|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|

佐藤春夫訳「徒然草」百三十五


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 資季《すけすえの》大納言入道とかいう人が、具氏《ともうじの》参議中将にあって「貴君が質問されるぐらいのことならば、なんなりとお答えのできないことはありますまい」と言われたので、具氏は「さあどんなものでしょうかな」と言うと、「それじゃ試してごらんなさい」と言われたから、「満足なことはまるでこころがけてみたこともありませんから、おたずねすることもできません。なんでもない言い草見たいなことのなかで意味の知れないことをおたずね申し上げましょう」と言ったので、「何がさて日本の事がらで浅俗なことなどはなんなりと解き明かしましょう」と申したので、院のお側の人々や、侍女なども「これは面白い勝負でございます。同じことならば院の御前でなすって、負けたほうが御馳走を遊ばせ」と決めて、院の御前へ参上させて勝負をつげざせたところ、具氏は「子供の頃から聞いておりますが、意味の知れないことがございます。馬のきつりよう、きつにのをか、なかくぼれいりくれんどうと申すことは、どういうわけでございましょうか、お聞かせ下さいませ」と申させたので、大納言入道はグッとつまって、「それは他愛もないことだから言う価値もない」と言われたのを「はじめから満足な事がらは学んでおりません。言い草をおうかがい申しましょうと、お断わり申し上げています」と申されたので、大納言入道殿の負に決定して、賭けを厳重に申しつけられたということである。
メニュー

更新履歴
取得中です。