「エンジン」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

エンジン」(2024/03/20 (水) 21:51:43) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

#contents ---- **複数エンジンの飛行機って(ジェットでもレシプロでも)旋回とかする時、機体左右のエンジンパワーを変えたりしてるんですか? 航空機ではバンクするという手がありますので、エンジンパワーには頼りません。 エンジンのリアクションは遅れるし、速度変化によって姿勢や高度の変化も生じますから、 操縦翼面が損傷したときの非常手段、あるいは特殊な場合の補助にすぎません。 #right(){(3:839)} **始動してるジェット機のインテイク部分ってほんとに人が吸い込まれてグチャってなる位強い負圧があるんですか? ノズルから噴出されるのと同量の空気が吸い込まれるわけですから、近づき過ぎれば一発です。 実際に狭い空母の甲板上ではいくら注意をしても数年に一度くらいは起こるそうです... なんか「びっくり映像」の類で見たことがあります。何かが入り口に引っかかって助かったような。 燃料燃やしているとは言え、後ろからあれだけ勢い良く出ているわけだから、吸い込む方もそれなりだと思われ。 #right(){(4:319-320)} **昨日見た発艦の画像は、戦闘機から吹きだすジェットの炎は青でした。昔見た、深夜の発艦訓練の画像では炎の色はオレンジっぽかったのに… >これってジェットエンジンの高出力・高燃費と関係ありませんか? 燃焼効率が上がった為でしょう。 温度だけではなく、より完全に燃焼しているのだと思います。 燃焼後の排気に、炭化水素やすすが多ければオレンジ色の炎になります。 F101系(F101,F404,F110)のエンジンは、ABの炎が青いですよね。 #right(){(11:G_Tomo)} **ジェット戦闘機は、なぜエンジン音うるさいのですか? ジェット機の騒音は、主にファン音(キーンというファンの風切り音)と、 ジェット音(排気が周囲の空気との速度差から発生する渦の発するドロドロという音)に別れます。 ジェット音は排気速度が、速いほど大きく。ジェット戦闘機がウルサイのは主にこれの為です。 (更に超音速ジェット戦闘機は、アフターバーナーという再燃焼排気加速装置を付けているのでさらにウルサイです。) 旅客機は、高バイパス比ファンエンジンのおかげで排気速度が遅く、ファンが主な騒音源となります。 旅客機は騒音規制の点から早くから騒音対策に取り組んでいましたが、 軍用機はこれまでなおざりというか優先順位が低かったのですが、ステルスが注目されて以降は、騒音にも気を配るようになっています。  B-2は亜音速機ですので、排気速度はそれほど高くなく、 ファンも空気取り入れ口からかなり奥まった位置に有るので騒音が低いのでしょう。 #right(){(11:G_Tomo)} **3発以上の戦闘機って今までに存在したことってあります? カーチス社製最後の戦闘機である、Curtiss F-87 Black HawkがJ34ジェット エンジン4発です。 ただ、試作機だけで量産型は、J47双発になる予定でした。 あと、計画のみですが、海軍のMcDonnell FH Phantomは、6発のジェットエ ンジンを装備する予定でした。 こちらは、幸いにして高出力エンジンが手に入ったので、双発になりましたけど…。 それから、かなり反則になるかもしれませんが、FranceのTrident、MirageIなどは、 ジェットエンジン双発にロケットエンジン一基の3発機ですし、France、旧西ドイツ、 旧ソ連で試作されたVTOL戦闘機の中には、推進用ジェットエンジン+リフトジェット エンジン数発というものもありました。 #right(){(12:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **戦闘機にエアークリーナー付いていないんですか? 「フィルター」ですか? 抵抗になってエンジン出力が落ちるだけです。 そもそも異物を吸い込むような使用は考慮外です。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも、エンジンは不調になります。 民間機と違って安全マージンが殆どないんです。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも不調になり、それを取り除くようなフィルターをつけると 飛行性能の低下を招くので、フィルターはついてません。 旅客機のジェットエンジン(前側が開いているやつ)を見れば分かりますが、結構傷だらけです。 対して、性能のために安全マージンを削っている戦闘機のエンジンは非常にデリケートです。 #right(){(13:623-624)} >サウジとかイラクなどの砂漠でも大丈夫なんですか? 砂漠なんかだとエンジン交換間隔が短くなるんだと思う。 そういえばBf109とかはTrop仕様があったね。あれはフィルターだ。 音速超える戦闘機はフィルタなんかつけたらそれ自体が壊れてエンジンに吸い込まれちゃうでしょう・・・ #right(){(13:627)} ちょっと調べてみた。 Mig-29は金網ではなく、扉がある。 完全閉鎖するのかはちょっと分からないけど、完全に閉鎖したらヤヴァイと思う。 Su-27系は金網(ヒンジ状)があって、開閉式。 #right(){(13:645)} **現在ってもうジェットエンジン使わないとまともな戦闘機作れないんんですか? レシプロエンジン+プロペラとジェットエンジンでは推力重量比が格段に違います。 より大きな推力重量比を求められる戦闘機では、もはやレシプロエンジンの出る幕はありません。 #right(){(19:らむ ◆26Am7uFo)} **経済性が重要な機種にターボプロップということはジェットより燃費は良いのでしょうか? 燃費に関してはプロペラってのはかなり効率がいいの。 低速~M0.65あたりまでの効率はすごくいい。 それ以上の速度だと抵抗が増えて頭打ちになってくる。 巡航高度はまちまちだけど主に30000ft以下だね。 それと基本構造からして結構違うけど制作費よりも 運用面での経済性を重視するのが普通。 旅客機なんかの場合は速度もある程度重視されるから 高バイパス比ターボファンが使われる。 M0.7~M0.90まではこのエンジンの独壇場。 巡航高度はこれもいろいろだけど40000ftくらい。 音速超えるエンジンは低バイパス比ターボファンやターボジェット。 #right(){(19:360)} **ジェット機のエンジンは何を使って制御しているんでしょう? 飛行制御が、機械式からFBW(Fly By Wire)に変って来たように、 最近はエンジン制御も、機械油圧式からFADECと呼ばれる電子式制御に変わって来ています。 根本には、最近の他の制御技術と同様、人の行なう入力と実際の出力の間にコンピューターによる制御を介在させようという考えがあります。 #right(){(26:G_Tomo)} **水噴射エンジンと言うのを聞きますが(B-52とか)どんなエンジンなんですか? エンジンの吸気側に、水を噴射することで吸気温度を下げ、 エンジンの空気充填効率をあげる、パワーアップ装置がついたエンジンのこと。 #right(){(26:738)} **ターボファンとターボジェットはどう違うんですか? 簡単に言えば…。 ターボジェットに大直径のファンを取付け、空気の流入を大きくして後方に 排出する推力を補う機能を有するものがターボファン。 ファンが付いていないのが純ジェット(ターボジェット)。 #right(){(37:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **純国産高性能エンジンを生産出来る可能性はありますか? 過去ログ倉庫に国産エンジンスレがあったと思います。 それを一読なさってみては? 日本のエンジンはなかなかどうして、高バイパスターボファンエンジンの分野では 結構先端を行ってます。 また、戦闘機エンジンでも強力な純国産エンジンが開発されつつあります。 但し、戦闘機の開発は、また空母の開発にしても相当なお金が掛かります。 個人的な考えを言わせて貰えば、道楽なら兎も角、国の事業では「軍用機を」開発するのは 理解されにくいと思いますけどね。 現在でもF-2で手一杯の状況ですし。 #right(){(39:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **「ライトサイクロン」「ダブルワスプ」といった名称は何を意味しているのですか? エンジンの愛称。要するに「火星」だの「栄」だの「誉」みたいなもん。 使用機体は以下の通り。 ・P&W R2800ダブルワスプ→F6F・F4U ・ライト R-2600サイクロン→TBF-1アベンジャー・B-25ミッチェル ・ライト R3350デュプレックス・サイクロン→B29・ダグラススカイレイダー ・アリソン V-1710→P-38Fライトニング・P-39Dエアラコブラ 見てのとおり、その4基で米国のほとんどの航空機はカバーしてます。 #right(){(42:名無し軍曹)} **同規模の大きさのロケットエンジンとジェットエンジン(形式問わず)を比較すると >ロケットのほうがだいたいジェットの2-3倍で圧倒的に推力が大きいのは 単純に推力とエンジン重量の問題でしたら、 ロケットの方が機構的に「単純」だからです。 #right(){(42:128)} **ジェットエンジンのFODってなんですか? FOD: Foreign Object Damage 地上に落ちているいろいろな物を飛行機のエンジンが吸い込んでエンジンが壊されること だそうです。 #right(){(45:440)} **日本ってジェットエンジンに関してはかなり後進国という印象があるんですが空自のジェット機のなかでエンジン含めて完全国産って何機種くらいあるんでしょう? んなこたーないです。 日本の国産ジェットエンジンの技術は世界に誇れる部分があります。 特に高バイパス比のターボファンエンジンの分野では、RRが共同開発を打診したくらいです。 空自のジェット機の中で、エンジンが国産なのは、T-4とT-1Bです。 T-4は石川島播磨重工のF3を、T-1Bは同じく石川島播磨重工のJ3を搭載しています。 #right(){(46:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 推力3tくらいのアフターバーナー付ジェットエンジンを作る技術はあります。 T-4練習機やT-2超音速練習機のエンジンも国産です。 でも最大推力15tといったような強力なエンジンを作る経験はまだまだ全然 足りません。F-15やF-2のエンジンをライセンス生産していますが、それだけ では設計するノウハウまで手に入りません。 でも、H-2のようなロケットのエンジンも自力で設計できたわけだし、これから 時間とお金をかければ(掛ける気さえあれば)可能になると思います。その時 にはロシアやアメリカはもっと凄いエンジン作ってそうですが。 #right(){(46:365)} ちなみに「高バイパス比のジェットエンジン」というのは旅客機や輸送機に使われる もので戦闘機のような機種には使いません。こうしたエンジンとはまた別の難しさが あります。眠い人氏の解説は間違ってはいないですが誤解を招きそうなので僭越ながら 突込みをいれておきます。 #right(){(46:367)} **VTOL中にリフトエンジンが故障しても平気な飛行機なんかあるわけないと思うが ハリアのエンジンの場合エンジンが停止してもトリムがいきなり大きく変わることはない。 フォージャーの場合はメインのエンジンとリフトエンジンが別になっているので リフトエンジンが止まるといきなり前のめりになる。この場合、人間が反応して ベイルアウトする頃には下向きに射出することもあり得る。 #right(){(50:273)} **ロケットとジェットの推進力を発生させる原理は別なんでしょうか? ジェットエンジンは後ろから出す燃焼ガスの反動で進むので仮に後ろに空気がなくても 前進する力は出すよ。 #right(){(53:908)} 燃料を燃やす酸素を空気中から取るか機内に(あるいは燃料内に)蓄えているかが ジェットとロケットの基本的違いです。 プロペラ機ですら、プロペラが大気を押し出した後は、理屈上はそこから 後は真空であっても推進可能です。とはいえ、 地上近くでジェット排気を下方に向けた場合、翼面などが手伝って一種の エアクッション効果は産まれます。例えば、ハリアーはある程度地上近くでは、 ジェット排気の反動以上の揚力が得られます。もっとも、これはロケット エンジンとその排気であってもまったく同じです。 #right(){(53:911)} **ジェットを下方に吹くことによる利得 飛行機を短い距離で離陸させたい時、翼の空力だけで 浮かぶのではなく、エンジンパワーにモノを言わせて 上昇して行くことも出来ます。 要するに機首を上げて地面に向けてジェットを吹いて やればよい。 てな意味です。 まあ、現用戦闘機の出てくるビデオでも観てください。 (陸上基地での離陸シーンのある奴ね。) #right(){(53:892)} **アフターバーナーってどういう仕組みですか? 簡単に言えば、ジェットエンジンの排気に生燃料を吹き込んで どっと燃やし、一気に推力を稼ぐ方法です。当然、燃料をバカ食いします。 #right(){(62:265)} **日本の戦闘機のエンジンを作る技術はどのくらいあるのですか? 練習機用の小型エンジンであればいくつか国産されていますが、戦闘機用のエンジンは 国産化するところまでは至っていません。現在、開発中の段階です。 #right(){(62:FFH331 ◆3.CSSBl9VA)} **ジェット機の凄まじい騒音の原因はどこにあるのでしょうか? 一番はジェットの排気音です、「ドロドロ」というのは大気と混ざる時の渦が原因。 前方からは「ギーン」というコンプレッサー音も凶悪ですね。 #right(){(63:64)} **二重反転プロペラは単発機でプロペラシャフトの回転方向に機体が動くのを逆方向のトルクで打ち消すのが目的? >互いにプロペラの回転方向を変える事が可能な双発以上の機種で採用するメリットを教えてください。 >ひょっとしてエンジンあたりのプロペラ数を増やして推力を増そうとする工夫なのですか?  同じ直径であれば吸収馬力が増やせ(推力の増大)、 同じペラ枚数の1方向回転に比べ旋回流が減り(僅かですが)効率が改善します。 #right(){(75:843)} **アフターバーナーの使用可能時間と、そのときの燃料消費量はどのくらいのものなのでしょうか? 一例として、F-4Eファントムが通常のエンジン出力でマッハ0,5からマッハ0.9まで加速するのに 54秒かかり、この間に消費する燃料は259㍑ですが、アフターバーナーを使うと 同じ加速を約22秒で行なえます。しかし燃料は通常より136㍑も余分に消費します。 つまり、毎秒18㍑を消費するわけです。 現在は多くの機体がターボファンエンジンを使用しているためこれよりは消費量は低いでしょうが、 いずれにしても桁違いの消費量でしょう。 #right(){(75:名無し軍曹)} 戦闘機用ターボファンはアフターバーナーで純ジェットより多くの酸素が残っているため、 推力増加率がジェットより30%ぐらい多くできるのですが(F100初期型の場合)、当然その分 余計に燃料を燃やすのでアフターバーナーを使ったときの燃費は純ジェットより悪化します #right(){(75:767)} **単発エンジンの戦闘機を双発機と比較した場合、単発機には価格や整備するエンジンが一つで済むと言う以外に、性能的な面でどのような利点がありますか? やっぱ安いでしょうし、整備の手間がエンジン1個分(それだけでもすごいが)楽 になるんでないかと。 #right(){(77:784)} **排気タービンのまわりってものすごく高温になって下手するとガソリンに引火したり機体の表面そのものが溶けるって本当? 本当ですよ。 耐熱合金製ケースが赤熱してる状態ですし、断熱・廃熱がうまくいかなければアルミなんか簡単に溶けます (その前に強度を失って壊れるけど)。 その様な危険物をエンジン周りの狭いスペースにパッケージングし(P-38の様にダクトを引き回したものもありますが) 安全に運用出来るかで技術力の差が出るわけで・・・ #right(){(86:186)} **新型の戦闘機のエンジンって旧式のエンジンよりうるさいんですか? そうでもない。 #right(){(93:71)} **双発ジェット機のタービンは2つとも同じ方向へ回っているのですか? 二つとも同じ方向に回ってる。逆に回すにはタービン翼から何から全部逆に作らなきゃいけないでしょ。 #right(){(97:225)} **ダグテッドロケットエンジンって一体何に使われてるんでしょう? ダグテッドロケットエンジンは旧ソ連が対空ミサイル(SA-6だったか)で実現した もので、ミサイル用エンジンとしては保守が簡単でシンプルで高性能を引き出せると 注目を集めて西側では30年ほど前から盛んに研究されているようですが、なぜか実用に 達したものがないという不思議 #right(){(98:409)} ラムジェットは運転条件(速度・空気密度)に敏感で、 高速で巡航する用途以外には使い辛いのですよね。 #right(){(98:414)} おっしゃる通りです。最初はロケットとして発進、途中から 外気が入って固形燃料ラムジェットに、というパターンを ダクテッドロケット、と通称しているようです。速度がないと 推力が出ないラムジェットをブースターなしで発射する、という方式ですね。 #right(){(98:system ◆uBkmmPOcL.)} **ターボブロップ ターボファン ターボジェット >ジェットエンジンってほかに種類があるのならどんなものがあるのですか? パルスジェット ラムジェット スクラムジェット とかかな。 #right(){(101:37)} **双発エンジンの戦闘機ですが、左右のエンジン・ファンの回転方向は、 >回転モーメントを打ち消すように、それぞれ反対方向に回転させているのでしょうか。 詳しくは識者に任せますが、ピストンエンジンの場合、回転トルクを打ち消すために、 左右でそれぞれ反対方向にプロペラを回転させることが多いです。 但し、同期を取るのが難しく、日本の場合こういう形のエンジンを装備していた機体は 殆どありませんでしたので、回転方向に若干の当て舵を行なっていたようです。 旋回性能は、双発戦の場合余り重視されるものではないので、無視しても良いくらいでしょうね。 #right(){(104:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} おっしゃる通り反対方向に回転させていた双発機もあります。 でもね、単発機でもプロペラの回転によるモーメントは生じるでしょ? そのモーメントは垂直尾翼をオフセットすることで対処してます。 で、双発機の場合も反対回転のエンジンとプロペラを生産するよりも 尾翼で対処することの方が手っ取り早いんで、そうしてます。 軍用機は理想を追求するよりも消耗品と割り切って合理的な対処をするものなのです。 #right(){(104:556)} 本来なら反方向回転のほうがよいのですが、実際のところ同方向回転が多いようです で、同方向回転だとプロペラ後流で左右の揚力の不均等が出ます プロペラの回転数やピッチが一定なら、当て舵で問題ありませんが、回転数を変えたは思わぬ挙動をします (バイクで言えばBMWのRが開け閉め急にすると振られるようなもんですね) たしか飛行艇US-1は4発で同方向回転のため、離着陸時にはかなり苦労してたはずです ラジコン飛行機のタッチアンドゴーでエンジン回転数を急に変えたら、 急にロールして落としたことあります(笑) 低速大迎え角の場合、プロペラ後流の影響が大きいので急にペラ回転数を変えると機首を振られます 自分が落としたのはこれかと シャフトやペラの慣性で振られるというより、プロペラ後流の影響ですね #right(){(104:557,585)} 通常の飛行機ではトルクがそれほど極端な問題になることはないので、他の方が回答されているとおりなのですが。 ハリアーのペガサスエンジンでは、垂直離着陸時の安定を考えて、ファンとコンプレッサーの回転方向を逆にしています。 #right(){(104:558)} >ハリアーのような特殊な機体を除くと、特に回転モーメントの影響を考慮した設計をしていないのが普通だと言う事ですか。 トルクと言ってるのはアシンメトリー・スラストっていう飛行機が若干の仰角を持つことに起因する推力の左右不均等が主役でして、 相当大きなエンジンを載せた機体でもジャイロスコープ効果が体感されることはまずありません。 ヘリコプターですとジャイロ効果は動力学の主役なんですけど。 ましてやジェット機では少々ファンが大きかろうが絶対に飛行特性には影響しません。 (こう書いて、ハリアーだけはちょっと不安だけど、翼端からブリードエア噴き出す操縦方式の確実さに較べて、 ファンが何か悪さをする余地はまずないだろうと思います) 実際に飛行機を操縦して、『トルク』が感じられるのは、離陸の引き起こし時と、 訓練でやるスローフライト、スピンくらいです。 それでも、ロッキードP-38なんかは左右逆転エンジンのバリアントがあります。 尾輪式戦闘機が大馬力化するにつれて、地上ハンドリングで壊してしまう率が高いので、 その対策としてとったのだと思います。飛行中はほとんど関係ないですから。 で、地上ハンドリング問題は、3車輪化でほぼ解決したので、 エンジン逆転まではやる必要なかったようです。後期のモデルでは省略したりした。 飛行機屋から見るとこういう意見が出るんですが、無関係でしたか? #right(){(104:564)} **ラムジェットって、なんでラムジェットって言うんですか? ram には詰め込むとか押し込むという意味があります。 ジェットエンジンの特性として圧縮された空気を燃焼室に送り込むというのがありますが、 いわゆる普通のジェットエンジンはコンプレッサー(圧縮機)を使いますが、 ラムジェットは空気取り入れ口を漏斗のような形にすることで 自然に圧縮される仕組みになってます。 機体が停止状態にある場合は空気を押し込む気流が無いので燃焼しません。 そういう場合には他の手段を用いて燃焼可能な一定速度にまで持っていってから 始動させます。 #right(){(109:26)} 昔ちょっとだけ実験した程度でうろ覚えなので あくまで基本的概念ということにしておいてください。 ちょっとだけ付け加えると、 ・稼動部品が少なく構造が簡単 ・高速になればなるほど有利(マッハ5以上くらい?) というのもあります。 高速になるとコンプレッサーのブレード自体が抵抗になってしまう とかいう理由があったようななかったような。 燃焼可能な一定速度に持っていくには、別の航空機にぶら下げていったり ロケットやカタパルトで発射したり、最近では低速だとターボジェット、高速だと ラムジェットという1台2役のも研究されてるらしいです。 #right(){(109:36)} **ターボファンやターボ-シャフトエンジンは推力を高くしたモデルがどんどん出てきていますが >これは何を変えていてどのくらいの能力向上が原形に比べて可能なのでしょうか? ・空気吸入量を増やす。 ・圧縮機の効率を上げて圧縮比を引き上げる。 ・タービン入り口温度を高める。 それからターボファンは「推力」だが、ターボシャフトは「出力」だかんな。 #right(){(110:376)} **なぜエンジンの推力をレシプロエンジンは馬力で表示してジェットエンジンはニュートンまたはkgwであらわすんでしょうか? 上の質問の答え。 http://www.warbirds.jp/ansq_old/A1000494.html #right(){(110:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} … レシプロの「馬力」はエンジンの出力で推力じゃありません レシプロエンジンの場合、飛行機だろうが船だろうが推力を発生するのはプロペラです #right(){(110:350)} **ターボジェットとラムジェットで機械の構造としてはどう違うんでしょうか? ターボジェットは取り入れた空気をタービン(エンジン内部にある何重にも重なった羽根車)で圧縮して燃焼室に送り込む。 送り込まれた空気は燃料と混合されて燃焼し、その排気が推力となる。 機体が静止状態から駆動でき、亜音速~超音速で威力を発揮する。 最近ではタービンの前にファンと呼ばれる一種のプロペラをつけ、これで加速した空気を後方に噴出して推力を増加させたターボファンエンジンが主流。 ラムジェットはラム効果によって圧縮された空気を燃焼室で燃料と混合して燃焼、推力とする。 タービンがなく、極超音速に向くが超音速でなければラム効果が利かないので、機体を他の推進手段で加速する事が必要。 #right(){(111:969)} **過去に違う種類のエンジンを複数搭載した機体は存在したんでしょうか? P-2V P-2J #right(){(117:86)} P-2Vとか、B-36の後期型とか。 巡航時と戦闘時で使い分けるという発想だったらしい。 最近は見かけないのは、整備や補給の手間とかのデメリットの方が大きいからだろう。 #right(){(117:88)} アメリカのB-36 ピースメーカー はレシプロエンジンとターボジェットエンジンを混載している。 あとは、日本の海上自衛隊もつい最近まで使っていたロッキードのP-2。 レシプロ/ジェット混載のメリットは、燃料消費量が少なく巡航に有利なレシプロで 巡航し、離陸時や急加速時などにパワーのあるジェットが使える点。 デメリットは、エンジンの整備が面倒になること。 系統の違うエンジンを多数積むわけだから、整備の手間が倍々で増えて行く。 #right(){(117:91)} P2VやB-36はエンジン使い分けるわけじゃない プロペラ(ピストンあるいはターボプロップ)はいつも動いてる。 離陸時ほかの緊急加速時にジェットを追加で動かす。 #right(){(117:92)} 既に挙げられているP-2Jは、ターボプロップ+ターボジェットです。 BLC用ジェネレーターやAPUといった推進に直接関係ないエンジンは、ご期待に沿わないと思いますが、 V/STOL用リフトエンジンを備えた機体はかなり有ります、実用化したのは少ないですが(Yak-38) また50年代の一時期SR.53、XF-91、トリダン等の ロケット+ジェットの混合動力機が、 強力な上昇力を持つ迎撃機として盛んに開発されましたが、 これも実用化した機体は有りません(強いて言えばミラージュIIICか) さらにターボジェット+ラムジェットという変り種のグリフォンIIとかどうでしょう。 #right(){(117:135)} **航空機や戦車に搭載されたレシプロ発動機に関して、最高出力は良く記述されているのですが、トルクはどの位あるのでしょう。 トルクは個別のエンジン名でググるか、航空機の書籍を買いなさい。 一応航空機は出力を重視する傾向があるが、国や時代、機種別に違うし、そもどちらも重視していない場合もある。 例えば戦車のディーゼルはトルク重視のごとく言われるが、戦中の日本はガソリンの調達難、 ソ連は火災防止、東西冷戦期の西側は航続距離を重視してディーゼルを選んだ。 その他、エンジンの特性を考えるに、稼働率やエンジンの生産性、コストなども重要。 資本主義国では、軍需メーカーと言えども国家が採算を保証しない限り、軍用エンジンなぞ作らないから。 #right(){(118:16)} **ジェットエンジンの冷却は不要なのでしょうか? 不要ではないです。 実際ジェットエンジンの内部はかなりの高温で、最高温度は1000℃を超えます。 そのため、ジェットエンジンには特殊な耐熱合金が使われています。 またジェットエンジンのタービンブレードは内部が中空になっており、そこに 空気を流して強制的に冷却しています。 近年のジェットエンジンはターボファンエンジンが主流になっており、バイパスした 空気を冷却に当てることが出来ます。 #right(){(123:676)} 詳しくは、航空・船舶板にて質問すべきだが タービンエンジンの吸った空気の約7割は燃焼してないと考えて いいんじゃないかな。(アフターバーナーは除外) つまり、圧縮空気のまま排出したり、冷却したり、室内を暖めたりしてる。 #right(){(123:678)} **西側(F100系など)と東側の戦闘機(AL-35Fなど)のターボファンエンジンは性能面で差があったりするのですか? >推力だけを見るとそんなに変わらない気がするのですが(最近は西側の方が優っているようですけど) 一般にロシアなどのエンジンはメンテが面倒、かつメンテ間隔が短い、かつ寿命自体が短い。 これは旧ソ連時代の整備体系の影響で、耐久性の限界に来たエンジンをどんどん交換する発想だったから。 エンジンコントロールもFADEC(全面デジタル制御)になってなかったり、不完全だったりするので メカ依存部分が多く、調整が面倒だったり、使用条件によって問題のある作動をすることがありそう。 もちろんデザインの完成度、成熟度にもよるから、西側でもダメなのはダメだけど。 代わりにというか、ロシアのエンジンは軽量なのが多い。その分寿命が短いという話もあるが、 エンジン寿命を使い切ることはなかなかないので、むしろ西側のエンジンの方がオーバースペックで よけいな重量増をかかえているという考えもある。 また、最近のロシアのエンジンはメンテも普通になってきているらしい。 #right(){(349:504,507)} **パルス ウェーブ デトネーション エンジンというのはどういうエンジンなんですか? 現行のジェットエンジンが通常の燃焼であるのに対し、デトネーションエンジンは文字通り爆轟燃焼であることが違いです。 このため大変効率がよい。V-1と似た原理で、混合気を作っては爆轟させて放出し、その反動で飛ぶ形式です。 各国が競って研究中。 ttp://mech-me.eng.hokudai.ac.jp/~spacesystem/2006/05/post_11.html #right(){(348:70)} **戦闘機のエンジンを双発にする意味はなんですか? 現代の戦闘機(70年代以降に実戦化されたもの)では 「推力重量比の向上」が最大の狙いです 片発故障・被弾時の生存性などは付加的理由にすぎません #right(){(36:808)} **ラムジェットって、技術的には可能だと思うんですけど、なぜ戦闘機等で採用されないのでしょう。 それだけの高速で巡航する必要が無いからです ラムジェットは 上述のターボファンと違い百パーセントの推力を燃焼ガスから得ますので 当然燃料もどか食いです SR-71のエンジンは巡航時にはラムジェットになります。またロシアの対艦 ミサイルはロケットモーターの燃え尽きた空洞をラム燃焼室として利用する ユニークな方法でいずれもマッハ3以上での巡航が可能です #right(){(42:94)} **ジェットの戦闘機やヘリって、機体にエンジンのタービン位置を示すラインが描いてありますよね。 >あれって何のために描いてあるんでしょうか。 基本的には、このラインより前に立つな、という意味です。 #right(){(67:484)} タービンエンジンが吹っ飛ぶようなことが起こると 高速のタービンブレードが四方八方に飛び出します。 だから非常時にはこの横に来るなという意味もあるかと。 #right(){(67:588)} **アフターバーナーの使用可能時間と、そのときの燃料消費量はどのくらいのものなのでしょうか? 一例として、F-4Eファントムが通常のエンジン出力でマッハ0,5からマッハ0.9まで加速するのに 54秒かかり、この間に消費する燃料は259㍑ですが、アフターバーナーを使うと 同じ加速を約22秒で行なえます。しかし燃料は通常より136㍑も余分に消費します。 つまり、毎秒18㍑を消費するわけです。 現在は多くの機体がターボファンエンジンを使用しているためこれよりは消費量は低いでしょうが、 いずれにしても桁違いの消費量でしょう。 #right(){(75:名無し軍曹)} **輸送機にはプロペラとジェットエンジンの2種類あるようですが、どのように使い分けてるんでしょうか? >メリット・デメッリトとかあるんでしょうか? ・プロペラのジェットに対するメリット・デメリット メリット:低速時の加速が良い、プロペラ後流を使って高揚力を得やすい=>STOL化しやすい。 燃費良い。 デメリット:高速化が困難 #right(){(85:865)} 補足 プロペラの利点:長時間の滞空能力(ただし低速) プロペラの欠点:低出力ゆえのペイロードの少なさ #right(){(85:system)} 特に使い分けしている訳ではありません。 ただ、経済性を求められる輸送機の場合は、Turbopropの方が経済的で 整備性も良い傾向にあるようです。 #right(){(85:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **戦闘機のジェットエンジンって雨の時などは、パワー低下はおきるのでしょうか? タービンエンジンは結構雨に強いです。(逆に推力増強の水噴射とか有りますし) 前にフロリダで豪雨で民間機が落ちた事がありましたが、 そのときの記事でも、かなりの重量%で水を吸い込まないと大きな推力低下は起こらないと言うことでした。 #right(){(88:372)} 以前エアレスで同じ質問がありまして、重量%にして5%以内なら雨はエンジンに何の害も与えないし、 流入質量がするため推力が増すそうです 旅客機パイロットはこの意図しない(制御もできない)推力変動にいつも泣かされるそうで #right(){(88:389)} FAAのエンジンFOD試験に、空気流量の4%重量の水の吸い込みで3分間エンジン運転条件を保つというテストがあります。 この辺りを大きく超えると問題なんでしょうね。 あとは前にも書きましたが、鳥だとか氷・雹・石と砂の混合・飛散した動翼片・タイヤの破片などのFODテストが有ります。 #right(){(88:411)} **ラムジェットって正常作動するためには、本体がマッハ以上で飛行してなきゃならないですよね? >ラムジェットって高機動によって運動エネルギーが失われ、対気速度がマッハを下回っても、正常に作動し続ける事ができるのでしょうか? ミサイル、特にSAMやAAMの燃焼時間は短い。当たる前に推力は失われて慣性で運動している。 砲弾を遠くに飛ばすのと同じ理由により長距離の対空ミサイルは斜め上から落ちてくる。 終端誘導では空力制御だけで向きを変えてる。推力は利用していない。 ラムジェットなんで目標についたときにまだ作動してるかもと考えた? 長距離ってのはより長い時間推力を得ることで実現してるんだろうけど、 より遠くにある目標地点ではやっぱり燃焼が終わっている。 だからラムジェットが作動しているかというのは考慮しないでよい。 #right(){(91:629)}  ラムジェットは高速であればあるほど効率が高くなるが、別に音速以下でも動作するぞ。  ナチスドイツのFi-103(V-1飛行爆弾)も単純ラムジェットエンジンだが、飛行速度は 音速よりはるかに低い。  でもって、推進装置にラムジェットを使っているミサイルは、大概ラムジェットを初動 ブースター・・・つまり、発射して加速する段階の推進力に使っている。  だから、 >固体ロケットやらターボファンエンジンやらを併用して、 ><それらの燃料が尽きた後でもラムジェット作動させて長射程を実現させる>  ここがまず間違った認識かと。  で、の質問だが、  ミサイルは例え推進源がカットされても、慣性の法則にしたがって飛びつづける(勿論、 徐々に速度は落ちるが)。だから、モーターが止まっていても、目標に向かって自己を誘導 することは充分に可能。  例をあげるとアメリカのAIM-54”フェニックス”やMIM-14”ナイキ・ハキュリーズ”は、 発射してしばらくするとロケットモーターの燃焼は終了し、後は慣性でただ飛んでるだけと なる(だから、激しい回避機動ができる戦闘機などにはうまく当らない)。  むしろ、ラムジェットのように高速が出せる推進装置を使っていると、 ”速度が早すぎて小回りが効かないので運動性能の高い目標に当らない” ということの方が問題になるのではないかと思う。     質問とは少々ずれた回答になったが、理解頂けただろうか? #right(){(91:630)} >高機動回避運動が可能な戦闘機相手には、まだまだ >長距離AAMは「必殺」のレベルまでの性能は持っていない  まぁそういうこと。  ただ、”高機動回避運動”が可能な戦闘機を、長距離で必殺するメリット、というものが あまりないので、わざわざ金と手間かけてそんな性能必要なんだろうか、と言う疑問がある。  長射程の対艦ミサイルとか対地ミサイルとかを搭載している相手なら、機動性が鈍る から高機動回避される可能性は少ないし。長距離巡航ミサイルとかは、人が乗ってない から高度な回避運動をしないし。  今よりももっと技術が進歩すれば、”高機動回避運動ができるミサイル”とか”長射程 ミサイルを4発抱えてドッグファイトができる”航空機が開発されて、l高機動回避運動をする 目標を必殺できる長射程AAM、というものが開発されるかも。 #right(){(91:643)} >では、結局のところ高機動回避運動が可能な戦闘機相手には、まだまだ >長距離AAMは「必殺」のレベルまでの性能は持っていない、 そのとおり。AIM-Xやパイソン4などとは違うのよ。 >それでも、AEWの支援がなければ、長距離から迫ってくる >ミサイルを発見できない可能性があるんで、十分存在意義はある こっちもそのとおり。 AAMは戦闘機よりずっと小さなRCSだし、燃焼が終わってるから 大気との摩擦熱以外の熱源はエンジンの余熱しか無いわけだ。 摩擦熱は結構大きいけどこれも小ささが有利に働くな。 あと高機動回避が不可能なAEWを目標とできる意義がある。 迎撃してくる戦闘機と接敵する前に発射できる可能性が増す。 そんでAEWを落とせれば2番目の意義が現実味を帯びるわけだな #right(){(91:644)} **エンジンが受ける抵抗より大きい力で推力が出るのはなぜなのでしょうか? えーと、専門外なのでうろ覚えで書きますが、インテークによって 発生する推力というのは、背圧が負である事を前提に計算されており、 エンジンがなければ背圧は大きな正となるため、インテーク推力は 消失するのだったと思います。つまりは推力をどの断面で具体化するか だけの話で。ただ、インテークの設計を考える上では、背後のエンジン によって生ずる推力(つまりインテークから見れば後に吸引される 負圧)がタダで存在すると考えて計算するのが簡単、ということだったかと。 #right(){(93:system)} **ジェット戦闘機のジェットエンジンって砂利とか虫とかバンバン吸い込んじゃうと思うんですけど大丈夫なんですか? 異物の吸い込みによる損傷(FOD:Foreign Object Damage)は意外なほど頻繁に起きており、 それによる墜落事故もときどき起きています。 設計者も多少のゴミを吸い込むことは承知の上で、 少々の異物吸入でもエンジンの停止を起こさないように設計しています。 というか、異物の吸入テストに合格しないと、量産の許可がおりません。 設計時の限界を上回る大きなゴミがぶつかれば、エンジンの停止も有り得ます。 滑走路上のゴミは、定期的に地上要員が取り除いています。 エアインテイクにフィルターを取り付けると、エンジンの出力が低下するので、あまり使われません。 旧ソ連・ロシアの一部の軍用機には、 地上にいる間だけ作動する異物吸入防止用のスクリーンが使用されています。 #right(){(100:176)} 程度にもよります。一応は滑走路に異物が落ちていないかは、 こまめに点検はしていますが(空母は朝一に乗組員が一列に並んで点検します)、 エンジンの方でも、少々の物を吸い込んでも大丈夫な様に造られています (死んだ鳥をぶつけて耐久性を見るテストもします)。 戦闘機よりも、前線での使用が多いヘリコプターなどは、 エアインティークにカバーが掛かっている物も有りますし、MiG-29のように、 離陸時はメインのエアインティークにフタをして、 上面から空気を取り入れる構造にしている物も有ります。 #right(){(100:177)} >Mig-29の上方口が最近無いのが気になる。 Mig-29シリーズのインテイクの蓋は、Su27シリーズと同じ金網方式に変更されたはず。 #right(){(100:179) **排気ガスを過給ではなく動力として取り出すターボコンパウンドエンジンは、効率も良さそうで非常に素晴らしいものに思えます。 >しかしながら、どうしてメジャーになれなかったのでしょうか? ターボコンパウンドが航空エンジンに実用化されたのは戦後のこと。 ジェットエンジンが発明されてなかったら、たぶんメジャーになっていたでしょうね。 #right(){(106:663)} 確かに従来のエンジンに比べると、排気ガスの熱エネルギーの21%を動力に変換できる効率の良さが利点です。 反面、エンジンから3段式タービンへと導かれる排気の高熱処理の問題と、 重量増(R-3350-23で1211kg、ターボコンパウンドが1633kg)、 それと燃料費の問題(115オクタン航空ガソリンを用いるの で、ジェット燃料よりも燃料費は高い)、更にタービンから回転軸へは 複雑な歯車を噛み合わせで動力を伝達するので整備性が悪いと、 あらゆる面で運航費が高く付くことが普及しなかった原因でしょう。 ま、ジェットエンジンが普及したのが普及しなかった最大の原因ですけど。 #right(){(106:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 漏れの大学の講師が昔研究(机上)してたが、  排ガスの動力をエンジンの出力に足すための機構が複雑 (一方が他方を過回転で破壊しない様にする必要がある。)  排気の熱が駆動系にリバースする。 とかで、効率性は眉唾、信頼性は劣悪と判断した。 その後、エンジンを巡航させて発電機を     (中略) 排ガス減らす方がよほど世のため人のためと平成になりに気付いてた。 要するにポルシェから半世紀以上も遅れをとっちゃう様な人の見解だが、まあ間違いでは無いでしょ。 #right(){(106:807)} **戦闘機ってたいてい、単発か双発みたいですけど、どうしてそれ以上のエンジンを積まないんでしょうか? 大出力のエンジン一つか二つの方が、小出力のエンジン四つよりも重量あたりのパワーが大きい。 空気抵抗の原因となるエンジンが少ない方が効率がいい。 #right(){(初心者質問スレッド467より)} **戦闘機のエンジンは暖機不要なのでしょうか? >スクランブル発進の機や、迎撃機は急速にそのまま飛び上がっていますが、 >エンジンが暖まっていない状態で出力は上がるのでしょうか? 少し昔の機体は暖気がというか、エンジンが始動するのにやや時間が必要だったが 現在は特にそういうことは無いというか、出力が上がるまでの時間が短縮されている 極寒地の北欧とかロシアとかでは冬に航空機のエンジンが凍り付いてしまって 時間掛けて温めないと動かないなんて事も起こりうるようだが #right{(520:274)} エンジンオイルなどは外部から温まったものを循環させ、エンジンをかけなくても、温まった状態をキープしている。 昔だと迎撃などで待機している機体は整備員が時々エンジンを動かして温めてる。 #right{(520:275)} **ターボプロップとレシプロは同じプロペラでもどう違うんですか? >と言うか、プロペラは何種類くらいのエンジンがあるんですか? ターボプロップとは、乱暴に言うとジェットエンジンのファンの軸を延長して その先にギアボックスを繋ぎプロペラブレードを廻して飛ぶ飛行機。 初期のジェットエンジン(ターボジェットエンジン)は低速回転が苦手だったので 低速で飛ぶことが難しい上、燃費が異様に悪いので航続距離が短かった。 必然的に「速度は速くなくてもいいから長距離を飛びたい」という用途に向かない ので、それをフォローするために考えられたのがターボプロップ。 このターボプロップのプロペラの代わりに、ターボジェットエンジンの前に周囲を 筒で覆ったファンを回すことでターボプロップと同じ能力を発揮させる設計にしたのが 現在「ジェットエンジン」の主流である「ターボファンエンジン」。 これの登場で「ジェットの高空高速性能」と「レシプロの低空低速安定性能」それに 「燃費のよさ」を両立させることができるようになった。 #right(){(556:557)} 補足みたいなものを。 飛行機の用途や任務、要求性能によってジェットエンジンがいいか、プロペラが いいかという選択がある。プロペラで要求する速度が出せるとか、そっちのほうが 燃費が良いとかでプロペラが選ばれたら、こんどはエンジンの選択に入る。 現在であればレシプロかターボプロップ。ただ、レシプロで大出力エンジンをつくる とすると、究極的にはシリンダーをいくる並べるのかという話にしかならないため重 く複雑、高価になる。ジェットエンジンは出力に比して「構造が簡単」という利点があ るので、大型のプロペラ機なら、タービンの回転を取り出してプロペラの回転数ま で落とすギアボックスが必要という不利を差し引いても、ターボプロップを選択する。 レシプロだって一つのプロペラを回すエンジンの出力が足らなければ、結局、複数 のエンジンをギアボックスで結ばなきゃならないし。 第二次世界大戦で大出力レシプロエンジンの本家のイメージのある米軍ですが、B-29で もエンジン故障、火災、墜落のコンボは結構ありますし、戦後の対潜哨戒機のP2V のレシプロエンジンもそれで苦労しています。川崎がP2Jを作ったときは、真っ先に レシプロをターボプロップに変更してエンジン整備の手間を減らし、足らない馬力は 補助ジェットエンジンで補いました。 #right(){(556:ふみ)} **ターボプロップはレシプロよりメリットあるの? レシプロでは実現不能な大出力が可能。最大で一万五千馬力のものがある。 同出力ならより軽量。大出力では半分以下に。 排気による推力がレシプロより大きいので特に高速で有利。 振動が少ない。 メンテナンスが楽。 デメリットは… 昔は燃費が悪いとかあったが、今はどうなんだろう。 #right(){(334:519)} **航続距離や搭載量を示す際、「正規」と「過荷」ってありますよね。 >あれ「過荷」というのは何に対して「過」なんでしょうか?  飛行機の構造は 「最大離陸重量XXkgにて荷重倍数2.5に耐えること」とか仕様で求められています。 この場合 XXkgで2.5Gの機動が可能な訳で これが正規状態での運用になります。 これを例えば2.25Gに運用を制限すれば、より大きな重量で飛べるわけで、これが過荷重(状態での運用)になります。 ちなみに XXkgで2.5Gを超えたらすぐ壊れちゃうわけじゃなく、安全率(例えば)1.5を掛けた3.75Gまで構造が破壊されない事が求められています。 #right(){(341:629)} **現代の戦闘機に使われてるエンジンは燃焼器での最大温度、通常の排気温度、アフターバーナー使用時の排気温度はそれぞれどのくらいですか? 最大温度は1200度以上。通常の排気温度は200~300度(ステルス性を考えて低くなるよう設計される)。 気の利かない設計だと500度ぐらいまで上がることもある。アフターバーナー使用時は700~800度程度。 しかしSu-27の排気温度計は1000度まで目盛ってあるらしい。 #right(){(486:287)} http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1192343293/ タイフーンのエンジンのEJ200で1470℃、F-22のエンジンF119で1540℃ ラファールのエンジンであるM88で1570℃になる。 XF5は、1550℃である。 F135がタービン直前温度2000℃と聞いた後 TFR師曰く 「普通2000℃だと、空気中の酸素と窒素が反応して吸熱反応になるんですけどね」 だとさ そしてもう1つの問題は、タービン直前温度が2000℃ならもっと温度の高い燃焼室の温度は何度なんだ?という事だ。 手元の 航空工学講座 ジェット・エンジン(構造) 日本航空技術協会 の107ページには 燃焼室温度が1600~2000℃であっても出口温度は800~1300℃くらい、などと書いてある これじゃ温度差が大き過ぎる。 1400℃台前半だったのは1970年代まで。 それ以降に開発されたエンジンでは、全てそれ以上の温度に耐えている #right(){(486:311)} **2乗3乗則って現代のジェット戦闘機にも当てはまりますか? >電子機器や固定武装、乗員スペースの小型化には限界があるのは理解してますので、大直径ファンジェットの単発とそれより直径の小さいファンジェットの双発を比較して。 >結局、戦闘機に使うような低バイパス比のエンジンだとどうなんでしょうか? 世界の傑作機のフリーダムファイターの解説によると。 推力は開口部の面積に依存する。同じ技術でエンジンを大型化あるいは小型化するのであれば 直径が倍になると推力は4倍になり、重量は8倍になる。逆に直径を半分にすると推力は1/4にな り、重量は1/8になる。 1/8の重量を目指し、1/4以上の推力を発揮できれば、小型のエンジンの双発が大型単発に勝て る可能性が出てくるという話らしい。 F-5のエンジンであるJ85の成功は、ミサイルやドローンに装備する使い捨てエンジンを出自としな がら、当時の最新エンジンであるJ79の技術をつぎ込んで開発された部分も大きい。現代であれば 同じ技術レベルで戦闘機用エンジンを大小ふたつ並行で開発するのかできるのか完成品があるの かという話になる。 ただ、運行経費から言えば単発の方が安いので、双発でないと間に合わない機体規模になる大型 戦闘機を別として、比較的軽量な戦闘機を単発と同じ合算推力を目指して双発にするメリットその ものが無いのではないだろうか。 #right(){(623:ふみ ◆Y.QUKJBduY)} **ターボプロップエンジンもどこかレシプロエンジンに劣る部分があるのではないでしょうか? >レシプロエンジンが廃れたのはターボプロップエンジンが登場したからだと言われていますが、 >レシプロが廃れた経緯を始め、その辺りを詳しく教えてください。 既に答えが出ていると思うが、高性能のガソリンレシプロエンジンは燃料に関しても 神経質。タービンエンジンはその点は許容度が高い。 軍としては燃料はイザと言う場合にはなるべく共通化したい点も重要。 ガソリンは危険度も高い点ももちろんある。 加えて言えば、既にターボプロップ機も廃れつつある。 現在新型の軍用機として生産されてるC-130系やE-2などは、基本設計が はるかに昔の物ので基本フレームは弄らない発展型だ。 同じ用途の物を新設計するならターボファンエンジン付になる。 代表的な例でいうとP-3Cの後継機などがそう。 ターボプロップは、ターボジェットに対して燃費が良いから 比較的低速で長時間飛行する物に対しては有利だった。 しかしターボファンに比べると非効率。 更に環境的に考えると、ターボプロップ機は騒音の問題もある。 ターボジェットの煩さとプロペラの煩さが相乗作用で騒音レベルが高い。 COIN機のような物は地域紛争などで多くの発展途上国では必要だろうが、 専用機というより身近にあるもの何でもいいから改造して任に当たらせるもの だから、こういうのは例外と思う。 ベトナム戦争でブロンコが行っていたFAC(A)などはこの手の低速機では、現在は 任務を果たせないと言う事で、普通のジェット機がやってるしね。 #right(){(625:258)} **Me262みたいに翼にエンジンぶら下げた戦闘機が少ないのはなんで? 高機動を身上とする戦闘機には抵抗にしても、慣性モーメントから言っても不向きなレイアウトの為。 Me262はエンジンの耐久時間が短かった為に交換性を優先させたのも一因。 爆撃などは高機動を必要としないのと、大きな後退翼の翼端失速対策で、ポット式はマスバランスの働きをするので、 効率が良い為に多くの機種が使った。 #right(){(638:502)} **アメリカではスピードボートにCH47のターボシャフトエンジン(中古)を使っていますが、ターボシャフトエンジンのレスポンスはどうなんでしょうか? ガスタービンエンジンの一般的な傾向として、小型なほど・軸数が少ないほどレスポンスが良い。 (近年ではFADEC等の電子コントロールでもレスポンスも改善している) 現代の大型ターボファンでアイドルからフルスロットルまで4~10秒、戦闘機用で1~4秒程。 レース用にチューンするのなら、フリータービン形式のターボシャフトをアイドル時も燃費気にせずにN1:100%に保てば、 レシプロ形式のエンジンより有利になるだろう。 #right(){(645:328)} **黎明期の頃のジェット機が翼にエンジンを吊るしているのは何故? >その後の変遷を見る限り爆撃機以外でその方式は見られないので、あまり適切な配置とは思えないのですが。 簡単に書くのならば、エンジンの寿命が極端に短かったの一言に尽きます。 当時は冶金工学も余り発達していませんし、ドイツなんかでは代用耐熱金属でエンジンを作っていました。 ですので、飛行時間10時間程度でエンジンが寿命となります。 従って、胴体奥深くに仕舞い込むより、主翼下にぶら下げて、交換しやすくした訳で。 ちなみに、胴体内に仕舞い込めるようになったのは、エンジン架から後半の胴体をボルト数本で外すことが 出来るようになり、交換が容易になったのと、エンジン寿命が長くなったことが一つの要因です。 #right(){(300:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **レシプロ時代には少なかった双発戦闘機が、ジェット機の時代になると主力戦闘機の多くに現れていますが、なぜ双発が増えたんでしょう? 書いておられる範囲だと前後関係が不明なのですが、 ジェットエンジンの推力は概ねインテーク面積に比例する。つまりインテーク半径の自乗に比例する。 ジェットエンジンの重さは概ねインテーク半径の三乗に比例する。 したがって大推力のジェットエンジンは推力以上に重量が増加する(単純には推力4倍なら重さは8倍)。 ただし多エンジンの場合、補機やコントロール、給油系統のオーバーヘッドが生ずるため、 単純に重さが有利になるわけではなく、メンテの問題も生ずる。小さすぎると逆に熱効率が落ちる。 このあたりのバランスで大型で推力重量比が大きく、ペイロードの大きい戦闘機は双発化します。 ターボファンはプロペラつきジェット的側面があり、低圧ファンを大きくすることで効率を稼げます。 このため二乗三乗則から逃れることができるので、大型ジェットエンジンはターボファン (特にバイパス比の大きいもの)がメインになります。 #right(){(297:65-70)} **ドッグファイトで旋回するとき、エンジンスロットルをゼロにして 旋回終了と同時にMAX、A/Bをふかしたりしますか? ジェットエンジンはスロットルをいっぱいに絞っても推力はゼロにはならん 推力ゼロにしたかったらエンジンを停止しなきゃならん そしてエンジン再始動には一定の手順が決められているので、すぐにフルスロットルにはできない #right(){(296:918)} **戦闘機のエンジンでアフターバーナーを使わない最大推力をミリタリー推力と言ったりしますが、 >何で「ミリタリー」推力と呼ばれるようになったのでしょう? 民間だと ・最大離陸推力 Maximum Takeoff thrust(MTO) ・最大連続推力 Maximum Continuous thrust (MCT) ・最大上昇推力 Maximum Climb thrust (MCL) ・最大巡航推力 Maximum Cruise thrust (MCR) ぐらいあれば十分だが軍用、特に戦闘機はエネルギー回復のため 普段は使わないアフターバナーを詰んでるので特別な指標が必要になるから Max Dry ThrustをMilitary Thrustと呼ぶ。 元々軍用エンジンの定格(Rating)は、その運用環境の違いから民間と異なる基準でMilスペックに基づき定められている。 レシプロエンジンの時代から、最大(Maximum)と連続最大(Maximum Continous)の中間に時間制限のある 戦闘時出力(Military)が定められていた。 A/B付きの時代になり、定格に最大無増加(MaximunNon-augmented)が追加されたが、慣用的にMilitaryと呼ばれている。 #right(){(677:667-670)} **ジェットエンジンの出力を上げるには、サイズを大きくする以外はどのような工夫があるのでしょうか? 圧縮比を上げるとか、燃焼室の形状を工夫するとか、ノズルの形状を工夫するとか、いろいろあるぞ #right(){(俺初質スレ431:954)} ラムジェットとかスクラムジェットにする #right(){(俺初質スレ431:956)} **同じエンジン使うなら単発機より双発機の方が速度・上昇力ともに期待値を上げられるって事で良いんですかね? 飛行機をブロック単位に考えると分かりやすいんだけど、単発機2機を翼の端でひっつけて、 1機に纏めると、余剰なパーツが出てくるだろ?単純に考えて、1機分のコクピット、左の翼と右の翼それぞれ1枚と。 その省いた分軽くなってるので、エンジンパワーに余裕が出てくる。 その余裕分のエンジンパワーをどこに割り振るかが、双発機の味付けの話になってる。 欧州や、日本はその余剰分を燃料搭載量にしたり、複数の搭乗員スペースにしたけどアメリカは、程々の燃料タンクに 単座でしのいでるから、その分高速になったという話。 #right(){(俺初質スレ432:46)} 重量も増えるし空気抵抗も増えるから、設計をうまくやらないとダメだ! 実際速度や上昇力なら単発機が優れてる例の方が多い。 むしろ搭載量を生かした多用途性に期待値がかかるが、それで欲張って失敗したのが 第二次世界大戦の頃の双発戦闘機に多い。 実際、双発の戦闘機でそれなりに成功して「戦闘機としての運用実績」もそれなりに良かったのは P-38とモスキートとP-82くらい(P-61は運用がいささか特殊なので・・) #right(){(俺初質スレ432:47)} **排気ガスを過給ではなく動力として取り出すターボコンパウンドエンジンは、どうしてメジャーになれなかったのでしょうか? >素人目には効率も良さそうで非常に素晴らしいものに思えます。 確かに従来のエンジンに比べると、排気ガスの熱エネルギーの21%を動力に変換できる効率の良さ が利点です。 反面、エンジンから3段式タービンへと導かれる排気の高熱処理の問題と、重量増(R-3350-23で 1211kg、ターボコンパウンドが1633kg)、それと燃料費の問題(115オクタン航空ガソリンを用いるの で、ジェット燃料よりも燃料費は高い)、更にタービンから回転軸へは複雑な歯車を噛み合わせで 動力を伝達するので整備性が悪いと、あらゆる面で運航費が高く付くことが普及しなかった原因 でしょう。 ま、ジェットエンジンが普及したのが普及しなかった最大の原因ですけど。 #right(){(106:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **戦闘機本体にエンジンを作動させる装置は付いていないのですか? >エンジンを作動さすには外部コンプレッサ-が必要と聞ききましたが 自力でエンジン始動できる装置を搭載するものもあります ただしバッテリーを使う。 空中で再始動する場合は、ちゃんと滑空している状態ならば (理由は後述)エンジン単独で再始動できます。 訓練はもちろんしています。 ジェットエンジンは一本のシャフトの一方に取り込んだ空気を 圧縮するコンプレッサ、もう一方の端に燃焼した排気でシャフト を回転させるためのタービンがついてます。 エンジンオフ状態ではシャフトが回ってないので、当然空気を 燃焼室に送り込むこともできず、単独ではスタートできません。 だから外部動力でシャフトを回します。いったん燃焼が始まれば 排気がシャフトを回し、それによって新しい空気を取り込むという サイクルが始まるので外部動力は要りません。 空中で再始動する場合、ちゃんと機首を前にして一定以上の 速度で滑空していれば、風圧でコンプレッサが回るので単独で 再始動できます。でもスピンしてたりしたらだめ。 機内搭載する外部動力のことをAPU(Assisted Power Unit)と いいます。 ジェットエンジンの始動について 基本的にコンプレッサーブレードを定格の20~30%で回転させることができれば動力は何でも良い 動力源としては 1)機内搭載発電機でスターターモーターを回す  JFS(Jet Fuel Starter)っていうジェット燃料で動く発電機で発電してスターターを回します  JFSの始動は普通はバッテリーですが、プルスタート可能なのもあります 2)機外動力車を使ってスターターを回す  圧縮空気でスターターを回す(そういえば、今のF1レースもエアスターターですね)  電力を供給してスターターを回す  (自衛隊は1台の動力車から圧縮空気と電気両方引いて2機を始動してたり・・・ 動力車足りない) 3)火薬始動  ショットガンのカートリッジみたいなものを爆発させて、その力でスターターを回す  (ロシアのエンジンには対応してるやつが多いですね) 4)機外動力でタービンを直接回す  模型のジェットエンジンではスピンナーに直結して回します  初期の実機ジェットエンジンはこれです  (SR-71のエンジンもメカニカルに結合して始動のはず) 双発の場合は一発かかれば発電しますから、その電力でスターターを回します あと、空中再始動の場合はダイブなどで対気速度をとって、空気の流れでタービンを回して再始動します 車でいえば押しがけみたいなもん #right(){(130:731-746)} **初期のジェットエンジンの燃費はどれぐらいだったんでしょう? 大戦末期に実用化されたジェットエンジンの燃費は推力1kgにつき1時間当たり燃料1.5kgを消費した これは急速に改善されていって、朝鮮戦争が始まったころは(約5年後)は1kg/1kg/h、終わる ころには0.8kg/1kg/h、現在のターボファンは、巡航時だと0.5kg/1kg/h以下とされる(アフターバーナーを 焚くと10倍近く跳ね上がる) で、大戦中のレシプロ燃費は、平均すると現代のターボファンに近い線になる #right(){(156:49)} **ジェットエンジンのバイパス比なる物の意味を教えてください。 燃焼室を通らずに、ファンによって加速され排出される空気の量と、 燃焼室を通過する空気の量の比率が「バイパス比」です。 バイパス比が高いほうが、燃焼させる空気の量が少ないため、より低燃費となり、 また後方に噴出する空気の質量が大きくなるため、より低速で空気を噴出することになります。 このため、経済的、低騒音、超音速飛行に向かない、という特徴があります。 高バイパス比のエンジンは輸送機や旅客機、低バイパス比のエンジンは戦闘機向きです。 ちなみにB747-400に使用されているPW4062がバイパス比4.8から5.1、 F-15なんかに使われてるF100-PW-229でバイパス比0.36。 #right(){(242:283)} **航空機用ディーゼルエンジンって存在しないのでしょうか? ドイツのユンカースJu-86Pは950hpのユモ207A ディーゼルエンジン搭載です。 高高度爆撃と偵察に用いられていました。 #right(){(63:名無し軍曹)} **日本の戦闘機エンジンは、なぜ自国開発ができないのですか? それは予算がないから 戦闘機のエンジンを作るには作っては壊す 作っては壊す これを延々と繰り返し 弱点を洗い出して消してく作業をする これはべらぼうに金がかかる #right(){(俺初質スレ20501:744)} ----
#contents ---- **複数エンジンの飛行機って(ジェットでもレシプロでも)旋回とかする時、機体左右のエンジンパワーを変えたりしてるんですか? 航空機ではバンクするという手がありますので、エンジンパワーには頼りません。 エンジンのリアクションは遅れるし、速度変化によって姿勢や高度の変化も生じますから、 操縦翼面が損傷したときの非常手段、あるいは特殊な場合の補助にすぎません。 #right(){(3:839)} **始動してるジェット機のインテイク部分ってほんとに人が吸い込まれてグチャってなる位強い負圧があるんですか? ノズルから噴出されるのと同量の空気が吸い込まれるわけですから、近づき過ぎれば一発です。 実際に狭い空母の甲板上ではいくら注意をしても数年に一度くらいは起こるそうです... なんか「びっくり映像」の類で見たことがあります。何かが入り口に引っかかって助かったような。 燃料燃やしているとは言え、後ろからあれだけ勢い良く出ているわけだから、吸い込む方もそれなりだと思われ。 #right(){(4:319-320)} **昨日見た発艦の画像は、戦闘機から吹きだすジェットの炎は青でした。昔見た、深夜の発艦訓練の画像では炎の色はオレンジっぽかったのに… >これってジェットエンジンの高出力・高燃費と関係ありませんか? 燃焼効率が上がった為でしょう。 温度だけではなく、より完全に燃焼しているのだと思います。 燃焼後の排気に、炭化水素やすすが多ければオレンジ色の炎になります。 F101系(F101,F404,F110)のエンジンは、ABの炎が青いですよね。 #right(){(11:G_Tomo)} **ジェット戦闘機は、なぜエンジン音うるさいのですか? ジェット機の騒音は、主にファン音(キーンというファンの風切り音)と、 ジェット音(排気が周囲の空気との速度差から発生する渦の発するドロドロという音)に別れます。 ジェット音は排気速度が、速いほど大きく。ジェット戦闘機がウルサイのは主にこれの為です。 (更に超音速ジェット戦闘機は、アフターバーナーという再燃焼排気加速装置を付けているのでさらにウルサイです。) 旅客機は、高バイパス比ファンエンジンのおかげで排気速度が遅く、ファンが主な騒音源となります。 旅客機は騒音規制の点から早くから騒音対策に取り組んでいましたが、 軍用機はこれまでなおざりというか優先順位が低かったのですが、ステルスが注目されて以降は、騒音にも気を配るようになっています。  B-2は亜音速機ですので、排気速度はそれほど高くなく、 ファンも空気取り入れ口からかなり奥まった位置に有るので騒音が低いのでしょう。 #right(){(11:G_Tomo)} **3発以上の戦闘機って今までに存在したことってあります? カーチス社製最後の戦闘機である、Curtiss F-87 Black HawkがJ34ジェット エンジン4発です。 ただ、試作機だけで量産型は、J47双発になる予定でした。 あと、計画のみですが、海軍のMcDonnell FH Phantomは、6発のジェットエ ンジンを装備する予定でした。 こちらは、幸いにして高出力エンジンが手に入ったので、双発になりましたけど…。 それから、かなり反則になるかもしれませんが、FranceのTrident、MirageIなどは、 ジェットエンジン双発にロケットエンジン一基の3発機ですし、France、旧西ドイツ、 旧ソ連で試作されたVTOL戦闘機の中には、推進用ジェットエンジン+リフトジェット エンジン数発というものもありました。 #right(){(12:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **戦闘機にエアークリーナー付いていないんですか? 「フィルター」ですか? 抵抗になってエンジン出力が落ちるだけです。 そもそも異物を吸い込むような使用は考慮外です。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも、エンジンは不調になります。 民間機と違って安全マージンが殆どないんです。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも不調になり、それを取り除くようなフィルターをつけると 飛行性能の低下を招くので、フィルターはついてません。 旅客機のジェットエンジン(前側が開いているやつ)を見れば分かりますが、結構傷だらけです。 対して、性能のために安全マージンを削っている戦闘機のエンジンは非常にデリケートです。 #right(){(13:623-624)} >サウジとかイラクなどの砂漠でも大丈夫なんですか? 砂漠なんかだとエンジン交換間隔が短くなるんだと思う。 そういえばBf109とかはTrop仕様があったね。あれはフィルターだ。 音速超える戦闘機はフィルタなんかつけたらそれ自体が壊れてエンジンに吸い込まれちゃうでしょう・・・ #right(){(13:627)} ちょっと調べてみた。 Mig-29は金網ではなく、扉がある。 完全閉鎖するのかはちょっと分からないけど、完全に閉鎖したらヤヴァイと思う。 Su-27系は金網(ヒンジ状)があって、開閉式。 #right(){(13:645)} **現在ってもうジェットエンジン使わないとまともな戦闘機作れないんんですか? レシプロエンジン+プロペラとジェットエンジンでは推力重量比が格段に違います。 より大きな推力重量比を求められる戦闘機では、もはやレシプロエンジンの出る幕はありません。 #right(){(19:らむ ◆26Am7uFo)} **経済性が重要な機種にターボプロップということはジェットより燃費は良いのでしょうか? 燃費に関してはプロペラってのはかなり効率がいいの。 低速~M0.65あたりまでの効率はすごくいい。 それ以上の速度だと抵抗が増えて頭打ちになってくる。 巡航高度はまちまちだけど主に30000ft以下だね。 それと基本構造からして結構違うけど制作費よりも 運用面での経済性を重視するのが普通。 旅客機なんかの場合は速度もある程度重視されるから 高バイパス比ターボファンが使われる。 M0.7~M0.90まではこのエンジンの独壇場。 巡航高度はこれもいろいろだけど40000ftくらい。 音速超えるエンジンは低バイパス比ターボファンやターボジェット。 #right(){(19:360)} **ジェット機のエンジンは何を使って制御しているんでしょう? 飛行制御が、機械式からFBW(Fly By Wire)に変って来たように、 最近はエンジン制御も、機械油圧式からFADECと呼ばれる電子式制御に変わって来ています。 根本には、最近の他の制御技術と同様、人の行なう入力と実際の出力の間にコンピューターによる制御を介在させようという考えがあります。 #right(){(26:G_Tomo)} **水噴射エンジンと言うのを聞きますが(B-52とか)どんなエンジンなんですか? エンジンの吸気側に、水を噴射することで吸気温度を下げ、 エンジンの空気充填効率をあげる、パワーアップ装置がついたエンジンのこと。 #right(){(26:738)} **ターボファンとターボジェットはどう違うんですか? 簡単に言えば…。 ターボジェットに大直径のファンを取付け、空気の流入を大きくして後方に 排出する推力を補う機能を有するものがターボファン。 ファンが付いていないのが純ジェット(ターボジェット)。 #right(){(37:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **純国産高性能エンジンを生産出来る可能性はありますか? 過去ログ倉庫に国産エンジンスレがあったと思います。 それを一読なさってみては? 日本のエンジンはなかなかどうして、高バイパスターボファンエンジンの分野では 結構先端を行ってます。 また、戦闘機エンジンでも強力な純国産エンジンが開発されつつあります。 但し、戦闘機の開発は、また空母の開発にしても相当なお金が掛かります。 個人的な考えを言わせて貰えば、道楽なら兎も角、国の事業では「軍用機を」開発するのは 理解されにくいと思いますけどね。 現在でもF-2で手一杯の状況ですし。 #right(){(39:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **「ライトサイクロン」「ダブルワスプ」といった名称は何を意味しているのですか? エンジンの愛称。要するに「火星」だの「栄」だの「誉」みたいなもん。 使用機体は以下の通り。 ・P&W R2800ダブルワスプ→F6F・F4U ・ライト R-2600サイクロン→TBF-1アベンジャー・B-25ミッチェル ・ライト R3350デュプレックス・サイクロン→B29・ダグラススカイレイダー ・アリソン V-1710→P-38Fライトニング・P-39Dエアラコブラ 見てのとおり、その4基で米国のほとんどの航空機はカバーしてます。 #right(){(42:名無し軍曹)} **同規模の大きさのロケットエンジンとジェットエンジン(形式問わず)を比較すると >ロケットのほうがだいたいジェットの2-3倍で圧倒的に推力が大きいのは 単純に推力とエンジン重量の問題でしたら、 ロケットの方が機構的に「単純」だからです。 #right(){(42:128)} **ジェットエンジンのFODってなんですか? FOD: Foreign Object Damage 地上に落ちているいろいろな物を飛行機のエンジンが吸い込んでエンジンが壊されること だそうです。 #right(){(45:440)} **日本ってジェットエンジンに関してはかなり後進国という印象があるんですが空自のジェット機のなかでエンジン含めて完全国産って何機種くらいあるんでしょう? んなこたーないです。 日本の国産ジェットエンジンの技術は世界に誇れる部分があります。 特に高バイパス比のターボファンエンジンの分野では、RRが共同開発を打診したくらいです。 空自のジェット機の中で、エンジンが国産なのは、T-4とT-1Bです。 T-4は石川島播磨重工のF3を、T-1Bは同じく石川島播磨重工のJ3を搭載しています。 #right(){(46:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 推力3tくらいのアフターバーナー付ジェットエンジンを作る技術はあります。 T-4練習機やT-2超音速練習機のエンジンも国産です。 でも最大推力15tといったような強力なエンジンを作る経験はまだまだ全然 足りません。F-15やF-2のエンジンをライセンス生産していますが、それだけ では設計するノウハウまで手に入りません。 でも、H-2のようなロケットのエンジンも自力で設計できたわけだし、これから 時間とお金をかければ(掛ける気さえあれば)可能になると思います。その時 にはロシアやアメリカはもっと凄いエンジン作ってそうですが。 #right(){(46:365)} ちなみに「高バイパス比のジェットエンジン」というのは旅客機や輸送機に使われる もので戦闘機のような機種には使いません。こうしたエンジンとはまた別の難しさが あります。眠い人氏の解説は間違ってはいないですが誤解を招きそうなので僭越ながら 突込みをいれておきます。 #right(){(46:367)} **VTOL中にリフトエンジンが故障しても平気な飛行機なんかあるわけないと思うが ハリアのエンジンの場合エンジンが停止してもトリムがいきなり大きく変わることはない。 フォージャーの場合はメインのエンジンとリフトエンジンが別になっているので リフトエンジンが止まるといきなり前のめりになる。この場合、人間が反応して ベイルアウトする頃には下向きに射出することもあり得る。 #right(){(50:273)} **ロケットとジェットの推進力を発生させる原理は別なんでしょうか? ジェットエンジンは後ろから出す燃焼ガスの反動で進むので仮に後ろに空気がなくても 前進する力は出すよ。 #right(){(53:908)} 燃料を燃やす酸素を空気中から取るか機内に(あるいは燃料内に)蓄えているかが ジェットとロケットの基本的違いです。 プロペラ機ですら、プロペラが大気を押し出した後は、理屈上はそこから 後は真空であっても推進可能です。とはいえ、 地上近くでジェット排気を下方に向けた場合、翼面などが手伝って一種の エアクッション効果は産まれます。例えば、ハリアーはある程度地上近くでは、 ジェット排気の反動以上の揚力が得られます。もっとも、これはロケット エンジンとその排気であってもまったく同じです。 #right(){(53:911)} **ジェットを下方に吹くことによる利得 飛行機を短い距離で離陸させたい時、翼の空力だけで 浮かぶのではなく、エンジンパワーにモノを言わせて 上昇して行くことも出来ます。 要するに機首を上げて地面に向けてジェットを吹いて やればよい。 てな意味です。 まあ、現用戦闘機の出てくるビデオでも観てください。 (陸上基地での離陸シーンのある奴ね。) #right(){(53:892)} **アフターバーナーってどういう仕組みですか? 簡単に言えば、ジェットエンジンの排気に生燃料を吹き込んで どっと燃やし、一気に推力を稼ぐ方法です。当然、燃料をバカ食いします。 #right(){(62:265)} **日本の戦闘機のエンジンを作る技術はどのくらいあるのですか? 練習機用の小型エンジンであればいくつか国産されていますが、戦闘機用のエンジンは 国産化するところまでは至っていません。現在、開発中の段階です。 #right(){(62:FFH331 ◆3.CSSBl9VA)} **ジェット機の凄まじい騒音の原因はどこにあるのでしょうか? 一番はジェットの排気音です、「ドロドロ」というのは大気と混ざる時の渦が原因。 前方からは「ギーン」というコンプレッサー音も凶悪ですね。 #right(){(63:64)} **二重反転プロペラは単発機でプロペラシャフトの回転方向に機体が動くのを逆方向のトルクで打ち消すのが目的? >互いにプロペラの回転方向を変える事が可能な双発以上の機種で採用するメリットを教えてください。 >ひょっとしてエンジンあたりのプロペラ数を増やして推力を増そうとする工夫なのですか?  同じ直径であれば吸収馬力が増やせ(推力の増大)、 同じペラ枚数の1方向回転に比べ旋回流が減り(僅かですが)効率が改善します。 #right(){(75:843)} **アフターバーナーの使用可能時間と、そのときの燃料消費量はどのくらいのものなのでしょうか? 一例として、F-4Eファントムが通常のエンジン出力でマッハ0,5からマッハ0.9まで加速するのに 54秒かかり、この間に消費する燃料は259㍑ですが、アフターバーナーを使うと 同じ加速を約22秒で行なえます。しかし燃料は通常より136㍑も余分に消費します。 つまり、毎秒18㍑を消費するわけです。 現在は多くの機体がターボファンエンジンを使用しているためこれよりは消費量は低いでしょうが、 いずれにしても桁違いの消費量でしょう。 #right(){(75:名無し軍曹)} 戦闘機用ターボファンはアフターバーナーで純ジェットより多くの酸素が残っているため、 推力増加率がジェットより30%ぐらい多くできるのですが(F100初期型の場合)、当然その分 余計に燃料を燃やすのでアフターバーナーを使ったときの燃費は純ジェットより悪化します #right(){(75:767)} **単発エンジンの戦闘機を双発機と比較した場合、単発機には価格や整備するエンジンが一つで済むと言う以外に、性能的な面でどのような利点がありますか? やっぱ安いでしょうし、整備の手間がエンジン1個分(それだけでもすごいが)楽 になるんでないかと。 #right(){(77:784)} **排気タービンのまわりってものすごく高温になって下手するとガソリンに引火したり機体の表面そのものが溶けるって本当? 本当ですよ。 耐熱合金製ケースが赤熱してる状態ですし、断熱・廃熱がうまくいかなければアルミなんか簡単に溶けます (その前に強度を失って壊れるけど)。 その様な危険物をエンジン周りの狭いスペースにパッケージングし(P-38の様にダクトを引き回したものもありますが) 安全に運用出来るかで技術力の差が出るわけで・・・ #right(){(86:186)} **新型の戦闘機のエンジンって旧式のエンジンよりうるさいんですか? そうでもない。 #right(){(93:71)} **双発ジェット機のタービンは2つとも同じ方向へ回っているのですか? 二つとも同じ方向に回ってる。逆に回すにはタービン翼から何から全部逆に作らなきゃいけないでしょ。 #right(){(97:225)} **ダグテッドロケットエンジンって一体何に使われてるんでしょう? ダグテッドロケットエンジンは旧ソ連が対空ミサイル(SA-6だったか)で実現した もので、ミサイル用エンジンとしては保守が簡単でシンプルで高性能を引き出せると 注目を集めて西側では30年ほど前から盛んに研究されているようですが、なぜか実用に 達したものがないという不思議 #right(){(98:409)} ラムジェットは運転条件(速度・空気密度)に敏感で、 高速で巡航する用途以外には使い辛いのですよね。 #right(){(98:414)} おっしゃる通りです。最初はロケットとして発進、途中から 外気が入って固形燃料ラムジェットに、というパターンを ダクテッドロケット、と通称しているようです。速度がないと 推力が出ないラムジェットをブースターなしで発射する、という方式ですね。 #right(){(98:system ◆uBkmmPOcL.)} **ターボブロップ ターボファン ターボジェット >ジェットエンジンってほかに種類があるのならどんなものがあるのですか? パルスジェット ラムジェット スクラムジェット とかかな。 #right(){(101:37)} **双発エンジンの戦闘機ですが、左右のエンジン・ファンの回転方向は、 >回転モーメントを打ち消すように、それぞれ反対方向に回転させているのでしょうか。 詳しくは識者に任せますが、ピストンエンジンの場合、回転トルクを打ち消すために、 左右でそれぞれ反対方向にプロペラを回転させることが多いです。 但し、同期を取るのが難しく、日本の場合こういう形のエンジンを装備していた機体は 殆どありませんでしたので、回転方向に若干の当て舵を行なっていたようです。 旋回性能は、双発戦の場合余り重視されるものではないので、無視しても良いくらいでしょうね。 #right(){(104:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} おっしゃる通り反対方向に回転させていた双発機もあります。 でもね、単発機でもプロペラの回転によるモーメントは生じるでしょ? そのモーメントは垂直尾翼をオフセットすることで対処してます。 で、双発機の場合も反対回転のエンジンとプロペラを生産するよりも 尾翼で対処することの方が手っ取り早いんで、そうしてます。 軍用機は理想を追求するよりも消耗品と割り切って合理的な対処をするものなのです。 #right(){(104:556)} 本来なら反方向回転のほうがよいのですが、実際のところ同方向回転が多いようです で、同方向回転だとプロペラ後流で左右の揚力の不均等が出ます プロペラの回転数やピッチが一定なら、当て舵で問題ありませんが、回転数を変えたは思わぬ挙動をします (バイクで言えばBMWのRが開け閉め急にすると振られるようなもんですね) たしか飛行艇US-1は4発で同方向回転のため、離着陸時にはかなり苦労してたはずです ラジコン飛行機のタッチアンドゴーでエンジン回転数を急に変えたら、 急にロールして落としたことあります(笑) 低速大迎え角の場合、プロペラ後流の影響が大きいので急にペラ回転数を変えると機首を振られます 自分が落としたのはこれかと シャフトやペラの慣性で振られるというより、プロペラ後流の影響ですね #right(){(104:557,585)} 通常の飛行機ではトルクがそれほど極端な問題になることはないので、他の方が回答されているとおりなのですが。 ハリアーのペガサスエンジンでは、垂直離着陸時の安定を考えて、ファンとコンプレッサーの回転方向を逆にしています。 #right(){(104:558)} >ハリアーのような特殊な機体を除くと、特に回転モーメントの影響を考慮した設計をしていないのが普通だと言う事ですか。 トルクと言ってるのはアシンメトリー・スラストっていう飛行機が若干の仰角を持つことに起因する推力の左右不均等が主役でして、 相当大きなエンジンを載せた機体でもジャイロスコープ効果が体感されることはまずありません。 ヘリコプターですとジャイロ効果は動力学の主役なんですけど。 ましてやジェット機では少々ファンが大きかろうが絶対に飛行特性には影響しません。 (こう書いて、ハリアーだけはちょっと不安だけど、翼端からブリードエア噴き出す操縦方式の確実さに較べて、 ファンが何か悪さをする余地はまずないだろうと思います) 実際に飛行機を操縦して、『トルク』が感じられるのは、離陸の引き起こし時と、 訓練でやるスローフライト、スピンくらいです。 それでも、ロッキードP-38なんかは左右逆転エンジンのバリアントがあります。 尾輪式戦闘機が大馬力化するにつれて、地上ハンドリングで壊してしまう率が高いので、 その対策としてとったのだと思います。飛行中はほとんど関係ないですから。 で、地上ハンドリング問題は、3車輪化でほぼ解決したので、 エンジン逆転まではやる必要なかったようです。後期のモデルでは省略したりした。 飛行機屋から見るとこういう意見が出るんですが、無関係でしたか? #right(){(104:564)} **ラムジェットって、なんでラムジェットって言うんですか? ram には詰め込むとか押し込むという意味があります。 ジェットエンジンの特性として圧縮された空気を燃焼室に送り込むというのがありますが、 いわゆる普通のジェットエンジンはコンプレッサー(圧縮機)を使いますが、 ラムジェットは空気取り入れ口を漏斗のような形にすることで 自然に圧縮される仕組みになってます。 機体が停止状態にある場合は空気を押し込む気流が無いので燃焼しません。 そういう場合には他の手段を用いて燃焼可能な一定速度にまで持っていってから 始動させます。 #right(){(109:26)} 昔ちょっとだけ実験した程度でうろ覚えなので あくまで基本的概念ということにしておいてください。 ちょっとだけ付け加えると、 ・稼動部品が少なく構造が簡単 ・高速になればなるほど有利(マッハ5以上くらい?) というのもあります。 高速になるとコンプレッサーのブレード自体が抵抗になってしまう とかいう理由があったようななかったような。 燃焼可能な一定速度に持っていくには、別の航空機にぶら下げていったり ロケットやカタパルトで発射したり、最近では低速だとターボジェット、高速だと ラムジェットという1台2役のも研究されてるらしいです。 #right(){(109:36)} **ターボファンやターボ-シャフトエンジンは推力を高くしたモデルがどんどん出てきていますが >これは何を変えていてどのくらいの能力向上が原形に比べて可能なのでしょうか? ・空気吸入量を増やす。 ・圧縮機の効率を上げて圧縮比を引き上げる。 ・タービン入り口温度を高める。 それからターボファンは「推力」だが、ターボシャフトは「出力」だかんな。 #right(){(110:376)} **なぜエンジンの推力をレシプロエンジンは馬力で表示してジェットエンジンはニュートンまたはkgwであらわすんでしょうか? 上の質問の答え。 http://www.warbirds.jp/ansq_old/A1000494.html #right(){(110:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} … レシプロの「馬力」はエンジンの出力で推力じゃありません レシプロエンジンの場合、飛行機だろうが船だろうが推力を発生するのはプロペラです #right(){(110:350)} **ターボジェットとラムジェットで機械の構造としてはどう違うんでしょうか? ターボジェットは取り入れた空気をタービン(エンジン内部にある何重にも重なった羽根車)で圧縮して燃焼室に送り込む。 送り込まれた空気は燃料と混合されて燃焼し、その排気が推力となる。 機体が静止状態から駆動でき、亜音速~超音速で威力を発揮する。 最近ではタービンの前にファンと呼ばれる一種のプロペラをつけ、これで加速した空気を後方に噴出して推力を増加させたターボファンエンジンが主流。 ラムジェットはラム効果によって圧縮された空気を燃焼室で燃料と混合して燃焼、推力とする。 タービンがなく、極超音速に向くが超音速でなければラム効果が利かないので、機体を他の推進手段で加速する事が必要。 #right(){(111:969)} **過去に違う種類のエンジンを複数搭載した機体は存在したんでしょうか? P-2V P-2J #right(){(117:86)} P-2Vとか、B-36の後期型とか。 巡航時と戦闘時で使い分けるという発想だったらしい。 最近は見かけないのは、整備や補給の手間とかのデメリットの方が大きいからだろう。 #right(){(117:88)} アメリカのB-36 ピースメーカー はレシプロエンジンとターボジェットエンジンを混載している。 あとは、日本の海上自衛隊もつい最近まで使っていたロッキードのP-2。 レシプロ/ジェット混載のメリットは、燃料消費量が少なく巡航に有利なレシプロで 巡航し、離陸時や急加速時などにパワーのあるジェットが使える点。 デメリットは、エンジンの整備が面倒になること。 系統の違うエンジンを多数積むわけだから、整備の手間が倍々で増えて行く。 #right(){(117:91)} P2VやB-36はエンジン使い分けるわけじゃない プロペラ(ピストンあるいはターボプロップ)はいつも動いてる。 離陸時ほかの緊急加速時にジェットを追加で動かす。 #right(){(117:92)} 既に挙げられているP-2Jは、ターボプロップ+ターボジェットです。 BLC用ジェネレーターやAPUといった推進に直接関係ないエンジンは、ご期待に沿わないと思いますが、 V/STOL用リフトエンジンを備えた機体はかなり有ります、実用化したのは少ないですが(Yak-38) また50年代の一時期SR.53、XF-91、トリダン等の ロケット+ジェットの混合動力機が、 強力な上昇力を持つ迎撃機として盛んに開発されましたが、 これも実用化した機体は有りません(強いて言えばミラージュIIICか) さらにターボジェット+ラムジェットという変り種のグリフォンIIとかどうでしょう。 #right(){(117:135)} **航空機や戦車に搭載されたレシプロ発動機に関して、最高出力は良く記述されているのですが、トルクはどの位あるのでしょう。 トルクは個別のエンジン名でググるか、航空機の書籍を買いなさい。 一応航空機は出力を重視する傾向があるが、国や時代、機種別に違うし、そもどちらも重視していない場合もある。 例えば戦車のディーゼルはトルク重視のごとく言われるが、戦中の日本はガソリンの調達難、 ソ連は火災防止、東西冷戦期の西側は航続距離を重視してディーゼルを選んだ。 その他、エンジンの特性を考えるに、稼働率やエンジンの生産性、コストなども重要。 資本主義国では、軍需メーカーと言えども国家が採算を保証しない限り、軍用エンジンなぞ作らないから。 #right(){(118:16)} **ジェットエンジンの冷却は不要なのでしょうか? 不要ではないです。 実際ジェットエンジンの内部はかなりの高温で、最高温度は1000℃を超えます。 そのため、ジェットエンジンには特殊な耐熱合金が使われています。 またジェットエンジンのタービンブレードは内部が中空になっており、そこに 空気を流して強制的に冷却しています。 近年のジェットエンジンはターボファンエンジンが主流になっており、バイパスした 空気を冷却に当てることが出来ます。 #right(){(123:676)} 詳しくは、航空・船舶板にて質問すべきだが タービンエンジンの吸った空気の約7割は燃焼してないと考えて いいんじゃないかな。(アフターバーナーは除外) つまり、圧縮空気のまま排出したり、冷却したり、室内を暖めたりしてる。 #right(){(123:678)} ハリアーはホバリング時間に制限を設けていたと思う(たしか90秒)。 #right(){(123:684)} **西側(F100系など)と東側の戦闘機(AL-35Fなど)のターボファンエンジンは性能面で差があったりするのですか? >推力だけを見るとそんなに変わらない気がするのですが(最近は西側の方が優っているようですけど) 一般にロシアなどのエンジンはメンテが面倒、かつメンテ間隔が短い、かつ寿命自体が短い。 これは旧ソ連時代の整備体系の影響で、耐久性の限界に来たエンジンをどんどん交換する発想だったから。 エンジンコントロールもFADEC(全面デジタル制御)になってなかったり、不完全だったりするので メカ依存部分が多く、調整が面倒だったり、使用条件によって問題のある作動をすることがありそう。 もちろんデザインの完成度、成熟度にもよるから、西側でもダメなのはダメだけど。 代わりにというか、ロシアのエンジンは軽量なのが多い。その分寿命が短いという話もあるが、 エンジン寿命を使い切ることはなかなかないので、むしろ西側のエンジンの方がオーバースペックで よけいな重量増をかかえているという考えもある。 また、最近のロシアのエンジンはメンテも普通になってきているらしい。 #right(){(349:504,507)} **パルス ウェーブ デトネーション エンジンというのはどういうエンジンなんですか? 現行のジェットエンジンが通常の燃焼であるのに対し、デトネーションエンジンは文字通り爆轟燃焼であることが違いです。 このため大変効率がよい。V-1と似た原理で、混合気を作っては爆轟させて放出し、その反動で飛ぶ形式です。 各国が競って研究中。 ttp://mech-me.eng.hokudai.ac.jp/~spacesystem/2006/05/post_11.html #right(){(348:70)} **戦闘機のエンジンを双発にする意味はなんですか? 現代の戦闘機(70年代以降に実戦化されたもの)では 「推力重量比の向上」が最大の狙いです 片発故障・被弾時の生存性などは付加的理由にすぎません #right(){(36:808)} **ラムジェットって、技術的には可能だと思うんですけど、なぜ戦闘機等で採用されないのでしょう。 それだけの高速で巡航する必要が無いからです ラムジェットは 上述のターボファンと違い百パーセントの推力を燃焼ガスから得ますので 当然燃料もどか食いです SR-71のエンジンは巡航時にはラムジェットになります。またロシアの対艦 ミサイルはロケットモーターの燃え尽きた空洞をラム燃焼室として利用する ユニークな方法でいずれもマッハ3以上での巡航が可能です #right(){(42:94)} **ジェットの戦闘機やヘリって、機体にエンジンのタービン位置を示すラインが描いてありますよね。 >あれって何のために描いてあるんでしょうか。 基本的には、このラインより前に立つな、という意味です。 #right(){(67:484)} タービンエンジンが吹っ飛ぶようなことが起こると 高速のタービンブレードが四方八方に飛び出します。 だから非常時にはこの横に来るなという意味もあるかと。 #right(){(67:588)} **アフターバーナーの使用可能時間と、そのときの燃料消費量はどのくらいのものなのでしょうか? 一例として、F-4Eファントムが通常のエンジン出力でマッハ0,5からマッハ0.9まで加速するのに 54秒かかり、この間に消費する燃料は259㍑ですが、アフターバーナーを使うと 同じ加速を約22秒で行なえます。しかし燃料は通常より136㍑も余分に消費します。 つまり、毎秒18㍑を消費するわけです。 現在は多くの機体がターボファンエンジンを使用しているためこれよりは消費量は低いでしょうが、 いずれにしても桁違いの消費量でしょう。 #right(){(75:名無し軍曹)} **輸送機にはプロペラとジェットエンジンの2種類あるようですが、どのように使い分けてるんでしょうか? >メリット・デメッリトとかあるんでしょうか? ・プロペラのジェットに対するメリット・デメリット メリット:低速時の加速が良い、プロペラ後流を使って高揚力を得やすい=>STOL化しやすい。 燃費良い。 デメリット:高速化が困難 #right(){(85:865)} 補足 プロペラの利点:長時間の滞空能力(ただし低速) プロペラの欠点:低出力ゆえのペイロードの少なさ #right(){(85:system)} 特に使い分けしている訳ではありません。 ただ、経済性を求められる輸送機の場合は、Turbopropの方が経済的で 整備性も良い傾向にあるようです。 #right(){(85:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **戦闘機のジェットエンジンって雨の時などは、パワー低下はおきるのでしょうか? タービンエンジンは結構雨に強いです。(逆に推力増強の水噴射とか有りますし) 前にフロリダで豪雨で民間機が落ちた事がありましたが、 そのときの記事でも、かなりの重量%で水を吸い込まないと大きな推力低下は起こらないと言うことでした。 #right(){(88:372)} 以前エアレスで同じ質問がありまして、重量%にして5%以内なら雨はエンジンに何の害も与えないし、 流入質量がするため推力が増すそうです 旅客機パイロットはこの意図しない(制御もできない)推力変動にいつも泣かされるそうで #right(){(88:389)} FAAのエンジンFOD試験に、空気流量の4%重量の水の吸い込みで3分間エンジン運転条件を保つというテストがあります。 この辺りを大きく超えると問題なんでしょうね。 あとは前にも書きましたが、鳥だとか氷・雹・石と砂の混合・飛散した動翼片・タイヤの破片などのFODテストが有ります。 #right(){(88:411)} **ラムジェットって正常作動するためには、本体がマッハ以上で飛行してなきゃならないですよね? >ラムジェットって高機動によって運動エネルギーが失われ、対気速度がマッハを下回っても、正常に作動し続ける事ができるのでしょうか? ミサイル、特にSAMやAAMの燃焼時間は短い。当たる前に推力は失われて慣性で運動している。 砲弾を遠くに飛ばすのと同じ理由により長距離の対空ミサイルは斜め上から落ちてくる。 終端誘導では空力制御だけで向きを変えてる。推力は利用していない。 ラムジェットなんで目標についたときにまだ作動してるかもと考えた? 長距離ってのはより長い時間推力を得ることで実現してるんだろうけど、 より遠くにある目標地点ではやっぱり燃焼が終わっている。 だからラムジェットが作動しているかというのは考慮しないでよい。 #right(){(91:629)}  ラムジェットは高速であればあるほど効率が高くなるが、別に音速以下でも動作するぞ。  ナチスドイツのFi-103(V-1飛行爆弾)も単純ラムジェットエンジンだが、飛行速度は 音速よりはるかに低い。  でもって、推進装置にラムジェットを使っているミサイルは、大概ラムジェットを初動 ブースター・・・つまり、発射して加速する段階の推進力に使っている。  だから、 >固体ロケットやらターボファンエンジンやらを併用して、 ><それらの燃料が尽きた後でもラムジェット作動させて長射程を実現させる>  ここがまず間違った認識かと。  で、の質問だが、  ミサイルは例え推進源がカットされても、慣性の法則にしたがって飛びつづける(勿論、 徐々に速度は落ちるが)。だから、モーターが止まっていても、目標に向かって自己を誘導 することは充分に可能。  例をあげるとアメリカのAIM-54”フェニックス”やMIM-14”ナイキ・ハキュリーズ”は、 発射してしばらくするとロケットモーターの燃焼は終了し、後は慣性でただ飛んでるだけと なる(だから、激しい回避機動ができる戦闘機などにはうまく当らない)。  むしろ、ラムジェットのように高速が出せる推進装置を使っていると、 ”速度が早すぎて小回りが効かないので運動性能の高い目標に当らない” ということの方が問題になるのではないかと思う。     質問とは少々ずれた回答になったが、理解頂けただろうか? #right(){(91:630)} >高機動回避運動が可能な戦闘機相手には、まだまだ >長距離AAMは「必殺」のレベルまでの性能は持っていない  まぁそういうこと。  ただ、”高機動回避運動”が可能な戦闘機を、長距離で必殺するメリット、というものが あまりないので、わざわざ金と手間かけてそんな性能必要なんだろうか、と言う疑問がある。  長射程の対艦ミサイルとか対地ミサイルとかを搭載している相手なら、機動性が鈍る から高機動回避される可能性は少ないし。長距離巡航ミサイルとかは、人が乗ってない から高度な回避運動をしないし。  今よりももっと技術が進歩すれば、”高機動回避運動ができるミサイル”とか”長射程 ミサイルを4発抱えてドッグファイトができる”航空機が開発されて、l高機動回避運動をする 目標を必殺できる長射程AAM、というものが開発されるかも。 #right(){(91:643)} >では、結局のところ高機動回避運動が可能な戦闘機相手には、まだまだ >長距離AAMは「必殺」のレベルまでの性能は持っていない、 そのとおり。AIM-Xやパイソン4などとは違うのよ。 >それでも、AEWの支援がなければ、長距離から迫ってくる >ミサイルを発見できない可能性があるんで、十分存在意義はある こっちもそのとおり。 AAMは戦闘機よりずっと小さなRCSだし、燃焼が終わってるから 大気との摩擦熱以外の熱源はエンジンの余熱しか無いわけだ。 摩擦熱は結構大きいけどこれも小ささが有利に働くな。 あと高機動回避が不可能なAEWを目標とできる意義がある。 迎撃してくる戦闘機と接敵する前に発射できる可能性が増す。 そんでAEWを落とせれば2番目の意義が現実味を帯びるわけだな #right(){(91:644)} **エンジンが受ける抵抗より大きい力で推力が出るのはなぜなのでしょうか? えーと、専門外なのでうろ覚えで書きますが、インテークによって 発生する推力というのは、背圧が負である事を前提に計算されており、 エンジンがなければ背圧は大きな正となるため、インテーク推力は 消失するのだったと思います。つまりは推力をどの断面で具体化するか だけの話で。ただ、インテークの設計を考える上では、背後のエンジン によって生ずる推力(つまりインテークから見れば後に吸引される 負圧)がタダで存在すると考えて計算するのが簡単、ということだったかと。 #right(){(93:system)} **ジェット戦闘機のジェットエンジンって砂利とか虫とかバンバン吸い込んじゃうと思うんですけど大丈夫なんですか? 異物の吸い込みによる損傷(FOD:Foreign Object Damage)は意外なほど頻繁に起きており、 それによる墜落事故もときどき起きています。 設計者も多少のゴミを吸い込むことは承知の上で、 少々の異物吸入でもエンジンの停止を起こさないように設計しています。 というか、異物の吸入テストに合格しないと、量産の許可がおりません。 設計時の限界を上回る大きなゴミがぶつかれば、エンジンの停止も有り得ます。 滑走路上のゴミは、定期的に地上要員が取り除いています。 エアインテイクにフィルターを取り付けると、エンジンの出力が低下するので、あまり使われません。 旧ソ連・ロシアの一部の軍用機には、 地上にいる間だけ作動する異物吸入防止用のスクリーンが使用されています。 #right(){(100:176)} 程度にもよります。一応は滑走路に異物が落ちていないかは、 こまめに点検はしていますが(空母は朝一に乗組員が一列に並んで点検します)、 エンジンの方でも、少々の物を吸い込んでも大丈夫な様に造られています (死んだ鳥をぶつけて耐久性を見るテストもします)。 戦闘機よりも、前線での使用が多いヘリコプターなどは、 エアインティークにカバーが掛かっている物も有りますし、MiG-29のように、 離陸時はメインのエアインティークにフタをして、 上面から空気を取り入れる構造にしている物も有ります。 #right(){(100:177)} >Mig-29の上方口が最近無いのが気になる。 Mig-29シリーズのインテイクの蓋は、Su27シリーズと同じ金網方式に変更されたはず。 #right(){(100:179) **排気ガスを過給ではなく動力として取り出すターボコンパウンドエンジンは、効率も良さそうで非常に素晴らしいものに思えます。 >しかしながら、どうしてメジャーになれなかったのでしょうか? ターボコンパウンドが航空エンジンに実用化されたのは戦後のこと。 ジェットエンジンが発明されてなかったら、たぶんメジャーになっていたでしょうね。 #right(){(106:663)} 確かに従来のエンジンに比べると、排気ガスの熱エネルギーの21%を動力に変換できる効率の良さが利点です。 反面、エンジンから3段式タービンへと導かれる排気の高熱処理の問題と、 重量増(R-3350-23で1211kg、ターボコンパウンドが1633kg)、 それと燃料費の問題(115オクタン航空ガソリンを用いるの で、ジェット燃料よりも燃料費は高い)、更にタービンから回転軸へは 複雑な歯車を噛み合わせで動力を伝達するので整備性が悪いと、 あらゆる面で運航費が高く付くことが普及しなかった原因でしょう。 ま、ジェットエンジンが普及したのが普及しなかった最大の原因ですけど。 #right(){(106:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 漏れの大学の講師が昔研究(机上)してたが、  排ガスの動力をエンジンの出力に足すための機構が複雑 (一方が他方を過回転で破壊しない様にする必要がある。)  排気の熱が駆動系にリバースする。 とかで、効率性は眉唾、信頼性は劣悪と判断した。 その後、エンジンを巡航させて発電機を     (中略) 排ガス減らす方がよほど世のため人のためと平成になりに気付いてた。 要するにポルシェから半世紀以上も遅れをとっちゃう様な人の見解だが、まあ間違いでは無いでしょ。 #right(){(106:807)} **戦闘機ってたいてい、単発か双発みたいですけど、どうしてそれ以上のエンジンを積まないんでしょうか? 大出力のエンジン一つか二つの方が、小出力のエンジン四つよりも重量あたりのパワーが大きい。 空気抵抗の原因となるエンジンが少ない方が効率がいい。 #right(){(初心者質問スレッド467より)} **戦闘機のエンジンは暖機不要なのでしょうか? >スクランブル発進の機や、迎撃機は急速にそのまま飛び上がっていますが、 >エンジンが暖まっていない状態で出力は上がるのでしょうか? 少し昔の機体は暖気がというか、エンジンが始動するのにやや時間が必要だったが 現在は特にそういうことは無いというか、出力が上がるまでの時間が短縮されている 極寒地の北欧とかロシアとかでは冬に航空機のエンジンが凍り付いてしまって 時間掛けて温めないと動かないなんて事も起こりうるようだが #right{(520:274)} エンジンオイルなどは外部から温まったものを循環させ、エンジンをかけなくても、温まった状態をキープしている。 昔だと迎撃などで待機している機体は整備員が時々エンジンを動かして温めてる。 #right{(520:275)} **ターボプロップとレシプロは同じプロペラでもどう違うんですか? >と言うか、プロペラは何種類くらいのエンジンがあるんですか? ターボプロップとは、乱暴に言うとジェットエンジンのファンの軸を延長して その先にギアボックスを繋ぎプロペラブレードを廻して飛ぶ飛行機。 初期のジェットエンジン(ターボジェットエンジン)は低速回転が苦手だったので 低速で飛ぶことが難しい上、燃費が異様に悪いので航続距離が短かった。 必然的に「速度は速くなくてもいいから長距離を飛びたい」という用途に向かない ので、それをフォローするために考えられたのがターボプロップ。 このターボプロップのプロペラの代わりに、ターボジェットエンジンの前に周囲を 筒で覆ったファンを回すことでターボプロップと同じ能力を発揮させる設計にしたのが 現在「ジェットエンジン」の主流である「ターボファンエンジン」。 これの登場で「ジェットの高空高速性能」と「レシプロの低空低速安定性能」それに 「燃費のよさ」を両立させることができるようになった。 #right(){(556:557)} 補足みたいなものを。 飛行機の用途や任務、要求性能によってジェットエンジンがいいか、プロペラが いいかという選択がある。プロペラで要求する速度が出せるとか、そっちのほうが 燃費が良いとかでプロペラが選ばれたら、こんどはエンジンの選択に入る。 現在であればレシプロかターボプロップ。ただ、レシプロで大出力エンジンをつくる とすると、究極的にはシリンダーをいくる並べるのかという話にしかならないため重 く複雑、高価になる。ジェットエンジンは出力に比して「構造が簡単」という利点があ るので、大型のプロペラ機なら、タービンの回転を取り出してプロペラの回転数ま で落とすギアボックスが必要という不利を差し引いても、ターボプロップを選択する。 レシプロだって一つのプロペラを回すエンジンの出力が足らなければ、結局、複数 のエンジンをギアボックスで結ばなきゃならないし。 第二次世界大戦で大出力レシプロエンジンの本家のイメージのある米軍ですが、B-29で もエンジン故障、火災、墜落のコンボは結構ありますし、戦後の対潜哨戒機のP2V のレシプロエンジンもそれで苦労しています。川崎がP2Jを作ったときは、真っ先に レシプロをターボプロップに変更してエンジン整備の手間を減らし、足らない馬力は 補助ジェットエンジンで補いました。 #right(){(556:ふみ)} **ターボプロップはレシプロよりメリットあるの? レシプロでは実現不能な大出力が可能。最大で一万五千馬力のものがある。 同出力ならより軽量。大出力では半分以下に。 排気による推力がレシプロより大きいので特に高速で有利。 振動が少ない。 メンテナンスが楽。 デメリットは… 昔は燃費が悪いとかあったが、今はどうなんだろう。 #right(){(334:519)} **航続距離や搭載量を示す際、「正規」と「過荷」ってありますよね。 >あれ「過荷」というのは何に対して「過」なんでしょうか?  飛行機の構造は 「最大離陸重量XXkgにて荷重倍数2.5に耐えること」とか仕様で求められています。 この場合 XXkgで2.5Gの機動が可能な訳で これが正規状態での運用になります。 これを例えば2.25Gに運用を制限すれば、より大きな重量で飛べるわけで、これが過荷重(状態での運用)になります。 ちなみに XXkgで2.5Gを超えたらすぐ壊れちゃうわけじゃなく、安全率(例えば)1.5を掛けた3.75Gまで構造が破壊されない事が求められています。 #right(){(341:629)} **現代の戦闘機に使われてるエンジンは燃焼器での最大温度、通常の排気温度、アフターバーナー使用時の排気温度はそれぞれどのくらいですか? 最大温度は1200度以上。通常の排気温度は200~300度(ステルス性を考えて低くなるよう設計される)。 気の利かない設計だと500度ぐらいまで上がることもある。アフターバーナー使用時は700~800度程度。 しかしSu-27の排気温度計は1000度まで目盛ってあるらしい。 #right(){(486:287)} http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1192343293/ タイフーンのエンジンのEJ200で1470℃、F-22のエンジンF119で1540℃ ラファールのエンジンであるM88で1570℃になる。 XF5は、1550℃である。 F135がタービン直前温度2000℃と聞いた後 TFR師曰く 「普通2000℃だと、空気中の酸素と窒素が反応して吸熱反応になるんですけどね」 だとさ そしてもう1つの問題は、タービン直前温度が2000℃ならもっと温度の高い燃焼室の温度は何度なんだ?という事だ。 手元の 航空工学講座 ジェット・エンジン(構造) 日本航空技術協会 の107ページには 燃焼室温度が1600~2000℃であっても出口温度は800~1300℃くらい、などと書いてある これじゃ温度差が大き過ぎる。 1400℃台前半だったのは1970年代まで。 それ以降に開発されたエンジンでは、全てそれ以上の温度に耐えている #right(){(486:311)} **2乗3乗則って現代のジェット戦闘機にも当てはまりますか? >電子機器や固定武装、乗員スペースの小型化には限界があるのは理解してますので、大直径ファンジェットの単発とそれより直径の小さいファンジェットの双発を比較して。 >結局、戦闘機に使うような低バイパス比のエンジンだとどうなんでしょうか? 世界の傑作機のフリーダムファイターの解説によると。 推力は開口部の面積に依存する。同じ技術でエンジンを大型化あるいは小型化するのであれば 直径が倍になると推力は4倍になり、重量は8倍になる。逆に直径を半分にすると推力は1/4にな り、重量は1/8になる。 1/8の重量を目指し、1/4以上の推力を発揮できれば、小型のエンジンの双発が大型単発に勝て る可能性が出てくるという話らしい。 F-5のエンジンであるJ85の成功は、ミサイルやドローンに装備する使い捨てエンジンを出自としな がら、当時の最新エンジンであるJ79の技術をつぎ込んで開発された部分も大きい。現代であれば 同じ技術レベルで戦闘機用エンジンを大小ふたつ並行で開発するのかできるのか完成品があるの かという話になる。 ただ、運行経費から言えば単発の方が安いので、双発でないと間に合わない機体規模になる大型 戦闘機を別として、比較的軽量な戦闘機を単発と同じ合算推力を目指して双発にするメリットその ものが無いのではないだろうか。 #right(){(623:ふみ ◆Y.QUKJBduY)} **ターボプロップエンジンもどこかレシプロエンジンに劣る部分があるのではないでしょうか? >レシプロエンジンが廃れたのはターボプロップエンジンが登場したからだと言われていますが、 >レシプロが廃れた経緯を始め、その辺りを詳しく教えてください。 既に答えが出ていると思うが、高性能のガソリンレシプロエンジンは燃料に関しても 神経質。タービンエンジンはその点は許容度が高い。 軍としては燃料はイザと言う場合にはなるべく共通化したい点も重要。 ガソリンは危険度も高い点ももちろんある。 加えて言えば、既にターボプロップ機も廃れつつある。 現在新型の軍用機として生産されてるC-130系やE-2などは、基本設計が はるかに昔の物ので基本フレームは弄らない発展型だ。 同じ用途の物を新設計するならターボファンエンジン付になる。 代表的な例でいうとP-3Cの後継機などがそう。 ターボプロップは、ターボジェットに対して燃費が良いから 比較的低速で長時間飛行する物に対しては有利だった。 しかしターボファンに比べると非効率。 更に環境的に考えると、ターボプロップ機は騒音の問題もある。 ターボジェットの煩さとプロペラの煩さが相乗作用で騒音レベルが高い。 COIN機のような物は地域紛争などで多くの発展途上国では必要だろうが、 専用機というより身近にあるもの何でもいいから改造して任に当たらせるもの だから、こういうのは例外と思う。 ベトナム戦争でブロンコが行っていたFAC(A)などはこの手の低速機では、現在は 任務を果たせないと言う事で、普通のジェット機がやってるしね。 #right(){(625:258)} **Me262みたいに翼にエンジンぶら下げた戦闘機が少ないのはなんで? 高機動を身上とする戦闘機には抵抗にしても、慣性モーメントから言っても不向きなレイアウトの為。 Me262はエンジンの耐久時間が短かった為に交換性を優先させたのも一因。 爆撃などは高機動を必要としないのと、大きな後退翼の翼端失速対策で、ポット式はマスバランスの働きをするので、 効率が良い為に多くの機種が使った。 #right(){(638:502)} **アメリカではスピードボートにCH47のターボシャフトエンジン(中古)を使っていますが、ターボシャフトエンジンのレスポンスはどうなんでしょうか? ガスタービンエンジンの一般的な傾向として、小型なほど・軸数が少ないほどレスポンスが良い。 (近年ではFADEC等の電子コントロールでもレスポンスも改善している) 現代の大型ターボファンでアイドルからフルスロットルまで4~10秒、戦闘機用で1~4秒程。 レース用にチューンするのなら、フリータービン形式のターボシャフトをアイドル時も燃費気にせずにN1:100%に保てば、 レシプロ形式のエンジンより有利になるだろう。 #right(){(645:328)} **黎明期の頃のジェット機が翼にエンジンを吊るしているのは何故? >その後の変遷を見る限り爆撃機以外でその方式は見られないので、あまり適切な配置とは思えないのですが。 簡単に書くのならば、エンジンの寿命が極端に短かったの一言に尽きます。 当時は冶金工学も余り発達していませんし、ドイツなんかでは代用耐熱金属でエンジンを作っていました。 ですので、飛行時間10時間程度でエンジンが寿命となります。 従って、胴体奥深くに仕舞い込むより、主翼下にぶら下げて、交換しやすくした訳で。 ちなみに、胴体内に仕舞い込めるようになったのは、エンジン架から後半の胴体をボルト数本で外すことが 出来るようになり、交換が容易になったのと、エンジン寿命が長くなったことが一つの要因です。 #right(){(300:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **レシプロ時代には少なかった双発戦闘機が、ジェット機の時代になると主力戦闘機の多くに現れていますが、なぜ双発が増えたんでしょう? 書いておられる範囲だと前後関係が不明なのですが、 ジェットエンジンの推力は概ねインテーク面積に比例する。つまりインテーク半径の自乗に比例する。 ジェットエンジンの重さは概ねインテーク半径の三乗に比例する。 したがって大推力のジェットエンジンは推力以上に重量が増加する(単純には推力4倍なら重さは8倍)。 ただし多エンジンの場合、補機やコントロール、給油系統のオーバーヘッドが生ずるため、 単純に重さが有利になるわけではなく、メンテの問題も生ずる。小さすぎると逆に熱効率が落ちる。 このあたりのバランスで大型で推力重量比が大きく、ペイロードの大きい戦闘機は双発化します。 ターボファンはプロペラつきジェット的側面があり、低圧ファンを大きくすることで効率を稼げます。 このため二乗三乗則から逃れることができるので、大型ジェットエンジンはターボファン (特にバイパス比の大きいもの)がメインになります。 #right(){(297:65-70)} **ドッグファイトで旋回するとき、エンジンスロットルをゼロにして 旋回終了と同時にMAX、A/Bをふかしたりしますか? ジェットエンジンはスロットルをいっぱいに絞っても推力はゼロにはならん 推力ゼロにしたかったらエンジンを停止しなきゃならん そしてエンジン再始動には一定の手順が決められているので、すぐにフルスロットルにはできない #right(){(296:918)} **戦闘機のエンジンでアフターバーナーを使わない最大推力をミリタリー推力と言ったりしますが、 >何で「ミリタリー」推力と呼ばれるようになったのでしょう? 民間だと ・最大離陸推力 Maximum Takeoff thrust(MTO) ・最大連続推力 Maximum Continuous thrust (MCT) ・最大上昇推力 Maximum Climb thrust (MCL) ・最大巡航推力 Maximum Cruise thrust (MCR) ぐらいあれば十分だが軍用、特に戦闘機はエネルギー回復のため 普段は使わないアフターバナーを詰んでるので特別な指標が必要になるから Max Dry ThrustをMilitary Thrustと呼ぶ。 元々軍用エンジンの定格(Rating)は、その運用環境の違いから民間と異なる基準でMilスペックに基づき定められている。 レシプロエンジンの時代から、最大(Maximum)と連続最大(Maximum Continous)の中間に時間制限のある 戦闘時出力(Military)が定められていた。 A/B付きの時代になり、定格に最大無増加(MaximunNon-augmented)が追加されたが、慣用的にMilitaryと呼ばれている。 #right(){(677:667-670)} **ジェットエンジンの出力を上げるには、サイズを大きくする以外はどのような工夫があるのでしょうか? 圧縮比を上げるとか、燃焼室の形状を工夫するとか、ノズルの形状を工夫するとか、いろいろあるぞ #right(){(俺初質スレ431:954)} ラムジェットとかスクラムジェットにする #right(){(俺初質スレ431:956)} **同じエンジン使うなら単発機より双発機の方が速度・上昇力ともに期待値を上げられるって事で良いんですかね? 飛行機をブロック単位に考えると分かりやすいんだけど、単発機2機を翼の端でひっつけて、 1機に纏めると、余剰なパーツが出てくるだろ?単純に考えて、1機分のコクピット、左の翼と右の翼それぞれ1枚と。 その省いた分軽くなってるので、エンジンパワーに余裕が出てくる。 その余裕分のエンジンパワーをどこに割り振るかが、双発機の味付けの話になってる。 欧州や、日本はその余剰分を燃料搭載量にしたり、複数の搭乗員スペースにしたけどアメリカは、程々の燃料タンクに 単座でしのいでるから、その分高速になったという話。 #right(){(俺初質スレ432:46)} 重量も増えるし空気抵抗も増えるから、設計をうまくやらないとダメだ! 実際速度や上昇力なら単発機が優れてる例の方が多い。 むしろ搭載量を生かした多用途性に期待値がかかるが、それで欲張って失敗したのが 第二次世界大戦の頃の双発戦闘機に多い。 実際、双発の戦闘機でそれなりに成功して「戦闘機としての運用実績」もそれなりに良かったのは P-38とモスキートとP-82くらい(P-61は運用がいささか特殊なので・・) #right(){(俺初質スレ432:47)} **排気ガスを過給ではなく動力として取り出すターボコンパウンドエンジンは、どうしてメジャーになれなかったのでしょうか? >素人目には効率も良さそうで非常に素晴らしいものに思えます。 確かに従来のエンジンに比べると、排気ガスの熱エネルギーの21%を動力に変換できる効率の良さ が利点です。 反面、エンジンから3段式タービンへと導かれる排気の高熱処理の問題と、重量増(R-3350-23で 1211kg、ターボコンパウンドが1633kg)、それと燃料費の問題(115オクタン航空ガソリンを用いるの で、ジェット燃料よりも燃料費は高い)、更にタービンから回転軸へは複雑な歯車を噛み合わせで 動力を伝達するので整備性が悪いと、あらゆる面で運航費が高く付くことが普及しなかった原因 でしょう。 ま、ジェットエンジンが普及したのが普及しなかった最大の原因ですけど。 #right(){(106:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **戦闘機本体にエンジンを作動させる装置は付いていないのですか? >エンジンを作動さすには外部コンプレッサ-が必要と聞ききましたが 自力でエンジン始動できる装置を搭載するものもあります ただしバッテリーを使う。 空中で再始動する場合は、ちゃんと滑空している状態ならば (理由は後述)エンジン単独で再始動できます。 訓練はもちろんしています。 ジェットエンジンは一本のシャフトの一方に取り込んだ空気を 圧縮するコンプレッサ、もう一方の端に燃焼した排気でシャフト を回転させるためのタービンがついてます。 エンジンオフ状態ではシャフトが回ってないので、当然空気を 燃焼室に送り込むこともできず、単独ではスタートできません。 だから外部動力でシャフトを回します。いったん燃焼が始まれば 排気がシャフトを回し、それによって新しい空気を取り込むという サイクルが始まるので外部動力は要りません。 空中で再始動する場合、ちゃんと機首を前にして一定以上の 速度で滑空していれば、風圧でコンプレッサが回るので単独で 再始動できます。でもスピンしてたりしたらだめ。 機内搭載する外部動力のことをAPU(Assisted Power Unit)と いいます。 ジェットエンジンの始動について 基本的にコンプレッサーブレードを定格の20~30%で回転させることができれば動力は何でも良い 動力源としては 1)機内搭載発電機でスターターモーターを回す  JFS(Jet Fuel Starter)っていうジェット燃料で動く発電機で発電してスターターを回します  JFSの始動は普通はバッテリーですが、プルスタート可能なのもあります 2)機外動力車を使ってスターターを回す  圧縮空気でスターターを回す(そういえば、今のF1レースもエアスターターですね)  電力を供給してスターターを回す  (自衛隊は1台の動力車から圧縮空気と電気両方引いて2機を始動してたり・・・ 動力車足りない) 3)火薬始動  ショットガンのカートリッジみたいなものを爆発させて、その力でスターターを回す  (ロシアのエンジンには対応してるやつが多いですね) 4)機外動力でタービンを直接回す  模型のジェットエンジンではスピンナーに直結して回します  初期の実機ジェットエンジンはこれです  (SR-71のエンジンもメカニカルに結合して始動のはず) 双発の場合は一発かかれば発電しますから、その電力でスターターを回します あと、空中再始動の場合はダイブなどで対気速度をとって、空気の流れでタービンを回して再始動します 車でいえば押しがけみたいなもん #right(){(130:731-746)} **初期のジェットエンジンの燃費はどれぐらいだったんでしょう? 大戦末期に実用化されたジェットエンジンの燃費は推力1kgにつき1時間当たり燃料1.5kgを消費した これは急速に改善されていって、朝鮮戦争が始まったころは(約5年後)は1kg/1kg/h、終わる ころには0.8kg/1kg/h、現在のターボファンは、巡航時だと0.5kg/1kg/h以下とされる(アフターバーナーを 焚くと10倍近く跳ね上がる) で、大戦中のレシプロ燃費は、平均すると現代のターボファンに近い線になる #right(){(156:49)} **ジェットエンジンのバイパス比なる物の意味を教えてください。 燃焼室を通らずに、ファンによって加速され排出される空気の量と、 燃焼室を通過する空気の量の比率が「バイパス比」です。 バイパス比が高いほうが、燃焼させる空気の量が少ないため、より低燃費となり、 また後方に噴出する空気の質量が大きくなるため、より低速で空気を噴出することになります。 このため、経済的、低騒音、超音速飛行に向かない、という特徴があります。 高バイパス比のエンジンは輸送機や旅客機、低バイパス比のエンジンは戦闘機向きです。 ちなみにB747-400に使用されているPW4062がバイパス比4.8から5.1、 F-15なんかに使われてるF100-PW-229でバイパス比0.36。 #right(){(242:283)} **航空機用ディーゼルエンジンって存在しないのでしょうか? ドイツのユンカースJu-86Pは950hpのユモ207A ディーゼルエンジン搭載です。 高高度爆撃と偵察に用いられていました。 #right(){(63:名無し軍曹)} **日本の戦闘機エンジンは、なぜ自国開発ができないのですか? それは予算がないから 戦闘機のエンジンを作るには作っては壊す 作っては壊す これを延々と繰り返し 弱点を洗い出して消してく作業をする これはべらぼうに金がかかる #right(){(俺初質スレ20501:744)} ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
記事メニュー
目安箱バナー