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熊嵐  ◆TPKO6O3QOM




(一)


 電車を待つ時間というのは中々退屈なものだ。がらんとした駅舎を探索する銀の息遣いがやたらと大きく聞こえる。
 商品の並んでいない売店を一瞥して、グレッグルは失望の吐息を吐いた。
 デイバッグに入っていた食料は多く見積もっても一日はもたない。ということは、後は奪うか、仕留めるかして調達しなければならない。それも、出来れば自分の食料が尽きる前に。
 一日食料を抜くことは然程問題ではない。野に生きるのならば、そんなことなど日常茶飯事だ。ただし、それは食い物が“ない”からであって、自ら望んで断食をするわけではない。

 なるほど。信念がどうあれ、生きることを選択するのならば殺し合いに乗るしかない。強硬派は更に好戦的になるし、穏健派も指針を内心改めることだろう。
 そうなると、会って間もない相手と連携を取ることが出来るのは、今日一日までと見るのが無難だ。
 チラと、グレッグルはカエルの方を見やった。当初は銀と一緒に駅舎を物珍しげに探索していたが、今はベンチに腰をかけたまま瞑目している。
 銀の言葉を反芻する。
 彼にはグレッグルたちに付き合う義理はない。こちらの言葉が分からないのだ。あの小娘の言葉を鵜呑みにするほど愚か者ではないだろうが、銀に対して疑念は持っているはずだ。ここで袂を別ってもおかしくない。むしろ、その方が自然だ。
 人恋しさへの未練で同行しているというわけでもあるまい。そこまで情けない男には見えない。
 あとは――。

(オレを心配してる? おいおい、冗談じゃねェ)

 頬を膨らませて、その考えを一蹴する。
 これがタケシやサトシあたりなら何を考えているか大体予想がつくのだが、両生類の顔というのは本当に感情が読みにくい。
 腹が立って、グレッグルは少し乱暴に売店を蹴りつけた。
 その音に銀が耳だけを少し動かした。と、その銀が崖の方を向いて一つ吼える。

「何か来るみたいだ」

 少し経って、耳障りなアナウンスが流れだした。崖の方から降ってくる列車が見える。
 列車は甲高いブレーキ音を響かせながらホームに止まった。全車両のドアが一斉に開けられる。
 少し間をおいて、二足歩行のロコンが降りてきた。



(二)

 がたごとと揺れる車内でツネ次郎は一つ息を吐いた。
「――だけど、悪いな。付き合わせる様なことにしちゃって」
 先ほど見てきた風景が、車窓の中で巻き戻されるように飛んでいく。
「気にするな。こっちの行先も同じだったんだ。ことのついでと言うと、失礼がすぎるかな」
 ツネ次郎とは反対側の座席に腰を下ろしたカエル男――その名も“カエル”というらしい。多分、本名ではないのだろうが――が穏やかに告げた。
 言動からして年嵩の男のように思うが、身長と顔のためか、どうも年下のように見えてしまう。しかも、元は人間で、魔法で姿を変えられてしまったというのだ。異世界は何でもありらしい。
 彼の連れのグレッグルというカエルらしき生き物は床の真ん中で腹這いになっている。どうも振動が腹部に直接伝わってくる感覚が面白いらしい。
 銀という名の秋田犬は電車が珍しいのか、あちこちの臭いを嗅ぎながら歩き回っていた。
 彼らもまた、崖の上に用があるそうだ。アライグマの話にも出てきた赤カブトを退治しにいくのだという。崖上にアライグマを独り置いてきたことを告げると、銀に烈火のごとく怒られた。
 彼の口ぶりからすると、ギオよりも恐ろしい印象を受けるのだが――。

(いやでも、ただの熊だろ。人食いと書いてあったし、そりゃおっかないだろうけど……)

 銃を所持しているためもあるだろうか、ツネ次郎は赤カブトの話を誇張としか思えなかった。ムックルを一蹴した連れ合いの存在も大きいかもしれない。
 ただ、アライグマが持っていたのは鞭というマニアックな武器だけだったはずだ。鞭で人食い熊を相手にするのは自殺行為もいいところなのは間違いない。
 風雲再起が既にアライグマを追っている頃だとは思うも、見捨てるのは気が引ける。
 銀に促されたこともあり、ツネ次郎は元来た道を戻ることを選択したのだ。

「それよりも続きだ。お前が口にした、“異世界”から俺達は集められたという話だが――」

 自己紹介の後、ホームで電車を待つ間、お互いにこれまでの経緯を伝えた。その中で、自分たちが異世界から集められたという仮説を教えたのだ。
 ガンダムという名の巨大人型有人機動兵器のことを口にしたとき、グレッグルがやけに喰いついてきたことを思い出す。その手のものが好きなようだ。

「果たして、そう言いきれるものかな?」

 小首を傾げ、カエルが言う。

「信じられないか。だけどさ、あんたがいた土地にグレッグルみたいな生き物はいたかい? ガンダムや、こういう電車や飛行機は?」
「……グレッグルのような生き物はいないとは言い切れないが」
「坊や、ポケモンセンターやポケモントレーナーなんてもンが世界的に存在していたかどうか、そこの石頭に訊いてみな」

 そう言って、グレッグルは唸っているカエルを嘲るように見た。グレッグルは“異世界”についてはあっさり信じたらしい。もっとも、グレッグルの場合はキュウビの思惑に対して無関心なだけかもしれないが。
 グレッグルの言葉をそのまま伝えると、カエルは首を横に振った。

「確かにグレッグルと俺がいた場所は違うらしい。だけどな、“世界”が違うというのはどうにも理解が及ばない。何せ、“異世界”に行くなど、今まで経験がなかったからな。お前にはあるのか?」
「いや、ないけど……頑固だな、あんた」

 思わず毀れた言葉に、カエルは苦笑のようなものを刻んだ。

「年を重ねるとそうなるものさ。だけどな、俺とグレッグルの生きている“時間”が違うというのなら、別だ。俺は、ある連中と一緒に時代を超えた旅をしていたことがあってな。生きる時代の違う人間とだ。シルバードという機械を使って」
 こともなげに告げられた内容に、ツネ次郎は口をぽかんと開けてしまった。目の前のカエルは、時間旅行をしたと言っているのだ。
「……タイムスリップって奴か」
「ほぉ、そんな風に言うのか。まあ、話を戻そう。俺が行った時代の様相は実に様々だった。恐竜人と人間が覇権を争う時代、ラヴォスによって人間の殆どが滅びた時代、魔法が存在していた時代――俺にとっての過去、そして俺にとっての未来は、それこそ“異世界”のようなものだったよ」
「………………」

 ツネ次郎に口を挟むことは出来なかった。ただただ、カエルの話す内容への好奇心が大きく膨らむ。グレッグルと銀も興味深そうにカエルの話に耳を傾けている。
 だが、彼の話は、その意図とは逆にカエルの“世界”とツネ次郎の“世界”の剥離を示しつけていた。

「俺が言いたいのは、異なる“世界”ではなく、異なる“時間”から俺たちは集められたんじゃないのかってことだ。俺の経験からすれば、この方がずっと自然だ」
「……悪いけど、オレには“異世界”って説を裏付けただけにしか思えないよ。オレの居た世界には魔法なんて存在しないし、恐竜人と戦っていたなんて歴史はない。恐竜人なんてものの化石だって出てきちゃいない。もちろん、タイムスリップだって、夢物語の中にしか出てこないんだ」

「俺も、自分の目で見るまでは知らなかったさ。俺だけじゃなく、未来人たちもな。ラヴォスによって人類が滅びる未来は俺達が修正した。だが、人類がまた滅びないとは限らない。滅びた後はどうなる? 一度完全にまっさらな状態になったとしたら? 俺はこの手のことには詳しくないが、生き残った生物たちはまた同じように変化を繰り返して“人類”は生まれてくるんじゃないのか? そして文明を築いていく。それまでとは違う種族、違う文明、違う論理が支配するだろう。その地に生きる生物の顔ぶれも違ってくるはずだ。そうして、栄枯盛衰を繰り返していく――。その過程で、グレッグルのような生物や、ポケモンセンターなるものが生まれてくるかもしれない。ガンダムなんてものが作られるかもしれないな」

「それはただの想像だろ」
「ああ、想像だ。誰も“見”たものはいないからな」
「その言い方はずるいよ。否定も肯定もできなくなる。ここじゃ、そいつを立証する手立てが一つもない」

 ツネ次郎が口をとがらせると、グレッグルは首肯した。飽きたのか、いつの間にか銀は自動扉を支えにして窓の外を眺めている。

「すまないな。言葉を交わせる相手が今までいなかったんでね。年配者の世迷言だと思ってくれていい。ただ、俺の説を前提にキュウビのことを考えると、奴の目的も想像がついてくる」
「……というと?」
「さっき、言っただろう。俺たちは人類が滅ぶ未来を変えたと。時間を移動できると知ったとき、やることといえば歴史の変改だ」
「……オレたちを殺し合わせる意味は?」
「………………。呪法と言っていたし、書いてあったんじゃないか? そういう書物なんかに」
「いきなり投げやりになったな」

 半眼で見やるが、カエルは肩をすくめただけだ。しばし睨んでから、ツネ次郎は顎に手を当てた。

「あんたがここに呼ばれたんだから、キュウビはそのタイムマシンの存在を知っているはずだ。ならば、それを使ってキュウビのいる“世界”の望ましからざる歴史を変えようとしているというのはあり得ない話じゃない」
「お前も相当頑固だな」
 揶揄するように笑ったカエルを無視し、ツネ次郎は続けた。
「オレの“世界”には天容の笛ってものがある。地上のものを空の彼方に吹き飛ばせる代物なんだ。キュウビがあれを奪えたんだとしたら……もしかしたら、呼ばれた獣たちの世界には、殺し合いとは別に鍵となる特殊なアイテムがあるのかもしれない。そうだとすれば、そういったことをキュウビに教えた存在がいるのかも……幾つものの異世界から、ピンポイントで選んでくるなんて一人じゃ無理だろ、絶対」

 鼻息荒く告げると、足元のグレッグルが自分のデイバッグが真珠のような球体を取りだした。銀の方は外を見るのも飽きたのか、ポールの一本をじっと見上げている。

「こいつはオレんとこで、パルキアってー奴をテンガン山にある槍の柱って場所で呼び出すときに使うもんだ。そこ以外でも出てくるのかもしれねェけどな。人間どもの話じゃ、パルキアは幾つもの空間――つまりは“異世界”になるンだろうな。そこの狭間に潜み、シンオウって島を創造した神らしい。まァ、存外、これが笑い話でもねェのが面白いところだがな。そのことも、キュウビは知ってるってこった。こっちに入れたってこたァ、用済みなのか、それともオレたちに何かをさせる気なのか……」

 そう言いながら、真珠をグレッグルは仕舞った。この世界にも、また不思議な存在がいるらしい。グレッグルがツネ次郎の話を呑み込めたのも、元々彼の世界に“異世界”という概念が存在したからだろう。
 グレッグルの言葉をカエルに要訳してやっていると、グレッグルが呟くように付け加えた。

「――ただ、オレはカエルの説を推したいね」
「……どうして?」
 訊くと、グレッグルは頬を膨らませた。
「そうでないと、オレの所でガンダムが造られねェ」
「ああ、そうかい」

 半眼で呻いたとき、ツネ次郎の鼻がツンとくる悪臭を捉えた。その源泉は先程銀が見上げていたポールの根元だった。そこに黄色い水溜りができている。現在進行形で。
 片足を上げて盛大に放尿している銀を、ツネ次郎は唖然とした面持ちで見つめた。振動で水溜りはこちらに向かって流れてくる。慌てて、カエルとツネ次郎は両足を椅子の上に乗せた。
 放尿を終え、こちらの視線に気づいた銀は両耳を後ろに倒して頭を垂れて見せた。

「棒を見ていたらつい……」
「“つい”で己を完全解放するな!」
「ケッ。大地ってな死体やら糞尿が積もりに積もって出来上がったもんだぜ。グダグダ騒ぐんじゃねえよ、坊や」
「真っ先に椅子の上に逃げたやつが偉そうに言うなぁあああ!」

 そうこうする内に、列車のアナウンスが駅に着いたことを告げた。
 改札を抜けて外に出ると、先ほどと同じように大量の血痕が残り、それに沿うようにアライグマの臭いの道が出来ている。しかし、風雲再起の臭いはなく、また、蹄の跡も残ってはいない。

「フウウンサイキという馬は来ていないのか?」

 ツネ次郎はカエルにただ頷いて見せた。別れてから随分と時間がたつ。風雲再起は崖を登ってくるだけだったはずだ。
 何かトラブルに見舞われたのか。足を踏み外して、崖下に落っこちでもしたのだろうか。
 彼の不在のいう事実に、ツネ次郎は足元が揺らいだような気がした。
 それを支えるように、グレッグルがツネ次郎の背を軽く叩いた。

「来てないのなら、考えられるのは二つ。一つはおまえらを見捨てた。もうひとつは、生きているにしろ死んでいるにしろ、ここに来られない状態にある。しかし、幸いなことにここから導かれる答えは一つしかねェ。その風雲再起とやらは、オレ達の戦力にゃならねェってことだ」

 グレッグルの後ろで、銀は血の続く方向をじっと凝視している。心は既にここにはないようだ。張りつめた彼の尾っぽが、ゆらゆらと張り詰めた空気の中で泳いでいる。

「いねェやつのことを考えても仕方がねえ。ついでに言やあ、おめえが行かなくても、オレたちには関係のねえ話さ。オレたちはクマ狩りに来ただけだからな。おまえの連れだ。どっちを見捨てるのか、早いとこ選べ。そうじゃねえとパーティに間に合わなくなるぜ」
 頬を膨らませて、グレッグルは銀の方へ歩いて行った。
「あとは、お前の気持ち次第ってことだな」
「あんた、グレッグルの言葉分からないんじゃなかったか?」
「ん? まあ、な。だが、あいつはこのぐらいで予定を変更するやつじゃない」

 カエルはそう言って目を細めた。言葉は通じずとも、カエルはグレッグルのことをそれなりに把握しているらしい。カエル同士、テレパシーか何かで通じるものがあるのか。
 グレッグルも少し不思議そうにカエルを見上げていた。

「血の痕を追おう。風雲再起なら、きっと大丈夫だ。まあ、薄情そうだったし」

 言い訳のように付け加えて、ツネ次郎は血の痕を辿った。グレッグルと銀は既に先に行っている。
 ツネ次郎の数歩後ろを、カエルがゆっくりと付いてくる。彼の手は、既に腰の剣にかかっているのが見えた。
 血は研究所と思わしき建物の中へと続いていた。当然、アライグマの臭いも――。
 三階建ての建物に並んだ窓が複眼のようにツネ次郎たちを見下ろしている。午前中だというのに、研究所の周囲を薄暗く、陰気が澱んで立ち込めているような印象を覚えさせた。
 時間帯による気温の変化を少なくさせるような目的があるのかもしれない。研究所を包むように立ち並ぶ木々が酷く不気味な影を形作っていた。
 その中でガラスを打ち破られた玄関が大きな口を開けている。そこに湛えられた闇から血臭と獣臭がうっすらと流れ出ていた。
 まるで冥府へと誘い込もうとしているようだ。じわじわと纏わりつくような瘴気に押し戻されそうになる。
 この毛骨悚然たる空気を作り出しているのが赤カブトなのだ。銀の話は、赤カブトの恐怖という点では正しかった。
 どこか楽しむような様子であったグレッグルの顔も引き締まっているように見える。

 こんな処に、アライグマは独りっきりで入って行ったのだ。潜んでいるモノの怖さを知った上で。
 どれほど心細かっただろう。どれほど怖かっただろう。
 こんな処に、あいつを独りで行かせたのだ。

「カエル、グレッグル、銀……アライグマを保護するのに協力してくれ。お願いだ」


 ツネ次郎はそう頭を下げた。正直言えば、引き返してしまいたいのが本音だった。だが、ここで逃げ出したら、まん丸と胸を張って再会できなくなる。新しい友達を紹介できなくなる。
「当たり前だ。赤カブトにこれ以上好きにはさせない」
 銀が力強く尻尾を振った。グレッグルは特に返事はしなかったが、文句はないようだ。
「ギン、捜索はどのようにする? 分かれるのは効率的だが、戦力の分散は好ましくない。アカカブトとやらを知っているのはおまえだけだ。意見を聞きたい」
 カエルがツネ次郎の肩に手を置き、銀に意見を求めた。

「屋内に居るのなら、あいつも動きを封じられる。だが、それは俺たちも同じだ。固まって、身動きが取れなくなっては間抜けもいい所だろう。あいつの巨躯からいって、二階以上に行くとは思えない。熊は下りが苦手なものだしな。二手に分かれるのが一番だと思う」
「なるほどな。分け方は言葉が分かるもん同士、オレとギン、カエルとツネジローでいいだろ。合図は……」

 グレッグルは銀のデイバッグに手を突っ込み、中から色とりどりの小玉を取りだした。

「クラッカー・ボールだ。赤カブトに遭遇したら一回、アライグマを見つけたなら二回、それぞれ鳴らす。反響で位置は分からねェだろうが、最低限の状況確認はできる。聞きとるのは、おまえらなら余裕だろ?」

 頬を膨らませながら、グレッグルは銀とツネ次郎を見た。こちらが頷くのを確認して、グレッグルはカエルに癇癪玉を3個渡す。
 カエルに通訳していると、銀が鼻先を研究所に向けた。
「俺たちは西側から探す。あんたたちは東側に行ってくれ。一時間経ったら、またここで会おう」
 そう言って、銀はグレッグルと連れだって研究所へと入って行った。

「……俺たちも行こうか」
「少し待ってくれよ。今鉄砲を出す」

 ツネ次郎はモロの支給品である石火矢を取りだした。銃身が太く、抱える様にして持つしかないが、大きさの割には軽い。珍しいのか、カエルの瞳孔が少し大きくなった。
「カエル、あんたが使ってくれ」
 差し出すと、しかしカエルは首を横に振った。腰の剣を軽く叩き、金具が小さく音を立てる。
「土壇場で慣れないものは持たない主義だ。俺はこいつで十分さ」
「そうか」
 ツネ次郎は石火矢を地面に置き、苦無を取りだして帯に差した。
 石火矢も一応出しておくつもりだが、火種がなければどうしようもない。ムックルから火種になりそうな品を貰ったが、説明を見るに火種を得るだけに使うにはあまり危険な代物だ。
 研究所なのだから、バーナーなどの着火装置はあるだろう。説明書の通りに弾と火薬を詰め、抱える。

 ガラスを踏まないように気をつけながら玄関に入ると、中は吹き抜けになっていた。外光と非常灯以外に灯りはなく、薄暗い屋内には生臭さが立ち込めている。もう銀たちの姿はない。
 硬い床を叩く二つの足音だけがやけに大きく聞こえる。慌てて、ランタンを出して灯りを付ける。ほんのりとした灯りが、おぼろげに周囲を照らし出した。

「……まずいかな、これ点けるの」
「いや、まず音で俺たちの所在は知られてしまう。それに待ちかえられている分、不利なのはこっちだ。灯りで周囲の確認を少しでもし易くしておくにこしたことはないさ」

 ランタンが床の血痕を照らし出した。血痕は玄関ホールで途切れている。熊のものらしい毛も散らばっていた。あちこちに熊の臭いが残っているため、鼻は使えそうにない。
「なら、電灯も付けた方がいいかな」
 そう言って、受付の内側にあったスイッチを押すが、電気がつく様子はない。電話のランプは付いているが、おそらく電灯とは違う配電なのだろう。
「灯りを点けるには配電室を見つけなきゃならないみたいだ」
 諦め、ランタンを掲げる。アライグマのメッセージが残っているわけもなく、ただの白い壁がランタンの明かりを反射していた。
「なん、だ。これ……?」
 言葉が漏れる。
 奇妙なことに壁には何か鋭いもので穿たれたような跡があった。数十はあるだろう。まるで蜂の巣のようだ。自然に出来たものではない。
 背筋に寒いものを感じ、ツネ次郎は先を急ぐことにした。
 右に曲がると、シンと静まり返った通路がずっと奥に続いている。幾つかの扉は開けられ――いや、打ち破られ、何かの機器の灯りが点滅しているのが見えた。
 歩みの重くなったツネ次郎にカエルが声をかけた。

「名前を呼んでみたらどうだ? ただ闇雲に捜し回っても、埒が明かないだろう」
「……返事があるかな? それに、赤カブトにばれる」
「あってもなくても捜すのは同じだ。ただ、アライグマが生きているのなら、助けが来たことを知らせる意味はある。こっちの足音で逃げまわられちゃ敵わんからな。それに、赤カブトと遭遇する危険はどっちもそう変わらない。すでに俺たちは虎穴に足を踏み入れているんだぞ?」

 カエルがひょいと片目を動かした。
 確かにそうかもしれない。ツネ次郎は大きく息を吸い込んだ。

「アライグマー! オレだ! ツネ次郎だ! 助けに来たぞ!!」

 ツネ次郎の声が通路に反響し、やがては薄闇の中に吸い込まれていった。反応は――ない。
 ツネ次郎は石火矢を抱え直し、くじけそうになる足を抑えつけながら通路を一歩一歩進んでいった。自分の息遣いが乱れているのが分かる。掲げたランタンの灯りは酷く心許なかった。蝕むように、不安が肌に食い込んでくる。
 ふと、部屋のプレートが眼に入った。実験室のようだ。
 火種となるものがあるかもしれない。

「カエル、一旦ここで火を探したい」
「わかった」

 破られた扉を潜り、ツネ次郎はランタンで辺りを見渡した。大きな実験器具が幾つも並び、視界は悪い。何かの影が眼に映り、思わず顔を向ける。張られたガラスに映り込んだ自分の姿だった。心臓が痛いほど激しく脈打っている。
 カエルは珍しそうにガラスの中にある器具を覗き込んでいた。
 大型器具の間をすり抜け、ツネ次郎はランタンで辺りを照らした。用途不明の様々な器具が並んでいるのが見えるものの、目当てのものはない。
 カエルの警告の声が背中にかかった。

「ツネジロー、一人で行くんじゃない」
「ああ、悪い――」

 振り返り、戻ろうとしたツネ次郎を鋭い衝撃が襲った。その大きさに倒れそうになるが、体は傾かずに直立したままだ。見下ろせば、黒い何かがツネ次郎の胸から生えていた。それは抱えていた石火矢をも貫いている。
 痛みはない。いや、脳が理解しようとしないのか。力を失った右手からランタンが滑り落ちて床で砕けた。

「ツネジロー!?」

 カエルの叫びと共に、癇癪玉が炸裂する音が聞こえた。それがツネ次郎の聞いた最後の音だった。



(三)

「赤カブトって奴は食事のマナーってもンがなってねェようだな?」

 グレッグルの言葉に、銀は返事を返せなかった。
 彼らの目の前には血と肉片、支給品が盛大にぶちまけられていた。濃厚な臓腑の臭いが通路でとぐろを巻いている。
 それらに混じって首輪と大小様々な葉が散らばっていた。ツネ次郎から聞いたアライグマが身に付けていたものと一致する。
 血はまだ生乾きで、それほど時間が経っていないことを知らせていた。つまりは先の遭遇の後で、赤カブトが新たな獲物を屠ったということだ。
 間に合わなかったと、銀はほぞを噬んだ。

「この先は行き止まりだ。てこたァ、当たりは向こうか」
 同時に銀の耳に破裂音が聞こえた。グレッグルにも聞こえたらしく、彼は苛立たしげに吐息をつく。
「まったくもってついてねェ。赤カブト先生の限定ライブに乗り遅れるなんざよ」

 ぼやきながら、グレッグルはカエルたちが向かった方へと踵を返した。

「おい、ちょっと待ってくれ」
「そいつは聞けねェな。時は金なりだぜ、旦那。あンのアホどものブラッドバスを拝みてェってンなら別だがな」

 手の中の癇癪玉を弄びながら、グレッグルが不機嫌そうに頬を膨らませた。グレッグルなりにカエルたちが心配なようだ。

「策がある。歩きながらでいいから聞いてくれ」

 銀の言葉に、グレッグルは振り向いた。



(四)

 風を切るような唸りを上げて、幾つもの棘が槍のように向かってくる。その全てに銀色の軌跡が閃き、戛々という音が室内に反響する。
 迫りくる穂先を剣で裁いきながら、カエルは少しずつ後退して行った。撫で切りにされた棘の幾つかから血の花が咲くが、赤カブトの攻撃に翳りは見えない。それどころか、その力強さにカエルは圧されている。

 カエルは自分を責めるように、苦い顔で舌打ちをした。

 ツネ次郎はまるで磔のように、棘の一本に貫かれたまま力なくぶらさがっている。
 すでに命はない。ぼろきれのように、その四肢が無造作に揺れている。
 赤カブトはツネ次郎のすぐ後ろにある器具の影に身を潜めていた。そして、器具ごと棘でツネ次郎を刺し貫いたのだ。
 カエルはツネ次郎の通訳から、相手は熊だと聞いていた。
 どうやら、全身から伸縮自在の棘を伸ばして獲物を仕留める獣も“熊”と呼ぶらしいと、カエルは憎々しげに皺を刻む。
 並んだ実験装置のために、剣を思うように振るうことが出来ない。その窮屈さに、カエルの顔に焦りの色が濃くなる。

 と、斬り漏らした一本がカエルの眼前へと迫り――その寸前で止まった。
 遊ばれたのだろうか。そうカエルは思ったが、赤カブトの悔しそうな咆哮が否定する。
 そう。赤カブトにも予想外のことだった。仕留めたと思った矢先の裏切りに、赤カブトの隻眼が怒りで輝く。
 カエルと赤カブトとの間合いは四メートル程。それが棘の伸びる最大の間合いというわけだ。
 それを利用すれば一度ここから離脱することは可能だ。
 身動きが取れないのは、巨躯を誇る赤カブトも同じである。そう、カエルは思っていた。
 ぶぅんという耳障りな音がカエルの耳に届く。
 颶風を纏って、赤カブトの豪腕が振るわれたのだ。赤カブトの進路を塞いでいた装置は拉げ、天井と床の留め具は爆ぜ跳び、粉砕されたガラスが繊細な奏でを響かせて床に舞い散る。中に納められていた薬品が毀れ、刺激臭が部屋を包んだ。
 その勢いでツネ次郎の身体が棘からすっぽ抜け、壁にぐしゃりと叩きつけられた。壁に赤い飛沫が模様を描く。

 その怪力に驚いている間を与えず、赤カブトの背から十数本の槍が襲い掛かった。カエルには呪文を唱えるも余裕もない。
 裁くのを諦め、一旦間合いから離れようとカエルは後ろに跳んだ。と、カエルは首を絞められるような感覚を覚えた。
 狙ったのか、はたまた偶然か――棘の一本がカエルのマントを貫いたのだ。

「くっ――!」

 受け身を取ることも叶わず、カエルは大きく尻もちをつく。致命的な失態に、舌打ちすることしか出来ない。
 赤カブトの眼が嗤ったかのように鈍く光った。
 刹那、カエルと赤カブトの間に影が滑り込んできた。青色の身体の両生類――グレッグルだ。
 グレッグルは跳びながらの手の中の何かを赤カブトの足元に叩きつけた。幾つもの炸裂音と共に煙幕が張られる。室内に硝煙の臭いが混ざり、呼吸をするのも難儀しそうな状況となった。
 煙幕に赤カブトは怒りの声を上げる。

 そのとき、既にもう一つの影が部屋に滑り込んでいたことを赤カブトは気づかなかった。
 赤カブトにとっての仇敵・銀だ。
 しかし、流石と言うべきか、赤カブトは銀の存在を薬品と硝煙の臭いの中から嗅ぎ取ったようだ。銀を探し、赤カブトは頭を巡らせる。
 グレッグルの陽動で稼げだ時間はほんの刹那だ。しかし、銀には十分だった。銀は既に赤カブトの右側、つまりは彼の死角に移動している。そして――用意も整っていた。
 ばんと爆発するような音と共に、銀は床を蹴った。宙に躍った銀の身体は渦を形作り、一筋の流星のごとく赤カブトの首筋へと迫る。
 必殺の、絶・天狼抜刀牙――。

≪銀!≫

 ようやく銀を捉えた赤カブトが吼えた。その咆哮には歓喜の色が混じっていた。

≪な――っ!?≫

 銀の眼が大きく見開かれる。その瞳に映るのは、右腕を振り上げて待ち構える赤カブトの影だった。銀がどう襲い来るかを知っていたかのようだ。
 銀の敗因は二つ。一つは赤カブトにとって二回、生前とこの地で同じような攻撃を受けていたこと。もう一つは、ギロロとの遭遇にて受けた銃創を無意識に庇っていたこと――。そのために力の移動に乱れが生じ、また技の要である回転も甘くなっていたのだ。
 ほんの僅かのずれだ。だが、それは死合の刹那の明暗に大きな隔たりとなる。
 かくして、振り上げられた爪は無慈悲に銀へと振り下ろされた。紙袋が弾けるような音が室内に響く。床に叩きつけられた銀は、その一撃で物言わぬ血みどろの肉塊へと変じた。

 怨敵を討ち取り、赤カブトは愉悦の声を高々と上げた。余韻に浸っているため、その足元に素早く接近していた影は赤カブトの眼には入らない。
 ぞむと肉を割く音と共に、赤カブトの腹部に痛みが走る。跳び上がったグレッグルが手刀を腹部に突き立てたのだ。
 これが銀に与えられた策だった。赤カブトは銀がその場にいるならば、真っ先に彼を狙う。それを銀は分かっていた。その隙にグレッグルも同時に、赤カブトへ一撃を加える。
 万が一銀が仕損じた場合のことも視野に入れた、赤カブトの心情を利用しての二段構えの作戦だった。
 しかし、赤カブトは隻眼に浮かんだのは嘲笑であった。グレッグルの手刀は分厚い脂肪に阻まれ、命には遠く届いていない。それを理解しているが故の余裕であったのだ。

≪無駄なことを!≫

 飛びだした棘が、跳び退こうとしたグレッグルの腹部を貫く。だがしかし、グレッグルの顔は苦痛に歪められつつも、その眼は己の傷には向けられていない。ただ後方へと注がれている。
 ばさぁと布が翻る音がした。赤カブトが音の方を見やると、そこには破り捨てられたマントだけが残っている。
 グレッグルの眼を見たカエルは剣を脇に構えて一気に間合いを詰めていた。行けと、グレッグルの目は彼に叫んでいたのだ。
 小技を入れず、一直線にカエルは赤カブトの懐へと踏み込んでくる。そのあまりに愚直な動きに、赤カブトは愉悦に頬を歪ませた。その愚兵へ引導の槍を繰り出した。

≪か……ぐっ――!?≫

 突然、赤カブトの身体が傾いだ。彼の身体を痺れが包み、激しい頭痛と共に吐き気が襲う。その苦痛に、繰り出された肉の槍は途中で床を叩いた。

≪ファック……してやったぜェ、デカブツ≫

 勝ち誇るようにグレッグルは呟いた。
 とんと鋭くカエルが床を蹴って跳躍した。勢いに乗った剣が半月を描き、その稲妻のごとき刃が赤カブトの頭へと真っ直ぐに振り下ろされる。
 それを赤カブトは他人事のように追うことしかできなかった。
 紫電一閃――。
 肉と骨を断ちきる音と共に、赤カブトの顔に縦一文字が刻まれた。断ち割られた頭から血を噴き出しながら、その巨躯はゆっくりと倒れて行った。
 それを確認することなく、着地したカエルは床に放り出されたグレッグルの傍に跪いた。
 まだ息はある。だが、穿たれた腹の大穴がもう長くないことを語っていた。
 グレッグルは、光を失った瞳で胡乱気にカエルを見た。

「……ケッ」

 そう毒づいて、グレッグルは動かなくなった。凍りついたように動くもののなくなった室内に、溜息のような声が小さく響いた。




(五)

 研究所の横。土塗れの苦無が手から滑り落ち、地面に突き刺さった。
 カエルの前には五つの土饅頭が並んでいる。ツネ次郎、銀、グレッグル――そして研究所の西側で見つけたアライグマと、ツネ次郎の話に出てきたアルフという狼。五匹の獣たちの墓だ。
 その前でカエルはしばし黙祷した。立ち並ぶ木々の間をすり抜けてきた光が静かに優しく、五つの土塊を照らしている。
 畜生を弔うというのもおかしな話かもしれない。だが、内二匹は彼の命を救ってくれたものたちだし、惜しむ別れでもある。
 土饅頭には木で作った十字架が突き立てられている。そこには彼らの名前と共に、ツネ次郎が身に着けていた宝玉、銀の首輪、アルフの首輪、アライグマの衣装の一部が掛けられ、グレッグルのシロモクバ一号はその前に置かれていた。
 ようやくカエルは目を開いた。永遠の別れだ。時間を掛け過ぎるということもあるまい。それに、そのことを咎める連れも居ない。


「独りになってしまったな……」

 呟きは風が浚っていく。少し寂しげな音色は墓標の間を戯れて消えて行った。
 研究所の玄関に南へ行く旨を記したメモを貼り付けておいた。勘違いの可能性が高いとはいえ、赤ダルマたちのいる場所に戻る気にはなれない。また、メモには彼とツネ次郎の考察も書かれている。

「さらばだ」

 そう告げて、カエルは駅へと足を踏み出した。マントが無いせいだろうか、少し肌寒く感じる。
 その背中を名残惜しむような風が一陣、吹き抜けていった。



【A-6/一日目/午前】
【カエル@クロノトリガー】
【状態】:健康、多少の擦り傷、疲労(中)、魔力消費(小)、寂寞感 、A-6駅に移動中
【装備】:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、マントなし
【所持品】:支給品一式、ひのきのぼう@ドラゴンクエスト5、マッスルドリンコ@真・女神転生、モンスターボール@ポケットモンスター、しらたま@ポケットモンスター 、銀の不明支給品(0~2、確認済)、石火矢の弾丸と火薬の予備×9@もののけ姫 、マハラギストーン×3@真・女神転生if、風雲再起の不明支給品(0~2、確認済)、参加者詳細名簿、ペット・ショップの不明支給品(1~3、確認済)、スピーダー@ポケットモンスター×6、グリンガムのムチ@ドラゴンクエスト5
【思考】
基本:キュウビに対抗し、殺し合いと呪法を阻止する
1:電車に乗って南へ向かう
2:アマテラス、ピカチュウ、ニャースの捜索。
3:撃退手段を思いついた後に深夜に見かけた鳥を倒しに行く。
※グレッグルの様子から、ペット・ショップを危険生物と判断しました。
※銀がヒグマの大将を殺したというてゐの言葉を聞きました。
※てゐを人間だと思っています。
※ツネ次郎と情報交換をしました。
※異世界から参加者は集められたという説を知りました。
※参加者は同一世界の違う時間軸から集められたと考えています。
※天容の笛@忍ペンまん丸、しらたま@ポケットモンスターとパルキア@ポケットモンスターの存在を知りました。


※研究所内の電灯をつけるには配電室でブレーカーを上げねばならないようです。
※研究所の玄関付近にS2U@リリカルなのは、道返玉@大神が落ちています。
※研究所内に赤カブトのデイバッグ(未開封)があります。
※東棟の実験室に赤カブトの死体があります。壊れた石火矢(火薬と弾込め済)@もののけ姫、癇癪玉×2も落ちています。
※研究所の脇にツネ次郎、グレッグル、銀、アルフ、アライグマの墓があります。また、碧双珠@十二国記、シロモクバ一号@ワンピース(多少破損。使用に支障なし)、おひさま仮面の衣装(仮面なし)@ぼのぼの、銀、アルフの首輪が墓標に掛けられています。近くに月影のくない@ペルソナ3も落ちています。
※玄関の壁にメモが貼られています。
【内容】
  • カエルが南へ行くこと。
  • 参加者は異世界から集められたこと。
  • もしくは同一世界の違う時間軸から集められたこと。
  • キュウビの目的は歴史の改竄。
  • キュウビに情報提供者がいるかもしれない。
  • 集められた参加者の世界には大きな影響力を持つ特殊な道具が存在するという共通点があるかもしれない。



【月影のくない@ペルソナ3】
とある通販番組で売られている苦無。中程度の威力を誇る。

【癇癪玉】
壁や地面に叩きつけて大きな音と煙を出すおもちゃ。7個入り。


【ツネ次郎@忍ペンまん丸 死亡】
【銀@銀牙―流れ星銀― 死亡】
【赤カブト@銀牙―流れ星銀― 死亡】
【グレッグル@ポケットモンスター 死亡】
【残り29匹】



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064:へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~ 赤カブト : 死亡
064:へんたいトリロジー ~爪とヒマワリの章~ ツネ次郎 : 死亡
069:罪穢れの澱みを着せて グレッグル : 死亡
069:罪穢れの澱みを着せて : 死亡
069:罪穢れの澱みを着せて カエル 087:GREN~誤解の手記と鍾乳洞~




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