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One Night Celebration


 「あれっ、栗原さん早退ですか?めずらしい。」
 「そうそう、じゃあ水沢、後よろしくな。」
 朝イチのフライトを終えて、その後のブリーフィングを終えた栗原はそのままロッカー室に消えて、そしてすっかり帰り支度をしてそこから出てくる。
 それを見咎めて西川と水沢の320号コンビが声をかけてくる。
 「あれ、神田さんは一緒じゃないんですか?」
 「神さんにはたまってる報告書を仕上げて貰わないといけないからね。」
 「神田2尉がおとなしく書き物なんてしてると思えませんけど。」
 「いや、大丈夫だろ今日は。時間がなくなるから、とにかく俺は帰る。そうだ、西川、水沢、神田には報告書全部仕上げるまで帰ってくるなって言ってあるんだ、ちゃんと見張っててくれ。」
 と、言うなり廊下を走って出口に向かう栗原だった。余程急いでいるらしい。
 その背中に向けて、
 「りょーかいしました。」
 と水沢はいささか間の抜けた返事をしたのだったが、
 「あれ、ちゃんとやってるみたいだぞ。」
 と、西川の方は隅のミーティングテーブルでせっせと鉛筆を動かしている神田を見つけていた。
 「神田2尉、栗原さん先に帰っちゃいましたよ?」
 「んー、あぁ、いいの、いいの。」
 とそう話しかけられて、神田にしてはめずらしくも雑談にのろうとせず、西川の方に顔を向けようともせずに一心不乱に報告書に向かっている。
 「めずらしいですよね、栗原さんだけ早退って。何か用事でもあったのかなぁ。」
 と神田を取り囲むように水沢も寄ってきて、必死な神田に構いもせずに雑談に花を咲かせようとする。
 だがそんな二人も、神田が次に言った、
 「いいの、栗はケーキを焼きに帰っただけだから。」
 の一言に目が点になって、顔を見合わせた。
 「ケーキ?」
 「ケーキですか?」
 「そう、俺今日誕生日なのよ。んで、栗は今から腕によりをかけてそのお祝いの準備をしてくれるってわけよ。」
 「すごすぎる・・・。」
 神田の言葉に西川は当たり障りのない感想を述べるに留まったのだが、水沢の方はといえば、
 「ラブラブですね、寒気がしてきました。」
 とついついいらないコトを口走ってしまい、神田からおもいきり睨まれる結果になった。
 「とにかく、そんなわけだから俺も5時ピタで帰らないといかんのよ。だから、二人とも邪魔しないでくれ。」
 「ええ、わかりました。もうお邪魔はしません。」
 「そういう理由なら、後で俺らも栗原さんから折檻されそうですし。」
 「というか・・・、手伝います。」
 栗原から見張ってろと言われた手前、神田が5時に帰れなかった場合、その責任は自分達にも降りかかってくるのだ、という重大事項に気づいた西川と水沢は自らすすんで手伝いを申し出る。
 「あ、わりぃな。」
 そこから3人がかりのやっつけ作業で、みるみる報告書は文字で埋まっていき、脇のデスクの上には書きあがったものが順番に積まれていく。
 そして、5時の終業ラッパが鳴る頃ようやく、
 「お・・・終わった・・・。」
 「よ・・・よかった・・・・。」
 最早右腕は動かないくらいにまで酷使した後だったが、3人の顔には晴れやかな笑顔が戻る。
 「いかん、ぐずぐずしてる場合じゃない。5時にはゲート出ないと・・・。じゃなっ、西川、水沢。助かったぜ。」
 と、大慌てでロッカー室に消えていく神田を見送って、
 「・・・これって手伝ってなかったら出来てなかったって事ですよね?」
 「みたいだな。」
 「命拾いしましたね。」
 「だな。」
 「・・・これだけ手伝ったんだから、ちょっとくらいおこぼれに預かってもいいはずですよね。」
 「普通はな。」
 椅子にへたりこんだまま、西川と水沢の間にそんな会話が交わされる。
 「水沢・・・行かないよな?」
 「西川さんこそ、よからぬコト考えてないでしょうね。」
 「怖いもの見たさっていうか。」
 「でもケーキ食べたいです。」
 結局、色々と迷った挙句二人が出した結論は、
 「やめとこう。」
 「やめましょう。」
 「まだ死にたくないもんな。」
 「まったくです。」
 と、非常にわが身大事の選択だったのだが。




 その頃。
 栗原は新しく買ったオーブンレンジで焼いたスポンジの膨らみ具合に満足して、めずらしくも非常に機嫌がよかった。
 「完璧じゃないか。さすが俺。」
 と思わず自分で自分を褒める。
 ケーキはハート型でそこに飾る生クリームも淡いピンク色だ。ワインも買ったし、花も飾った。料理だってちゃんと神田の好きなお子様ランチ風にしつらえてある。それを並べるのがこたつの上というのがいささか味気ない気もしたが、新しいクロスを引いて雰囲気を変えるのを忘れない。
 エプロンだって新しいのを出してきた。
 もちろんプレゼントだって、わざわざ東京まで出向いて買ってきたものだ。
 「ちょっと、やりすぎたかな。」
 根が凝り性で完璧主義な栗原なので、神田の為というよりは、自己満足の部分が大きかったのだが、神田が喜べばそれでオーケーだろうという結論に辿り着く。
 年に一度くらい、神田にいい思いをさせてもばちは当たらないだろうと。
 ケーキの飾りつけを終えて、あとは神田が帰ってくるのを待つばかりだ。
 そこへ、
 「ただいまー。」
 とアパートの扉がいきおいよく開けられて神田が帰ってくる。
 「お帰り、神さん。」
 その声に、栗原はエプロン姿のままで玄関まで行って神田を出迎えた。もちろん、それは神田を喜ばせるためではなかったのだが、
 だが、神田の方はそうやって出迎えてくれた事がうれしかったらしく、得意満面で、
 「ちゃんと全部やってきたぞ。」
 と聞かれる前に自分から仕事の成果を伝えた。
 「当たり前だ、そんなの。」
 そんな神田にちょっと憮然とした態度でそう言った栗原だったが、やがてニッコリと笑うと、
 「良かったよ、ここで叩き出さずに済んで。」
 とそう言いながら神田から鞄を受け取った。
 もちろん、神田の報告書書きが終わってなかった場合、玄関から一歩も中に入れるつもりのなかった栗原だったが・・・。
 「もう用意できてるよ。どしたの?」
 なかなか玄関から動こうとしない神田に栗原は早く上がるようにすすめる。
 けれど神田は別の感慨にふけっているようで、
 「あー、いいなぁ、これ、この雰囲気。」
 「何が?」
 「いや、その・・・。おかえりなさい、のキスとか・・・。」
 栗原の機嫌は良かったし、今日は誕生日だから何でも好きな事言っていいよ、とも言っていた。けれど、どの辺りが栗原の逆鱗に触れるポイントなのかを掴みかねて、神田はおそるおそるそう申し出てみる。
 そんな神田に、栗原はくすっと笑うと。
 「バカだなぁ・・・。」
 とそう言って、神田の鼻先に軽く唇で触れる。
 けれども、もうそれ以上はしないよ、とばかりにくるっと向きを変えると先に部屋の中に戻っていった。
 神田は一人幸せを噛み締めつつ、栗原の後に続く。そしてそこに用意されている「お誕生日セット」に狂喜乱舞するのだった。
 「うわー、すっげー、すっげー。」
 「ほら、いいから早く座って。」
 「はーい。」
 「とりあえずビールでいい?」
 「はーい。」
 冷蔵庫から冷えたグラスとビールを出す。
 「お子様ランチにビールってのもオツなのかもねぇ。」
 言いながら神田のグラスにビールを注いで、そして神田から同じようにビールを注いでもらう。
 「お誕生日おめでと。」
 「ありがとー。」
 とそんな事を言いあって、グラスをカチンと合わせる。
 「で、一つ歳をとった感想は?」
 「んー、特にない。」
 「・・・もう少しくらい大人になってくれると嬉しいんだけど、俺は。」
 「あ、そうだ、プレゼントは?プレゼント。」
 「それは、後で。というか、食いながらしゃべるなっていつも言ってるでしょうが。」
 と、そんな所へ、
 「すみませーん、宅急便ですがー。」
 と扉をたたく音が聞こえて、そんな声がそれに続いた。
 「なんだろう・・・。行って来るよ。」
 とそう言って栗原は席をたった。特に荷物が来たりする予定はなかった筈なんだけどな、と思いながら。
 「どうもー、神田さんのお宅で良かったでしょうか?」
 「んーと、そうですけど。」
 「あ、じゃあここにハンコかサインお願いします。」
 ハンコを取りにいくのがめんどうで、栗原は配達の人にボールペンを借りて、そこに「神田」とサインする。そして、神田と一緒に住んでいて気に入らない事があるとすれば、これくらいだな、と思った。
 「神田宛じゃないか・・・。」
 誰からだろう、と差出のところを見ても、「同上」とあるだけでわからない。神田の文字でないことは確かなのだが。
 「神さん、何か買った?」
 丁度両手で抱えるくらいのサイズのその箱を神田に渡しながらそう栗原は尋ねる。
 「いや、覚えはないけどなー・・・。」
 と、不審に思いながらも包みを解いていくと、
 無骨なクラフト紙の包み紙の下からは、きれいな装飾の紙の箱が出てくる。更にその箱をあけると、カードが添えられた包みが現れる。その包みは薄い布地で中が透けて見えていて、どうやら衣類が入っているらしい。
 「なんだ?」
 神田がカードを開くと、そこには
 「誕生日おめでとう。」
 とだけ書かれていて、名前はない。
 「これ・・・、栗から?」
 「いや、違う。俺のは別で・・・。神さんこそ心当たりないの?」
 「うーん・・・、とりあえず開けてみるしかないか。」
 包みをあけて、中身をひろげると、それはなかなか仕立てのいい白の三つ揃えのスーツだった。生地も良くて、デザインも洒落ている。
 「何だこりゃ。」
 「あ、でも神さんにぴったりそう。とりあえず着てみるとか。」
 「そうだな・・・。」
 ごそごそと着替えをはじめる神田だったが、袖を通してみて改めて驚かされる。
 「すげぇ、ぴったりだ。」
 「というか、既製品じゃないよ、これ。オーダーメイドじゃないの?」
 「ってか、何で俺のサイズなんか知ってるんだ・・・?」
 「制服作る時に、サイズ全部測らなかったっけ?」
 「そうだが・・・、あんなの何年も前のサイズで・・・。」
 「あ、神さん、もしかして・・・。」
 と、不意に何かを思いついたように栗原は立ち上がった。そしてぴしっと神田に向けて人差し指を突きつけると、
 「浮気したでしょっ。」
 「なっ・・・・ななな、なんて事言うんだっ。してない、してないってば。」
 「・・・何でそこまでうろたえるかな・・・。アヤシイったら。で、ほんとに?最近誰かから抱きつかれたり、無意味に抱きしめられたり、腕組まれたりしなかった?」
 「そ・・・そう言えば。」
 「それって、鷲鼻でエロい顔した背の高い男じゃなかった?」
 「そうだ・・・、酔っててかなーり覚えてないけど、相当触られたり撫でまわされたりしたような・・・。でも、何で?」
 「・・・やっぱり。そうやって服のサイズを調べるのが得意な奴だったんだよ、昔っから。女の子限定だったけどね。」
 「言っとくけど、服は着てたぞ?」
 「・・・当たり前だ。気持ち悪いこと言うんじゃないよ。」
 やれやれ、というように栗原はスーツが収められていた箱や包装紙をとりあえず片付けてしまおうとそこに膝をつく、そして箱を動かそうとしてそれが予想外に重くて、まだ中に何か入っていることに気づく。
 「あれ、まだ何か・・・。」
 底をさぐると、さっきのと同じような薄い布の包みが出てくる。
 「もう一着入ってるみたいよ?」
 言いながらそれをあけると、さっきと同じデザインのスーツがもう一着出てくる。
 けれど、明らかにサイズだけが違っていて、
 「もしや・・・、これって栗の分?」
 「・・・何考えてんだ、アイツ・・・。」
 それでも一応、と栗原がそれに袖を通してみると、やはり測ったかのようにピッタリに仕立てられていた。
 「あーっ、お前だって浮気してるんじゃないかーっ!!」
 「何で俺がっ!疑ってんの??」
 「だって、お前も撫で回された事があるって事だろうがっ。」
 「言っとくけど、俺も服は着てました。ってか神さん、酔っ払ってて、指差して面白そうに笑いながら見てたでしょうがっ。」
 「けどお前、あん時嫌がってなかっただろう!?」
 「あー、もうっ、なんでそんな事ばっか言うかなっ。」
 と、二人言い争う中、
 ♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪
 と、電話のベルが鳴る。
 「まてっ、栗。ひとまず休戦。電話だ。」
 と、神田が電話口に出ると、
 『よぉ、ブツは届いたか?』
 と、聞き慣れた声がする。それはスーツの贈り主だった。
 「あ、お前っ。お前のせいで栗と大喧嘩になりかけなんだぞ、どうしてくれるんだっ。」
 『へ、なんで?』
 状況が飲み込めないままの電話の相手をよそに神田が怒鳴り散らしていると、今度は栗原が電話の所へやってきて、神田から受話器を取り上げた。
 「神さん、ちょっと貸してっ。もしもし?」
 『よぅ、栗原か?どうだ?サイズピッタリだろ?』
 電話の向こうの声は、得意満面そのままだ。
 「・・・お前がわざわざサイズを測ってくれたお陰で、こっちじゃ大喧嘩になりそうだってのに・・・、よくそんな呑気な声で電話なんてかけてこられたもんだ・・・。」
 『あん?そんな事で喧嘩してんなよ。若いなお前ら。ほらだって、わざとらしくサイズ訊くなんて超カッコワルイだろ?』
 「で、何なんだよ、あの白の三つ揃えは。どこで着ろってんだ、あんなモノ。」
 『そろそろ、必要かと思ってさ。』
 と、その言葉の意味を量りかねていた栗原だったが、
 『お前にゃ、ウェディングドレスのが良かったか?』
 続くその一言に、すべての意図を解してとうとう怒りが炸裂した。
 「馬鹿野郎っ、しばらく俺の前に現れるなっ!!」
 とそう叫んで、乱暴に受話器を置く。それから神田の方を振り返って、
 「あんな奴の為に、何で俺が神さんと喧嘩しなくちゃいけないんだ。ホントくだらない。神さん、もういいよ、怒鳴ったりしてごめん。こんなのどっか閉まっちゃうから。」
 脱いだ上着と神田からうけとった同じデザインのそれを適当にたたんで元から入っていた箱にしまいこむと、栗原はそれを奥の部屋の押入れの隅に投げ入れた。
 それから戻ってきて、食べ終わった皿を片付けると、代わりにケーキを乗せた皿と取り皿やフォークを持ってくる。
 「ケーキ食べようよ。」
 と、それを神田の前に差し出す。ハート型に焼かれていたスポンジは、ピンク色のクリームで覆われていて、その表面にも同じピンク色でバラの花びら型に搾り出されたクリームで飾りつけがされていて、素人がつくったにしては素晴らしい出来上がりだった。
 「すげっ、栗って天才。うまそー。」
 「だろ?愛が詰まってるからね。」
 「だからハート型なのか?」
 「そうそう、ついでにピンクにしてみた。じゃあ切るよ、どこから食べる?」
 と、ナイフを手にとろうとする栗原の手を
 「あー、栗ちょっと待って。」
 と神田が止める。
 どうして?というように神田の顔を見つめる栗原に、
 「ハートを切るなんて縁起でもない。このまま食おうぜ。」
 と言うなり、神田はフォークを手にとってハートの中央あたりの生クリームを台座のスポンジごとごそっとすくいあげる。
 「うわっ、お行儀が悪いよ、神さんっ。」
 たしなめようとして、けれどそれを口に持っていった神田が、余りにもおいしそうにそれを食べるので、ついつい、ぷっと吹き出してしまう。
 「うまいっ。さすが栗だ、味も完璧。」
 「そう?良かった。」
 と、クスクス笑いながら神田の食べる様を見ている栗原に、今度は神田が、
 「栗も食えよ。」
 とケーキの刺さった自分のフォークを差し出してくる。
 口元でそれをヒラヒラされるので、そのまま食べろという事なのだろう。フォークを持つ神田の手に自分の手を添えてそっと動きを抑えると、栗原は口を近づけてそれを啄ばんだ。
 栗原がそれを食べ終えるのを待って、神田は同じ動作をねだる。
 「俺にもあ~んってして。」
 「ホント、しょうがない人だな・・・。」
 言いながらも、栗原はその動作を何度か繰り返して、そして神田の幸せそうな顔に満足していた。
 それから、フォークを神田の手に返すと、
 「そうだ、プレゼント渡すの忘れるところだった。」
 と、こたつの下からリボンのかけられた紙包をとりだして、神田にそれを手渡す。
 「あーっ、こんな所にあったのか。」
 「そうそう、いい具合にあったまってるよ、きっと。」
 「何?これ。」
 「まぁ、開けてみなさいって。」
 言われるままに神田がそれを開けると、中にはパジャマが一組収められていた。
 滑らかなシルク地で、どこかで見覚えがある様な、と神田は思う。
 そして、栗原の言葉にそれを思い出すのだった。
 「いいでしょ、俺のとおそろいで。」
 そう言えばそうだったような、と。そして栗原のパジャマ姿を失念していたのは、自分に大いに責任があるような、とも思う。大抵は自分が先に寝てしまうし、起きる頃には、栗原はもう起きて着替えて朝ご飯なんかを作っているところだったりする。一緒に寝る時はそもそもパジャマなんて脱がせてしまうから、神田は栗原のパジャマ姿をほとんど見ていない。この所はずっとそれが続いていた。
 お揃いのパジャマ姿も悪くないな、と思いつつも、
 「神さん、今日はちゃんとコレ着て寝てね。」
 と栗原からニッコリ笑いながらそう言われて、神田は複雑な気分でいた。
 「うれしいんだけどさ・・・、それって今日はおあずけって事?」
 とおそるおそるそう尋ねると、
 「だって、これだけ準備したから、すっごく疲れちゃったのよね、俺。」
 と、やわらかい拒絶にあって、すっかり気落ちした神田だったが、
 「でも、ちゃんとそれに着替えたら、一緒に寝てあげるよ。」
 結局は栗原に懐柔されてしまう事に変わりはないわけで。
 それでも二人してパジャマに着替えて布団に入ってみると、素肌とはまた違うシルク越しの滑らかな感触を神田はすっかり気に入ってしまったようで。
 「んー、気持ちいー。」
 「もう、神さんっ、いい加減寝させろってば。」
 「ん?寝てていいよ。けど俺は触ってたい。」
 「こんな事されてたら、寝られるわけないだろっ。」
 背中や足をさんざんに撫でられて、それから逃れようと栗原は体をよじるが、神田の手がそれをしっかりと押さえつける。
 「じゃあ、脱がせちゃっていい?」
 耳に息をふきかけるようにそう尋ねられて、栗原は観念する。
 「もう・・・、しょうがないなぁ。」
 そして、覆いかぶさってくる神田の耳元で囁くのだった。
 「来月は俺の誕生日だから、よろしくね。」
 ・・・と。




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