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The Begining Place


 「神さん、メシ食い終わったか?」
 「おぅ。」
 「着替え終わった?ハンカチ持った?テレビとコタツのスイッチ切った?」
 「おう。」
 「んじゃ、俺はゴミ出してくるから、車のエンジンお願いね。」
 ・・・というのが、神田・栗原のいつもの朝の光景だ。
 いや、これに至るまでにはもっとある。
 例えば、栗原の朝は早い。
 目覚まし時計を一応セットしているものの、大抵はその5分くらい前に目をさましてしまう。そして、隣で寝ている神田を起こさないように起き出して、そして目覚ましのアラームのセッティングを止めてしまう。もちろん神田がそれで起きてしまわなくていいようにと気遣って、だ。
 それから、炊飯器のスイッチを入れて身支度をして、朝食の用意をしてから神田を起こすのだ。それが栗原の朝の日課だった。
 一緒に住み始めた当初は、それを交代でやってみようとした時期もあったのだが、神田のあまりのいいかげんさに栗原が業を煮やして、結局はそれくらいなら自分が全部する!と言いだして今にいたる。
 そして。
 「神さん、起きて。」
 「・・・あ・・?もう朝?」
 「・・・遅刻するぞ。」
 「眠いよ~、栗。ギリギリで起こして?」
 「あほぅ。わざわざ朝メシ作ってんだ。うだうだ言わずに起きて食え!」
 口調は荒いものの、栗原はそう言いながら比較的優しく神田の額をぺちっと叩く。 「・・・キスしてくれたら起きる・・・。」
 そんな栗原に、目を閉じたままで口端だけをにんまりとゆがめて神田はそう言った。 これもいつからか変わらなくなった朝の光景。
 「・・・・・・。」
 いつだったか、そんな馬鹿げたことをのたまう神田にキレて、栗原はそれを無視して布団のそばを離れてしまったことがあった。結果的にはそれは栗原の負けで、神田はその後2度寝してしまい、二人して遅刻するハメに陥ったのだ。
 それ以来、朝起きて貰うまでは栗原はなるべく神田の言い分を聞くようにしている。
 だから、半分怒りの表情をおさえつつ、無言で栗原は神田の額に唇を寄せる。
 眠り姫じゃないんだから・・・といつも心の中で思いながら。
 だが、いつもはそれで目をあけて、体を起こす筈の神田が、それで目覚めようとはしないのだ。
 「いい加減にしろ。さっさと起きろ。」
 「口のがいいなー。」
 「朝から何を言ってるんだ、お前は。」
 「寝る前はしてくれるだろ?起きる時にしたって問題ないと思うけど・・・。」
 「甘えんな。このバカが。」
 と、言いながらも、栗原は神田の唇に、そっと自分の唇を重ねた。
 いつから、こんな二人になったのだろう、とそんな事を考えながら・・・。




 最初に、それを告げたのは神田のほうだった。
 「なんだか、ドキドキしてきた・・・。」
 一緒に生活をはじめて何日かして、まだ新しいエプロンをして台所に立つ栗原を見て、神田がそう言ったのだ。
 「は?」
 神田の言った言葉の意味をはかりかねて、栗原はそんな声を出す。
 「栗、エプロン似合うなー。なんか新婚さんみたい、俺達。」
 「神田・・・つまらん事言ってないで、洗い物を持ってこい、早く。」
 栗原がそう言うと、神田はおとなしく夕食で使った皿や茶碗を栗原のもとに運んでくる。だが、それを流し台に置き終えてもなかなか栗原の近くを離れようとしない。
 エプロン姿の栗原に見惚れたかのように、その側をウロウロとしている。
 「神田、邪魔になるから、あっちでテレビでも見てろよ。それに変な事を言うな。」
 「別に変じゃないだろ?いいなー、俺、やっぱり栗のこと好きみたいだ。」
 「・・・そりゃ、どーも。」
 と、いつもの軽いノリの冗談だろうと、栗原も神田の言葉を軽く流してしまう。
 だが、それがいけなかった。
 「栗・・・好きだ・・・。」
 洗い物を終えて、同じくテレビでも見ようと神田のいる座卓に来た栗原に、神田はそう継げたのだった。
 「何言ってんだよ。こんなシチュエーションで言う言葉か?」
 と、それが愛の告白であることを認めようとしない口調で栗原はそう言った。
 「好きだから好きって言って、何が悪いんだよ。シチュエーションが関係あるかよ。」
 言いながら、神田は栗原を抱きしめようとその背中に手を回した。
 「神田・・・冗談だろ?」
 「・・・俺だって冗談でできることと出来ないことがある。栗の事が好きだ。」
 そうやって、組み敷こうとする神田の体を、栗原はかろうじて押し返しながら。
 「神田っ、やめろっ。そんな一時の気の迷いでつまらん事をするんじゃない!」
 「気の迷いかどうかなんて、やってみなきゃわからんだろう・・・。」
 見つめている神田の瞳がいつになく真剣で。
 栗原はどうしていいかわからずに、
 「もう少し考えてみろよ・・・。後で後悔なんてヤだろ・・・?」
 息を荒くしている神田を諭すようにそう告げて。栗原は、そう言ってだめなら仕方がないか、と、それ以上抵抗することをやめた。
 「考えれば・・・いいのか?いつまで考え続ければいいんだ?俺は後悔するようなことは一度だってしてない・・・。」
 そう言ってから、
 「すまん・・・。」
 と神田は栗原を抱きすくめていた腕を放した。
 「神田・・・?」
 「俺の気持ちは・・・変わらんから。栗がその気になるまで待つさ。たまにはキスくらいさせてくれると嬉しいかな。」
 「したいなら、自力で奪ってみろ。俺から許したりはせんからな。」
 強気でそう答える栗原に、神田はその言葉を飲み込むかのようにその唇に自分のを重ねた。それは、舌が絡まるほどの深い口付けだった。
 そして、
 「どう・・・?」
 深く重ねた唇をようやく離して、神田は自信たっぷりにそう問いかける。
 「どう、って言われても・・・。」
 どう?と聞かれて、きょとんとしてそんな返事をする栗原に、
 「いいよ、寝るよもう。おやすみ。」
 と、神田は何か自信をなくしたかのように奥の部屋の布団へと向かう。
 それが二人にとって、初めてお互いがお互いのことを意識し始めた最初の日だった。




 それから、ジョーイがやって来たり、色々なことがあって二人の仲は急速に近づいていったのだった。そして、だから今では・・・、
 「起きた?」
 唇を離して栗原は問う。
 「栗・・・もーいっかい。」
 軽く触れるだけのキスに満足しきれないのか、神田は再びそうリクエストする。
 「だめだ、起きろ。」
 「え~、けちぃ。」
 「起きたら、キスしてやるよ。」 神田の希望を逆手にとって、栗原は言う。神田はといえば、現金なもので栗原のその言葉にちゃっかり起き上がって、背筋を伸ばしていた。
 そんな仕草が妙にかわいくて、栗原は、
 「続きは帰ってからな。」
 と、笑いながら神田に口付けて、そう告げたのだった。




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