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Because, I love you......


 休日前のある日の夜の事、さっぱりと風呂から上がった栗原は畳の上に信じられない光景を見た。
 それは、なぜか旅館よろしく二枚ぴったりとくっつけられた敷かれた布団である。
 誰の仕業か、なんて事は考えるまでもない。そもそも、
 「栗ー、布団敷いといてやるからなー。」
 なとど珍しい事ののたまわったのは、ほかでもない神田であった。
 「・・・神田・・・。何だ?コレは・・・。」
 「何って、布団だろ?」
 「んなこたぁ、わかってる。なんで二枚くっついてるんだ?」
 声を荒げたい気持ちを抑えながら、栗原はゆっくりと確かめるようにそうたずねた。
 「んーと・・・。一緒に寝ようぜ?」
 神田からは栗原が予想したとおりの答えが返ってくる。
 「・・・遠慮させてもらう。」
 「えー、いいじゃん。俺は栗と寝たい。」
 端から聞いていれば、とんでもない事を神田はさらりと言ってのけた。だた、それが余りにもあっけらかんとしすぎていて、その言葉の意味がどこまで深いのかが読めないままだ。
 「一人でさっさと寝ろ!」
 何にせよ、栗原にとって危険なシチュエーションであることに変わりはなく、とりあえずこの場は逃げてしまおうと、台所へと向かった。
 ビールが冷えているはずだ。
 冷蔵庫のドアを開けて一本手にとると、後ろから神田の声が聞こえた。
 「栗ー、俺にも一本とって。」
 そんな言葉を冷たく聞き流して、栗原は部屋の隅に座って、ビール缶を開けた。
 一口、口に含んでゆっくりと飲み干す。
 そしてやはり風呂上りはこれが一番だと感じるのだった。当然、神田の事は無視したままだ。
 「栗のケチー」
 仕方がなく、神田も自分で歩いていって冷蔵庫を開ける。栗原と同じく、ビールを一つ手にとった。
 「・・・そっち行ってもいい?」
 栗原の冷たい態度に、神田は遠慮がちにそう訊ねた。
 「ダメだ。」
 「・・・栗ぃ~。」
 「お前、何するかわかんないだろ?」
 「う・・・、何もしないとは言い切れない。」
 「ほらな。」
 「で・・・でも、とりあえず何もしないから、隣に座りたい・・・。」
 そんな神田の捨てられた子犬のような眼差しを受けて、栗原は仕方なく自分の横を一人分のスペースをあけて座りなおした。
 微妙な距離をおいて、神田と栗原は向かい合う。
 「今日もお疲れ。」
 そう言い合って、手にしたビールの缶どうしを触れ合わせる。
 そこには、さっきまでの怪しげな空気といつも通り飛行隊に居るときと変わらない空気とが混在している。
 しばらくして、
 「なぁ、何で俺なんだ?」
 飲み干したビールを傍らに置きながら、栗原はそう訊ねた。
 「わからん。気がついたら好きだったんだ。」
 神田の言うことも間違いではない。人を好きになる時に理由を挙げられる人間なんて信用できない。けれど、それでは栗原に納得させる事はできなかった。
 「普通に女の子のほうがいいと思うぞ?」
 「女の子も好きだけど、栗はもっと好きだ。」
 「俺なんかのどこがいいんだ?」
 訊ねられて、神田は少し考えるそぶりを見せる。
 「・・・うーん。よくわかんないけど、そのキツイところとコワイところが好きだ。」
 「キツイ・・・?コワイ・・・?」
 あまり予想しなかった神田の言葉に栗原は呆れる。だが、続く神田の言葉は、栗原をもっと呆れさせるものだった。
 「それに、栗、俺のこと好きだろ?」




 「あり得んね。」
 呆れたのを通りこして、可笑しくなって、栗原は神田の目を見ながら苦笑した。
 「なんでだよー。じゃあ、なんで一緒に住もうって言った時にオーケーしたんだよ。」
 「なんでって・・・。お前なんか一人にしておけんからだろうが。朝起きれるか?洗濯するか?メシ作るか?それに・・・。」
 言いかけて栗原は、何故かそのほとんどを自分が代替わりしている事に気づく。
 「確かに、好きじゃなきゃできんか・・・。」
 「自覚したか?」
 「できるか、バカ。」
 「ちぇっ。」
 拗ねたようにそう言って、神田は2本目のビールを取るために立ち上がろうとしたその時・・・、栗原の手がその腕を掴んでそれを止めた。
 「神田、俺は生半可な愛は要らん。俺を好きなら、真剣にそう言ってみろ。」
 神田を見つめた栗原の視線とその声のトーンが、その言葉が冗談でない事を物語っていた。
 神田もまた、同じように栗原を見つめて答えた。
 「馬鹿野郎、いつだって伊達や酔狂で言ってんじゃないからな。栗・・・、好きだ。」
 そのまま姿勢を変えて神田は、栗原に覆いかぶさるようにしてその体を抱きしめた。そして続ける。
 「柄じゃねぇから、クサイ台詞は苦手だけどよ・・・。好きだ、愛してる。」
 そのまま、感情にまかせて唇を奪おうとして、だが神田はそれを寸前で止めた。
 「栗・・・いい?」
 目を見つめて、そう訊ねる。
 「ここで、か?」
 「キスだけ・・・。」
 それ以上答えは聞かず、神田は栗原に唇を重ねた。重ねるだけで、それは離れていく。
 「キスだけ・・・ね。」
 「なんだ?栗、不満か?続きは・・・あと一本飲んでからだ。」
 シリアスな雰囲気を続けるのは苦手、とばかりに神田は栗原の体を手放して冷蔵庫へと向かう。
 「栗も飲むか?」
 だが、そう言って振り返った先に栗原の姿はもうなかった。
 その姿を追うと、栗原はさっさと布団の敷いてある部屋に行き、掛け布団を引き上げて寝ようとしているところだった。ご丁寧に、二つくっつけられていた布団は人一人通れる幅に引き離されている。
 「一人で、ごゆっくり。俺は先に休ませてもらうよ。お休み、神さん。」
 そして・・・、
 「栗ぃ~~~。」
 部屋の中にはいつもの遠吠えがこだまするのだった。




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