《キュゥべえとの契約》

永続魔法
「キュゥべえとの契約」はフィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。
1ターンに2度まで、次のどちらかの効果を使用できる。
●:自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体のレベルを1つ上げる。
●:自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の属性を変更する。
このカードの効果を使用したターンに、
自分が「魔法少女」と名のついたモンスターのエクシーズ召喚に成功しなかった場合、
エンドフェイズ時に自分は4000ライフポイントを失う。 

「ボクと契約して、魔法少女になってよ!」 

オリジナルカード-Appendix-で実装された永続魔法。
自分フィールド上のモンスターのレベルを1上げる、または属性を変える起動効果を持つ。

誓約上属性を指定するエクシーズモンスターである魔法少女のサポートカードとして運用するのが基本。1ターンに2度という発動回数からレベル・属性調整どちらにも中々応用が利く。
とはいえフィールドに残り続ける永続魔法という性質と致命傷レベルのライフコストの影響で運用には重すぎるリスクが伴う。永続魔法であるため実用的なサーチ手段にも乏しいためあまりこのカードに依存していると何もできないまま押し切られることも珍しくない。

できるだけ頼らない構築を目指したいカードではあるのだが《魔法少女 佐倉杏子》に関しては完全に単独特化型の構築にでもしない限り正直使わないことにはやってられないレベルで出しづらいためそういったリスク込みでも頼らざるを得ないというのが現実である。
《魔法少女 暁美ほむら》は属性の恩恵が大きく無理にこのカードを使う必要は無いが、《終末の騎士》《ダーク・グレファー》と《D-HERO ディアボリックガイ》を用いることでカード消費1枚での高速展開が行える他各種下級闇属性モンスターが素材1体分に計上できることなども考えれば採用しても損はない。
なんだかんだ性能自体はそれなりに高いため各種魔法少女を適度に織り交ぜつつできるだけ腐らせず頼りすぎずのバランスを取りたいところ。

  • レベルを上げる調整はできるが下げることはできないため《魔法少女 美樹さやか》にとってはやや使いづらい。レベル3モンスターを使えば属性調整の恩恵を授かることはできるが、そうすると比較的容易に出せる切り返し手段である《魔法少女 巴マミ》が使いづらくなるというジレンマを抱えている。

  • ライフコスト4000という代償を払えるのであれば魔法少女に限らず様々なシンクロ・エクシーズモンスターの素材調整に使える。基本的にはただの自殺行為にしかならないので避けたいところだが《魔法少女 暁美ほむら》《スターダスト・ドラゴン》が並ぶ状況などを作れれば相当の優位を築けるため状況によっては狙いに行ってもいい。

  • 永続魔法だがレベルの上昇と属性の変更、エンドフェイズのライフコストは残存効果であり、このカードが場を離れたり無効化されても持続する。その為コストの踏み倒しは基本的に出来ない。

  • 効果の発動にチェーンしてなんらかの除去を行っても効果は適用されライフコストが発生する。二回使用しなければエクシーズ召喚の条件を満たせない状況で一回目の効果の発動に対して除去をされた場合、素材用のモンスターが場に残った上に膨大なライフコストを支払う羽目になる。二回使用する場合は伏せ警戒を強めた方が良いだろう。

  • 原作・アニメにおいて―~
ハートフルボッコ魔法少女アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の登場人物、魔法の世界の使者ことキュゥべえが第二次成長期の才能ある少女に対して持ちかける契約。少女は魔法少女となり世に絶望を撒き散らす存在である魔女と戦う存在となる代わりにどんな願いでも1つだけ叶えてもらえるというもの。
願いはたとえ条理にそぐわない奇跡であっても大抵のものであれば叶えてもらえる(不老不死・認識改変・人体錬成等)。更に特別大きな才能を持つ少女が願えば世界の法則そのものを根底からねじ曲げることさえ出来る。そのため本来どれだけ努力しても成し得ない願いを叶えるために命がけの戦いに見を投じる少女は少なくない。
その他にもキュゥべえは倒した魔女が落とす魔女の卵「グリーフシード」を安全に処理できる唯一の存在であり、その愛くるしい小動物のような外見も含めて魔法少女には欠かせないマスコットである。

+ ...
ただしこの契約には非常に重要でありながら説明されていない事柄が大量に存在する。
  • 契約した魔法少女は魂をソウルジェムという石の中に移され肉体そのものは擬似的に生命活動を行うだけになる。
人体急所や痛覚といった脆い人間の弱点を晒さずに魔女と戦うための措置とされているが契約した側からすれば「一切説明なく」いきなりゾンビにされたようなものでありたまったものではない。また肉体とソウルジェムが約100m以上離れたりソウルジェムそのものが破壊されると肉体はソウルジェムからの制御を失い生命活動の維持ができなくなる。
  • 契約した少女にはその願いによって生じた世界の歪みによる悲劇が巡ってくる
本来有り得ない程の奇跡を引き起こすことも可能な契約だが、その願いが大きければ大きい程より大きな不条理として契約した少女のもとに絶望が降り掛かってくる。こうして起きる不条理は自身の願いによって起きた結果に起因することが多く効率的に少女の心を抉る。
  • 契約した魔法少女のソウルジェムが濁りきった時ソウルジェムはグリーフシードになり魔法少女は魔女となる
ソウルジェムは魔法を発動する他、絶望することによっても濁る。そのため多くの魔法少女は自信に巡ってくる悲劇に耐え切れず魔女になり自身が抱え込んだ絶望を振り撒く存在となる。また肉体の生命活動を維持するためにも微少ながら魔力を消耗するため定期的なグリーフシードの補給が必要となり魔女と戦う責務を放棄して普通に生きるということもできない。
グリーフシードを用いて定期的にソウルジェムの穢れを浄化し続ければ魔女になることはないが全ての魔法少女を浄化出来るだけのグリーフシードは存在せずあくまでも延命処置にすぎない。魔女になることを避けるにはその前に自害するか他の無関係な少女を巻き込んで自身を魔法少女から普通の人間に戻す契約を結んでもらうくらいしかない。

魔法少女と魔女は元来同一の存在であり、希望を願い魔法少女となった少女は魔女を倒し得たグリーフシードで魔力の回復という体で自身の絶望を取り除きその後絶望を溜め込んだグリーフシードをキュゥべえが処理する。しかし自身の身に降りかかる悲劇や正義の為に魔法少女となったのにいずれ自分が人々に呪いを振り撒く存在になるという事実を知るに従っていずれはそれも追いつかなくなり絶望に呑まれた結果、希望から絶望への大幅な感情の揺れ動きと共に魔法少女は新たな魔女となりまた魔法少女に倒される。
こうしたサイクルの中で第二次成長期の少女の感情の揺れ動きによって生じる感情エネルギーを回収(絶望を溜めたグリーフシードの処理・魔女に生まれ変わる瞬間の希望から絶望への大幅な揺れ動き)するのがキュゥべえことインキュベーター(孵卵器・培養器)の真の役目である。
+ ...
人間より遥かに高度な文明を誇るインキュベーターは宇宙の熱的死を回避するために熱エネルギーの法則に縛られないエネルギー回収方法を模索した結果感情の揺れ動きによって生じる感情エネルギーに目をつける。しかし当のインキュベーターには個々の感情というものがなかったため感情エネルギーを採取するために適した生命体を探して様々な惑星を調査することになる。そして白羽の矢が立ったのが全ての個体が個別に感情を有する地球人類である。その中でも特に効率の良い第二次成長期の少女に対象を絞って感情エネルギー採取のために魔女と魔法少女の契約サイクルを構築。奇跡を売り歩く営業活動を開始する。
一応人類を知的生命体と認めた上で交渉を行なってはいるが、あくまでもインキュベーターにとって魔法少女は感情エネルギーを生み出す使い捨ての燃料でしかなく、情を持たないためどれだけ活動を共にしようとも一切躊躇なく少女を絶望に導いていく。
一見小動物のような外見もその実際のモチーフは女性器であり各部に子宮や卵管などの部位の意匠が見られる。

感情を持たないとされているがその思考回路は徹底的な効率主義に集約される。魔法少女に対しても絶望の底に落として魔女にすることが最も効率的なエネルギー回収手段だからそのための手を講じてるだけであり特別悪意を持っているわけでもない。しかし逆に言えば悪意も無い以上自分の行動を省みる気は一切無く、逆にどれだけ交友を深めても善意や情を持つこともないため最早根本的に分かり合う事はできない存在である。
とはいえこの感情を持たないというところが彼らとの対話の鍵でもあり、怨恨やプライドといった類の感情も持たない彼らは現在の魔法少女と魔女に代わるシステムを提示すれば即座にそちらに乗り換えて協力関係を築ける柔軟な思考能力の持ち主でもある。そのためには様々な奇跡を起こしてきたインキュベーターの科学力と魔法少女の感情エネルギーを上回るだけの途方も無いエネルギーが必要になるのだが。

その活動は作中以前どころか有史以前から行われており、原始的生活を行なっていた人類と契約を結びインキュベーターの奇跡の力によって人々の文明は起った。その後も様々な少女たちと契約を結びその奇跡と呪いの結果によって歴史は動いてきたとされる。
もし仮にインキュベーターが人類に介入することがなければ人々はいまだに裸で洞穴に暮らしていたとも裸は免れたとも言われている。

作中では潜在的に途方も無い因果を背負っている主人公鹿目まどかに目をつけ彼女と契約を結ぶために奔走する。その巧みな話術とあきらめない姿勢はセールスマンの鑑。
最初はいかにも魔法少女のマスコット然とした姿勢を貫いてきたが長年共生関係を築いてきたマミの死にも一切動じないどころかこれ幸いとばかりに契約を迫る姿やその状況の不自然さから黒幕説が早くも浮上する。作中でも契約時に知らせていなかった数々の真実が明らかになるにつれ少女たちとの間の決裂は決定的なものとなるも、少女たちが困った場面を巧みに突いて登場し知識と話術をフル活用して彼女たちを誘導、ついには杏子を謀殺する(あくまで本人に騙している意識はないし実際嘘もついていない。まどかを契約させるためには戦力を削ったほうが都合が良かったので杏子が命を落とす方向に会話を誘導しただけである)。
その結果超大型魔女「ワルプルギスの夜」と単身での戦闘を余儀なくされたほむらに対しても能力が使えないように手を打った上でまどかと接触。目論見通りまどかは魔法少女となるがその際まどかが願った奇跡はこの世界のあらゆる時間軸の魔女を生まれる前に消し去るという世界の事象・法則を書き換えインキュベーターの創りだしたシステムそのものを破壊するものであった。
結果世界は生まれ変わり、希望の象徴である魔法少女と新たな絶望の化身である魔獣との間には直接的なつながりがなくなった。そのためインキュベーターも魔法少女を絶望の淵に落とすことはなくあくまで営業的なものではあるがそれなりに良好な協力関係を築くことになった。

その表記の面倒臭さからもっぱらQB・べぇさんなど略称されている。魔法少女モノのアニメにつきもののマスコットという存在を痛烈に皮肉ったキャラクターでありある意味本作を象徴するようなキャラ。
あくまでも敵ではなく黒幕という立ち位置に終始し続けた上肉体的には不死身であり明確に痛い目を見ることはなかったが最後の最後でまどかの途方も無い因果と未来永劫誰にも干渉できない概念となって存在し続けることになっても構わないという決意の前に敗れた。もう一人の主人公であるほむらにとってのラスボスがまどかを守る最大の障壁だったワルプルギスの夜であるとすればまどかにとってのラスボスはさらなる黒幕であるインキュベーターそのものだったと言える。
その清々しいまでの憎たらしさから逆にヒール・憎まれ役的な人気がある。QBがBBQにされることも少なくない。実際作中でも不死身の肉体と感情がないため恨まれることもないという事情から唯一全ての真実を知るほむらにかなり軽い気持ちで撃ち殺されている。
またそのセールスマンとしての卓越した技能からしばしば現実世界にも召喚されサークル活動などの勧誘を行なっている。まどか☆マギカがクレジットカードとコラボした際の特設ページでもしつこいくらいに現れては執拗に契約を迫っていたが原作でのキャラから鬱陶しさよりもわかっているという感想のほうが先に来てあまり負の感情が湧いてこない不思議な魅力がある。なお余談だがこのカード、リボ払い限定だったり契約の危うさまで高い再現度を誇っていたりする。


発動時メッセージ―
「ボクと契約して、魔法少女になってよ!」

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最終更新:2012年12月07日 15:55