《黒円卓第十位"紅蜘蛛"ロート・シュピーネ》

効果モンスター
星5/地属性/昆虫族/攻1850 /守1200 
相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、このカードはリリースなしで召喚する事ができる。
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0となる。
相手フィールド上に表側表示で存在するレベル2以下のモンスター1体をこのカードに装備する事ができる。(この効果は1ターンに1度しか使用できず、同時に装備できるモンスターは1体のみ)。 

「形成――我に勝利を与えたまえ!」 

1月第二週パック「dies irae」にて実装された昆虫族の上級モンスター。
黒円卓の名を持ち、相手フィールドにのみモンスターが存在する場合にリリースなしで召喚できるルール効果、戦闘ダメージを0にする永続効果、相手モンスターを吸収する起動効果を持つ。
黒円卓の名を持つが、他のカードのように《創造位階》によって発動できる効果は持っていない。

《ビッグ・ピース・ゴーレム》のように、条件付でリリースなしの召喚が出来る半上級モンスターであるが、攻撃力が下級アタッカーの1900にも負けてしまうラインであるため上級モンスターとしての運用は難しい。アドバンス召喚するならばなおの事である。
よってこのモンスターを使用する場合、戦闘ダメージ軽減効果か低レベルモンスターを吸収する効果が有効活用できる状況か、《シャンバラ》にスワスチカカウンターを乗せるための補助として使うのが望ましいだろう。


このカードが戦闘で受けるプレイヤーへの超過ダメージを0にできるため、他の黒円卓の面々と比べると比較的安定して《シャンバラ》にスワスチカカウンターを乗せる事ができる。そのターン内の他のダメージは防げないため防御カードとして使用する分にはやや不十分だが、【黒円卓】において出しやすい半上級モンスターは貴重であるため、【黒円卓】では活躍が期待できる。このカードが持つ黒円卓の名前が最も活かされる瞬間である。

第四の起動効果は、相手の低レベルモンスターをこのカードの装備カード扱いで装備できるというもの。
装備カードとするといっても、《D-HERO Bloo-D》のように装備モンスターの攻撃力を自身に加算することはなく、《サクリファイス》のように装備カードを身代わりに破壊を免れる事もできない。
よって吸収効果というよりは「破壊を介さない除去ができる」と表現した方が適切であろう。

肝心の効果対象であるが、「レベル2以下のモンスター」と範囲が非常に狭い。レベル2以下のモンスターというのは基本的に戦闘能力は低く、この効果に頼らずとも戦闘で十分処理が可能な場合がほとんどである。
壁モンスターとして戦闘で処理できない《マシュマロン》《魂を削る死霊》がともにレベル3であり、範囲対象外であるというのも痛い。
相手の使用カードに依存するため決して頼りにはできないが、レベル1で強力な戦闘力を持つ《サクリファイス》や機皇帝シリーズ、被戦闘破壊によってアドバンテージを得る低レベルのサーチャー・リクルーターなどを吸収できれば相手の計算を狂わせられるだろう。
対象のレベルを下げる《デビリアン・ソング》や《キャッツアイ》とコンボする事で対象範囲を拡大できるが、このカードのためだけにそれらを併せて投入するというのは効率が悪い。
使用するならば他の、相手のレベルを下げる事で効果を発揮するカード群と合わせてデッキを組みたい所だ。

2011/9/4エラッタにより「このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0となり、このカードが戦闘で破壊されたターンに発生する自分への戦闘ダメージは0になる。」から「このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0となる。」となり自分へのダメージを全て0にする効果は無くなった。
ハリケーンの禁止化によりリスクがほぼなくカウンターを貯め続けることが出来ることに対して危惧されたのだろうか。
このエラッタにより、時間を稼ぎつつ安全にカウンターを貯められるというこのカードの利点が大きく削がれてしまっており、このカードを使い回すことでスワスチカの解放に専念するという戦術が取りづらくなっている。
【黒円卓】の構築はより工夫を凝らす必要が出てきたといえるだろう。


  • 原作・アニメにおいて―~
PC用ゲーム「dies irae」の登場するキャラクターの一人。

聖槍十三騎士団・黒円卓第十位。司るルーンは「悪魔」。魔名は「紅蜘蛛(ロート・シュピーネ)」。
彼曰く、本名は既に捨てたとの事であり、一貫して通り名である「ロート・シュピーネ」の名で呼ばれる。
第二次大戦時、各地の収容所で人体実験を繰り返していた狂科学者。
終戦後はナチス軍人の逃亡機関に属し、黒円卓内では最も表の世界に通じている。
そのため諜報活動を専門とし、戦闘部隊には加わらない場合が多い。戦いよりも弱者をいたぶり殺すほうが性に合っている。

使用する聖遺物は「辺獄舎の絞殺縄(ワルシャワ・ゲットー)」。多くの人間を縊り殺したワイヤーを素体にした聖遺物で、まだ歴史は浅い。
それでも彼が形成する「線」は強度は高く、鋼鉄ですら容易く切断する。
また、シュピーネの意思で自在に操作できるようで、周囲に蜘蛛の巣のように張り巡らせるといった使用も出来る。
切断にも用いられるが、本来の使い方は縊殺である。

黒円卓内で最も俗な欲望を持った男であり、黒円卓が目指す首領らの帰還といった目的には全く興味がなく、それどころか心の底では、強大な力を持つ首領・大隊長らに心底恐怖し二度と彼らは現世に戻ってこなくて良いとまで考えている。
シュピーネが考えるのは、自身のこの力で欲望のままに生きる事であり、世界すら滅ぼしかねない首領らの存在は彼にとっては不必要なのである。

そこでシュピーネは、戦士として目覚めつつある物語の主人公・藤井蓮に接触し、手を組む事を提案する。お互いに首領格の帰還を許したくないのは同じ、二人で協力して立ち回ればその復活の阻止を実現できる、という狙いであった。
しかし悪逆無道の人生を渡り、既に常人とはかけ離れた精神性を持ってしまっていたシュピーネは、無関係の女性を惨殺し見せしめにするという所業を行ってしまう。
これが蓮の逆鱗に触れる。 さらにシュピーネの俗人ぶりを見切り、「黒円卓の中で最も容易そうな相手」と踏んだ蓮はシュピーネと戦闘に突入。命をかけた実戦の中で「形成」位階に目覚めた蓮はシュピーネを撃破するのだった。


撃破するものの、エイヴィヒカイト同士の実戦やその耐久力に関しては未だ掴めていなかった蓮は、シュピーネがまだ生きている事を見落としその場を去ってしまう。
なんとか瀕死で生き長らえ、再起しようとするシュピーネであったがそこに現れたのは首領代行、ヴァレリア・トリファ。
トリファはシュピーネと蓮が戦闘を行い、蓮が形成位階に目覚めシュピーネを撃破するであろう事を予測していたのだ。
計画のために蓮には強くなってもらわねば困る。しかしベイマレウスと戦わせるにはまだ蓮は圧倒的に実力不足。
そこでトリファはこのシュピーネを蓮とぶつけ、蓮の覚醒を促すと同時にシュピーネの魂によってスワスチカ開放を行うという二重の策を目論んだというわけである。
トリファはシュピーネにとどめを刺し、新たなスワスチカの開放に成功することとなる。

強大な黒円卓の中でどうしてこのような小物が?という問いに対する答えとするならば、
蓮の初陣の相手、レベルアップのための相手として用意された駒、それがシュピーネである。メルクリウスの組み立てるこの舞台の中では、このような役目を持たされる役者も必要、というわけである。副首領閣下の手際の完璧さには頭が下がる思いだ。

なお、シュピーネは黒円卓の中ではリザとともに、《創造位階》に達しておらず形成位階止まりであるという数少ない人物である。
創造位階に達する事が出来なかったのは、最強の力といったものには興味がなく一般世界の中で好き放題さえ出来ればいい、というその精神性故であろう。
ゲームをプレイしたユーザーからは、形成位階止まりである事を揶揄された「形成(笑)」という不名誉な呼び方をされているのが現状である。
公式でもネタとして扱われ、本編外でのギャグ調のムービーでは、メンバーを紹介する中で「あれ?一人忘れているような……?」などというどこかのラー・イエロー主席のようなネタキャラぶりが定着している。