|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|

佐藤春夫訳「徒然草」三


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 万事に傑出していても、恋愛の趣を解しない男は物足りない。玉でつくられた杯《さかずき》に底がないような心持のするものである。露や霜に濡れながら、当所《あてど》もなくうろつき歩いて、親の意見も世間の非難をも憚っているだけの余裕がないほど、あちらにもこちらにも心定まらず苦しみながら、それでいてひとり寝の時が多く、寝ても熟睡の得られるという時もないというようなのがおもしろいのである。そうかと言ってまるで恋に溺れ切っているというのではなく、女にも軽蔑されているというのでないのが理想的なところである。
メニュー

更新履歴
取得中です。