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暗視装置」(2012/08/04 (土) 20:33:30) の最新版変更点

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#CONTENTS ---- **ナイト・ビジョンってありますよね。いわゆる暗視スコープ。あれってどのくらい見えるもんですかね。 >例えば遮光カーテンで見た目には室内にいるかいないか分からない場合でも暗視スコープを使えば電気がついてるかどうかくらいはわかりますかね。 ナイトビジョン(スターライトスコープ)は微弱な光を増幅する装置なので、 完璧に光の無い状況では使えません。ご質問のシチュエーションだと 現行の暗視鏡なら充分視認できうると思います #right(){(9:441)} あえて補足しますと、完璧に遮光すれば光増幅装置(スターライトスコープ)ではさすがに見えなくなります (長時間露光写真に写らないものは見えない)。 引用されているサイトのものは光増幅装置のようですから、この場合中に人がいるかどうかわかりません。 **ソニーのビデオカメラの機能で「ナイトショット」はいわゆるパッシブ型赤外線暗視装置になるのでしょうか? ナイトショット機能では赤外線ライトを照らして撮影します。 つまり、アクティブ式暗視装置ということです。 #right(){(9:611)} しかし、赤外画像式のナイトビジョンであれば、中に人がいることによる室温上昇を 遮光カーテンからの赤外輻射増加として感知することができます。つまり、人が いる部屋のカーテンだけ、他より明るく見えるわけです。 #right(){(9:system)} **現在米軍兵士などが目に付けている暗視装置もパッシブ赤外線方式なのでしょうか? いえ、そこまではまだ普及していません。開発段階はとっくに赤外が主流に なっていますが、実際に配備されているのはほとんどが第3世代の光増幅装置です。 赤外ゴグルが歩兵レベルで実用になるには、室温で作動する赤外センサー が必要であり、車両や航空機に比べて実戦配備は遅れています。 #right(){(12:388)} **歩兵などが使用するゴーグル型の暗視装置でパッシブ赤外線方式になっているものは存在するのでしょうか? >歩兵用のゴーグル型の夜間暗視装置は光増幅式かアクティブ赤外線方式のものだけなのでしょうか? 歩兵用の暗視装置は、いまではアクティブ赤外はほとんどないと思います。 光増幅式もパッシブ赤外に座を譲りつつあり、このため歩兵の迷彩も赤外に配慮したものが普及してきています。 強いていえば、赤外の照準用レーザーポインターがアクティブ赤外と言えるでしょうか。 #right(){(12:383)} **スターライトスコープ装備した集団に追われた人物が発光弾とかで相手の目をくらませるなんてシーンがあるけどあれって本当? 80年代以降のスターライトスコープは、全て光量急増対策が 施されています あれは60年代のベトナム戦争からその後しばらくの間だけの話です #right(){(28:479)} **赤外線スコープの画像がモノクロなのは何故なんですか? 単純に、 人間が色として認識出来ない赤外ライトで照らして見てるわけだから モノクロなんじゃないの? #right(){(58:195)} 赤外画像 赤外線にも可視光同様、近赤外から遠赤外までのスペクトルがあり、それを 波長ごとに可視光の色に割りふって疑似カラー表現することは可能ですし、 目的によっては行われています。つまり、軍用赤外のモノクロ画像は、カラー 撮影できるのに白黒写真を撮っているようなものです。理由は二つ。一つは 多波長の赤外線を受光、分離する機器はどうしても高価で重量も体積も大きくなります。 また、フィルムのカラー、白黒同様、全光エネルギーを波長フィルターなしで ひとつの受光素子で受けることが出来る白黒の方が感度が高いのです。軍用の場合、 赤外波長を分離して表示できるメリットよりも、感度、重量、体積、価格などのメリットの方が 優先されるので、モノクロ受光、表示となっているわけです。 従って、今後赤外カモフラージュなどが進歩してモノクロでは識別困難な ケースが増えてきた場合、また技術進歩によって多波長センサーが軽量化、低価格化された場合には 疑似カラー赤外画像も軍用に使用されるかも知れません。フルカラー(三色)よりも 二色表示(二波長センサー)あたりから始まるかな。 その場合、感度を要求される場合には、なんらかの方法で波長フィルター (あるいはそれに相当する装置)をキャンセルして高感度モノクロとして使用できる システムが付随しないと困ることもあるでしょう。 #right(){(58:203-204)} **WWII時のドイツ軍の赤外線暗視装置は、赤外線燈を備えているようですが、最新のものもそうなのでしょうか。 最近の暗視装置はパッシブ型で、赤外線を照射することによりその反射波を拾うアクティブ型と違い、 目標そのものが出す赤外線を捉えます (しかし、なんらかの赤外線を照射できるなら、パッシブ型も能力は上がります)。 最近の暗視装置について、小型の銃に取り付けるタイプであっても、 400m先の鹿がくっきりと見えるそうです。 サインドワインダーは生命体や焚き火程度の赤外線量は感知できないはずです。 #right(){(61:303)} アクティブ型の赤外線暗視装置でいちばん有名なのは74式戦車の砲塔についている箱 最近の赤外線センサはこちらから赤外線を出さないパッシブ型が主流。 #right(){(61:305)} **暗視装置って先進国の軍隊では歩兵一人につき一つ持ってるものでしょうか?でないと夜の戦闘がやりにくいですよね? できれば全員に支給したいんだろうけど、実際には予算の関係で難しい。 自衛隊でも、一人に一つ行き渡るほどの数があるのは、ごく一部の部隊のみ。 #right(){(初心者スレ467)} **暗視装置で質問だけど、通常の歩兵が使ってるようなNVGは連続で装用できないんだよね? >具体的に一晩に何分くらい・連続で何分くらいまで使って大丈夫なん? >あと現在の米軍が使ってるNVGと、ロシアとかその辺りの国が使ってるNVGでは性能も違う? 一晩使うくらいだったらバッテリーが持つ限りは連続使用できる。 正確な性能はあんまり発表されないけど、軍用のものであれば連続12時間、 総寿命は4000時間ほどと言われる。 長時間連続使用すると総寿命が短くなって行くそうだが。 ただしこれはあくまで機械の話で、暗視装置を連続12時間も覗いてたら人間の方が持たない。 アメリカ製のものは他の国のものに比べて優秀な性能だと言われる。 それ以上に、高価で機器の寿命がある暗視装置をあんなに大量かつ大規模に使えるような 軍隊はアメリカぐらいだ。 #right(){(初心者スレ487:902)} **パッシブ式赤外線暗視装置って熱をみているんですか? パッシブ赤外線暗視装置は物体が放射する赤外線(主に遠赤外線)を特殊な半導体を使って検知して 映像化する装置。 熱そのものではなく、物体が放射する赤外線を検知してるんだよ。 あらゆる物質は赤外線を出してる。絶対零度近い低温の物質でも例外じゃない。 だから赤外線を使って目標を検出できるわけ。 でも、その物体が背景と同じ温度とコントラストをしていたら、判別はすごく難しくなるだろうね。 将来的なステルス技術には、こういう赤外線隠蔽技術も含まれてくると思うよ。 #right(){(343:976,965)} **暗視装置にはどんな種類のものがあるの? 暗視装置、と言われるものは大きく分けると3つある。 まず第1世代の「投光式赤外線暗視装置」。アクティヴ式(赤外線)暗視装置、とも 呼ぶ。 これは赤外線だけを発光できるようにしたサーチライトで照らして、その光を赤外線 が増幅できる装置の内蔵されたスコープで捉える。 装置が大掛かりになって使用電気量も多い(大きなバッテリーが必要になる)し、 そもそも増幅スコープがあれば投光機で照らしている方は位置がバレバレになる。 なので廃れた。まだ使われてたりするけど。 第2世代の暗視装置は「光増幅式暗視装置」といい、別名スターライトスコープとも呼ぶ。 これは光電管を利用してほんの僅かな光(それこそ星の光でも。スターライト、という 名はそこから)でもあればそれを増幅して映像を映す。 欠点としては光を増幅するので本当に全く光の指してない環境(屋外なら滅多にないけど 洞窟の奥深くとか)だと何も映らない事。 それと、構造上強い光に弱く、不意に照明や照明弾、カメラのフラッシュなんかが視界に 入ってしまうと機械が壊れる。壊れなくてもヒューズが飛んで使用不能に。 最近のニュース報道なんかでも使われている「高感度カメラ」というものもあり、これは 「光増幅式」の仲間だ。メカニズムはほぼ一緒。 で、第3世代の「受光式赤外線暗視装置」。パッシヴ式赤外線暗視装置とも。 これは上の投光式の増幅スコープの能力をもっと上げたもので、物体の発する赤外線を 捕らえることができる。 人間や動いてる車両なんかは熱を発しているので、周囲の光景からは浮いて見える。 解像度を細かくすれば普通の映像のように見える(色はモノクロだが)ので、昼間 目で見てるように夜でも物が見える。 ただし、雨とか霧が降ると空気中の水滴が熱を乱反射するので使えなくなるし、 エンジン切って長く経ってる機械や熱を外部に放射しないように加工した服を着てたり する人間は捉えられない事がある。 蛇足ですが、パッシブの暗視装置(赤外に限らない)は次のような世代分けになります。 第1世代:ベトナム戦争時から使用。可視光対象。真空管式増幅のため、重く、電力消費大。解像度低く視野狭い。 第2世代:ベトナム戦争終わり頃から登場。マイクロチャンネルプレートによる増幅で軽量化。可視光対象。 このあたりまではいわゆる「スターライトスコープ」。 第3世代:赤外暗視装置。受光素子材料をGaAsに変更。赤から赤外域の光を感知。さらに可視光を完全に シャットするフィルターを併用して、緑や青の光が点いていても暗視妨げなくしたものもある(航空機などで 計器の照明光がじゃまにならない)。解像度、視野も広い。 現在では、これに可視光の増幅も行い、赤外画像と合成して2波長で見る装置も配備されている。 (Enhanced Night-Vision Goggle: ENVG)。 #right(){(323:434,442)} **夜戦用の赤外線装置を昼間の索敵に使うことはあるのでしょうか? 赤外画像装置を昼間使うことは普通に行われています。 可視光より、煙、霧、砂埃などを通過しやすいので、視程が悪いときには 赤外の方が有利だからです。湾岸戦争時にも、砂埃や油田火災の煙で 視程が悪いことが多く、優秀な赤外画像装置を持った米軍は、目が見えない イラク軍を一方的に撃破することができました。 寒冷地については、積雪していると太陽光の反射が強いので、かえって 見にくい場合があるかも知れませんね。 #right(){(677:system ◆systemVXQ2)} ----
#CONTENTS ---- **ナイト・ビジョンってありますよね。いわゆる暗視スコープ。あれってどのくらい見えるもんですかね。 >例えば遮光カーテンで見た目には室内にいるかいないか分からない場合でも暗視スコープを使えば電気がついてるかどうかくらいはわかりますかね。 ナイトビジョン(スターライトスコープ)は微弱な光を増幅する装置なので、 完璧に光の無い状況では使えません。ご質問のシチュエーションだと 現行の暗視鏡なら充分視認できうると思います #right(){(9:441)} あえて補足しますと、完璧に遮光すれば光増幅装置(スターライトスコープ)ではさすがに見えなくなります (長時間露光写真に写らないものは見えない)。 引用されているサイトのものは光増幅装置のようですから、この場合中に人がいるかどうかわかりません。 **ソニーのビデオカメラの機能で「ナイトショット」はいわゆるパッシブ型赤外線暗視装置になるのでしょうか? ナイトショット機能では赤外線ライトを照らして撮影します。 つまり、アクティブ式暗視装置ということです。 #right(){(9:611)} しかし、赤外画像式のナイトビジョンであれば、中に人がいることによる室温上昇を 遮光カーテンからの赤外輻射増加として感知することができます。つまり、人が いる部屋のカーテンだけ、他より明るく見えるわけです。 #right(){(9:system)} **現在米軍兵士などが目に付けている暗視装置もパッシブ赤外線方式なのでしょうか? いえ、そこまではまだ普及していません。開発段階はとっくに赤外が主流に なっていますが、実際に配備されているのはほとんどが第3世代の光増幅装置です。 赤外ゴグルが歩兵レベルで実用になるには、室温で作動する赤外センサー が必要であり、車両や航空機に比べて実戦配備は遅れています。 #right(){(12:388)} **歩兵などが使用するゴーグル型の暗視装置でパッシブ赤外線方式になっているものは存在するのでしょうか? >歩兵用のゴーグル型の夜間暗視装置は光増幅式かアクティブ赤外線方式のものだけなのでしょうか? 歩兵用の暗視装置は、いまではアクティブ赤外はほとんどないと思います。 光増幅式もパッシブ赤外に座を譲りつつあり、このため歩兵の迷彩も赤外に配慮したものが普及してきています。 強いていえば、赤外の照準用レーザーポインターがアクティブ赤外と言えるでしょうか。 #right(){(12:383)} **スターライトスコープ装備した集団に追われた人物が発光弾とかで相手の目をくらませるなんてシーンがあるけどあれって本当? 80年代以降のスターライトスコープは、全て光量急増対策が 施されています あれは60年代のベトナム戦争からその後しばらくの間だけの話です #right(){(28:479)} **赤外線スコープの画像がモノクロなのは何故なんですか? 単純に、 人間が色として認識出来ない赤外ライトで照らして見てるわけだから モノクロなんじゃないの? #right(){(58:195)} 赤外画像 赤外線にも可視光同様、近赤外から遠赤外までのスペクトルがあり、それを 波長ごとに可視光の色に割りふって疑似カラー表現することは可能ですし、 目的によっては行われています。つまり、軍用赤外のモノクロ画像は、カラー 撮影できるのに白黒写真を撮っているようなものです。理由は二つ。一つは 多波長の赤外線を受光、分離する機器はどうしても高価で重量も体積も大きくなります。 また、フィルムのカラー、白黒同様、全光エネルギーを波長フィルターなしで ひとつの受光素子で受けることが出来る白黒の方が感度が高いのです。軍用の場合、 赤外波長を分離して表示できるメリットよりも、感度、重量、体積、価格などのメリットの方が 優先されるので、モノクロ受光、表示となっているわけです。 従って、今後赤外カモフラージュなどが進歩してモノクロでは識別困難な ケースが増えてきた場合、また技術進歩によって多波長センサーが軽量化、低価格化された場合には 疑似カラー赤外画像も軍用に使用されるかも知れません。フルカラー(三色)よりも 二色表示(二波長センサー)あたりから始まるかな。 その場合、感度を要求される場合には、なんらかの方法で波長フィルター (あるいはそれに相当する装置)をキャンセルして高感度モノクロとして使用できる システムが付随しないと困ることもあるでしょう。 #right(){(58:203-204)} **WWII時のドイツ軍の赤外線暗視装置は、赤外線燈を備えているようですが、最新のものもそうなのでしょうか。 最近の暗視装置はパッシブ型で、赤外線を照射することによりその反射波を拾うアクティブ型と違い、 目標そのものが出す赤外線を捉えます (しかし、なんらかの赤外線を照射できるなら、パッシブ型も能力は上がります)。 最近の暗視装置について、小型の銃に取り付けるタイプであっても、 400m先の鹿がくっきりと見えるそうです。 サインドワインダーは生命体や焚き火程度の赤外線量は感知できないはずです。 #right(){(61:303)} アクティブ型の赤外線暗視装置でいちばん有名なのは74式戦車の砲塔についている箱 最近の赤外線センサはこちらから赤外線を出さないパッシブ型が主流。 #right(){(61:305)} 最新の赤外線暗視装置は、対象の発する赤外線を捕らえ映像化する もので目標に向かって赤外線を照射する必要はありません。 また、暗視装置には、微光増幅型のものもあり(いわゆるスターライトスコープ)こちらも広く使われています。 赤外線照射型は、使われていないわけではないですが、現在では旧式化したものといえます。 ミサイルなどに使われる赤外線追尾システムは、ある程度高温のもの の発する赤外線でないと追尾できないので、生命体のようなものを追尾する可能性は低いです。 ただし、焚き火や太陽を目標と誤認する可能性はあります。 ですから、ミサイルをかわすために、高熱発生体(フレアと呼ばれている)を投下する方法があります。 最新のミサイルには、最初に述べたような、目標の発生する赤外線を捕らえ映像化し、 目標の形態を識別して追尾するようなものが登場してきています。 #right(){(61:308)} **暗視装置って先進国の軍隊では歩兵一人につき一つ持ってるものでしょうか?でないと夜の戦闘がやりにくいですよね? できれば全員に支給したいんだろうけど、実際には予算の関係で難しい。 自衛隊でも、一人に一つ行き渡るほどの数があるのは、ごく一部の部隊のみ。 #right(){(初心者スレ467)} **暗視装置で質問だけど、通常の歩兵が使ってるようなNVGは連続で装用できないんだよね? >具体的に一晩に何分くらい・連続で何分くらいまで使って大丈夫なん? >あと現在の米軍が使ってるNVGと、ロシアとかその辺りの国が使ってるNVGでは性能も違う? 一晩使うくらいだったらバッテリーが持つ限りは連続使用できる。 正確な性能はあんまり発表されないけど、軍用のものであれば連続12時間、 総寿命は4000時間ほどと言われる。 長時間連続使用すると総寿命が短くなって行くそうだが。 ただしこれはあくまで機械の話で、暗視装置を連続12時間も覗いてたら人間の方が持たない。 アメリカ製のものは他の国のものに比べて優秀な性能だと言われる。 それ以上に、高価で機器の寿命がある暗視装置をあんなに大量かつ大規模に使えるような 軍隊はアメリカぐらいだ。 #right(){(初心者スレ487:902)} **パッシブ式赤外線暗視装置って熱をみているんですか? パッシブ赤外線暗視装置は物体が放射する赤外線(主に遠赤外線)を特殊な半導体を使って検知して 映像化する装置。 熱そのものではなく、物体が放射する赤外線を検知してるんだよ。 あらゆる物質は赤外線を出してる。絶対零度近い低温の物質でも例外じゃない。 だから赤外線を使って目標を検出できるわけ。 でも、その物体が背景と同じ温度とコントラストをしていたら、判別はすごく難しくなるだろうね。 将来的なステルス技術には、こういう赤外線隠蔽技術も含まれてくると思うよ。 #right(){(343:976,965)} **暗視装置にはどんな種類のものがあるの? 暗視装置、と言われるものは大きく分けると3つある。 まず第1世代の「投光式赤外線暗視装置」。アクティヴ式(赤外線)暗視装置、とも 呼ぶ。 これは赤外線だけを発光できるようにしたサーチライトで照らして、その光を赤外線 が増幅できる装置の内蔵されたスコープで捉える。 装置が大掛かりになって使用電気量も多い(大きなバッテリーが必要になる)し、 そもそも増幅スコープがあれば投光機で照らしている方は位置がバレバレになる。 なので廃れた。まだ使われてたりするけど。 第2世代の暗視装置は「光増幅式暗視装置」といい、別名スターライトスコープとも呼ぶ。 これは光電管を利用してほんの僅かな光(それこそ星の光でも。スターライト、という 名はそこから)でもあればそれを増幅して映像を映す。 欠点としては光を増幅するので本当に全く光の指してない環境(屋外なら滅多にないけど 洞窟の奥深くとか)だと何も映らない事。 それと、構造上強い光に弱く、不意に照明や照明弾、カメラのフラッシュなんかが視界に 入ってしまうと機械が壊れる。壊れなくてもヒューズが飛んで使用不能に。 最近のニュース報道なんかでも使われている「高感度カメラ」というものもあり、これは 「光増幅式」の仲間だ。メカニズムはほぼ一緒。 で、第3世代の「受光式赤外線暗視装置」。パッシヴ式赤外線暗視装置とも。 これは上の投光式の増幅スコープの能力をもっと上げたもので、物体の発する赤外線を 捕らえることができる。 人間や動いてる車両なんかは熱を発しているので、周囲の光景からは浮いて見える。 解像度を細かくすれば普通の映像のように見える(色はモノクロだが)ので、昼間 目で見てるように夜でも物が見える。 ただし、雨とか霧が降ると空気中の水滴が熱を乱反射するので使えなくなるし、 エンジン切って長く経ってる機械や熱を外部に放射しないように加工した服を着てたり する人間は捉えられない事がある。 蛇足ですが、パッシブの暗視装置(赤外に限らない)は次のような世代分けになります。 第1世代:ベトナム戦争時から使用。可視光対象。真空管式増幅のため、重く、電力消費大。解像度低く視野狭い。 第2世代:ベトナム戦争終わり頃から登場。マイクロチャンネルプレートによる増幅で軽量化。可視光対象。 このあたりまではいわゆる「スターライトスコープ」。 第3世代:赤外暗視装置。受光素子材料をGaAsに変更。赤から赤外域の光を感知。さらに可視光を完全に シャットするフィルターを併用して、緑や青の光が点いていても暗視妨げなくしたものもある(航空機などで 計器の照明光がじゃまにならない)。解像度、視野も広い。 現在では、これに可視光の増幅も行い、赤外画像と合成して2波長で見る装置も配備されている。 (Enhanced Night-Vision Goggle: ENVG)。 #right(){(323:434,442)} **夜戦用の赤外線装置を昼間の索敵に使うことはあるのでしょうか? 赤外画像装置を昼間使うことは普通に行われています。 可視光より、煙、霧、砂埃などを通過しやすいので、視程が悪いときには 赤外の方が有利だからです。湾岸戦争時にも、砂埃や油田火災の煙で 視程が悪いことが多く、優秀な赤外画像装置を持った米軍は、目が見えない イラク軍を一方的に撃破することができました。 寒冷地については、積雪していると太陽光の反射が強いので、かえって 見にくい場合があるかも知れませんね。 #right(){(677:system ◆systemVXQ2)} ----

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