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AAM - (2011/10/16 (日) 00:02:46) のソース

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**超音速で飛ぶ飛行機の表面は大気の摩擦により300℃くらいになるそうですがそこから発射された空対空ミサイルの表面温度はどのくらいなのでしょうか?
シーカーの冷却に気を使うデスから、相当熱いのでは無いデスかね?
#right(){(8:81式)}
淀み点温度=大気の温度x(1+0.2xマッハ数の二乗)だっけ。
#right(){(8:51)}
シーカードームの温度まではわかりませんが、素材を選ぶ事によって空気摩擦で温度が上がっても、
シーカーの波長域にかぶさるような赤外線を発さないようにされているようです。
サイドワインダーではシーカードームの材料はフッ化マグネシウムです。
#right(){(8:60)}

**フェニックスミサイルって目で見えないような長距離でもあたるんですか
150km以上とされています。もちろん視程外です。
#right(){(8:system)}
そもそも目で見える距離でしか撃てないAAMというのはありません。
かの坂井三郎は昼間に星が見えたと言われるぐらい目が良かったそうだけど、それでも敵機を発見できた距離は8キロメートルぐらい。
(大空のサムライより)

理論的には40km先でも見える可能性はある。
40km先の10~20mの物体の視角=4m先の1~2mm 
まあ大気の状態が非常にクリアならってところだろうな。
#right(){(F-22スレ25:719)}

**国産空対空ミサイルであるAAM-4の性能は、アメリカのAMRAAMやロシアのR-77に比べてどの程度のものなのでしょうか?

なにぶん詳細なデータは公表されていませんし、実戦で使われたこともないですから
はっきりした回答はできません。しかし、

AMRAAM同様、アクティブレーダーシーカーとデータリンクにより、撃ち放し、多数同時対応、中間データ更新が可能なうえ、電子機器は新しく、
かつ日本の技術力の得意とするところであるため、より高性能でECCMにも強いと言われています。
#right(){(8:syatem)}

**ミサイルで、シャリフルとパイソンって何ですか?どこで使っているのですか?
イスラエルが開発した赤外線空対空ミサイル
サイドワインダーのコピーと考えればいいが
弾体、つまり胴体直径がサイドワインダーより太く、弾頭も大きい 
#right(){(9:470)}

**アムラームを対レーダーミサイルとして対地攻撃に使用する事は可能なのか 
現代の対レーダーミサイルには、相手が送信を止めてもその場所を記憶し、たどり
つける能力が必要です。つまりSAMには不要なGPSなどが必要ということです。
また、弾頭も、対航空機と対SAM施設では、炸薬量、起爆タイミング、構造などの
最適化が違ってきます。また、アクティブに敵機を補足追尾するためのレーダー波長と
敵のレーダーにロックオンする波長では違いがありますから、機器も複雑になります。
相手レーダー波長の変更に対応できる設計も必要になり、高価で重い物になりそうです。

米軍のドクトリンとしては、HARMを積まない航空機が侵攻するのは、HARMを積んだ
SEAD機が同伴していてそれにまかせられる場合か、あるいは相手の防空体制が
完全に崩壊したときです。従って、半端なミサイルを作るのはかえってムダと考えた
のでしょう。

R-77(AA-12)は一般的なデータを見る限り、レーダー指向ミサイルとしての用途は
ないようです。あるいは開発中のラムジェット搭載型でそのようなアイデアもある、
というものではないでしょうか。 
#right(){(9:system)}

**サイドワインダーにも対レーダーモードを持たせいざと言う時には対レーダーミサイルとして運用する事を可能とすると言う方向性は無い訳だろうか
>(まあ矢張り射程が短か過ぎて敵SAMにアウトレンジされ実用的では無い訳だろうか) 
サイドワインダーには、サイドアームという、対レーダーミサイルバージョンがあります。
近距離で突然活動を始めた小型レーダー、例えばシルカ対空自走砲などを想定したものと思われます。 
#right(){(9:system)}
**AIM-9サイドワインダーなど赤外線追尾ミサイルもレーダーロックが必要なんですか? 
>相手に気付かれずに攻撃できるものと思ってたんですけど。 
レーダー使わなくても撃てるが、レーダーでロックオンしておくと 
 目標の精確な情報が得られるので、射程外とか、命中しそうもない角度で 
発射しなくてすむ。 
 AIM-9Lのように、ミサイルの赤外線センサの向きを変えることが出来るタイプだと 
(昔のミサイルは、センサの向きは正面に固定されていた)発射前に、レーダーの情報に 
基いて赤外線センサを目標のほうに向けてロックオンできる 
(そうでないと、機体の正面にいる目標しか撃てない) 
 最新のAIM-9Xは、ミサイルが目標をロックしないまま発射し、発射後目標を 
探知すると言う発射方法が可能だが、そのためには、あらかじめレーダー等で 
目標の正確な情報を掴んでいないといけない。 
 といった利点がある。
#right(){(517:732)}
**実戦で空対空ミサイルって戦闘機の機動性やパイロットの腕しだいで、映画のようによけることが出来る物なのでしょうか。
映画のようにってのがよく判らないんだけど…。
ミサイルの直径は細いですよね。
なので、必要以上のGを与えてやれば、折れる可能性はあります。
但し、パイロットの方の消耗も激しいので、何度も使える手ではありません。

ま、大抵は、レーダー妨害とか赤外線フレアで逃げるんですけどね。
100発100中のミサイルなんて言うのはこの世には存在しませんし。
#right(){(17:眠い人 ◆ikaJHtf2)}

**AAM4とか、AIMとかっていうのは何でしょうか?
これらはいずれも空対空ミサイルです。
AAM-4(空自の99式空対空誘導弾)
AIMは、米軍の空対空ミサイル記号です。(後に番号が付く)
 AIM-7→スパロー
 AIM-9→サイドワインダー
 AIM-120→AMRAAM 
#right(){(18:眠い人 ◆ikaJHtf2)}

**ユーゴ紛争時のAMRAAMの命中率ってどれくらいですか?
ユーゴ紛争では発射事例全てが公表されているわけではないので明確ではありませんが
マスコミの報道した例を総合すると30%前後と推測できます
スパローは10%台後半なので、ほぼ2倍です
#right(){(19:87)}

**フェニックスミサイルが今使われないのはなんでですか?
簡単にいうと、アムラームの方が使いやすくて性能がいいからです
最近知ったのですが、フェニックスは1970年代に旧ソ連海軍が使った
巨大な対艦用巡航ミサイル(小型のトマホークなんかとは違う)を
撃ち落すことが目的だったので、機動性は皆無に近いそうです
出来た当初はみんな、機動性の高いミサイルと信じ込んでいたようですが
考えてみればM5で弾道飛行するミサイルが自由自在に飛び回れるワケない
#right(){(19:701)}

**今の航空機搭載ミサイルって、機械でターゲットをロックオンせずに「たんに前へぶっ放す」ことはできますか?
もちろんできますよ。LOAL(ロックオン・アフタ・ランチ)機能付きのミサイルなら
発射後でもシーカの視界に目標をとらえられれば、追尾していきます。
#right(){(20:MHI)}
**AIM-54ってF-111からも発射できましたっけ?
F-111Bなら発射できたはず、と言うか、元々がこの機体専用に作られたものです。
F-111Bがポシャって、F-14専用になったのですが。
#right(){(23:眠い人 ◆ikaJHtf2)}

**サイドワインダーで地対空ミサイルが迎撃可能な訳なのだろうか
無理です
例え追尾可能に改造できたとしても
サイドワインダーでは弾頭が小さすぎます
#right(){(25:591)}

**画像誘導のSAMやAAMは具体的にどの様に誘導してるんですか?
もっとも原始的な誘導方法は、目標と周囲のコントラストの差を利用します
この方法には光学的カムフラージュ、つまり迷彩が有効なので、最近は余り
流行していないです
ここ20年ほどの間にCCD素子が驚異的な発達を見せたため、目標をある有限な
数の画素の集合として、つまりわれわれが眼で見て目標を識別するのに近い
形で目標を特定することが可能になりました
これがいわゆる画像誘導方式といわれているものです

目標を捕らえるには、可視光線以外に赤外線や最近では紫外線も使用されています
これらはカムフラージュを見破り、おとりにもひっかからないということになって
いますが、実際にはおとりやカムフラージュ技術も格段の進歩を見せているため
命中率は宣伝ほどには高くなっていないようです
#right(){(28:350)}

**空対空ミサイル「アムラーム」ってセミアクティブ誘導でも撃てるんですか?
セミアクティブでの誘導は行なわれておりません。
それよりも優れた方法で誘導されています
AMRAAMは母機より敵機の位置を電波で受け取り、それに基づき軌道変更を行ないます。

つまり、AMRAAMの場合

発射直前に敵機の位置を母機から教えられる
↓
発射後も母機のレーダが敵機の位置を確認しそのデータをミサイルに送信する
↓
敵機をAMRAAMのレーダで補足できるようになったらあとはAMRAAM自身で誘導 
#right(){(48:42)}

**大韓航空機を撃ち落したSu-15の搭載ミサイルの性能について
Su-21(Su-15)に搭載のミサイルは二種類あります。
一つはAIM-9サイドワインダーのコピーである、R-3/R-13系です。
 (R-3)
  全長:3.50m 直径:12.7cm 翼幅:53.0cm 発射重量:93kg 射程8km
  推進装置:固体Rocket 誘導装置:赤外線/セミアクティブ・レーダー(R-3R)
  弾頭:11.3kg HE弾頭
 (R-13)
  全長:2.83m 直径:12.7cm 翼幅:53.0cm 発射重量:75kg 射程3km
  推進装置:固体Rocket 誘導装置:赤外線
  弾頭:11.3kg HE弾頭

もう一つが、中距離空対空ミサイルである、R-8系です。
 (R-98T)
  全長:3.30m 直径:22.0cm 翼幅:1.05m 発射重量:270kg 射程5-27km
  推進装置:固体Rocket 誘導装置:赤外線
  弾頭:40kg HE破片弾頭 信管:近接信管
 (R-98R)
  全長:3.60m 直径:22.0cm 翼幅:1.05m 発射重量:275kg 射程27km
  推進装置:固体Rocket 誘導装置:セミ・アクティブレーダー(Iバンド8~10GHz)
  弾頭:40kg HE破片弾頭 信管:近接信管
ちなみに、R-8の射程は10kmで赤外線のみ、R-30は射程25kmです。
赤外線は後方攻撃しかできません。
#right(){(54:眠い人 ◆gQikaJHtf2)}

**AAMの速度は速いものでもマッハ4-5の様ですが、今後はマッハ10などより高速を目指す方向なのでしょうか?
速度を上げると効率が落ち、射程が短くなります。AAMにはサイズ、重量の制限がきついので、それはなかなか無理。
現代のAAMが目指しているのは、ロケットモーター燃焼時間の延長であり、それによって得られる

終末誘導段階でのミサイルの機動性向上です。長射程で、しかもかわせないミサイル、が今のたしなみ。
#right{(358:293)}
**空対空ミサイルはどの程度機体に接近したところで爆発するんですか? 
>また一般的に爆発した地点から半径何メートルくらいまでの領域に被害 
>が及ぶものなのでしょうか? 

私の知っているAAMは、「外れる」と判断したら爆発します。 
つまり、ミサイル側面に(強い指向性を持つ)光学距離センサを 
備えており、これで距離を計ります。 

距離が(ある閾値より小さくなって以後に)減少から増大に転じた時、起爆します。 
直撃コースにある場合には「増大に転じる」ことがありませんので、 
近接信管は作動せず、衝撃検知によって起爆します。 

つか、最近のAAMはみんな直撃前提でロジック組んでいるはずで…… 
AAMの機動に比べれば、戦闘機でも止まってるようなものですから。 
#right(){(True/False ◆gMVQehA6)}

**空対空ミサイルの射程とは具体的に何の距離を指すのでしょうか? 
>AB焚きながら逃げる相手に撃つのとマッハ2で真正面から突っ込んでくる相手に撃つのじゃ 
>大幅に射程が変わると思うんですが、どのような状態での射程なんでしょう? 

航空雑誌などに書いてあるAAMの射程は、推定最大速度×推定モーター燃焼時間×2という式で算定されてる 
また、母機の速度でAAMの速度やら射程が変化することはない 

**戦闘機は向かってくるAAMをロックオンして撃墜することは出来ますか?
不可能に近いくらい難しい。ミサイルは小さい。固体モーターもジェットエンジンに較べて熱源として小さい。
めちゃくちゃ対向速度が速い。対向時に熱源が隠れている。
赤外追尾のミサイルはほぼ不可能。
セミアクティブなら最終誘導フェーズで何とかなるかも。多分、機関砲系の対抗手段。
直接破壊することの技術的困難を考えると、妨害欺瞞手段はそこそこ役に立つからそっちが主になってる。
#right(){(365:166)}

**AAMはロックオンされて撃たれたら終わりと聞きますが、ミドルレンジのミサイルを射程一杯で撃ったとして、やっぱり回避は難しいのですか?

最近のアクティブAAMには、発射されたらほぼ絶対に逃れられない必中範囲が存在する。
その範囲内で発射されたらとても逃れられないだろう。
ただ、射程ギリギリで発射された場合は、相手から全速力で逃げればAAMの運動エネルギーを浪費させて、
回避できるかもしれない。

ただ注記しておくけど、近年のアクティブAAMの撃墜率は8割を超える。
運用側がしかるべき戦術にのっとって使用すれば、アクティブAAMからはまず逃れられない。
#right{(363:157)}

相手側は自機に正対? 横にビーム機動をとってる? それともケツを晒して逃げてるの?
この場合AAMの命中率は正対>ビーム機動>逃げる、になるけど、
他にも色々な戦術やら回避方法などが考案されてるから、一概には言えない。

イラク戦争だったか湾岸戦争では、イラク側の戦闘機がアムラームを随分回避したって話があるけど、
これも上記の有効射程一杯でミサイル発射されたらケツまくって逃げる、を繰り返したことによるもの。
はじめからまともに戦闘する気はさらさら無かった。初めから逃げる気でいれば、こんなこともできるよって程度。
まともに戦闘しようとしてたらアムラームにほとんど叩き落されていただろうね。
#right{(363:158)}

**空対空ミサイルにはIFFは付いていないのですか?
>特にサイドワインダーなんかはIFFが付いていないと、ドッグファイトにもつれ込んだときに味方を誤射する可能性が高いと思うのですがどうでしょうか?

ロックする時にIFFが作動するぜ。
その時点で僚機に気付かない方が駄目だろ。
#right(){(初心者スレ375:132)}
そもそも敵味方識別は母機とそのパイロットが行うべきもので、兵器そのものに行わせるものじゃない。
ま、裏を返せばそういった完全自動の敵味方識別システムが存在してないって話なんだけど。
ミサイルってのはあくまでも「道具、攻撃手段」でしかないわけで、兵装の使用に関する判断は
パイロットが行わなければならない。
第一、ミサイルにIFF識別装置を組み込むスペースなんかほとんど無いし
#right(){(初心者スレ375:135)}
**AAMの弾頭で時折、指向性弾頭というのを見掛けますが、そのメカニズムはどうなっているのでしょうか? 
>前方の峡角の範囲に指向する物なのか、それとも任意の方向に指向できる物なのか、と言うのも併せてお願いします。 
両方ある。高度なやつはレーザーレーダーで目標の角度をピンポイントしつつ、 
ミサイルの回転と同調して一定の斜めアングルコーン内に成型済み破片を射出する。 
そこまで高級でない場合は、極対称に、しかし最適のタイミングで射出する。 
破片といっても、工場で作られたタングステンペレットやロッドを撃ち出すのが普通。
#right{(502:675)}

**Ks-172みたいな長射程ミサイルは主流にはならないのでしょうか? 
>長くてもAIM-120Dの180kmくらいみたいですし。 
大型で載せられる航空機が限られるとかステルスにする場合ウェポンベィとの兼ね合いが、
とかまずそういう問題があるが、一番の問題は「そんな遠くの目標をどうやって発見するんだ?」 
ということ。 
発射母機に強力なレーダーが付いてるか早期警戒管制機のバックアップがなければ狙う目標が
見つけられないようなミサイルは、事実上専用機の専用装備(F-14とAIM-54のような)に
なってしまうか、アメリカみたいなお金持ちの国しか運用できないお大尽装備となる。 
なので、普及することはないだろう。
#right{(531:595)}
**後ろ向けに撃てるAAMはないの?
>戦闘機が後ろに敵に回り込まれたら弱いってわかっているなら、いい加減うしろに打てる武器を作れよ
ロシアのR-73熱源追尾ミサイルは、 
ヘルメット装着照準器による高オフ・ボアサイト能力によって、 
自機の真後ろへの照準・ロックオン・発射が可能。(極端な話) 
#right{(空自次期主力戦闘機スレ487:ぬこ ◆T3E65tDKhc)}
**戦闘機から後方発射できるAAMってないんですかね。 
>ドッグファイトの時に非常に有効だと思うんですが・・・相対速度とかの問題ですかね? 
ある。普通は後方のターゲットを直接探知できないのでないけど、 
Su-27以降にあるテイルブームはそのためについている 

後ろ向け発射AAMはきちんとできてますが、実用化はもひとつ割が合わなくて実現してません。 
旋回するのではなく、ベクタードスラストでちゃんと後ろ向きに動くのは下記の通り可能。 
http://aeroweb.lucia.it/~agretch/RAFAQ/R-73.html
#right(){(325:56,159)}
**何故、AAM-4はアムラームの様に翼を切り詰めないのですか? 
 
AAM-4はAIM-120に比べて大型のため,翼端を切り詰めると揚力が低下し,自重を支えきれなくなり性能が低下する.
AAM-4はAIM-120に比べてバランスも悪く汎用性に欠け,専用の指令送信機が無ければ性能が発揮できないなど,F-15J改専用AAMの域を出ない.
日本の兵器開発はこれに限らず,先見性が無く,その時のことしか考えずに兵器を開発してしまう.
開発途中で技術革新や事情の変化で求められる性能が変わっても,当初の計画が変更されないのが日本の兵器開発の現状.▲

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ ・バランスが悪いというのは主観ではなくソースがあるのか.
 ・専用の指令送信機を使用するのは,中間誘導における対妨害性能を優先したため.
 AMRAAMは中間誘導を捜索レーダーから行う(ためにOFPの変更だけで運用できるという利点はある)が,ERINTに捉えられやすいことが問題視され,AMRAAMの発展型(120DかFMRAAMだったか失念)では捜索レーダーと指令送信波の分離が検討されていた.

 上記事由から,指令送信機を分けたことはむしろ,日本の兵器開発の先見性の現われと取れないこともないのでは,というのは個人的な感想.

 【参考ページ】
http://www.warbirds.jp/town/door.cgi?no=62
 上記掲示板のsorya氏の書き込み参照.
(古い記事なので既に流れているが)

通りすがり@VOXX星 by mailform
青文字:加筆改修部分
#right{(523:907)}
**AAMフェニックスの運用が、F-14に限られたのはなぜですか? 
>他の機種で運用する価値はなかったのでしょうか? 
つうか元々あのミサイルはF-111Bへの搭載を念頭に開発されたもので、あれと 
同程度の機体の大きさを持つ機体でないと、フェニックスミサイルを管制するための 
AN/AWG-9レーダーシステムが搭載できない。 

・フェニックスミサイルは非常に高額。 
・その長射程・多目標対応性能を生かすには搭載機の索敵能力などが高いことが必要。 
・爆撃機破壊用に大弾頭を積んだ大型ミサイルであるため、搭載力が大きくないとならない。 
・運動性の高い小型機に対する対応能力が劣る(といわれる)。 

こんな事情があって、大型爆撃機に狙われる機動部隊の防空用以外には、ちと割に合わない。 
F-14以外には、F-111の艦載型に搭載することも検討されたが、これも同用途だわな。 
イランが買ったのは、金持ちだったから高級車を売りつけられたんだろ。 
>F-14以外には、F-111の艦載型に搭載することも検討されたが、これも同用途だわな。
これは順序が逆。 
F-111をファントムみたいな共通戦闘機にしようとしたときに、 
艦隊防空戦闘機としてF-111Bが試作されたが重量過大で 
米海軍は「使いたくない」と、F-111の開発で入手した要素 
技術である火器管制装置AWG-9と、搭載ミサイルフェニック 
スと、低燃費ターボファンエンジンTF30、そして加速性能と 
哨戒時の巡航性能を両立させるVG翼を流用して、グラマン 
に「もちっまともな機体にしてくれ」と作り直させたのがF-14。
>AAMフェニックスの運用が、F-14に限られたのはなぜですか? 
発注主である米海軍が、空母機動部隊を守る戦闘機を考えたときに、 
ソビエトがアメリカ空母を相手にすべく開発した大型対艦巡航ミサイ 
ルと、その発射母機を阻止したいな、相手も長射程だから遠くで撃ち 
落としたいな、という注文を付けた。 

その答えが搭載ミサイルとしてのフェニックス。守る対象が空母機動 
部隊という極めつけのHVUだから、開発費も製造単価もみみっちい 
ことは言うな、という代物。それを搭載する戦闘機であるF-14だって、 
アメリカの大型正規空母でなければ運用できない特大サイズ。 

上記の運用要求にしたがって開発製造されたため、撃ち込む標的、 
あるいは守るべき対象が「米海軍が考えたのと同じくらいに高価」で 
ないと、フェニックスは割が合わない値段のミサイルになってしまっ 
た。なんで米海軍以外は飛行機マニアが国王をやった上に、倒産 
しかかった製造会社のグラマンに国営銀行から融資までさせたイラ 
ンくらいしか買うところがなかった。 

元々フェニックスは、F-108(その後YF-12)に搭載する長距離AAM:AIM-47として開発が始まった。 
その後 海軍のF6Dミサイリアー計画の2段式長距離AAMイーグルとそのFCSの流れもくみ、 
AWG-9とフェニックスミサイルシステムとして完成、F-111Bに搭載される予定だったが F-111B自体がキャンセル。 
その後継としてF-14が開発され、AGW-9とフェニックスも引き継がれた。 
その後ADCのF-106後継にフェニックス搭載F-15が提案されたことが有るが、コスト面などから紆余曲折の後 結局F-16ADFが採用された。 
だから運用しようとした機種は結構有る、が実現したのはF-14だけとなった。
#right{(546:683-704)}

**空対空ミサイルを艦船に撃ち込んだ場合、効果はあるんでしょうか? 
 シースパローで艦船を狙えるんですから可能でしょう。効果も5インチ砲弾
程度にはあるはずです。

NATOの演習で米空母がシースパをトルコ駆逐艦に命中させた事があった。
艦橋に命中し、上がってた艦長やらは死亡。

wikiより
ttp://en.wikipedia.org/wiki/TCG_Muavenet_%28DM-357%29
#right(){(350:182-194)}

**初めて空対空ミサイルが使われた戦争は?
空対空ミサイルが初めて実戦で使用されたのは
1958年、金門島上空の空戦で中華民国(台湾)空軍と中華人民共和国空軍の戦闘において。
この時台湾側の放ったサイドワインダーAAMが、世界で初めて実戦で使用された空対空ミサイル。

国民党軍はアメリカから供与されたAIM-9サイドワインダーを装備したF-86F戦闘機をもって
人民解放軍のMiG-17F(またはJ-5)と交戦、11機を撃墜した。

なおこの時不発のサイドワインダーが中国軍機に突き刺さったまま回収され、その不発弾は
中国経由でソビエトに提供されて早速コピ^ーが作られた。
これが東側の空対空ミサイルの祖。
#right(){(347:693,694)}
**赤外線のAAMは沢山ありますが、可視光線のAAMと紫外線のAAMがほとんど開発されていないのはどうしてですか?
>航空機は紫外線は放出しない?
ジェットエンジンは紫外線も放出するわけだが。
実際、GEのF404-400エンジンはエンジンが燃焼していることを紫外線センサーで検知してから
アフターバーナー着火器を作動させる。

問題は効率よく燃焼排気を利用すると、紫外線はそう多量には放出されず、赤外域が主になること。
豊富に出ている赤外線(しかも翼前縁や機首からも赤外線は出ている)を利用せずに、
わざわざ少ない紫外線を狙うのは意味ないし、後ろからしか狙えないミサイルになったりもする。

画像認識が普及しているいま、可視光線も使えなくもないが、これは夜間は使えないし、
背景との識別も面倒。赤外単独、あるいは赤外2~多波長センサーが一番実用的ということになる。
#right(){(347:763)}
>航空機の出す紫外線をキャッチしてその存在を認識する物はあった様に思うが
それはミサイル発射警報装置ね。自機に向かってミサイルを発射されたときに、
高温のロケット排気から出る紫外線を検知して反応する。

赤外のもあるけど、地上には赤外源がたくさんあるから誤作動しやすい。
上等なのは紫外と赤外の2波長をチェックしてで作動するんだったと思う。
#right(){(347:779)}
**AAMの最小射程ってどういう条件で決まってるの?
ロケットモーターによる加速などで 
弾頭のアーミングが外れるまでの距離 

ミサイルは、不時の弾頭作動を防止するため、 
弾頭の安全装置が外れるまでのシーケンスが設けられてます。 
この間は、弾頭が作動しないので、その間に飛翔する距離が最小射程になってきます。 

あと、そんなAAMが存在しているか知りませんが、 
LOBL能力のないミサイルは、 
管制誘導や指令誘導をしなければならない時間が、最小射程に関ってきます。 
SAMの場合は、存在します。 
#right(){(創作関連スレ39:数多久遠 ◆0rtxwIjHlI)}
**赤外線誘導AAMで地上目標を攻撃した例ってありますか?
>やっぱり値段が高いから禁止されてたりしますか?
いい話を教えてやろう。
01式MATの試験のときに、赤外線誘導で熱源を備えた目標に向かって撃ったら、手前の熱せられたアスファルト道路
に向かって急降下したそうだ。
#right(){(346:緑装薬4 ◆8R14yKD1/k)}
価格が高いのはAAMもAGMも一緒だから、それ故に禁止とかってワケじゃない。
AAMは装甲の無い航空機に損害を与えるのが目的の兵器だから炸薬の量が少なく、
装甲に対してはあまり効果が無いからね。
AAMではないけど、AGM-122サイドアームはAIM-9Cを改造した対地ミサイル。

米海軍のエースパイロットだったランドール・カニンガム大尉(当時)は
著書「Fox Two」の中で、サイドワインダーをトラックに命中させたと書いている。
#right(){(346:224,226,255)}

**日本のAAM-5のスペックに最大速度M3ってあったんですけど、これって母機がミサイルを発射したときの速度はプラスされてるんですか?
>それともミサイルの速度だけ?
母機が仮にM2で飛行していてもミサイルの最大速度(上限)は変わりません
もっとも超音速飛行中に安全にミサイルを切り離せることがはっきりしている
戦闘機は今のところF-22しかありませんが

付記しておきますが切り離し速度(発射速度)は多くの場合、ミサイル側にも制限があります
AIM-9シリーズはM1以下(Xは資料がなく不明)、AIM-7はM1.2(1.5の資料もあり)のようです
#right(){(337:469,470)}
**自衛隊のAAMってベースになった物に比べて優れた点はありますか?
 雑誌ベースの情報ですが、AAM-1、AAM-2はベースとなった初期型サイドワインダー、ファルコン(どちらも自衛隊に導入された物)に比べ 
少々の改善を施した物。 
AAM-3は当時導入されていたAIM-9L/Mに対ししかなりオリジナルで、二波長シーカー等妨害排除に留意した物。 
AAM-4(弾体はスパローベースと言えなくも無い)、AAM-5はほぼ完全オリジナルなミサイルだそうです。 
性能はスペック上は同時代のAIM-120、AIM-9Lに比べ(交戦エンベロープ等)上回る事を謳っていますが、 
ミサイルってのは実戦で使ってみない事には評価は下せないので、まあ未知数という事で。 
#right(){(336:697)}
**オフボアサイト性能を有するミサイルは中間誘導はどう行うのでしょうか? 
>オフボアで発射する際は敵機がミサイルシーカー視野外となるでしょうから、LOALモードにするのだと思うのですが、
>その際はミサイルシーカーが敵をロックするまでの中間誘導は何によってどう行うのでしょうか? 
オフボアサイト性能を有するということは、シーカーがボアサイトに固定されておらず 
たとえばレーダーに同期して、シーカーの向きを変えられるようなミサイル。 
なので、発射前に目標を補足できないというわけではない。 
>その際はミサイルシーカーが敵をロックするまでの中間誘導は何によってどう行うのでしょうか? 
AIM-9XやAAM-5、IRST-Tなどは中間誘導はない。 
81式短SAM改の場合、レーダーもしくは光学追尾装置のいずれでも目標を追尾できるので、
状況に応じて有効な方法で目標情報を得られると思われる。
#right(){(587:379)}
**ホットローチンがランチャーから直接点火して飛び出す奴で、コールドローチンは一度落下してから点火する奴であってる?
その通りです。コールド・ローンチはランチャーから射出してから点火する。
だから射出分のスペースが確保されている必要があり、周りの兵装と干渉するおそれがあるのも困る。
なにかと制限が多いです。
#right(){(327:887)}
**空対空ミサイルは高速の戦闘機を撃墜できるのだから、戦車や軍艦も攻撃できると思えるのですが 
>実際に空対空ミサイルで対地対艦攻撃をすることってあるのでしょうか 
基本的にありません。 
補足をば… 
http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?AGM-122 
地上のレーダー施設を破壊する事を目的とする対レーダーミサイルには、サイドワインダー、 
スタンダードといった対空ミサイルをベースとしたものが存在します。 
基本的にレーダーは脆弱な電子機器類を剥きだしにして設置しなければならないため、対空 
ミサイルで使用する弾頭であっても、十分にダメージを与える事ができるためです。 
#right(){(631:526,527)}
**最近のサイドワインダーはIR画像認識だけど、センサーの前にスリット入りの円盤を回す方式から、CCDとかのCMOSセンサーに切り替わったってことで良いんですよね?
点センサー + 各種フィルター
↓
線状センサー + 走査装置
↓
面状センサーで画像認識

AIM-9X は focal plane array を使用しており、おっしゃるとおりCCDの類です。

注: focal plane array は一般的にはカメラのCCDのように正方形に近い受光部で、
静止対象が相手であれば走査の必要なく画像が得られる。

しかし中には線状に近い細い「plane」を走査して画像を得るものも含まれるので注意。
解像度や感度を得るために敢えてそのような作り方をすることがある。
高精細で正方形にするより、それを短冊に小さくしたものの方が素子としての歩留まりがよく、
ノイズも入りにくい。あとは走査機構、走査時間が必要なこととのバランス。
#right(){(304:222-223)}
**AAMって大体前の敵しかロックオン出来ないみたいですがなんで何でしょう? 
>そしてHMD付けるとなんで後もロックオンできるんでしょう? 
旧世代のIR-AAMは基本的にミサイル自体の弾頭の赤外線シーカーで目標となる熱源を捕捉しないと 
照準(ロックオン)できないので、ミサイルは前向きに装着するのが普通だから当然前方の目標しか 
捕捉・照準できない。 
後ろ向きに装着したら空気抵抗が増えて発射母機の性能が落ちるし、自機のエンジンの発する熱や 
排気熱でマトモに目標を捉えられなくなる。 

最新鋭のIR-AAMはミサイルに「まず発射されたらこの方向へ飛んでいけ、そしたらその後で指定した 
目標を捕捉、攻撃しろ」って命令をインプットできるので、ミサイル自体が目標を捉えられない 
状態で発射できる。 
HMDに目標のデータを表示する、という形で「ミサイル自体からは見えない」目標をパイロットが 
選択することができるわけやね。 
#right(){(645:428)}
**AMRAAMはもし曳航式のジャマーを使われたら騙されてしまうのでしょうか?
>ECCM能力(対電子妨害対抗能力)にも優れており、仮に発射後ジャミング(電波妨害)を受けた場合、
>その電波の発信源へと誘導されるようになっている。またチャフによる妨害にも強いとされる。
>とだけありましたが、
HOJ(Home on Jam:妨害源誘導)では、当然ながら
相手の電波源の「方向」のみを頼りに誘導するために、
命中率は低下する。相手のレーダー波のみでは距離
の情報が得られないから。

曳航式ECMに対してHOJが働いた状態なら、確かに
ポッド側に命中するだろうけど、最終誘導もすべて妨害源
に突っ込むだけなのか、最後はアクティブレーダーを使う
のかは調べただけでは判らず。
#right(){(300:478)}
**ロシアのR-27TとR-27TEのシーカーの探知距離について教えてください。 
下記サイトを参照されると良いでしょう。表記がシーカー有効距離、迎撃有効距離、 
入り乱れているので解読が必要ですが、基本的には最初のリンク先を参考にし、 
よく内容を理解してから残り二つのリンク先を参照して下さい。最後のリンク先で 
R-27Tで正面14km、R-27Tで18km(追尾では各30km, 45km)と示しているのが 
センサー自体のロックオン可能距離と思われます。 
http://www.x-plane.org/home/urf/aviation/text/missiles/aam.html 
http://www.aviapedia.com/forum/archive/index.php/t-473.html 
http://www.warfare.ru/?lang=&linkid=1668&catid=262 (重い) 
#right(){(670:system ◆systemVXQ2)}
**AIM-4ファルコンの命中率はどれくらいだったんでしょうか?
初期型のGAR-2Aの試験では、3~6発を一斉に発射する試験が50~100回に
渡って行われ、目標の80~90%を撃破した、と米空軍自身が言明しています。
但し、標的は、QB-17、QF-80(5~7機)、Matador(10~12機)ですが。
なお、GAR-1とGAR-2Aを併用した場合も同程度の命中率とされています。
#right(){(273:眠い人 ◆gQikaJHtf2)}

蛇足というのもおこがましいのですが、
なぜかAAMもSAMも命中率は常に50~90%(1960~70年代)
75~90%(1980~90年代)、最近では90~95%がお約束の数字で、
実はこれは要求仕様のコピペに過ぎないと思うわけです。

では実戦ではと言うと、実はベトナムと中東戦争以外では
数を取れるほど十分なミサイルの応酬はなく、しかも
ベトナムも中東もそれぞれのローカルな要素に縛られている。
もともと命中率というもの自体、ケースバイケースとしか言えないもので、
つまりは機敏に動かない標的には割と当たるミサイルらしい、程度に考えるのが適切かと。
もっともそれは十分有効だったと言うことですが。
#right(){(273:932)}
**AAMの射程は長ければ長いほど有利だと思うんだけど
>AIM54フェニックスが(F14退役とともに)退役したのはなぜ?
確かにAAMの射程は長ければ長いほど有利なんだけど、長射程の兵装は
当然遠方の目標を補足/追尾/照準するための高度な火器管制システム
が必要になる。
そうなると例え電子技術が進歩したとはいえ当然大きく複雑な機体になっちゃう
わけで、そうまでしてまで狙わなければいけない目標がなくなってしまったから。

フェニックスの目標とすべきは空母を狙ってくるソビエトの長距離爆撃機と、それ
から発射される大型対艦ミサイル(かなりの確立で核弾頭付き)だったので、
イージスシステムを搭載した防空艦が整備された今となっては、航空機にそれらを
目標とするミサイルシステムを搭載する必要性が薄い。
そして、フェニックスがそうであったように、長射程の対空ミサイル(必然的に大型
になる)は、機動性が低いので高度な回避機動ができる目標を狙うには苦しくなる。
つまりは普通の戦闘機には使い辛いわけ。
なので後継の必要性を感じてもらえなかった。

ロシアでは早期警戒管制機を狙うために長射程大型対空ミサイルを研究/開発している
けれど、アメリカにはそういった目的用途も乏しく(常に早期警戒管制機が戦闘機部隊
をバックアップしているような軍隊はアメリカくらいだ)、後継を開発する動機が
アメリカにはない。
#right(){(256:371)}
**最近の空対空ミサイルに実装されているLOAL能力というのは実用性のある機能なのでしょうか?
Lock On After Launchは、発射前にミサイル以外のセンサーで標的を捕捉しており、 
その位置データをミサイルに伝えてから発射することで機能するのが普通です。 

ですから、敵機を横目で見ながら発射しても、ミサイルは慣性操縦を用いて、母機の火器管制から 
インプットされた敵機の未来位置に向かい、自分のセンサーでロックオンします。 

LOALというと新しそうですが、AMRAAMなどの中距離、あるいは長距離ミサイルでは 
ミサイル自身のセンサーが働くのは終末段階ですから、これらもすべてLOALということになります。 

発射機の側でもロックオンする前に適当に「そっちに」発射しといてパイロットが急いでロックオンし、 
修正情報を送ってさらに指向させる、というデータアップリンクによる使用方法も研究されているようです。 
なんかだめっぽいけど。
#right(){(167:95)}
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