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ロシア戦車 - (2011/07/25 (月) 22:16:23) のソース

旧ソ連の戦車を含みます
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#contents
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**ロシアのT-72系の戦車の一部はミサイルが撃てますが、これは何のためなんでしょうか?
対戦車ミサイルも対空ミサイルも撃てます。

最大のメリットは攻撃可能距離の底上げで、
これによって「計算上は」T-72系列の最新型ならM1を撃破できる、と
販売側は言っているようですが……

同口径の砲では西側に勝てないロシア戦車の苦肉の策とも言えましょう。
#right(){(27:746)}

**T72とかT80ってなんであんなに軽いの?
足周りが複雑になって整備が……信頼性が……
数をそろえないといけないのに値段が……
値段が上がったから数が出なくて更に値段が……
重量が上がると燃料も喰うようになるから更にお金が……

こんな風に。
#right(){(36:大渦よりの来訪者 ◆Bzr3neko)}

**T-80が装備しているATMにはトップアタック機能はついているのでしょうか?
ついていない。砲内発射で半自動式(操縦するのではなく指定した目標に向かう)誘導し、
西側第2世代戦車なら正面装甲を撃ち抜けるとされる。
#right(){(37:72)}

**T80UM VS T90どちらが強いのでしょうか。
装備は殆ど同じだから車体性能以外に違いはないと思われる 強いて言えば専用に
開発された車体に乗ったT80の方が車体の装甲性能や機動性は上回るかもしれない
#right(){(45:281)}

**旧ソ連のT64戦車はなぜ輸出されなかったの
当時の最新鋭技術を詰めこんだ虎の子だったからです。T-64が輸出しても大丈夫な頃には
T-72があったのでそちらを輸出しました
#right(){(46:626)}

**オブイェークトとはどういった意味なのでしょうか?検索してもいまいち要領を得ません
ソ連の戦車開発計画につけられたコードネーム。“Объект”と表記し、本来はロシア語で「製品」。
たとえばT-72は「オブイェークト172」として開発されていた。
#right(){(461:139)}
**戦後第三世代のT-72は弾道計算機を備えているにも拘らず、戦後第二世代のレオパルト1に命中率で劣っているのは何故ですか?

T-72は近距離で高速徹甲弾で戦闘することを考えてるので精密射撃をあんまり重視してない。 

西側の戦車は遠距離でHEAT弾で戦闘することを前提にしていたため、精密な弾道計算と 
射撃管制が重視された。 

近距離で高速徹甲弾で撃ち合うなら、大概はまず「狙ったところに飛んでく」ので複雑な 
射撃管制は要らない。 
遠距離目標にはちっとも当たらなくなるけど、「確実に当たる距離」まで突撃すればOK, 
という考え方。 
数で圧すのが前提だから、距離を詰める間に何両かやられても構わない、と。 

HEAT弾は弾速がトロいので遠距離射撃がしたかったら精密な射撃管制装置が必要になる。 
特に冷戦時代の西側戦車は数で勝る相手に防御戦を強いられるのが前提だったので、 
「初弾必中」を求めたから、命中精度に拘った。 
#right(){(489:768)}

**ロシア戦車は、なぜ今でも狭いお椀型砲塔に拘ってるんでしょうか
>砲塔デザインを再検討するプランは無かったのですか?

・敵に晒す面積を減らせる
・軽い
・APFSDS以外の砲弾なら弾けるかもしれない

そして広大な国境線を抱えているから数が必要
今でも高級なT-80Uの代わりにT-90を生産している訳で

ソ連構成国として戦車開発のインフラを持つウクライナではT-84というT-80の発展型を生産しているが
その中に西側仕様の120mm砲塔を備えたものがある
#right(){(365:356)}
**90年代のユーゴ内戦でT-34戦車が現役だったと聞いたんですが今でも使われているT-34ってあります?
お隣の北朝鮮では今でもT-34が主力戦車の一つで現役です。
#right{(496:525)}
**ソ連のMBTはパラシュートで空挺降下はできるのでしょうか?
無理。普通の車両は着地の大衝撃に耐えられずぶっ壊れる。 
少なくともすぐに戦闘に参加できないぐらいの機械的故障が発生する。 
投下できるのはBMDシリーズのような空挺戦闘車や空挺戦車と言った特殊な車両のみ。 
それすらも着地に失敗することがあるので空中投下せず飛行場で着地して降ろされることが多い
#right{(495:モッティ ◆uSDglizB3o)}
**もしイラク軍のT-72がダウングレードの輸出型でなくロシア本国型ならM1戦車相手にどうなっていましたか? 
本国軍仕様のT-72だと、時期にもよるけど複合装甲やレーザーレンジ 
ファインダーなんかも装備してるみたい。 
APFSDSも輸出用の鋼鉄弾芯のモンキーモデルは本国軍仕様のタングステンAPFSDSの半分の貫徹力 
しかないとかいう話もあるので、T-72でも本国軍仕様ならもうちょっとM1の損害も増えたかも。 

戦車本体の性能差も絶望的だが、何より弾薬の差で止めを刺された。 
イラク側のT-72はM1戦車の装甲に全く歯が立たなかった。 
そりゃ鉄で作った徹甲弾じゃ複合装甲は貫けないし、口径の差もあった。 
対するM1の劣化ウランAPFSDSはT-72の装甲を紙みたいに貫いた。 
#right(){(345:634,625)}
**イラク仕様のT-72ってホントにモンキーモデルだったのかね?
イラク軍のT-72については軍事研究の2008年4月号で詳細について触れられている。 

イラク軍が海外から調達したT-72は、輸出向けのT-72M、T-72M1。T-72M 
はTPDK-1レーザー測遠器を搭載したタイプで、T-72M1は砲塔の装甲厚を 
増加したタイプ。ただし、本国版とは異なり複合装甲は搭載されていない。 
また、前述の通りFCSの自動化も本国版より一歩劣っており、諸元を手動入 
力する必要がある。 

そしてイラク国内で製造したT-72「アサド・バビロ」は、T-72M1をベースに改 
良を加えた車両で、チェコの支援により建設された戦車組立工場で生産され 
たタイプ。イラン・イラク戦争の戦訓を加味して、280mmの正面装甲の上に 
30mmの追加装甲を中空式に装着。性能の良いフランス製自動消火装置、 
アクティブ防禦システムのはしりともいえる「ダズラー」赤外線パルス発信装 
置、ベルギー製暗視装置(一部の車両のみ)を搭載するなど独自の改良が 
加えられている。 

ダズラーは、イラン・イラク戦争でイラン軍が使用するTOW対戦車ミサイルに 
よって大損害を喫した事により、ソ連技術者の助言を受けて開発された装置。 
前方左右30度の角度に赤外線パルスを発射し、ミサイルの照準を狂わせる 
機能があり、TOWによる被害を大きく減少させる事に繋がったとされる。 

アサド・バビロの最大装甲厚は軍事研究を見ると鋳造装甲280mm+中空 
+30mm装甲で、傾斜しているので実質的な防御力は運動エネルギー弾 
に対してRHA410mm、HEAT弾に対してRHA450mm。 

使用する砲弾は、旧式の3BM9 APFSDS-T(鋼製弾芯)が射程1000mでRHA 
300mmの貫通力、より新しい3BM22 APFSDS-T(鋼鉄+タングステン弾芯)が 
射程2000mでRHA380mmの貫通力、3BK14M HEAT-FSは、距離に関係なく 
RHA450mmの貫通力。ただし、実際の有効射程はFCSの能力の問題から砲 
弾自体の射程よりもやや短い1800m程度。 

なお、M1A1HAの防御力は運動エネルギー弾に対してRHA600mm。 

装甲換装前のM1A1は、RHA350mmであったため、M1A1HAへの改造 
が急がれる事となった。 
>湾岸戦争では、本国仕様のT-72でも土台相手にならないM1A1に、マイナー改良モデルとモンキーモデルでぶつかってコテンパンって感じかね
ソ連本国でも西側第三世代戦車に対抗するにはT-72の能力を向上させ 
る必要があることは認識されており、1980年代中盤にはT-72Bが登場し 
ている。 

西側戦車に対して射程で劣るのを解消するため、砲発射式ミサイルの運 
用能力が付与され、9M120ATM(最大射程4000m、貫通力RHA700mm)に 
よるアウトレンジが可能となる。 

これにあわせて射撃統制装置の能力向上が図られ、毎分8発の発射速度 
をフルに生かす事が可能となり、時速30km程度での精度の高い行進間射 
撃が可能となった。(しかし、相変わらず輸出型のT-72Sでは一段低いレベ 
ルのFSCが搭載されていた。) 

従来RHA500mm(運動エネルギー弾)程度だった防御力についても、、複合 
装甲をさらに増厚すると共にコンタクトEDZを装着することで改善が図られた。 
ただし、第一世代のEDZはHEAT弾への対応が中心で運動エネルギー弾へ 
の対処も可能となるのはコンタクト5の登場を待つ必要がある。 

ソ連/ロシアの125mmAPFSDS弾の種類とスペック。 
http://www.russianarmor.info/Tanks/ARM/apfsds/ammo.html 
砲弾についても改良が進むが、これらが他国にも提供されるようになるのは 
ソ連の崩壊後の話。 
#right(){(今こそ湾岸戦争を検証する:255-259)}
**T-64とT-72とT-80ってどうやって見分ければいいんですか?
一番明確な違いは
T-64は赤外線投光器(砲塔主砲の横についてる丸いやつ)が
正面から見てT-64は右についてる。
T-72は同じく赤外線投光器が正面から見てT-64の逆の左についてる。
T-80はT-64、72に比べて砲塔上面のハッチ周辺(特に正面右上)に
レーザ測距離儀(だったか?)などの細々した装置が搭載されている。
あと点輪がゴム付きになったのはT-80だけだったような気がした。
#right(){(343:119)}
**T72等ソ連系戦車の砲弾庫が砲塔基部にあり、被弾・誘爆した場合には車内で爆発する事になり極めて危険というのは、いつ頃知られるようになった事でしょうか? 
T-72の誘爆のしやすさの原因である自動装填装置はT-64以降から搭載されるようになった。 
ソ連戦車としてはグレードが高い部類なので紛争にはあまり出てこなかった 
T-72の初陣は確かレバノン内戦だったと思うがイスラエル軍にボコボコにされて評判を落としてる 
知ってる人は知っていたと思われるが、人口に膾炙したのはやはり湾岸戦争時。オブイエクト 
#right(){(569:モッティ ◆uSDglizB3o)}

民間レベルにはなかなか実状は判らなかった。 
80年代後半になっても、まだT-74と表記したプラモが発売されるくらいで。 

東西冷戦期、ソ連が公開した内部図解などでは、今思えば絶対にありえないくらい装甲 
が厚く描かれてたり、時速100km出るだの吹きまくっていた。 
かと思ったらレバノン紛争などは、当初、あたかもメルカバが一方的にT-72を撃破した 
と伝わったくらいで。 
はっきり言って、T-72に関しては、アメリカのM60A3なんぞより相当に強そうだと言う 
認識で、砲弾が貫通したらどうなるか?なんてとこまで考えてる人はそんないなかった 
でしょう。 

と言うかね。中東戦争の戦訓で、砲塔に即用弾積んでると危険とか、砲塔旋回に高圧の 
オイルモーター使うと(高圧のオイルは高温化して、如何に作動油とは言え発火しやすい 
ので、)危険なんて話は伝わってて。 要は西側の戦車も砲塔リング周辺まで貫通弾が 
到達すればアウトでした。 はい。 (M60とかドライバーの周辺に弾庫あるし。) 
#right(){(570:222)}
**湾岸のT-72は簡単に砲弾が誘爆して砲塔が派手に吹き飛んでましたが
T-72が被弾すると砲塔が派手に飛んでしまうのは、弾薬庫が砲塔の真下にある
構造だから(自動装填装置をコンパクトにまとめるためなのでしょうがない)。

日本の90式や自動装填式ではないがアメリカのM1エイブラムスなんかは、
砲塔の後部に弾薬庫を置き、弾薬庫の真上の天井をわざとボルトで弱く
止めただけにして、弾薬が誘爆すると天井の方が先に吹き飛んで爆発の
エネルギーが外に逃げるような構造になってる。 
#right(){(342:637)}
**旧ソ連の戦車でキャタピラが四本あるものがあったと思いますが
オブイェクト279試作重戦車だね。
これだ。
http://www3.kcn.ne.jp/~a400lbs/sfs/page009.html
#right(){(342:726)}

**ソ連・ロシア製戦車ですが、砲塔基部に砲弾を並べる方式は被弾誘爆した場合、危険と分かっていながら、いまだにその方式が採用されている理由は何でしょうか? 
>なぜ、西側第3世代戦車の様に、砲塔後部に弾薬庫を設け、弾薬庫と乗員室の間は装甲板で仕切る方式にしないのでしょうか? 
危険きわまりなくもないからです。 

簡単に言っちゃうと、第3世代の開発当時、中東戦争などの戦訓で、戦車が直撃弾くらって戦闘不能になる可能性としては、 
やはり車体より砲塔の方が危険性が高いと言うことが言われました。 

乗員の死傷確率や砲塔旋回装置の作動油の火災など、砲弾の誘爆以外のファクターもあるのですが、やはり砲塔後部の弾庫 
への直撃弾はまずいと言う話になりました。 
とは言え、砲塔後部の弾庫は砲弾の搭載数を確保する上でも、長砲身砲や砲塔前面装甲とのカウンターバランスとしても 
有効(砲弾の重さより、弾庫の張り出しと後面装甲の重さ)です。 

で、西側は弾庫を隔壁で多い、天井板から爆風を逃がす方式を採用しました。 
ソ連/ロシアは始めから砲塔後部には砲弾を搭載していません。 
そう言うことです。 

また、車体に被弾して砲弾が誘爆してしまう危険性ですが、地形を生かしてなるべく車体は晒さないように 
戦うものですし、装填手を省き、車体を小型化することで被弾率そのものを下げると言う意図もあった訳です。 
ソ連/ロシアの場合、自国の厳冬期や泥濘期の路外走行や道路事情が悪い地域・支援装備が貧弱な友好国への 
配備など考えるとおいそれと戦車を大型化できない背景もあります。 

また、砲身から発射するミサイルの開発により、西側の戦車をアウトレンジで撃破出来ると彼らは主張しています 
から、現用の方式が西側の戦車と比較して劣っていると言う意識も無いのかも知れません。 

海外への売り込みは苦闘してますけどね。 
#right(){(575:627)}
**ソビエト戦車は遠距離射撃が苦手の為中東戦争で活躍できなかったそうですが、
>T-90やT-80など現在配備されている戦車においても苦手には変わらないのでしょうか? 
中東戦争やレバノン紛争に投入されたT62・T72などはソ連本国に配備された形式より性能が劣る。
 
射撃統制装置・・・ソ連国内版のT72はレーザーで測定した距離が弾道コンピューターにそのまま入力 
         される方式。同時期の74式戦車より進んでいる。 
エンジン・・・・・T62では過給器の性能など、ソ連国内版より輸出版の機動性は落ちたようだ。 
装甲・・・・・・・ソ連国内版のT72はハト胸と言うかドリーバートン胸の中にいろいろ内緒が詰まって 
         いる。 

で、レバノン紛争については日本国内の民間レベルにはメルカバやM60が圧勝したかのような情報が 
入っていたのだが、(イスラエルの戦車を過大評価する余り、メルカバのホルストマン式サスペンション 
まで誉めだす始末)軍事情報筋や当のソ連は「ソ連に配備された戦車なら」と言うことはちゃんと判って 
いたはず。 
#right(){(577:500)}
**T-72やT-80のような戦車はFCS?の交換で西側の戦車と互角に撃ちあえるレベルにすることは可能なのでしょうか 
その「西側の戦車」ってのが、どの程度のレベルかによるが 
第3世代を想定してるんなら無理・・ちゅうか無意味 
元々、旧ソ連の全縦深同時打撃ドクトリンに特化した設計であり、圧倒的な砲兵火力の支援下、数と速度で敵陣を押し流す鉄津波が売りなんだから 
敵戦車と互角に撃ち合うことなんか考えてない 

一方、西側第三世代戦車は、ベラボーな戦力比で押し寄せるワルシャワパクトの鉄津波を少数のNATO軍で押しとどめるために、これまた互角に撃ち合っちゃならねぇレベルのキルレシオを要求されて作ってる 

で、前者に後者の能力を付与するってことは、前者がせっかくもってる安価・軽量・高速って有利な点をスポイルして、それでも後者に迫るだけで優越はできない中途半端なシロモノができあがる 
しかも改造費だけで後者が買えちゃうし 
んなもったいないマネするよりは、自分でも書いてるように、あくまで「自軍機甲戦力の足し」=速度や軽さを活かした補完的運用に限定するほうが合理的 

ただ、戦車の製造ラインってのは限られていて、特に車体が簡単に増産できない 
バスタブ状になったハルを持ち上げたりひっくり返して加工する機械が、日本には一台しかないし、米ソだって各工場に一台しかないから 
だから、どうしても戦車が急遽大量に要る!って事態に備えて、車体の新造なしに旧世代戦車を新型と互角とまではいかないまでも、とりあえず一線での使用に耐えうるレベルに機能向上させる研究は各国行っている 
74改とかね 
#right(){(創作質問55:400)}
輸出用ならともかく、本国仕様のT-72はあなどれんぞ。 
T-80は…あえて改修する?韓国はそのまま使ってるぜ? 
#right(){(創作質問55:399)}
ウクライナはT-84に西側仕様の砲塔に120mm砲載っけたタイプを輸出用に作ったりしてますね。 
#right(){(創作質問55:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)}
**イラクで、T-72M1じゃなくT-72B戦車だったらM1エイブラムズ戦車の劣化ウラン砲弾をなんとか防げたんじゃない? 
>イラク軍の戦車兵は何とか助かったのではなかろうか?
T-72Bの砲塔装甲(複合装甲装備型)のRHA値は対APFSDS弾で 
530mm、対HEAT弾換算で520mmとされている。 

輸出向けのT-72M1「アサド・バビロ」の場合は複合装甲をオミットし 
た鋳造装甲でありRHA値は410mm(対APFSDS弾)。輸出向けのT- 
72M1の一部は複合装甲を使用したバージョンもあったが、これは 
イラクには提供されていないと見られている。 

湾岸戦争時のエイブラムズが使用したM829A1の貫通力が540mm 
だったので、T-72Bであれば遠距離から射撃された場合の生存性は 
T-72M1よりはましだったかもしれない。 

さらに、T-72BはT-72M1の弱点であったFCSの能力が大幅に向上し 
ており、射程5000mの砲発射ATMの運用能力も確保しているので本 
国版のAPFSDS弾とあわせて使用できれば一矢報いることができた 
局面もあったかもしれない。 

しかし、現実にはT-72Bの輸出型であるT-72Sにしても、複合装甲 
とERAはそのまま装備されたが、射撃統制装置のレベルがかなり 
ダウンされ、本国版APFSDSや砲発射ATMは提供されないなどの措 
置が採られていることから、モンキーモデルである限りエイブ 
ラムズに先手を打たれることは変わらなかったであろう。 

なお、T-72Bの砲塔装甲(複合装甲装備型)のRHA値、対APFSDS弾で 
530mm、対HEAT弾換算で520mmというのはERA未装着時の状態。ソ連 
第一世代のERA「コンタクト」が装着された場合、HEAT弾に対する 
防御力は向上するがAPFSDS弾に対する効果はあまり無いとされる。 
#right(){(今こそ湾岸戦争を検証する:296,297)}
**T72Bがチェチェンゲリラ相手に損害を出しているのは運用のまずさか?
市街地での対戦車伏撃戦術(チェチェン軍対戦車歩兵戦闘群) 
http://web.archive.org/web/20051230070048/http://angrif.hp.infoseek.co.jp/atc.htm 

第一次チェチェン戦争での大きな被害の原因としては 

・市街地へ、ろくな準備無く戦車単独で市街地に投入した上層部の戦術ミス 
・初期に投入された戦車はEAR未搭載の物が多かった事。 
・チェチェン側がロシアの戦車について精通しており、何処を攻撃すれば 
撃破できるかを熟知していた。またRPGの一斉発射、エンジングリルなど 
の弱点攻撃などに徹したなど戦術面での優位。 
>ロシア軍はT72とT80を投入しており、最初の一ヶ月で62両が破壊された。 
>そのうちの61両(98%)は反応装甲で覆われていない場所を破壊されてい 
>た。また、紛争初期の頃ロシア戦車は反応装甲なしで戦闘に投入された。こ 
>れらはとくに正面からの攻撃にも脆弱であった。(6) 
その後、ロシア側は以下の様な対策を講じる事で被害を減らす事に成功 
している。 
①行列にZSU23-4と2S6という装軌対空車両を配備した。(9) 
②歩兵を下車随行させ、装甲車両の前方に展開させ、装甲車両を歩兵の 
 戦闘予備・戦闘援護にあてた。 
③その上で、一軒一軒、一ブロック一ブロック調整された前進を都市で行った。 
④ロシアの車両のいくつかには、成形炸薬弾の防御・モロトフカクテル・爆発 
 物を収束したものに対抗すべく、車体から25-30cm離れたところにワイ 
 ヤーメッシュ上の固まりを装着した。 
#right(){(今こそ湾岸戦争を検証する:299)}
**チェチェンでの戦訓を盛り込んだT-72Bのアップグレード型は?
T-72BM 
http://www.otvaga2004.narod.ru/xlopotov_8/tank_t72ba_01.htm 
1980年代から90年代初めにかけてに生産されたT-72Bを暗視装置以外をT- 
90並に能力向上を測った戦車。車体のオーバーホールに合わせて、FCS、エ 
ンジン、砲安定装置を換装、「コンタクト5」ERAを装着、9M119/9M119M砲発射 
ATMの運用能力付与など。ただし、改修の規模が大きいた予算もその分掛か 
り、これまでに改修を受けた車輌はそれほど多くない。 

T-72B「Rogatka」 
http://btvt.narod.ru/5/rogatka/rogatka.htm 
2006年に初公開されたT-72Bのアップグレード型。火力、防御力、機動力、指 
揮管制のあらゆる分野での能力向上が図られている。新型のERA「レリークト」 
の装着により、800mm/1200mm(対APFSDS/HEAT)、車体で750mm/1100mmとなっ 
ている。チェチェンでの戦訓から車体後部にはスラットアーマーが装着され 
ており、地雷対策に電磁防護システムも採用されている。 

T-72B「Rogatka」はこれまでに最大155両が改修を受けているとされる。 
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A2-72 
#right(){(今こそ湾岸戦争を検証する:300)}
**湾岸でガタ落ちしたT72の名誉を挽回できる機会はあるのだろうか
湾岸戦争でT-72の評価ががた落ちした事は確かであるが、皮肉な事 
に、それによって(冷戦終結後のT-72の大量退役もあって)T-72の 
輸出価格が下がり、それなりの性能の戦車を格安な価格で購入でき 
ることになり、1990年代において最も国際的な取引が行われた戦車 
となった。 

ロシアでの生産が終了した後もT-72の売買は続いており、最近では 
ベネズエラが100両のT-72を購入する事を決定している。 

しかし、メーカーのウラルヴァゴンザヴォードにとっては中古車の 
近代化は新車の輸出に比べてうまみが少ないため、複雑な気持ちの 
ようだ。 
#right(){(今こそ湾岸戦争を検証する:304)}
**T-72Bの砲塔正面の装甲は、M1A1やM1A2戦車の劣化ウラン弾だと、どれくらいの近距離まで耐えられるか?
http://bbs.tiexue.net/post2_1290555_1.html 
T-72Bに近い防御能力を有するT-90の場合、3VBM-17 125mmAPFSDS 
を正面装甲に打ち込む対弾試験を行ったところ、ERA未装着のT-90は複 
合装甲の外側は貫通されたが、内側の装甲は貫通を免れ、車内装備に 
は破損は見られなかった。 

3VBM-17の性能は以下の通り 
L/D値16。2A46M2 125mm滑腔砲から1500m 
の距離で発射。貫通力は1500mで580~600mm、2000mで520mm。 

その性能はアメリカの120mm砲用のAPFSDS弾M829A1/A2に近い性能 
であり、T-90の正面装甲はM829A1/A2の射撃に耐えられると見られる。 

1996年にアメリカでコンタクト5を装備したT-72(型番は不明)に対して行 
われた射撃試験では、1500mの距離で発射されたM829A1(1500mで 
RHA600mm貫通可能)は、複合装甲に達したものの内側の装甲を貫通 
するには至らないという、今回と同様の試験結果が得られているとされる。 
#right(){(今こそ湾岸戦争を検証する:306)}
**T-90戦車はT-72B戦車をT-80UD戦車の性能にまで引き上げた(近づけた)と見て良いでしょうか? 
ソ連では1980年代末にT-72Bの改良型であるT-72BMを開発していた。 

T-72BMは、運用コストが安く部隊での評判の高いT-72シリーズの戦闘 
力をT-80シリーズと同等にアップグレードして大量配備する事を目指し 
て開発された戦車であり、砲発射ATMや新型FCSの搭載、「コンタクト5」 
ERAの装着などが行われた。 

そのT-72BMをベースにしてさらなる改良型である「オブィェクト188」が開 
発され、これが1992年にT-90として正式採用された。T-90では、T-72BM 
よりも能力の高い射撃統制装置+赤外線暗視装置の採用、貫通力の高い 
APFSDS弾の運用能力の付与、「シトーラ」アクティブ防御システムの搭載 
などの改良が行われている。 

T-90シリーズはその後も砲塔の換装などの能力向上が続けられた結果、現 
在ではT-80UDよりも能力の高い戦車になっていると見られる。
#right(){(今こそ湾岸戦争を検証する:307)}

**ロシア製戦車ってなんでいつも弾薬庫配置が危険なものになっているのでしょうか?
砲塔容積が小さく出来るから。
その分手間やコストを掛けず装甲を厚くしたり、重量出力比を上げる事が出来る。
長大な国境線を抱える国なので、出来るだけ安く、大量に、しかし高性能な兵器を求める傾向がある。
また、簡単にカタログスペックを良くする事が出来る。
軍の要求を満たせなきゃ失脚したりシベリア送りなので、
そう言う旧日本軍戦車開発陣のような反則的設計に走る傾向にある。
#right(){(305:223)}
**T-80の自動装填装置ってどんな仕組みで自動装填するんでしたっけ? 
>砲弾がリボルバーのように並んでるんでしたっけ?
T-80のALSはT-64で使われている「コルジナ」の改良型です。 
砲塔底部の回転式トレイに弾頭・薬莢が搭載されており、砲尾下に運ばれた弾頭をラマーで薬莢と共に装填し、 
それと同時に空薬莢は元の収納位置に再収納される仕組みになっています。 
http://armor.kiev.ua/fofanov/Tanks/EQP/al-80.html
#right(){(296:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)}
**T72が神戦車と呼ばれるのは何故ですか? 
>あまり強いとは言えないですよね…? 
T-72が初めて登場したときは今までにない未来的な外見だったので 
この戦車はきっととんでもなく強いに違いないと西側諸国を震え上がらせたので 
ちょっとした伝説になった 

湾岸戦争でモンキーモデルだった事、第2世代なので既に若干時代遅れだった事 
しかも砲弾を収納する場所が悪かった事が相まって 
西側の戦車にボッコボコにされて逆にちょっとした伝説になった 

という来歴なのでネタにされて一部から神と崇められるようになった 
まぁ、第2世代としては性能は良い方なんだけどね 
#right(){(682:568)}
**オブィェークト279とは?
ソ連(当時)が1957年に試作開発した戦車です。 
「核爆発後の強烈な爆風に耐え、戦闘継続が可能であること」と「西側が装備する 
高速徹甲弾や成型炸薬弾に抗し得る防御力を持つこと」を目的として開発された 
そうです。(沼地克服のための車体形状という話もあるようです) 

足回りは油気圧式で、爆発時には車高を下げて地面にへばりつくようにして爆風を 
避けることも出来るように考慮されていました。また、車体重量は60tでしたが、接地 
圧はT-62(重量35.6t)より低いものでした。 
#ま、接地圧を下げるために4本履帯なんて足回りになったんでしょうけど。 

結局のところ、不具合を克服できずに試作のままで終わってしまったとのことです。
#right(){(112:ちゃぎ ◆fSfdiYoeFc)}
**今だ世界の紛争地でみかけるT34ですが、50年以上前の戦車のパーツや砲弾の調達はどうやっているのでしょうか? 
まず、50年前のものをそのまま使っていることは滅多にありません。 

戦後、それなりに改良が加えられ、既存のものもアップデートされています。 
また、ポーランドとかチェコスロヴァキアでライセンス生産されたものは、1959年まで作られています。 

戦車のパーツに関しては、例えばエンジンは、オリジナルのV-2-34からV-34-M11に換装され、冷却機構、 
オイル潤滑機構が改良されています。 
このほか、発電機、無線など内部の部品が近代化されています。 
これが1960年に行われた改修で、それから、1969年にはT-55/62の部品との互換性を高める改修が行われ 
ています。 

従って、部品に関しては、オリジナルの部品が底を付いても、T-55/62系列の戦車が有る限り、それなりに 
整備は出来ます。 
最悪は共食いで食いつなぐことも可能です。 

砲弾に関しては、85mm砲はつい最近(今もかな)まで中国などでも製造されていましたから、弾薬についても 
十分余裕があると思いますよ。 
#right(){(160:眠い人 ◆gQikaJHtf2)}
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