Gallery Fake ◆1eZNmJGbgM
「……そういえばギロロさん、なぜここが博物館だと?」
「簡単な話だ、こんな物が机に置かれていたのだからな」
「簡単な話だ、こんな物が机に置かれていたのだからな」
そう言ってギロロはパンフレットの様なものをユーノに渡す。そこには、
~キュービル博物館公式ガイドブック・世界編~と書かれた小冊子が一つ。要は館内MAPである。
~キュービル博物館公式ガイドブック・世界編~と書かれた小冊子が一つ。要は館内MAPである。
「俺が最初にいた場所はこの博物館の受付でな、そこにコレがあった。こういった施設の情報は生死を
分けるポイントに成り得るので、真っ先に把握しておきたい所だ。そして一通り目を通した時に
お前の声が聞こえてきて、現状に至る訳だ」
分けるポイントに成り得るので、真っ先に把握しておきたい所だ。そして一通り目を通した時に
お前の声が聞こえてきて、現状に至る訳だ」
ユーノに説明をしながらも、周囲への警戒は怠らない。どこにどんな敵がいるのか分からない以上当然である。
――自分のような軍人を呼んでおいて殺し合いをさせようというのだ、少なくとも俺と互角以上、最悪
兄であるガルル並みの戦闘能力を有する参加者がいる可能性も否定できない。
そんな事をギロロが考えていると、パンフレットに目を通し終わったユーノから声が掛かる。
――自分のような軍人を呼んでおいて殺し合いをさせようというのだ、少なくとも俺と互角以上、最悪
兄であるガルル並みの戦闘能力を有する参加者がいる可能性も否定できない。
そんな事をギロロが考えていると、パンフレットに目を通し終わったユーノから声が掛かる。
「ギロロさん、まずはどこへ向かうんですか?」
「まずはこの武器の歴史という展示コーナーだ。さっきお前と会話して気付いたのだが、非殺傷設定
がどうとか言ってたな。俺は軍人である以上、それの存在を認めるわけにはいかん。だがお前の常識
では当然の事らしい。これは可能性の話だが、もしかすると――」
「……僕たちは別々の世界から連れてこられたという事ですね?」
「まずはこの武器の歴史という展示コーナーだ。さっきお前と会話して気付いたのだが、非殺傷設定
がどうとか言ってたな。俺は軍人である以上、それの存在を認めるわけにはいかん。だがお前の常識
では当然の事らしい。これは可能性の話だが、もしかすると――」
「……僕たちは別々の世界から連れてこられたという事ですね?」
そのユーノの回答に満足したようにギロロが続ける。
「そんな所だ。最初の話に戻るが、わざわざ武器を展示・陳列する以上俺達と無関係なシロモノで
あるよりは、この中の誰かが使用している、あるいは見覚えのある武器があると考える方が自然だろう。
逆にいえばその武器を見る事でどの程度の文明から連れてこられたのか推測できるかもしれん。
まあさすがに武器自体は本物でなく、レプリカだろうがな」
あるよりは、この中の誰かが使用している、あるいは見覚えのある武器があると考える方が自然だろう。
逆にいえばその武器を見る事でどの程度の文明から連れてこられたのか推測できるかもしれん。
まあさすがに武器自体は本物でなく、レプリカだろうがな」
最後は半分笑いながら説明したギロロを見て、ユーノは改めて感心する。いきなり拉致された上に、
お互いを殺し合えと告げられ、さらに起爆装置付きの首輪を付けられ放り出される。そんな常人なら混乱、
最悪発狂してもおかしくない状況においてもこの冷静さ。ドアが開けられないぐらいで慌てふためいた
自分が情けない。軽く溜息を吐きながらギロロに話しかける。
お互いを殺し合えと告げられ、さらに起爆装置付きの首輪を付けられ放り出される。そんな常人なら混乱、
最悪発狂してもおかしくない状況においてもこの冷静さ。ドアが開けられないぐらいで慌てふためいた
自分が情けない。軽く溜息を吐きながらギロロに話しかける。
「ギロロさんは凄いですよね、僕は支給品のチェックもしていないのにパニックになっちゃって……」
「いや、お前も中々だったぞ。俺が手榴弾を使う事を理解していなければあれほど迅速には動けない
だろう。民間人とは思えん行動だ。主にどんな任務を遂行していたんだ?」
「あ、いや、軍隊というか、治安維持というか…本来は考古学者に近い事を……」
「ふむ、軍部の関係者で考古学にも精通しているという訳か……つかぬことを聞くが、保険調査員や
探偵業もこなしてはいないか?」
「いえ、全然……いきなりなんでそんな事を? しかもなぜか不吉な予感が」
「急に思い付いただけだ、他意は無い。そもそもなぜいきなり頭に浮かんだのか俺にもよく分からん」
「はあ……」
「いや、お前も中々だったぞ。俺が手榴弾を使う事を理解していなければあれほど迅速には動けない
だろう。民間人とは思えん行動だ。主にどんな任務を遂行していたんだ?」
「あ、いや、軍隊というか、治安維持というか…本来は考古学者に近い事を……」
「ふむ、軍部の関係者で考古学にも精通しているという訳か……つかぬことを聞くが、保険調査員や
探偵業もこなしてはいないか?」
「いえ、全然……いきなりなんでそんな事を? しかもなぜか不吉な予感が」
「急に思い付いただけだ、他意は無い。そもそもなぜいきなり頭に浮かんだのか俺にもよく分からん」
「はあ……」
そんな他愛もない会話をしているうちに、目的の場所に到着した二匹。展示物は透明なケースに
閉まってある様だ。最初の展示物は……血染めの木の棒。題名は「熊殺し」。佇む二匹。
閉まってある様だ。最初の展示物は……血染めの木の棒。題名は「熊殺し」。佇む二匹。
「えーとギロロさん、これはどう解釈すれば……」
「なぁにい? ユーノ、お前にはこの武器から伝わってくる男気が分からんのか!?」
「なぁにい? ユーノ、お前にはこの武器から伝わってくる男気が分からんのか!?」
困惑するユーノとやや興奮気味に語るギロロ。ユーノの反応が正常なのだろうが、それを指摘する第三者なぞいる訳も無く。
「いいかよく見ろぉ。この木、「ト」の字の形をしているな。そして点の部分に歯形がある。歯形の大きさから
推察すると使用者は俺達より少し大きいぐらいの四足歩行の動物……そんな奴が、熊を倒すにはどうすればいいと思う?」
「……突撃ですか?」
「そうだ! しかも剣や槍ではなくこんな木で倒すには狙う部位も限定される。ズバリ頭部、それも目か口!
ユーノ、想像してみろ。自分の何十倍もある凶暴な敵に対して、木の棒一本で立ち向かう男の姿を!
確かにこれを使った者の文明レベルは低いだろう。だがしかぁし! 間違いなくその男は戦士(ソルジャー)であると、俺は断言する!」
「は、はぁ……とりあえず他の展示品も見てみませんか?」
推察すると使用者は俺達より少し大きいぐらいの四足歩行の動物……そんな奴が、熊を倒すにはどうすればいいと思う?」
「……突撃ですか?」
「そうだ! しかも剣や槍ではなくこんな木で倒すには狙う部位も限定される。ズバリ頭部、それも目か口!
ユーノ、想像してみろ。自分の何十倍もある凶暴な敵に対して、木の棒一本で立ち向かう男の姿を!
確かにこれを使った者の文明レベルは低いだろう。だがしかぁし! 間違いなくその男は戦士(ソルジャー)であると、俺は断言する!」
「は、はぁ……とりあえず他の展示品も見てみませんか?」
急にテンションの上がったギロロについて行けず、とにかくこの場から離そうとするユーノ。しかし一度
火の付いたギロロのテンションは一向に下がらず、むしろ新たな展示品を見るたびに上がっている気がする。
火の付いたギロロのテンションは一向に下がらず、むしろ新たな展示品を見るたびに上がっている気がする。
例えば、
「ほう、一見ただの木刀の様だがグリップの部分や敵を叩いて損傷した場所を見るとかなりの才覚がある
ようだな、これの持ち主ならドロロともいい勝負をするだろう!」
ユーノにはただの木刀にしか見えない。
「ほう、一見ただの木刀の様だがグリップの部分や敵を叩いて損傷した場所を見るとかなりの才覚がある
ようだな、これの持ち主ならドロロともいい勝負をするだろう!」
ユーノにはただの木刀にしか見えない。
例えば、
「なにぃ! この布からは……ただならぬ闘気を感じるぞ! コイツが敵に回ったら、ケロロ小隊全員でも
勝ち目は3割あるかどうか……くっ、俺としたことが展示品から溢れる気に飲まれるとは、持ち主は化け物か!?」
ユーノにはただの白い布にしか見えない。
「なにぃ! この布からは……ただならぬ闘気を感じるぞ! コイツが敵に回ったら、ケロロ小隊全員でも
勝ち目は3割あるかどうか……くっ、俺としたことが展示品から溢れる気に飲まれるとは、持ち主は化け物か!?」
ユーノにはただの白い布にしか見えない。
例えば、
「ギロギロギロ、これを武器と言い張るか! しかし、その存在感、暴力性、なにより圧倒的なカリスマが
ある以上、認めざるを得ないだろう!」
ユーノにはただのロードローラーにしか見えない。
「ギロギロギロ、これを武器と言い張るか! しかし、その存在感、暴力性、なにより圧倒的なカリスマが
ある以上、認めざるを得ないだろう!」
ユーノにはただのロードローラーにしか見えない。
そして展示コーナーの奥には、「以降レプリカ」との看板が。
精神的に疲れたユーノが、ハイテンションのギロロに声をかける。
精神的に疲れたユーノが、ハイテンションのギロロに声をかける。
「ギロロさ~ん、この先も行くんですか?」
「む、レプリカと言うのは気が進まんが、一応見ておくか」
「む、レプリカと言うのは気が進まんが、一応見ておくか」
もはや当初の目的である参加者の文明うんぬんと言う話は頭の片隅に追いやられ、金メダルやチャンピオンベルトを
見物に来ている来場者と変わらなくなってしまっている様だ。
そんな二匹の先にあったのは、先ほどのコーナーとは打って変わって、見るからに名刀、名剣、名銃が
所狭しと並べられていた。こちらはむしろユーノの方が興味を示した模様。
見物に来ている来場者と変わらなくなってしまっている様だ。
そんな二匹の先にあったのは、先ほどのコーナーとは打って変わって、見るからに名刀、名剣、名銃が
所狭しと並べられていた。こちらはむしろユーノの方が興味を示した模様。
「すごい……刀身が虹色に輝く刀や、炎そのものが剣の形をしている武器、それにこれは…槍?
その割には妙な飾りが多すぎるし、こっちの銃はワタシガダレヨリイチバンガンとオトナノカイダンノボルガン?
うーん、とにかく僕は聞いたことも見たことも無いものばかりですけど、ギロロさんはどうですか?」
「最後の二つは俺は知っている。効果は…バカバカしいので説明したくない。さあ、次へ行くぞ、レプリカには興味は無い」
「え? でも他にも色々な武器がありますけど……」
「ユーノ、まだ分からんようだな。いいか、本当に戦士が己の命を預けて闘ってきた武器から醸し出される
存在感と、ただ見た目だけが小奇麗なレプリカとではその存在感が違うのだ。長い時を経て、戦場を
潜り抜けてきた本物だけが持つ輝きがな」
その割には妙な飾りが多すぎるし、こっちの銃はワタシガダレヨリイチバンガンとオトナノカイダンノボルガン?
うーん、とにかく僕は聞いたことも見たことも無いものばかりですけど、ギロロさんはどうですか?」
「最後の二つは俺は知っている。効果は…バカバカしいので説明したくない。さあ、次へ行くぞ、レプリカには興味は無い」
「え? でも他にも色々な武器がありますけど……」
「ユーノ、まだ分からんようだな。いいか、本当に戦士が己の命を預けて闘ってきた武器から醸し出される
存在感と、ただ見た目だけが小奇麗なレプリカとではその存在感が違うのだ。長い時を経て、戦場を
潜り抜けてきた本物だけが持つ輝きがな」
どこか遠くを見るような眼で武器についての思い入れを語るギロロを見て、ああこの人は本当に武器が
好きなんだなぁと半ば呆れながら思うユーノ。
そのまま歩きながら他の部屋を見て回るが、なぜか半数近くの扉に鍵の様な仕掛けが施され、中を窺う事は出来なかった。
好きなんだなぁと半ば呆れながら思うユーノ。
そのまま歩きながら他の部屋を見て回るが、なぜか半数近くの扉に鍵の様な仕掛けが施され、中を窺う事は出来なかった。
「おかしいですね、パンフレットにはそんなことは書かれていなかったのに……」
「なになに……神秘の防具一覧に名物物産展、女神達の競演? まあ入れない以上仕方が無い、おそらくは
何らかの仕掛けがあるのだろうが現状では侵入は無理だな。扉を叩いてみたがかなりの厚さのようだ、手持ちの武器でも破壊は困難だろう」
「なになに……神秘の防具一覧に名物物産展、女神達の競演? まあ入れない以上仕方が無い、おそらくは
何らかの仕掛けがあるのだろうが現状では侵入は無理だな。扉を叩いてみたがかなりの厚さのようだ、手持ちの武器でも破壊は困難だろう」
そうして二匹は入口のロビーへと戻ってきた。いつの間に調達したのか、ギロロは即席のバリケード代わりに
なると言って頑丈そうなテーブルと、煙幕の代用として消化器数本を手に入れていた。
消火器をユーノに渡しながら「このディパックは見た目よりも遥かに容量があるし、武器は現地調達するのも
サバイバルにおいては有効な手段だ」などと言って荷物の整頓を済ませるギロロ。そんなギロロの様子を
見ながらユーノは今後の方針について話を切り出す。
なると言って頑丈そうなテーブルと、煙幕の代用として消化器数本を手に入れていた。
消火器をユーノに渡しながら「このディパックは見た目よりも遥かに容量があるし、武器は現地調達するのも
サバイバルにおいては有効な手段だ」などと言って荷物の整頓を済ませるギロロ。そんなギロロの様子を
見ながらユーノは今後の方針について話を切り出す。
「次はどこに向かいますか?近くでは南に小学校と北に駅があるみたいですけど」
「北の駅だ。駅前には繁華街もあるようだし、他の参加者との接触も期待できる。それに身を隠しながら
行動するには小学校の立地はまずいな、途中で建物から狙い撃ちにされる可能性もある。その点、
駅なら列車の到着するタイミングもわかるし、ビル伝いに進めば安全も確保できる。どうだ?」
「わかりました、じゃあ行きましょう」
「北の駅だ。駅前には繁華街もあるようだし、他の参加者との接触も期待できる。それに身を隠しながら
行動するには小学校の立地はまずいな、途中で建物から狙い撃ちにされる可能性もある。その点、
駅なら列車の到着するタイミングもわかるし、ビル伝いに進めば安全も確保できる。どうだ?」
「わかりました、じゃあ行きましょう」
こうして二匹は北の駅を目指す。しかし、この二匹には一つ見落としがあった。
なぜ展示コーナーの武器を使わなかったのか?
こんな所に本物を用意しているはずが無いから?
「以降レプリカ」との看板があったから?
クルルの作った武器があって気に入らなかったから?
なぜ展示コーナーの武器を使わなかったのか?
こんな所に本物を用意しているはずが無いから?
「以降レプリカ」との看板があったから?
クルルの作った武器があって気に入らなかったから?
このツメの甘さもケロロ小隊出身らしいといえばそれまでの事だが……
【B-4/博物館前/1日目/黎明】
【ユーノ・スクライア@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康
【装備】:なし
【道具】:支給品一式、手榴弾(11/12)@ケロロ軍曹、消化器数本
【思考】
基本:打倒主催。
0:B-4の駅へ向かう。
1:対主催のメンバーを集める。
2:ケロロ、アルフ、ザフィーラとの合流。
※参加者を使い魔か変身魔法を用いた人間だと思っています。
※会場はミッドチルダではないが、そこよりそう遠くない世界だと思っています。
※首輪について
人間化は魔力を流し込むことによって、
結界魔法などは魔力を吸収することによって妨害されています。
【状態】健康
【装備】:なし
【道具】:支給品一式、手榴弾(11/12)@ケロロ軍曹、消化器数本
【思考】
基本:打倒主催。
0:B-4の駅へ向かう。
1:対主催のメンバーを集める。
2:ケロロ、アルフ、ザフィーラとの合流。
※参加者を使い魔か変身魔法を用いた人間だと思っています。
※会場はミッドチルダではないが、そこよりそう遠くない世界だと思っています。
※首輪について
人間化は魔力を流し込むことによって、
結界魔法などは魔力を吸収することによって妨害されています。
【ギロロ伍長@ケロロ軍曹】
【状態】健康
【装備】:ガトリングガン@サイボーグクロちゃん、ベルト@ケロロ軍曹
【道具】:支給品一式、バターナイフ、テーブル、キュービル博物館公式ガイドブック・世界編
【思考】
基本:殺し合いには興味なし。
0:B-4の駅へ向かう。
1:死ぬ気はさらさらないが、襲ってくるものには容赦しない。
2:ケロロ、アルフ、ザフィーラとの合流。
【状態】健康
【装備】:ガトリングガン@サイボーグクロちゃん、ベルト@ケロロ軍曹
【道具】:支給品一式、バターナイフ、テーブル、キュービル博物館公式ガイドブック・世界編
【思考】
基本:殺し合いには興味なし。
0:B-4の駅へ向かう。
1:死ぬ気はさらさらないが、襲ってくるものには容赦しない。
2:ケロロ、アルフ、ザフィーラとの合流。
[備考]:※博物館内には武器の歴史、神秘の防具一覧、名物物産展、女神達の競演などのコーナーが
あります。しかし現状では武器コーナー以外は見学できません。
※展示品は大抵がレプリカの様ですが、真偽は不明です。
あります。しかし現状では武器コーナー以外は見学できません。
※展示品は大抵がレプリカの様ですが、真偽は不明です。
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Back:二度あることは三度ある Next:暴走ポケモン特急
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011:いくら動物といえど知性はあるさ | ユーノ | 051:白兎は秘かに笑う |
011:いくら動物といえど知性はあるさ | ギロロ伍長 | 051:白兎は秘かに笑う |