aiwaneuro @Wiki 血圧のコントロールについて

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

血圧のコントロールについて

脳外科の患者は、その疾患によって血圧を上げたり下げたり細かく指示が出ます。上がったら下げればいいというものではなく、血圧をコントロールすることで脳血流をコントロールしようというのが、その一番のポイントです。

1.まずは出血から
このような患者が運ばれてきたらどうすべきですか?



病 名は、右被殻出血です。脳内出血の原因は主に高血圧ですが、まさにその典型的なものです(各疾患については後述する予定です)。頭蓋内圧が亢進するため (頭痛などの刺激もあり)、血圧が高くなります。血圧が高いと再出血のリスクになるために、まずはペルジピンなどで降圧します。


ではこのような場合はどうしましょう?



同じく脳内出血でも脳幹出血です。もちろん当初は血圧が高いので、降圧を図りますが、脳幹がやられてしまっているためにすぐに血圧は保てなくなります(持ちこたえる人は持ちこたえる)。そのため、血圧が下がり始めたらすぐにDOA、DOBを用意する必要があります。


ちなみにこのような場合



こ れは左の視床・被殻の出血ですが、血腫が巨大なためにすでに脳ヘルニアを起こしてしまっています。もちろん当初は血圧を下げますが、頭蓋骨という限られた スペースの中にいきなり巨大な血腫が出現したために、頭蓋骨の中の圧(脳圧)はかなり高くなってしまいます。体は脳に血流を送ろうと血圧を高くする方向に 働きますが、ここで血圧を下げてしまうと、一気に脳血流が低下してしまい、脳に血流が保てなくなってしまいます(これを避けるために、一時的に骨を外す開頭血腫除去および外減圧術を行う)。
何が言いたいのかというと、脳圧が高い状況では血圧を安易に下げることは危険だということです。



では、次の画像



典型的なくも膜下血腫ですね。脳血管にできた脳動脈瘤が破裂し、そこから出血して起こります。脳内出血との最大の違いは、脳内出血は小さな動脈が破れることが多いのに対し、くも膜下血腫は、中大脳動脈や内頚動脈など太い動脈にできた瘤から出血するということです。その分、降圧に関しては慎重にみなければなりません。頭痛も強いため、降圧に加え鎮痛、必要があれば鎮静もかけます。再破裂は致命的ですので、脳血流が悪くなろうとも、降圧を優先的に考える脳外科医が多いと思われます(目安は脳内出血が160mmHg以下に対し、くも膜下出血は140mmHg以下)


これはどうでしょう。



一 見右側頭葉内の脳内血腫にも思えますが、よく見るとくも膜下出血も認めます。脳幹もゆがんでいるほどのヘルニアを伴っていたため、血圧はむしろ低い症例で した。手術をすると右中大脳動脈の分岐部に破裂動脈瘤を認めました(血腫があるところね)。昇圧しなければならないような症例は難しいです。


では脳梗塞はどういうものがあるか。
一般的には「突然発症、片麻痺、CTで出血を認めない」患者は脳梗塞をまず疑います。意識障害があり、脳梗塞の既往、心房細動や糖尿病の既往、長年の高血圧なんかがあればまず間違いないな考えます。
脳梗塞には大血管が詰まる1.脳塞栓症、脳の動脈の穿通枝(細い動脈)が詰まる2.ラクナ梗塞、どこかから飛んできた血栓で脳血管の末梢が詰まる3.脳血栓症の3つがありますが、血圧管理が重要なのは1.の脳塞栓症です。

脳塞栓症



塞栓症の場合、脳の大きい範囲が梗塞になるために、だんだんと腫脹しやがてヘルニアを起こします。体は脳に血流を送ろうとして(実際には血管が詰まっているため血流は脳に届かないのですが)血圧を上げようとします。頭蓋内圧亢進と、両方の作用で血圧は上がっていきます。200mmHgを超えることもめずらしくないですが、これを降圧してしまうと、さらに脳血流が低下してしまい、脳浮腫を助長してしまうので、絶対に下げてはいけません

ちなみに、ラクナ梗塞や脳血栓症でも無闇に血圧は下げてはいけませんが、血圧が異常に上がる事も無いので心配は要らないかと思います。

まずはこの考え方が脳外科の血圧管理のエッセンスだと思います。また不備は変更し、必要があれば追加していきます。