メニュー
人気記事
3月下旬、事件は起きてしまった。
4月から外回りになると、帰りも遅くなり、今までのように週に2回も3回も遊ぶことができなくなってしまう。やがて2人の関係も疎遠になってしまうだろう。そう考えた僕は、無謀にも2つ目の方法、つまり彼氏からあの子を奪おうと考えたのだ。
しかし、やはり作戦は失敗に終わった。性急で稚拙な手では、彼女の心をこちらに向けることはできず、恐れていた事態が起きてしまった。2人の関係に亀裂が入ってしまったのだ。
社内ですれ違っても挨拶はぎこちなく、以前のように突っ込みを入れてくれることもない。仕事も手につかず、苦悩の日々が続いた。しばらくは悪夢の連続だった。そんな状況であったが、6月頃には週に1度は遊びに行くくらいには回復していた。失ったささやかな幸せが戻ってきたようで、ただ嬉しかった。
そんな中、7月上旬に第2の事件が起きた。
夏という季節の気まぐれなのか、彼女の方から温もりを求めてきたのだ。僕は激しく動揺した。ひょっとして、彼氏とうまくいってないのか。3月に拒絶したことを申し訳ないと思っているのか。ともかく、この事件を経て、2人の関係は以前のそれとだいぶ近づいた。2人でお祭りに行ったり、休みの日に飲みに行ったり。だが、友達以上恋人未満という枠を超えることはなかった。
時は流れ、12月となった。
ご飯を食べたり、飲みに行ったり、ボウリングしたり、ドライブしたり。ツッコミが心地よい。というか横にいるのがあまりにも自然で、いないのが考えられない。だが、3月末で僕は恐らく転勤だろう。そう考えた瞬間、怖くなった。
ああ僕は君を本当に卒業できるのか
このまま何もしない方が、友達としてたまに遊んだりできる可能性は高いかもしれない。でも、今の自分のありのままの気持ち、ずっと一緒にいたい気持ちを伝えなくていいのか。そして、夏の事件の真相を確かめなくていいのか。それをしなくては、きっと後悔するであろう。
僕がとるべき道は…
また多分君を思い出す事があるだろう
過去の話になるには時間がかかるだろう
あなたの事で涙を流せなかった日々が
僕はふと後悔してしまう事があるだろう
あぁ僕は君をほんとうに卒業できるのか
寂しさと切なさと懐かしさがかけ巡る
言葉と心が反比例してしまう 本当に僕は
あなたを忘れて生きる自信がないのさ だけど
さよなら さよなら さよなら
君にもう会いたくはないよ
君と会えば僕は多分
一生忘れられないから
素直に喜べる事は無いよ
僕は君を卒業するよ
切ない気持ちとともに
(Written and Sounded by Kozak Maeda)
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。