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<88title/no.51>サングラス2

「俺に触るな、かばうな、近づくなって言ってたの誰だよ、おい」
伊達のひざの上、栗原はやわらかい寝息で、細い指がズボンの裾を弄っている。
わしわしっとその髪をかき回すと余計にすり寄ってくる。
このままおっぽり出して帰ってやろうかと思ってももう遅い。
宴もたけなわ、一升瓶が転がり、理性を放り出した連中が裸で走り回っている。
何で自分だけ、こんな隅っこで一人冷静に観察してるんだ。
「俺だって、あっちの住人よ?栗原ちゃん?」
騒ぎに後ろ髪ひかれながらも置いてあった上着を手に取った。
広げて栗原の体にかけると、ますますアレらと同じ生き物には見えなくなってきた。
栗原の白い横顔は濃い紺色に映える。
口元は微妙に笑みの形をしていて困る。
「やだわ、栗原ちゃんてば罪作り」
一人おねえ言葉でおちゃらけてみた。
目が離せなくて本当に困った。
渋さかっこよさを目指す俺だって本当は柔らかいものが好きなのだ。
先ほど触った髪は昔飼ってた猫の毛並みを想わせた。
触れると、冷えてきた指先から伝わるほんのり温かい肌。
ひっかかりの無い肌。
「ん~」
寝返りをうっても伊達の膝を離さない。
正面から栗原の寝顔を見た者は何人いるだろう。
「寝顔だけは天使なんて、親から言われなかったかー?」
とりあえず、正視に堪えない、こんなふにゃふにゃな柔らかい生き物を隠してしまおう。
ちょっと周りを見渡してから自分が掛けているものに気がついた。
にやける口元を押さえ込みながら、静かにサングラスを外して栗原にかけた。
案の定、ぶかぶかだ。
つるの部分を押えて無理に耳にひっかける。
「男前upしたぜ、相棒」
「ん…?」
つるの調整をしていたせいか起きてしまった。ちぇ、密かな楽しみが。
「伊達さん、垂れ目だったんだな」
口惜しい、目覚めて開口一番が、それか。
「人のこと言えるか」
口がヘの字になってしまう。
「周りが薄暗い」
「いらんもん、見えなくていいだろ」
「うん」
素直だな。酒が抜けてないのか。
「起きるんだったらサングラス返せよ」
「…これ、貸してほしい」
膝から温かみが逃げて、起きあがった栗原の鼻の先までサングラスがずれおちた。
「ぶ」
声をつまらせて本気で笑うと、あからさまにむっとした栗原がサングラスを引き上げて言った。
「わし鼻のおっさんに笑われたくない」
「おっさんて、俺お前と大差ないって、ぶはははは」
笑っている内にすっかり膝の上の温かい記憶が飛んでしまった。
手触りの良さも柔らかさも忘却の彼方。
その記憶を手繰り寄せるのを意識的に避けて俺は笑い続けた。
とりあえずは、この新しい相棒の就任祝いにサングラスを贈ってやろうか。
相棒相手にに心揺らしてしまうような酔いはもうコリゴリだ。

2004.11.00 hig




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