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乱暴者タヌキは今日も行く  ◆k3fZfnoU9U




何とか二本足で歩くメスの狼から逃げることに成功したアライグマの父は遊園地の中を歩いていた。
夜叉猿は戦闘を助長する何かが隠されていると言っていた。
彼はそれらしきものをしばらく探し回っていたが、少し頭がフラフラしてきた。
それも仕方のないことだった。
ここに呼び出されてから、…正確にいえば初めてこの靴を履いてから今まで休憩なしで波乱の連続だった。

いきなり空の旅に誘われたかと思ったら、何処からともなく飛んできた丸太がクリーンヒットしてそのまま気絶
目を覚ましたかと思ったら、そのまま自由落下
そのまま夜叉猿にからまれ、同行を強要される
その夜叉猿から解放されたと思ったら、共に逃げていた連れが目の前で死亡
その下手人であるメスの狼に殺されそうになったが、空飛ぶ靴で何とか逃亡
その時に尻尾を斬られ出血
失血死するほど傷は大きくないものの、軽度の貧血を起こすには十分な程の出血している

これだけのことがあれば超人でない限りフラフラになっても無理はない。

彼は疲労に耐えられなくなり、目についた部屋で休憩をとることにした。
部屋は少し狭く、目の前には彼からすればわけのわからないものといえるものがある。
彼は刺すような痛みに耐えながら、血を止めるため何度も何度も尻尾の傷口を舐める。
太陽が昇り朝日が差し込む頃、何とか血が止まった。
まだ頭がフラフラするのか彼は頭を抱える。
その時、あの忌々しい声が聞こえてきた。
何処から聞こえてくるかが分からないその声に、彼は今までのこともあり苛立ち始めた。
そのため、声が言っていることはほとんど彼の耳には届いていなかった。

「どいつもこいつも一体何なんだよおおおぉぉぉ」

やがて苛立ちが叫び声となって周囲に響き渡る。
その叫び声と共に急に周りが暗闇に包まれる。
その暗闇が何かおぞましいものを含んでいたこともあり、彼の怒りのボルテージは急激に下がっていった。
暗闇は間もなく消えたものの、彼は茫然とした表情をしていた。

(まさか、俺にこんな力があったのか? )

彼は暗闇を自分が発生させたものだと思い込んだ。
偶然とはいえ彼が叫んだ途端、絶妙なタイミングであのおぞましい暗闇が発生したため
そう思っても無理はないだろう。
しかし、これはキュウビの力であり、彼の力ではない。
この時にキュウビがおぞましい暗闇、『タタリ場』と禁止エリアの関係を説明していたのだが彼の耳には一切入っていなかった。
「何もかも大嫌いだあああぁぁぁ」

なにせもう一度叫んであの暗闇を発動させようとしていたのだから…。
当然叫んでもさっきのおぞましい暗闇が発生するわけがなく、彼の叫び声はあたりに虚しく響くだけだった。

(まさか、この力を使うには何か足んねぇもんでもあんのか?)

そう考えてしまったせいで気持ちまで虚しくなる彼にキュウビの声の内容がようやく耳に入る。

『……った。この六時間で目出度く殺され、喰われた畜生の名を呼ぶとするか。 』

この言葉に彼は顔をしかめる。
『目出度く殺され』、つまり死んでしまった者たちが呼ばれるということだ。

(もしここで息子たちの名前が呼ばれてしまったら… )

乱暴者である彼もなんだかんだいって大切な存在である息子たちの名前が呼ばれてしまったら、間違いなくショックを受けてしまうだろう。
しかし、キュウビは彼のことなどお構いなしに淡々と死者の名前を告げていった。


「くそっ!大将の奴、なんで勝手に死んじまうんだよ!」

彼は拳で壁を殴りつけながら叫んだ。
息子やその友達は呼ばれなかった。
その変わり大将が呼ばれてしまったのだ。
最初は直接見ていないうえ、あの大将が簡単に死ぬはずがないという理由で大将の死を信じようとしなかった。
いや、信じたくなかった。そういったほうが正しいだろう。
彼の息子がそうであったように…。

しかし、彼と息子には大きな違いがあった。
それは彼の目の前で首を斬られたボニーの名前をキュウビは死んだものとして告げたということだ。
このことにより大将が死んだということが事実だということを認めるしかなかった。
さらに彼が出会い名前を知っている獣のうちコロマルと夜叉猿の名前も呼ばれたことも彼の心を揺さぶることとなった。
それは、どのような摩訶不思議な力を持っていても、どれだけ怪力を持っていようと死ぬ時は死ぬということを示すのだから…。
「俺はいったいどうすればいいんだあああぁぁぁ」

彼のおさまっていた苛立ちは再び爆発してしまった。
八つ当たりをするかのごとく壁を何度も殴りつける。
それだけでは腹の虫がおさまらず、目の前にあったものも殴りつけようと拳を振り上げる。
分かる人が見ればわかるのだが、彼が殴ろうとしているのはアトラクションの制御装置である。
そして彼の拳はアトラクションを動かすボタンに命中した。
その瞬間、当然なのだが部屋の外から甲高い音が響いた。

「な、何だぁ」

彼はビックリして部屋から飛び出した。
その途端、彼の目にあるものが飛び込んでくる。

それは彼はおろか大将よりも大きいものだった。
ゆうに彼の100倍以上はあるだろう。
それは順応な子分を複数引き連れていた。子分達は何の文句も言わずに仕事をしている。
子分達はゆっくりながらも確実に自分たちの仕事をこなしていた。

アライグマの父の目の前にある物体、それは一般的に観覧車と呼ばれるものだった。

「なんなんだこれは? …まさか、夜叉猿の奴が言っていた戦闘を助長するものってこれのことなのか? 」

彼は夜叉猿の言葉を思い出しながら呟いた。
当然のことながら彼が住んでいた森に観覧車なんてものは存在しない。
そのため、そう思っても無理はなかった。

ここでは大将ですらあっさり死んでしまう。
このまま息子たちが生き残れる保証はどこにもない。
それゆえ彼は一秒でも早く観覧車を自由に動かす方法を見つけたかった。

しかし、彼にある死活問題が容赦なく襲いかかる。
その問題の名前は空腹、文字通り腹が減った状態である。
ここまで温泉で芋を数個食べたことぐらい簡単に打ち消すぐらいに
心の休まることが殆どなかったためか、彼の腹の減りはいつもより早まっていた。
このままだと息子たちを心配するどころではない。
しかし、彼の手元に食料はない。
1回目の空の旅をしているときに派手に支給品をぶちまけてしまった。
その中には彼の食料も混ざっていた。
よって今現在彼は食料を一つも持っていない状態だったのだ。

やがて彼は貧血と空腹のためフラフラする体を何とか支えながら、食料を求めて歩き出した。


【A-2/遊園地/一日目/朝】

【アライグマの父@ぼのぼの】
【状態】:頭部に怪我、尻尾に切創(血は止まった)、疲労(小)、軽度の貧血、空腹
【装備】:ディバック
【所持品】:地図、空飛ぶ靴@DQ5、魔除けの札@大神
【思考】
基本:積極的に誰かを襲うつもりはない……?
0:腹減ったぁ!
1:食料の調達をする。
2:観覧車を自由に動かす方法を探す。
3:息子たちが心配
【備考】
※札は少し湿っています。
※アイテムの説明は読んでいません。
※イギーと情報交換をしました。
※空飛ぶ靴は遊園地の入り口前が指定されていました。
※B-1からA-2の遊園地入り口までの間にアライグマの父の支給品が落ちている可能性があります。
※空を飛んだ時、月が地上よりも大きく見える気がしました。
※ボニーの考察を知りました。が、あまり信じてはいません。
※ボニーの考察
? 参加者は過去と未来、あらゆる時代から集められた。会場もどこかの時代の土地。
? キュウビは時空を渡る道具を持っている。
? キュウビの目的は歴史の改竄。

※遊園地の入り口から観覧車の制御室の前までアライグマの父の血痕が続いています。
※第一放送で発表された禁止エリアを聞き逃しました。
※タタリ場を自分の能力だと勘違いしています。
※観覧車が戦闘を助長するものだと思っています。
※観覧車の制御装置が壊れてしまった可能性があります。壊れてしまった場合は修理をしない限り観覧車を止めることはできません。



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046:獣の卍(前篇) アライグマの父 078:戯守奇譚




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