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#CONTENTS ---- **戦時中軍刑法が無視されることはありますか?(犯した内容の重さにかかわらず死刑にするとか) **オットー・スコルツェニーが行ったドイツ軍服の上に連合国の軍服を着て後方かく乱を行う作戦って、国際法とかに照らしてみて、何も問題は無いのでしょうか? >(捕虜になる権利がなくなるとか) 降伏する前にはちゃんと連合軍の服を脱いでドイツ軍の軍服を見せなきゃならん もしそうせずに捕まったら靴下を残して剥かれて写真をとられても文句は言えない #right(){(21:855)} **敵前逃亡→軍法会議→死刑っていうのは、今でもあるんですか? 必ずや死刑ばかりではなく、陸軍刑務所というのがあり 上官が部下を殺した場合は懲役20年(米国)になります。 #right(){(29:一等自営業 ◆O8gZHKO.)} **軍法と兵法がわかりやすく解説されてるお勧めの本を教えてください 自衛隊小六法が本として有るが自衛隊内の書店でしか買えないでしょう 自衛隊法等色々載ってます 国際法なら解説書が大型書店なら有ると思います 自衛隊が使う関連法についてはこれら2冊で勉強できると思います。 #right(){(32:予備海士長)} **軍用機に偽のインシグニアを描いて所属国家を偽り、だまし討ちをした場合国際法的にはどうなんでしょうか? 戦時国際法以前に国際航空法に触れると思います。違反を覚悟でやってみるという話なら、 第2次大戦の頃までは、確かにそういう戦術を取ることは可能ではありました。しかし空中戦 では敵味方の識別が非常に難しく、むしろ各国の飛行機は誤射を避けるためにデカデカと なるべく目立つように自国の国籍マークを描く方が結果的に生存率は上がったようです。 ちなみに当時の戦術戦闘機の墜落原因の大きな一つが味方の地上からの誤射でした。 現代では電波信号で敵味方を識別するので意味がありません。 #right(){(45:643)} 背信行為として禁止されていると思います。 条約として発効してませんが空戦法規案19条違反です。あと空戦ではないですが条約として 効力のあるヘーグ陸戦規則23条ヘ参照。 国際法は明文規定だけでなく慣習法も重要なので慣習国際法に反すると思います。 #right(){(45:浅見真規)} **軍が勝手に退却してそこに残して行った物資を貰っても強奪にはなりませんよね? ならん。 軍隊が戦闘相手の軍隊の物資を奪っても、国際法上の罪にはならない。 軍隊による強奪行為が犯罪なのは、奪う相手が民間人(民間組織)の時だけ。 #right(){(54:385)} **戦争で白旗って「降伏」の意味ですよね。黒旗って意味あるんでしょうか? 法的に、ということであれば、 白旗の他には、赤十字の旗以外に、意味を持つものはありませんよ (傷病兵の保護・治療にあたる者であり、こちらはジュネーブ条約で規定)。 陸戦法規や慣行では、「戦闘中に撃ってはいけない対象」として、 白旗と赤十字を掲げる者を定めているだけです。 まあ、赤旗と言うと、共産党の党旗はイメージされるわけですが… 他にも、基本的に、闘志や血をイメージする色ですので、多々、軍旗には使われるでしょうけど…。 #right(){(55:480)} **軍事法廷で行われる裁判と、普通の裁判所で行われるものとで大きく異なる点は何でしょうか 弁護士はつかんぞ。 それと国内法は通用しない。 #right(){(59:786)} 旧軍の場合 平時の軍法会議の場合、軍刑法が適用されること、 軍人が裁判官に加わる意外は大きな変化はありません。 戦地・戒厳令下で設置される特設軍法会議の場合、 一審制・弁護人なし・非公開など大きな差があります。 #right(){(59:787)} 「弁護士」はつかないが「弁護人」はつく 階級が低い将校が多いので、何の役にも立たないらしいが #right(){(59:824)} **軍隊への命令権は行政に属するもので立法や司法が代行・介入することはないのでしょうか。 すべては法律の規定によります。国によって法律の規定は異なりますので何ともいえません。 ですから、状況によりけりだとしかレスのしようがありません。 >閣議の場で爆発があり閣僚陣が全滅した場合、次の総理大臣選出までの間、自衛隊への命令権を代行することはありえますか このような事は法律で規定されていませんので、 司法や立法の命令を自衛隊側が従う義務はありません。 また、三権分立の原理原則論からいっても立法や司法が行政の長の代行をすることはありえないでしょう。 官房副長官や副大臣のうち生き残った人間の誰かが代行をつとめるほうが正統 に疑念が生じないと思いますよ。 #right(){(62:FFH331 ◆3.CSSBl9VA)} **軍人は国家元首の命令と裁判所の命令、どちらに優先的に従うのですか 国と政治システムによる。 今の日本のように三権分立が徹底している国なら国家元首も裁判所命令には 従わなきゃいかん。大抵の民主国家では軍隊は国家元首の承認で動く事に なってるから、国家元首が裁判所命令に抑えられた時は当然軍隊の命令系統 もそっちに移るだろう、と思う。 もちろん戦前の日本のように軍隊が独立した機関として政治に口出しできる国や 軍隊自体が国家統治をしている国では違うだろうけど。 #right(){(62:235)} **宣戦布告は行政が行うのか、立法府が行うのかを教えて下さい。 >通常の国際条約であれば議会の批准議決と思いますが、戦争でもそうでしょうか。 宣戦布告は国際法違反ですので、普通の国はやらないと思われ #right(){(62:279)} **個人で拾った戦利品を私物にしたりすることって、合法だったのでしょうか? 合法かどうかは知らないが、洗浄の死体漁りでゲトしたものを アメリカ国内に持ち込んでもお咎め無かったみたい。 #right(){(64:595)} **ろ獲兵器に関する法律ってどんなのがありますか? 1907年、第11ヘーグ条約(捕獲権行使制限条約、海戦ニ於ケル捕獲権行使ノ制限ニ関スル条約)明治45年1月13日公布。 これぐらいしか見つからない。 #right(){(69:剣恒光@自衛隊板 ◆yl213OWCWU)} 無いと思うんだよね。 たいがいの国はやってるから。 (前線で使うだけでなく研究用とかさ。) 「アメリカの旦那が欲しがってたぜ!」 なんてのもあるしね。 再占領→兵器再奪還ってのもあった。 戦勝パレードにドイツ式パーツを取り付けた自国の旧式戦車で参加するフランスとか。 #right(){(69:240)} 鹵獲したものは特に何も規定がある訳ではありません。 ただ、初見のものなら、上級司令部に報告する必要があります。 調査が必要な場合もありますので。 それ以外のものなら、使っても構わない場合が多いです。 (日本軍では、員数外兵器と言って、中国から鹵獲した機関銃を使用したケースがあります。) #right(){(82:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **観戦武官の国際的な取り扱いは決まっているのでしょうか? 正式名称は忘れましたが、自衛隊からも各大使館、領事館に武官が派遣されています。 当然、観戦武官として行動することもあります。 (少なくともViet Nam戦争の際に観戦武官として米軍に同行したケースはあったようです) 佐々敦行氏の著書(「香港領事 佐々敦行」にその辺の下りが出てきますので、 参考になさっては如何でしょう。 #right(){(74:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **イラク戦争で、わざと味方のいる所に手榴弾を投げ死傷者を出した人がいるのですが、こういうのは本国に帰ってから、殺人罪で裁かれるのですか? 陸軍刑法によって裁かれるんじゃないかな。 当然軍事裁判でね。その場で死刑ってのは考えられない。 #right(){(74:130)} 拘束されているところがTVに映ってたじゃない。 抵抗するのをやむなく射殺したのならともかく、 その場で処刑なんかしたらした奴が軍法会議もんだよ。 #right(){(74:131)} **捕虜が階級を偽って申告したらどうなるのでしょう? 別に何もされない。 常識的に、嘘吐いたから即銃殺刑ね、ということにはならないでしょう。 また、いろいろ尋問されますから、下手な嘘だとすぐにバレます。 #right(){(74:245)} 国際赤十字に問い合わせかける時点でバレます。 #right(){(74:250)} **アメリカの法律では当然「人を殺したら云々」という刑罰があると思うんだけど、それは戦争時ではどうなるんでしょうか。 戦争とは国家が行なう超法規的行為でして、本来国内法は適用の範囲外です。 軍人に関しては軍で定められた軍法が適用され犯罪行為はそれによって裁かれます。 当たり前ですが、戦闘で敵を殺してもそれが無抵抗の捕虜もしくは民間人で無い限り 裁かれる事はありません。(戦争に負ければ話は別ですが) ただ、今の日本ではここらへんの話がさっぱり出来ていないわけですが。 #right(){(86:87)} 法律は結局のところ、国家が定めているものです。 その国家が「やれ」とGOサインを出しているんですから、問題はありません。 もちろん、その国家が定めている戦争遂行時の規則(軍規)などに抵触した 場合には、問答無用でしょっぴかれますが。 #right(){(86:88)} **軍隊が法務省的な組織を持っているのはなぜですか? 戦場では、軍人以外行動出来ないからであり それでも法秩序を保つ必要があるからです。 戦闘中に、軍隊以外の組織たとえば警察が出しゃばって行動すれば 混乱するのは目に見えていますね。 >また軍隊内での犯罪が軍事法廷などで処分された場合、その件で外の世界に戻ったときに再処分されることはないのですか? それは法の原則に反しています。 #right(){(90:411)} >「それは法の原則に反しています。」の部分がわかりません。 >軍事法廷は司法の一部だから元の世界で二重に処分されることは無い、の意味ですか? そういうことです。 #right(){(90:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 一事不再理の原則」といいます。同じ罪で二度裁かれることは無い、という法の原則の一つです。 #right(){(90:434)} **1949年以前の話で、便衣兵はハーグ陸戦法規が定める交戦者の資格を満たしていませんが、便衣兵が投降してきた場合は殺害してはいけないのでしょうか? 確かに当時の戦争法規では、ゲリラは捕虜になる資格を持たないが、むやみに殺していい訳がない。 「殺人」「器物破損」「武器の不法所持」etcの罪状で正当な裁判にかけ、 そこで死刑の判決が出たとき、初めてゲリラの殺害は許されるのだ。 #right(){(93:770)} ジュネーヴ追加議定書を読んだことがあるのなら、第1議定書の第47条を嫁。 傭兵は戦闘員にも捕虜にもなれないとはっきり書いてある。 #right(){(93:773)} 処刑の場合は交戦者資格が無いのに戦闘行為を行ったということで 便衣兵の現行犯は処刑はいいみたいです。また、慣習国際法にも、ハーグ条約 にもスパイの処罰は裁判に依りますが、便衣兵の処刑は裁判を必要とは しないようです。 ただ、問題として23条で投降規定が交戦者資格が無いものに適用できる のかと言うことです。 もっと言えば便衣兵を捕らえた場合は処刑いいみたいですが、 手を挙げた段階では23条の規定に従い収容するまで攻撃をしてはいけない のかと言うことです。 どうかわかっている人がいたら教えて下さい。 #right(){(93:783)} ゲリラが手を上げてきてもそのまま射殺ってのはやはり無茶。 #right(){(93:785)} >根拠となる国際法を挙げて欲しいのですが・・。 明文化されたものは、あなたも参考にされている、ヘーグ陸戦規則と、ジュネーヴ条約(1929年の)しかない。 あとは慣習国際法、ということになるのだが。 現行犯でのゲリラの処刑ってのは、事実上の戦闘行為の一部だから、わざわざ断るまでもないこと。 すでに抵抗の意志を無くしているゲリラの場合、 確かに犯罪者だが、それでも手続きなしの処刑は問題がある。 第2次大戦後、レジスタンスやゲリラを殺し回った枢軸国軍人がなぜ戦争犯罪者になったのか? を考えれば、答えは明らかだと思うが。 #right(){(93:794)} >軍律裁判ということは占領地以外ではどうなるのでしょうか? ヘーグ陸戦規則の第2条参照。 非占領地の住民が武器を執って戦った場合は、「群民兵」として交戦者 資格が与えられる。 #right(){(93:831)} **軍事裁判と普通の裁判の違いがわかりません。どう違うのでしょうか? 普通の裁判は刑法(など)に書いてある罪を犯した場合、裁判になりますね。 軍事裁判はそれに加えて軍令に関する違反、敵前逃亡や利敵行為なども裁判の対象になるわけです。 で、普通は軍人だけに適用されるんですが、占領下や戒厳令下では一般人にも適用されることがあります。 以上簡単ですが。 #right(){(96:774)} 勝者が敗者を裁き、戦争を起こした責任並びに、戦争当事国の国民に対する罪を 裁くのが軍事裁判です。 一応、法廷の形式は整っていますが、有罪と見なされた人の判決が覆ることはまず 有り得ません。 一方、軍紀の違反、及び法令違反などを犯した軍関係者を裁くのは、軍法会議と言い、 軍の作戦地域において、軍司令官以上が作戦の遂行上公布した軍律に違反した その軍以外の民間人を審判するのが、軍律会議です。 #right(){(96:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **兵隊さんが悪いことした場合、軍事裁判に掛けられると思いますが、原則非公開だとか。 >では、兵隊さんが悪いことしたときに、共犯者に民間人がいた場合も >この共犯者も軍事裁判にかけられ、その裁判は非公開なんでしょうか? 非公開。 #right(){(102:754)} そもそも予審が非公開。 #right(){(102:755)} **戦争に同士討ちは付き物のようですが味方を攻撃してしまった兵士はその後どんな処分を受けるのでしょうか? とりあえず、湾岸IIで英軍のトーネードや自軍のF/A-18を落とした ペイトリオットSAMの関係者は、全員お咎め無しでした。 湾岸での英軍ウォーリアー爆撃事件も同様だったはず。 個人ではなく、システムに問題がある、というのが基本的な態度です。 交戦ルール違反が間違えようなく認められない限り、兵士は処罰しないというのが原則らしいですね。 でないと引き金引けませんから。 そのかわりに交戦ルールや責任の所在が明確になっているのが現代軍隊の特徴です。 自衛隊は遅れてるそうです。 覚醒剤が原因と言われているコソボの結婚式爆撃事件でも、結局覚醒剤を使用させて軍の体制が問題、 ということでお咎め無しになったのでは (公式には。実際には昇進アウトかも)。 #right(){(105:system)} **「SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録」 (アンディ・マクナブ著 ハヤカワ文庫NF)で、 >北アイルランドで警戒中の英軍兵士に対する、IRAのテロリストによる爆弾テロが起きた直後、 >敵が周囲に潜んでいる可能性を考慮して、味方の英軍兵士が住宅地の生垣などに、 >片っ端から機関銃を連射していたらしいけど、兵士として妥当な行動なんですか。 >一般人に弾があたったら、問題だと思うんですが・・・。 英国兵の姿を見て逃げる奴はIRA。 逃げない奴は勇敢なIRA。 ギャグではなくそういう感覚だったのだと思う。 #right(){(108:275)} **上官が無茶な命令を行なった場合、部下には反対、拒否する権利があり、上官には彼を罷免又は軍法会議に掛ける権利があるで間違ってないですよね? 「私はこう思います」という意見具申をする権利くらいはあります。 ただ、一度くだってしまった決定を覆したりすることは基本的には許されません。軍人ですから。 その代わり、命令はどんなものでもそれを発した本人にその全責任が負わされます。 ムチャな命令を下して損害を出した上官と、命令を拒否した部下がいれば、 一応は両方とも処罰の対象になることでしょう。 #right(){(109:352)} **一応、階級を飛ばしての命令は拒否できましたよね? >確か自分が読んだ指揮についての本では、 > >小隊長に命令できるのは、彼が所属する部隊の中隊長のみであり、 >連隊長が指揮できるのは、彼の部下である中隊長に対してであり、 >連隊長は(中隊長を介さずに)中隊長の部下の小隊長に命令できない。 > >指揮は上官から部下への階段状であり、段差を飛ばす事は越権行為に当たる > >とあったのですが、これであってますかね? 軍隊なので確かにその通りだろうけど、それをやっていたら間に合わないという事態が生じたときは 下への命令・上への報告ともに、ちょっと数人飛ばしてバイパスをすることも無いとは言い切れない。 軍隊は戦う時にはスピードが命だから、多少拙くても手早く。迅速は敵の百の作戦を未然に防止する。 あくまで緊急時に限ればだが、迅速性確保のため、非常時で必要な時のみ、そういうバイパスを 認めている場合もある。ただし、当然それで順序を飛ばされた者はイヤな気分になるだろうから、 後でできるだけ早くその人にも伝えておかなきゃならない。フォローのためにも。 #right(){(109:354)} **戦時なら軍法会議にかけずに勝手に処罰してもいいんですか? 戦時でも、誰かを処分する際には軍法会議にかけなければなりません。 軍隊は犯罪集団とは違うのですから。 最前線では、略式の裁判が行われることもありますが、 それも軍法に定められた手続きです。 勝手な処分など、許されるはずがありません。 #right(){(111:857)} 補足 仮に緊急退避的に勝手な処分を行っても、それは事後、考課の 対象となり、軍法に合致していなければ違法として軍事裁判に かけられることになります。もちろん「どさくさにまぎれて」と いう事態は考えられますが、それはあくまでも例外的な話。 #right(){(111:system)} >緊急の場合でもないのに緊急退避的に勝手な処分 >(ただし、緊急の場合でもないのに~という点以外は完璧に軍法に合致)の場合はどうなるのでしょうか? 結果が正しくても、手続きに問題があれば、処分の対象となる可能性もあります。 現実的には、不問に付される可能性の方が高いでしょうけれど。 #right(){(111:865)} 緊急でなければ普通はMPなり憲兵なりに通報して 処理してもらうだけ。その余裕があるのに勝手に 手を下してしまえば当然処罰の対象になりますな。 #right(){(111:872)} 国・時代による。 正規の軍法会議以外に、軍法で略式の処置を認めている場合もある。 ex.将校2名で略式の軍法会議を開ける(有り体に言えば、現場に将校が2名所在し、同意すれば射殺できる) 通常、略式の処置を認める場合は実施できる状況、処分できる対象の罪、下せる刑罰等の制限が付いている。 #right(){(112:21)} **戦闘に入る寸前まで、他国の国旗を掲げ戦闘艦であることを隠して敵国の私掠船に接近し >(誘い寄せて)「実は他国の軍艦だよーん」と旗を掲げていきなり砲撃、 >というのは昔は当たりまえの戦術だったのでしょうか? >OKだったら今でもやっていいのですか?ダメだったらいつ頃からダメになったのかも教えてください。 やっていいかどうかというなら、現代でもやっていい。 WW2初期まではむしろ普通の戦術。(それ専門のフネもあった) ただし、現代では旗を見せることが味方識別の要素としては無意味。 #right(){(120:775)} ちょっと前まで、仮装巡洋艦とか、武装商船なんてのも有ったしね。ただ、 現代でそこまで近づけるかは判らない。(多分無理) #right(){(120:777)} 現代の国際法でも、 背信行為は禁止 奇計はOK ということになってます。偽りの旗を掲げるのは奇計だから、全く問題なし。 #right(){(120:778)} 第一次、二次大戦の頃、商船に砲を搭載した仮装巡洋艦というものがあった。 通常は中立国の旗を掲げて航行し、敵の商船を発見すると軍艦旗を掲げ、拿捕したり撃沈することによって通商路の破壊を図った。 上に書いたように元は商船なので装甲は皆無、武装は貧弱、速度も遅いので敵の軍艦との交戦は極力控えた。 そのため船首に書かれた船名やマストに掲げた国籍旗を頻繁に変えたり、場合によっては乗組員が女装することもあった。 #right(){(120:784)} **WW1の戦場で武器等物を拾った場合、すぐ自分の物にしてしまって良かったのでしょうか? WW1のころはまだよかったが、WW2からは直属の上官に申告しないと 捕獲でなく略奪とみなされる場合もある。 #right(){(121:473)} **現代戦で上の命令を無視して撤退したら軍法会議ですか? >弾薬、人員の欠乏でこれ以上の戦闘を継続すると玉砕(全滅)する。上は撤退を許さずその場を死守せよとの命令 >下士官(幹部)全て戦死、負傷で命令できない場合指揮、作戦命令撤退も含めて誰がするのですか? 軍法会議ものだね 上役が・・・ #right(){(121:652)} 国や状況によるとしか答えようがない。 ナチス・ドイツでもハリコフのハウサーのようにヒトラーの死守命令を 無視しても軍法会議にかけられはしなかった例もある。 #right(){(121:653)} 上の場合。 撤退命令を出した人間は確かに軍法会議モノです。 が、常識で考えてそんな命令出すのはアフォですんで、 軍内部にそのアフォに対抗する派閥があればそっちに擁護してもらえるでしょうね。 そんな派閥も無く、軍全体に一致して死ねと言われたら…南無。 下の場合、どんどん繰り下がります。 士官・下士官が全滅したら先任兵が指揮を執ります…が、普通その前に撤退しますね。 #right(){(121:654)} そのような状況で死守を命じるような馬鹿な指揮官は、少なくとも先進国にはいない。 ふつうなら撤退を命じるか、救出部隊を送り込むか、降伏を許可するだろう。 また、そのような無謀な命令を出す指揮官が査問・または軍法会議の対象になる。 #right(){(121:675)} **民間の船(フェリー等)を軍が徴用した場合、船長は軍人が成るのですか? どこの国のどの時代に限らず、慣熟訓練期間があれば軍人だけで運用 出来ますが、民間船を徴用する時点で大抵事態は逼迫してます。 元々の船員(船長含む)を軍人の指揮下に置いた方が早期に運用が開始できます。 #right(){(121:688)} 「どこの国」でも民間船を徴用した段階で、元々の乗組員はリリースされて 新たに軍が(間接的に)雇用した乗組員が乗船する これは輸送船の行き先が最大の軍事機密であり、機密保持のための当然の措置なんだよ まぁソ連みたいな、元々船という船が国家統制に置かれた国は例外だが #right(){(121:720)} **こっちの分が悪いから戦列から離れ、敵に背を見せ逃げ出した逃亡兵を敵兵が撃つ、というのは罪には問われるのでしょうか? それはその「敵国」の内部の問題ですから、その国の法律、あるいは軍法によります。 #right(){(122:system ◆systemVXQ2)} スイス民間防衛によれば、受入国側が認めた場合捕虜の資格を有しております。 >>こっちの分が悪いから戦列から離れ、敵に背を見せ逃げ出した。それを敵兵が撃つ 敵前逃亡により、大概の国で憲兵に捕まれば銃殺ですね。 >>そして、その逃亡兵が全くの無防備であったとしても罪には問われませんか? 武器遺棄、さらに敵前逃亡と来れば銃殺か重営倉は免れんでしょう。 #right(){(122:名無し志願兵)} 戦場では、一方に逃げずに抵抗する敵がいる場合は、 逃げる敵を攻撃する余裕はありません。 ただ、敵が一斉に逃げる場合は別で、このときは後に兵力として復帰しないよう、 攻撃を行います。 古代~中世の戦闘では、敗走>追撃時の死傷者が、戦闘時をはるかに上回ったそうです。 #right(){(122:兄妹)} 降伏しない限りは敵なので、攻撃するのはなんら問題ない。 第二次世界大戦、それどころか湾岸やイラク戦争でもそんな例はいくらでもある。 #right(){(122:852)} >隊長や司令官も逃げ出した場合はどうなるんでしょうか。 指揮官が命令によって撤退しているのかどうかによるでしょう。 どっちにしろばらばらに逃げてるんなら一時撤退ではなく壊走の部類に入るのでは? #right(){(122:853)} 撤退中の敵を攻撃しても罪には問われません。 投降していない以上戦闘継続の意思を持っているとみなされます。 また、投降というのは狭義には指揮官の命令で部隊ごと戦闘継続を放棄した場合のことで、 個々の兵士が勝手に武器を捨てて降参しても投降とは認められない場合があります。 非道なようですが、今の今まで敵を殺そうとしていたのにヤバクなったら殺さないでくれ というのは確かに虫のいい話ですね。 #right(){(122:856)} **軍法会議のシステムに興味があります。国によってかなり違うようですが、アメリカもしくは旧軍でお願いします。 >例として怠慢行為で大損害を出した師団長を起訴するとしますが、 >一般裁判なら検察に相当する部門は何という役職の人でどこに属しているのでしょうか? >また判事は(法務官ではない)軍人が勤めるのでしょうか?それとも専門の法務官でしょうか? >また判事は何処に属しているのでしょうか?海外の映画などでは両方のケースを見たことがあります。 それではとりあえず旧陸軍について簡単に。 軍法会議は各師団および高等軍法会議に存在し、 その実体は地域ごとにまとまって設置されていました。 例えば東京ならば陸軍高等軍法会議と近衛師団軍法会議、 および第一師団軍法会議が青山の第一師団司令部の構内に存在しています。 また、戦場では後方の本部に設置された軍法会議と前線及びそれに類する地域に設置される特設軍法会議、 さらに総力体制に移行するに従って旧来のものにとって代わり機能しはじめる臨時軍法会議がありました。 裁かれるのが師団長との事ですが、軍法会議において判士長(普通の裁判でいう裁判長)および判士は 法務官に限らず一般将校の中から被告より上の階級をもつ者が任命されました。 また、被告が大将であるなどそれ以上の階級の者の任命が必ずしも適切ではない場合、 先任の同階級を当てる事でよしとしています。 検察官に相当するものを予審官と呼びましたが、 これは現代の検察官以上に強力な権限を保有しており、 その取り調べはさながら裁判の前に行なうもうひとつの裁判に似たものでした。 予審官は法務官より任命され、階級も必ずしも上位に限る訳ではありません。 ただし法務官は新米でも士官相当ですので、下士官兵を裁く場合は必然的に上の階級になります。 法務官は高等文官試験司法科の合格者の中から陸軍に採用された者で、 総力戦体制に移行するまでは軍の中で独自の地位を保証されていました。 裁判の判決ですが、いかに後世において批判の多い軍法会議でも これは必ず公開されます。……という建て前です。 帝国憲法第五十九条は、安寧秩序・風俗を害するおそれがある時に限って 裁判の対審の公開の停止を認めておりましたが、判決の公開停止は認めていません。 が、憲法違反を承知で判決が非公開にされる事はありました。 一番有名な事例は二・二六事件でしょう。 この場合、「軍事秘密」扱いで判決の公開を事実上禁止しています。 この為、判決が完全な形で一般に公開されたのは戦後かなり経ってから 東京地裁の倉庫よりGHQより返却された資料として発見されるまで待つ事になりました。 #right(){(486:632)} 第二次大戦中の米軍の場合は、大きなものであれば、Court Martial(軍法会議)で行います。 これには、陸軍軍法会議と、海軍軍法会議とがあり、主に軍人と軍属について軍の規律に反する犯罪について裁判します。 犯罪の種類は法律によって制限されています。 怠慢行為で大損害を出した師団長の場合という例示ですが、一番有名なのは、第二次大戦末期の巡洋艦インディアナポリスの撃沈 に関する査問会がそれに該当すると言えるでしょう。 査問会は、艦長の場合、艦隊司令官クラスが査問委員長となり、査問委員には戦域指揮官クラスの人物が2名選出されます。 そして、法廷において検察官、法律顧問、書記相当の仕事をする調査官には参謀クラスが1名選出され、彼が事件の細部を捜査する指揮を 執ります。 査問会は、準被告人と言える「関係人」を招致しますが、この関係人は、全ての法廷に出席し、全ての証言を聞く権利を持ち、また、弁護人と 相談する権利を持ちます。 各人は証言を行い、調査官の手によって事実を再構成し、最終的に査問委員と委員長の合議で、審決を下します。 陸軍の場合はMilitary Council(軍事委員会)と言うもので、最高司令官たる大統領権限で設けられるものですが、その委任で軍の司令官が 招致する場合もあります。 これは司法権ではなく、行政権の執行で、判決に際しては上級審への上告は出来ません。 ですので、判決に際しての判決理由もありませんし、司令官は法務官が審査し、その意見に従って、判決の認可と変更を行うと言う性格の ものです。 軍法会議では、法務官が裁判全体の進行を管理し、検察官役を務め、法律を解釈します。 弁護士もいますし、陪審役として、将官クラス、上級将校クラスの判士団数名がいます。 判士団は、陪審役ではありますが、証人に対し質問するのは自由です。 普通に公開で審判が進められますが、この辺は米国の一般法廷と同じです。 #right(){(486:670,眠い人 ◆gQikaJHtf2)} >丁寧な回答ありがとうございます。かなり理解できて来ました。ずうずうしいのですが >1)査問委員会では、事実調査を追求する検事役を「参謀クラス」の軍人が務め、 >軍法会議(まで行った場合)では、法務官がその役を(検察官役)引き継ぐ、ということでよろしいでしょうか? >2)昔見た映画(ア・フュー・グッドメン)では、海軍の軍事法廷で裁判長がいて、法廷を取り仕切っていましたが >こういう裁判長は艦隊とか軍などに所属する法務官が随時務める、という解釈でいいのでしょうか? え~んと、査問委員会の場合でも、軍事委員会の場合でも、検事は参謀クラスの軍人ですが、 実際にその手足として動くのは、法務官になります。 あくまでも、これらは行政権の執行なので、法務官は黒子の役割を果たします。 (また、査問委員会ではありませんが、軍事委員会の場合、軍事委員会委員長は幹部クラスの 士官です。 但し、彼の役割は開廷と休廷、判決の宣告だけを行い、実際に法廷を運営するのは、法務官の 中から就任する軍事委員となります) そして、軍法会議の場合は、行政権では無く司法権に基づく正規の法廷となるので、検察官として 専門の人間が必要になります。 よって、検察官には法務官が就任します。 ア・フュー・グッドメンについては、その粗筋から見るに、軍法会議ではなく、行政権に基づく軍事 委員会(査問委員会)による法廷ですね。 先述の様に、裁判長と言うか法廷を運営するのは法務官で、開廷、休廷、判決の言い渡しは、別の 士官が行います。 #right(){(486:703,眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **敵前逃亡って重大な軍紀違反ですよね。けど、日本やドイツみたいに軍が壊滅して、戦争に負けるまで逃げ切ったらチャラになるんでしょうか? 日本の場合、陸軍刑法75-78条に逃亡罪が明記されているので、 この陸軍刑法が失効しないことには、法的に許されません。 ただし、警戒中は3日、平時は6日以内に復帰すれば、法に基づく罰はありません。 もっとも、素直に服役した方がマシな境遇になるでしょうね。 #right(){(365:337,鷂 ◆exxupUqotM)} 日本の場合、南方で飢餓に苦しんで逃亡した連中も少なからずいました。 そういった方々が終戦後、置いて行かれると思って、ひょっこりと戻って来たケースがあります。 しかし、そんな甘い考えを皆が許す訳が無く軍法会議の末に死刑になった方も多くいたそうです。 捕虜になって軍の指揮下から切り離された状態での軍法会議は本来は正当性を持ちません。 ですが、一番苦しい時に味方を見捨てるような奴には誰も同情せず、刑の執行に待ったをかける人はいなかったそうです。 捕虜収容所で、収容所を監督する軍から武器を借りて刑を執行したそうです。 横井さんみたいに何十年も逃げればチャラでしょうが、 素直に刑務所に入った方がまだマシでしょう。 #right(){(365:339,ue ◆WomMV0C2P.)} **銃殺刑は軍人としての名誉を保った処刑法なのでしょうか >ドラマや漫画などで受刑者が「軍人らしく銃殺刑にしてくれて感謝する」というセリフを見かけるのですが、軍法裁判で銃殺刑は斬首に比べて切腹が武士の面目を保った処罰方法であったように、他の死刑方法(絞首刑や薬物投与など)に比較して、軍人としての名誉を保った処刑法、なのでしょうか 軍法会議に処されるのは基本的に“軍人”だし、そこで執行される“刑”によって “死亡”するのだから、難しく考えなくても「軍人への死刑」以外の何者でもない。 ちなみに銃殺刑というのは、名誉を保つどころか軍事裁判では一般的に最も 重い刑とされ、国営墓地に祀られる事もなく遺族年金も出ないのが一般的。 名誉どころか、最も不名誉な罰とすべきだろう。 #right(){(378:20)} 銃殺は「軍人に対しての死刑」方法 絞首その他は「一般の犯罪者に対する死刑」方法 どっちにせよ不名誉は不名誉だが、処刑される側にとっては前者の方は少なくとも軍人として死ぬことができるって点が重要。 #right(){(378:104)} **現場においてより上位の上官が、直属の上官の命令に反した命令を下した場合部下はいかなる対応をするのでしょうか? 通常はより上位の上官の命令が優先 >では上位の上官が現場におらず、下位の上官が上位の上官の命令に反した命令を下した場合は? 現場にいる指揮官には、「独断専行」といって、更にその上の指揮官の命令に反する命令を出す権限がある。 最初の命令のときとは状況が変化して、命令が現状にそぐわず、かといって新たな命令を仰ぐ時間がない場合など。 ただし、現場の指揮官の行為は、後できちんと査問を受ける。 もし、最初の命令に従う方が正しいと判断されれば、それなりの罰を受けるし、 最悪、命令違反として銃殺されることもあり得る。 その辺はケースバイケースなので何とも言えない。 #right{(358:495-503)} 「ケイン号の反乱」なんて映画を見るといいかも知れない。 副長達の権限で無能な艦長を解任して指揮をとったが その後、その是非を軍法会議で問われることになる。 #right{(358:506)} **銃殺刑は数人で撃つのはなぜですか? >至近距離から頚椎を撃ち抜けば簡単に済むし、一人で十分では? 誰の弾が当たって死んだのかが執行者に分からないようにする為。 #right{(518:87)} 裁判の結果とはいえ友軍の兵士を撃つということへの罪悪感を軽減するため。 自分の弾で死んだのではと思えば気が楽だ。 軍に限らず普通の犯罪者の死刑執行も全く同じ仕組みになっており、複数人が同時に執行装置のボタンを押す 処刑は戦闘と違ってそういう配慮をする余裕があるってことさ #right{(518:108:モッティ ◆uSDglizB3o)} **戦地又は本国で銃殺が行われるときはその付近に居る部隊で銃殺隊が編成されるのですか? >それとも銃殺を行う法務部隊か憲兵が別に居るのでしょうか。 判決を下した当該部隊から、銃殺部隊を編成して行います。 憲兵や法務将校はその様な処刑までは行いません。 #right{(353:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **軍事に法律の専門家って必要なんでしょうか? 米軍や国防省のような組織が顧問弁護士を雇ってたりするのかな 軍事部門も官僚組織の一つですから法務部門は必要です。 法務部と言う組織もあり、法務将校がいます。 また、場合によっては、占領した地域の治安維持の為、部隊で法廷を開催する 必要があり、これには法務将校が充てられています。 #right(){(527:874:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **敵地深くでもし味方の命令が届かなくなったら勝手に自陣まで帰っていいの? 上級司令部の命令が来るまでは事前に命令された行動を続ける。 勝手に帰って来たりしたら命令違反。「抗命」って罪になる。 もし命令が届かなくなることが事前に予想される場合は 「**なときは@@しろ」 って命令が事前に通達される。 #right(){(352:904)} **仮に上官から「女子供でも殺せ」と命令された場合は従わなければいけないんでしょうか? >現代の軍隊では明らかに非人道的、不合理な命令は拒否していい事にはなっていないのでしょうか? >軍規、あるいは軍法ではどこまで規定されてるのか気になります。 国際法、例えばハーグ陸戦協定を批准している国で、それに反するような命令が出されたなら、抗命が許される場合もあり。 ただし、実際それが可能かどうかは国や時代による。例えば、ドイツ連邦軍の少佐でイラク戦争への派遣を拒否した少佐が 抗命罪で降格されたが、後に裁判で「イラクに対する戦争には重大な法的懸念がある」として「良心の自由に基づいた命令を 拒否する権利」が認められ無罪となったが、現実にはなかなかそうはいかない。 #right(){(563:675)} **軍人は、どんな理不尽な命令でも従わなくてはならないんですか? >大和の海上特攻や、インパール作戦を「こりゃだめぽ」なんていって拒否したら、銃殺ですかね? 旧陸軍の場合、各級指揮官は独断専行の権利と義務があると、作戦要務令で明記されている 命令を発した上級指揮官の状況認識と現状が異なり、その旨を報告する暇が無く、 時期を失すれば戦機を逃がしたり重大な損害が予見される場合には 上級部隊の作戦企図実現のために、あえて命令に反した行動を取らねばならない場合もある インパールでは佐藤師団長が無謀な作戦に抗命して勝手に部隊を撤退させたが、軍法会議にはかけず キチガイ扱いにして病院に送り込み、命令に逆らった事実を無かったことに。 なぜなら、彼を任命した上官の責任問題になるから。 #right(){(565:381:386)} **在外国基地などに駐留中の軍人がその国で犯罪行為を行った場合、その軍人は当事国と自国、どちらの法律で裁かれるのですか? その2国間の協定がどうなっているかによる。 在日米軍の場合、警察権も裁判権も米軍が持っている。 トラブルを起こさないような教育はされているはずだが、 たびたび犯罪が起きているのは報道されているとおり。 補足をさせてもらう。 上の言うとおり、2国間協定の如何によるといえばよるのだが、一般的には、 外国に駐留する軍隊には接受国の法令は適用されない。ただしその一方、 接受国の法令遵守は軍隊を駐留させている側の国の義務であるともされている。 在日米軍については、日米地位協定があり、そこであれこれ決めてある。 16条にて日本法令の遵守義務を定め、17条で刑事裁判管轄と警察権を定めて いる。 在日米軍の側が刑事裁判管轄を有しているのは ・合衆国軍法に服する者  (米側に一般的裁判管轄。ただし栽培管轄が日本 側と競合する場合には例外あり) ・合衆国軍法に服する者で、日本法では罰し得ないが米法では罰し得る罪を 犯した者 (米側が専属的裁判管轄) ・合衆国軍の構成員・軍属であって、もっぱら合衆国の財産若しくは安全のみ 対する罪を犯した者 (米側に第一次の裁判管轄) ・合衆国軍の構成員・軍属であって、もっぱら合衆国軍隊の他の構成員 若しくは軍属若しくは軍構成員・軍属の家族の身体若しくは財産のみに 対する罪を犯した者 (同上) ・合衆国軍の構成員・軍属であって、公務執行中の作為若しくは不作為 による罪を犯した者 (同上) ここで、「合衆国軍法に服する者」とは、合衆国軍隊の構成員・軍属のみ には限られず、米軍に雇用された者や米軍の随伴者、米軍基地内に所在する 者も含まれ、日本側と裁判管轄が競合する場合があるが、米側が専属あるいは 第一次の裁判管轄を持つ場合以外は日本側に専属あるいは第一次の裁判 管轄がある。 この辺りの話に興味があるなら、『外国軍隊に対する刑事裁判権』(津田実・ 古川健次郎、帝国判例法規出版社、昭和29年)という本を読んでみるといい。 古い本だが、参考になる。 #right(){(336:245,275)} **兵士が「官給品の性能では心もとない」という感じで、自腹で他所から装備品を購入することはありますか? >軍規ではそういうことも許されていますか? アメリカ軍はたまに(結構)やっている。 ただし自前で購入したもんについては軍は面倒を見てくれない。補給とか整備とか。 あと将校の装備は自前が原則なので、拳銃や双眼鏡、時計なんかは軍の正規品に 拘らずに各自で好きなものを自腹で購入して使っていたりする。 陸上自衛隊の西武方面普通科連隊ではそういうことが行われているみたいです。 まあ、どこの国のいつの軍隊でも、程度の差こそあれありますよ。 第2次世界大戦では、戦車にそこら辺の鉄板を溶接して勝手に増加装甲していたというのもありますし。 軍規的にはまずいのですが、役に立つ限りだいたいお目こぼしされます。 ただ、既存品への追加とか、予備として持つとか、補助的な道具の交換は多くても 主要な武器そのもののを換えてしまうことはないですね。 そうなると軍規のお目こぼしの範囲を超えてしまいますので。 #right(){(335:431,433)} **「軍属」は国際法上、武器を執って戦闘に参加することは認められるのでしょうか? ハーグ陸戦協定第1章の交戦者の資格を満たす限り、軍人、軍属、民間人の 区別無く同じ待遇を受けます。 #right(){(俺初質スレ431:93)} **戦争中、民間人が敵国の戦闘員を殺害すれば、その民間人は自国の法律で罪に問われるのですか、それとも相手国側でしょうか? >また正当防衛が適応される場合はあるのですか。 その地域の施政体が残っており、かつ、その国の政府が権限を握っているのであれば、 それは、その国の法律で罪に問われることになります。 敵国の占領下にあり、かつ、その地域の施政体が残っていない状態、更に、占領軍による 軍政が敷かれている場合は、その敵軍の司令部傘下に設置されるであろう軍律法廷で、 敵国の法律に基づいて、審理を受け、判決後、司令官の決裁で、罪が確定します。 太平洋戦争中の日本であれば、それは軍律法廷の範疇ですね。 #right(){(323:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **軍事裁判では、内輪で処理されて甘い判決が出ることって多くないですか? 軍法会議は国や歴史により様々な形態がありますので、一概には言えません。 軍法会議は軍紀・軍律の維持を目的とし、一般人とは異なる「軍刑法」による判決を 迅速に下すことを目的としています。 軍刑法は一般刑法とは全く異なり、有名どころの「敵前逃亡罪」みたいなものから 「任務中に居眠りしたり酔っぱらったりした罪」みたいなものまであります。 一部の軍刑法が民間人にも適用されることもあります。(敵国人への略奪や捕虜虐待など) もちろん軍人にも民間人同様の一般刑法が適用されます。 一般刑法で裁かれる際には、民間人同様の裁判を適用されるか、軍法会議で処理され るかは国と時代により異なります。 一般刑法による裁判が軍法会議で行われる際には、甘くなることも有り得ます。 が、逆に厳しくなる可能性もあります。(軍の名誉を傷つけた場合など) あくまで目的は「軍紀・軍律の維持」であり、軍人は一般人とは異なる秩序の支配下に 置かれているからです。 余談ながら・・・ 軍法会議の重要な役割の一つに、政府機関の機能が麻痺している状態であっても 軍隊内部においては法秩序を維持できる、というものがあります。 ちなみに我らが自衛隊には、軍刑法も軍法会議もありません。 #right(){(323:864)} **海軍では出撃している船の中で犯罪行為(窃盗・障害・殺人など)が起こった場合、誰が捜査をするのでしょうか? >現行犯で取り押さえられた場合は船の上で軍法会議がひらかれるのでしょうか。それもと帰還するまで拘禁しておくのでしょうか。 自衛隊を例にとって説明します。 まず,日本の船舶内で行われた犯罪は,国外で発生したものであっても国内で発生した事件として扱われます(刑法1条2項)。 そのため,必ず日本の刑法犯という扱いになります。 そして自衛隊法96条(部内の秩序維持に専従する者の権限)で,いわゆるMP(警ら隊でしょうか,すみません法律よりこっちのほうが疎いんで)が司法警察員・司法巡査として扱われています。 この条項により,MPは刑事訴訟法の特別司法警察職員(刑訴190条)となるため,警察官などと同様に被疑者を逮捕することが可能です。 船舶上の犯罪の場合,逮捕状の発布が難しいため,現行犯逮捕(刑訴212条1項)または緊急逮捕(刑訴210条1項)となります。 捜査についても,特別司法警察職員が警察官などと同様の権限を有するため,彼らが行うこととなります。令状発布が期待できないので, おおむね任意捜査になりそうですが。 なお,現行犯逮捕は何人でもできますが(刑訴213条),直ちに司法警察職員に引渡しが必要となるため(刑訴214条), やはり特別司法警察職員の存在は不可欠です。 そして司法警察職員は制限時間内に検察官に送致しないと釈放しなければなりません(刑訴203条1項4項)。 しかし制限時間の不遵守の特例があり(刑訴206条1項),船舶での移動時間が「やむを得ない事情」にあたるとして, 特別司法警察員から被疑者を送致された検察官は,被疑者の勾留請求を行うことになるのでしょう。 ただ,犯行直後に逮捕した後,逮捕しつづけていられるかかなり疑問があります(調べた範囲では根拠条文が存在しない)。 実際には送致までの制限時間を逸脱するとかなり面倒なので,上陸までは軟禁して, 上陸直後に緊急逮捕か検察に連絡して通常逮捕でしょうね。 後は刑事訴訟法の手続きに従い,検察官が公訴提起をし,裁判が公判を行います。 つまり,自衛隊では軍事法廷の設置を定めた法律がないため,通常の刑事裁判と同様の手続によって犯罪が裁かれることとなります。 他国の場合は不明ですが,MPについては軍隊設置を定めた法律で,自衛隊と同様の処理をしているものと思われます。 そのため,捜査・逮捕についてはMPが行うことになります。 そして軍事法廷の設置を定めた法律があれば,自衛隊とは異なりその法律の定めによることとなります。 通常は特別裁判所として設置されているので,やはり陸上に戻ってから裁判が行われるのでしょう。 もし略式手続きを定めた条項があれば,それに従います。その場合は,艦内で裁判手続が行われることもあるのでしょう。 ただ,先進国では手続が非常に重視されるので,ある程度以上の重大犯罪(懲役以上など)については, 略式手続で済ませることは考えにくいです。 よって回答としては,帰還するまで逮捕しておくか,軟禁しておくということになるのでしょう。 #right(){(299:589-591)} **大陸系と米英系の軍法はどのように違うのでしょうか 大陸法系の軍法会議、英米法体系の軍法会議の構成はほぼ同じです。 しかしながら、大陸法体系では、裁判官たる判士が行い、それは数名で構成される合議制行われます。 また、法務官(法務将校)は、判士の下位に置かれています。 一応、法務官は憲兵の指揮権も与えられていますが、完全な独立という訳ではありません。 なお、一番上位には、軍法会議長官というのがありますが、これは完全な裁判の設定だけで、実際の事案に 関与するものではありません。 英米法体系では、法務官が訴訟指揮の重要な役割を果たします。 法務官は、裁判全体の進行、検察官、法律を解釈します。 大陸法体系の様に、判士が訴訟を指揮するのではなく、判士はあくまでも陪審に過ぎません。 なお、判士はその案件に関係するその道のプロが選ばれる傾向にあります。 ちなみに、英米法体系では査問会が開かれて其処で処分事案は決定される傾向が強いので、軍法会議の 開催自体、非常に稀だったりします。 訴訟は、大陸法、英米法とも裁判公開制、口頭弁論主義ですが、大陸法体系の裁判と違い、秘密裁判的な 特別軍事法廷みたいなものはありません。(最近は違いますが) #right(){(295:眠い人@まだまだ規制中)} **アメリカの軍法会議についての質問です。 >例えば海軍の軍人が被告になった場合、裁判官、検察官、弁護士、陪審員は皆、海軍の法務局の軍人が担当するのでしょうか? >それとも、4軍の隔たりなく選ぶのでしょうか? まず、軍法会議というのは各軍ごとに組織されます。 軍事司法法典第17条(a) 「各軍はこの章〔=この法律)に服する全ての人に対し、軍法会議の裁判 権を有する。ある軍が異なる軍の人に裁判権を行使する場合は、大統領に より発せられた規則に従う」 具体的には、〔軍法会議の種類によりますが)事件が起こり捜査がされたあと、 部隊の責任者が、軍法会議を招集するわけです。例えば、殺人なんかの場合(こ の場合は一般軍事法廷)、陸軍だと師団長は軍司令官以上の人(当該地域の最高 責任者)、海軍だと艦隊司令官や大きな基地の司令官が軍法会議の招集権者とな ります。 ただ、海軍と海兵隊の関係では、法典の1条(2)で 「海軍、海兵隊、沿岸警備隊は、それらが海軍の業務に従事してい る場合は、一つの軍種と見なす」 ということです。 あと、軍法会議の被告は、民間の弁護士や自分で選んだ法務将校を弁護人としてたて ることも出来たりします。 #right(){(102:514)} **映画フルメタルジャケットで、デブがハートマン軍曹を殺して自殺したシーンがありましたが、 >ああゆう事件が起こった場合、その後の処理はどのように行われるのでしょうか? 平時でしかも演習中、衆人環視の状態での出来事ならば不名誉除隊の扱いに なるということも考えられますが、特に戦時の場合は余程のことが無い限り、 「戦死」認定が為されなくても、戦場での「事故死」「戦病死」扱いにすることが 多かった様です。 要は銃後の国民の士気、特に犯罪を犯した兵士、殺された兵士の家族への配慮 など、或いは自部隊の士気維持のためもあり、事故死または戦病死の扱いが取ら れた訳です。 戦闘中に起きたものなら、それは当然戦死認定されます。 末端の兵士は入れ替わりが激しく、すぐに死亡した場合には部隊の他の誰もが知らない 可能性がありますし、そう言う話は誰も好んでしたがらないから、表に出る可能性は少ない ですし。 それから、犯人が上官を殺した後に自殺したのなら、心神耗弱または喪失状態である と判断されることから、訴追対象にはならなかったかと思いますね。 #right(){(136:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **特別軍事法廷ってなんですか 特別軍事法廷は、各国にあってそれが色々な性格を持っているため、一概にはこれだと言えません。 例えば最近設置した米国の場合は、テロリストを裁く為の臨時法廷で、通常の裁判であれば、訴訟手続が 延々と進むものですが、こうした手続きをなるべく短縮させようとして、設置されたものですし、中国のそれの 場合は、戦犯裁判(漢奸法廷)の為に設置されています。 あるいは南米などでも政敵を葬るための法廷として設置されたりしています。 いずれにしても、一般の法律に基づく正規の訴訟では無く、なるべく短縮した形で判決を下すために用いら れているものであると言えるでしょう。 また、中国のものを除き、大抵の特別軍事法廷は、普通の刑事訴訟手続ではない、裁判公開主義、口頭 弁論主義で、三審制(日本の場合)の様に上級審への上告が認められていますが、こうしたものはなく、 非公開、弁護人無し、一審制というのが多いです。 日本の場合は、戦前に「東京陸軍軍法会議」と言うのがありますが、こちらは少し違って、2.26事件で設置された もので、首謀者を裁くために緊急勅令で設置されたものです。 #right(){(245:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **上官から、違法の疑いが濃いと思われる命令が下された場合、部下にはどのような制度的な救済手段があるのでしょうか? 違法行為であろうと上官の命令は絶対、その代わり処罰されるのは実行した兵でなく命じた上官 #right(){(俺初質スレ2049:894)} ** 戦略爆撃で市街地を爆撃して非戦闘員を目標として攻撃するのは今でもあり? 相手国を数十年百数十年レベルで弱体化させたいなら、戦略爆撃もあり。 当然、国際的な非難は避けられないだろうけど。 #right(){(戦争板初質スレ7:219)} **前線で作戦行動をしている十数人の部隊、隊長が命令を無視して帰ろう!って言い出したらどうなるんでしょうか >これ幸いと引き返した全員が軍法会議になるんでしょうか? >それとも隊長だけを処罰? 10数人ってことは分隊か? 指揮官は軍曹だろうから、そもそも勝手に帰ることはできないぞ。 まあ処罰されるのは指揮官と次席の指揮官だろうけど。 #right(){(俺初質スレ50501:504)} その国の軍法や、状況次第 指揮官のみが処罰されるケースもあれば、止めなかった部下も処罰されるケースもあるし、 場合によっては、やむを得ないとして、全員お咎めなしのケースもある #right(){(俺初質スレ50501:505)} 伝統的な考え方では、どんな小部隊の指揮官でも上の命令に違反したら罰せられるのは指揮官だけだった。 しかし、教育が普及して下級兵士でもそれなりの判断力を備えているとみなされるような近現代の先進国では 上官が間違いを犯した時に適切な進言・補佐をして改めることは部下の義務の一つという考えが出てきており、 そのような国では「これ幸いと」引き返したならば部下にも処罰が及ぶ可能性がある。 映画なんかで反対する部下の意見を上官が強引にねじ伏せるようなとき、「君が反対意見を述べたことは記録に残しておく」 なんて言うことがあるが、これは現実でも行われていることで、上官が成功した時に部下を処分する根拠を残すと 同時に上官が失敗した時に部下の責任を免じる意味がある。つまり、その上官はよっぽど自信を持っているということだ (映画とかでは失敗フラグになることが多いが・・・) #right(){(俺初質スレ50501:506)} 軍隊という組織は上の命令は絶対なんだが、それが過ぎると問題を起すこともある それでどの程度融通が効くか、手続きを必要とすべきかかという話なんだが フリードリヒ1世の頃の逸話の話からして軍隊ではこういう常識がある 「命令違反をするにもある程度の階級が必要とされる」 一兵卒には命令不服従は銃殺だが、それなりの部隊長だと確認や命令文書の要請ということで待ったをかけられる いい例で日中戦争開戦時、砲兵の隊長が「本当に撃ってもよろしいのか?」と確認したことだ 小銃なら自衛の範囲内でも済むが、砲となると一国の戦争意思を示す少し政治的な意味も持つからな あと日本海海戦のときの第1艦隊が敵の動きを誤認して回頭してしまったのに続かず 第2艦隊は独断で敵側への突撃したとかいう例だな 逆に言うと 「失敗しましたが、わたしは上の命令に従ったまでです。わたしに責任はありません。」 これはむしろ懲罰モノ 臨機応変な対応が求められる役職に軍隊は階級を与えてるのである #right(){(俺初質スレ50501:507)} **WW2やベトナム戦争では士官が味方に撃たれるということは多かったのでしょうか? そういうのは基本バレないようにやるんだし、戦死で処理されるだろうから数字も残らない もちろんバレたら軍法会議だ #right(){(俺初質スレ436:304)} 多くの軍法会議が開廷されたんだよ #right(){(俺初質スレ436:307)} 英語版wikipeで[Fragging]を読むとベトナム戦争中の上官殺害について 米軍2例とオーストラリア軍2例が載っていますね。 米軍→一件は懲役40年以上、もう一件は無罪の判決 オーストラリア軍→一件は終身刑、10年8か月で釈放、もう一件は懲役10年で8年で釈放 [Fragging]だと手榴弾による上官殺害なので分かりやすいので記録がはっきりしてるだけだろうけど。 #right(){(俺初質スレ436:309)} *日本の軍法 **日本に他国が侵略してきて、捕虜が出た場合、捕虜に対する扱いを定めた法律などはあるんですか? 国際法の戦時法規の捕虜取扱規定に準じます. #right(){(85:119)} **旧軍の軍法会議についてどのようなものなのか教えてください 軍人の犯罪に関しては、通常裁判所管轄に属さず、軍法会議で行ないます。 つまり、軍法会議は国家刑罰権の機関で、特別裁判所の一種となります。 これは、軍隊内の規律を厳重にする為です。 軍法会議は旧陸海軍では、陸軍軍法会議法(大正10年法律第85号)、海軍軍法会議法(大正10年法律第91号)で定められ、 これには常設と特設に分かれます。 種類は以下のようになります。 軍法会議-+-常設軍法会議-+-陸軍高等軍法会議-+-師団軍法会議        |           |              |        |           |              +-軍事法会議        |            +-海軍高等軍法会議-+-東京軍法会議        |                          |        |                          +-鎮守府軍法会議        |                          |        |    (陸軍)                 +-要港部軍法会議        +--+--野戦軍法会議        |  +--独立師団軍法会議        |  +--独立混成旅団軍法会議        |  +--兵站軍法会議        |  +--合囲地軍法会議        |  +--臨時軍法会議        | (海軍)        +--+--艦隊軍法会議           +--合囲地軍法会議           +--臨時軍法会議 ここで裁かれるのは、軍事に関する犯罪ですが、これに基づく法律としては、陸軍刑法、海軍刑法、 軍機保護法がありました。 これらは、一般刑法に対する特別法の意味合いがあります。 陸海軍刑法は陸海軍軍人に適用しますが、軍紀の確立の為に軍人には特別の服従義務があります。 このため、一般人では罪にならない行為も軍人には罪があるものとし、特に軍人に対する刑は重くなっ ています。 陸軍刑法(明治41年法律第46号)に於ける罪の種類としては、叛乱・擅権(せんけん/権力を恣にする)・辱職が概ね銃殺となるもので、 以下、抗命、暴行脅迫、侮辱、逃亡、軍用物損壊、掠奪、違命、俘虜取扱の11に分類されます。 ちなみに、対象は軍人以外でも、軍の学生生徒、軍属、軍用船船員、捕虜も該当します。 但し、一般人でも共犯者、特種事項(軍用物損壊、戦地に於ける掠奪行為など)に該当すればこれで裁かれます。 なお、制裁についてですが、陸軍軍人の場合の制裁は、陸軍懲罰令で行なわれ、国家司法権の 所謂刑法に基づくものではありません。 営倉というのは、陸軍懲罰令に基づくものです。 軍法会議の機関としては、陸軍高等軍法会議、海軍高等軍法会議、海軍東京軍法会議では、 長官(陸軍では陸軍大臣、海軍では海軍大臣)が置かれ、その他の軍法会議では、長官は その部隊、地域の司令官となります。 軍法会議の長官は、その裁判を定め、予審官検察官を命じ、公訴及び捜査を指揮する権限が あります。 但し、自らの裁判関与は長官にはありません。 裁判官は判士(陸軍高等軍法会議では軍務局長、各課長、課員など、師団軍法会議などでは、 師団司令部、聯隊区司令部要員、聯隊付などで海軍は常設ではない)、法務官(陸軍省法務局長以下各師団法務部長、 海軍は海軍省法務局長以下、鎮守府法務長など)からなり、判士は被告と同格以上の将校、法務官は判事の資格を持つ 専任の司法官(後に法務将校、または大学法学部卒業の幹部候補生出身将校)で構成されます。 裁判は3人または5人の合議で、高等軍法会議の場合は判士3人、法務官2人であり、法務官は検察官の役割も兼ね、 憲兵を建前上、指揮しうるものとなっています。 常設軍法会議の訴訟手続きは、普通の刑事訴訟手続と同様、裁判公開主義、口頭弁論主義で、高等軍法会議に上告 も可能ですが、特設軍法会議は、非公開、弁護人選任無し、一審制です。 敵前逃亡などの裁判は野戦軍軍法会議で行ないます。 もう一つ、軍には裁判開催権があります。 占領地に於ける、占領地住民に対する軍律会議があります。 これについては、軍人が裁判権を行使するだけで、一般の刑法に則って裁判が開催されるものです。 補足。 軍律会議ですが、国際的に慣習化されており、軍の作戦地域に設置されます。 これは軍司令官以上が作戦の遂行上公布した自国民以外で敵対国の捕虜以外の人民を 審判する為に設置するもので、反逆行為、間諜行為、軍事行動妨害行為の三点に関して、 軍罰に処するために行なうもので、概ね方面軍、あるいは軍単位に設置されます。 軍罰というのは、死刑、徒刑(禁固)、追放と言うのがその刑罰となります。 #right(){(134:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **2.26の後に背後にいたとされる思想家が銃殺されたりしてるけど、軍籍でもない人間を軍法会議で処刑なんてできるの? 軍法会議には常設軍法会議と特設軍法会議とがあって2.26事件を裁いたのは 緊急勅令に基づく特設軍法会議だった。 常設の軍法会議は公開だし上告もできるけど特設の軍法会議は非公開で 弁護人もつけることができず一審制という厳しいもの。 ただ、特設の軍法会議でも一般人を裁くのはおかしいという意見はあって なんで軍籍でもない人間に死刑判決できたのかという疑問は残る。 #right{(357:776)} 扇動してたんだから、裁かれるのはしょうがない ただ軍法会議じゃなくて、一般の裁判所で裁くべきじゃないかということ 5.15のときは民間人は普通の裁判所で裁いたんだよね でもそのときは国民からたくさんの助命嘆願書が届いたりしたんで それを恐れて軍法会議でさっさと裁いちゃったのかもしれない #right{(357:779)} **"上意下達は独断専行を旨とすべし" 的なフレーズについて教えて下さい。 日本で明文化されたのは、ドイツ系の「野外要務令」(明治24年)だと思います。 「綱領」の中に、「責を各級指揮官に分ち其独断を許すべし」(原文カナ)とあります。 その後、後継の「陣中要務令」(大正13年)でも、冒頭の「綱領」の第三に挙がっています。 ちょっと長いので、アジア歴史資料センターC01001962700の18枚目参照。 さらには「作戦要務令」(昭和13年)にも引き継がれており、一般的に有名なのはこれかも。 冒頭の「綱領」の第五に出てきます。同じくC01001597300の16枚目参照。 陣中要務令では、独断専行は応変の措置でみだりにやっちゃ駄目よと戒めが強調されていたのが、 「独断は其の精神においては決して服従と相反するものにあらず」と、より積極的に勧める感じに。 あとは孫子の言葉として同趣旨の以下の一節も有名かと。 「将在軍君命有所不受」(将、軍に在りては君命も受けざる所有り) #right(){(603:329)} **戦前の平時の軍法会議について >検事役、判事役を法務官が務めていたようですが、例えば横領とか殺人のような捜査が必要な犯罪の場合、その捜査は憲兵と法務官のどちらが主催したのでしょうか? >というか、法務官(法務局)には捜査権みたいなものはあったんでしょうか? とりあえず、陸軍軍法会議法の条文上は以下。特設軍法会議等は除いた原則論。 裁判官は、判士(一般将校)と法務官の混成です。裁判長は、上席の判士。 基本となる師団軍法会議では、判士4人・法務官1人(49条1項) 将官被告の事件と上訴審担当の高等軍法会議では、判士3人・法務官2人(51条1項) 判士となれる将校の階級は、被告の階級に応じ決められています。 また正式裁判前に予審もあり、予審官は法務官が担当するのが原則です(62条)。 検察官は、法務官が務めるのが原則です(68条)。 捜査・訴追の最高指揮権は陸軍大臣(65条)、個々の軍法会議は所轄の各長官が指揮します(66条)。 捜査と訴追を実際に行うのは、検察官に任ぜられた法務官という建前です(67条)。 検察官は、陸軍司法警察官(憲兵)、一般の司法警察官を指示して、捜査の補佐を行わせます(72条)。 憲兵は、主体的に捜査を行うこともできます(73条1項)。 このほか中隊長以上(74条1項)・その委任を受けた将校(75条)が部下の捜査権限を持ってたり。 被疑者を逮捕したあと拘留するときは検察官に送致する(182条1項)など、 おおむね当時(今もだいたい一緒ですが)の警察・検察の関係に近い規定となっています。 なお、審判時の弁護人は将校や陸軍高等文官、大臣指定の弁護士から選任されます(88条)。 それから、軍法会議自体が、被告人身体・住居の捜索を実施できるなど(194条1項)、 捜査において主体的・積極的役割を果たすこともあります。 これは、当時の一般刑事訴訟がそういう糾問型の訴訟構造になっているのと同じ。 捜査の実態は、たぶん憲兵の役割が非常に大きかったのだとは思うのですが、 これは想像ですので、ちゃんとした詳しい回答者の登場を待ってください。 #right(){(611:◆yoOjLET6cE)} **本土で撃墜したB-29の搭乗員の中で銃殺や打ち首にされた人がいるみたいだけど、なんで斬首や打ち首? >当時の死刑の方法は絞首オンリーだった希ガス ドーリットルの本土初空襲を契機に、陸軍省と参謀本部は、非軍事目標への攻撃に関わった敵搭乗員を戦争犯罪人として処罰する為、 1942年7月に「空襲軍律(案)」を制定し、防衛総司令官、内地各軍司令官、外地総軍司令官に実施を命じ、内地では防衛総司令部が、 「空襲時ノ敵航空機搭乗員ノ処遇ニ関スル軍律」を制定して、公布。 防衛総司令部が廃止され、第一総軍と第二総軍になると、第一総軍では、「第一総軍軍律」、「第一総軍軍律規程」を制定します (第二もほぼ同じ)。 普通の裁判規程と違って、軍律会議では死刑を絞首刑一本に絞っていません。 これは戦地で裁判をする場合の即決性を重んじたからであり、普通の裁判では死刑に処するとしても、形式に則って絞首台など を整えなければならないのに対し、「手軽」に執行出来る死刑形式を用いた訳です。 ちなみに、軍律会議と言うのは広義の軍法会議ですが、対象は日本人ではなく、原則的に外国人が対象でした。 でもって、戦地(国内もこの時代になると戦地扱い)では、立法手続きに則って公布された法律よりも、軍が必要に応じて公布した 軍律の方が優位に立ちます。 これは、国外占領地ではより一層顕著で、占領地では明確にその地を併合としない限り、占領軍に法律を公布する権利はありま せんから、その代りに「軍律」と言うものを公布して代替したわけです。 #right(){(294:眠い人@規制中)} **戦地の軍事法廷では弁護なしが普通だって本当ですか? 旧日本軍の場合は、本当です。 常設軍法会議の場合は、刑事訴訟手続に準じ、 裁判公開主義・口頭弁論主義ですから、裁判は公開され、弁護人を付けることが 出来、尚かつ、その判決に不服ならば上訴する上訴権があります。 が、特設軍法会議(野戦軍軍法会議など)は、非公開で行われ、弁護人を付ける ことが出来ず、一審で結審します。 #right(){(258:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **法務将校なる軍人が軍法会議で裁判・検察・弁護人を務めていたそうですが、法務将校について教えてください。 元々、法務将校は軍人ではなく、陸軍文官つまり軍属です。 1942年に法務官から法務将校となり、将校担当官(つまり軍人)となりました。 彼らの業務内容の主な内容としては、一般に言う軍法会議の裁判官があります。 これは、判事の資格を持つ専任の司法官で、合議制の下で行い、高等軍法会議の場合は、5名からなるうちの2名が 法務官でした。 (5名の内の残り3名は判士と言い、陸軍の場合は、高等軍法会議では陸軍軍務局長以下各課長・課員、師団軍法会議 では、師団司令部員、聯隊区司令部員、聯隊付などで、海軍は特に定まっていませんが、陸海軍とも被告人と同格以上 の将校です。) 軍法会議に於ける法務官は、陸軍の場合は陸軍省法務局長以下、各師団に配属されていた法務部長が充てられ、 海軍の場合は、海軍省法務局長以下、鎮守府法務長以下となっています。 また、法務官は検察官の役割をも果たし、その訴訟指揮の為に憲兵を指揮することも可能でした。 もう一つ、占領地住民に対して行う軍律会議というのもあり、こちらの訴訟にも法務官が裁判官、検察官としての役割 を果たすようになっています。 これらの訴訟を維持するために、検察事務官に当たる人々がおり、彼らは法事務官(後に法事務将校担当官)と呼ばれ ていました。 法務将校担当官は、法務中将まで進級出来ますが、法事務将校は、少佐止まりでした。 また、数は少ないながら、法務准士官、下士官、兵もありましたが、これは1945年に制定されたもので、監獄長、録事 (軍法会議の書記)、看守長、看守がそれに当たります。 彼ら法務准士官の昇進先は、法務将校ではなく、法事務将校です。 補充は、基本的には法務官試補依託学生制度に基づき、帝国大学で法学を学ぶ者に手当てを支給し、毎年軍事教練 を行っていました。 そうして、大学を卒業したら、司法官試補の資格を得て、法務部見習士官となり、経験を経て、法務部将校となっていき ます。 なお、戦争の激化で人材が払底したら、大学法学部卒でも良いことになり、幹部候補生出身将校で代用しています。 東京裁判においては、凡そ多数の人々が弁護士資格が無くても弁護人になっていたりしましたので、元法務将校の 弁護人がいたかもしれません。 また、彼ら法務将校の中には、英米法体系の研究者として欧米から一目置かれる人がいたりしています。 #right(){(191:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **旧軍の法務将校って何するんだ? 法務将校は、軍法会議、軍律会議に於いて、裁判官と検察官の役割を果たします。 旧軍の場合、陸軍刑法、海軍刑法、軍機保護法などに抵触した場合、軍人、陸軍所属の学生生徒、 軍属の他、陸軍刑法の場合は陸軍の司令下に置かれた海軍軍人、民間人でも、共犯者や軍用物損壊、 戦地に於ける掠奪行為があった場合は、訴追対象となります。 >法務将校は弁護士資格が要ったのでしょうか 弁護士資格は不要ですが、太平洋戦争が激化して、法務将校が払底するまでは、 司法官試補(後に法務官試補)の資格が必要でした。 司法官試補は、判事任命前の見習いみないなもので、裁判所または検事局で実務 の修習を行い、1年6ヶ月経過後に考試を経て、判事に任命されます。 太平洋戦争激化後の軍隊の拡大の中で、法務将校は不足したため、後に、大学法 学部卒業の幹部候補生出身将校が任命されるようになりました。 #right(){(216:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **爆撃機のパイロットが何かの拍子に不時着して、投降したら捕虜として保護しなきゃいけないの? 投降したなら、国際法上ではそうすべき、と定められてる。 保護さえしておけば、少なくとも国際法上の非難は受けずに済む。 保護せずに虐殺したら、戦略爆撃した側もされた側も国際法違反ではどっちもどっち、って 言われても仕方ないかもね。 #right(){(戦争板初質スレ7:219)} ----
#CONTENTS ---- **戦時中軍刑法が無視されることはありますか?(犯した内容の重さにかかわらず死刑にするとか) **オットー・スコルツェニーが行ったドイツ軍服の上に連合国の軍服を着て後方かく乱を行う作戦って、国際法とかに照らしてみて、何も問題は無いのでしょうか? >(捕虜になる権利がなくなるとか) 降伏する前にはちゃんと連合軍の服を脱いでドイツ軍の軍服を見せなきゃならん もしそうせずに捕まったら靴下を残して剥かれて写真をとられても文句は言えない #right(){(21:855)} **敵前逃亡→軍法会議→死刑っていうのは、今でもあるんですか? 必ずや死刑ばかりではなく、陸軍刑務所というのがあり 上官が部下を殺した場合は懲役20年(米国)になります。 #right(){(29:一等自営業 ◆O8gZHKO.)} **軍法と兵法がわかりやすく解説されてるお勧めの本を教えてください 自衛隊小六法が本として有るが自衛隊内の書店でしか買えないでしょう 自衛隊法等色々載ってます 国際法なら解説書が大型書店なら有ると思います 自衛隊が使う関連法についてはこれら2冊で勉強できると思います。 #right(){(32:予備海士長)} **軍用機に偽のインシグニアを描いて所属国家を偽り、だまし討ちをした場合国際法的にはどうなんでしょうか? 戦時国際法以前に国際航空法に触れると思います。違反を覚悟でやってみるという話なら、 第2次大戦の頃までは、確かにそういう戦術を取ることは可能ではありました。しかし空中戦 では敵味方の識別が非常に難しく、むしろ各国の飛行機は誤射を避けるためにデカデカと なるべく目立つように自国の国籍マークを描く方が結果的に生存率は上がったようです。 ちなみに当時の戦術戦闘機の墜落原因の大きな一つが味方の地上からの誤射でした。 現代では電波信号で敵味方を識別するので意味がありません。 #right(){(45:643)} 背信行為として禁止されていると思います。 条約として発効してませんが空戦法規案19条違反です。あと空戦ではないですが条約として 効力のあるヘーグ陸戦規則23条ヘ参照。 国際法は明文規定だけでなく慣習法も重要なので慣習国際法に反すると思います。 #right(){(45:浅見真規)} **軍が勝手に退却してそこに残して行った物資を貰っても強奪にはなりませんよね? ならん。 軍隊が戦闘相手の軍隊の物資を奪っても、国際法上の罪にはならない。 軍隊による強奪行為が犯罪なのは、奪う相手が民間人(民間組織)の時だけ。 #right(){(54:385)} **戦争で白旗って「降伏」の意味ですよね。黒旗って意味あるんでしょうか? 法的に、ということであれば、 白旗の他には、赤十字の旗以外に、意味を持つものはありませんよ (傷病兵の保護・治療にあたる者であり、こちらはジュネーブ条約で規定)。 陸戦法規や慣行では、「戦闘中に撃ってはいけない対象」として、 白旗と赤十字を掲げる者を定めているだけです。 まあ、赤旗と言うと、共産党の党旗はイメージされるわけですが… 他にも、基本的に、闘志や血をイメージする色ですので、多々、軍旗には使われるでしょうけど…。 #right(){(55:480)} **軍事法廷で行われる裁判と、普通の裁判所で行われるものとで大きく異なる点は何でしょうか 弁護士はつかんぞ。 それと国内法は通用しない。 #right(){(59:786)} 旧軍の場合 平時の軍法会議の場合、軍刑法が適用されること、 軍人が裁判官に加わる意外は大きな変化はありません。 戦地・戒厳令下で設置される特設軍法会議の場合、 一審制・弁護人なし・非公開など大きな差があります。 #right(){(59:787)} 「弁護士」はつかないが「弁護人」はつく 階級が低い将校が多いので、何の役にも立たないらしいが #right(){(59:824)} **軍隊への命令権は行政に属するもので立法や司法が代行・介入することはないのでしょうか。 すべては法律の規定によります。国によって法律の規定は異なりますので何ともいえません。 ですから、状況によりけりだとしかレスのしようがありません。 >閣議の場で爆発があり閣僚陣が全滅した場合、次の総理大臣選出までの間、自衛隊への命令権を代行することはありえますか このような事は法律で規定されていませんので、 司法や立法の命令を自衛隊側が従う義務はありません。 また、三権分立の原理原則論からいっても立法や司法が行政の長の代行をすることはありえないでしょう。 官房副長官や副大臣のうち生き残った人間の誰かが代行をつとめるほうが正統 に疑念が生じないと思いますよ。 #right(){(62:FFH331 ◆3.CSSBl9VA)} **軍人は国家元首の命令と裁判所の命令、どちらに優先的に従うのですか 国と政治システムによる。 今の日本のように三権分立が徹底している国なら国家元首も裁判所命令には 従わなきゃいかん。大抵の民主国家では軍隊は国家元首の承認で動く事に なってるから、国家元首が裁判所命令に抑えられた時は当然軍隊の命令系統 もそっちに移るだろう、と思う。 もちろん戦前の日本のように軍隊が独立した機関として政治に口出しできる国や 軍隊自体が国家統治をしている国では違うだろうけど。 #right(){(62:235)} **宣戦布告は行政が行うのか、立法府が行うのかを教えて下さい。 >通常の国際条約であれば議会の批准議決と思いますが、戦争でもそうでしょうか。 宣戦布告は国際法違反ですので、普通の国はやらないと思われ #right(){(62:279)} **個人で拾った戦利品を私物にしたりすることって、合法だったのでしょうか? 合法かどうかは知らないが、洗浄の死体漁りでゲトしたものを アメリカ国内に持ち込んでもお咎め無かったみたい。 #right(){(64:595)} **ろ獲兵器に関する法律ってどんなのがありますか? 1907年、第11ヘーグ条約(捕獲権行使制限条約、海戦ニ於ケル捕獲権行使ノ制限ニ関スル条約)明治45年1月13日公布。 これぐらいしか見つからない。 #right(){(69:剣恒光@自衛隊板 ◆yl213OWCWU)} 無いと思うんだよね。 たいがいの国はやってるから。 (前線で使うだけでなく研究用とかさ。) 「アメリカの旦那が欲しがってたぜ!」 なんてのもあるしね。 再占領→兵器再奪還ってのもあった。 戦勝パレードにドイツ式パーツを取り付けた自国の旧式戦車で参加するフランスとか。 #right(){(69:240)} 鹵獲したものは特に何も規定がある訳ではありません。 ただ、初見のものなら、上級司令部に報告する必要があります。 調査が必要な場合もありますので。 それ以外のものなら、使っても構わない場合が多いです。 (日本軍では、員数外兵器と言って、中国から鹵獲した機関銃を使用したケースがあります。) #right(){(82:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **観戦武官の国際的な取り扱いは決まっているのでしょうか? 正式名称は忘れましたが、自衛隊からも各大使館、領事館に武官が派遣されています。 当然、観戦武官として行動することもあります。 (少なくともViet Nam戦争の際に観戦武官として米軍に同行したケースはあったようです) 佐々敦行氏の著書(「香港領事 佐々敦行」にその辺の下りが出てきますので、 参考になさっては如何でしょう。 #right(){(74:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **イラク戦争で、わざと味方のいる所に手榴弾を投げ死傷者を出した人がいるのですが、こういうのは本国に帰ってから、殺人罪で裁かれるのですか? 陸軍刑法によって裁かれるんじゃないかな。 当然軍事裁判でね。その場で死刑ってのは考えられない。 #right(){(74:130)} 拘束されているところがTVに映ってたじゃない。 抵抗するのをやむなく射殺したのならともかく、 その場で処刑なんかしたらした奴が軍法会議もんだよ。 #right(){(74:131)} **捕虜が階級を偽って申告したらどうなるのでしょう? 別に何もされない。 常識的に、嘘吐いたから即銃殺刑ね、ということにはならないでしょう。 また、いろいろ尋問されますから、下手な嘘だとすぐにバレます。 #right(){(74:245)} 国際赤十字に問い合わせかける時点でバレます。 #right(){(74:250)} **アメリカの法律では当然「人を殺したら云々」という刑罰があると思うんだけど、それは戦争時ではどうなるんでしょうか。 戦争とは国家が行なう超法規的行為でして、本来国内法は適用の範囲外です。 軍人に関しては軍で定められた軍法が適用され犯罪行為はそれによって裁かれます。 当たり前ですが、戦闘で敵を殺してもそれが無抵抗の捕虜もしくは民間人で無い限り 裁かれる事はありません。(戦争に負ければ話は別ですが) ただ、今の日本ではここらへんの話がさっぱり出来ていないわけですが。 #right(){(86:87)} 法律は結局のところ、国家が定めているものです。 その国家が「やれ」とGOサインを出しているんですから、問題はありません。 もちろん、その国家が定めている戦争遂行時の規則(軍規)などに抵触した 場合には、問答無用でしょっぴかれますが。 #right(){(86:88)} **軍隊が法務省的な組織を持っているのはなぜですか? 戦場では、軍人以外行動出来ないからであり それでも法秩序を保つ必要があるからです。 戦闘中に、軍隊以外の組織たとえば警察が出しゃばって行動すれば 混乱するのは目に見えていますね。 >また軍隊内での犯罪が軍事法廷などで処分された場合、その件で外の世界に戻ったときに再処分されることはないのですか? それは法の原則に反しています。 #right(){(90:411)} >「それは法の原則に反しています。」の部分がわかりません。 >軍事法廷は司法の一部だから元の世界で二重に処分されることは無い、の意味ですか? そういうことです。 #right(){(90:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 一事不再理の原則」といいます。同じ罪で二度裁かれることは無い、という法の原則の一つです。 #right(){(90:434)} **1949年以前の話で、便衣兵はハーグ陸戦法規が定める交戦者の資格を満たしていませんが、便衣兵が投降してきた場合は殺害してはいけないのでしょうか? 確かに当時の戦争法規では、ゲリラは捕虜になる資格を持たないが、むやみに殺していい訳がない。 「殺人」「器物破損」「武器の不法所持」etcの罪状で正当な裁判にかけ、 そこで死刑の判決が出たとき、初めてゲリラの殺害は許されるのだ。 #right(){(93:770)} ジュネーヴ追加議定書を読んだことがあるのなら、第1議定書の第47条を嫁。 傭兵は戦闘員にも捕虜にもなれないとはっきり書いてある。 #right(){(93:773)} 処刑の場合は交戦者資格が無いのに戦闘行為を行ったということで 便衣兵の現行犯は処刑はいいみたいです。また、慣習国際法にも、ハーグ条約 にもスパイの処罰は裁判に依りますが、便衣兵の処刑は裁判を必要とは しないようです。 ただ、問題として23条で投降規定が交戦者資格が無いものに適用できる のかと言うことです。 もっと言えば便衣兵を捕らえた場合は処刑いいみたいですが、 手を挙げた段階では23条の規定に従い収容するまで攻撃をしてはいけない のかと言うことです。 どうかわかっている人がいたら教えて下さい。 #right(){(93:783)} ゲリラが手を上げてきてもそのまま射殺ってのはやはり無茶。 #right(){(93:785)} >根拠となる国際法を挙げて欲しいのですが・・。 明文化されたものは、あなたも参考にされている、ヘーグ陸戦規則と、ジュネーヴ条約(1929年の)しかない。 あとは慣習国際法、ということになるのだが。 現行犯でのゲリラの処刑ってのは、事実上の戦闘行為の一部だから、わざわざ断るまでもないこと。 すでに抵抗の意志を無くしているゲリラの場合、 確かに犯罪者だが、それでも手続きなしの処刑は問題がある。 第2次大戦後、レジスタンスやゲリラを殺し回った枢軸国軍人がなぜ戦争犯罪者になったのか? を考えれば、答えは明らかだと思うが。 #right(){(93:794)} >軍律裁判ということは占領地以外ではどうなるのでしょうか? ヘーグ陸戦規則の第2条参照。 非占領地の住民が武器を執って戦った場合は、「群民兵」として交戦者 資格が与えられる。 #right(){(93:831)} **軍事裁判と普通の裁判の違いがわかりません。どう違うのでしょうか? 普通の裁判は刑法(など)に書いてある罪を犯した場合、裁判になりますね。 軍事裁判はそれに加えて軍令に関する違反、敵前逃亡や利敵行為なども裁判の対象になるわけです。 で、普通は軍人だけに適用されるんですが、占領下や戒厳令下では一般人にも適用されることがあります。 以上簡単ですが。 #right(){(96:774)} 勝者が敗者を裁き、戦争を起こした責任並びに、戦争当事国の国民に対する罪を 裁くのが軍事裁判です。 一応、法廷の形式は整っていますが、有罪と見なされた人の判決が覆ることはまず 有り得ません。 一方、軍紀の違反、及び法令違反などを犯した軍関係者を裁くのは、軍法会議と言い、 軍の作戦地域において、軍司令官以上が作戦の遂行上公布した軍律に違反した その軍以外の民間人を審判するのが、軍律会議です。 #right(){(96:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **兵隊さんが悪いことした場合、軍事裁判に掛けられると思いますが、原則非公開だとか。 >では、兵隊さんが悪いことしたときに、共犯者に民間人がいた場合も >この共犯者も軍事裁判にかけられ、その裁判は非公開なんでしょうか? 非公開。 #right(){(102:754)} そもそも予審が非公開。 #right(){(102:755)} **戦争に同士討ちは付き物のようですが味方を攻撃してしまった兵士はその後どんな処分を受けるのでしょうか? とりあえず、湾岸IIで英軍のトーネードや自軍のF/A-18を落とした ペイトリオットSAMの関係者は、全員お咎め無しでした。 湾岸での英軍ウォーリアー爆撃事件も同様だったはず。 個人ではなく、システムに問題がある、というのが基本的な態度です。 交戦ルール違反が間違えようなく認められない限り、兵士は処罰しないというのが原則らしいですね。 でないと引き金引けませんから。 そのかわりに交戦ルールや責任の所在が明確になっているのが現代軍隊の特徴です。 自衛隊は遅れてるそうです。 覚醒剤が原因と言われているコソボの結婚式爆撃事件でも、結局覚醒剤を使用させて軍の体制が問題、 ということでお咎め無しになったのでは (公式には。実際には昇進アウトかも)。 #right(){(105:system)} **「SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録」 (アンディ・マクナブ著 ハヤカワ文庫NF)で、 >北アイルランドで警戒中の英軍兵士に対する、IRAのテロリストによる爆弾テロが起きた直後、 >敵が周囲に潜んでいる可能性を考慮して、味方の英軍兵士が住宅地の生垣などに、 >片っ端から機関銃を連射していたらしいけど、兵士として妥当な行動なんですか。 >一般人に弾があたったら、問題だと思うんですが・・・。 英国兵の姿を見て逃げる奴はIRA。 逃げない奴は勇敢なIRA。 ギャグではなくそういう感覚だったのだと思う。 #right(){(108:275)} **上官が無茶な命令を行なった場合、部下には反対、拒否する権利があり、上官には彼を罷免又は軍法会議に掛ける権利があるで間違ってないですよね? 「私はこう思います」という意見具申をする権利くらいはあります。 ただ、一度くだってしまった決定を覆したりすることは基本的には許されません。軍人ですから。 その代わり、命令はどんなものでもそれを発した本人にその全責任が負わされます。 ムチャな命令を下して損害を出した上官と、命令を拒否した部下がいれば、 一応は両方とも処罰の対象になることでしょう。 #right(){(109:352)} **一応、階級を飛ばしての命令は拒否できましたよね? >確か自分が読んだ指揮についての本では、 > >小隊長に命令できるのは、彼が所属する部隊の中隊長のみであり、 >連隊長が指揮できるのは、彼の部下である中隊長に対してであり、 >連隊長は(中隊長を介さずに)中隊長の部下の小隊長に命令できない。 > >指揮は上官から部下への階段状であり、段差を飛ばす事は越権行為に当たる > >とあったのですが、これであってますかね? 軍隊なので確かにその通りだろうけど、それをやっていたら間に合わないという事態が生じたときは 下への命令・上への報告ともに、ちょっと数人飛ばしてバイパスをすることも無いとは言い切れない。 軍隊は戦う時にはスピードが命だから、多少拙くても手早く。迅速は敵の百の作戦を未然に防止する。 あくまで緊急時に限ればだが、迅速性確保のため、非常時で必要な時のみ、そういうバイパスを 認めている場合もある。ただし、当然それで順序を飛ばされた者はイヤな気分になるだろうから、 後でできるだけ早くその人にも伝えておかなきゃならない。フォローのためにも。 #right(){(109:354)} **戦時なら軍法会議にかけずに勝手に処罰してもいいんですか? 戦時でも、誰かを処分する際には軍法会議にかけなければなりません。 軍隊は犯罪集団とは違うのですから。 最前線では、略式の裁判が行われることもありますが、 それも軍法に定められた手続きです。 勝手な処分など、許されるはずがありません。 #right(){(111:857)} 補足 仮に緊急退避的に勝手な処分を行っても、それは事後、考課の 対象となり、軍法に合致していなければ違法として軍事裁判に かけられることになります。もちろん「どさくさにまぎれて」と いう事態は考えられますが、それはあくまでも例外的な話。 #right(){(111:system)} >緊急の場合でもないのに緊急退避的に勝手な処分 >(ただし、緊急の場合でもないのに~という点以外は完璧に軍法に合致)の場合はどうなるのでしょうか? 結果が正しくても、手続きに問題があれば、処分の対象となる可能性もあります。 現実的には、不問に付される可能性の方が高いでしょうけれど。 #right(){(111:865)} 緊急でなければ普通はMPなり憲兵なりに通報して 処理してもらうだけ。その余裕があるのに勝手に 手を下してしまえば当然処罰の対象になりますな。 #right(){(111:872)} 国・時代による。 正規の軍法会議以外に、軍法で略式の処置を認めている場合もある。 ex.将校2名で略式の軍法会議を開ける(有り体に言えば、現場に将校が2名所在し、同意すれば射殺できる) 通常、略式の処置を認める場合は実施できる状況、処分できる対象の罪、下せる刑罰等の制限が付いている。 #right(){(112:21)} **戦闘に入る寸前まで、他国の国旗を掲げ戦闘艦であることを隠して敵国の私掠船に接近し >(誘い寄せて)「実は他国の軍艦だよーん」と旗を掲げていきなり砲撃、 >というのは昔は当たりまえの戦術だったのでしょうか? >OKだったら今でもやっていいのですか?ダメだったらいつ頃からダメになったのかも教えてください。 やっていいかどうかというなら、現代でもやっていい。 WW2初期まではむしろ普通の戦術。(それ専門のフネもあった) ただし、現代では旗を見せることが味方識別の要素としては無意味。 #right(){(120:775)} ちょっと前まで、仮装巡洋艦とか、武装商船なんてのも有ったしね。ただ、 現代でそこまで近づけるかは判らない。(多分無理) #right(){(120:777)} 現代の国際法でも、 背信行為は禁止 奇計はOK ということになってます。偽りの旗を掲げるのは奇計だから、全く問題なし。 #right(){(120:778)} 第一次、二次大戦の頃、商船に砲を搭載した仮装巡洋艦というものがあった。 通常は中立国の旗を掲げて航行し、敵の商船を発見すると軍艦旗を掲げ、拿捕したり撃沈することによって通商路の破壊を図った。 上に書いたように元は商船なので装甲は皆無、武装は貧弱、速度も遅いので敵の軍艦との交戦は極力控えた。 そのため船首に書かれた船名やマストに掲げた国籍旗を頻繁に変えたり、場合によっては乗組員が女装することもあった。 #right(){(120:784)} **WW1の戦場で武器等物を拾った場合、すぐ自分の物にしてしまって良かったのでしょうか? WW1のころはまだよかったが、WW2からは直属の上官に申告しないと 捕獲でなく略奪とみなされる場合もある。 #right(){(121:473)} **現代戦で上の命令を無視して撤退したら軍法会議ですか? >弾薬、人員の欠乏でこれ以上の戦闘を継続すると玉砕(全滅)する。上は撤退を許さずその場を死守せよとの命令 >下士官(幹部)全て戦死、負傷で命令できない場合指揮、作戦命令撤退も含めて誰がするのですか? 軍法会議ものだね 上役が・・・ #right(){(121:652)} 国や状況によるとしか答えようがない。 ナチス・ドイツでもハリコフのハウサーのようにヒトラーの死守命令を 無視しても軍法会議にかけられはしなかった例もある。 #right(){(121:653)} 上の場合。 撤退命令を出した人間は確かに軍法会議モノです。 が、常識で考えてそんな命令出すのはアフォですんで、 軍内部にそのアフォに対抗する派閥があればそっちに擁護してもらえるでしょうね。 そんな派閥も無く、軍全体に一致して死ねと言われたら…南無。 下の場合、どんどん繰り下がります。 士官・下士官が全滅したら先任兵が指揮を執ります…が、普通その前に撤退しますね。 #right(){(121:654)} そのような状況で死守を命じるような馬鹿な指揮官は、少なくとも先進国にはいない。 ふつうなら撤退を命じるか、救出部隊を送り込むか、降伏を許可するだろう。 また、そのような無謀な命令を出す指揮官が査問・または軍法会議の対象になる。 #right(){(121:675)} **民間の船(フェリー等)を軍が徴用した場合、船長は軍人が成るのですか? どこの国のどの時代に限らず、慣熟訓練期間があれば軍人だけで運用 出来ますが、民間船を徴用する時点で大抵事態は逼迫してます。 元々の船員(船長含む)を軍人の指揮下に置いた方が早期に運用が開始できます。 #right(){(121:688)} 「どこの国」でも民間船を徴用した段階で、元々の乗組員はリリースされて 新たに軍が(間接的に)雇用した乗組員が乗船する これは輸送船の行き先が最大の軍事機密であり、機密保持のための当然の措置なんだよ まぁソ連みたいな、元々船という船が国家統制に置かれた国は例外だが #right(){(121:720)} **こっちの分が悪いから戦列から離れ、敵に背を見せ逃げ出した逃亡兵を敵兵が撃つ、というのは罪には問われるのでしょうか? それはその「敵国」の内部の問題ですから、その国の法律、あるいは軍法によります。 #right(){(122:system ◆systemVXQ2)} スイス民間防衛によれば、受入国側が認めた場合捕虜の資格を有しております。 >>こっちの分が悪いから戦列から離れ、敵に背を見せ逃げ出した。それを敵兵が撃つ 敵前逃亡により、大概の国で憲兵に捕まれば銃殺ですね。 >>そして、その逃亡兵が全くの無防備であったとしても罪には問われませんか? 武器遺棄、さらに敵前逃亡と来れば銃殺か重営倉は免れんでしょう。 #right(){(122:名無し志願兵)} 戦場では、一方に逃げずに抵抗する敵がいる場合は、 逃げる敵を攻撃する余裕はありません。 ただ、敵が一斉に逃げる場合は別で、このときは後に兵力として復帰しないよう、 攻撃を行います。 古代~中世の戦闘では、敗走>追撃時の死傷者が、戦闘時をはるかに上回ったそうです。 #right(){(122:兄妹)} 降伏しない限りは敵なので、攻撃するのはなんら問題ない。 第二次世界大戦、それどころか湾岸やイラク戦争でもそんな例はいくらでもある。 #right(){(122:852)} >隊長や司令官も逃げ出した場合はどうなるんでしょうか。 指揮官が命令によって撤退しているのかどうかによるでしょう。 どっちにしろばらばらに逃げてるんなら一時撤退ではなく壊走の部類に入るのでは? #right(){(122:853)} 撤退中の敵を攻撃しても罪には問われません。 投降していない以上戦闘継続の意思を持っているとみなされます。 また、投降というのは狭義には指揮官の命令で部隊ごと戦闘継続を放棄した場合のことで、 個々の兵士が勝手に武器を捨てて降参しても投降とは認められない場合があります。 非道なようですが、今の今まで敵を殺そうとしていたのにヤバクなったら殺さないでくれ というのは確かに虫のいい話ですね。 #right(){(122:856)} 組織的であるとなしとに関わらず、ハーグ条約では武器を放棄した敵、 自らを守る手段を失った敵、自己の意志により降伏した敵を殺し、 あるいは傷つけることが禁止されています。 まあ、現場でどうなるかは別として。(第二項、第一章、第23条) #right(){(122:system ◆systemVXQ2)} **軍法会議のシステムに興味があります。国によってかなり違うようですが、アメリカもしくは旧軍でお願いします。 >例として怠慢行為で大損害を出した師団長を起訴するとしますが、 >一般裁判なら検察に相当する部門は何という役職の人でどこに属しているのでしょうか? >また判事は(法務官ではない)軍人が勤めるのでしょうか?それとも専門の法務官でしょうか? >また判事は何処に属しているのでしょうか?海外の映画などでは両方のケースを見たことがあります。 それではとりあえず旧陸軍について簡単に。 軍法会議は各師団および高等軍法会議に存在し、 その実体は地域ごとにまとまって設置されていました。 例えば東京ならば陸軍高等軍法会議と近衛師団軍法会議、 および第一師団軍法会議が青山の第一師団司令部の構内に存在しています。 また、戦場では後方の本部に設置された軍法会議と前線及びそれに類する地域に設置される特設軍法会議、 さらに総力体制に移行するに従って旧来のものにとって代わり機能しはじめる臨時軍法会議がありました。 裁かれるのが師団長との事ですが、軍法会議において判士長(普通の裁判でいう裁判長)および判士は 法務官に限らず一般将校の中から被告より上の階級をもつ者が任命されました。 また、被告が大将であるなどそれ以上の階級の者の任命が必ずしも適切ではない場合、 先任の同階級を当てる事でよしとしています。 検察官に相当するものを予審官と呼びましたが、 これは現代の検察官以上に強力な権限を保有しており、 その取り調べはさながら裁判の前に行なうもうひとつの裁判に似たものでした。 予審官は法務官より任命され、階級も必ずしも上位に限る訳ではありません。 ただし法務官は新米でも士官相当ですので、下士官兵を裁く場合は必然的に上の階級になります。 法務官は高等文官試験司法科の合格者の中から陸軍に採用された者で、 総力戦体制に移行するまでは軍の中で独自の地位を保証されていました。 裁判の判決ですが、いかに後世において批判の多い軍法会議でも これは必ず公開されます。……という建て前です。 帝国憲法第五十九条は、安寧秩序・風俗を害するおそれがある時に限って 裁判の対審の公開の停止を認めておりましたが、判決の公開停止は認めていません。 が、憲法違反を承知で判決が非公開にされる事はありました。 一番有名な事例は二・二六事件でしょう。 この場合、「軍事秘密」扱いで判決の公開を事実上禁止しています。 この為、判決が完全な形で一般に公開されたのは戦後かなり経ってから 東京地裁の倉庫よりGHQより返却された資料として発見されるまで待つ事になりました。 #right(){(486:632)} 第二次大戦中の米軍の場合は、大きなものであれば、Court Martial(軍法会議)で行います。 これには、陸軍軍法会議と、海軍軍法会議とがあり、主に軍人と軍属について軍の規律に反する犯罪について裁判します。 犯罪の種類は法律によって制限されています。 怠慢行為で大損害を出した師団長の場合という例示ですが、一番有名なのは、第二次大戦末期の巡洋艦インディアナポリスの撃沈 に関する査問会がそれに該当すると言えるでしょう。 査問会は、艦長の場合、艦隊司令官クラスが査問委員長となり、査問委員には戦域指揮官クラスの人物が2名選出されます。 そして、法廷において検察官、法律顧問、書記相当の仕事をする調査官には参謀クラスが1名選出され、彼が事件の細部を捜査する指揮を 執ります。 査問会は、準被告人と言える「関係人」を招致しますが、この関係人は、全ての法廷に出席し、全ての証言を聞く権利を持ち、また、弁護人と 相談する権利を持ちます。 各人は証言を行い、調査官の手によって事実を再構成し、最終的に査問委員と委員長の合議で、審決を下します。 陸軍の場合はMilitary Council(軍事委員会)と言うもので、最高司令官たる大統領権限で設けられるものですが、その委任で軍の司令官が 招致する場合もあります。 これは司法権ではなく、行政権の執行で、判決に際しては上級審への上告は出来ません。 ですので、判決に際しての判決理由もありませんし、司令官は法務官が審査し、その意見に従って、判決の認可と変更を行うと言う性格の ものです。 軍法会議では、法務官が裁判全体の進行を管理し、検察官役を務め、法律を解釈します。 弁護士もいますし、陪審役として、将官クラス、上級将校クラスの判士団数名がいます。 判士団は、陪審役ではありますが、証人に対し質問するのは自由です。 普通に公開で審判が進められますが、この辺は米国の一般法廷と同じです。 #right(){(486:670,眠い人 ◆gQikaJHtf2)} >丁寧な回答ありがとうございます。かなり理解できて来ました。ずうずうしいのですが >1)査問委員会では、事実調査を追求する検事役を「参謀クラス」の軍人が務め、 >軍法会議(まで行った場合)では、法務官がその役を(検察官役)引き継ぐ、ということでよろしいでしょうか? >2)昔見た映画(ア・フュー・グッドメン)では、海軍の軍事法廷で裁判長がいて、法廷を取り仕切っていましたが >こういう裁判長は艦隊とか軍などに所属する法務官が随時務める、という解釈でいいのでしょうか? え~んと、査問委員会の場合でも、軍事委員会の場合でも、検事は参謀クラスの軍人ですが、 実際にその手足として動くのは、法務官になります。 あくまでも、これらは行政権の執行なので、法務官は黒子の役割を果たします。 (また、査問委員会ではありませんが、軍事委員会の場合、軍事委員会委員長は幹部クラスの 士官です。 但し、彼の役割は開廷と休廷、判決の宣告だけを行い、実際に法廷を運営するのは、法務官の 中から就任する軍事委員となります) そして、軍法会議の場合は、行政権では無く司法権に基づく正規の法廷となるので、検察官として 専門の人間が必要になります。 よって、検察官には法務官が就任します。 ア・フュー・グッドメンについては、その粗筋から見るに、軍法会議ではなく、行政権に基づく軍事 委員会(査問委員会)による法廷ですね。 先述の様に、裁判長と言うか法廷を運営するのは法務官で、開廷、休廷、判決の言い渡しは、別の 士官が行います。 #right(){(486:703,眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **敵前逃亡って重大な軍紀違反ですよね。けど、日本やドイツみたいに軍が壊滅して、戦争に負けるまで逃げ切ったらチャラになるんでしょうか? 日本の場合、陸軍刑法75-78条に逃亡罪が明記されているので、 この陸軍刑法が失効しないことには、法的に許されません。 ただし、警戒中は3日、平時は6日以内に復帰すれば、法に基づく罰はありません。 もっとも、素直に服役した方がマシな境遇になるでしょうね。 #right(){(365:337,鷂 ◆exxupUqotM)} 日本の場合、南方で飢餓に苦しんで逃亡した連中も少なからずいました。 そういった方々が終戦後、置いて行かれると思って、ひょっこりと戻って来たケースがあります。 しかし、そんな甘い考えを皆が許す訳が無く軍法会議の末に死刑になった方も多くいたそうです。 捕虜になって軍の指揮下から切り離された状態での軍法会議は本来は正当性を持ちません。 ですが、一番苦しい時に味方を見捨てるような奴には誰も同情せず、刑の執行に待ったをかける人はいなかったそうです。 捕虜収容所で、収容所を監督する軍から武器を借りて刑を執行したそうです。 横井さんみたいに何十年も逃げればチャラでしょうが、 素直に刑務所に入った方がまだマシでしょう。 #right(){(365:339,ue ◆WomMV0C2P.)} **銃殺刑は軍人としての名誉を保った処刑法なのでしょうか >ドラマや漫画などで受刑者が「軍人らしく銃殺刑にしてくれて感謝する」というセリフを見かけるのですが、軍法裁判で銃殺刑は斬首に比べて切腹が武士の面目を保った処罰方法であったように、他の死刑方法(絞首刑や薬物投与など)に比較して、軍人としての名誉を保った処刑法、なのでしょうか 軍法会議に処されるのは基本的に“軍人”だし、そこで執行される“刑”によって “死亡”するのだから、難しく考えなくても「軍人への死刑」以外の何者でもない。 ちなみに銃殺刑というのは、名誉を保つどころか軍事裁判では一般的に最も 重い刑とされ、国営墓地に祀られる事もなく遺族年金も出ないのが一般的。 名誉どころか、最も不名誉な罰とすべきだろう。 #right(){(378:20)} 銃殺は「軍人に対しての死刑」方法 絞首その他は「一般の犯罪者に対する死刑」方法 どっちにせよ不名誉は不名誉だが、処刑される側にとっては前者の方は少なくとも軍人として死ぬことができるって点が重要。 #right(){(378:104)} **現場においてより上位の上官が、直属の上官の命令に反した命令を下した場合部下はいかなる対応をするのでしょうか? 通常はより上位の上官の命令が優先 >では上位の上官が現場におらず、下位の上官が上位の上官の命令に反した命令を下した場合は? 現場にいる指揮官には、「独断専行」といって、更にその上の指揮官の命令に反する命令を出す権限がある。 最初の命令のときとは状況が変化して、命令が現状にそぐわず、かといって新たな命令を仰ぐ時間がない場合など。 ただし、現場の指揮官の行為は、後できちんと査問を受ける。 もし、最初の命令に従う方が正しいと判断されれば、それなりの罰を受けるし、 最悪、命令違反として銃殺されることもあり得る。 その辺はケースバイケースなので何とも言えない。 #right{(358:495-503)} 「ケイン号の反乱」なんて映画を見るといいかも知れない。 副長達の権限で無能な艦長を解任して指揮をとったが その後、その是非を軍法会議で問われることになる。 #right{(358:506)} **銃殺刑は数人で撃つのはなぜですか? >至近距離から頚椎を撃ち抜けば簡単に済むし、一人で十分では? 誰の弾が当たって死んだのかが執行者に分からないようにする為。 #right{(518:87)} 裁判の結果とはいえ友軍の兵士を撃つということへの罪悪感を軽減するため。 自分の弾で死んだのではと思えば気が楽だ。 軍に限らず普通の犯罪者の死刑執行も全く同じ仕組みになっており、複数人が同時に執行装置のボタンを押す 処刑は戦闘と違ってそういう配慮をする余裕があるってことさ #right{(518:108:モッティ ◆uSDglizB3o)} **戦地又は本国で銃殺が行われるときはその付近に居る部隊で銃殺隊が編成されるのですか? >それとも銃殺を行う法務部隊か憲兵が別に居るのでしょうか。 判決を下した当該部隊から、銃殺部隊を編成して行います。 憲兵や法務将校はその様な処刑までは行いません。 #right{(353:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **軍事に法律の専門家って必要なんでしょうか? 米軍や国防省のような組織が顧問弁護士を雇ってたりするのかな 軍事部門も官僚組織の一つですから法務部門は必要です。 法務部と言う組織もあり、法務将校がいます。 また、場合によっては、占領した地域の治安維持の為、部隊で法廷を開催する 必要があり、これには法務将校が充てられています。 #right(){(527:874:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **敵地深くでもし味方の命令が届かなくなったら勝手に自陣まで帰っていいの? 上級司令部の命令が来るまでは事前に命令された行動を続ける。 勝手に帰って来たりしたら命令違反。「抗命」って罪になる。 もし命令が届かなくなることが事前に予想される場合は 「**なときは@@しろ」 って命令が事前に通達される。 #right(){(352:904)} **仮に上官から「女子供でも殺せ」と命令された場合は従わなければいけないんでしょうか? >現代の軍隊では明らかに非人道的、不合理な命令は拒否していい事にはなっていないのでしょうか? >軍規、あるいは軍法ではどこまで規定されてるのか気になります。 国際法、例えばハーグ陸戦協定を批准している国で、それに反するような命令が出されたなら、抗命が許される場合もあり。 ただし、実際それが可能かどうかは国や時代による。例えば、ドイツ連邦軍の少佐でイラク戦争への派遣を拒否した少佐が 抗命罪で降格されたが、後に裁判で「イラクに対する戦争には重大な法的懸念がある」として「良心の自由に基づいた命令を 拒否する権利」が認められ無罪となったが、現実にはなかなかそうはいかない。 #right(){(563:675)} **軍人は、どんな理不尽な命令でも従わなくてはならないんですか? >大和の海上特攻や、インパール作戦を「こりゃだめぽ」なんていって拒否したら、銃殺ですかね? 旧陸軍の場合、各級指揮官は独断専行の権利と義務があると、作戦要務令で明記されている 命令を発した上級指揮官の状況認識と現状が異なり、その旨を報告する暇が無く、 時期を失すれば戦機を逃がしたり重大な損害が予見される場合には 上級部隊の作戦企図実現のために、あえて命令に反した行動を取らねばならない場合もある インパールでは佐藤師団長が無謀な作戦に抗命して勝手に部隊を撤退させたが、軍法会議にはかけず キチガイ扱いにして病院に送り込み、命令に逆らった事実を無かったことに。 なぜなら、彼を任命した上官の責任問題になるから。 #right(){(565:381:386)} **在外国基地などに駐留中の軍人がその国で犯罪行為を行った場合、その軍人は当事国と自国、どちらの法律で裁かれるのですか? その2国間の協定がどうなっているかによる。 在日米軍の場合、警察権も裁判権も米軍が持っている。 トラブルを起こさないような教育はされているはずだが、 たびたび犯罪が起きているのは報道されているとおり。 補足をさせてもらう。 上の言うとおり、2国間協定の如何によるといえばよるのだが、一般的には、 外国に駐留する軍隊には接受国の法令は適用されない。ただしその一方、 接受国の法令遵守は軍隊を駐留させている側の国の義務であるともされている。 在日米軍については、日米地位協定があり、そこであれこれ決めてある。 16条にて日本法令の遵守義務を定め、17条で刑事裁判管轄と警察権を定めて いる。 在日米軍の側が刑事裁判管轄を有しているのは ・合衆国軍法に服する者  (米側に一般的裁判管轄。ただし栽培管轄が日本 側と競合する場合には例外あり) ・合衆国軍法に服する者で、日本法では罰し得ないが米法では罰し得る罪を 犯した者 (米側が専属的裁判管轄) ・合衆国軍の構成員・軍属であって、もっぱら合衆国の財産若しくは安全のみ 対する罪を犯した者 (米側に第一次の裁判管轄) ・合衆国軍の構成員・軍属であって、もっぱら合衆国軍隊の他の構成員 若しくは軍属若しくは軍構成員・軍属の家族の身体若しくは財産のみに 対する罪を犯した者 (同上) ・合衆国軍の構成員・軍属であって、公務執行中の作為若しくは不作為 による罪を犯した者 (同上) ここで、「合衆国軍法に服する者」とは、合衆国軍隊の構成員・軍属のみ には限られず、米軍に雇用された者や米軍の随伴者、米軍基地内に所在する 者も含まれ、日本側と裁判管轄が競合する場合があるが、米側が専属あるいは 第一次の裁判管轄を持つ場合以外は日本側に専属あるいは第一次の裁判 管轄がある。 この辺りの話に興味があるなら、『外国軍隊に対する刑事裁判権』(津田実・ 古川健次郎、帝国判例法規出版社、昭和29年)という本を読んでみるといい。 古い本だが、参考になる。 #right(){(336:245,275)} **兵士が「官給品の性能では心もとない」という感じで、自腹で他所から装備品を購入することはありますか? >軍規ではそういうことも許されていますか? アメリカ軍はたまに(結構)やっている。 ただし自前で購入したもんについては軍は面倒を見てくれない。補給とか整備とか。 あと将校の装備は自前が原則なので、拳銃や双眼鏡、時計なんかは軍の正規品に 拘らずに各自で好きなものを自腹で購入して使っていたりする。 陸上自衛隊の西武方面普通科連隊ではそういうことが行われているみたいです。 まあ、どこの国のいつの軍隊でも、程度の差こそあれありますよ。 第2次世界大戦では、戦車にそこら辺の鉄板を溶接して勝手に増加装甲していたというのもありますし。 軍規的にはまずいのですが、役に立つ限りだいたいお目こぼしされます。 ただ、既存品への追加とか、予備として持つとか、補助的な道具の交換は多くても 主要な武器そのもののを換えてしまうことはないですね。 そうなると軍規のお目こぼしの範囲を超えてしまいますので。 #right(){(335:431,433)} **「軍属」は国際法上、武器を執って戦闘に参加することは認められるのでしょうか? ハーグ陸戦協定第1章の交戦者の資格を満たす限り、軍人、軍属、民間人の 区別無く同じ待遇を受けます。 #right(){(俺初質スレ431:93)} **戦争中、民間人が敵国の戦闘員を殺害すれば、その民間人は自国の法律で罪に問われるのですか、それとも相手国側でしょうか? >また正当防衛が適応される場合はあるのですか。 その地域の施政体が残っており、かつ、その国の政府が権限を握っているのであれば、 それは、その国の法律で罪に問われることになります。 敵国の占領下にあり、かつ、その地域の施政体が残っていない状態、更に、占領軍による 軍政が敷かれている場合は、その敵軍の司令部傘下に設置されるであろう軍律法廷で、 敵国の法律に基づいて、審理を受け、判決後、司令官の決裁で、罪が確定します。 太平洋戦争中の日本であれば、それは軍律法廷の範疇ですね。 #right(){(323:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **軍事裁判では、内輪で処理されて甘い判決が出ることって多くないですか? 軍法会議は国や歴史により様々な形態がありますので、一概には言えません。 軍法会議は軍紀・軍律の維持を目的とし、一般人とは異なる「軍刑法」による判決を 迅速に下すことを目的としています。 軍刑法は一般刑法とは全く異なり、有名どころの「敵前逃亡罪」みたいなものから 「任務中に居眠りしたり酔っぱらったりした罪」みたいなものまであります。 一部の軍刑法が民間人にも適用されることもあります。(敵国人への略奪や捕虜虐待など) もちろん軍人にも民間人同様の一般刑法が適用されます。 一般刑法で裁かれる際には、民間人同様の裁判を適用されるか、軍法会議で処理され るかは国と時代により異なります。 一般刑法による裁判が軍法会議で行われる際には、甘くなることも有り得ます。 が、逆に厳しくなる可能性もあります。(軍の名誉を傷つけた場合など) あくまで目的は「軍紀・軍律の維持」であり、軍人は一般人とは異なる秩序の支配下に 置かれているからです。 余談ながら・・・ 軍法会議の重要な役割の一つに、政府機関の機能が麻痺している状態であっても 軍隊内部においては法秩序を維持できる、というものがあります。 ちなみに我らが自衛隊には、軍刑法も軍法会議もありません。 #right(){(323:864)} **海軍では出撃している船の中で犯罪行為(窃盗・障害・殺人など)が起こった場合、誰が捜査をするのでしょうか? >現行犯で取り押さえられた場合は船の上で軍法会議がひらかれるのでしょうか。それもと帰還するまで拘禁しておくのでしょうか。 自衛隊を例にとって説明します。 まず,日本の船舶内で行われた犯罪は,国外で発生したものであっても国内で発生した事件として扱われます(刑法1条2項)。 そのため,必ず日本の刑法犯という扱いになります。 そして自衛隊法96条(部内の秩序維持に専従する者の権限)で,いわゆるMP(警ら隊でしょうか,すみません法律よりこっちのほうが疎いんで)が司法警察員・司法巡査として扱われています。 この条項により,MPは刑事訴訟法の特別司法警察職員(刑訴190条)となるため,警察官などと同様に被疑者を逮捕することが可能です。 船舶上の犯罪の場合,逮捕状の発布が難しいため,現行犯逮捕(刑訴212条1項)または緊急逮捕(刑訴210条1項)となります。 捜査についても,特別司法警察職員が警察官などと同様の権限を有するため,彼らが行うこととなります。令状発布が期待できないので, おおむね任意捜査になりそうですが。 なお,現行犯逮捕は何人でもできますが(刑訴213条),直ちに司法警察職員に引渡しが必要となるため(刑訴214条), やはり特別司法警察職員の存在は不可欠です。 そして司法警察職員は制限時間内に検察官に送致しないと釈放しなければなりません(刑訴203条1項4項)。 しかし制限時間の不遵守の特例があり(刑訴206条1項),船舶での移動時間が「やむを得ない事情」にあたるとして, 特別司法警察員から被疑者を送致された検察官は,被疑者の勾留請求を行うことになるのでしょう。 ただ,犯行直後に逮捕した後,逮捕しつづけていられるかかなり疑問があります(調べた範囲では根拠条文が存在しない)。 実際には送致までの制限時間を逸脱するとかなり面倒なので,上陸までは軟禁して, 上陸直後に緊急逮捕か検察に連絡して通常逮捕でしょうね。 後は刑事訴訟法の手続きに従い,検察官が公訴提起をし,裁判が公判を行います。 つまり,自衛隊では軍事法廷の設置を定めた法律がないため,通常の刑事裁判と同様の手続によって犯罪が裁かれることとなります。 他国の場合は不明ですが,MPについては軍隊設置を定めた法律で,自衛隊と同様の処理をしているものと思われます。 そのため,捜査・逮捕についてはMPが行うことになります。 そして軍事法廷の設置を定めた法律があれば,自衛隊とは異なりその法律の定めによることとなります。 通常は特別裁判所として設置されているので,やはり陸上に戻ってから裁判が行われるのでしょう。 もし略式手続きを定めた条項があれば,それに従います。その場合は,艦内で裁判手続が行われることもあるのでしょう。 ただ,先進国では手続が非常に重視されるので,ある程度以上の重大犯罪(懲役以上など)については, 略式手続で済ませることは考えにくいです。 よって回答としては,帰還するまで逮捕しておくか,軟禁しておくということになるのでしょう。 #right(){(299:589-591)} **大陸系と米英系の軍法はどのように違うのでしょうか 大陸法系の軍法会議、英米法体系の軍法会議の構成はほぼ同じです。 しかしながら、大陸法体系では、裁判官たる判士が行い、それは数名で構成される合議制行われます。 また、法務官(法務将校)は、判士の下位に置かれています。 一応、法務官は憲兵の指揮権も与えられていますが、完全な独立という訳ではありません。 なお、一番上位には、軍法会議長官というのがありますが、これは完全な裁判の設定だけで、実際の事案に 関与するものではありません。 英米法体系では、法務官が訴訟指揮の重要な役割を果たします。 法務官は、裁判全体の進行、検察官、法律を解釈します。 大陸法体系の様に、判士が訴訟を指揮するのではなく、判士はあくまでも陪審に過ぎません。 なお、判士はその案件に関係するその道のプロが選ばれる傾向にあります。 ちなみに、英米法体系では査問会が開かれて其処で処分事案は決定される傾向が強いので、軍法会議の 開催自体、非常に稀だったりします。 訴訟は、大陸法、英米法とも裁判公開制、口頭弁論主義ですが、大陸法体系の裁判と違い、秘密裁判的な 特別軍事法廷みたいなものはありません。(最近は違いますが) #right(){(295:眠い人@まだまだ規制中)} **アメリカの軍法会議についての質問です。 >例えば海軍の軍人が被告になった場合、裁判官、検察官、弁護士、陪審員は皆、海軍の法務局の軍人が担当するのでしょうか? >それとも、4軍の隔たりなく選ぶのでしょうか? まず、軍法会議というのは各軍ごとに組織されます。 軍事司法法典第17条(a) 「各軍はこの章〔=この法律)に服する全ての人に対し、軍法会議の裁判 権を有する。ある軍が異なる軍の人に裁判権を行使する場合は、大統領に より発せられた規則に従う」 具体的には、〔軍法会議の種類によりますが)事件が起こり捜査がされたあと、 部隊の責任者が、軍法会議を招集するわけです。例えば、殺人なんかの場合(こ の場合は一般軍事法廷)、陸軍だと師団長は軍司令官以上の人(当該地域の最高 責任者)、海軍だと艦隊司令官や大きな基地の司令官が軍法会議の招集権者とな ります。 ただ、海軍と海兵隊の関係では、法典の1条(2)で 「海軍、海兵隊、沿岸警備隊は、それらが海軍の業務に従事してい る場合は、一つの軍種と見なす」 ということです。 あと、軍法会議の被告は、民間の弁護士や自分で選んだ法務将校を弁護人としてたて ることも出来たりします。 #right(){(102:514)} **映画フルメタルジャケットで、デブがハートマン軍曹を殺して自殺したシーンがありましたが、 >ああゆう事件が起こった場合、その後の処理はどのように行われるのでしょうか? 平時でしかも演習中、衆人環視の状態での出来事ならば不名誉除隊の扱いに なるということも考えられますが、特に戦時の場合は余程のことが無い限り、 「戦死」認定が為されなくても、戦場での「事故死」「戦病死」扱いにすることが 多かった様です。 要は銃後の国民の士気、特に犯罪を犯した兵士、殺された兵士の家族への配慮 など、或いは自部隊の士気維持のためもあり、事故死または戦病死の扱いが取ら れた訳です。 戦闘中に起きたものなら、それは当然戦死認定されます。 末端の兵士は入れ替わりが激しく、すぐに死亡した場合には部隊の他の誰もが知らない 可能性がありますし、そう言う話は誰も好んでしたがらないから、表に出る可能性は少ない ですし。 それから、犯人が上官を殺した後に自殺したのなら、心神耗弱または喪失状態である と判断されることから、訴追対象にはならなかったかと思いますね。 #right(){(136:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **特別軍事法廷ってなんですか 特別軍事法廷は、各国にあってそれが色々な性格を持っているため、一概にはこれだと言えません。 例えば最近設置した米国の場合は、テロリストを裁く為の臨時法廷で、通常の裁判であれば、訴訟手続が 延々と進むものですが、こうした手続きをなるべく短縮させようとして、設置されたものですし、中国のそれの 場合は、戦犯裁判(漢奸法廷)の為に設置されています。 あるいは南米などでも政敵を葬るための法廷として設置されたりしています。 いずれにしても、一般の法律に基づく正規の訴訟では無く、なるべく短縮した形で判決を下すために用いら れているものであると言えるでしょう。 また、中国のものを除き、大抵の特別軍事法廷は、普通の刑事訴訟手続ではない、裁判公開主義、口頭 弁論主義で、三審制(日本の場合)の様に上級審への上告が認められていますが、こうしたものはなく、 非公開、弁護人無し、一審制というのが多いです。 日本の場合は、戦前に「東京陸軍軍法会議」と言うのがありますが、こちらは少し違って、2.26事件で設置された もので、首謀者を裁くために緊急勅令で設置されたものです。 #right(){(245:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **上官から、違法の疑いが濃いと思われる命令が下された場合、部下にはどのような制度的な救済手段があるのでしょうか? 違法行為であろうと上官の命令は絶対、その代わり処罰されるのは実行した兵でなく命じた上官 #right(){(俺初質スレ2049:894)} ** 戦略爆撃で市街地を爆撃して非戦闘員を目標として攻撃するのは今でもあり? 相手国を数十年百数十年レベルで弱体化させたいなら、戦略爆撃もあり。 当然、国際的な非難は避けられないだろうけど。 #right(){(戦争板初質スレ7:219)} **前線で作戦行動をしている十数人の部隊、隊長が命令を無視して帰ろう!って言い出したらどうなるんでしょうか >これ幸いと引き返した全員が軍法会議になるんでしょうか? >それとも隊長だけを処罰? 10数人ってことは分隊か? 指揮官は軍曹だろうから、そもそも勝手に帰ることはできないぞ。 まあ処罰されるのは指揮官と次席の指揮官だろうけど。 #right(){(俺初質スレ50501:504)} その国の軍法や、状況次第 指揮官のみが処罰されるケースもあれば、止めなかった部下も処罰されるケースもあるし、 場合によっては、やむを得ないとして、全員お咎めなしのケースもある #right(){(俺初質スレ50501:505)} 伝統的な考え方では、どんな小部隊の指揮官でも上の命令に違反したら罰せられるのは指揮官だけだった。 しかし、教育が普及して下級兵士でもそれなりの判断力を備えているとみなされるような近現代の先進国では 上官が間違いを犯した時に適切な進言・補佐をして改めることは部下の義務の一つという考えが出てきており、 そのような国では「これ幸いと」引き返したならば部下にも処罰が及ぶ可能性がある。 映画なんかで反対する部下の意見を上官が強引にねじ伏せるようなとき、「君が反対意見を述べたことは記録に残しておく」 なんて言うことがあるが、これは現実でも行われていることで、上官が成功した時に部下を処分する根拠を残すと 同時に上官が失敗した時に部下の責任を免じる意味がある。つまり、その上官はよっぽど自信を持っているということだ (映画とかでは失敗フラグになることが多いが・・・) #right(){(俺初質スレ50501:506)} 軍隊という組織は上の命令は絶対なんだが、それが過ぎると問題を起すこともある それでどの程度融通が効くか、手続きを必要とすべきかかという話なんだが フリードリヒ1世の頃の逸話の話からして軍隊ではこういう常識がある 「命令違反をするにもある程度の階級が必要とされる」 一兵卒には命令不服従は銃殺だが、それなりの部隊長だと確認や命令文書の要請ということで待ったをかけられる いい例で日中戦争開戦時、砲兵の隊長が「本当に撃ってもよろしいのか?」と確認したことだ 小銃なら自衛の範囲内でも済むが、砲となると一国の戦争意思を示す少し政治的な意味も持つからな あと日本海海戦のときの第1艦隊が敵の動きを誤認して回頭してしまったのに続かず 第2艦隊は独断で敵側への突撃したとかいう例だな 逆に言うと 「失敗しましたが、わたしは上の命令に従ったまでです。わたしに責任はありません。」 これはむしろ懲罰モノ 臨機応変な対応が求められる役職に軍隊は階級を与えてるのである #right(){(俺初質スレ50501:507)} **WW2やベトナム戦争では士官が味方に撃たれるということは多かったのでしょうか? そういうのは基本バレないようにやるんだし、戦死で処理されるだろうから数字も残らない もちろんバレたら軍法会議だ #right(){(俺初質スレ436:304)} 多くの軍法会議が開廷されたんだよ #right(){(俺初質スレ436:307)} 英語版wikipeで[Fragging]を読むとベトナム戦争中の上官殺害について 米軍2例とオーストラリア軍2例が載っていますね。 米軍→一件は懲役40年以上、もう一件は無罪の判決 オーストラリア軍→一件は終身刑、10年8か月で釈放、もう一件は懲役10年で8年で釈放 [Fragging]だと手榴弾による上官殺害なので分かりやすいので記録がはっきりしてるだけだろうけど。 #right(){(俺初質スレ436:309)} *日本の軍法 **日本に他国が侵略してきて、捕虜が出た場合、捕虜に対する扱いを定めた法律などはあるんですか? 国際法の戦時法規の捕虜取扱規定に準じます. #right(){(85:119)} **旧軍の軍法会議についてどのようなものなのか教えてください 軍人の犯罪に関しては、通常裁判所管轄に属さず、軍法会議で行ないます。 つまり、軍法会議は国家刑罰権の機関で、特別裁判所の一種となります。 これは、軍隊内の規律を厳重にする為です。 軍法会議は旧陸海軍では、陸軍軍法会議法(大正10年法律第85号)、海軍軍法会議法(大正10年法律第91号)で定められ、 これには常設と特設に分かれます。 種類は以下のようになります。 軍法会議-+-常設軍法会議-+-陸軍高等軍法会議-+-師団軍法会議        |           |              |        |           |              +-軍事法会議        |            +-海軍高等軍法会議-+-東京軍法会議        |                          |        |                          +-鎮守府軍法会議        |                          |        |    (陸軍)                 +-要港部軍法会議        +--+--野戦軍法会議        |  +--独立師団軍法会議        |  +--独立混成旅団軍法会議        |  +--兵站軍法会議        |  +--合囲地軍法会議        |  +--臨時軍法会議        | (海軍)        +--+--艦隊軍法会議           +--合囲地軍法会議           +--臨時軍法会議 ここで裁かれるのは、軍事に関する犯罪ですが、これに基づく法律としては、陸軍刑法、海軍刑法、 軍機保護法がありました。 これらは、一般刑法に対する特別法の意味合いがあります。 陸海軍刑法は陸海軍軍人に適用しますが、軍紀の確立の為に軍人には特別の服従義務があります。 このため、一般人では罪にならない行為も軍人には罪があるものとし、特に軍人に対する刑は重くなっ ています。 陸軍刑法(明治41年法律第46号)に於ける罪の種類としては、叛乱・擅権(せんけん/権力を恣にする)・辱職が概ね銃殺となるもので、 以下、抗命、暴行脅迫、侮辱、逃亡、軍用物損壊、掠奪、違命、俘虜取扱の11に分類されます。 ちなみに、対象は軍人以外でも、軍の学生生徒、軍属、軍用船船員、捕虜も該当します。 但し、一般人でも共犯者、特種事項(軍用物損壊、戦地に於ける掠奪行為など)に該当すればこれで裁かれます。 なお、制裁についてですが、陸軍軍人の場合の制裁は、陸軍懲罰令で行なわれ、国家司法権の 所謂刑法に基づくものではありません。 営倉というのは、陸軍懲罰令に基づくものです。 軍法会議の機関としては、陸軍高等軍法会議、海軍高等軍法会議、海軍東京軍法会議では、 長官(陸軍では陸軍大臣、海軍では海軍大臣)が置かれ、その他の軍法会議では、長官は その部隊、地域の司令官となります。 軍法会議の長官は、その裁判を定め、予審官検察官を命じ、公訴及び捜査を指揮する権限が あります。 但し、自らの裁判関与は長官にはありません。 裁判官は判士(陸軍高等軍法会議では軍務局長、各課長、課員など、師団軍法会議などでは、 師団司令部、聯隊区司令部要員、聯隊付などで海軍は常設ではない)、法務官(陸軍省法務局長以下各師団法務部長、 海軍は海軍省法務局長以下、鎮守府法務長など)からなり、判士は被告と同格以上の将校、法務官は判事の資格を持つ 専任の司法官(後に法務将校、または大学法学部卒業の幹部候補生出身将校)で構成されます。 裁判は3人または5人の合議で、高等軍法会議の場合は判士3人、法務官2人であり、法務官は検察官の役割も兼ね、 憲兵を建前上、指揮しうるものとなっています。 常設軍法会議の訴訟手続きは、普通の刑事訴訟手続と同様、裁判公開主義、口頭弁論主義で、高等軍法会議に上告 も可能ですが、特設軍法会議は、非公開、弁護人選任無し、一審制です。 敵前逃亡などの裁判は野戦軍軍法会議で行ないます。 もう一つ、軍には裁判開催権があります。 占領地に於ける、占領地住民に対する軍律会議があります。 これについては、軍人が裁判権を行使するだけで、一般の刑法に則って裁判が開催されるものです。 補足。 軍律会議ですが、国際的に慣習化されており、軍の作戦地域に設置されます。 これは軍司令官以上が作戦の遂行上公布した自国民以外で敵対国の捕虜以外の人民を 審判する為に設置するもので、反逆行為、間諜行為、軍事行動妨害行為の三点に関して、 軍罰に処するために行なうもので、概ね方面軍、あるいは軍単位に設置されます。 軍罰というのは、死刑、徒刑(禁固)、追放と言うのがその刑罰となります。 #right(){(134:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **2.26の後に背後にいたとされる思想家が銃殺されたりしてるけど、軍籍でもない人間を軍法会議で処刑なんてできるの? 軍法会議には常設軍法会議と特設軍法会議とがあって2.26事件を裁いたのは 緊急勅令に基づく特設軍法会議だった。 常設の軍法会議は公開だし上告もできるけど特設の軍法会議は非公開で 弁護人もつけることができず一審制という厳しいもの。 ただ、特設の軍法会議でも一般人を裁くのはおかしいという意見はあって なんで軍籍でもない人間に死刑判決できたのかという疑問は残る。 #right{(357:776)} 扇動してたんだから、裁かれるのはしょうがない ただ軍法会議じゃなくて、一般の裁判所で裁くべきじゃないかということ 5.15のときは民間人は普通の裁判所で裁いたんだよね でもそのときは国民からたくさんの助命嘆願書が届いたりしたんで それを恐れて軍法会議でさっさと裁いちゃったのかもしれない #right{(357:779)} **"上意下達は独断専行を旨とすべし" 的なフレーズについて教えて下さい。 日本で明文化されたのは、ドイツ系の「野外要務令」(明治24年)だと思います。 「綱領」の中に、「責を各級指揮官に分ち其独断を許すべし」(原文カナ)とあります。 その後、後継の「陣中要務令」(大正13年)でも、冒頭の「綱領」の第三に挙がっています。 ちょっと長いので、アジア歴史資料センターC01001962700の18枚目参照。 さらには「作戦要務令」(昭和13年)にも引き継がれており、一般的に有名なのはこれかも。 冒頭の「綱領」の第五に出てきます。同じくC01001597300の16枚目参照。 陣中要務令では、独断専行は応変の措置でみだりにやっちゃ駄目よと戒めが強調されていたのが、 「独断は其の精神においては決して服従と相反するものにあらず」と、より積極的に勧める感じに。 あとは孫子の言葉として同趣旨の以下の一節も有名かと。 「将在軍君命有所不受」(将、軍に在りては君命も受けざる所有り) #right(){(603:329)} **戦前の平時の軍法会議について >検事役、判事役を法務官が務めていたようですが、例えば横領とか殺人のような捜査が必要な犯罪の場合、その捜査は憲兵と法務官のどちらが主催したのでしょうか? >というか、法務官(法務局)には捜査権みたいなものはあったんでしょうか? とりあえず、陸軍軍法会議法の条文上は以下。特設軍法会議等は除いた原則論。 裁判官は、判士(一般将校)と法務官の混成です。裁判長は、上席の判士。 基本となる師団軍法会議では、判士4人・法務官1人(49条1項) 将官被告の事件と上訴審担当の高等軍法会議では、判士3人・法務官2人(51条1項) 判士となれる将校の階級は、被告の階級に応じ決められています。 また正式裁判前に予審もあり、予審官は法務官が担当するのが原則です(62条)。 検察官は、法務官が務めるのが原則です(68条)。 捜査・訴追の最高指揮権は陸軍大臣(65条)、個々の軍法会議は所轄の各長官が指揮します(66条)。 捜査と訴追を実際に行うのは、検察官に任ぜられた法務官という建前です(67条)。 検察官は、陸軍司法警察官(憲兵)、一般の司法警察官を指示して、捜査の補佐を行わせます(72条)。 憲兵は、主体的に捜査を行うこともできます(73条1項)。 このほか中隊長以上(74条1項)・その委任を受けた将校(75条)が部下の捜査権限を持ってたり。 被疑者を逮捕したあと拘留するときは検察官に送致する(182条1項)など、 おおむね当時(今もだいたい一緒ですが)の警察・検察の関係に近い規定となっています。 なお、審判時の弁護人は将校や陸軍高等文官、大臣指定の弁護士から選任されます(88条)。 それから、軍法会議自体が、被告人身体・住居の捜索を実施できるなど(194条1項)、 捜査において主体的・積極的役割を果たすこともあります。 これは、当時の一般刑事訴訟がそういう糾問型の訴訟構造になっているのと同じ。 捜査の実態は、たぶん憲兵の役割が非常に大きかったのだとは思うのですが、 これは想像ですので、ちゃんとした詳しい回答者の登場を待ってください。 #right(){(611:◆yoOjLET6cE)} **本土で撃墜したB-29の搭乗員の中で銃殺や打ち首にされた人がいるみたいだけど、なんで斬首や打ち首? >当時の死刑の方法は絞首オンリーだった希ガス ドーリットルの本土初空襲を契機に、陸軍省と参謀本部は、非軍事目標への攻撃に関わった敵搭乗員を戦争犯罪人として処罰する為、 1942年7月に「空襲軍律(案)」を制定し、防衛総司令官、内地各軍司令官、外地総軍司令官に実施を命じ、内地では防衛総司令部が、 「空襲時ノ敵航空機搭乗員ノ処遇ニ関スル軍律」を制定して、公布。 防衛総司令部が廃止され、第一総軍と第二総軍になると、第一総軍では、「第一総軍軍律」、「第一総軍軍律規程」を制定します (第二もほぼ同じ)。 普通の裁判規程と違って、軍律会議では死刑を絞首刑一本に絞っていません。 これは戦地で裁判をする場合の即決性を重んじたからであり、普通の裁判では死刑に処するとしても、形式に則って絞首台など を整えなければならないのに対し、「手軽」に執行出来る死刑形式を用いた訳です。 ちなみに、軍律会議と言うのは広義の軍法会議ですが、対象は日本人ではなく、原則的に外国人が対象でした。 でもって、戦地(国内もこの時代になると戦地扱い)では、立法手続きに則って公布された法律よりも、軍が必要に応じて公布した 軍律の方が優位に立ちます。 これは、国外占領地ではより一層顕著で、占領地では明確にその地を併合としない限り、占領軍に法律を公布する権利はありま せんから、その代りに「軍律」と言うものを公布して代替したわけです。 #right(){(294:眠い人@規制中)} **戦地の軍事法廷では弁護なしが普通だって本当ですか? 旧日本軍の場合は、本当です。 常設軍法会議の場合は、刑事訴訟手続に準じ、 裁判公開主義・口頭弁論主義ですから、裁判は公開され、弁護人を付けることが 出来、尚かつ、その判決に不服ならば上訴する上訴権があります。 が、特設軍法会議(野戦軍軍法会議など)は、非公開で行われ、弁護人を付ける ことが出来ず、一審で結審します。 #right(){(258:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **法務将校なる軍人が軍法会議で裁判・検察・弁護人を務めていたそうですが、法務将校について教えてください。 元々、法務将校は軍人ではなく、陸軍文官つまり軍属です。 1942年に法務官から法務将校となり、将校担当官(つまり軍人)となりました。 彼らの業務内容の主な内容としては、一般に言う軍法会議の裁判官があります。 これは、判事の資格を持つ専任の司法官で、合議制の下で行い、高等軍法会議の場合は、5名からなるうちの2名が 法務官でした。 (5名の内の残り3名は判士と言い、陸軍の場合は、高等軍法会議では陸軍軍務局長以下各課長・課員、師団軍法会議 では、師団司令部員、聯隊区司令部員、聯隊付などで、海軍は特に定まっていませんが、陸海軍とも被告人と同格以上 の将校です。) 軍法会議に於ける法務官は、陸軍の場合は陸軍省法務局長以下、各師団に配属されていた法務部長が充てられ、 海軍の場合は、海軍省法務局長以下、鎮守府法務長以下となっています。 また、法務官は検察官の役割をも果たし、その訴訟指揮の為に憲兵を指揮することも可能でした。 もう一つ、占領地住民に対して行う軍律会議というのもあり、こちらの訴訟にも法務官が裁判官、検察官としての役割 を果たすようになっています。 これらの訴訟を維持するために、検察事務官に当たる人々がおり、彼らは法事務官(後に法事務将校担当官)と呼ばれ ていました。 法務将校担当官は、法務中将まで進級出来ますが、法事務将校は、少佐止まりでした。 また、数は少ないながら、法務准士官、下士官、兵もありましたが、これは1945年に制定されたもので、監獄長、録事 (軍法会議の書記)、看守長、看守がそれに当たります。 彼ら法務准士官の昇進先は、法務将校ではなく、法事務将校です。 補充は、基本的には法務官試補依託学生制度に基づき、帝国大学で法学を学ぶ者に手当てを支給し、毎年軍事教練 を行っていました。 そうして、大学を卒業したら、司法官試補の資格を得て、法務部見習士官となり、経験を経て、法務部将校となっていき ます。 なお、戦争の激化で人材が払底したら、大学法学部卒でも良いことになり、幹部候補生出身将校で代用しています。 東京裁判においては、凡そ多数の人々が弁護士資格が無くても弁護人になっていたりしましたので、元法務将校の 弁護人がいたかもしれません。 また、彼ら法務将校の中には、英米法体系の研究者として欧米から一目置かれる人がいたりしています。 #right(){(191:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **旧軍の法務将校って何するんだ? 法務将校は、軍法会議、軍律会議に於いて、裁判官と検察官の役割を果たします。 旧軍の場合、陸軍刑法、海軍刑法、軍機保護法などに抵触した場合、軍人、陸軍所属の学生生徒、 軍属の他、陸軍刑法の場合は陸軍の司令下に置かれた海軍軍人、民間人でも、共犯者や軍用物損壊、 戦地に於ける掠奪行為があった場合は、訴追対象となります。 >法務将校は弁護士資格が要ったのでしょうか 弁護士資格は不要ですが、太平洋戦争が激化して、法務将校が払底するまでは、 司法官試補(後に法務官試補)の資格が必要でした。 司法官試補は、判事任命前の見習いみないなもので、裁判所または検事局で実務 の修習を行い、1年6ヶ月経過後に考試を経て、判事に任命されます。 太平洋戦争激化後の軍隊の拡大の中で、法務将校は不足したため、後に、大学法 学部卒業の幹部候補生出身将校が任命されるようになりました。 #right(){(216:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **爆撃機のパイロットが何かの拍子に不時着して、投降したら捕虜として保護しなきゃいけないの? 投降したなら、国際法上ではそうすべき、と定められてる。 保護さえしておけば、少なくとも国際法上の非難は受けずに済む。 保護せずに虐殺したら、戦略爆撃した側もされた側も国際法違反ではどっちもどっち、って 言われても仕方ないかもね。 #right(){(戦争板初質スレ7:219)} ----

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