「汗」(2005/11/21 (月) 21:38:00) の最新版変更点
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<88title/no.56>汗
ここは、休憩所。
思い思いの事をして過ごす時間。
そんな中、テーブルを囲んで男達が頭を突き合せて必死になっている。
「なかなかうまくいかないもんですねえ」
「こつがあるんだよ」
「へえ~」
「ここの腹にね、こうやって爪をあてがって力を入れる」
「ふんふん」
「そうしておいてその横を押して、力を入れる」
「ほお」
「そうすると。ほら、声がする」
「いやぁんって?」
「そうそう」
「って、ノるなあ」
「まあまあ、次、こうやって」
「爪を割り込ませるとぐぐっとミに沿わすように力を入れるんだ」
「うんうん」
「そうしたら、ほら!」
「おお!」
「ぷるんと?」
「おぉ!くっりちゅわ~ん!これぞ実益と趣味を兼ねた私、神田の特技っすよ~」
「いやぁ!!やぁ、素晴らしい!さすが旦那」
「ありがとうありがとう!栗をむかせるのなら、私に任せなさい!!」
大きな喝采のなか。
「ふうん」
ピキーン。
部屋は凍った。
机の上でゴリラよろしく握り締めた両手を振り上げ、
喚声に応えていた神田の顔が青ざめるのに時間は掛からない。
「で?」
爪を研ぐ音が背中から聞こえる。
「じゃ、そいうことで」
みんな一目散に部屋を出て行く。
残された神田の背中に冷たい汗が溢れ出していたのは、言うまでもない。
ゆう
<88title/no.56>汗
ここは、休憩所。
思い思いの事をして過ごす時間。
そんな中、テーブルを囲んで男達が頭を突き合せて必死になっている。
「なかなかうまくいかないもんですねえ」
「こつがあるんだよ」
「へえ~」
「ここの腹にね、こうやって爪をあてがって力を入れる」
「ふんふん」
「そうしておいてその横を押して、力を入れる」
「ほお」
「そうすると。ほら、声がする」
「いやぁんって?」
「そうそう」
「って、ノるなあ」
「まあまあ、次、こうやって」
「爪を割り込ませるとぐぐっとミに沿わすように力を入れるんだ」
「うんうん」
「そうしたら、ほら!」
「おお!」
「ぷるんと?」
「おぉ!くっりちゅわ~ん!これぞ実益と趣味を兼ねた私、神田の特技っすよ~」
「いやぁ!!やぁ、素晴らしい!さすが旦那」
「ありがとうありがとう!栗をむかせるのなら、私に任せなさい!!」
大きな喝采のなか。
「ふうん」
ピキーン。
部屋は凍った。
机の上でゴリラよろしく握り締めた両手を振り上げ、
喚声に応えていた神田の顔が青ざめるのに時間は掛からない。
「で?」
爪を研ぐ音が背中から聞こえる。
「じゃ、そいうことで」
みんな一目散に部屋を出て行く。
残された神田の背中に冷たい汗が溢れ出していたのは、言うまでもない。
2004.02.09 ゆう
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