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THE RECON FRIGHT


 「神さん・・・何してんだ??」
 そこはいつものロッカールーム。ロッカールームは2階の一番隅にあって、中には個人用のロッカーがいくつも並んで迷路のような通路を作っていて、そして壁一面にもぐるりと取り囲むようにロッカーが並んでいるだけの殺風景な部屋だ。
 明かりをつけなければ、昼間でもかなり薄暗い。
 窓は天井近くに明り取りの横に細長いのが外に面した壁についているだけだ。
 風も通らず、空調設備も行き届かないこのロッカールームは梅雨の季節でなくてもカビの温床となって、隊員達を悩ませている。
 栗原が驚いた声を出したのも仕方のないことで、神田はそんな唯一僅かながらも、風通しと日光とをもたらしてくれる窓を分厚い暗幕で塞ごうとしているのだ。
 「お、栗か。見てないで手伝え。」
 「気でも狂ったか??なんで暗幕なんか・・・。」
 栗原は呆れ顔で、ロッカーの上に乗り上がっている神田のほうを見た。見たところ正気ではあるらしい。日本語も通じているようだ。
 「とにかくそこから降りてこい。お前が変な事してると、また俺が司令に怒られんだから。」




 「で?」
 「でっ、て?」
 「そうじゃなくて、なんで窓塞ごうとしてたんだ?」
 「だって。」
 「だってじゃないだろ?いくらお前がバカでも理由もなくこんな事をするとは思えん。」
 「・・・これだよ、これ。」
 栗原に多少怖い剣幕で詰め寄られ、神田は仕方なく白状を始めた。
 そして胸ポケットから数枚の写真を取り出す。
 何の写真かと言えば・・・。
 「こ・・・このヘンタイ!」
 「お、俺が撮ったんじゃねーよぉーー。」
 そのどれもが栗原の着替え中の写真なのだ。中にはかなりキワドイ写真まで用意されている。
 「けど、こんなものどうやって・・・。」
 どうやって撮ったんだ?と栗原の興味はそこに移った。場所は間違いなくこのロッカールーム。おそらくこれが撮れるのは神田が塞ごうとしていた窓からに間違いない。
 だが、窓から盗撮するのは不可能だ。窓の外側はただの壁で、5メートルクラスの脚立でもなきゃ立っていられない。だがその壁は格納庫側からもエプロンからも丸見えなのだ。栗原の着替えを狙ってそこにずっと居ることなんてできはしない。
 「この写真どうしたんだ?」
 「・・・て・・・偵空の整備小隊が持ってた・・・。」
 「どいつだ、それは?」
 「・・・いや、これ以上は・・・。」
 「言え、神田!」
 「・・・あ・・・う・・・・。い・・・一枚300円で取引されてる・・・。」
 「お・・・お前それを買ったのかっ?!信じられん、このヘンタイ、ヘンタイ、ヘンタイっ・・・ってまてよ。偵空・・・?」
 偵空、それは偵察航空隊。前線に飛んでいって、高精度の写真を撮ってくるプロの集団だ。見敵必撮!を豪語しているプロ中のプロ。よくよく見れば、神田の持っていた写真はかなり上空から撮りおろした形の写真になっている。
 「・・・あいつら官品を何だと思ってるだ。」
 「ま・・・まぁ、そう怒るなよ、栗。ほら、窓ふさげばいいだけの事で・・・。」
 「偵空隊か・・・、気に入らん・・・。」
 栗原の目つきがいつもと違う。神田が恐怖を覚えるほどの殺気。爪を研ぐ寸前のおそろしさ。
 やばい、ここで止めなければ、飛行隊と偵空隊の全面戦争になりかねない、と神田は一人うろたえる。
 「く・・・栗、別に写真くらい・・・その、減るもんじゃなし・・・。」
 「写真なんかどうでもいい。俺が気に入らんのは、偵空に俺より腕のいいナビが居るってことだ!」
 「へっ?」
 「タワーから注意を受けない高度で旋回しながら、このロッカールームの中にいる人間を狙う・・・、それもわずか数メートルの誤差でだ。神田、お前百里上空を飛びながらこのロッカー室内の人間を100%ロックオンできる自身あるか?」
 「・・・それは・・・ないな・・・。」
 「俺もない。RFが写真撮影を成功させるんだとすれば、それは通常のファントムならロックオンして撃滅させることができるってことだ。くそっ俺をなめやがって・・・。」
 「栗ぃ・・・。」
 どうやら栗原の怒りの方向は違うところへと向いているようである。




 「栗~、だからさ、窓ふさごうぜ。もう撮られる心配なくなるだろ?」
 「何言ってるんだ、ふさいだら部屋中カビだらけになるだろうが。」
 「司令に言って、除湿器買って貰うからさ~。」
 「お前が言う通り、減るもんでもないだろ?そこにこだわる必要がどこにある?」
 別に写真くらい撮られても・・・と栗原は思う。それが高額で取引されているのが少し気に食わないが、それくらいなら自分で売りたいくらいだ。
 栗原が考えるのは偵空隊のその腕のいいRFコンビへの報復。なんとか合法的に屈服させることを考えたい。できれば模擬弾かペイント弾をぶつけたいくらいだ。負けを認めるかのようにいじいじと窓を塞ぐなんて考えたくもない。
 それなのに、相棒の神田はと言えば・・・。
 「だってさ・・・。これ以上盗撮なんてされちゃ俺が困るから・・・。」
 少し困ったように神田は言う。
 それも独占欲の表れの一種だろうか。無防備な姿の栗原を誰の目にも晒したくないのだと。
 「お前が困っても、別に俺は困らん。」
 神田の言葉が愛ゆえのものであることを知りながら、栗原は敢えてそれに異をとなえてみる。とりつく島もないその態度が逆に神田を少しだけ煽る結果になった。
 「だってさ・・・キスマークとか付けにくくなるだろ・・・?」
 ニヤリと笑ってそうつぶやく神田の頬に、栗原の右手が炸裂した。
 バシンッと軽快な音を立てる。
 「お・・・お前はアホかっ?」
 「いってぇ・・・。本気で殴るなっ!」
 言いながら神田は栗原の、今その頬を打った手をとらえ、そして腰を引き寄せた。
 「こういう事だってできなくなるぞ・・・?」
 顔を近づけて、確かめるようにゆっくりと唇を重ねる。だが、重なった唇は栗原の抵抗によって、無慈悲にもすぐに引き離された。
 「ここで、そういう事をするな!見られたらどうする気だ?」
 神田の熱い抱擁をなんとかすり抜けながら、栗原はあくまでも冷静だ。
 「誰も見ちゃいねーよ。偵空のやつらもな。」
 神田がそう言うように、確かに人の気配も航空機の気配もここでは感じられない。けれど、
 「そういう問題じゃないっ。狎れあいはごめんだからな。」
 「・・・つ・・・冷たいな・・・栗・・・。」
 「とにかく、その張りかけの暗幕はちゃんと剥がしておけよ?」
 「はーい・・・。」
 「それと、写真も捨てておけ。持って帰って来たら、家には入れないからな?」
 「え・・・。」
 「え、じゃない。」
 「はーい・・・。」
 多少不服そうな神田を尻目に栗原は先にロッカー室を後にした。
 (写真なんかより、本物のほうがいいんだろうに。)
 と、心の中ではそう思いながら・・・。




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