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誰がために陽はのぼる  ◆k3fZfnoU9U




キュウビによる放送が始まった時、シエラとクロコダインはC2駅の建物の陰で隠れるように体を休めていた。
これはどちらも手負いであるが故に建物の中で休むといざという時にとっさに対応できないという判断からだった。
先の戦いでシエラは軽いとはいえ全身に火傷を負い、脇腹を咬まれてしまった。
クロコダインにいたっては体中に打撲を受けた上、直接攻撃されてしまったために右目を失明してしまった。
シエラはともかくクロコダインはどう考えてもベストの状態ではないため、休憩することを余儀なくされていた。
地面に座り背中を壁に任せ休憩していたところ、どこからか突然キュウビの声が聞こえてきたのだ。
2人とも何処からともなく聞こえてきたキュウビの声に対して一瞬ではあるが警戒レベルが最大まで上がったが、
時間ごとにキュウビが入れなくなる場所と死んでしまった者の名前を知らせることを思い出しメモの準備をして声に耳を傾けた。


「……ラルクは無事みたいだな」

放送を聞き終えたシエラは一息入れながら呟いた。
放送で呼ばれたのは9人、幸いなことにラルクは呼ばれていない。
しかし、彼女の心の中に芽生えた不安はいまだに消えてなかった。
弟のためとはいえ自分の手で罪なきものの命を消し去ってしまった。
彼女自身は1人の姉として弟を生き残らせるために、この地にいる弟を除く動物を全員殺すと胸に誓ったはずなのに…。
そして放送の途中で周りが暗闇に包まれたことも心の揺るぎを助長する一因となっていた。
その闇は朝にもかかわらず夜より暗かったうえ、あらゆる憎しみや絶望の気配が漂っていた。
この暗闇は約2、3秒で消え去ったのだが、その短い間に彼女の脳はある幻想を構築していた。


いつの間にか目の前にラルクがいる。

近づこうとすると急に閃光が走る。

ラルクの胸板から盛大に大量の血が噴き出す。

ラルクは力なく人形のように倒れる。

近くで見ると目を見開いているラルクの喉元から血が流れている。


まさに自分が殺した大猿の死に様がラルクに入れ替わって脳内に再生されてしまった。
これにより彼女の心はさらに揺るがされる結果となった。
死者の中にラルクがいないことは頭の中で分かっていたが、あまりに衝撃的な妄想は同じはずの頭の中を簡単には解放しなかった。
それどころか妄想はシエラの意思に関係なく頭の中を勝手に駆け巡っていた。
シエラはこの悪夢のような妄想から逃れたいがために頭を抱えてなんとかその光景を追い出そうとする。
何度も何度も追い出そうとするが、簡単に逃げられてしまう。
まるで彼女の心を蝕みたいかのごとく、逃げては勝手に再生をすることを繰り返していた。

「おい、大丈夫か?」

そんなシエラの耳に男の声が入る
その声と共に妄想は霧の如く消え去った。
はっとしてふと顔をあげるとクロコダインが心配そうな表情でシエラを見ていた。

「ああ、心配ない。お前こそ大丈夫なのか?」

シエラはとっさに手から頭を離し、クロコダインに聞き返す。
この時シエラは痩せ我慢をして心配ないと告げた。
本当は自分が持つ不安を言い出したかったが、所詮は契約による協力関係でしかなかった。
自分のことを『相棒』と呼んでくれたとはいえ、彼とはまだ半日すら経っていないほどしか行動を共にしていない。
それゆえ彼女は不安を心の中にしまうことにした。

「オレのことは心配するな。大分慣れてきた」

クロコダインは右目を失明してしまったもののある程度時間が経っていたので、少しだけだが左目だけで距離感を掴めるようになっていた。

「そうか」

シエラはそっけなく答えた。


その後2人はしばらくの間何も喋らなかった。
誰かが見れば2人とも話題を探しているように見えただろう。
時間にすると5、6分経った頃、クロコダインはシエラにあることを尋ねた。

「なあ、キュウビという狐にラルクが呼ばれたらどうするんだ?」
「ラルクが簡単に死ぬわけない!下らないことを言うな!」

キュウビに名前が呼ばれる。
それはその名前の持ち主が死んでしまったということに他ならない。
そのキュウビがラルクの名前を呼んでしまったら…。
彼女にとってラルクが死ぬことは考えることは苦痛以外のなにものでもなかった。
それゆえにシエラはクロコダインの質問に咄嗟に目を見開き憤慨しながら叫ぶように答えた。
その反応を見たクロコダインはシエラにフォローを入れる。

「すまん。だが、少し気になったのでな。さっきキュウビというやつはオレたちが殺した奴以外に5人の名前を呼んだ。つまりオレたち以外にも殺し合いに積極的な奴がいるってことになる。そいつらに殺されてしまう可能性だってあるだろ」
「そうだな。……少し考えさせてくれ」

フォローに対してシエラは冷静を装った声で答えると再び頭を抱えた。

(もし、目の前で死体を見てしまったにしろキュウビに弟の名前が呼ばれるにしろ死んでしまったことを知ってしまったら……まず契約の意味がなくなってしまう!
そうなればクロコダインとその場で命を奪いあうことになる。
その結果自分が生き残ってしまったらどうすればいいのだろう。
そういえばキュウビは願いを1つだけ叶えてやると言っていた。
だが、それが真実かどうかは分からない。
たとえ真実でラルクが生き返ったとしても、一回殺されていることに変わりはない。
それだとラルクは苦しみを受けたことになる。
自分はどうすれば……どうすれば……)

シエラはしばらく自問をした後、押さえていた頭から手を離した。

「その時はその時だ。万が一そんなことが起きてしまったら……協力関係はその場で終わりだ!そして、お前をその場で殺す!」

シエラは決意をこめた口調で告げた。
それでも顔色は少し青ざめていた。

「まあ、そうなるな。そうなってしまったらラルクの実力がどれ程のものかが分からなくなるのが残念だがな。だけど本当に大丈夫か?さっきからずっと顔色が悪いぞ」
「心配は無用だ。それよりお前はもう大丈夫なのか?」

クロコダインはシエラの答えに納得しながらも、彼女の顔が青ざめていることを心配した。
それに対してシエラは簡潔に答え、クロコダインに体の調子を聞き返した。

「オレは大丈夫だ」
「そうか、それなら出発する」

クロコダインとシエラは立ち上がって南の方角に移動を始めた。
朝の柔らかい光が2人を祝福するかのように輝いた。
しかし、シエラの心の中にある不安は爽やかな朝の陽ざしとは裏腹に少しずつではあるが確実に大きくなっていた。



【C-2/駅付近/1日目/朝】

【チーム:契約者】
基本思考:ラルクを除く全参加者の殺害
1:移動する
【所持品】
クロコダインの支給品一式、丸太×1
シエラの支給品一式(ドラグーンナイフ@聖剣伝説Legend of Mana、不明支給品0?個。確認済み)
タヌタローの支給品一式(不明支給品×1。確認済)
ボニーの支給品一式(不明支給品×1。確認済)
夜叉猿の支給品一式(傷薬@ペルソナ3×1、不明支給品0?個。確認済)
コロマルの支給品一式
【備考】
※契約内容
クロコダイン、シエラ、ラルクが最後の3人となるまで、クロコダインとシエラの協力関係は継続される。
それが満たされれば、契約は破棄され、互いの命を取り合って最後の一人を決める。
ただし、ラルクが死んでしまった場合、その場で契約は破棄される。
※互いが別世界の住人であることに気付いていません。
※支給品はまとめただけです。新たな不明支給品の中に目ぼしい武器等がないというわけではありません。
※タヌタローの不明支給品は、クロコダインには薬に見えるようです。シエラにも薬と見えなくはないようです。他の参加者には別の物に見えるかもしれません。

【シエラ@聖剣伝説Legend of Mana】
【状態】:肉体的な疲労(小)、精神的な疲労(中)、両腕と全身の所々に火傷(小)、脇腹に咬傷(中。治療済)、血塗れ、覚悟、不安定
【装備】:電光丸(倍率×1000)@大神
【思考】
基本:ラルクを最後まで生き残らせる
0:ラルクが死んでしまったら…
1:クロコダインと協力して他の参加者を殺す
2:ラルクには出来れば会いたくない
【備考】
※参戦時期はドラグーン編のシナリオ終了後です。
※電車を知りません。キュウビの用意したトラップだと思っています。
※イギーの情報を得ました。



【クロコダイン@ダイの大冒険】
[状態]:疲労(小)、多数の打撲(中。特に腹部)、右目失明(治療済)
[装備]:王者のマント@ドラゴンクエスト5、クロコダインの鎧(腹部と左肩の装甲破損) 、眼帯(ただの布切れ@ドラゴンクエスト5、ビアンカのリボン@ドラゴンクエスト5)
[思考]
基本:全参加者の殺害
1:もっとまともな武器が欲しい
2:許されるなら戦いを楽しみたい
3:イギーは今度こそ殺害する
4:シエラとラルクの実力が楽しみ
最終:キュウビの儀式を終わらせ、任務に戻る
[備考]
※クロコダインの参戦時期はハドラーの命を受けてダイを殺しに向かうところからです。
※参加者は全員獣型の魔物だと思っています。
※キュウビを、バーンとは別の勢力の大魔王だと考えています。
※身体能力の制限に気づきました。
※電車を魔力で動く馬車のようなものだと考えています。
※距離感を少し取り戻しました。

※C-2の駅舎に丸太が一本突っ込み、壁が一部破損しています。


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046:獣の卍(後篇) シエラ 077:闇よりほかに聴くものもなし
046:獣の卍(後篇) クロコダイン 077:闇よりほかに聴くものもなし




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