《ようせいポケモン ピクシー》

効果モンスター【ポケモン】
星5/光属性/天使族/攻 2000/守 2000
自分フィールド上の【ポケモン】を持つモンスター1体を墓地へ送る事でこのカードを手札から特殊召喚する事ができる。
自分のメインフェイズに発動する事ができる。ゲーム中に存在する全ての通常魔法・速攻魔法カードの中から1枚をランダムに選択し、
その魔法カードの効果を発動する。この効果は1ターンに二度まで使用できる。 


光属性・天使族の【ポケモン】を持つ上級モンスター。
【ポケモン】を墓地へ送り特殊召喚できる効果と、
1ターンに2回まで、ピッピと同じくゲーム中の全魔法カードの中からランダムにカードを選び効果を発動する起動効果を使える。

魔法をランダムに発動する起動効果(ゆびをふる)の説明は、《ようせいポケモン ピッピ》の項に譲る。

上級モンスターとしてはやや物足りない攻守であるが、手札から特殊召喚できる効果と1ターンに二度使用できるランダムに魔法を発動する効果がそれを補っている。

特殊召喚効果は【ポケモン】を墓地へ送る必要があるため、【ポケモン】を使用するデッキ以外では使用しにくい。
しかし【ポケモン】を多用するデッキの場合特殊召喚も容易く、逆転の切り札足り得るこのモンスターをすぐにフィールドに出せるのは嬉しいところだ。

攻守2000という数値は決して高くはないものの、《ようせいポケモン ピッピ》の攻守1000に比べれば、下級モンスターからは破壊されないという点で雲泥の差である。
召喚したとしても返しのターンでの戦闘破壊がほぼ確約されているピッピに対し、このカードならば相手が上級クラスの攻め手を持っていない状況なら相手のターンを凌ぎ、無事なまま再びこちらのターンを迎えられるのだ。
ターンごとに二度使用できるという使用回数の多さがこの生存確率の高さと合わさり、有効な魔法効果を引ける確率をかなり現実的な範囲にまで引き上げる事が可能である。
ほとんど一回きりのギャンブルでしかないピッピに対し、ピクシーは最低2回、相手が1ターン攻められなければ4回と段違いの回数の多さを望めるのである。

【ポケモン】を使った特殊召喚ばかりに着目してしまうが、光属性・天使族と恵まれたステータスを持っているのがこのカードである。
《神の居城 ヴァルハラ》《奇跡の降臨》で特殊召喚を狙うなど、【天使族】【光属性】のスパイスとしても採用を検討できる1枚である。

《光神化》+《地獄の暴走召喚》という天使族のお家芸もなかなか強烈な威力を発揮できる。コンボに成功すれば1ターンで6回ものゆびをふるが相手を襲う。
《光神化》のデメリットで1体は破壊されるが、さらに《和睦の使者》でも伏せて相手の攻撃から守ってやれば……さらにだいたい倍の10回だーーッ


  • 原作・アニメにおいて
ゲーム「ポケットモンスター」に登場する架空の生き物、ポケモンの一体。初出は初代「赤・緑」シリーズ。
《ようせいポケモン ピッピ》が月の石によって進化した姿。
わざマシンの価値が現在とは桁違いだった初代出身のポケモンによくある特徴として幅広い特殊技を習得可能で広範囲をサブウェポンでカバーできる。ただし所詮サブウェポンな上このカード自身はタイプ的にも能力的にもアタッカーとしての適正に欠けるため対戦環境においては瞑想・ちいさくなる・コスモパワーなど豊富な防御的積み技を活用した耐久型ポケモンとして運用されることが多い。
耐久型として見た場合相手の攻撃以外でダメージを受けない特性・マジックガードを有効活用した、あえてやけど状態となり相手の状態異常を防いだり相手の特性ダメージを無効化して戦ったりとトリッキーな活躍を見せる。
またBWでの新システム「夢特性」によって追加された特性は相手の能力変化を無効にするてんねん。これにより耐久ポケモンへの代表的な対抗策となる「状態異常による定数ダメージ」「積みエースによる起点化」のいずれかを無力化できるようになった。これらの要素と再生技を全て兼ね備えるポケモンはピクシーのみであり読み違えると1ターン無駄にした挙句その間にピクシーに積みの隙を与えてしまうという危険な存在となった。
ただしここでも単ノーマルというタイプと微妙な基礎スペックが足を引っ張り、代表的な物理タイプである格闘タイプが抜群で通ってしまう。そのため物理受けのはずなのに格闘・ドラゴンなどの脳筋に1撃で強引に粉砕されるという悲しい展開もよく見られた。

進化前のピッピが様々なネタに溢れたポケモンである事に比べると、メディアなどでもどうにも活躍の場が与えられない地味で不遇な進化形かもしれない。 ピカチュウに対するライチュウの関係に類似か。

+ だが奴は・・・弾けた
第6世代においてメガシンカと並ぶ最大の追加要素である新タイプフェアリー。以前の悪・鋼タイプと異なり新ポケモンだけでなく旧ポケモンからもイメージに合致する者にはこのタイプが配られる運びとなった。そもそものモチーフが妖精のピクシーがフェアリータイプとなるのは必然だったと言える。

このフェアリータイプは対戦環境を露骨に意識した設定がされており、5世代におけるトップメタでありかつてピクシーが苦手としていた格闘・ドラゴンタイプを思いっきりメタっている。
一方で弱点となるのは毒・鋼というアタッカーとして不遇な代わりにそれ以外の部分が強いという立ち位置に居たタイプ達である。そのため技性能そのものは格闘技程ではないことが多く強引に耐え切ることも不可能ではない。またこの2タイプは草タイプと複合していることが多く、かえんほうしゃ・だいもんじで焼却することが可能というここに来てピクシーの無駄な技範囲の広さが活かされる形となった(もっとも2倍弱点止まりの毒・草タイプにはあまり有効とは言い難いが)。

これら要素が絶妙に絡み合いピクシーは第5世代以前から大幅に強化され対戦環境においても比較的よく見かける1体となった。しかも強さの方向性が悪い意味で振りきれている。
まず特性の時点で二択を強いられ、更に技構成によって微妙に対処が異なるがあまり悠長なことをしていると取り返しの付かないことになってしまうためここでも読みが必要となる。そこまでして待っているのがちいさくなるによる運ゲーというやるせなさである。

そのためクレッフィと並んで第6世代を代表する害悪*1として畏怖の象徴となってしまった。
クレッフィもまたXYにおいて新登場したフェアリータイプであり全体で見ればアタッカーの方がはるかに多いフェアリータイプに害悪のイメージがついてまわっているのは殆どこの2匹の存在によるものである。

  • 関連カード

*1 定義は極めて曖昧だがこの場合では火力・耐久指数をもとに立ち回り偶発的な要素が自身にプラスに働くことを期待せずに戦う一般的なポケモンと異なり、回避率上昇による相手の技外しや麻痺・混乱などによる行動不能などの「確実性に欠ける現象」が発生することを前提として成立するポケモンを指す(ただの運任せではなく期待値的には+になるよう考えて運用されるものが殆どである)。その性質上対策されてようが運次第で無理矢理ハメ殺せたりするが逆に本来十中八九倒せるはずの相手に豪運で無理矢理突破されることもあるのが特徴。
最終更新:2014年12月14日 05:59