<88title/no.40>二死満塁
”…9回の裏、ツーアウトですが3人のランナーを背負っております、
ここでホームランが出れば逆転勝利、ヒットでも同点・延長にもつれ込むというこの場面、…”
ここでホームランが出れば逆転勝利、ヒットでも同点・延長にもつれ込むというこの場面、…”
「抑えろよ~抑えろよ~」
テレビの前で念じているのはオレの相棒、神田鉄雄。
これで打たれて負けるものなら荒れて荒れて大変なんだから…と違う意味合いも込めて期待する。
テレビの前で念じているのはオレの相棒、神田鉄雄。
これで打たれて負けるものなら荒れて荒れて大変なんだから…と違う意味合いも込めて期待する。
”ピッチャー、振りかぶった、あーっとど真ん中だ!打ったー!ホームランー!”
ぶちっ。
なにも消さなくても・・・。見たい番組あったんだけどなぁ。
「お茶入れようか?」
「ん」
ダメだ。反応が薄い。触らぬ神に祟りなし、か?
なにも消さなくても・・・。見たい番組あったんだけどなぁ。
「お茶入れようか?」
「ん」
ダメだ。反応が薄い。触らぬ神に祟りなし、か?
(そして翌日)
無機質な、時には(特にこういった状況下では)耳障りな機械音。
というのも、スクランブルの対応に予想以上に手間がかかり、
十分に入れたはずの燃料が基地にたどり着く前にピンチを迎えたというわけだ。
「基地まで間に合いそうか?」
「俺に任せとけって!」
「・・・今日はちょっとやり方が荒いんじゃない?昨日の敗戦が影響してる、っていうのはナシだぜ」
うぅ、としか返せないらしい。図星だったのか!?
無機質な、時には(特にこういった状況下では)耳障りな機械音。
というのも、スクランブルの対応に予想以上に手間がかかり、
十分に入れたはずの燃料が基地にたどり着く前にピンチを迎えたというわけだ。
「基地まで間に合いそうか?」
「俺に任せとけって!」
「・・・今日はちょっとやり方が荒いんじゃない?昨日の敗戦が影響してる、っていうのはナシだぜ」
うぅ、としか返せないらしい。図星だったのか!?
「お~い~神さん!パイロットには私情は要らんのよ?」
「どこかの誰かがプレーオフなんてもん作ったおかげで1位だったのに日本シリーズ出られなくなったんじゃ~」
「気持ちはわからんでもないがねぇ~とりあえず今は無事に帰ろうや」
「うぃ~俺はまだ死ねないぞ~日本一のビール掛けしてないし~オマエさんの花嫁姿見てないし」
「どこかの誰かがプレーオフなんてもん作ったおかげで1位だったのに日本シリーズ出られなくなったんじゃ~」
「気持ちはわからんでもないがねぇ~とりあえず今は無事に帰ろうや」
「うぃ~俺はまだ死ねないぞ~日本一のビール掛けしてないし~オマエさんの花嫁姿見てないし」
ぴきっ!っていったのが聞こえた…こんな経験このゴリラとつき合ってないとできないしってちがう!
「ビール掛け神さんもするの?やるなら風呂場でね~あとオレがいつ花嫁になるっつった?」
今は何せ操縦中だ。爪が研げないのが唯一の心残り。
「ビール掛け神さんもするの?やるなら風呂場でね~あとオレがいつ花嫁になるっつった?」
今は何せ操縦中だ。爪が研げないのが唯一の心残り。
ただならぬ雰囲気を察したか、やけに姿勢よく操縦している。まったくもう!
「とりあえず今は無事に着くことだけを考えてくれよ。今晩どうするかは降りてから考えるから」
「りょうかい~」
「とりあえず今は無事に着くことだけを考えてくれよ。今晩どうするかは降りてから考えるから」
「りょうかい~」
「はぁ~終わった終わったと・帰りますか栗さん」
爪研ぎを持つ手が光る・キラリン。
「忘れておるまいな?おぬし~」
爪研ぎを持つ手が光る・キラリン。
「忘れておるまいな?おぬし~」
「(ヤベッ)さあ~帰りますか」そろ~りそろ~り。
手ぶらでどこへ行くつもりか?
「靴と荷物お忘れよ~届けてあげるわv」
手ぶらでどこへ行くつもりか?
「靴と荷物お忘れよ~届けてあげるわv」
栗原二尉のただならぬ殺気に早々と気づいていた隊員達は知らぬ存ぜぬ決め込み中。
これぞ二死満塁・どうする?どうなる?
これぞ二死満塁・どうする?どうなる?
2005.01.17 ひりゅう