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戦闘機の翼 - (2012/03/11 (日) 00:00:34) のソース

#CONTENTS
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**水平尾翼のない戦闘機は、ついている戦闘機に比べて、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
ここでは水平尾翼のない戦闘機=単純なデルタ翼としておきます。

デルタ翼の利点は
・大きな後退角を持った翼が作れる。(翼端失速が起きにくい)
・主翼が大きいので剛性のある翼が作れる。
・翼弦長が長いので、空力的に薄翼にできる。
・翼面積が大きいので翼面荷重を小さくしやすい。

これに対し欠点は
・後縁にフラップが装備できない。(動翼がロールとピッチを兼ねるから)
・低速飛行中の方向安定性が悪い。
・低速時には仰角を大きくしないと揚力をとりにくい。
・水平尾翼がそもそもなんの役に立っているかというと、機体を水平方向に安定させる目的があります。
したがってデルタ翼機は、操縦性・安定性はやや欠けるようです。
#right(){(23:827,833)}
**F-2の主翼は複合材でできていますが複合材どうしや、または複合材と金属はどうやってはりつけているんですか?
F-2は知りませんが、一般には接着剤のみ、複合材形成時に金属のアンカーを
一緒に作り込む、複合材に穴開けてボルト接合、複合材に金属の強化点を
入れ込んでそこに穴開けてボルト接合、などなどの方法が取られます。

以前しっぽが取れて堕ちたエアバスは複合材内に金属のアンカー方式でしたが
アンカーが浅かったんじゃないかと言われたりしてます。原因はまだ未確定だけど。
#right(){(34:308)}

**なぜベルクートやグリペンにはカナードがついているのでしょうか?
>機動性が上がるなどの理由なのでしょうか? 
これは、高速に有利なデルタ翼に加えて、カナードにより操縦性と貴方が言うように
機動性を与えるためのものです。それに加えて、失速を遅らせる効果もあり、低速時
の安定にも繋がります。
ベルクートのカナードは昇降舵としての役割もあるそうです。
#right(){(53:400)}
最新鋭機は機動にも使われてますね。

一応、最初の目的は、飛行機は音速に近づいた時、機首が下がり出すんですが、それを防ぐための物です。

機首が下がるのを防ぐには、初めから、尻を重たくして釣り合わせる方法がある。
しかしこれだと、高速飛行してない時は、尻が一方的に下がるから無駄。

となると逆に、高速域でのみ、機首を上げる装置をつけるといい。

カナードはこれ。
他は主翼の付け根が前に張り出してる奴。

高速になるとそれらが翼として機能して機首を上げる訳です。

空気取入口のフタを使う物もあります。
#right(){(53:404)}

**最近の戦闘機とかの水平尾翼は、尾翼がまるごと動くタイプが多いですが、なぜ垂直尾翼はそういう方式にしないんですか?
そこまでの舵面は普通必要ないので>垂直尾翼
あと、最近の垂直尾翼の上にはいろんなアンテナが付いていたりするので
(レーダー警戒機とかデータリンクとか諸々)
チョロチョロ向きが変わると不味いです。
#right(){(57:603)}
だいたい超音速機になるとあまりラダー使わないんだよ。
低速では従来のラダーで十分。
全遊動垂直尾翼の機体にはA-5ヴィジランティやXB-70があったね。
#right(){(57:605)}

**戦闘機についてるカナード翼って機動性向上のためについているの? 
>ロシア戦闘機の新しいのには廃止されたみたいだし、アメリカ製にはついていないし。 
>ステルス性にもよくないって話だしあまりメリットがないの? 
>でもタイフーンやラファール、このあいだの中国製にはついているんだよね。 
その通りで、機動性向上の為 
しかし、ステルス性を重視したい場合には、弱点となる 
どっちを重視するかはその国次第だが、高度なステルス機を 
作る技術を現時点で持ってないような国とかは、機動性向上の方を選択するって事もある 
(ラプターとか程のには、カナードは大幅にステルス性が下がるが、逆に言えば 
そこまでのステルス性を持ってない機体には、大きな違いは無いという見方が出来る) 
しかし、少しでもステルス性を向上したいって場合、廃止したりする 
#right{(514:52)}
カナードによる機動性向上効果は、その後の技術進歩でデジタルによる 
機体制御とエンジンの推力偏向能力で同じかそれ以上の効果が出せることが 
わかったので、最近では廃れた。 
上でも出てるようにレーダー波を反射し易くなるのでステルス性が激しく 
落ちる、というデメリットもあるし。 
タイフーンやラファール、それに大陸中国の殲10型の基になったイスラエルの 
ラビなんかは一世代古い設計思想なので、上述の研究成果を取り入れていない 
ため、カナードが付いている
#right{(514:54)}
機体制御技術の進歩(CCV/FBW)で必要性が薄くなったのはあくまで 
尾翼付き機に更に追加するカナード(所謂スリー・サーフェス)。 
無尾翼デルタの離着陸時の要高迎角特性を緩和するには現在でも 
カナード(クロース・カップルド・デルタ)を超える解決策は無い。 
で、既出の通りRCSへの悪影響が無尾翼/カナード・デルタのメリット 
以上に深刻なので将来は廃れるであろう事が予想されてるわけ。 
#right{(514:59)}
カナードの最大の特徴は主翼の干渉を受けない位置についている事。 
この為、尾翼より劇的に揚力を得る事ができ、運動性が向上する。 
また、尾翼をつけずデルタ翼を採用した場合、超音速時には有利だが 
離着陸時には主翼のフラップを使えないため不自由するという欠点がある。 
この場合、カナードがあるのなら無理のないエレボン操作の範囲内で姿勢を上げる事ができ、 
同時にカナードを用いて主翼表面に流れる気流を制御することもできるので 
高迎角をとっても気流を剥離させずに安定して飛行する事ができる。 
カナードとベクタードスラストの組み合わせは変態飛行を実現するかなりの近道と思っていい。 

その反面、カナードがあると余計にレーダを反射してしまうのでステルス性は悪化し、 
ステルス機の設計はやりにくくなる。 
さらに機体制御の大きな部分がカナードにかかってくるため、 
高度かつ信頼性の高い制御技術がないと未亡人製造機になる。
#right{(514:60)}
**カナードと三枚翼の欠点や利点を教えて下さい
これが比較的良くまとまっているような。 
http://www.warbirds.jp/ansq/12/A2003135.html 
#right(){(331:782)}

**パイロットの真正面に照準があるのに翼についてる機銃とかどうやって狙いつけてんの? 
零戦みたいに両翼に機関銃が搭載されている場合、銃に角度がつけられていてそれぞれの弾道が
機体の軸線前方で交差するようになっている。 
照準機で敵機との距離を測り、そこに敵機が入るようにすれば当たることになる。 
そのために時々地上で試射を行って照準機の補正を行う必要がある。 

昔の多連装機銃の場合は、交差距離で一点に集中する様に調整します。 
近年の単装の場合、上下に僅かに角度を付けてる機体が多いですが、左右についてはそういう記述はお目にかかりません。 
胴体装備の場合は、分散も考えるとパララックスはほぼ無視できると思います。

尚、昔の戦闘機のように翼に何丁も機関銃を積んでる場合は、必ずしも一点には 
集中させず、ある一定の範囲に弾がバラけるように調整するものもあった。 
戦闘機で戦闘機を打つ、というのはようするに「散弾銃で鳥打する」ようなものなので、 
逆に一点に集中しない方が好都合だったりするから。 
#right(){(549:601:603,620)}
**デルタ翼は低速時の安定が不安定(格闘戦に弱い)のでしょうか? 
デルタ翼は低速での安定性が低いなんてことはない 
大仰角の画像をみてそう判断したのかも知れないが、あれは安定しすぎるぐらい安定した飛行だ 
たとえば中東では純粋デルタ翼のミラージュⅢが最強の格闘戦闘機だった。戦況を左右する要素が多すぎて、
条件をよほど厳密化しない限り結論はでにくい問題だ 

F-4はクリップトデルタ(尾翼付き)であって、カナード付きデルタのユーロファイターとはざっくり 
言って同じジャンルだ。極論だが尾翼が前にあるかないかの違い。航空機は一般に同じ形式であっても 
各機種ごとに操縦特性はイヤってほど違う。逆にたとえばF-15とF-86は格好も性能もずいぶん違うが操縦 
特性は驚くほど似ているらしい。一般的な回答が無い問題といわざるをえない 
#right(){(571:851)}
**何で戦闘機は武器を翼の下につけるのが普通なんですか?
>落とすだけの燃料タンクや爆弾なら下に付けて当たり前と思いますが
ミサイルもハードポイントから切り離されてしばらく爆弾のように「落下」してからロケットモーターに点火して
飛んでいきますよ。じゃないと発射したミサイルが自機に命中する危険がありますからね。

飛行機は翼表面の気流の速度(気圧)差によって揚力を得ている。
上面が速い気流で、下面が遅い気流となっている。
翼上面にミサイル等を配置すると、このバランスが崩れて、失速しやすくなる。
下面なら、このデメリットが上面より小さいので、兵装の配置はこちらに集中する。
#right(){(340:54,55)}
**戦闘機の主翼の事なんですが、タイフーンなどがF-15などに反して低翼なのは、デルタ翼なので尾翼が無いから……という解釈でオーケーですか? 
低翼の利点は脚の収納場所に困らず、かつ脚を短くできること 
一般的な航空機の場合、脚関係は自重の約3分の1を占めるから 
少しでも軽くしたい事情があれば低翼を選ぶことになる 
欧州の戦闘機は米ロに比べて推力が小さいエンジンしか使えないので 
必然的に低翼の選択率が多くなる 

一方、低翼の最大の欠点は地面とのクリアランスが小さくなってしまうことで 
翼下に兵器をたくさんぶら下げたい攻撃機には向かない 
タイフーンは今のところ制空戦闘専門だから地面とのクリアランスを気にする 
必要がない 

まぁミラージュとかF-4、F-5とか、例外は多いけどね 
#right(){(590:746)}
**なぜ戦闘機の主翼の上にはミサイルを取り付けないのですか?
翼下の吊り下げなら、ミサイルや爆弾を台車に乗せて運んで下から据え付けできるが、上だと装備しずらい。
#right(){(俺初質スレ432:243)}
あと、何かトラブルがあって空中投棄したいときも不便だな。 

ジャギュアのようにミサイルを付けた例や、 
ライトニングのようにドロップタンクを付けた例もある。
#right(){(俺初質スレ432:248)}
**翼面荷重は旋回性能とは直接関係ないんですか?
 関係は有りますが、「こちらの方が翼面荷重が低いから旋回性能が良い」と言えるほど単純でもありません。
非常に大雑把に言って、ある速度における最大旋回荷重(G)は翼面荷重に反比例しますが、
その様な高揚力の瞬間最大旋回では誘導抵抗も非常に大きく、すぐに減速し速度を維持できなくなります。
ですから旋回を維持するには、エンジン出力と抵抗の小ささも非常に重要です。
また最大旋回Gがいくら大きくても設計荷重を超えていればそもそも使えません。
一口に旋回性能と言っても多くの要因が絡みます、
また戦闘の様相も単純ではなく、最大旋回の切り替えし繰り返すシザース機動と維持旋回を続ける巴戦では影響する要因も異なります。
あまりに単純化した文言は危険です。
#right(){(236:100)}
**搭載兵器を翼下にぶら下げるなど外装している戦闘機は、抵抗が増大し加速性や最高速度、対G限界なので不利ではないでしょうか? 
>ウエポンベイを用意し、機体内に装備するようにすれば、加速性や最高速度、対G限界などで有利になりますか? 
そうすると機体の方がデブになるor搭載量が減るし投下兵装の寸法に制約が出てしまう問題がある 
ステルス機はステルス性のために内装式だが。 

外装式だと、いざとなれば全部パージすれば身軽になれる。 
ゲンブンマガジンによると、かのゼロ戦でも空になった増槽タンクを投棄するだけで30km速度が向上したそうだ。 
#right(){(625:300,301)}
空力的には有利になる。というか実際にそうしたのがF-22 
欠点は外装方式に比べて搭載量がかなり減ること 
搭載量が減るということは攻撃力が減るってことだ。 
たいていの戦闘機はマルチロールファイターを指向してるからなおさら大きな欠点。 
F-22はステルス性を追求した結果採用した 
#right(){(625:モッティ ◆uSDglizB3o)}
ただ、ステルス性のために搭載武装を単純に減らしたというわけではなく、こんな任務をさせるか 
らこれだけ積め、これだけあれば想定するこのようなミッションをこなせる、という計算はしている。 
ウエポンベイではないが、ファントムやイーグルのスパロー、トーネードのスカイフラッシュのよう 
に半埋め込み式にしたり、トムキャットのフェニックスのように空気抵抗の少なくなるような形での 
装着は行われている。特定の任務のための特定の武装が優遇されるという取捨選択は、過去に 
もあった。 
#right(){(625:ふみ ◆Y.QUKJBduY)}

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