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熊王の城 ◆1eZNmJGbgM





切っ掛けは、一羽のハヤブサによるものだった。
そのハヤブサからしてみれば、己の能力確認にしか過ぎない行為。
しかしその能力は第三者からみれば異形であり、異端。
そのため、周囲では様々な影響が及ぼされた。

ある者たちは、脅威をやり過ごした後に支給品の白馬?に跨りいずこへか旅立ち。
またある者たちは、これもまた別の者たちと出会い、新たな武器と餌を手に入れ南へ。
そしてもう一方の者たちは、かの異形を打ち倒し、親友を救いださんとするべく北へ。

そしてここにもその異形によって生じた副産物に導かれ、二匹の参加者が顔を合わせる。
一匹は崖の近くで聞こえた滝とは違った音の正体を観るべく南へ向かい。
一匹は崖の近くで月明かりに反射した光の正体を視るべく東へ向かい。

出会ったのはただの偶然なのか、それとも元の世界から続く因縁によるものなのか。
が、この二匹にとってはそのような予想、推察などどうでもいい。
肝心なのは今眼前にてソイツが息をしていて、躯を動かしている。
それだけで殺害するには十二分過ぎる理由。
片や己自身を一度殺されたため。
片や生みの親や育ての親、志を共にした犬(おとこ)達の仇を再び取るため。
その思いの丈を音に乗せ、力の限り雄々しく吠える。


「貴様、銀か―――!!!」
「赤カブト―――っ!!!」


こうして奥羽、二子峠でついた筈の勝敗を今一度決しようとするのは、
崖上に、二子峠の魔王、赤カブト。
崖下に、奥羽軍総大将、銀。
奇しくも、牙城の時とよく似た構図である。



…………が、さすがに銀といえどもこれほどの高さのある崖を登って攻撃を仕掛けるのは無謀と言わざるを得ない。
牙城はそれなりに傾斜はきついがまだ丘に近く、また追い風も無いため牙城裏手の崖の様な跳躍も難しい。
ただ登るだけなら時間をかければ出来なくもないが、そんな有様では赤カブトの爪牙の餌食になるのは言うまでもない。
無論、銀もそんなことは頭では理解している。この場にいる参加者の中で自分が一番この雄の実力を知っている。
だが本能がそれを許さない。体に流れる熊犬の血がそれを許さない。
よってその眼光のみで赤カブトの動きを封じることしか今はできない。
せめてこの背中のディパックが開いてくれれば何らかの武器があるかもしれないのに。

一方赤カブトの方はというと、最初こそ臨戦態勢をとったものの徐々に冷静さを取り戻し状況を
見渡す余裕が出てくると、自分の有利さに気がついたのか挑発的な態度をとりだした。
さまざまな例を挙げるまでもなく、攻撃する際はより高い方からが有利であることは当然である。
それこそペット・ショップがこの会場でも最強の一角に位置する様に。

「ククク、銀よ。貴様一匹で何ができる? 少なくとも最初の場所では貴様の仲間がいるようには感じなかったぞ?」
「黙れ! たとえ俺一匹でもお前を生かしておく訳がないだろう!」
「グハハハ! あれほどの数の犬コロとニンゲンの銃を使ってやっと俺を殺したのに貴様一匹で俺を
 殺すだと!? 笑わせるな、犬が!!」

その通りである。
確かに以前の決着は銀一匹の力だけでは決して成し遂げられなかった。
牙城に着くまでに霧風、陣内、紅桜、そして赤カブトとの決戦では赤虎……
最後はリキと五兵衛の命までも奪っていった熊羆。
そんな相手に己のみで勝ち目があるのか? 頭では予想していたが、実際に立ち会うとそんな弱気が覗き出す。
そしてその間を見逃す赤カブトでもない。

「おお、そういえばあのキュウビとか言う奴には礼を言わんとな。あの死にぞこないの犬ッコロに傷つけられた
 目の傷が治っていたのでな。全く無駄死にだったなあのクソ犬は、ゲアッハッハッハ!!」
「ふざけるな―――っ!!」

仲間の尊い犠牲を侮辱されて黙っている犬族、奥羽軍の長である銀ではない。激昂し、冷静な判断が
できなくなりかけるがそれを食い止めたのが赤カブトから漂う血の臭い。それもつい最近浴びたような。



「赤カブト、お前まさかもう……」
「ほう、判ったか。先ほど、小熊とメスの狼がいてな、喰った。そのメスの旨いこと! 鹿や猪なぞ比べ物に
 ならなかったぞ!」
「お前という奴は……!」
「ん? どうした銀よ。まさか俺を止めるつもりでいたのか、貴様ごときが。冗談はその辺にしておくんだな!」
「畜生……!!」

自分だけではこの巨熊を止めることができないばかりか、すでに二匹も犠牲になってしまった。
己の無力さに歯噛みしても始まらない。
今自分ができることは……そんな銀の目に飛び込んできたのは高架線。それは西の方から伸びてきて
崖の上まで続いている。
おそらくこの上には線路、つまり鉄道がある。そして鉄道があるということはきっと駅もある。
人間は駅に沢山集まっているのだから人間を知っている動物もそこに集まってくるに違いない。
ならばこの宿敵を倒す為の仲間もその中にいてくれれば!
そう判断した銀は断腸の思いで赤カブトへ背を向ける。
当然のように背後からは赤カブトの罵声が飛んでくる。

「どうした、逃げるのか? 貴様の仲間を殺した俺に! リキの息子であるお前が! 尻尾を巻いて逃亡するのか!?」
「…………!!」

なんと言われようともこの場を去らなければならない。次に会った時こそ確実にこの熊を殺す為に。
既に犠牲となった二匹の鎮魂も兼ねて再び勝ち鬨を挙げる為に。

(この借りは何倍にもして絶対に返す。そのためなら今この場での屈辱は受けてやる)

そう牙を食いしばり銀は西へと駆けていく。その先に新たな同志がいると信じて。





【B-6/崖付近/一日目/黎明】
【銀@銀牙 -流れ星 銀-】
【状態】:健康、使命感。
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品1~3個
【思考】
基本:赤カブトとキュウビを斃す。
1:高架線の先へ向かう。
2:町に向かう。
3:仲間を集め、軍団を作る。
【備考】
※参戦時期は赤カブト編終了直後です。
※ヒグマの大将と情報交換しました。ぼのぼの・アライグマ親子・クズリの父の性格と特徴を把握しました。
※会場を日本のどこかだと思っています。
※他種の獣の言葉が分かるのは首輪のせいだと考えています。
※小熊(アライグマ)、雌の狼(アルフ)は既に死亡したと考えています。


【B-6/崖付近/一日目/黎明】
【赤カブト@銀河―流れ星銀―】
【状態】:健康
【装備】:なし
【所持品】:ディパック(アライグマ、未開封)
【思考】
基本:研究所を拠点とし、他の参加者を待ち構える。
1:A-6の研究所へ向かう。
2:銀を殺す。
【備考】
※原作死亡時からの参戦です。
※A-6駅前から研究所への道にアルフの血の跡が続いています。
※A-6駅前にアルフの首輪があります。
※研究所前に赤カブトのディパック(未開封)があります。



時系列順で読む


投下順で読む


021:命を懸ける熊犬と懸けない羆 043:蛙は意外と速く走る
009:禍福は糾える縄の如し 赤カブト 061:この○○を作ったのは誰だぁ!!




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