その8   自分で選ぶオリジナルカード10選


累計約3000枚のカード実装が行われた咲夜さんCGI
その中で今回は、管理人が思い出に残るカード10枚とそのエピソードを自分で紹介しようと思います。
(元ネタとして好きというわけではなくあくまでカードとして)
なお10枚をつらつらと挙げただけなので番号の大小には特に意味はありません。



その1

《咲夜さんのランダムボックス》

通常魔法
1000ライフポイントを払い、自分フィールド上のモンスター1体を墓地へ送る事で発動する事ができる。
ゲーム中に存在する全てのモンスターカードの中から1枚をランダムに選択し、自分フィールドに表側攻撃表示で特殊召喚する
(特殊召喚されたモンスターはこのデュエル中、自分のカードとして扱う)。
このカードを発動するターン、シンクロ召喚を行う事は出来ない。 

OCGでは決して作れない、CGIならではの効果のカードを作りたい。そんな想いから生み出されたのがランダムシリーズです。
なにぶん全く新しい効果だったので実装もなかなかうまくいかず、このカードをふと思いついたその時にマビノギで遊んでいた他の咲夜ストを巻き込んで一大デバッグ作業を行ってもらったのは良い思い出です。
他のランダムボックスや《ようせいポケモン ピッピ》など、他のランダムカード全ての効果実装・バランス調整の礎となる計り知れぬ貢献をしてくれました。
その成果は最終的に《化け狸十変化 二ツ岩マミゾウ》に結実する事になります。
ただCGIならではの効果=現実ではあり得ないカードというのは、自分が気を払っている「遊戯王らしさ」から著しく離れたイメージを持たれる可能性があったため、そこは一つの賭けでありました。
結果としては比較的好意的に取っていただけて、皆で何が出てくるかを楽しむパーティーゲーム的なデュエルという新たな娯楽の開拓にまで発展していけたのは大きな財産でありましょう。
また、咲夜さんCGIと表題を付けている事から、咲夜と名のついたカードを実装する際には細心の注意を払うというか重大な選定を行って名付けています。
その御眼鏡にかなった事からも、弊社が自信を持ってお送りする一品であることが伺えるでしょう。



その2

《シールドリカバリー》

通常魔法 
自分フィールドに表側表示で存在するレベル5以上の「巨大戦艦」と名の付いたモンスター1体を選択して発動する。
そのモンスターのカウンターの数は3つとなる。  

わりと地味な、あまり使われる事もないファン用のこのカードですがしかし思い入れがあります。
まだ始めたばかりの頃、作れるカード効果は既存の効果をコピペしてせいぜい数値や対象をいじくってオリジナルカードとして出すのが手一杯でした。
そんな中、恐らく初めて本格的に自分で効果を作ってみようと試みたカード。
時が経った今でこそさほど話題には上りませんが、当時は未OCG化のアニメカードとしてこいつは結構有名な部類だったと思います、たぶん、きっと。
カード的にも、既存のデッキの味付けをオリカによって増やすという当初のCGIの方針と合致しており、カードパワー的にも全く問題ないだろうという事で非常に実装したかったわけです。
しかし勿論巨大戦艦のカウンターを増やすという既存カードは無かったので、自分で1から作るために内部がどういう構造になっているのか?という事に立ち入らざるを得ません。
このカードに悪戦苦闘するうちに、モンスター効果は内部でどのように表されているのか、そのモンスター固有の変数をどう制御し呼び出しているのか…などといった事をこのカードを通じて体で覚え、一つレベルアップに成功したのでした。



その3

《仮面ライダーアクセルトライアル》

アクセルシンクロモンスター
星9/炎属性/戦士族/攻  700/守  600
シンクロチューナー+仮面ライダーアクセル
このカードはシンクロ召喚でのみ特殊召喚する事ができる。
シンクロ召喚によって特殊召喚されたこのカードは一度のバトルフェイズで10回までモンスターに攻撃できる。
このカードの戦闘によってお互いのモンスターは破壊されず、お互いに受ける戦闘ダメージは0となる。
このカードが攻撃したダメージステップ終了時、
攻撃した相手モンスターの攻撃力をエンドフェイズまで400ポイントダウンさせる。
このカードが攻撃したバトルフェイズ終了時、
このカードと戦闘を行った攻撃力0の相手モンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
自分ターンのエンドフェイズ時、このカードをエクストラデッキに戻し自分のデッキ・手札・墓地から「仮面ライダーアクセル」1体を特殊召喚する。 

仮面ライダーWのカードはどれも非常に考えて作っていたのでどれも思い出深いですが、1枚を挙げろと言われたらこれ。次点でエターナルでしょうか。
リアルタイムで同じ頃、本家遊戯王で登場した概念である「アクセルシンクロ」を取り入れた言葉遊びとインパクト。
10秒以内にケリをつけるという原作のスピード感溢れるバトルを再現した演出メッセージ。
他に類を見ない珍妙な効果でありながら悪用が難しくこちらの想定外の動きを見せない隙の無さ。
強敵や複数の敵をメモリブレイクした後一瞬の間を置き、断末魔の声を上げ敵が爆発する特撮のあのシーンをイメージさせるバトルフェイズ終了時の脳汁具合。
いずれも完璧に作れたと思っているカードで、全てにおいてオリカかくあるべしと感じられる一枚です。


その4

《死神 小野塚小町》

効果モンスター
星6/闇属性/天使族/攻 2500/守 1700
相手は、フィールドに表側表示で存在するこのカード以下の攻撃力のモンスターでこのカードを攻撃する事は出来ない。
1ターンに1度、自分のメインフェイズにサイコロを1回振る事が出来る。出た目の効果を適用する。
1・2 自分の墓地からモンスターカードを2枚まで選択しゲームから除外する。
3・4 相手の墓地からモンスターカードを2枚まで選択しゲームから除外する。
5・自分はライフを1000ポイント回復する。
6・効果は不発となる。 

東方キャラカードの作りで一番グッドなのがこの人。
意外に思われる方もいらっしゃるかと思いますがこまっちゃんです。
全てがこまっちゃんを全力で表しすぎていて自分から何か語る事すらおこがましいです。
だいたい他のキャラは、「ここはこうでもよかったか?」「こういうアイデアもあったのだけど」みたいな次善策が結構浮かぶのですが
彼女だけはもうここから動かしたくないくらいの造形美と言えます。


その5

《巨人大帝アレクサンダー》

効果モンスター【強襲】
星6/水属性/戦士族/攻 2500/守 2000
このカードが戦闘でモンスターを破壊して墓地へ送った時、
破壊したモンスターのレベルと同じ枚数、相手のデッキからカードを墓地へ送る。
また、自分フィールドに表側表示で存在する永続魔法カード1枚を自分の手札に戻す事で
このカードはもう一度続けて攻撃する事ができる。
この効果は1ターンに2度までしか使用できず、
これによって手札に戻したカードはそのターンの間、発動する事はできない。

ここのオリカというのはここで楽しむため以外のことは考えて設計しないのですがこれは珍しく、OCGにそのまま逆輸入してもいいのではないか?と思ってしまうほど調整に手応えを感じたカードです。
遊戯王でデッキ破壊というと相手の攻撃を抑制しながらニードルワームをもそもそ動かして回ったりと、あまりポジティブなイメージが付いている人は少ないと思いますが、
このカードはビートダウンしながらデッキ破壊、戦況に応じてビートを重視してもデッキ破壊を重視してもいいという新しいデッキ破壊スタイルを提示できたカードだと思います。
(無論、その背景にはこのカードの出身ゲーム、バトルスピリッツにおけるこいつの効果がアイデアを与えてくれたというのがあります)
墓地へ行ったカードから得られる情報アドバンテージによる読み合いと、迂闊なデッキ破壊はかえって相手を有利にする可能性もある、という二つの要素が、
従来のコントロール型デッキ破壊デッキには無いスピーディーなデュエル展開を与えてくれたように感じます。


その6

《スターストライク・ブラスト》

速攻魔法
自分フィールド上の「スターダスト・ドラゴン」と名のついたモンスター、または「スターダスト・ドラゴン」を
シンクロ素材に指定するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズまで800ポイントアップし、
選択したモンスターがこのターン戦闘でモンスターを破壊して墓地へ送った場合、以下の効果から一つを選択して発動する。
●:破壊したモンスターのレベル4ごとに1枚、自分のデッキからカードをドローする。
●:破壊したモンスターのレベル×200ポイントのダメージを相手のライフに与える。

何かパック名が必殺技っぽい!ので名前を頂戴しつつ、《スターダスト・ドラゴン》に何かバトル用のコンバットトリックが欲しいなあという事で考案されたカードです。
実装当初はわりと軽い気持ちで、そこまで大きな気持ちがあったわけではなく、長く愛されるカードになるという予想もまるでしていませんでした。
しかしこのカードを喜び大事に使ってくれた人のおかげで、自分の中でも徐々に思い入れが深まっていったと言えます。
彼らが繰り出すアニメさながらの熱い展開を見せるデュエルの中で、決め技としてこのカードが発動されると、
自分がカードデザイナーの一員としてアニメに参加させてもらったような、自分が読者投稿企画として投稿したカードをアニメで遊星が使ってくれたような、何とも言えぬ喜びがあったのです。
自分の中でではなく他の決闘者が実際に使う事で育ててくれたカードですね。


その7

《賢者の石》

通常魔法
発動時、炎・水・風・地属性の中から属性を1つ選択して発動する。
「精霊石トークン」(岩石族・?・星1・攻/守0)を自分のフィールド上に
1体攻撃表示で特殊召喚する。
このトークンの属性は、発動時に選択した属性となる。

シールドリカバリーと同じく、思いついた効果を実現したいがために必死になって研究したという初期のカードの一つですね。
どの効果を使用する?系のカード効果はこいつが育てました。
深夜、完成した時にテンション上がってチャットにいた人にこんなん出来た!どう?どう!?と聞いたのを覚えてます。
効果的にも、《デビルズ・サンクチュアリ》の相互互換として機能しつつこれ1枚で色々なギミックの役に立つという意味でとても意義のあるカードになっているのではないでしょうか。
オリカにおけるサポートカードの理想型として自分の中にある、投入枚数が0枚でも1枚でも2枚でも3枚でも構わない、という条件を満たしているカードです。



その8

《黒円卓第一位首領”黄金の獣”ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ=メフィストフェレス》

融合モンスター
星13/闇属性/悪魔族/攻5000 /守5000 
墓地に「黒円卓」と名のついたカードが6種類以上存在している場合のみ、自分フィールド上に存在するスワスチカカウンターが8つ乗った
「シャンバラ」と自分フィールド上のカードを全て墓地へ送る事でのみ、エクストラデッキからのみ特殊召喚できる。
このカードの特殊召喚に成功した時、このカードを「創造位階」を適用した状態として扱い、自分フィールド上に「レギオントークン」(戦士族・闇・星5・攻/守2500)を3体特殊召喚する。
その後、自分のデッキからカードを任意に選択して墓地へ送る事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
フィールド上に「レギオントークン」が存在する限り、このカードは魔法・罠・モンスターの効果を受けない。
自分のメインフェイズに、相手のライフポイントを10000ポイント増やす事で以下の効果を得る。
●流出位階:このカードの攻撃力・守備力は墓地に存在するモンスターの数×200ポイントアップする。
このカードは、墓地に存在する「黒円卓」と名のついたモンスターの「●創造位階:」に記された効果を全て得る。 


テキスト長っ。 ハイドリヒ卿単独というよりは黒円卓全部合わせて、ですね。
原作で圧倒的な強さを表現されているキャラをカードとして落とし込む事は、とても難しい作業です。
魔神のように強かったあの方が、はいはいならずライコウミラフォで出落ちしてしまうととてもイメージからかけ離れてしまいますね。
といって攻撃力は圧倒的、除去は効かない出したら勝ちでは、ただそいつを出す事だけがデュエルの目的になりかねません。
とどのつまり原作で超強力なキャラのカードというのは出し辛さとそれに見合った能力、二つの天秤を丁度いいバランスで釣り合わせる事こそが肝要なわけです。言葉にしてしまうと当たり前に感じますが。
平団員ですら圧倒的にスゴイパワーを持ってる!生半可な事じゃかないっこない!という演出のなされている黒円卓ですから、この作業にはかなり苦戦を要しました。
まして、それら団員全てが一同に会したデッキというものが現実的な範囲で成り立つようにしなくてはならないのですから。

もう一つ気を使った要素は、全カードの中でもトップクラスのステータス・効果を持った連中であることです。
それぞれの原作知らない人は適当にフィールで感じろ!というのが当CGIのスタンスですが、それでもとんでもないステータスのカードが次々と現れてはさすがに目を引く事でしょう。
その時、自分の作品のエースカードを悠々と超えるステータスに、「いきなりいっぱい出てきてなんなの?こいつら…」と引かせてしまっては、失敗です。楽しませる事が出来ていません。
「なんか知らないけどものすごいのが来たぞ…!?」と好意的な驚き・興味を持たせられるよう可能な限り努力しなければいけなかったわけです。
wikiやトップページの画像、タイトルを使った演出を覚えてらっしゃる方も多いと思いますが、それもまた作業の一環、すなわち
RPGでボスキャラが登場してきた時のように感じられるよう全体を盛り上げることも、このカードらの実装に必要なのでした。

そして実装後は、原作作品に興味を持ち手に取ってくれた決闘者が何名も出たように、試みは概ね成功したと言えるでしょう。
CGIの中だけで完結せずここがきっかけで、誰かが新たな作品や世界に出会えたならばそれはまたこの場所を運営した事の大きな意義となり大変嬉しいものです。
そういった意味でも思い出深いカードです。


その9

《氷精チルノ》

効果モンスター
星3/水属性/魔法使い族/攻 1500/守 1100
1ターンに一度、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体にアイスカウンターを1つ置く事が出来る。
「氷精チルノ」以外の水属性モンスターが自分フィールドに存在する限り、相手はこのモンスターを攻撃対象に選択できない。 


やっぱりこれは外せません。
CGIの素を譲渡してもらい、自分でサーバーを借りたりWebページを構築したり何もかもはじめての作業…
それに成功しCGIが動くのを確認し、「これこうやって追加すればオリカ作れるんじゃね?」と試しにカードリストに氷精チルノという名前、ステータスを加えて動かしてみた時のドキドキ感。
手札に来た氷精チルノを召喚して攻撃できた時の喜び。 正しく咲夜さんCGIの原点と言えるでしょう
今でもチルノを見るとあの時のワクワクを鮮明に思い出せます。
後にバニラでは申し訳ないとエラッタがかかり効果が付きましたが、当初の咲夜オリジナルの代名詞的存在だったアイスカウンターに関わる効果になったというのも面白いですね


その10

《幻想の境界 八雲紫》

効果モンスター
星12/闇属性/魔法使い族/攻4000 /守4000
このカードは通常召喚できない。「ネクロファンタジア」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、次のどちらかの効果を発動する事ができる。
●相手フィールドに存在するモンスター1体をゲームから除外する。
この効果で除外したモンスターは、このターンのエンドフェイズ時に同じ表示形式で相手フィールド上に戻る。
●ライフを500ポイント払う事で、このターンのエンドフェイズまでこのカードをゲームから除外する。
この効果は相手ターンでも使用する事ができる。
相手ターンのスタンバイフェイズ毎に、サイコロを1回振る。
出た目と等しいレベルを持つ、相手のフィールド・墓地に存在するモンスターを全てゲームから除外する。 


結婚してください。




終わりに

今回は大きななものとしてこの10枚を挙げましたが、もちろん各カードには様々なエピソードや思い入れ、思索の痕跡があります。
皆さんの記憶に残っているのはどんなカード達ですか? 是非サロンやそこらで語って聞かせて下さいね。