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この○○を作ったのは誰だぁ!!  ◆1eZNmJGbgM




「フン……」

それがキュウビによる第一回放送を聞いた彼、赤カブトの感想だった。

まず第一、禁止エリアの発表。これについては全く興味が無い。
そもそもこの熊、現在位置がMAPのどこなのかを知らない。むしろ、知る必要が無いのだ。
現在地が禁止エリアでは無い。たったそれだけの感想で十分事足りてしまう。
なぜなら、彼自身が危険な存在である事は既に広まっている為。
開始直後のあの小熊と宿敵である銀の二匹によって、彼の悪行は知れ渡っているだろう。
あの小熊の方は先程の轟音に巻き込まれて死んでいる可能性もありえたが、放送で名前が呼ばれなかった以上まだ生きている模様。
銀に関しては問題無い。
あの犬(おとこ)の戦闘力、正義感はこの赤カブトが一番理解している。
まず間違いなく他の参加者を連れて再び相見える時が来る。
ならば態々出歩いて標的を探す必要も無い。ここは待機し迎撃が上策。
戦闘において戦力が五分の場合、侵略側より防衛側の方が有利であるのは言うまでも無い事。
余談ではあるがこの赤カブト、熊であるにも拘らず敵の侵攻に対する策として

砦を築き
布陣を練り
影武者を作り
伏兵を用意する

いわば兵ではなく将としての頭脳を持つ獣なのだから。
この辺り、プックルなどが予測している主従関係論で説明するならば参加者の中では数少ない主(あるじ)側の者である。
彼以外にいるとすれば、奥羽軍総大将と軍人であるケロン星人の二匹、あとは百獣魔団の団長ぐらいであろうか。

次に第二、タタリ場について。これも脅威にはなり得ない。
勿論、赤カブトに魔術、呪術、神通力等の素養がある訳ではない。
重要なのはアレがどの様な理屈で繰り出されているかでは無く、どの様な効果を齎すかである為だ。
アレをどうやって出しているか、どうやったら打ち破れるかは赤カブトにには興味が無い。
アレが一体何であるか。頭ではなく、肌で感じ取ることが重要なのである。
そして彼の導き出した答えはシンプルなもの。
アレは「死」そのもの。生物が抱く死のイメージを具現化したモノが、あのタタリ場の正体であると赤カブトは結論付けた。
その根拠もまた簡潔。何の事はない、一回死んでいる為に死がどういった感覚なのかを身をもって知っているからなのだ。
人であろうが獣であろうが、なぜ死を恐れるか? 
それは実際に経験した者は絶対にその体験を語り継ぐ事が出来ない。何人たりとも死の正体を暴く事が出来ないからである。
故に未知。そして未知なるモノに恐怖を抱くのは人も獣も変わりない。
だがもし、死がどの様なモノであるかを知っている奴がいるとしたらその者は死に対して恐怖を抱くか?
この問いも様々な答えが出るだろう。
二度とあんな体験はしたくないからと、より一層怯える者。
一度目も二度目も変わらんと、さほど対応の変わらない者。
経験済みならば対処が出来ると、恐怖が軽減する者。
そしてこの熊の答えは三番目であった様だ。そのため、あのタタリ場の感想も鼻息一つで片づけてしまえる。

最後に第三、死亡者の名前。これが最も興味が無い。
地図を見ていない以上、勿論参加者名簿も見ていない訳で。つまり自分の知り合いの内誰が参加しているか知らないのである。
まあたとえ彼の部下であったマダラやケサガケがいたとしても容赦する筈も無いのだが。
赤カブトがこの場で出会った参加者で、名前を知っているのは銀、アルフ、アライグマの三匹。
その中で自分が喰ったアルフの名が呼ばれ、他の二匹は呼ばれていない。以上。

「それにしても……暇だ」

赤カブトの現在地はA-6の研究所。
B-6西側の崖で銀と遭遇し、撤退する姿をほくそ笑みながら見届けた後に転送先の研究所へと戻ってきたのである。
それからの二時間強、何をするわけでもなくただ寝そべっていただけ。獣として特段間違ったことはしていない。
最初こそ研究所の中を見回ってみたものの、全く訳の解らないガラスの置物やチカチカと点滅する何かがあるだけ。
次第に興味を無くし、叩き壊して入室した玄関前のホールで丸くなっていたのである。
かといって、ここから出て行くという選択肢を赤カブトは考えていない。
ここで待っていればいずれ銀が来るであろうし、近くに電車の駅があると言う事はこの研究所がなんらかの意味を持つ建物であるとも言える。
赤カブトには研究所がどの様な意味があるのかは無論解らない。しかし人間が電車を使う場合、何処か遠くへ行く必要があるからというのは理解している。
つまり、この研究所は電車で来る価値があるに違いないと赤カブトは結論付けた。
放っておいても此処を目指す獲物がいるなら捕食者として移動する必要は全く無い。

しかしここで一つ問題が生ずる。
この熊、参戦した時期が前述の通り死亡後。精根尽き果てた後に呼ばれたので余力なぞ残されている訳も無く。
体力や怪我の治療はされていたが空腹だけは満たされず。雌の狼一匹ではその場凌ぎにしかならず。
――有体に言えば、腹が減ったのである。

◇ ◇ ◇

「どれ、まずはあの子熊の持っていた袋から……」

先に開封したのは自分用に置かれたディパックではなく、アライグマに支給されたディパック。
与えられた物より奪い取った物を優先する辺りはさすがと言うべきか。
言うまでも無く留め具やファスナーなどは無視し、爪牙を駆使して開封する。その結果、ディパックに無数の切れ込みが入り中の道具が四散する始末。
中身がブチ撒けられた支給品の内、最初に赤カブトの視界に入ったのは一枚の金属板。それと萌葱色の勾玉が付いた首飾り。
この道具の利用法がわかる者がいれば間違い無く当たりの部類に入る支給品ではあるが、
残念ながら赤カブトにはこれらを使いこなす術は無い。なにより、今は食料しか興味が無い。

「チッ、ニンゲンの持ち物など何の役に立つというのだ、ふざけおって……うむ?」

そんな赤カブトの鼻腔をくすぐる香りが一つ。

「これは……桜の匂いか」

周囲を見ると、桜の花弁と同じ色をした丸い物が五つ転がっていた。先程の衝撃で飛び散ったのだろう。
熊という生物は本来雑食性である。よく山で鹿を襲ったり、川で鮭を捕っているイメージがあるが餌はむしろ植物性の方が多いのだ。
赤カブトも半歩……俵一枚残して熊である。遠い昔に山で木の実を食べていた時代もあっただろう。
そのため、この桜色の物は穀物であるという事は理解できたようだ。

まず一つ手に取る。大きさは人の顔ほどあろうか。
普通に考えれば桜餅としては尋常でない程の大きさではあるが、一般的な桜餅の大きさを知らない赤カブトがその点に気付く事は無かった。
口に近付ける。より一層桜の香りが強くなる。
普段は、血の匂いや臓物の臭いこそ馥郁たる香りと考え、また感じる赤カブトであっても、いわば春の象徴とも言えるこの香りに異議を唱えはしない。
いわば日本在住の生物全てにとって羽化登仙の境地に辿り着く香りとも呼べるであろう。
久方ぶりに肉以外で心躍る餌にありつき、さっそくかぶりつく。無論一口で。

「これは……!」

旨い。それ以外の言葉を忘れてしまったかの如く頭の中がその一言で埋め尽くされる。
メインのもち米蒸かし加減、挽き加減も絶妙。故に食感も決して柔らかすぎず、硬すぎず。
中の餡もまた桜の香りを台無しにしない程度の控えめで、繊細な甘さ。かといって物足りないわけでもなく、満足感は十二分に与えてくれる。
表面を覆っている桜の葉の塩漬けも程良い塩加減。おそらくそれだけ食べたのでは少々塩味がきついのだろうが、もち米と餡と同時に味わうことを計算しての塩梅である。
もち米が餡を引き立て、餡が桜の葉を引き立て、桜の葉がもち米を引き立てそれぞれが躍動する見事なまでの三位一体。
甲斐の魔犬三兄弟でも此処までの一体感を出す事はそう上手くはいくまい。

「………………!」

赤カブトは無言で残りの桜餅に手を伸ばし、次々と喰らう。
未だかつて植物性の食物でこれ程の美味に出会った事は無い。あの雌の狼も中々のものだったが、驚きという点ではこれには及ばない。
これを作った人物はまさしく桜餅を極めし者と言っても過言では無いだろう。
そしてどれほどの時がたったのだろうか、時間の感覚もあやふやになるほど一心不乱に食べ、ふと周りを見ると全ての桜餅が胃に収まっていた。
その事に気が付き、満足そうに一息つく赤カブト。舌だけではなく胃袋も満足そうだ。

「なんと旨い喰い物だ……! キュウビ、今度こそ銀を殺せる事、今まで喰った事の無い物をよこした事。この二点でお前を生かしてやってもいいぞ!」

そう虚空へ語りかける赤カブト。少なくとも自分が負ける事は考えていないようだ。
首輪の対処は単純明快、最後まで生き残りキュウビに外させその後で生かすなり殺すなりを決めればいいと考えている模様。
頭が良い訳ではないが、回転が速く狡猾な面も持ち合わせているのである。
もっと他に餌はないかと布切れと化したディパックを振り回してみると、今度こそ見た事も無いような木の実が零れ落ちた。
さすがにこれには警戒心を抱くものの、今までが美味な喰い物であった為に今度もそうだろうと赤カブトはそれを口にする。勿論一口で。

「こ、これは……!」

まずい。不味い。マズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイ―――――!!
正しく、筆舌にし難い味。ピーキーでサイケデリックでファナティックでルナティックでエキセントリックなテイスト。
あまりのマズさに怒りが込み上げ、入り口近くの受付を八つ当たりの生贄に定め、その強靭な前足を振り下ろす。――が!

「……爪が伸びただと……!?」



【A-6/研究所/一日目/朝】
【赤カブト@銀河―流れ星銀―】
【状態】:健康、トゲトゲの熊、満腹
【装備】:無し
【所持品】:無し
【思考】
基本:研究所を拠点とし、他の参加者を待ち構える。
0:なん…だと……
1:研究所で銀やその仲間を待ち構え、殺す。
【備考】
※原作死亡時からの参戦です。
※トゲトゲの実@ワンピースを食べました。能力の程度は次回以降の書き手さんへお任せします。
※A-6駅前から研究所へアルフの血の跡が続いています。
※A-6駅前にアルフの首輪があります。
※研究所内に赤カブトのディパック(未開封)があります。
※研究所内にS2U@リリカルなのは、道返玉@大神が落ちています。
※桜餅×5@大神は基本支給品の食料です。

【桜餅@大神】
あんこ入りのお餅を桜の葉で包んだもの。胃袋を多めに満たす。
作中でアマテラスが神木村のお婆さんの手伝いをすると貰える。作り方は簡単。
1:材料を一か所に纏めます。
2:弱P、弱P、→、弱K、強P (キャラが右向きの場合です)
――――驚きの白さ――――
3:>餅<
……言うまでも無く、某殺意の波動に目覚めし者のオマージュである。制作会社が同じカプコンだからしょうがない。

【S2U@リリカルなのは】
作中ではクロノ・ハラオウンが使用していた魔導師の杖。喋りません。
待機状態ではカード型。近接、中距離、遠距離、防御、補助と何にでも使える万能型。
レイジングハートやクロスミラージュなどの インテリジェントデバイスとは異なり、ストレージデバイスであるため意志を持たない。
端的に言えば戦闘時に杖の形になるカード。
今ロワではバリアジャケット以外の魔法は登録されていない。勿論、魔力やそれに準ずる力が無いとカードのまま。

【トゲトゲの実@ワンピース】
バロックワークスのエリート、オフィサー・エージェントの一人ミス・ダブルフィンガーが食べた悪魔の実。
その名の通り、髪や腕、足など体中を棘に変える事が出来る。その威力は石の壁なら貫通するほど。
反面、防御力には変化が無い。

【道返玉@大神】
作中では西安京にいる帝の体内でのボスを倒すと手に入る。緑色の勾玉で出来た連珠。
戦闘での使い方は環が解け、鞭の様にしなり遠距離の敵も攻撃でき、捕らえた後で神通力?を流し追加ダメージを与えることもできる。
また、特色として裏装備として使うと勾玉を弾丸の様に射出し、攻撃もできる。道返玉の場合は12連射まで可能。
但し神通力やそれに相当する力が無い場合使用不可能。



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040:熊王の城 赤カブト 064:へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~




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