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RAINLIT DUST/――に捧ぐ  ◆k3fZfnoU9U



地下から正面ホールに戻ってきた時、その悲報は届いた。
そして知った。
もう一人の友達、知り合いの子供の死を…

「うっ…うっ…ツネ次郎さんまで」
「まん丸君…」

放送を聞いたまん丸は再び泣いていた。
クズリの父はそんなまん丸を抱きしめている。

「ク、クズリさんは悲しくないの?」
「何がだい?」
「クズリさんも……知り合いが…呼ば…れたんでしょう。それなのに……悲しんでいる様子が全然ないんだもん」

まん丸は泣きじゃくりながらもクズリに詰め寄るように尋ねた。

「確かに悲しいけれど、私自身既に受け入れてしまっているんだ」
「受け……入れてるの?」
「ああ、時に大人は残酷なものだ。どんなに悲しくてもどこかで納得してしまっているものなんだ」
「そんな……大人って……ずるいよ」
「まん丸君…」

それきり会話が止まってしまった。
まん丸は泣くのをやめたもののまだぐずっていた。

(しかし、アライグマのオヤジがどう動くか不安だな。ああ見えて息子思いだからな。それにぼのぼのくんもどこかで暴走しているかもしれないし…)

それに対しクズリは降り続ける雨を窓越しに眺めながら、どこかにいるであろう知り合いの様子を心配している。

「クズリさん」
「何だね?」

数分の沈黙後、まん丸が口を開く。

「ボクも大人になったらずるくなるのかな?」
「まん丸君…」
「クズリさん、どうなの?」
「まん丸君、君は良くも悪くも純粋だからね。きっとずるくなろうとしてもうまくいかないのではないかな?」
「それってどういうこと?」
「それはだな、自分の心に嘘をつくことはできないと言ったところだ。だからな、まん丸君はまん丸君らしく生きていけばいいんだ」
「クズリさん……ありがとうござ…」

まん丸がお礼を言おうとすると大きい音と共に突然扉が勢い良く開かれる。
それと同時に何者が飛び込んでくる。

「え、な、何?」
「まん丸君、落ち着きなさい」

2人の前に現れた影、それは傷だらけの白い犬だった。
雨の中走ってきた為、全身がびしょ濡れになっている。

「い、犬さん?あっ、怪我してる」
「……まん丸君、逃げるぞ!」

クズリの父はまん丸の手を引っ張りながら地下室に向かって行く。
それを見た白い影も2人を追いかける。
地下室にたどり着くや否やクズリは自分で作った兵器、ヤマアラシデビルを展開し始める。

「クズリさん、クズリさん。一体どうしたの?あの怖い犬さんが何かしたの?」
「とにかく落ち着きなさい。まん丸君、あの犬の目はな、私たちを殺そうとする捕食者の目をしていた。怖い犬というまん丸君の言葉はあながち間違ってはいない」

突然地下まで連れて行かれたためパニック状態になったまん丸にクズリは、
侵入者は自分たちを殺すためにこの屋敷に来たことを説明した。

「で、でも話せば分かってくれるんじゃ…」
「話そうとするだけ無駄だろう。あの犬の目は話を聞こうという感じではなかった」
「クズリさん……あっ」

顔をあげるとあの白い犬が地下室に侵入していた。

「でも、あの犬さん。たくさん怪我してるよ」
「あの犬自身何回も戦ってきたのだろう」
「でも……やっぱりあの犬さんかわいそう」
「まん丸君、よしなさい」

怪我を心配して白い犬に駆け寄ろうとしたまん丸の手を掴み引き寄せる。
と、同時に白い犬は獲物を捕えんとばかりに飛びかかる。
その爪と牙はクズリへと襲いかかる。






ボクには何が何だか分からなかった。
怖い犬さんがボクの目の前でクズリさんを食べようとしている。
きっと次はボクを食べる気だ。
逃げたいけれど足が震えて動けない…
犬さんは怪我をしているけれど……

あの犬さんがものすごく怖い

犬さんがボクの方に向き狙いを定めている。
間違いなくボクに噛みつこうとしている。
あの犬さん、ボクとクズリさんを一緒に食べる気だ。
いやだ、まだ死にたくない…
だけど犬さんはそんなことお構いなしに片足を何度も蹴っている。
そして……

「やめてえええぇぇぇ、こっちに来ないでえええぇぇぇ!」

犬が飛びかかるのと同時にまん丸は声の限り叫んだ。
その叫びに反応したかのようにクズリが仕掛けたヤマアラシデビルから大量の棘が飛び出し、まん丸に飛びかかろうとした犬に襲い掛かる。
飛び出した棘は飛びかかろうとした犬にあたり
犬はそのまままん丸の頭上を通り過ぎて壁に叩きつけられた。
そしてそのままずるずると落下する。

あれ?
現心の術ってこんなに疲れる術だったっけ?
ものすごく……眠くなって…………き…………た
でもあの犬さん…動こうとしないけど……もしかして……もう死んでる?
だとしたら……もしかして、ボクが……殺したの?
ボクが…あの犬さんを…殺した?
ボク、殺したくなかったのに……
怪我して…可哀相だと思っていたのに……殺してしまった

すでに動かなくなっている犬を見ながら、まん丸は疲れ眠る。





◇ ◇ ◇

屋敷の中から泣き声が聞こえてくる。
子供っぽい声から察するにまん丸だろう。

(俺も泣きたいのによ…)

イカルゴは誰に言うともなく心の中で呟いた。
激しい雨は彼自身の涙を表したものだろうか?

(ん、あいつは……)

再び顔をあげた彼は正面から屋敷に近くに影を見つける。
彼は威嚇として蚤弾(フリーダム)を影に向けて撃つ。
放たれた弾は近づいてくる白い四足歩行の獣の目の前に着弾する。
白い獣は一瞬足を止め上の方を見たが、ふと後ろを振り向いた後、扉を突き破り中に侵入した。

(あいつ、躊躇なく……まさか殺し合いに乗って…まん丸とクズリが危ない)

イカルゴは足早にホールへと向かっていく。
そこには……

「なっ、お前は……」

2人のデイバッグは置きっぱなしになっていたが、まん丸もクズリもいなくなってる。
その代わりにいたのは……あの時の赤毛の狼じゃねえか。
雨のため全身が濡れており、けばけばしいマントで身を包んでいるがあいつに間違いない。

「お前か、また会ったな」

赤毛の狼はそう言いながらマントを投げ捨てナイフを構えた。
狼の体はボロボロだった。
まあ、あの時雪原で気絶させたはずだから、凍傷でも発症したのだろう。
しかし、どんなに傷を負っていても危険であることに変わりはない。
一瞬でも気を抜けばあっという間に殺される可能性だってある。
実際俺の本能がそう警告している。
俺は狼を睨みつけて牽制をする。
まあ、宿主の『のほほん』とした顔からして凄みはないだろうが…。
すると赤毛の狼も睨みかえしてきた。





俺も赤毛の狼も牽制している。
傍から見れば一瞬時が止まっていると勘違いするかもしれないな。
少しでも目を逸らせば命はない。

ずっと続くと思われたこの硬直状態を打ち破ったもの、それは…

「なっ!」
「ぐっ!」

地下からの轟音と震動だった。
あいつら地下に行ったのか。
まさかあの犬から逃げようとして…。
しかし、今は目の前にいる赤毛の狼をどうにかしないと…

「今のはお前の仲間の仕業なのか?」

赤毛の狼が質問を投げ掛ける。
まずい…これに答えるわけにはいかない。
今そうだと答えたらあいつは問答無用で殺しに行くに違いない。
俺では食い止めることすらできない。

「やはりお前の仲間の仕業か」

な、勘付かれた。

「俺が聞いたときずいぶん動揺してたからな」
「……そうだ。俺の仲間がやった」

くっ、もはや詰んだも同然だ。
俺もクズリもまん丸も狼の手に掛ってしまう。
結局ここは戦場であることに変わりはない。
一瞬の動揺ですら命取りだ。

「……まさか、お前の仲間は強いのか?」

俺は答えなかった。
否、答えることが出来なかったというべきだ。
俺自身あいつらの強さは把握してないしな。
だが、あいつは弱者ですら容赦なく狩る、そんな目をしている。
そんな奴に分からないと答えようものなら…

「答えないということは分からないということか」

しまった、迂闊だった。
ここは考えを巡らせずに『ああ』と答えるべきだったか。


「もう一つ聞く。お前らは殺し合いには乗ってないな?」

え?どういうことだ?
俺が見た限りでは間違いなく殺し合いに乗っているはず…。
それとも、こいつは殺し合いに乗った奴だけを狙っているとでもいうのか…。

「………ああ、乗ってない」
「だろうな」

間違いない、こいつは殺し合いに乗っている奴だけを狙っている。
だとするとこいつは信用できるということか?
いや、まだ分からない。
こいつをあいつらのところへ連れて行っても安全だという保証はまだ……

「お前の仲間のところまで俺を案内しろ」

くっ、早速きやがった。
しかし、断ったところで俺を殺しあいつらを探し当て、手をかける可能性だってある。
それよりはそのまま案内して、いざという時には3人でこの狼と戦った方が生き残れる可能性は高いはずだ。
そう考えた俺は何も言わずに狼と共に2人がいるであろう地下室へと向かう。




まさか、あれほどの振動を出せる奴がここにいたとは…。
もしかするとオーボウの目は間違っていなかったのかもしれない。
だが、オーボウと彼についてきた子供は俺自身が手をかけた。

…まあ、それは過ぎたこと、気にすることの程でもない。

俺は地下室に入り周りを見渡す。
……俺は期待しすぎていたのかもしれない。
死骸が二体、そのうち一体は俺が追いかけていた白い生き物だな。
そして海賊ペンギンとは似ても似つかぬペンギンの子供。
このペンギンだけは生きている。
一瞬死んでいるようにも見えたが、寝息を立てているだけだ。
俺はナイフを構えペンギンの喉笛を切り刻もうとする。

「お前、何をする気だ!」
「ペンギンの子供を殺すだけだ」

ぱっくんトカゲが俺の腕を掴んで邪魔をしてくる。
俺はぱっくんトカゲの腕を振りほどき、簡素に答える。

「お前、子供と言うだけで話を聞かずに殺すのか?」
「ふん、ぬるいな。子供が生きていたところで姉さんの邪魔になるだけだ」
「!?…まさかお前は見た目だけで全てを決めつけるのか?」
「当然だ。戦場で子供は単なる足手まといにしかならない。そんな奴を生かし続けていれば、姉さんはそいつを庇って死ぬかもしれない」
「見た目だけが全てじゃないということを分かろうとはしないのか」
「確かに強い子供もいるかもしれんな。だがこいつが強いとは思えん」
「そういう奴に限ってものすごい能力を持ってるものだ」

このぱっくんトカゲはどれだけ食い下がるつもりなのだろうか?
それ程この役立たずが大切だというのか?
……だが、確かに一理はあるかもしれない。
この子供ペンギンが振動を起こした可能性もほんの僅かだがないともいえない。
もしあの振動を起こしたのがこの子供ペンギンであれば協力するのも悪くない。
いざという時には囮に使うこともできるしな。

「……気が変わった、少しだけ猶予をやる。それでもし俺が役に立たないようだと判断したなら、………問答無用で切り捨てる」

ぱっくんトカゲは何も答えなかった。


【G-4/豪邸/一日目/日中】
【ラルク@聖剣伝説Legend of Mana】
【状態】軽度の凍傷、左腕に銃創(小)、低温状態(大分回復)、全身濡れている
【装備】スティンガー@魔法少女リリカルなのはシリーズ×1、手榴弾(3/3)@ケロロ軍曹、ユーノのメモ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2(確認、武器は無し) 、オーボウの支給品(食料、水を除いた支給品一式、不明支給品0~1(確認、武器は無し))、ウマゴンの支給品一式、巨大キノコ@スーパーマリオシリーズ
【思考】
基本:キュウビの打倒に対し、シエラの障害になる者は殺す。役に立ちそうな相手なら、場合によっては多少協力する。
0:シエラが無事であってほしい
1:子供ペンギンが目覚めるのを待つ
2:子供ペンギンが役立たずなら問答無用で殺す
3:武器が欲しい。出来れば斧
4:シエラとは戦いたくない。そうなる可能性があるので、会うのも避けたい
※参戦時期はドラグーン編の「群青の守護神」開始より後、「真紅なる竜帝」より前です。
※ここが自分の世界(ファ・ディール)ではないと気付いていません。
※また、死ねば奈落に落ち、自分は元あった状態に戻るだけだと考えています。
※伝説の剣@ハーメルン が武器として使い物にならないことを知りました
※第1放送を完全に聞き逃しました。禁止エリアの場所について知りません。
※メモはギロロたちが駅に貼っているものと同種です。
※第2放送は一応聞きましたが、自分の目的に集中していたため一部内容を忘れている可能性があります。

【イカルゴ@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康、ヨッシーに寄生中
【装備】蚤弾(フリーダム)、キルアのヨーヨー@HUNTER×HUNTER
【道具】デイバッグ(支給品一式(食糧なし)×2、幸せの四葉@聖剣伝説Legend of Mana、シュバルツの覆面@機動武勇伝Gガンダム、ハンティングボウ@銀牙
【思考】
基本:殺し合いから脱出、可能ならキュウビ打倒
1:まん丸が目覚めるのを待つ
2:まん丸と豪邸でザフィーラ達の帰りを待つ
【備考】
※原作25巻、宮殿突入直前からの参戦です。
※イカルゴの考察
? イッスンはキュウビの想定外?
? キュウビには異世界の協力者がいる?
? キュウビ側の統制は取れていないかもしれない


【まん丸@忍ペンまん丸】
【状態】:頭に打撲(小)、決意 、全身にすり傷(小)、気絶、混乱、不安
【装備】:忍刀@忍ペンまん丸 、折り紙×10枚@忍ペンまん丸、サトルさん@忍ペンまん丸
【道具】:なし
【思考】
基本:念雅山に帰りたい、殺し合いには乗らない
0:……
1:ボクが…犬さんを殺した?
2:イカルゴと豪邸でザフィーラ達の帰りを待つ
【備考】
※原作終了後からの参戦です。

【クズリの父@ぼのぼの 死亡】
【パスカル@真女神転生 死亡】
【残り21匹】


※クズリの父、まん丸のデイバッグはホールに置きっぱなしになっています。
※入口のドアが壊れそこから雨が吹き込んでいます。
※正面ホールに派手な外套@うたわれるものが投げ捨ててあります。また、派手な外套はびしょびしょに濡れています。



時系列順で読む


投下順で読む



083:今日も明日も変わるけれど―― まん丸 未完成の自画像
083:今日も明日も変わるけれど―― イカルゴ 未完成の自画像
083:今日も明日も変わるけれど―― クズリの父 死亡
080:Crossfire パスカル 死亡
080:Crossfire ラルク 未完成の自画像




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