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面影 ◆w2G/OW/em6





時は真夜中、草木も眠る丑三つ時。場所はE-3、土の下には屍が眠る墓地。

「ったく……一体何がどうなってんだこりゃ?」

湿った土に腰を下ろし、手近な墓石に背中を預けながらメレオロンは呟いた。
数分前には、確かに自分はこんな場所にはいなかったはずだ。
キメラアントの王の討伐、その為にゴン達人間のハンターに協力し、いざ宮殿への突入が間近になった矢先……
気がつけばあの場所で、多種多様な動物に囲まれ、キュウビと名乗る巨大な狐に「殺し合いをしてもらう」だのと告げられ。
周りの環境の変化に、まったく理解が追い付いていない。

(あの化け狐もキメラアントか……?いや、どう見ても同族にゃあ見えなかったな。
 それに第一、殺し合いをさせる理由がわかんねぇ。
 反逆者への処罰なら、こんなまどろっこしいことせずに殺しゃあ済む話だ……じゃあ何の為に?)

どうにもまとまらない思考を巡らせながら、支給されたデイパックの中身を確認する。
最初は名簿。中を開けば、そこには知った名が一つ。

「イカルゴもいるのか……」

自分と同族である、タコに似た外見を持つキメラアント。
付き合いは短いが、共に王の討伐に参加している仲間。
間違いなく信用できる相手だ……まずはこいつとの合流を目指すべきか。
次は地図。あたりを見るに、自分の居場所はE-3、そこに記された墓地。
続いて取り出したのは……

「剣、か?」

出てきたのはひと振りの剣。幅広な三角形の刃を持ち、武器としては申し分なさそうな品だ。
アタリと思われる品に気を良くし、他にも何かないかと中を探す。

「……何だこりゃ、菓子?」

箱に入ったスナック菓子らしきものが数箱、箱にはデカデカと『チョコビ』と書かれている。商品名だろうか?
……どう見てもハズレだ。
まぁ、世の中そんなに上手くはいかないということか?
気を取り直して、今後の行動を考えようとし……


―――ペタ、ペタ、ペタ……


小さく、足音らしき物音が聞こえた。

(他の、参加させられた奴か?)

さて、どうするべきか。
あの場所には明らかに危険そうな大型の動物も混じっていた。
足音の大きさから察するに自分よりも小型の動物だと思われるが……用心に越したことはない。
キメラアントとして自分に備わる能力を発動―――自らの体を透明化する。

(さて、どんな奴か……って、何だありゃあ?)

墓石からそっと顔を覗かせ……メレオロンは驚きと呆れが入り混じった表情(もっとも透明なので誰にも見られる事はないが)を浮かべる。

トボトボとデイパックを引きずり歩いていたのは、丸っこい体つきをした小さな……。

(……ペンギン?)








(怖いよ)

まん丸は怯えていた。
ほんの数分前に目の前で起こった、あの惨劇。
軽い音をたてて吹き飛ぶ仔リスの首、吹き出る鮮血、崩れ落ちる体。
それは、正に悪夢の様な光景だった。

(やだよ、こんなの……帰りたいよ……)

だが、どうすれば帰れるのだろう?
最後まで生き残った者には、何でも願いを叶えてやる……キュウビと名乗ったあの狐はそう言っていた。
生き残れば……帰れるのだろうか、念雅山に。

(でも……タヌ太郎さんと、ツネ次郎さんは?)

配られた名簿には、まん丸の兄弟子である二匹の名前も載っていた。
帰りたい……でも、大切な兄弟子である二匹が死ぬのは……絶対に嫌だ。
じゃあ、どうすれば帰れるのだろう?

(タヌ太郎さん、ツネ次郎さん、どこにいるの……?怖いよ、会いたいよ、じいやさん……)

「……う、ぐすっ………」

圧し掛かる恐怖に震えながら、小さく嗚咽を漏らした時だった。


「あー……ちょっといいか?」


ふいに、後ろから声がかかる。
ビクリと体を震わせ振り向くと、そこに立っていたのは

(カメレオン、さん?)

2本足で立つ爬虫類によく似た姿がそこにあった。
自分と同じようなカバンを持ち、その手にあるのは……

「……あ」

剣だ。幅広の剣が、目の前のカメレオンの手に握られている。
そうだ、ここで殺し合いをしてもらうと言われたのだ。
即ちこのカメレオンの目的は……

「ちょっと話を聞きたいんだが―――」
「う、あ……うわああああああああ!!!」

相手が何か言うのとほぼ同時、まん丸は走り出していた。

「な、ちょ、待っ―――」

何か後ろから聞こえるが、そんな事気にしている余裕はない。
頭が真っ白になる中、浮かぶ考えは1つ。
逃げないと。とにかく逃げないと。
止まったら、止まったらきっと殺される……!

そんな恐怖に満ちた思考では、まともに体が動くはずもなく。

「―――あっ!」

小石につまづき、墓地の石畳に倒れてしまう。
後ろから、近づいてくる足音が聞こえる。
体を起こして振り向けば、月夜を背に迫る影は、すぐそこに。

(い、やだ……いやだ、いやだ、いやだいやだいやだ!)

死にたくない、まだ死にたくない。
逃げなきゃ、逃げなきゃいけないのに……体が動かない!

「やだ……ボク……死にたくな……!」

目をつぶり、恐怖から逃げるように叫ぶ。
怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い………!!!



「菓子、食べるか?」



―――上から降って来たのは、そんな言葉。
顔をあげると、カメレオンによく似た男が目の前に立っていて。
その手は、お菓子の箱らしき物をこちらに差し出していて。

「まぁ……何だ、その、驚かせてすまんかっ―――」

『お菓子を食べぬか』


何故かその姿に、全然似ていないはずの別の存在に重なって。
自分たちの忍術の師の姿を思い出させて。

「う……うわああああああああん!!!」

気づけばまた泣いていた。
今度は死への恐怖ではなく、いい人に出会えたという安堵から。









(……何やってんだ?俺。)

メレオロンは自分の行動を反復し、まずはそう思う。
話しかける前に剣をデイパックにしまっておかなかったのは自分の落ち度だが、その後なんでこのペンギンを追いかけたのだろう。
座り込んで、泣きながら菓子をほおばっているこのペンギン。見た感じでは本当にただのペンギンである。
ただのペンギンが喋るかという事はこのさい置いておくとして……
どう考えても、今後の行動の足手まといになる存在。

(放って置けなかったのは……やっぱ、『似てる』からだろうなぁ……)

目の前のペンギンに重なる、別の存在。
彼の里親……正確には、彼の『元になった』人間の里親が『元になった』存在。
ペギー……キメラアントの王に殺された、元里親。

(共通点、ペンギンしかねえじゃねぇかよ……)

自嘲気味に小さく笑う……あまり悪い気はしなかったが。

「あ、あの……さっきはごめんなさい……逃げたりして」

いつの間にか菓子を食べ終えたらしい。ペンギンがおずおずと声をかけてきた。

「……別にかまわねえよ、剣なんて出しっぱなしにしてた俺も悪いんだし。」
「は、はい……えっと……」

何か言葉に詰まったように、何か聞きたそうにオドオドしだす。
……ま、しかたねぇか、声かけたの俺だしな。

「メレオロンだ……で、お前は?」
「あ……ハイ!ボクまん丸って言います―――」




少しの間ぐらいは……面倒見てやるか。



【E-3/墓地/1日目/深夜】

【メレオロン@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】:ヴァルセーレの剣@金色のガッシュ
【道具】:支給品一式、チョコビ(残り4箱)@クレヨンしんちゃん
【思考】
基本:殺し合いからの脱出、元の世界への帰還
0:まん丸と情報交換、しばらくはまん丸の面倒を見る
1:イカルゴとの合流
2:誰かに襲われた場合は、容赦なく対処
※原作25巻、宮殿突入直前からの参戦です。


【まん丸@忍ペンまん丸】
【状態】健康、恐怖と不安(少し落ち着きました)
【装備】:なし
【道具】:支給品一式、不明支給品×1~3、チョコビの空き箱
【思考】
基本:念雅山に帰りたい、殺し合いには乗らない
0:メレオロンと話す
1:タヌ太郎、ツネ次郎に会いたい
※原作終了後からの参戦です。


【ヴァルセーレの剣@金色のガッシュ】
魔物の子の一人、アースの使う剣。
触れた魔物の魔力や体力を奪い、蓄える能力がある。

【チョコビ@クレヨンしんちゃん】
野原しんのすけの大好きなお菓子。チョコレート味のスナック。
最初の支給数は5箱。




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