.エデンの入手フラグの条件となっており、かつて自分がリヴァイアサンにやったことをそっくりそのまま返されることになった。

だがFF8におけるG.F.(従来の召喚獣)の価値は威力などでは決まらない。大切なのは習得出来るアビリティである。
しかしエデンはチートアビリティ「G.F.能力薬精製」によって殆どすべてのアビリティを覚えてしまえるためバハムートに限らず半分以上のG.F.の存在意義を奪いとってしまう。むしろバハムートは唯一の「アビリティ×4」やDisk3から使用可能な「オートプロテス」などで頑張って差別化してる方である。

とはいえ「G.F.能力薬精製」「たべる」は相応の知識を要求されるやりこみ前提のアビリティという向きがあるのでそれらを使った稼ぎが面倒なものにとってはバハムートの使いやすいアビリティ陣は非常に魅力的である。
結論としては通常プレイ最強はバハムート、ガチプレイ最強はエデン(又はケツァクウァトル)といったところか。


+ FF9
元々ヒロインであるガーネット(ダガー)が所持していた召喚獣だがとあるイベントで他の召喚獣諸共奪われる。
その後いくつものムービーシーンが用意され圧倒的な破壊力を見せつけるも、対召喚獣最終兵器のインビンシブル・イベント用最強召喚獣の守護神アレクサンダーなど相手に恵まれず戦績はイマイチ振るわない。とはいえこれらに対するかませ犬として白羽の矢が立つだけの実力があるということは喜んでいい…のだろうか…。

召喚魔法としてはFF9のシステム的に当然だが戦闘の必要はなくアクセサリ「ガーネット」によってダガーが習得可能。戦闘が絡まない点で威厳が損なわれたという見方もあるが普通に進めていればガーネットはダガーの成長イベントというかなり美味しい場面で手に入るアイテムなので他と比べて優遇はされている。
性能としてはエーコと白魔道士ポジションを二分した上戦闘面の美味しい部分を持ってかれた結果、器用貧乏を地で行くダガーのアビリティの中では珍しく普通に強力なアビリティである。
だがやはりというかなんというか今作でも新入りのアークに最強の座を奪われている。大分永遠の二番手ポジションが板について来ている。
とはいえアークは耐性持ちも多い闇属性攻撃であり、その上演出が致命的に長いためダガーのメインウェポンには安定した無属性攻撃のバハムートが使われることが多い。


+ FF10
エボン教総本山、聖ベベル宮で習得可能な召喚獣。
がっちりとした体系で仁王立ちや背中にかついだ二つのファンのようなものなど、ロボット物のような意匠が特徴的な新生バハムート。攻撃もインパルス。

やり込むとラスボスがカス以下の以下になったりする火力インフレ作品のFF10だが、召喚獣がメインストーリーに関わってくるということもあってか、普通にストーリー攻略で手に入る唯一のダメージ限界突破手段など微妙な優遇をされている。
育てた場合もかなり強力な召喚獣で、姿こそ変わり果てたが少しずつ嘗ての威厳を取り戻してきている。


+ FF11
威厳を取り戻しすぎた結果召喚獣として使えなくなった。何もFF1までいかなくても…。

とはいえ普通に重要キャラとして登場し、世界を滅ぼすほどの力を持つことも示唆されているのでどちかと言えば特別扱いというのが実際のところだろう。


+ FF12
そして今度は戦艦になった。ラグナロクという前例もあるしイヴァリース初期の世界での召喚獣は従来のナンバリングタイトルのものとは別物なので仕方ないといえば仕方ないのだが、徐々に取り戻しつつあった威厳が崩れ去った瞬間である。

一応設定上は竜としてのバハムートも存在しており空中要塞バハムートはその偉大な竜王から取られた名前なのだがあまりに唐突な最終決戦への流れもあってプレイヤーは正直ついていけない。


+ DFF
カオスとコスモスの戦いが終わった後世界のすべてを破壊し無に還す竜でありラスボス専用反則召喚獣という非常に美味しいポジションを神竜に取られた。
そのため普通の召喚獣として参戦。特に特別扱いもなし。

なぜか代名詞であるメガフレアではなく白バハムルのオーラを使う。効果は一定時間ブレイブが上昇し続ける。
状況を選ばず使っていける効果なので幻獣が揃わない内のストーリー攻略にとりあえずつけておいても良い。ただ汎用性の高さが魅力なので勝手に状況を制限するオート版はあまり役に立たない。

スコール編で入手可能だが元々ブレイブ戦に強くHP攻撃を通すのに苦労するスコールが装備しても旨みが薄い。

決して弱くはないがそこまで際立った能力でもない。これを率先してつけることはあまりないだろうが地味と見るか安定していると見るかで大分評価が分かれる。


+ FF13
ファングの召喚獣として登場。
通常時は人型に。あまり威厳を感じさせない。
13の召喚獣(というか全スキル」の中では最も高い攻撃力を有するため、ファングをエースアタッカーたらしめる要因とした。
が、壮大な演出が為される12章OPムービーの中ではその辺をピュンピュン飛び回っているだけである。
威厳もへったくれもないが、一応最強の攻撃力を持っているため他作品に比べるとまだマシなのかもしれない。(少なくとも6よりは)





関連カード


最終更新:2011年05月07日 05:16