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ファントム無頼サイト(一部女性向)


   …ジャンル替:Idd.(三国志大戦)

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イニシアティブの居場所


 「なぁ、神田。念のため一つ確認したいんだが・・・。」
 と、上空1万フィートで栗原がそう切り出した。
 もちろんそこはファントムのコクピット内で、会話はマイクロフォン越しだ。
 「何だ?」
 と、神田が返す。
 「・・・ルートはこれで合ってるんだろうな?」
 キャノピー越しに見える景色は丸い水平線だ。上は空、下は海、地上からは随分と離れてしまっている。
 訓練項目の関係で、めずらしく栗原が前席に居て、後席には神田が入って航法を担当している。
 「お前は俺が信用できんのか。そっちからでも方位計を見ろ、方位計を。」
 「方位計もレーダーも全部確認してるさ。でもなぁ・・・なんかルート選択がイマイチ・・・。」
 「るせぇ、栗。ごちゃごちゃ言ってないで、言われた通り飛べばいいんだ。それに勝手に高度下げてんじゃねーよ。」
 「だって、ほら。今朝のウェザーブリーフィングだと、この辺りは高高度だと乱気流が・・・。」
 「乱気流なんざ、出くわしから対処すりゃいいんだ。」
 どうやら二人入れ替わると、パワーバランスが狂うらしい。
 「神さんこそ、ごちゃごちゃうるさいんだよ。もうちょっと俺を信用できんかねぇ。」
 「栗こそもうちょっと腕上げてから言うんだな。ほれ、旋回練習に入るぞ。ブレんように頼むぜ。」
 旋回には理想のラインがある。そのあらかじめ決定されたライン上をいかに完璧になぞる事ができるかで腕の良し悪しが決まるのだ。
 それを神田はほとんど本能と言うべき勘の冴えでやってのけるのだが・・・。
 「こら、栗。考えて動かすんじゃねぇ、理屈じゃなくて体で覚えろ、体で。」
 「ムリ。あんたと一緒にすんじゃないよ、ったく。ほんとうるせぇ女房役だ。」
 人には向き不向きがある。体より先に頭脳がフル回転するタイプの栗原には難しい問題だ。それでもなんとか半日の訓練を終えて地上に戻って来た後、神田はこう言ったのだった。
 「へへへ、ここまで栗をヘコませられんなら、たまには女房役も悪くねぇな。」
 と・・・。




 だが、その日の夜になってから、神田はその言葉に対する報復をたっぷり食らうことになるのだった・・・。
 「く・・・栗原っ、お前一体何しようとしてるんだっ。」
 「何って・・・。イイ事?かな?」
 布団を敷いて、電気を消したら、栗原のほうから神田の隣にすべり込んで来た。めずらしい事もあるもんだ、と神田がその体を引き寄せて唇を重ねようとすると、これもまためずらしい事に、栗原のほうからそれを奪ってきて、そして神田が違和感を感じる頃にはもう、栗原に上から圧し掛かられて、押さえつけられていた。
 首の後ろのあたりがチリチリとして、そして頭でその状況を理解する前に冷や汗が流れる。
 怖くて確かめられないが、それでも聞かずにはいられない。
 「・・・あのさ、栗原・・・?いつもと立場が逆じゃないか・・・?」
 「あぁ、何か問題あるか?」
 「いや、その・・・。うわっ、ちょっと本当にやめろってばっ。」
 栗原の体を押し返して、思いとどまらせようとするが、意外に強い力で抑え込まれていて、気がつけば外されたボタンのパジャマの合わせ目から手を滑り込まされていた。
 それを嫌って、神田は声を荒げたのだが、
 それに対して栗原の冷ややかな声が返ってくる。
 「嫌なんだ・・・、ふぅん・・・。」
 「嫌に決まってんだろっ。」
 言いながら全身の力を振り絞って神田は栗原の体を引き剥がそうとしたが、それより一瞬早く、栗原が神田の首の下に腕を差し入れて動けないようにその頭ごとしっかりと押さえつけてしまう。その顔が神田の耳元に近づけられて、そして囁いた。
 「嫌なんだ?あのさぁ、神さん。俺だって一応心身ともに健全な男なワケよ。それを毎度毎度、当然のように足開かされてちゃ、いい加減ストレスもたまるってもんじゃない?そこんとこ、どう考えてくれてんのかな?」
 「・・・・・・。」
 言われて神田は言葉もない。
 「何?何も考えてなかったってワケ?ホントいいご身分だねぇ。」
 栗原の声はますます冷ややかになっていた。
 「ごめん、栗。ほんと悪かった・・・。」
 「今更謝られたってさ・・・。今日、相当機嫌悪いのよね、俺。」
 声だけでなく、その目も表情も冷ややかになってきて、覗き込まれた神田は背筋に冷たいものを感じて、ほとんど泣き顔だ。
 「どうやったら機嫌直る・・・?」
 と、おそるおそるそう訊ねる神田に対して栗原は、口元をゆがませて神田に告げたのだった。
 「神さんさぁ、たまには女房役もいいって言ったよね?・・・なら身体できっちり落とし前つけてもらおうじゃない?」
 と。最後の方は、ほとんど耳元で囁くようにして。




 それから数秒後・・・。
 「・・・冗談だよ。」
 と、栗原はいつもの調子でそう言ってから、抱きつくようにして神田の身体の上に崩れた。
 神田にとっては、その数秒間が永劫の絶望の時間だったようで、それからまた数秒してからようやく、クスクスと可笑しそうにしている栗原に、
 「冗談にしちゃ・・・性質悪すぎるぞ・・・。」
 と、抱きしめ返す余裕も出てきたのか、その背中に腕を回しながらそう言い返す。
 「もうちょっと虐めても良かったんだけどなぁ。」
 「よしてくれ、再起不能になるわ、俺・・・。」
 「そう?そうは見えないけどなぁ・・・?」
 そう言って、栗原は神田の身体の一部に触れながらクスっと笑った。
 栗原の言いたい事が神田にはすぐ伝わった。さっきの言葉責めにきっちりと身体が反応してしまっている事を見抜かれているのだ。
 「で、どうするの、コレ。どうしたい?」
 栗原から布越しにふわっと撫でられて、神田は言葉に詰まった。
 「いいよ、俺は。神さんのためなら、ね。」
 そう誘い込まれて、神田に抗えるわけもなくて。
 「是非、お願いします・・・。」
 と、そう答えていつもと同じ夜が始まるのだった、が。
 寝床での立場が変わらなかったにしても、その日から主導権が100パーセント栗原の物になった事は言うまでもない。




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