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戦略・戦術」(2023/12/28 (木) 00:08:15) の最新版変更点

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#CONTENTS ---- **戦略と戦術は具体的にどう違うんですか? 戦術は現場規模、戦略は地域全体や戦争全体、さらに国際関係まで含みます。 #right(){(91:761)} ごく簡単化して言えば 戦争に勝つためのおおまかな手順・予定・計画が戦略 戦略の中のひとつひとつの戦いに勝つための工夫が戦術 よーするに最終的な目標に対する計画のおおまかさ・細かさで分けるので 視点の高さによっては同じ事象が戦略にも戦術にも捉えうります。 #right(){(91:782)} **MAD戦略の概要と、長所と短所を教えて下さい。特に短所がいまいち解りません。 MAD、相互確証破壊戦略の長所は、攻撃が自殺とつながっているため、引き金が途方もなく重いという点。 短所は莫大な費用と人材が必要な上、それでも引き金が引かれた場合、あるいは暴発した場合、それこそ確実に相互確証破壊されてしまうという点。 これは攻撃本能や恐怖を理性で克服できるとかいう、人類に課された大きな試練であったと思います。 このMAD以降、戦争のあり方は劇的に変わっていったわけです。 #right(){(5:system)} **「機動防御」とは、どういう戦術なのか? 主に陣地守備部隊と機動打撃部隊で行われる防御スタイル 陣地防御と対照的に、陣地守備部隊が作戦上の要点を確保しつつ機動打撃部隊により自ら望む時期と場所において敵を撃破する 陣地守備部隊は、敵の突破拡大の抑止と機動打撃部隊の掩護を行うため、意外にも結構しんどい #right(){(5:602)} 防御戦は通常、「戦線」で行うのですが その線を突破した敵を、こちらの機動戦力で打撃する防御戦の一形態です。 簡単な例えとしては、「モグラ叩き」です。 #right(){(64:446)} 前線の兵力が不足していて防御不可能な場合に、 前線で防御ぜず、退却して、後方からの増援や予備兵力の集結を待って、 戦力を集中して、反撃に転じる手法です。 #right(){(112:トルエン大尉)} **電撃戦ってなんですか? 装甲部隊,航空支援を敵戦線の一部に集中させて一気に突破すること、でいいのかね。 「電撃戦」というのは当時フランスやポーランドがあっという間に陥落したので ついた名前だと思う。(それともグデーリアンが最初から命名したんかな?) 現代では機動戦でくくられてしまうと思われ。 #right(){(19:ulysses)} 電撃戦(Britzkrieg)の命名者はドイツ人ではなくて、 実はイギリスの軍事評論家B・リデル・ハートだとの有力な説がある。 #right(){(19:823)} 攻撃目標は敵軍の指揮系統の破壊による勝利であり、 目的は補給、司令部の破壊で敵前線部隊や抵抗陣地は攻撃目的としない。 手段として機動性に優れた部隊である。これには優れた指揮、通信手段が必要である このさい、敵軍の殲滅、根拠地の占領、維持は後続部隊にまかせられる。 推奨本 電撃戦 レン・デイトン 早川書房 ¥800-。ISBN-4-15-05018-8 C0122 #right(){(21:769)} **群狼戦術とはどういったものなのでしょうか? 十数隻の潜水艦を広域に展開させて哨戒 ↓ その内の一隻が船団を発見 ↓ 近くで哨戒中の味方潜水艦を暗号無電で呼び寄せる ↓ 敵船団を多数の潜水艦で襲撃 ↓ ウマー #right(){(21:127)} **軍事における戦略と戦術の重要度比とか一般的にあるのでしょうか? 軍事行動に対してのビジョンが戦略、実際に軍隊を運用して戦う兵法が戦術、 どちらも等価値に重要でありどちらが主で従と言うこともありません。 #right(){(21:729)} **潜水艦戦術でドイツのルーデルタクテーィク(群戦術とでも訳?)とアメリカにおけるウルフパック(狼群戦術)の違いってなんなんでしょうか。 同じです。 #right(){(22:ulysses)} **飽和攻撃と物量作戦の違いって何すか? 飽和攻撃:ミサイル等を敵の迎撃対応能力を超えた量投入すること        飽和食塩水で塩が浮き出てくるのを想像していただけば 物量作戦:物量で押すこと #right(){(24:958)} **戦略偵察と戦術偵察の違いを教えてください。 戦略偵察は相手国の奥深く、兵器生産工場は稼動してるか部隊は終結し 移動準備してるかなど。U2とかSR71の任務。 戦術偵察は戦線の向こう側で、敵状の部隊配置や部隊移動など。 RF4などの偵察機の任務。 #right(){(27:一等自営業 ◆O8gZHKO.)} **戦術として、民間の電話会社を攻撃することはありえますか? 給水関連施設や電気施設を破壊するのは、人道的によろしくないと言われる可能性があるけど 通信施設を破壊するのは基本中の基本!! 米英などの資本家に主導される営利戦争の場合に限るけれどもね 解放戦争の場合は革命闘争に賛同する労働者階級が自発的に施設の機能を 止めてしまうと思われるので破壊する必要がない。 #right(){(33:407-408)} **よく用兵思想で「三倍の法則」というものを聞くのですが、それは近代戦でも通用する法則なのですか? 通用する。当然、戦術的な意味だけど。A、B、Cと言う戦線があるとして、 A正面で攻勢に出る為に3倍の戦力が必要だとすれば、A3、B1、C1でも成り立つ。 相手がA1,B1,C1なら全体から見れば5:3になる理屈だ。 #right(){(43:515)} 意見が分かれています。 単純な兵力量ではないというのも理由ですが、 現代戦とその戦力をどのように評価するかにもよります。 目安としては現代でも使われることはありますが、 現代戦では「陣地突破には6倍以上が必要」との見方もあります。 #right(){(65:218)} WWⅡ以降の戦訓では3倍則は成立してませんよ #right(){(77:192)} 攻勢作戦=着上陸作戦ってつながりが分らない。3倍ってのは地上戦」における 経験則。戦術レベルではそれ以上だし、戦略レベルではそれ以下。  具体的に言うと、蛸壺に篭った機関銃1丁は分隊どころか小隊を釘付け 出来る。方面軍レベルなら助攻正面で敵を拘束できるから、全体としては3倍以下になる。 #right(){(77:193)} **「孫子の兵法」はどこがどう優れているのでしょうか? 具体論としての評価は山ほどできますけど、 要するに近代以降の軍事技術の発展の方向性と、孫子の記述が一致する点が多かったということです。 自分達が頭ひねって考えたことが数千年前の人間にあらかた言い当てられていたとしたら、 そりゃあその人物を伝説視してしまうことは避けられまい、ってところですか。 #right(){(37:256)} **リデル・ハートのいう「間接アプローチ」てなんですか? リデル・ハートは、クラウゼヴィッツの戦争論が提唱する決戦主義を直接アプローチと位置づけ、 決戦に訴えることなく戦争を遂行することを間接アプローチと定義している。 例えばナポレオン登場以前のヨーロッパの戦争は大抵が消耗戦で、 これも間接アプローチの一種だし、ナポレオン戦争でもウェリントンが 消耗戦略でナポレオンと戦っている。 #right(){(50:269)} **騎士の突撃という戦術があまり有効でなくなったのはどうして? ピストル騎兵の登場により、重装騎兵は駆逐された。 #right(){(64:268)} 銃も進歩してるから鎧の意味がなくなって重装騎兵は廃れていった。 騎兵突撃そのものも19世紀には火器の発達により、ただの自殺行為に なってしまった。偵察などに使う乗馬歩兵として騎兵はもう少し生き延びたが WW2頃までには自動車などの発達でその位置すらも追われてしまったわけだ。 #right(){(64:279)} **散兵戦術がヨーロッパの戦場で一般化するのはいつごろですか? ナポレオン戦争の頃からです。 #right(){(69:443)} **崖や川などの地形を陣地の防衛に使用する時、それらの地形の前方にも守備の兵をおくのにはどういう理由があるのでしょうか? ・複数の防御線を構築する事で、敵攻撃衝力を弱める。 ・時間を稼いで、その間に防御ラインの強化を行なう。 ・敵攻勢の規模や方位を見定めて、有効な防御や反撃を行なう事が出来る。 #right(){(71:722)} **地上戦って具体的にどのように侵攻していくのですか? 斥候が偵察    ↓ 敵ハケーン    ↓ 大砲が牽制・撹乱・漸減    ↓ 戦車が蹂躙    ↓ 歩兵が確保 #right(){(74:925) こんなんでいいのかねw 1.航空偵察で先の状況を見る 2.偵察車両を出して具体的な状況を見る 3.必要なら後方の砲兵や航空兵力に射撃や爆撃を頼む 4.なるべく装甲のしっかりした車両で前進する 5.安全そうなら後方の部隊も前進させる 6.堅固な守備をとっている所は迂回し、その守備地点への補給を阻止する 7.敵の砲兵に射撃されたら3を実行する。 8.前線に常に補給物資が届くように機を配る などなど・・・軍の命令系統のどこに位置するかによって個人に求められる判断は変わりますが #right(){(74:926)} **戦争やプライベートライアンでは橋が重要そうですが、どういった点で重要なんでしょうか。 橋を使わずに装備を川向こうに渡すには何かと手間がかかります。 加えて本来橋がかかってないところですから、主要交通路からも外れているケースが少なくありません。 米英イラク侵攻軍がイラクの高速道路を利用していたように、大部隊の移動には既存の整備された交通路がいちばんいいのです。 #right(){(76:ゆうか ◆9a1boPv5wk)}※イラク戦争の記述を過去形に修正 **戦争では橋が重要そうですが、どういった点で重要なんでしょうか。 橋を押さえると、トラックも戦車も苦労しないで川を渡れる。だから重要。 #right(){(76:458)} 橋を使わずに装備を川向こうに渡すには何かと手間がかかります。 加えて本来橋がかかってないところですから、主要交通路からも外れているケースが少なくありません。 イラク戦争での米英イラク侵攻軍がイラクの高速道路を利用したように、大部隊の移動には既存の整備された交通路がいちばんいいのです。 #right(){(76:ゆうか ◆9a1boPv5wk)}※表現を過去形に修正 **電撃戦と縦深戦術の違いを教えてください 縦深戦術というのは、恐らく、縦深作戦理論とか呼ばれたり、 実施レベルで縦深突破同時打撃と呼ばれる戦術要領をさしていると思われる。 これらは、WW2以前、赤軍のトハチェフスキーらが提唱した機動戦理論。 比較的狭い正面で、戦車・歩兵の強襲により戦線を突破、 そこから機動部隊が進出。 機動部隊は後方へと進出して、 敵前面・側面の拘束部隊とともに敵部隊を包囲撃滅する… というような戦術構想。 一方、グデーリアンらが提唱した電撃戦の場合は、もう少し奇襲的要素を重視し、また、戦略レベルの効果も考えている。 すなわち、機動力に富む装甲部隊により、敵の作戦正面の弱体な部分に攻撃を集中し、短期に戦線を突破。 突破後は、大規模な包囲や分断を図りつつ、敵の指揮命令系統の混乱を招き、最終的に大規模な包囲殲滅、 あるいは戦略レベルで敵軍全体の組織的な崩壊を狙っていく。 #right(){(77:363)} **孫子の兵法の解説書が多すぎてどれが信頼できるものやら判別がつきません。 >誤訳,誤解のなるべく少ない信頼できる書籍としてオススメ品と言ったらどの様な物があるでしょうか。 岩波ので十分デス ビジネス色が付くと、非常にウザイ(私感) ちゃんと最低限の解説も付いているので。 #right(){(77:566)} 芙蓉書房の戦略論体系シリーズ「孫子」もいいかも。 後半に現代の軍事研究家による解説も載っていて参考になると思います。 #right(){(77:577)} **大鑑巨砲って何が不味かったんですか? そりゃ、艦隊決戦で勝って水面に敵の艦艇が居なくなっても、その海域の 水中に敵の潜水艦が居て、その海域の空に敵の飛行機が居れば「通れない」 事に変わりは無いだろ。畑も町も無い海面を「占領」する意味なんて無い。 海の上での戦闘ってのは、ソコを(商船や陸軍の輸送船を)「通す」為に行 うの。つまり、対水上戦闘で勝っても「制海権」は得られないわけだ。  じゃ、艦隊決戦で勝って水面に敵の艦艇が居なくなったら敵の海上交通を 遮断できるかっつーと、戦艦だけではそういう訳にもいかない。戦艦に限ら ず、フネってのはマストからの水平線の外は見えない。大体、半径30kmだ 。「大艦」では数が揃わん。  その上、当たり前の話だが自分より速いフネは補足できない。そもそも、 位置が相手にばれてたら的が近づいて来ない。この面でも結局は高度と速度 によって圧倒的に優位な航空機の出番になる。  つまり、強い事は強いんだが、何の意味があるのかサッパリ分からない強 さだった訳だな。 #right(){(78:86)} コストの問題も大きいのでは? 飛行機何百機か何千機ぶんもの費用を かけて建造したのに魚雷や爆弾を何発か受けただけで沈むんですから 効率悪すぎだと思います。 #right(){(78:87)} 簡単にいうと戦艦が日本海に5隻浮かんでるより、一式陸攻が一機 哨戒してる方が「制海権を得てる」に近い状態な訳よ。 #right(){(78:88)} 一言で言えば、弾がロクに当たらなかった。 #right(){(78:91)} **戦術論の教科書(みたいな本)を探しています。 陸戦学会が教科書や参考書を結構出しているけど、自衛官以外に売ってくれません。 入手が楽なのはネスコから出ている”戦術と指揮”等がいいかと。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890369007/qid=1051377985/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-6124283-4185121 #right(){(79:62)} 神田の軍事専門の古書店に大量にあります。 自衛隊の教本もあります。 神田の古書店に行きなさい。 #right(){(79:64)} 陸戦学会の本は陸戦研究くらいしかなく、戦術関係は教範類くらいしかなかったです。 こちらも先週確認していますし、戦術関連に関しては、教範は値段の割に最適とは言えないと思い…。 #right(){(79:127)} 陸戦学会関係の本は、自衛官の友人を作って借りる方が遙かに 早いような気がするが。 陸戦学会から出ている「湾岸戦争」と「史伝」は、戦史関係と言うこ ともあって古本屋で手に入ったが。 ↑場所は久留米だったんだが、道に迷ってうろうろしている内に 発見したので細部位置不明 #right(){(79:ミリ屋哲 ◆qmwryStCos)} **戦争論を読んでみたいのですが、どこのがいいでしょうか?訳者がちがうようなのですが。 岩波版は原本に欠落あり。徳間版も一部省略あり。 今買うのなら、中公版がおすすめ。 #right(){(90:549)} **人海戦術のどこがいけないのですか? 効率が良くないからじゃないのかな #right(){(90:907)} 人海戦術はイクナイわけじゃない。 自国で豊富な資源を有効に使って戦うのが良い戦争のやり方。 人間がふんだんにいるのであれば、それを贅沢に使って戦争するのも いいでしょう。 でも、現代では多くの国家では人間の命の値段が高くなったので (高度に工業化が進んだ国では自然とそうなる。富かになるほど少子化がすすむため) 人海戦術はあまり流行らなくなりました。 #right(){(90:912)} **「強固な意思で上陸を決意した軍を航空機や船舶での攻撃のみで上陸を完全に阻止するのは不可能」という話を見たのですが >海岸線じゃなくてたとえば日本海とかそういうところで阻止しきれないのは何故なのか 大抵の場合攻撃側は、望むときに戦力を投入出来る これは、戦理だから覚えておいてね。 防御側が戦力的に優勢でも、攻撃側は局地的な優勢を確保出来る ドイツ空軍の冬至作戦とか春の目覚め作戦とか読んでみそ (まああれは末期すぎてどうにもならなかったが) #right(){(93:603)} もう少し具体敵に説明するとするならな… 一応、某大陸軍国が、日本に上陸準備をするとする。 それがわかっても上陸地点がどこになるかはわからない。 で、その不明の上陸地点近辺には、護衛艦群が1個しかないとする。 で、某大陸軍国は、短時間でも制海権の確保のために、 日本に投入できる海軍力の総力と空軍力のできるだけを、 投入するかもしれないな。 場所によっては、他の方面にいる護衛艦群や米艦隊が来援に来るまでには、時間が掛かる。 とすれば、海上で十分な阻止行動ができない可能性が高まる。 実際に着上陸されてしまう可能性も高くなる。 実際には、時間をかければ制海権も奪還できる可能性も高く、 兵站の締め上げもできるかもしれない。 しかし、世論が…着上陸された→もうだめぽ…という風になる可能性がある。 そうならないうちに、強力な陸上戦力を着上陸した部隊にブチ当てて、 敵の兵力に大打撃を与えるとか、あるいは、内陸侵攻を断念させてしまいたい… そういうことが考えられるわけだ。 #right(){(93:604)} **陸戦の基本中の基本を知りたいと思ったら、どんな本を読めば良いのでしょうか? 孫子の兵法 #right(){(94:337)} 分隊指揮官レベルの部隊指揮や戦術知識でしたら、最も分かりやすいのは 上田信著「コンバット・バイブル」1~4 日本出版社 ではないでしょうか。 1巻は個人レベルの装備解説、2巻は指揮官レベルの指揮や戦術解説がメインになっています。 コミック仕立てですが、これほど分かりやすく解説された本はそうそうないかと。 あとは松村 劭著『戦術と指揮』ネスコ/文芸春秋 もかなりよい本です。 #right(){(94:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **戦場の戦略を勉強できる本で良いのないですか? 有名なところでは、『孫子』なんてどう? 岩波文庫から出てる。とてつもなく古い著作だけど、 戦略戦術で後世に非常に大きな影響を与えた。 #right(){(94:597)} **現代の戦車や装甲車両などの戦術について詳しく書いた本って何かありますか? パンツァータクティク 大日本絵画 発行などはどうでしょうか。 写真多数あり。戦車大隊、中隊の戦術について詳しく説明しています。 #right(){(96:75)} **戦術の基本的なことがわかる本があったら紹介してもらいたいです もう絶版だし原本は30年も前に出版されたもんだから自分でアプデートする必要があるけど 原書房から出ていたメカニックブックスシリーズなんかがよいかと このうち「図解 現代の航空戦」など数冊はソフトカバーに再編集されて再刊されたので 比較的入手しやすいと思う #right(){(96:95)} やはり米軍のフィールド・マニュアルFM100-5「Operation」が手ごろかと。 あと戦車や機械化歩兵に関しては該当するFMを参照するとよいと思います。 それから現代の戦闘において「戦線の形成」という概念は希薄です。 前方警戒、側翼援護、後方支援といった各要素が複合して「戦線」はつくられるわけで、 それぞれを理解しないと戦線の形成を把握するのは難しいと思います。 #right(){(96:97)} **電撃戦と機動打撃戦ってどうちがうのですか? 電撃戦は、戦線をごくごく短時間かつ狭い範囲で突破し、その突破口から、 装甲部隊を後方奥深くまで進出させることによって、敵の指揮系統を大混乱に陥れ、 組織を瓦解させることを主目的とします。 この副次的な産物として、敵の部隊の側面を突くだとか、 包囲殲滅が可能になるだとかということもあります。 機動打撃戦は、むしろ、戦線を縦深にに突破するなどして、 敵の前線部隊の側面を突く、あるいは、包囲することを主目的とします。 その副産物として、敵の指揮系統が混乱して、さらなる大包囲が可能になるだとか、 敵の軍事組織が瓦解するだとかということが、副産物として生ずることもあります。 目的が異なっているというわけです。 #right(){(97:518)} **「威力偵察」と「強行偵察」は違いはあるんでしょうか。 威力偵察:攻撃をしかけてそれに対する反応から情報を得る偵察 強行偵察:無理矢理偵察すること #right(){(100:675)} **「百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に匹敵する」という(帝國海軍の)論理ですが、どういう点が実際の戦争で問題点になるのですか? 百発百中の砲、を精密誘導兵器に置き換えて考えれば自然とおわかりと思います。 基本的にはその論理は正しいのです。それゆえ、現代戦では精密誘導兵器の使用比率が 増大しつつあり、ムダ弾は減少しています。 しかし、一門しかない場合、なんらかの理由で使用できなくなると以後は命中率0となります。 運用できる兵員が居なくなった場合も同じ。また精密誘導兵器同様、高価なものになると思われます。 価格が1000倍、あるいは操作に要する人員、あるいは訓練時間が1000倍、ということになると意味がない。 また、現代戦で無誘導兵器が使用されるシーンも多々ある点に注意してください。目標が広範に 分布している場合、牽制が主目的である場合などでは、制度よりも数に対する要求の方が 大きくなります。大雑把な百門斉射が必要なシーンでは、魔法の一門は役に立ちません。 #right(){(101:system)} 弾幕が張れない。多数の敵に抗する事が困難。 #right(){(101:501)} それでは「百発百中の砲一門」と「百発一中の砲百門」が 1発づつ打ち合ったあとの状態を考えてみましょう。 #right(){(101:505)} ランチェスターの〔第二〕法則でググって見て下さい。 #right(){(101:507)} 正しいか間違っているかを知っているかと言うより 確率論を使って論理的に思考できるようにした教育という意味でしょう。 #right(){(101:518)} **授業中に「GLORY」という南北戦争をテーマとした映画の戦闘シーンを見てある疑問が湧きました >南軍、北軍が至近距離で銃を撃ち合った後、銃剣で一斉突撃するというシーンなのですが、 >19世紀当時の戦術(特に南北戦争時)はどのようなものだったのでしょうか とりあえず、「GLORY」の考証はひじょうに正確です。 勿論完全ではありませんが・・・。 #right(){(104:30)} >こんな密集隊形をとっていたら簡単に当てられるに決まってる、 >散開したほうがいいんじゃないか 時代によって有効な陣形という物があります。古代ギリシアの方形陣、ナポレオン戦争時代の横隊、 現代の散兵陣など、なぜその陣形が有効だったかを考察すべきでしょう。 相手が連射可能の兵器を持っていれば、銃兵の横隊は自殺行為ですし、 また、味方の側に無線機など、緊密に連絡の取れるコミュニケーターが無ければ、 散兵陣など各個撃破の餌食にしかなりません。 >これなら弓を使った方がもっと早く攻撃できる 和弓の全国大会のTV中継だかで、名人が言ってましたが、弓矢で 致命傷を与えられるのは20-30メートル程度だと。相手が先込めの 単発銃とは言え、一方的にアウトレンジの攻撃を受けることになります。 #right(){(104:31)} 弓……訓練が難しい 銃……訓練が簡単 長弓兵を揃えるのは難しいのです #right(){(104:32)} 南北戦争の時代にはそれまでの命中率の低く射程も短いマスケットに変わり 命中率、射程とも格段に高いライフルが広く使用されるようになりました。 しかし、当初の戦術や陣形はナポレオン戦争時のままほとんど変化しませんでした。 その結果どうなったかというと、映画のように、整然と隊列を組んで前進する歩兵が 遠距離からの銃火に打ち倒されて大損害を受ける悲劇が続出したわけです。 ゲティスバーグのピケット隊の悲劇などが有名ですね。 そのため、戦争後半には地形や遮蔽物を利用して前進したり、原始的な塹壕陣地も 構築されるようになるなど戦術面での進歩もみられるようになります。 つまり、火器の進歩に戦術の進歩が追いついていなかったゆえにおきた悲劇と いえるでしょう。第一次世界大戦でも似たような事態が起こってますね。 #right(){(104:33)} 密集隊形をとってたのには意味があります。 当時の銃は遠距離ではほとんど命中が期待できませんでした。 んだもんで、敵に大打撃を与えるためには至近距離からの密集隊形の銃兵による 射撃が有効なわけであり、それが密集隊形を産んだわけです。 (密集隊形が否定されるのは機関銃の出現以降です) さらに、無線機なんてないので直接の指揮官が命令できるのは声や太鼓の音の 届く範囲に限られるわけで、これもまた必然的に密集隊形が必要になる一因となりました。 #right(){(104:35)} 19世紀以降の陣形の変遷としては、ナポレオン戦争時代の散兵、横隊、縦隊の組み合わせ から、まずは射撃の的にしかならない横隊が廃止されてその分散兵が増えます。 散兵の射撃で打撃を与えてから縦隊が銃剣突撃と言うパターンですね。 だいたい普仏戦争あたりがそういう感じの陣形です。 最終的には縦隊も廃止されてすべて散兵になります。散兵といっても当初の間隔は 何歩と言うレベルで、そんな広いものではなかったようです。 自動火器の普及にともない、散兵の間隔はどんどん拡大していき、現代に至ります。 #right(){(104:36)} >「こんな密集隊形をとっていたら簡単に当てられるに決まってる、散開した >ほうがいいんじゃないか」 この先生、それなりに知ってて言ってると思われ。既に書かれてるけど、 昔の銃は当たらなかったんだよ。まぁ、有効射程50mというところ。 この戦争の辺りから「当たる鉄砲」ってのが出来始めたの。 >「これなら弓を使った方がもっと早く攻撃できる」 でもって、遅い。毎分3発って所だから20秒は間隔が空く計算になる。 誰もが思いつくだろうけど、20秒で50mなら走って殴った方が早い。 馬なら完全に射程外から走り込める。 つー事で弾に当たらない様に散開したら、密集隊形で突っ込んできた敵に 突き殺されるか馬に踏まれて死ぬ。ある程度密集している必要が有る訳。 ソレが「当たる鉄砲」の出現で崩れて来たのがこの戦争。 #right(){(104:52)} **「ハンマーと金床」って何なんですか? >軍事板住人ならベトナム戦争の「ハンマーと金床」は常識レベルと聞きました  ハンマー=叩く方     金床=受けてつぶす方  ということで、待ち伏せて半包囲体制を取ってる方へ攻撃ヘリに支援された部隊で 追い込んで、待ち伏せてる重武装部隊と砲撃で徹底的に潰す、という対ゲリラ部隊戦術です。 #right(){(104:223)} **戦争においてなぜに包囲は有効な戦術なのでしょうか? 後ろや横に目は付いていないから。 #right(){(105:357)} 大抵の場合、陣形というのは一つの方向に攻撃力と防御力を偏らせるようになっています。 逆に言えば、横と後ろは弱いので、回り込まれる(=包囲される)とやられてしまうわけです。 しかしあなたの言うように、歴史の一時期、囲む側より囲まれる側の方が各個撃破できるので有利とされた時代がありました。 しかし無線と鉄道の発達により、囲む側の連携が緊密に行えるようになったため、現在では囲む側の方が有利とされています。 #right(){(105:358)} 例えば、同じ数で包囲を作ってみますと、     ○   ○●○  ○●●●○ ○●●●●○  ○●●●○   ○●○     ○    この状況だと、真中の●三つは、何処にも接していない「死に目」に成っています。 ●と○が同等の戦闘力だとすれば、●三つ分●は戦闘力が落ちています。 実際の戦闘は、こう単純では有りませんが、簡単に説明すれば、こうなります。 #right(){(105:362)} 加えて、軍隊が作戦を行うには、 後方からの補給が不可欠であるという問題もあります。 包囲されると補給が途絶え、包囲された部隊の規模にもよりますが、 数日から数ヶ月で被包囲部隊は戦闘力を喪失します。 また内側からの反撃ですが、全周を包囲されている以上、 被包囲部隊も兵力を分散せざるを得ず、突破口への一点集中は困難です。 (それをやれば、包囲網を狭められ、殲滅されます) #right(){(105:384)} **「タルドクトリン」ってなんですか? イスラエル陸軍のタル将軍が考えた戦略。 戦車の機動力に物を言わせ、一気に敵拠点を攻め落とす。 そのためには、前線で不必要に敵と戦わず、残った敵なんか気にせずに前進する。 他方で、歩兵の運用はまるで考えない。 要するに戦車で随伴歩兵も無しに行け行けドンドン。戦略と呼んで良いのか悩む。 第三次中東戦争では成功したが、四次では、敵の対戦車ミサイル兵を掃討してくれる歩兵が居なくて大苦戦した。 結果イスラエルの戦車はミサイルへの防御力、敵歩兵への攻撃力を重視するようになった。 #right(){(107:42)} **軍事系の古典で、みなさんのオススメの本はありますか? とりあえず有名かつ一般的な軍事古典書物で解答しておくと、 戦争論、戦術概論て所ですね。 翻訳家や研究家によって、微妙に内容が違うので複数の購入して読み比べてみると宜しいかと。 他にも面白い本とか色々ありますが具体的な話は当該スレでお願いします。 #right(){(107:714)} **“菊水作戦”とか“砂漠の嵐作戦”というふうに作戦名に名前が付くようになったのはいつ頃からですか? たぶん、有史以前。 #right(){(108:521)} **攻撃3倍則の3倍は、頭数の事ですか? 火力ですか? 装備費ですか? 戦力です。としか言えません 作戦幕僚が換算して比較します。 戦力は掛け算なので 頭数×士気×装備×戦闘効率×地形×火力見たいな感じで考えます。 #right(){(108:593)} **前進隊形からの攻撃、応急攻撃、周到攻撃という用語をソ連地上軍という本で知りましたが、 >それぞれの定義について詳しい方教えて頂けると幸いです。 『ソ連野外教令』(土居明夫 大蔵出版 1953)『赤軍野外教令』(階行社, 1937)という本が あるそうなので入手されてはいかが #right(){(110:20)} 一番目の攻撃法は、部隊が行軍隊形を崩さすにそのまま攻撃行動に入る場合をいい、 たいてい敵の抵抗がほとんどない場合にのみ用いられます。 二番目の方法は最前線の部隊のみ行軍隊形から戦闘隊形に展開し、迅速な攻撃を行う場合をいい、 敵の抵抗が微弱で、奇襲的に撃破できる可能性がある場合に用います。 最後の方法は、最前線の部隊が戦闘隊形に展開して敵に接触しつつ、後続部隊、支援部隊の到着を待ち、 十分に準備を整えてから攻撃を行う場合で、敵の抵抗が強力な場合に用います。 これはソ連軍に限らず、多くの国の陸軍で行われているドクトリンで、 米軍ではそれぞれ、遭遇戦(Moving Engagement)あるいは接敵(Moving to Contact)、 応急攻撃(Hasty Attack)、本格攻撃(Deliberate Attack)と呼んでいるようです。 #right(){(110:31)} 31を補足 「前進隊形からの攻撃」は後方に設けられた集結地から行軍隊形で接近し、敵陣地前で前進間に戦闘隊形に転換し攻撃する方法。 行軍隊形のまま攻撃するわけではない。 後2者は、応急「防御」、周到「防御」と混同していませんか? とすれば、応急防御は敵と接触中の部隊が防御に移行する要領、周到防御は敵と直接接触していない部隊が周到に準備して防御する要領。 勘違いしていたら申し訳ない。 なお、遭遇戦は、meeting engagementであったと思う。 攻撃要領は、>>20の36年野外教令には、「行軍状態から行う攻撃」「対峙状態から行う攻撃」とあり、 防御には応急・周到の該当の区分はない。 #right(){(110:55)} 攻撃される可能性は充分にあります。 自警団にテロリストが混じっているかは情報が無いので置いて置きますが サマワ住民の中には間違いなくテロリストに協力する人間が少数存在している事と考えます。 それらの人間が間接的、直接的に攻撃してくる可能性は否定できません。 『現地に行って攻撃されるまでまでわからない』が実際の所でしょう。 また、戦闘=殺害ではなく、戦闘=『我が意志達成を敵に強要する行為』 と自分は考えます。 そのためには『敵戦力の無力化』又は『我が意志の強要』をする必要があり、 『敵戦力を無力化』『我が意志の強要』をするためには敵兵を負傷、殺害させるなどの必要があります。 結果として『戦闘(我が意志の強要)=敵兵殺害または負傷(敵意思の無力化)』と言う図式になります。 しかし殺害や負傷させることが戦闘の目的ではなく、『我が意思の強要(敵意思の無力化)』 行なった場合に『結果的に』敵兵殺害などの結果を招くだけです。 よって殺害以外に『敵兵無力化』の方法があるならば、殺害する必要はありません。 #right(){(110:57)} **援護射撃って何ですか? なんのためにするんですか? SPRを例に出すと、破壊兵器がせいぜい手榴弾くらいしかない分隊が 敵のMG42を征圧するためには、敵陣のすぐそばまで突撃しなければなりません。 このためには一時的にも敵のMG42の射撃を止めることが必要です。 そのため後方から一時的に銃火を敵銃座に集中して敵の射撃を困難にし、 もしくは援護射撃をしている兵に敵の射撃をひきつけ、その隙に 敵陣に突撃することになります。 援護射撃とは大体こういったものです。 #right(){(110:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} 敵の中の人も撃たれたくはないので、 向こうから射撃があれば、隠れたり頭を引っ込めたりひるんだりしますよね。 で、援護射撃というのは、何か味方に行動を起こさせる際、 敵に集中的に銃火を浴びせることで、その余裕を作り出そうというものです。 つまり映画の中の話ですと、 機関銃座に近づく為に走る…A 残る人間は、↑が敵から撃たれないように、とにかく敵に向けて撃ちまくる (=怯ませるのが目的で、命中するかどうかは二の次)…B Bが援護射撃となります。 #right(){(110:685)} **長い国境線に満遍なく兵力を配置するのはあまり良いとは言えない方法だと聞きましたが >交通の要所にまとまった兵力を置き、陣地を作った場合、敵側がそこを回避した場合著しく不利になりませんか? 日本軍が満州でドイツがノルマンディーで突破されまくってます。 兵力・装備にもよるとおもいます。 #right(){(112:341)} 状況にもよりますが(兵力、地理など要因は様々)不利になります。 しかし兵力次第ですがバラけて配置した場合はあらゆる場所が不利になりかねません。 重要な拠点やルートを守るほうが不利が少ないという状況は多々あるものです。 #right(){(112:342)} 攻める側が迂回するときのデメリットとしては ・進軍が遅れる ・迂回路が限定してしまう恐れがある ・迂回してたら側面を突かれる とかとか。 つーか時代、場所、両軍の量・質、規模とか条件が多すぎるから、 単純にどっちが有利不利とまでは言えない。 #right(){(112:345)} 普通は回避して進撃できない場所に要塞を建設する #right(){(112:346)} 別に。敵が自滅する可能性が高いし。 >侵攻してきた敵が要塞や陣地を回避して進撃した例は数多くあるようですが・・・。 多くは無いでしょ。 整備された道路以外で大部隊を機動させるのは、 古代から悪夢以外の何者でもありません。 #right(){(112:354)} 354さんがお答えになっているとおりと思いますが、 交通の要衝に陣地を築き、敵がそれを迂回した場合、陣地は包囲されます。 包囲されても大丈夫なように陣地にするわけです。 さらに、道路を迂回して進撃した敵は、陣地によって補給線を寸断され、 進撃が停止してしまいます。交通の要衝に陣地を築くのはそのためです。 そして自軍の勢力圏内で停止した敵を、 陣地に配備していなかった予備によって反撃し、撃破します。 国境線に沿ってまんべんなく兵力を配置しないのは、 こうした反撃兵力を集中させるためでもあります。 #right(){(112:361)} 例を挙げましょう。 1:日露戦争における旅順要塞は日本軍の補給線である日本海航路を妨害する、 旅順艦隊の基地でした。旅順は包囲されますが日本軍にとっては脅威でした。 2:第二次大戦末期の「バルジの戦い」では米軍はサン・ビトとバストーニュという、 二ヶ所の交通の要衝に立てこもりました。これを迂回したドイツ軍は燃料不足に陥り、 結局、この陣地を攻撃せざるを得ませんでした。 3:1940年のフランス戦役では、マジノ戦という強力な要塞線があったため、 ドイツ軍はこれを迂回しました。ところがフランス軍は兵力をまんべんなく展開しており、 迂回したドイツ軍に対する反撃兵力を集中できませんでした。 一方、ドイツ軍の進撃路に位置していたベルギーのエバン・エマール要塞は補給路の大きな脅威であり、 ドイツ軍はこれを攻撃せざるを得ませんでした(空挺奇襲によって奪取しました)。 稚拙な例文ではありますが、多少はご理解頂けたでしょうか。 #right(){(112:363)} 今回の湾岸II(イラク戦争)は、交通の要所、拠点、 という考え方に対するアンチテーゼそのものです。 それでもなお、戦略拠点というものはありますが、 それは従来の要所とは異なる「敵の重心」という概念です。 ただ、そこに直達できる装備、兵力、戦略を持ちうる軍にとっては、ということですが。 #right(){(112:system)} メソポタミアの平原と河川地帯を進撃する米軍の戦争であるイラク戦争は どちらかというと例外に近いんじゃないかなあ。 前線部隊を少数精鋭にし、圧倒的な航空戦力によりサポートする戦争は 実力に差がある横綱相撲だからこそ取れたわけで。 #right(){(112:366)} **師団、連隊レベルでの作戦が理解できるような詳しい地図帳orサイトってありませんか? いつの時代の、どの戦争における、どの国の作戦をお知りになりたいのか、 また作戦をどの程度理解したいのかがわからないと、お薦めできる資料を特定できません。 作戦というのは時代や地域によって異なりますし、理解の程度もさまざまなだからです。 単に連隊単位の部隊行動を地図で見たいというレベルから、なぜそのような行動を取るかという、 作戦の実相を認識したいというレベルまでさまざまで、連隊の作戦を理解するには小隊、 中隊単位の戦術、および師団、軍団規模の用兵、さらには戦略レベルの知識が必要になるのです。 #right(){(112:658)} **『白紙戦術』ってなんですか? 現実の地形を使わず地形を想定して行う兵棋演習 戦術上の要点を明らかにしやすく、初心者教育に向いている #right(){(112:657)} **師団、連隊レベルでの作戦が理解できるような詳しい地図帳orサイトってありませんか? いつの時代の、どの戦争における、どの国の作戦をお知りになりたいのか、 また作戦をどの程度理解したいのかがわからないと、お薦めできる資料を特定できません。 作戦というのは時代や地域によって異なりますし、理解の程度もさまざまなだからです。 単に連隊単位の部隊行動を地図で見たいというレベルから、なぜそのような行動を取るかという、 作戦の実相を認識したいというレベルまでさまざまで、連隊の作戦を理解するには小隊、 中隊単位の戦術、および師団、軍団規模の用兵、さらには戦略レベルの知識が必要になるのです。 #right(){(112:658)} 古今東西、どれだけの戦いがあったかと言うことを想起して頂きたいものです。 こういった戦闘を全部網羅している様な本などありません。 あったとしても、大体が鳥の目で、相当マクロな視点でしか見ることが出来ません。 ですから、>658氏もどの時代の、どの戦闘に関する部分を抜き出してみたいかと言うこと を聞いているのではないでしょうか。 例えば、南北戦争に関するものなら、Craig L. Symondsの"The Atlas of The Civil War"があります。 これは、南北戦争の局面局面を切り出して、軍の動きを詳細に追っているものですが、 これで一冊の本になっておりますが、何度も改訂版が出ており、まだ完結している訳ではありません。 米国の独立戦争に関するものなら、同じ著者の"A Battlefield Atlas of American Revolution" もあります。 #right(){(112:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 勝手に補足。 Craig L. Symondsの"The Atlas of The Civil War"は 学研M文庫から「南北戦争 49の作戦図で読む詳細戦記」として 翻訳されてる。 #right(){(112:667)} **中央突破を好んで使った軍人はいますか 指揮官レベルでは知らないけど、ソビエトの機甲部隊のドクトリンはその傾向が強い。 一転突破で敵陣地の後方になだれ込んだ戦車部隊が後方から、 残りの部隊は空いた穴から前面から攻撃、前後から挟撃をかける。 #right(){(115:319)} **何故、包囲されるとまずいんですか? >包囲してる側は兵が密集してなく薄く横に広がっているので危ないと思うのですが。 包囲されてる側が方位を突破しようとすれば後ろ側から攻撃されることをお忘れなく。 薄いとか厚いとかの問題だけで済む話ではないのです。 #right(){(116:619)} 包囲する側は、つねに敵を前方にとらえるのに対し 包囲される側は側面や後方に敵を迎える。 これは、個人にとっても、陣形にとっても組織的戦闘力にとって致命的であり 側面や背面から攻勢を受けた場合、人間は簡単に敗走する。 #right(){(116:621)} とりあえず戦闘部隊は必ず「正面」てモノがあります。 例えばサッカーのフォーメーションって、敵のゴールに向かって攻め上がるように組まれてるでしょ。 あれと同じで自分が戦おうとしてる方向に最大の力をぶつけられるように隊形を組むのが普通なんです。 で、囲まれると全方向から攻撃される恐れがあるのですごく戦いにくいわけ。 #right(){(116:623)}     ○○    ○●●○   ○●●●●○ ○●●●●●●○ ○●●●●●●○   ○●●●●○    ○●●○      ○○ 包囲効果をモデルにするとこうなる。 包囲している○軍の兵力は16部隊 包囲されている●軍の兵力は24部隊 しかし最前線で実際に敵と接している部隊を数えてみると、 ○軍は16部隊全部が敵と戦っているのに対し、●軍の部隊で戦っているのは12部隊のみ。 包囲することにより最前線では兵力の逆転現象がおきる。これをゲーム化したのが囲碁。 また、包囲には相手の食料補給を断つ効果もある。 #right(){(116:624)} でも完全に包囲したがために、相手が背水の陣状態で必死になって、 包囲側の被害がとんでもないことになったという事例もあったような。 #right(){(116:625)} だから両翼包囲はあまり起こらないのよ。 カンネーが特に注目されるのはあまり起こらないのが、完全な形で成功したから。 包囲された時点で大抵の軍は撤退し始めるからね。 #right(){(116:626)} **リデルハートの間接的アプローチとはなんでしょうか? 「直接」正面に相当する脅威を叩くのではなく、むしろ「間接」的に 指揮所、重要拠点、策源を叩くことによって敵を混乱させる事に主眼を置いた戦略の事。 戦術の目的は勝利であるが、戦略の目的は必ずしも「戦闘」を経る必要はない=無駄に戦闘を行うことは愚かである。 というような事を彼は説いている。 #right(){(116:916)} **HALOって何ですか? >あと、HALOが戦術として無事に成立する最低条件って何ですか? High-Altitude, Low-Opening (parachute drop) で、HALOって言葉の意味を知らないのに何で、 >あと、HALOが戦術として無事に成立する最低条件って何ですか? こんなこと言えるんです? ま、最低条件は落下傘降下させることが可能な飛行機があって、落下傘 降下できる要員が存在することでしょうね。 #right(){(117:302)} **野砲の射程を延ばすために使われる「ロケット推進砲弾」は、一体どの時点でロケットに点火されるのですか? ロケット推進砲弾 例えばM549/549A1 RA (Rocket Assisted)155mm砲弾の場合、発射と同時に 弾尾の導火薬が点火されます。7秒後にこれはロケットの点火薬に達し、 13.5kgのロケットモーター内にある3.2kgの推進薬が発火します。これは 3秒で焼尽し、その間に砲弾を加速して射程を増します。砲弾全重は43kg超と、 同じ155mmのM795砲弾の35kgより重いのですが、炸薬量は6.8kg対10.8kgと 逆に軽くなっています。その分と、精度の低下が代償ということでしょう。 その代わりに得られる射程はM109A1自走砲に第7装薬を使用した場合、M795の 15kmがM549では20kmに延伸しています。全長はともに86cmですが、信管を 含むかどうかについて資料が明らかでないので、ひょっとしたらM549の方が 信管の長さ分(1.5cmほど)長い可能性があります。 補足 ソースはジェーンズ弾薬年鑑 #right(){(118:system)} **丘と丘の間を街道が通る地域での防御戦術 というその防御戦術は、 道路の使用権をめぐっての戦いのことでしょうか? それとも、鳥山の戦いのような地形の戦いでしょうか? 前者なら、『ミシュマルハエメクの戦い』か、 作戦名は忘れましたが、エルサレムに武装コンボイで強行補給した作戦のことだと思います。 以前、270式氏が研究用にと薦めていた図解中東戦争では、 『基幹道路のそばにある高地を保障占領する事』と書いてあったと記憶しています。 自分も研究中ですが、良い本なので探して見られてはいかがでしょうか? 後者の場合、多富洞の戦い等も参考になると思います。 #right(){(122:381)}※リンク先消滅 **ハンターキラーという用語がいまいちよく分かりません。 ハンター&キラー というのは、捜索&攻撃 のこと。 主に潜水艦関連で使われる用語だが、潜水艦が船団を攻撃したりする場合、 目標となる船団を捜索-通報する艦と、通報を受けて待ち伏せ-攻撃する艦にと 役割を分担した(潜水艦は索敵能力が低い為)。 また、通信装置等の発達で一隻で捜索/攻撃を行える艦を、ハンターキラー艦、と繋げて呼んだりする。 同じく、昔は対潜哨戒機は、(特に空母に積むような小型の機種)潜水艦を捜索する センサーを積んだ「ハンター」機と、潜水艦を攻撃する兵装を積んだ「キラー」機の 2機一組で行動した(一機に捜索装備と攻撃兵装を両方積む搭載能力がないため) これも、機体の発達で一機で捜索/攻撃の両方をこなせるようになった機種を、 ハンターキラー、と呼んだりする。 #right(){(122:399)} 敵を見つけ、狙う役割(ハンター)と攻撃する役割(キラー)を分担すること。 ハンター役は重い武装をとっぱらって軽快に機動することができる。 キラー役は攻撃の瞬間まで身を隠していられる。 #right(){(122:401)} 最近は陸戦、空戦でもハンターキラーの概念は普及してます。 特に米のネットワークを駆使する戦術では、ハンター、キラーが所在、 状況によってその役割を柔軟に交替することも当然とされています。 UAVなどもこの構図に加わります。このような場合にはむしろ センサー/シューターという言葉の方がよく使われるようです。 #right(){(122:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} >>399 その解説変だぞ。 ハンターキラーは船団護衛側の戦術であって潜水艦の戦術じゃない、 つーかそりゃウルフパックじゃ。 #right(){(122:405)} 399の解説は間違っているが「ハンターキラー型潜水艦」という用語はあるぞ。 イギリス海軍の用語で対艦ミサイルを装備した攻撃型潜水艦をそう呼称していた。 ”ウルフパック”というのは、船団に対して常に複数の潜水艦で攻撃をかけて、 防御側の戦力を分散させる戦術の事だからウルフパックの事を言いたいのではなかろう。 多分。 #right(){(122:406)} **穿間突撃ってどういう戦術なんですか? 文字通り、相手の防備の硬い部分の隙間を穿って、弱点に穴を開けるように突撃すること。 全面突撃では被害が多すぎるとか、こちらの兵力が足りないとかいう時に行い、 敵防衛線を分断して弱体化、あるいは後方に回りこむための突破口を作る。 #right(){(484:154)} 敵の戦線の弱体な箇所に戦力を集中し、一時的かつ局所的に優位状態を作り出す。 その機に乗じて集中箇所の戦力に戦線の突破を命じる戦法。 #right(){(484:155)} **戦争では守る側がものすごく有利っていわれてますけど、現代戦でも変わらないのですか? >確かに地の利とかがあると思うんですけど、どうもビンとこないんですね  戦闘では確実に有利だが、戦争で有利とは限らない。つーか、負けると確信 してるのに仕掛ける(攻める)奴は居らんので、「結果」だけに注目するとピ ンとこないって話になる。  「主導権は攻撃側に有る事が多い」  勝つために必要な戦力比は常に防御側有利だが、一般的に防御側は有利な状 態で戦闘を始める(攻める)事ができない。まぁ、当たり前だな。 #right(){(482:801)} それに加えて、守る側は戦力を守るべきポイントに分散させねばならないが、 攻める側は攻撃点に戦力を集中できる。 かといって守る側が戦力を集中すると攻める側はそこを迂回する。 #right(){(482:804)} 守る側は、事前に地雷を埋めたり塹壕を掘ったりして、防御陣地を構築したりできるから。 塹壕に入って戦う側と、それに突撃を加える側では、前者のほうが有利でしょう? これが、守る側が有利と言われる理由です。 しかしより大きな視点で見ると、 防御側は常に受動的な戦闘しかできません。(敵が仕掛けてくるまで待たないといけない) その点、攻撃側は、常に積極的に動けるので、好きな位置、時間、投入戦力を好きに決めることができます。 ここは攻撃側が有利です。もしかすると、全体で見れば、それほど変わらないかもしれません。 あと、空、海戦では、防御が非常に有利です。 地上のレーダーやSAM、SSMの支援が受けられますし、基地や母港に近いほうが何かと有利です。 #right(){(482:841)} 古くは孫子、近世ではクラウゼヴィッツの頃から 緒戦の戦闘では防衛有利、相手を倒す為には侵攻(反撃)必須という考え方があって これを実証する事例は第2次ポエニ戦争からヒトラーのソ連侵攻まで挙例に暇がない。 ただし圧倒的な戦力差があると湾岸戦争やイラク戦争の時のように 侵攻側にあっという間に屠られてしまった事例もあるので注意。 基本的に防衛側の利点は自分のフィールドで勝負できる事。 そして防衛側の欠点は自分のフィールドで勝負しなければならない事。 侵攻側にとって相手国は敵地であり、後退する敵を追撃するのは敵地の中だ。 この為、防衛側は相手に対して補給の負担を強要でき (だからこそ孫子は名将は敵地で効果的に略奪して補給の負担を減らすといってる) 相手を拠点での不利な戦闘に誘導しやすく、地の利を得た状態で戦闘に勤しめる。 その反面、防衛側の国土は荒れるため、徹底的な防衛戦略は焦土作戦に繋がってしまう。 さらに相手国の本土に対しては間接的な損害しか与えられない為、 どこかで反撃に結び付けないと侵攻側が諦めるまでだらだらと防衛戦が続きかねない。 近代ではベトナム戦争やソ連のアフガン侵攻が好例だな。 戦術的な面においては、拠点防衛は多くの武器弾薬を消費する。 これは防衛側は阻止射撃など多用せざるを得ない為で 防衛戦略でありながら攻撃戦術である機動防御やゲリラ戦は この意味でも画期的と呼べる代物だった。 無論、これらにもデメリットは多くあり、その最大かつ根本的なものとして 防衛拠点の直接的恩恵を受けにくいというものがある。 #right(){(482:849)} **「ランチェスター理論」ってなんですか? 相互に戦力を少しずつけずりあう作業の繰り返しを、数式に表すもの。 実はこの定義には微妙に自信がないが、軍事ではそういうもの。 単純な例: 1回の戦闘で、自軍の戦力の10%を相手に与えるとしよう。 Aの戦力は100、Bの戦力は200。戦力比は2倍。 1回めの戦闘では、Aの損害は20、Bの損害は10。損害比も2倍。 戦闘後のAの戦力は80、Bの戦力は190。比は2.375倍。 だから2回めの戦闘の損害比は、1回めより大きくなる。 戦闘が続くほどに、損害比は戦力比を大きく上回っていく。 単純で理想的なモデルでは、劣勢側全滅時点での損害比は戦力比の 2乗になる。n2乗の法則と呼ぶ。この「戦は数ですな」と言う教訓がも っとも有名だが、条件をいじって考えるとほかにも奥行きが出てくる。 #right(){(9:262)} **攻者三倍の法則とランチェスターの法則との合性がわかりません 拠点に籠もってるのを攻める時が攻者三倍則 平場で殴り合いする時がランチェスター二乗則 #right(){(345:567)} いわゆる「攻者3倍則」は永久陣地の攻略のような、割と特殊な事例に限られます。 よく野戦の決戦においてもこれを当てはめようとする例が見受けられますが、 過去の戦例からいうとあまり現実的ではありません。 一方、ランチェスターの法則は元々航空戦を元に作られた式なので、 地上戦では武器効率や地積、兵力投入時期なんかを考慮しないと正確な数値は出ないようです (火力部隊の能力はほぼ公式通りで出るようですが)。 #right(){(345:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)} **linear warfare という単語が出てきたのですが、コレは日本語に訳すとどういう意味になるのでしょうか? linear warfare はガチの戦闘のこと。 敵を端から相手にしては撃破し、次に侵攻し、という方法。 正反対がイラク戦争時の shock & woe だかなんだか。つまり、衝撃的に要所を突くだけで、 撃破したり、残敵殲滅したりせずに、さっさと中枢まで押し込んで敵の首脳を潰す。電撃戦の極端な形だね。 その反対がlinear warfare。前線があり、そこで押したり引いたりし、時には回り込んだり奇襲もするが、 とにかく地図の中の敵を消してから次に行く戦争。 #right(){(494:119)} **攻勢3倍の法則は誤った俗説なの? >軍事評論家の松村劭氏が「攻撃側が兵力同等以下で攻撃した例の方が56%と多く、劣勢で攻撃成功する確率は72%であるから、 >攻勢3倍の法則は戦後の日本だけで言われる誤った俗説である」という主張をしていることを根拠にして、 >近代的で堅固な防御陣地を攻略するにも、攻撃側は優性な戦力である必要は無いと主張する人物がいたのですが? 今手元に無いので確認できないんですが、「戦争学」か「新・戦争学」のどちらかに記述があったと思います。 あ、後近代の戦例に絞った話が「勝つ戦争学」にあったはず。 で、松村氏は更に「双方の兵力量に3倍以上の格差があるならまず決戦は生起しない」と述べています。 よく考えてみて欲しいんですが、陸戦で兵力量に3倍の差があるということは劣性側は編制単位が一個上の規模の相手と戦うことになります。 まずそういう状況なら、普通は決戦を回避しようと試みるわけで。 #right{(362:905:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)} ゼークトラインは3倍以上、 バンドン要塞は10倍以上の守備兵を相手に攻勢側が攻略してますよね。 #right{(362:906)} **ゲリラ・コマンド部隊の討伐の方法ってどんなものですか? ゲリラに対処するために最も重要なのは、「その地域の住民の協力を得る」ことだ。 大体においてゲリラはある一定の地域に潜伏し、一般人と見分けがつかないことが多い。 そこで地域住民とあらかじめ友好関係を確立すれば、でゲリラの行動を阻害し さらに住民からリーク情報も提供してもらえるという利点がある。 後は集めた情報に従って、兵士一人一人が虱潰しにゲリラを潰してゆくしかない。 ゲリラの掃討は軍隊単独では難しいのよ、地域住民との密接な連携が必須だね。 何より大事なのは、ゲリラが活動しにくい土壌を形成すること、だと思うよ。 基本的には「山狩り」。 そのあたりにいるはずだ、という前提のもと、大兵力で以って追い詰める。 ご想像の通り、実に効率の悪い方法で、 逆に言えば「わずかな人数を狩り出すために多数の兵力を貼り付けて動員させる」、 ゲリコマ対処がやっかいな理由がそこにある。 #right{(353:67,68)} **どうして山の上は守りやすいの? そもそも、山の上って見通しがいいだろ? 稜線からちょっと頭出して覗けば登ってくる敵は一目瞭然。 でも、山登りしながら攻撃しようとする敵はただでさえ疲れる山登りしながら、 敵を探しながら、クソ重い武器を抱えながら、敵を攻撃しなきゃならない。 だから山ってのは今も昔も天然の要害なわけだ。 #right{358:122} およそ軍は高きを好みて下きを悪むby孫子 #right{358:123} 上から下を撃つのは弾着の修正がしやすい 逆に下から上だとやりにくい #right{358:125} **高地に陣地を敷いている敵に対して、効果的な戦術はどんなものですか? >ただ歩兵で突撃したら、203高地のように甚大な被害をだしますよね。 迂回する そのまま引き籠もっててくれるなら、何もしなくても敵戦力を拘置出来てウマー 203高地は、高地にいる敵部隊を何とかしなきゃならなかったんじゃなくて、高地を奪取するのが目的だったから攻撃しただけ #right{(536:849)} どうしても取ろうというなら、以下のような方法が編み出されてる。 ・包囲して水を絶つ。 ・迂回して、追撃に出てきたところを叩く。 ・穴を掘って地下に仕掛けた爆薬で吹っ飛ばす。 ・掃射されないようジグザグに塹壕を掘って接近して、近くから突撃する。 ・支援砲撃で、突撃に邪魔な機関銃ポストとか鉄条網を壊す。 ・機関銃ポストとかを破壊するのに便利な、迫撃砲・火炎放射器などを歩兵に持たせる。 ・航空爆撃などの超絶火力で徹底的に叩き潰す。(これは防御力との兼ね合いだが。) #right{(536:851)} 迂回してすませればそれにこしたことはないが高地を放置したらこちらの動きが丸見え(つまり観測点になる)だし 背後を脅かされるので頑張って落とすことも多い。 基本的に戦車や火砲に支援させ、あるいは浸透戦術で一角を突き崩し、そこを足掛かりに陣地を制圧していく。 昔と違って陵線の向こう側を航空機で偵察出来るようになって楽になった #right{(536:モッティ ◆uSDglizB3o)} **現代の山岳戦においては、高いところに陣を築いて低所の敵を攻めるのが有利ですか? >それとも低いところに陣を築いて高所の敵を包囲するのが有利ですか? >三国志なんかでは、前者は持久戦に持ち込まれたときに決定的に不利とありましたが。 >馬謖が山上に陣をとって、魏軍に包囲されて殲滅されていますよね。 高いところのほうが有利。 上から見放題だし、砲の射程も延びる。 特に尾根の裏に陣取れば一方的に砲撃できる。 街亭の戦いの事なら、戦術以前に水の確保と言う兵站の要素を軽視したから駄目なの。 #right{(514:404)} 後背地を持たない山岳地帯に陣を引いたりすると足元を完全に包囲されてしまい 手も足もでない状況になります。 これは近代戦にも言える事です。 >砲は丘陵地に配置したほうがいいのでしょうか? 砲というより観測員を高地に配置すべきです。 高地に砲を置くと目立ってしまいますのですぐに報復の対砲兵射撃が飛んできます。 #right(){(101:131)} **浸透戦術って現在でも有効な戦術なんですか? 時と場合を選べば有効だろ。 この手の古典的な戦術は引っかかって初めてそれだったとわかるよなもの。 ようは状況次第。 冷戦末期に恐れられたソ連地上軍のOMG(Operational Manoeuvre Group)が現代版の大規模浸透戦術との評価も在ったな。 まあ師団規模の重機甲浸透戦術と言うものが有り得るかどうかは別だが。 今でも立派に研究されてるし有効な戦術だよ。 かの有名な電撃戦が見方によっては歩戦協同を前提とした装甲部隊による戦略的浸透戦術ともいえるし。 お互いに機動し合う現代戦においても少し上の視点からみればいくらでも応用が利く概念だからね。 #right{(512:692-695)} **戦略爆撃が廃れたわけは? 戦略爆撃ってのは恐ろしくリソースを食う割には効果の低い、富める国にしかできない戦法だったのです。 政治的なメッセージとしての戦略爆撃はアリですが、 一般に想定される「敵国の生産能力を破壊する」という意味での爆撃は大量の爆撃機と爆弾と燃料とクルーが必要な割に 敵国の生産能力は比較的早期に回復します。 現実に連合国の大編隊による爆撃を受け続けた日・独共に、最後まで軍需生産が壊滅することはありませんでした。 ドイツなど、戦略爆撃に耐えながらも1944年の軍需物資生産量は最大になってます。 工場の地下化とか疎開なんかで爆撃効果を激減させることができたんです。 #right{(358:395)} 戦争は政治の延長であり、したがって戦争目的が利益の確保ではないことはしばしばありますですよ。 それに古典的な戦略爆撃(絨毯爆撃)が廃れたのは、爆撃のみでは敵国に我の意思を強要できないのと 一般市民の巻き添えを国際社会が許容しなくなったこと、 また攻撃・防御共の兵器、戦術の発達など色々な要素があるです。 #right{(358:396)} **ナポレオンやドイツを追い返したロシアの冬将軍ですが、技術や兵站システムが発達した現代でも通用するのでしょうか? 兵站システムが発達しても、その限界を超れば結局は破綻する。 バルバロッサのドイツ軍も、トラックの数やその消耗品などの点から 最初から兵站の限界を超えていた。 馬車がトラックに替わっても、逆に補給の重要性は増しており、 米軍のように潤沢に兵站を整えられなければ現代でも破綻は起こりうる。 #right{(514:408)} ドイツ軍集団のトラック輸送連隊は装甲部隊に供給するだけの輸送量しかなく、 その他各師団自前のトラック部隊も支援距離は短く、 それも信頼性の問題で開戦数週間で30%が故障で失われている。 ドイツ軍は兵站を鉄道輸送に依存しきっていたと言っても過言ではないが 線路の規格の違いという問題の解決ができず、 各軍集団は平均で計画の3分の1の輸送力しか確保できなかった。 それがバルバロッサ作戦の劈頭から頻繁に弾薬の供給切れを起して停止せざるを得なかった事情。 #right{(514:411)} ドイツ東方外国軍課のゲーレンは 戦争遂行できるだけの兵站が全く整っていなかった内情から ドイツは1939年の段階ですら勝つに値していなかったと断言しているな。 1940年のベルギー・北フランスでの戦闘終了時には 軽野戦砲以外の重火器弾薬を事実上使い果たしてしまい フランス戦が奇跡的短期間に終わっていたから救われたものの すでにこの時期でも膠着する兆しがあった。 #right{(514:412)} **ソ連の戦術で無停止進撃というものを聞いたのですがどのようなものか教えてください ソ連の電撃戦のようなものです。戦線を縦深突破したら、そのまま敵に対応の時間を与えず突き進みます。 戦後ソ連のドクトリンに採用されており、第三次世界大戦が起きたらソ連のOMGが無停止で欧州になだれ込むと懸念されていました #right{(523:66:モッティ ◆uSDglizB3o)} **通信兵はまっさきに狙われるって聞いたのですが本当ですか? 敵が応援を呼んだり、航空支援を取り付けるのを防ぐため、通信兵は優先的に狙われる。 例えばベトナム戦争では、筐体が大きくアンテナも長く張り出しているPRC-25無線機を 背負った米兵は、まごまごしていると真っ先に狙撃されている。 地上車両でも一番高いアンテナ立ててるのが、指令車だったりするので真っ先に狙われたりする。 実際、装甲車両でもcommand postはアンテナだらけのことが珍しくない。 別に憎まれてるわけではなく、単に一番邪魔な存在だから狙われる。 旧ソ連軍の戦術教義では、 まずは敵の通信を遮断せよ、その上で正面兵力を3割叩けばあとは自滅する、と教えており、 この戦術教義を叩き込まれた前線指揮官が、やっきになって通信兵を叩きにかかることは想像に難くない。 #right(){(352:770-774)} **三兵戦術について >基本的には「大砲で漸減し、騎兵で蹂躙し、歩兵で決着する」だという事ですが、普通に考えると大砲同士の撃ち合いで撃ち減らされる兵力は、 >お互いが同数兵力である限り地形的な要素でもないと同じくらいだろうし、騎兵で蹂躙といっても、歩兵の斉射で逆に騎兵が蹂躙されそうな >気がするのですが、その辺りをどう対処するのでしょうか? 三兵戦術の時代の少銃は速射性が無いので、騎兵に突撃されたら有効射程内で2回撃てるかどうか。 全兵が横一列に並ぶわけにはいかない(それだと一列突破されたら戦列が崩壊するし 横に長い隊列は迅速に動けない上に整列を保ちづらい)ので、たとえ撃った弾が全部 当たったとしても撃ち減らせる騎兵の数には限度がある。 更に、騎馬が全速力で突撃してくるのにパニックになって逃げないような兵はそうそう いないので、歩兵は騎兵の突撃にとても弱かった。 いわゆる「会戦」は、お互いが部隊を相手の大砲の射程外において対峙するところから 始まるわけで、そうなると戦闘を開始したら先に相手の部隊に対して動いた側が先制の 砲撃を喰らうことになる。 そして、先制砲撃するにしても ・相手の歩兵や騎兵を撃つのか? ・それとも相手の砲兵を撃つのか? という目標の選択問題が出る。 歩兵や騎兵を狙わなければ自軍の歩兵や騎兵を援護できないし、砲兵を狙わなければ 相手が自軍の歩兵や騎兵を撃ち減らしてくる。 かといって門数を2分して両方を撃っても、与える損害が中途半端になるだけ。 ということで「いかに砲兵を使うか」という問題が生じ、それを双方の指揮官がどう考えるかで 戦況は違ってくる。 簡単には単純なシーソーゲームにはならない。 #right{(547:25)} **敵を包囲すると有利っていいますけど、具体的にどうして有利になるか教えて欲しいです。 >初心者的には、包囲されている側全員が外側を上手く向けば、1VS1になるような気もしますし、 >背水の陣みたいに、包囲されている側の戦意が向上したりしそうな気もするんですけど 全てが戦闘部隊と仮定すると、包囲されている側は包囲の内側の兵が遊兵化する。 逆に包囲側は現存兵力の大半が敵に接触しているので、兵力を有効に使える。 近代戦だと後方部隊が壊滅したり、補給路が遮断されたりと致命的なオマケが付く。 軍隊ってのは、古今東西停止した状態で攻撃を受けるのが一番危険なわけ。 例外は城砦や塹壕による陣地などだけど、野戦では絶対に停止してはいけないわけ。 んで、包囲すると軍隊は停止するよね。野砲にしろ小銃にしろ、格好の的になるわけ。 背水の陣ってのは奇想天外であり得べからざる戦法を実施したから歴史に残っているだけ。 #right(){(344:568,569)} あと、他の方が挙げた理由の他にも、翼側や背後といった弱点になりやすい部分を 攻撃できる位置につける(というか、包囲機動自体がそれを目的としている)という点があります。 #right(){(344:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)} **実際の戦場で用いられる遅延戦術とは、トラップを仕掛けたり以外にどのようなものがあるのですか? 橋を落とす、道路に穴を掘る、建物を爆破して瓦礫でふさぐ。 殿軍による反撃も遅延戦術の一つですよ。 「敵の組織的な抵抗」を考慮すれば、当然進撃速度は落ちます。 補給路の遮断もこの範疇に含まれるでしょう。 #right(){(340:899,901)} **『後詰め』の役割とは何でしょうか? >籠城する味方への援軍と言う戦略級での後詰めの話ではなく >味方前衛の直ぐ後ろに控えると言う戦術級での後詰めのお話が聞きたいです 攻める時に後もう一押しがほしい場合の増援として、 守る時に破れた/破れそうな防衛線の穴埋めとして、 後方に予備兵力を備えておくのは軍事のイロハ。 質問中の「戦略級」とか「戦術級」とかは関係ない、というか使い方が間違ってる。 多分、戦術レベルでの予備戦力の事が聞きたいんだろうね。 後詰めというのは古語だから現代ではまず使われないよ。 戦況というのは不測の事態や敵味方の作戦展開で刻々と変化するのが当たり前だから それに対応しつつ我の主導権を保持し続けるために戦力の一部を作戦開始時に投入せず 手元に置いておくのが常套手段。 このとき、手元に置かれた部隊を予備というが、多分これが質問者が想定している状況。 ちなみに予備というと一般的な感覚では二線級やみそっかす的なイメージをもつかもしれないが 軍事的にはここぞというときに投入されるとっておきとして精鋭に割り振られる場合が多い役割。 #right(){(583:431,432)} **戦略と戦術と戦法の違いはなんですか? 戦略(strategy)は、政治レベルをも含めた、国家全体の運用計画を指す。 その下位には作戦(operation)があり、戦域・方面での部隊運用を指す。 軍団、師団単位の部隊運用が一般的。 戦術(tactics)はさらに細分化されたもので、戦闘局面での部隊運用を示すことが多い。 でも、きっちりと範囲が決まってるわけじゃないし、概念的、観念的な用語だと思っておけばいい。 場合によっても用語の使い道が違う。 #right(){(38:39)} 極端に簡略化すれば、 戦術的成功:その場の戦闘で勝利 戦略的失敗:戦争(開戦)目的を果たせない さらに小さなレベルで戦技(個々の戦闘単位の技術)というものもありますね。 #right(){(80:system)} 戦術と戦法の違いとは、簡潔に言うと 戦法とはある条件下で有効なある戦闘方法の事 戦術とはあらゆる条件下に対応する戦法の集積です 広義にはほぼ同じ意味ではあります。 #right(){(330:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)} 「戦略」: 国家レベルでの戦争遂行の方針。       広義では軍事力だけでなく経済や国民の動員等も含まれる。 「戦術」: 一つの戦場(作戦)における軍事力の運用。 「戦法」: 中世までの会戦や攻城戦における兵力の運用。 #right(){(289:ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA)} 野球に喩えると、 球団経営が戦略 ピッチャー交代が戦術 カーブを投げるのが戦法 #right(){(289:91)} **揚陸作戦って守る方がかなり有利って聞いたが、具体的にどう有利なんですか? ・陣地にこもってるから、敵の攻撃を受けてもやられにくい ・陣地に据え付けた強力な火器が使える そんなわけで、一般的には攻撃側は防御側の3倍の兵力が必要と言われる ただし、これはあくまで陣地が構築されている場合の話で、防御側が穴も掘らずに その辺に展開しているだけだったりすると、奇襲効果の得られる攻撃側の方が有利だったりもする 守る方が一方的に有利とは限らない。 攻める方は上陸地点も時間も好きに選べるが、守る方はそうはいかない、 主導権を攻める方に取られた作戦であることは否めない。 ただ、攻める方は陸海空の立体的な戦力を、相当に大きく用意しないと成功は覚束ない。 >攻撃側がいつどこから攻めてくるか解らない、ってのは普通の陸戦でも言える事じゃね? 陸戦でも、例えば砂漠や平原での戦闘のように、 海に近い捉え方ができるような地形の場合は、確かにどう来るかわからない。 しかし陸戦の場合、例えば冷戦時代の「フルダ地峡」や「音威子府峠」のように、 「ここを通らないと侵攻兵力が速やかに進撃できない」ポイントがある場合は、 そこを重点的に防御することで、防御兵力を有効に使える。 現在では偵察衛星情報などで、 大規模な揚陸作戦の準備状況や、敵揚陸部隊の進発状況を把握することも可能になったが、 それでも、揚陸作戦に適した地形の海岸に限っても、 おいそれと的確な位置に防御側の兵力を貼り付けることは難しい。 #right(){(329:199,200,212)} **都市での破壊工作において高速道路、幹線道路などを破壊し交通を制限させるような戦術は有効なんでしょうか? 松村劭元陸将補は、著書の『日本人は戦争ができるか』のなかで 先進国のようなインフラの発展した都市は、 交通や通信などにおける急所だらけで、それらは少しの攻撃でも簡単に破壊され 容易に都市機能が麻痺すると書いている。 それを防ぐのは難しく 従って日本の国土を仮想戦場にしている(せざるをえない)自衛隊は 戦略の段階で大きな問題、矛盾を抱えているがとのこと。 #right(){(597:260)} 交通網に対する攻撃は都市を攻撃するときの基本です。戦略爆撃でも同様。 すぐに軍隊の移動や補給に支障がでますし、市民生活に対してボディーブローのように効いていきます。 ただし、すぐに攻め込んで占領したい場合は、交通網を壊すと侵攻軍/占領軍が困ります。 これを逆手にとって、防衛側は橋や道路などを破壊して攻撃を妨害します(当然味方の側は残す) #right(){(597:モッティ ◆uSDglizB3o)} イラク戦争の大規模な通常戦闘が終了したあと、論者によってはイラク占領期において たびたび、橋梁が爆破されています。 たとえば最近ではイラク西部・アンバル州の州都ラマディの市街を二分するユーフラテス川に かかる幹線道路の橋梁が爆破されています。 また、イラク戦争で宗派内戦がたけなわだったころは、バグダッドのティグリス河にかかり、市街の東西 を結ぶ橋梁がやはり爆破されたことがあります。 これらはテロ、或いは内戦でのゲリラ活動であるので破壊工作という語のみで括れるかはともかくとして 今でも使われている戦術とはいえるでしょう。 単に物理的に交通が遮断されるのみならず、橋は二つの地域を結ぶ象徴であり、通勤通学路であり、 崇敬の対象たる宗教施設への道であったりします。 #right(){(597:263)} **銃剣突撃って、何の目的にやってるんですか?普通に考えれば敵の機関銃にやられて、全員あぼんですよね? http://ww1.m78.com/honbun-2/infantry%20tactics.html >独仏とも500メートル前後以内では歩兵の突撃により敵を圧倒する戦術が正しいとされていた。 >更にイギリスの歩兵操典では500メートル以内で突撃すれば敵はパニックに陥り、 逃亡するか照準が狂いかえって被害を軽減するとしていた。 #right(){(602:201)} **水際防御って有効な戦術なの? 一般に、対着上陸作戦は敵が橋頭堡を築くか築かない時点で叩き潰すのが有効と言われている。 で、やはり一般的に水際防御は上陸前艦砲射撃等により損害が出やすいので防御としてはイマイチとも言われている。 しかしながら、やはり一般的には橋頭堡を築くには敵の曲射火器の有効範囲外になるまで、つまり0-2ラインくらいまでは 防御側を押さないとならないといわれている。 結論から言うと、対着上陸なんて誰もわからんちうことで、水際防御か内陸持久かなんてのはあくまでも指揮官の趣味 でしかないわけだあ(笑) #right(){(325:緑装薬4 ◆8R14yKD1/k)} **制空権取らないと機甲部隊や攻撃機は出さないの? 敵国に侵攻する場合まずSEADというものをやる これは敵防空網制圧のことで航空優勢を確保するのが目的 それが済んでからでないと地上部隊は前に出ない 航空作戦を参照 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BD%9C%E6%88%A6 #right(){(310:366)} **ゼークトラインは浸透戦術で突破と言われてますが、歴史的にこの戦いに酷似した例はありますか? ブルシロフ攻勢。 http://ww1.m78.com/honbun/brusilov%20offensive.html 浸透突破の成功例。こっちが史上初だが。 #right(){(309:363)} **相手の戦意を挫くのが目的のひとつの戦略爆撃は、実は逆に戦意高揚させてしまうことが判ったというのは本当ですか? そういう見解もある、というぐらいの話。 「前戦に出ていない連中まで戦争に巻き込むとそいつらまでやる気になる」 っていう意見ね。 戦略爆撃そのものが1世紀にも満たない歴史しか持っていない上、 実際の戦争では戦略爆撃のみが行われることはまれで、 地上軍の攻撃や海上封鎖の効果と、戦略爆撃のみの効果を切り離すことは難しいです。 第2次大戦の戦訓では、直接的に戦意をくじく効果は薄いとされています。 ただし、生活必需品が不足し出すと、国民の戦意も失われるようです。 #right(){(306:315-317)} **歴史上初めての敵都市への空襲は? 航空機による敵国都市の直接攻撃は第一次大戦当時のドイツ帝国が先鞭をつけた。 空襲によって一都市を壊滅可能であることとそれを実行した時に引き起こされる 恐怖が人心に与える効果は、スペイン戦争でドイツ・コンドル軍団が実証した。 第二次大戦における初めての敵国首都に対する継続的な攻撃はドイツ空軍による ワルシャワ爆撃で、それによってポーランドは最終的に降伏した。 航空機による都市爆撃が戦争の最終段階で決定的役割を果たした初の事例だった。 #right(){(何でドイツは戦略爆撃しなかったのか:91)} **ソ連軍の縦深戦略とは? トハチェフスキーらが推進した縦深戦略とは、 簡単に言えば機甲化された部隊によって敵の前線を後方地帯まで含めてまとめて突破し、戦略レベルで敵軍を崩壊させようというものです。 その崩壊の過程において包囲は当然選択肢に入ってきますが、場合によっては包囲よりも敵の策源地を叩き潰すことを優先することもあります。 ドイツが推進した電撃戦理論と相通じるところがあるんでよく比較されるが 縦深戦略はいかにもソ連らしく、もっとスケールがでかい。 ドイツは空陸一体・無線も使った速戦速決で敵の弱点に戦力を急速集中して突破、 後方に浸透して前線の敵軍を機能不全に陥らせて後はゆっくり歩兵で片付ける戦術。 ドイツ軍は師団レベル、ソ連軍は方面軍レベルの突破と包囲が念頭にある。 >「包囲」と「突破」はまったく別の種類の攻撃方法だと思うのですが、どちらが正しいのでしょうか? >敵の陣地に穴を開けて後方まで一気に突破、敵が態勢を立て直す前に包囲を完成させ、敵をじっくり叩き潰すということですかね? じっくりじゃない。即座に。 縦深攻撃戦略は戦略規模の突撃突破なので、 階級の敵をドーバー海峡に蹴り落とすのが目標になる。 その際、敵の強固な抵抗に遭遇した場合は大量の戦力を投入し力ずくで撃破するとしていて、 撃破する際の戦術の一つに包囲という選択肢があるだけ。 「堅い敵はあとからじっくり」はドイツの電撃戦の思想。 #right(){(661:200-209)} **戦術における陽動というのは、要するに助攻という理解でよろしいでしょうか? 陽動は陽動。 場合によって攻めることはしなくても相手を乗せられるので助攻と同義ではない。 陽動の攻撃が助攻となる場合があると言うだけだ。 が、いずれにしても、一方が陽動が助攻になると考えても、それは敵の動き次第。 例えば敵が守るべき拠点を移動できる状況にあれば、敵の陽動部隊を「戦力を分散させたマヌケ」 と理解して全力で叩き潰し、その後返す刀で敵主力に立ち向かうことも出来る。 助攻は主攻への戦力集中を阻害する目的もあるため、陽動=助攻とはいえない。 そもそも陽動はこちらの主攻正面を誤認させる、あるいは敵を誘致させる ために行われる攻撃を含む行動を指し、助攻は攻撃そのものを指すので イコールで考える、あるいはどちらかがどちらかに内包されると考えるには 無理がある。 戦史叢書「陸海軍年表 付 兵語・用語の解」より 陽攻・陽動 :  いずれも敵を欺瞞する術で、そのために攻撃を装うのを陽攻、それらしく目立った行動に  より敵の判断を誤らせるものを陽動という。 助攻が結果的に敵を引きつけ、敵がそちらに動きを取られる、もしくは動きを止めるため陽動になるのですが。 まあ、散開して陽動し、主攻で撃破するという戦術もあるので、この場合は攻撃せずに逃げる、 或いは防御して足止めをするという選択肢がとられるでしょうから助攻というものは存在しませんね。 #right(){(294:605-667)} **補給戦って何やるの? どこまでを補給戦と考えるかによるけど。 必要な戦力や前線の要求に応えて生産計画立てて、必要な原料調達して工場立ててってのは別にしても。 必要な物資を船や鉄道で運んで、途中で空襲や潜水艦に沈められたりもして。 前線でも武器弾薬食糧衣服に慰安婦の調達まで、当然敵による補給線妨害もある。 昔から騎兵は突撃や偵察だけでなく、後方獲乱として補給部隊を狙ってきた。 実際の戦闘も補給のしやすい交通の要衝や補給拠点が戦場になる。 #right(){(俺初質スレ432:103)} **戦略と戦術の違いは解ってますが、作戦級攻勢とか言った場合の「作戦」の意味が知りたい 「作戦級」は戦術レベルよりも大きな分類です。 英国の軍事思想家リデル・ハートは戦争理論の規模を「政略」「大戦略」「戦略」「戦術」 に分類しました。 各レベルにおける「計画」という意味合いだった作戦を、「作戦」というレベルにしたのは米軍で、 米陸軍のマニュアルには師団、軍団レベルの軍事行動を規定するFM100-5という野戦教程に、 「Operation(作戦)」というタイトルが付けられています。 #right(){(104:639)} **マハンの理論が、戦前の日本で熱狂的に受け入れられた理由は何なんですか? >http://www.bekkoame.ne.jp/~bandaru/deta01m.htm >海軍はともかく、陸軍にも受け入れられるとは・・・ ・わかりやすい。 ・地政学上、いわゆるリムランドに位置する海洋国家である日本には受け入れやすい。 ・決戦主義的な色彩が所々に看取され、陸海軍いずれの気質にも合っていた。 ・陸上戦におけるいわゆる内戦戦略に基づく戦略を組立てており、  大陸と南洋、両方面に仮想敵国を設定しなければならない日本の戦略条件にも合うものと考えられた。 #right(){(277:465)} **何故、包囲されるとまずいんですか?包囲してる側は兵が密集してなく薄く横に広がっているので危ないと思うのですが。 包囲されてる側が方位を突破しようとすれば後ろ側から攻撃されることをお忘れなく。 薄いとか厚いとかの問題だけで済む話ではないのです。     ○○    ○●●○   ○●●●●○ ○●●●●●●○ ○●●●●●●○   ○●●●●○    ○●●○      ○○ 包囲効果をモデルにするとこうなる。 包囲している○軍の兵力は16部隊 包囲されている●軍の兵力は24部隊 しかし最前線で実際に敵と接している部隊を数えてみると、 ○軍は16部隊全部が敵と戦っているのに対し、●軍の部隊で戦っているのは12部隊のみ。 包囲することにより最前線では兵力の逆転現象がおきる。これをゲーム化したのが囲碁。 また、包囲には相手の食料補給を断つ効果もある。 >でも完全に包囲したがために、相手が背水の陣状態で必死になって包囲側の被害がとんでもないことになったという事例もあったような。 だから両翼包囲はあまり起こらないのよ。 カンネーが特に注目されるのはあまり起こらないのが、完全な形で成功したから。 包囲された時点で大抵の軍は撤退し始めるからね。 #right(){(116:619-626)} **民家・民間人を攻撃目標とした「都市爆撃」は「戦略爆撃」ですか? 「無差別爆撃」ですか? どのような資料を読まれているか存じませんが。 戦略爆撃は戦術爆撃と対になる言葉です。 戦術目標(前線の兵力や兵站)の破壊を目的にした戦術爆撃に対し 戦略爆撃は戦略目標(後方の工場等)の破壊を目的としています。 無差別爆撃ですが、これは戦略/戦術爆撃の下位に位置し精密爆撃と 対をなします(乱暴ですが。 通常、攻撃目標を選定し破壊する精密爆撃が良いのですがWW2当時の 爆撃技術では困難で、攻撃目標を大きな範囲で破壊する無差別爆撃が 行なわれます。 軍事関係の資料を見ると分かるのですが、重慶爆撃は精密爆撃を終始 目指しています、が目標を外れ周辺に被害が出ています。 日本本土空襲も当初は精密爆撃を目指しており、後期は無差別爆撃を 行なっています。 #right(){(252:417)} **ランチェスター理論とはなんですか? フレデリック・ランチェスター氏が発見した簡単な数式によって戦闘を計算する理論。 第一法則 一騎打ちの法則  「一人が一人としか戦えない場合、数の多い方はその分だけ残って勝つ。」 第二法則 集中効果の法則 「一人が複数の敵を攻撃できる近代戦や広域戦的な総合戦では、 敵より数が多くても あぶれることなく少ない敵に集中的に損害を与えることができる」 各自に数式が存在し、これをもとに彼我の必要な戦力の計算が出来ます。 注)数式は略しました。 #right(){(46:254)} 第一法則 A0-A=E(B0-B) 第二法則 A0の2乗-Aの2乗=E(B0の2乗-Bの2乗) A0、B0:各軍の初期戦力 A、B:各軍の損害 E:A軍、B軍の質的な差異(を数値化したもの) 内容や応用は、サーチエンジンで検索かけて、ちゃんと説明しているサイトに当たった方が吉 #right(){(58:267)} **上陸戦の法則って何? 上陸作戦に限らず、一般的に言われている事は「攻者三倍の原則」です。 これは、防御を固めている守備兵力を排除する為に必要な兵力は、攻勢 側は最低三倍の兵力を要すると言う事です。 ただ、防御側の陣地構築が巧妙な場合、それ以上の兵力が必要ですし、 攻勢側の火力が圧倒的なら、それ以下で済む事も有ります。 >防衛綱領を改定しないと、保有艦船の数を増やせないのでしょうか? >イージス護衛艦を8隻まで増やして欲しい・・・ 防衛大綱では、イージス艦と他の護衛艦との区別はしていません。 ジージスと言っても、単なるシステムですから、これから先安価になれば 似たようなシステムは、他の護衛艦にも広く採用されていくでしょう。 (イージス以外の名前が付くでしょうが) #right(){(56:85)} **合法で、特定地区を制圧(篭城できる、又は支配権を奪取できる程度)するのに、有効的な物は何でしょうか? お金が一番です、武器などは相手にいらぬ警戒心を与える。 #right(){(57:432)} 他人の建造物に無断で侵入すると、住居侵入罪で逮捕されます、 ので篭城は止めましょう。 あと警備員に買収は警備員に迷惑なので止めましょう、もし買収の事実 がばれたら、警備員は警備会社を解雇される恐れがあります。 抗議をしたければ、抗議書と抗議賛同者の人の署名を集めて、 抗議しましょうね。 #right(){(57:434)} **民間人を虐殺(根絶やし)しておけばゲリラになることは無いし、反乱を起こすことも無いからいい戦術なのでは? その土地の生産力は無くなるは、他国に非難されるは、 負けたら指揮官は国際法違反で死刑になるはで、良い事は何も無し。 #right(){(58:72)} **マンシュタインの「バックハンドブロー」って何が画期的だったんでしょうか? おっしゃるのが1943年冬のロシア戦線南部における、 ドイツ陸軍の防衛戦についてでしたら、その作戦が 特に「画期的」だったわけではなく、戦術の基本である、 「優勢な敵の攻撃に正面からぶつかるのをさけ、 土地を手放すことで時間と攻撃側の疲弊を待ち、 攻撃が先細りになったところで側面を衝く」という 機動を実現しただけです。 マンシュタインが賞賛されるのは、ヒトラーの死守命令を独断で退け、 敵味方の情報が錯綜する中で、こうした機動を成し遂げたという点にある、 と大雑把にいえばそういうことになるかと思います。 #right(){(157:349)} **地上軍無しの戦略航空爆撃って、どれほど有効なんでしょうか。 連日の空襲警報、その度に防空壕に避難する、防火班はその度に配置に就き、 夜間の場合は睡眠が十分に取れません。 また、昼間の場合でも、避難することによる生産、物流の停滞、破壊された施設の 復旧などに多大な労力を要します。 特に、空爆の場合は何処が爆撃されるのか直前にならないと判らないので、広範 囲にそういう避難などが行われることになります。 連日の過労、疲労により、生産現場ではポカミスが多くなり、生産した製品は不良 品を作り出し、その不良品のために次工程は停滞します。 また物流が停止する場合も、必要なところに必要な物品が届きません。 しかも、政府や軍はそれを押しとどめられない。 こうなると、国民は政府の言うことを信じなくなり、革命の雰囲気が醸成されます。 山田風太郎の「戦中派不戦日記」とか、清沢洌の「暗黒日記」、徳川夢声の「夢声 戦争日記」などをお読みになるのが良いでしょう。 庶民生活に空襲が如何に打撃を与えているかが描かれていますから。 #right(){(WWⅡ爆撃・攻撃・雷撃機について論じる:眠い人 ◆gqikajhtf2)} ----
#CONTENTS ---- **戦略と戦術は具体的にどう違うんですか? 戦術は現場規模、戦略は地域全体や戦争全体、さらに国際関係まで含みます。 #right(){(91:761)} ごく簡単化して言えば 戦争に勝つためのおおまかな手順・予定・計画が戦略 戦略の中のひとつひとつの戦いに勝つための工夫が戦術 よーするに最終的な目標に対する計画のおおまかさ・細かさで分けるので 視点の高さによっては同じ事象が戦略にも戦術にも捉えうります。 #right(){(91:782)} **MAD戦略の概要と、長所と短所を教えて下さい。特に短所がいまいち解りません。 MAD、相互確証破壊戦略の長所は、攻撃が自殺とつながっているため、引き金が途方もなく重いという点。 短所は莫大な費用と人材が必要な上、それでも引き金が引かれた場合、あるいは暴発した場合、それこそ確実に相互確証破壊されてしまうという点。 これは攻撃本能や恐怖を理性で克服できるとかいう、人類に課された大きな試練であったと思います。 このMAD以降、戦争のあり方は劇的に変わっていったわけです。 #right(){(5:system)} **「機動防御」とは、どういう戦術なのか? 主に陣地守備部隊と機動打撃部隊で行われる防御スタイル 陣地防御と対照的に、陣地守備部隊が作戦上の要点を確保しつつ機動打撃部隊により自ら望む時期と場所において敵を撃破する 陣地守備部隊は、敵の突破拡大の抑止と機動打撃部隊の掩護を行うため、意外にも結構しんどい #right(){(5:602)} 防御戦は通常、「戦線」で行うのですが その線を突破した敵を、こちらの機動戦力で打撃する防御戦の一形態です。 簡単な例えとしては、「モグラ叩き」です。 #right(){(64:446)} 前線の兵力が不足していて防御不可能な場合に、 前線で防御ぜず、退却して、後方からの増援や予備兵力の集結を待って、 戦力を集中して、反撃に転じる手法です。 #right(){(112:トルエン大尉)} **電撃戦ってなんですか? 装甲部隊,航空支援を敵戦線の一部に集中させて一気に突破すること、でいいのかね。 「電撃戦」というのは当時フランスやポーランドがあっという間に陥落したので ついた名前だと思う。(それともグデーリアンが最初から命名したんかな?) 現代では機動戦でくくられてしまうと思われ。 #right(){(19:ulysses)} 電撃戦(Britzkrieg)の命名者はドイツ人ではなくて、 実はイギリスの軍事評論家B・リデル・ハートだとの有力な説がある。 #right(){(19:823)} 攻撃目標は敵軍の指揮系統の破壊による勝利であり、 目的は補給、司令部の破壊で敵前線部隊や抵抗陣地は攻撃目的としない。 手段として機動性に優れた部隊である。これには優れた指揮、通信手段が必要である このさい、敵軍の殲滅、根拠地の占領、維持は後続部隊にまかせられる。 推奨本 電撃戦 レン・デイトン 早川書房 ¥800-。ISBN-4-15-05018-8 C0122 #right(){(21:769)} **群狼戦術とはどういったものなのでしょうか? 十数隻の潜水艦を広域に展開させて哨戒 ↓ その内の一隻が船団を発見 ↓ 近くで哨戒中の味方潜水艦を暗号無電で呼び寄せる ↓ 敵船団を多数の潜水艦で襲撃 ↓ ウマー #right(){(21:127)} **軍事における戦略と戦術の重要度比とか一般的にあるのでしょうか? 軍事行動に対してのビジョンが戦略、実際に軍隊を運用して戦う兵法が戦術、 どちらも等価値に重要でありどちらが主で従と言うこともありません。 #right(){(21:729)} **潜水艦戦術でドイツのルーデルタクテーィク(群戦術とでも訳?)とアメリカにおけるウルフパック(狼群戦術)の違いってなんなんでしょうか。 同じです。 #right(){(22:ulysses)} **飽和攻撃と物量作戦の違いって何すか? 飽和攻撃:ミサイル等を敵の迎撃対応能力を超えた量投入すること        飽和食塩水で塩が浮き出てくるのを想像していただけば 物量作戦:物量で押すこと #right(){(24:958)} **戦略偵察と戦術偵察の違いを教えてください。 戦略偵察は相手国の奥深く、兵器生産工場は稼動してるか部隊は終結し 移動準備してるかなど。U2とかSR71の任務。 戦術偵察は戦線の向こう側で、敵状の部隊配置や部隊移動など。 RF4などの偵察機の任務。 #right(){(27:一等自営業 ◆O8gZHKO.)} **戦術として、民間の電話会社を攻撃することはありえますか? 給水関連施設や電気施設を破壊するのは、人道的によろしくないと言われる可能性があるけど 通信施設を破壊するのは基本中の基本!! 米英などの資本家に主導される営利戦争の場合に限るけれどもね 解放戦争の場合は革命闘争に賛同する労働者階級が自発的に施設の機能を 止めてしまうと思われるので破壊する必要がない。 #right(){(33:407-408)} **よく用兵思想で「三倍の法則」というものを聞くのですが、それは近代戦でも通用する法則なのですか? 通用する。当然、戦術的な意味だけど。A、B、Cと言う戦線があるとして、 A正面で攻勢に出る為に3倍の戦力が必要だとすれば、A3、B1、C1でも成り立つ。 相手がA1,B1,C1なら全体から見れば5:3になる理屈だ。 #right(){(43:515)} 意見が分かれています。 単純な兵力量ではないというのも理由ですが、 現代戦とその戦力をどのように評価するかにもよります。 目安としては現代でも使われることはありますが、 現代戦では「陣地突破には6倍以上が必要」との見方もあります。 #right(){(65:218)} WWⅡ以降の戦訓では3倍則は成立してませんよ #right(){(77:192)} 攻勢作戦=着上陸作戦ってつながりが分らない。3倍ってのは地上戦」における 経験則。戦術レベルではそれ以上だし、戦略レベルではそれ以下。  具体的に言うと、蛸壺に篭った機関銃1丁は分隊どころか小隊を釘付け 出来る。方面軍レベルなら助攻正面で敵を拘束できるから、全体としては3倍以下になる。 #right(){(77:193)} **「孫子の兵法」はどこがどう優れているのでしょうか? 具体論としての評価は山ほどできますけど、 要するに近代以降の軍事技術の発展の方向性と、孫子の記述が一致する点が多かったということです。 自分達が頭ひねって考えたことが数千年前の人間にあらかた言い当てられていたとしたら、 そりゃあその人物を伝説視してしまうことは避けられまい、ってところですか。 #right(){(37:256)} **リデル・ハートのいう「間接アプローチ」てなんですか? リデル・ハートは、クラウゼヴィッツの戦争論が提唱する決戦主義を直接アプローチと位置づけ、 決戦に訴えることなく戦争を遂行することを間接アプローチと定義している。 例えばナポレオン登場以前のヨーロッパの戦争は大抵が消耗戦で、 これも間接アプローチの一種だし、ナポレオン戦争でもウェリントンが 消耗戦略でナポレオンと戦っている。 #right(){(50:269)} **騎士の突撃という戦術があまり有効でなくなったのはどうして? ピストル騎兵の登場により、重装騎兵は駆逐された。 #right(){(64:268)} 銃も進歩してるから鎧の意味がなくなって重装騎兵は廃れていった。 騎兵突撃そのものも19世紀には火器の発達により、ただの自殺行為に なってしまった。偵察などに使う乗馬歩兵として騎兵はもう少し生き延びたが WW2頃までには自動車などの発達でその位置すらも追われてしまったわけだ。 #right(){(64:279)} **散兵戦術がヨーロッパの戦場で一般化するのはいつごろですか? ナポレオン戦争の頃からです。 #right(){(69:443)} **崖や川などの地形を陣地の防衛に使用する時、それらの地形の前方にも守備の兵をおくのにはどういう理由があるのでしょうか? ・複数の防御線を構築する事で、敵攻撃衝力を弱める。 ・時間を稼いで、その間に防御ラインの強化を行なう。 ・敵攻勢の規模や方位を見定めて、有効な防御や反撃を行なう事が出来る。 #right(){(71:722)} **地上戦って具体的にどのように侵攻していくのですか? 斥候が偵察    ↓ 敵ハケーン    ↓ 大砲が牽制・撹乱・漸減    ↓ 戦車が蹂躙    ↓ 歩兵が確保 #right(){(74:925) こんなんでいいのかねw 1.航空偵察で先の状況を見る 2.偵察車両を出して具体的な状況を見る 3.必要なら後方の砲兵や航空兵力に射撃や爆撃を頼む 4.なるべく装甲のしっかりした車両で前進する 5.安全そうなら後方の部隊も前進させる 6.堅固な守備をとっている所は迂回し、その守備地点への補給を阻止する 7.敵の砲兵に射撃されたら3を実行する。 8.前線に常に補給物資が届くように機を配る などなど・・・軍の命令系統のどこに位置するかによって個人に求められる判断は変わりますが #right(){(74:926)} **戦争やプライベートライアンでは橋が重要そうですが、どういった点で重要なんでしょうか。 橋を使わずに装備を川向こうに渡すには何かと手間がかかります。 加えて本来橋がかかってないところですから、主要交通路からも外れているケースが少なくありません。 米英イラク侵攻軍がイラクの高速道路を利用していたように、大部隊の移動には既存の整備された交通路がいちばんいいのです。 #right(){(76:ゆうか ◆9a1boPv5wk)}※イラク戦争の記述を過去形に修正 **戦争では橋が重要そうですが、どういった点で重要なんでしょうか。 橋を押さえると、トラックも戦車も苦労しないで川を渡れる。だから重要。 #right(){(76:458)} 橋を使わずに装備を川向こうに渡すには何かと手間がかかります。 加えて本来橋がかかってないところですから、主要交通路からも外れているケースが少なくありません。 イラク戦争での米英イラク侵攻軍がイラクの高速道路を利用したように、大部隊の移動には既存の整備された交通路がいちばんいいのです。 #right(){(76:ゆうか ◆9a1boPv5wk)}※表現を過去形に修正 **電撃戦と縦深戦術の違いを教えてください 縦深戦術というのは、恐らく、縦深作戦理論とか呼ばれたり、 実施レベルで縦深突破同時打撃と呼ばれる戦術要領をさしていると思われる。 これらは、WW2以前、赤軍のトハチェフスキーらが提唱した機動戦理論。 比較的狭い正面で、戦車・歩兵の強襲により戦線を突破、 そこから機動部隊が進出。 機動部隊は後方へと進出して、 敵前面・側面の拘束部隊とともに敵部隊を包囲撃滅する… というような戦術構想。 一方、グデーリアンらが提唱した電撃戦の場合は、もう少し奇襲的要素を重視し、また、戦略レベルの効果も考えている。 すなわち、機動力に富む装甲部隊により、敵の作戦正面の弱体な部分に攻撃を集中し、短期に戦線を突破。 突破後は、大規模な包囲や分断を図りつつ、敵の指揮命令系統の混乱を招き、最終的に大規模な包囲殲滅、 あるいは戦略レベルで敵軍全体の組織的な崩壊を狙っていく。 #right(){(77:363)} **孫子の兵法の解説書が多すぎてどれが信頼できるものやら判別がつきません。 >誤訳,誤解のなるべく少ない信頼できる書籍としてオススメ品と言ったらどの様な物があるでしょうか。 岩波ので十分デス ビジネス色が付くと、非常にウザイ(私感) ちゃんと最低限の解説も付いているので。 #right(){(77:566)} 芙蓉書房の戦略論体系シリーズ「孫子」もいいかも。 後半に現代の軍事研究家による解説も載っていて参考になると思います。 #right(){(77:577)} **大鑑巨砲って何が不味かったんですか? そりゃ、艦隊決戦で勝って水面に敵の艦艇が居なくなっても、その海域の 水中に敵の潜水艦が居て、その海域の空に敵の飛行機が居れば「通れない」 事に変わりは無いだろ。畑も町も無い海面を「占領」する意味なんて無い。 海の上での戦闘ってのは、ソコを(商船や陸軍の輸送船を)「通す」為に行 うの。つまり、対水上戦闘で勝っても「制海権」は得られないわけだ。  じゃ、艦隊決戦で勝って水面に敵の艦艇が居なくなったら敵の海上交通を 遮断できるかっつーと、戦艦だけではそういう訳にもいかない。戦艦に限ら ず、フネってのはマストからの水平線の外は見えない。大体、半径30kmだ 。「大艦」では数が揃わん。  その上、当たり前の話だが自分より速いフネは補足できない。そもそも、 位置が相手にばれてたら的が近づいて来ない。この面でも結局は高度と速度 によって圧倒的に優位な航空機の出番になる。  つまり、強い事は強いんだが、何の意味があるのかサッパリ分からない強 さだった訳だな。 #right(){(78:86)} コストの問題も大きいのでは? 飛行機何百機か何千機ぶんもの費用を かけて建造したのに魚雷や爆弾を何発か受けただけで沈むんですから 効率悪すぎだと思います。 #right(){(78:87)} 簡単にいうと戦艦が日本海に5隻浮かんでるより、一式陸攻が一機 哨戒してる方が「制海権を得てる」に近い状態な訳よ。 #right(){(78:88)} 一言で言えば、弾がロクに当たらなかった。 #right(){(78:91)} **戦術論の教科書(みたいな本)を探しています。 陸戦学会が教科書や参考書を結構出しているけど、自衛官以外に売ってくれません。 入手が楽なのはネスコから出ている”戦術と指揮”等がいいかと。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890369007/qid=1051377985/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-6124283-4185121 #right(){(79:62)} 神田の軍事専門の古書店に大量にあります。 自衛隊の教本もあります。 神田の古書店に行きなさい。 #right(){(79:64)} 陸戦学会の本は陸戦研究くらいしかなく、戦術関係は教範類くらいしかなかったです。 こちらも先週確認していますし、戦術関連に関しては、教範は値段の割に最適とは言えないと思い…。 #right(){(79:127)} 陸戦学会関係の本は、自衛官の友人を作って借りる方が遙かに 早いような気がするが。 陸戦学会から出ている「湾岸戦争」と「史伝」は、戦史関係と言うこ ともあって古本屋で手に入ったが。 ↑場所は久留米だったんだが、道に迷ってうろうろしている内に 発見したので細部位置不明 #right(){(79:ミリ屋哲 ◆qmwryStCos)} **戦争論を読んでみたいのですが、どこのがいいでしょうか?訳者がちがうようなのですが。 岩波版は原本に欠落あり。徳間版も一部省略あり。 今買うのなら、中公版がおすすめ。 #right(){(90:549)} **人海戦術のどこがいけないのですか? 効率が良くないからじゃないのかな #right(){(90:907)} 人海戦術はイクナイわけじゃない。 自国で豊富な資源を有効に使って戦うのが良い戦争のやり方。 人間がふんだんにいるのであれば、それを贅沢に使って戦争するのも いいでしょう。 でも、現代では多くの国家では人間の命の値段が高くなったので (高度に工業化が進んだ国では自然とそうなる。富かになるほど少子化がすすむため) 人海戦術はあまり流行らなくなりました。 #right(){(90:912)} **「強固な意思で上陸を決意した軍を航空機や船舶での攻撃のみで上陸を完全に阻止するのは不可能」という話を見たのですが >海岸線じゃなくてたとえば日本海とかそういうところで阻止しきれないのは何故なのか 大抵の場合攻撃側は、望むときに戦力を投入出来る これは、戦理だから覚えておいてね。 防御側が戦力的に優勢でも、攻撃側は局地的な優勢を確保出来る ドイツ空軍の冬至作戦とか春の目覚め作戦とか読んでみそ (まああれは末期すぎてどうにもならなかったが) #right(){(93:603)} もう少し具体敵に説明するとするならな… 一応、某大陸軍国が、日本に上陸準備をするとする。 それがわかっても上陸地点がどこになるかはわからない。 で、その不明の上陸地点近辺には、護衛艦群が1個しかないとする。 で、某大陸軍国は、短時間でも制海権の確保のために、 日本に投入できる海軍力の総力と空軍力のできるだけを、 投入するかもしれないな。 場所によっては、他の方面にいる護衛艦群や米艦隊が来援に来るまでには、時間が掛かる。 とすれば、海上で十分な阻止行動ができない可能性が高まる。 実際に着上陸されてしまう可能性も高くなる。 実際には、時間をかければ制海権も奪還できる可能性も高く、 兵站の締め上げもできるかもしれない。 しかし、世論が…着上陸された→もうだめぽ…という風になる可能性がある。 そうならないうちに、強力な陸上戦力を着上陸した部隊にブチ当てて、 敵の兵力に大打撃を与えるとか、あるいは、内陸侵攻を断念させてしまいたい… そういうことが考えられるわけだ。 #right(){(93:604)} **陸戦の基本中の基本を知りたいと思ったら、どんな本を読めば良いのでしょうか? 孫子の兵法 #right(){(94:337)} 分隊指揮官レベルの部隊指揮や戦術知識でしたら、最も分かりやすいのは 上田信著「コンバット・バイブル」1~4 日本出版社 ではないでしょうか。 1巻は個人レベルの装備解説、2巻は指揮官レベルの指揮や戦術解説がメインになっています。 コミック仕立てですが、これほど分かりやすく解説された本はそうそうないかと。 あとは松村 劭著『戦術と指揮』ネスコ/文芸春秋 もかなりよい本です。 #right(){(94:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **戦場の戦略を勉強できる本で良いのないですか? 有名なところでは、『孫子』なんてどう? 岩波文庫から出てる。とてつもなく古い著作だけど、 戦略戦術で後世に非常に大きな影響を与えた。 #right(){(94:597)} **現代の戦車や装甲車両などの戦術について詳しく書いた本って何かありますか? パンツァータクティク 大日本絵画 発行などはどうでしょうか。 写真多数あり。戦車大隊、中隊の戦術について詳しく説明しています。 #right(){(96:75)} **戦術の基本的なことがわかる本があったら紹介してもらいたいです もう絶版だし原本は30年も前に出版されたもんだから自分でアプデートする必要があるけど 原書房から出ていたメカニックブックスシリーズなんかがよいかと このうち「図解 現代の航空戦」など数冊はソフトカバーに再編集されて再刊されたので 比較的入手しやすいと思う #right(){(96:95)} やはり米軍のフィールド・マニュアルFM100-5「Operation」が手ごろかと。 あと戦車や機械化歩兵に関しては該当するFMを参照するとよいと思います。 それから現代の戦闘において「戦線の形成」という概念は希薄です。 前方警戒、側翼援護、後方支援といった各要素が複合して「戦線」はつくられるわけで、 それぞれを理解しないと戦線の形成を把握するのは難しいと思います。 #right(){(96:97)} **電撃戦と機動打撃戦ってどうちがうのですか? 電撃戦は、戦線をごくごく短時間かつ狭い範囲で突破し、その突破口から、 装甲部隊を後方奥深くまで進出させることによって、敵の指揮系統を大混乱に陥れ、 組織を瓦解させることを主目的とします。 この副次的な産物として、敵の部隊の側面を突くだとか、 包囲殲滅が可能になるだとかということもあります。 機動打撃戦は、むしろ、戦線を縦深にに突破するなどして、 敵の前線部隊の側面を突く、あるいは、包囲することを主目的とします。 その副産物として、敵の指揮系統が混乱して、さらなる大包囲が可能になるだとか、 敵の軍事組織が瓦解するだとかということが、副産物として生ずることもあります。 目的が異なっているというわけです。 #right(){(97:518)} **「威力偵察」と「強行偵察」は違いはあるんでしょうか。 威力偵察:攻撃をしかけてそれに対する反応から情報を得る偵察 強行偵察:無理矢理偵察すること #right(){(100:675)} **「百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に匹敵する」という(帝國海軍の)論理ですが、どういう点が実際の戦争で問題点になるのですか? 百発百中の砲、を精密誘導兵器に置き換えて考えれば自然とおわかりと思います。 基本的にはその論理は正しいのです。それゆえ、現代戦では精密誘導兵器の使用比率が 増大しつつあり、ムダ弾は減少しています。 しかし、一門しかない場合、なんらかの理由で使用できなくなると以後は命中率0となります。 運用できる兵員が居なくなった場合も同じ。また精密誘導兵器同様、高価なものになると思われます。 価格が1000倍、あるいは操作に要する人員、あるいは訓練時間が1000倍、ということになると意味がない。 また、現代戦で無誘導兵器が使用されるシーンも多々ある点に注意してください。目標が広範に 分布している場合、牽制が主目的である場合などでは、制度よりも数に対する要求の方が 大きくなります。大雑把な百門斉射が必要なシーンでは、魔法の一門は役に立ちません。 #right(){(101:system)} 弾幕が張れない。多数の敵に抗する事が困難。 #right(){(101:501)} それでは「百発百中の砲一門」と「百発一中の砲百門」が 1発づつ打ち合ったあとの状態を考えてみましょう。 #right(){(101:505)} ランチェスターの〔第二〕法則でググって見て下さい。 #right(){(101:507)} 正しいか間違っているかを知っているかと言うより 確率論を使って論理的に思考できるようにした教育という意味でしょう。 #right(){(101:518)} **授業中に「GLORY」という南北戦争をテーマとした映画の戦闘シーンを見てある疑問が湧きました >南軍、北軍が至近距離で銃を撃ち合った後、銃剣で一斉突撃するというシーンなのですが、 >19世紀当時の戦術(特に南北戦争時)はどのようなものだったのでしょうか とりあえず、「GLORY」の考証はひじょうに正確です。 勿論完全ではありませんが・・・。 #right(){(104:30)} >こんな密集隊形をとっていたら簡単に当てられるに決まってる、 >散開したほうがいいんじゃないか 時代によって有効な陣形という物があります。古代ギリシアの方形陣、ナポレオン戦争時代の横隊、 現代の散兵陣など、なぜその陣形が有効だったかを考察すべきでしょう。 相手が連射可能の兵器を持っていれば、銃兵の横隊は自殺行為ですし、 また、味方の側に無線機など、緊密に連絡の取れるコミュニケーターが無ければ、 散兵陣など各個撃破の餌食にしかなりません。 >これなら弓を使った方がもっと早く攻撃できる 和弓の全国大会のTV中継だかで、名人が言ってましたが、弓矢で 致命傷を与えられるのは20-30メートル程度だと。相手が先込めの 単発銃とは言え、一方的にアウトレンジの攻撃を受けることになります。 #right(){(104:31)} 弓……訓練が難しい 銃……訓練が簡単 長弓兵を揃えるのは難しいのです #right(){(104:32)} 南北戦争の時代にはそれまでの命中率の低く射程も短いマスケットに変わり 命中率、射程とも格段に高いライフルが広く使用されるようになりました。 しかし、当初の戦術や陣形はナポレオン戦争時のままほとんど変化しませんでした。 その結果どうなったかというと、映画のように、整然と隊列を組んで前進する歩兵が 遠距離からの銃火に打ち倒されて大損害を受ける悲劇が続出したわけです。 ゲティスバーグのピケット隊の悲劇などが有名ですね。 そのため、戦争後半には地形や遮蔽物を利用して前進したり、原始的な塹壕陣地も 構築されるようになるなど戦術面での進歩もみられるようになります。 つまり、火器の進歩に戦術の進歩が追いついていなかったゆえにおきた悲劇と いえるでしょう。第一次世界大戦でも似たような事態が起こってますね。 #right(){(104:33)} 密集隊形をとってたのには意味があります。 当時の銃は遠距離ではほとんど命中が期待できませんでした。 んだもんで、敵に大打撃を与えるためには至近距離からの密集隊形の銃兵による 射撃が有効なわけであり、それが密集隊形を産んだわけです。 (密集隊形が否定されるのは機関銃の出現以降です) さらに、無線機なんてないので直接の指揮官が命令できるのは声や太鼓の音の 届く範囲に限られるわけで、これもまた必然的に密集隊形が必要になる一因となりました。 #right(){(104:35)} 19世紀以降の陣形の変遷としては、ナポレオン戦争時代の散兵、横隊、縦隊の組み合わせ から、まずは射撃の的にしかならない横隊が廃止されてその分散兵が増えます。 散兵の射撃で打撃を与えてから縦隊が銃剣突撃と言うパターンですね。 だいたい普仏戦争あたりがそういう感じの陣形です。 最終的には縦隊も廃止されてすべて散兵になります。散兵といっても当初の間隔は 何歩と言うレベルで、そんな広いものではなかったようです。 自動火器の普及にともない、散兵の間隔はどんどん拡大していき、現代に至ります。 #right(){(104:36)} >「こんな密集隊形をとっていたら簡単に当てられるに決まってる、散開した >ほうがいいんじゃないか」 この先生、それなりに知ってて言ってると思われ。既に書かれてるけど、 昔の銃は当たらなかったんだよ。まぁ、有効射程50mというところ。 この戦争の辺りから「当たる鉄砲」ってのが出来始めたの。 >「これなら弓を使った方がもっと早く攻撃できる」 でもって、遅い。毎分3発って所だから20秒は間隔が空く計算になる。 誰もが思いつくだろうけど、20秒で50mなら走って殴った方が早い。 馬なら完全に射程外から走り込める。 つー事で弾に当たらない様に散開したら、密集隊形で突っ込んできた敵に 突き殺されるか馬に踏まれて死ぬ。ある程度密集している必要が有る訳。 ソレが「当たる鉄砲」の出現で崩れて来たのがこの戦争。 #right(){(104:52)} **「ハンマーと金床」って何なんですか? >軍事板住人ならベトナム戦争の「ハンマーと金床」は常識レベルと聞きました  ハンマー=叩く方     金床=受けてつぶす方  ということで、待ち伏せて半包囲体制を取ってる方へ攻撃ヘリに支援された部隊で 追い込んで、待ち伏せてる重武装部隊と砲撃で徹底的に潰す、という対ゲリラ部隊戦術です。 #right(){(104:223)} **戦争においてなぜに包囲は有効な戦術なのでしょうか? 後ろや横に目は付いていないから。 #right(){(105:357)} 大抵の場合、陣形というのは一つの方向に攻撃力と防御力を偏らせるようになっています。 逆に言えば、横と後ろは弱いので、回り込まれる(=包囲される)とやられてしまうわけです。 しかしあなたの言うように、歴史の一時期、囲む側より囲まれる側の方が各個撃破できるので有利とされた時代がありました。 しかし無線と鉄道の発達により、囲む側の連携が緊密に行えるようになったため、現在では囲む側の方が有利とされています。 #right(){(105:358)} 例えば、同じ数で包囲を作ってみますと、     ○   ○●○  ○●●●○ ○●●●●○  ○●●●○   ○●○     ○    この状況だと、真中の●三つは、何処にも接していない「死に目」に成っています。 ●と○が同等の戦闘力だとすれば、●三つ分●は戦闘力が落ちています。 実際の戦闘は、こう単純では有りませんが、簡単に説明すれば、こうなります。 #right(){(105:362)} 加えて、軍隊が作戦を行うには、 後方からの補給が不可欠であるという問題もあります。 包囲されると補給が途絶え、包囲された部隊の規模にもよりますが、 数日から数ヶ月で被包囲部隊は戦闘力を喪失します。 また内側からの反撃ですが、全周を包囲されている以上、 被包囲部隊も兵力を分散せざるを得ず、突破口への一点集中は困難です。 (それをやれば、包囲網を狭められ、殲滅されます) #right(){(105:384)} **「タルドクトリン」ってなんですか? イスラエル陸軍のタル将軍が考えた戦略。 戦車の機動力に物を言わせ、一気に敵拠点を攻め落とす。 そのためには、前線で不必要に敵と戦わず、残った敵なんか気にせずに前進する。 他方で、歩兵の運用はまるで考えない。 要するに戦車で随伴歩兵も無しに行け行けドンドン。戦略と呼んで良いのか悩む。 第三次中東戦争では成功したが、四次では、敵の対戦車ミサイル兵を掃討してくれる歩兵が居なくて大苦戦した。 結果イスラエルの戦車はミサイルへの防御力、敵歩兵への攻撃力を重視するようになった。 #right(){(107:42)} **軍事系の古典で、みなさんのオススメの本はありますか? とりあえず有名かつ一般的な軍事古典書物で解答しておくと、 戦争論、戦術概論て所ですね。 翻訳家や研究家によって、微妙に内容が違うので複数の購入して読み比べてみると宜しいかと。 他にも面白い本とか色々ありますが具体的な話は当該スレでお願いします。 #right(){(107:714)} **“菊水作戦”とか“砂漠の嵐作戦”というふうに作戦名に名前が付くようになったのはいつ頃からですか? たぶん、有史以前。 #right(){(108:521)} **攻撃3倍則の3倍は、頭数の事ですか? 火力ですか? 装備費ですか? 戦力です。としか言えません 作戦幕僚が換算して比較します。 戦力は掛け算なので 頭数×士気×装備×戦闘効率×地形×火力見たいな感じで考えます。 #right(){(108:593)} **前進隊形からの攻撃、応急攻撃、周到攻撃という用語をソ連地上軍という本で知りましたが、 >それぞれの定義について詳しい方教えて頂けると幸いです。 『ソ連野外教令』(土居明夫 大蔵出版 1953)『赤軍野外教令』(階行社, 1937)という本が あるそうなので入手されてはいかが #right(){(110:20)} 一番目の攻撃法は、部隊が行軍隊形を崩さすにそのまま攻撃行動に入る場合をいい、 たいてい敵の抵抗がほとんどない場合にのみ用いられます。 二番目の方法は最前線の部隊のみ行軍隊形から戦闘隊形に展開し、迅速な攻撃を行う場合をいい、 敵の抵抗が微弱で、奇襲的に撃破できる可能性がある場合に用います。 最後の方法は、最前線の部隊が戦闘隊形に展開して敵に接触しつつ、後続部隊、支援部隊の到着を待ち、 十分に準備を整えてから攻撃を行う場合で、敵の抵抗が強力な場合に用います。 これはソ連軍に限らず、多くの国の陸軍で行われているドクトリンで、 米軍ではそれぞれ、遭遇戦(Moving Engagement)あるいは接敵(Moving to Contact)、 応急攻撃(Hasty Attack)、本格攻撃(Deliberate Attack)と呼んでいるようです。 #right(){(110:31)} 31を補足 「前進隊形からの攻撃」は後方に設けられた集結地から行軍隊形で接近し、敵陣地前で前進間に戦闘隊形に転換し攻撃する方法。 行軍隊形のまま攻撃するわけではない。 後2者は、応急「防御」、周到「防御」と混同していませんか? とすれば、応急防御は敵と接触中の部隊が防御に移行する要領、周到防御は敵と直接接触していない部隊が周到に準備して防御する要領。 勘違いしていたら申し訳ない。 なお、遭遇戦は、meeting engagementであったと思う。 攻撃要領は、>>20の36年野外教令には、「行軍状態から行う攻撃」「対峙状態から行う攻撃」とあり、 防御には応急・周到の該当の区分はない。 #right(){(110:55)} 攻撃される可能性は充分にあります。 自警団にテロリストが混じっているかは情報が無いので置いて置きますが サマワ住民の中には間違いなくテロリストに協力する人間が少数存在している事と考えます。 それらの人間が間接的、直接的に攻撃してくる可能性は否定できません。 『現地に行って攻撃されるまでまでわからない』が実際の所でしょう。 また、戦闘=殺害ではなく、戦闘=『我が意志達成を敵に強要する行為』 と自分は考えます。 そのためには『敵戦力の無力化』又は『我が意志の強要』をする必要があり、 『敵戦力を無力化』『我が意志の強要』をするためには敵兵を負傷、殺害させるなどの必要があります。 結果として『戦闘(我が意志の強要)=敵兵殺害または負傷(敵意思の無力化)』と言う図式になります。 しかし殺害や負傷させることが戦闘の目的ではなく、『我が意思の強要(敵意思の無力化)』 行なった場合に『結果的に』敵兵殺害などの結果を招くだけです。 よって殺害以外に『敵兵無力化』の方法があるならば、殺害する必要はありません。 #right(){(110:57)} **援護射撃って何ですか? なんのためにするんですか? SPRを例に出すと、破壊兵器がせいぜい手榴弾くらいしかない分隊が 敵のMG42を征圧するためには、敵陣のすぐそばまで突撃しなければなりません。 このためには一時的にも敵のMG42の射撃を止めることが必要です。 そのため後方から一時的に銃火を敵銃座に集中して敵の射撃を困難にし、 もしくは援護射撃をしている兵に敵の射撃をひきつけ、その隙に 敵陣に突撃することになります。 援護射撃とは大体こういったものです。 #right(){(110:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} 敵の中の人も撃たれたくはないので、 向こうから射撃があれば、隠れたり頭を引っ込めたりひるんだりしますよね。 で、援護射撃というのは、何か味方に行動を起こさせる際、 敵に集中的に銃火を浴びせることで、その余裕を作り出そうというものです。 つまり映画の中の話ですと、 機関銃座に近づく為に走る…A 残る人間は、↑が敵から撃たれないように、とにかく敵に向けて撃ちまくる (=怯ませるのが目的で、命中するかどうかは二の次)…B Bが援護射撃となります。 #right(){(110:685)} **長い国境線に満遍なく兵力を配置するのはあまり良いとは言えない方法だと聞きましたが >交通の要所にまとまった兵力を置き、陣地を作った場合、敵側がそこを回避した場合著しく不利になりませんか? 日本軍が満州でドイツがノルマンディーで突破されまくってます。 兵力・装備にもよるとおもいます。 #right(){(112:341)} 状況にもよりますが(兵力、地理など要因は様々)不利になります。 しかし兵力次第ですがバラけて配置した場合はあらゆる場所が不利になりかねません。 重要な拠点やルートを守るほうが不利が少ないという状況は多々あるものです。 #right(){(112:342)} 攻める側が迂回するときのデメリットとしては ・進軍が遅れる ・迂回路が限定してしまう恐れがある ・迂回してたら側面を突かれる とかとか。 つーか時代、場所、両軍の量・質、規模とか条件が多すぎるから、 単純にどっちが有利不利とまでは言えない。 #right(){(112:345)} 普通は回避して進撃できない場所に要塞を建設する #right(){(112:346)} 別に。敵が自滅する可能性が高いし。 >侵攻してきた敵が要塞や陣地を回避して進撃した例は数多くあるようですが・・・。 多くは無いでしょ。 整備された道路以外で大部隊を機動させるのは、 古代から悪夢以外の何者でもありません。 #right(){(112:354)} 354さんがお答えになっているとおりと思いますが、 交通の要衝に陣地を築き、敵がそれを迂回した場合、陣地は包囲されます。 包囲されても大丈夫なように陣地にするわけです。 さらに、道路を迂回して進撃した敵は、陣地によって補給線を寸断され、 進撃が停止してしまいます。交通の要衝に陣地を築くのはそのためです。 そして自軍の勢力圏内で停止した敵を、 陣地に配備していなかった予備によって反撃し、撃破します。 国境線に沿ってまんべんなく兵力を配置しないのは、 こうした反撃兵力を集中させるためでもあります。 #right(){(112:361)} 例を挙げましょう。 1:日露戦争における旅順要塞は日本軍の補給線である日本海航路を妨害する、 旅順艦隊の基地でした。旅順は包囲されますが日本軍にとっては脅威でした。 2:第二次大戦末期の「バルジの戦い」では米軍はサン・ビトとバストーニュという、 二ヶ所の交通の要衝に立てこもりました。これを迂回したドイツ軍は燃料不足に陥り、 結局、この陣地を攻撃せざるを得ませんでした。 3:1940年のフランス戦役では、マジノ戦という強力な要塞線があったため、 ドイツ軍はこれを迂回しました。ところがフランス軍は兵力をまんべんなく展開しており、 迂回したドイツ軍に対する反撃兵力を集中できませんでした。 一方、ドイツ軍の進撃路に位置していたベルギーのエバン・エマール要塞は補給路の大きな脅威であり、 ドイツ軍はこれを攻撃せざるを得ませんでした(空挺奇襲によって奪取しました)。 稚拙な例文ではありますが、多少はご理解頂けたでしょうか。 #right(){(112:363)} 今回の湾岸II(イラク戦争)は、交通の要所、拠点、 という考え方に対するアンチテーゼそのものです。 それでもなお、戦略拠点というものはありますが、 それは従来の要所とは異なる「敵の重心」という概念です。 ただ、そこに直達できる装備、兵力、戦略を持ちうる軍にとっては、ということですが。 #right(){(112:system)} メソポタミアの平原と河川地帯を進撃する米軍の戦争であるイラク戦争は どちらかというと例外に近いんじゃないかなあ。 前線部隊を少数精鋭にし、圧倒的な航空戦力によりサポートする戦争は 実力に差がある横綱相撲だからこそ取れたわけで。 #right(){(112:366)} **師団、連隊レベルでの作戦が理解できるような詳しい地図帳orサイトってありませんか? いつの時代の、どの戦争における、どの国の作戦をお知りになりたいのか、 また作戦をどの程度理解したいのかがわからないと、お薦めできる資料を特定できません。 作戦というのは時代や地域によって異なりますし、理解の程度もさまざまなだからです。 単に連隊単位の部隊行動を地図で見たいというレベルから、なぜそのような行動を取るかという、 作戦の実相を認識したいというレベルまでさまざまで、連隊の作戦を理解するには小隊、 中隊単位の戦術、および師団、軍団規模の用兵、さらには戦略レベルの知識が必要になるのです。 #right(){(112:658)} **『白紙戦術』ってなんですか? 現実の地形を使わず地形を想定して行う兵棋演習 戦術上の要点を明らかにしやすく、初心者教育に向いている #right(){(112:657)} **師団、連隊レベルでの作戦が理解できるような詳しい地図帳orサイトってありませんか? いつの時代の、どの戦争における、どの国の作戦をお知りになりたいのか、 また作戦をどの程度理解したいのかがわからないと、お薦めできる資料を特定できません。 作戦というのは時代や地域によって異なりますし、理解の程度もさまざまなだからです。 単に連隊単位の部隊行動を地図で見たいというレベルから、なぜそのような行動を取るかという、 作戦の実相を認識したいというレベルまでさまざまで、連隊の作戦を理解するには小隊、 中隊単位の戦術、および師団、軍団規模の用兵、さらには戦略レベルの知識が必要になるのです。 #right(){(112:658)} 古今東西、どれだけの戦いがあったかと言うことを想起して頂きたいものです。 こういった戦闘を全部網羅している様な本などありません。 あったとしても、大体が鳥の目で、相当マクロな視点でしか見ることが出来ません。 ですから、>658氏もどの時代の、どの戦闘に関する部分を抜き出してみたいかと言うこと を聞いているのではないでしょうか。 例えば、南北戦争に関するものなら、Craig L. Symondsの"The Atlas of The Civil War"があります。 これは、南北戦争の局面局面を切り出して、軍の動きを詳細に追っているものですが、 これで一冊の本になっておりますが、何度も改訂版が出ており、まだ完結している訳ではありません。 米国の独立戦争に関するものなら、同じ著者の"A Battlefield Atlas of American Revolution" もあります。 #right(){(112:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 勝手に補足。 Craig L. Symondsの"The Atlas of The Civil War"は 学研M文庫から「南北戦争 49の作戦図で読む詳細戦記」として 翻訳されてる。 #right(){(112:667)} **中央突破を好んで使った軍人はいますか 指揮官レベルでは知らないけど、ソビエトの機甲部隊のドクトリンはその傾向が強い。 一転突破で敵陣地の後方になだれ込んだ戦車部隊が後方から、 残りの部隊は空いた穴から前面から攻撃、前後から挟撃をかける。 #right(){(115:319)} **何故、包囲されるとまずいんですか? >包囲してる側は兵が密集してなく薄く横に広がっているので危ないと思うのですが。 包囲されてる側が方位を突破しようとすれば後ろ側から攻撃されることをお忘れなく。 薄いとか厚いとかの問題だけで済む話ではないのです。 #right(){(116:619)} 包囲する側は、つねに敵を前方にとらえるのに対し 包囲される側は側面や後方に敵を迎える。 これは、個人にとっても、陣形にとっても組織的戦闘力にとって致命的であり 側面や背面から攻勢を受けた場合、人間は簡単に敗走する。 #right(){(116:621)} とりあえず戦闘部隊は必ず「正面」てモノがあります。 例えばサッカーのフォーメーションって、敵のゴールに向かって攻め上がるように組まれてるでしょ。 あれと同じで自分が戦おうとしてる方向に最大の力をぶつけられるように隊形を組むのが普通なんです。 で、囲まれると全方向から攻撃される恐れがあるのですごく戦いにくいわけ。 #right(){(116:623)}     ○○    ○●●○   ○●●●●○ ○●●●●●●○ ○●●●●●●○   ○●●●●○    ○●●○      ○○ 包囲効果をモデルにするとこうなる。 包囲している○軍の兵力は16部隊 包囲されている●軍の兵力は24部隊 しかし最前線で実際に敵と接している部隊を数えてみると、 ○軍は16部隊全部が敵と戦っているのに対し、●軍の部隊で戦っているのは12部隊のみ。 包囲することにより最前線では兵力の逆転現象がおきる。これをゲーム化したのが囲碁。 また、包囲には相手の食料補給を断つ効果もある。 #right(){(116:624)} でも完全に包囲したがために、相手が背水の陣状態で必死になって、 包囲側の被害がとんでもないことになったという事例もあったような。 #right(){(116:625)} だから両翼包囲はあまり起こらないのよ。 カンネーが特に注目されるのはあまり起こらないのが、完全な形で成功したから。 包囲された時点で大抵の軍は撤退し始めるからね。 #right(){(116:626)} **リデルハートの間接的アプローチとはなんでしょうか? 「直接」正面に相当する脅威を叩くのではなく、むしろ「間接」的に 指揮所、重要拠点、策源を叩くことによって敵を混乱させる事に主眼を置いた戦略の事。 戦術の目的は勝利であるが、戦略の目的は必ずしも「戦闘」を経る必要はない=無駄に戦闘を行うことは愚かである。 というような事を彼は説いている。 #right(){(116:916)} **HALOって何ですか? >あと、HALOが戦術として無事に成立する最低条件って何ですか? High-Altitude, Low-Opening (parachute drop) で、HALOって言葉の意味を知らないのに何で、 >あと、HALOが戦術として無事に成立する最低条件って何ですか? こんなこと言えるんです? ま、最低条件は落下傘降下させることが可能な飛行機があって、落下傘 降下できる要員が存在することでしょうね。 #right(){(117:302)} **野砲の射程を延ばすために使われる「ロケット推進砲弾」は、一体どの時点でロケットに点火されるのですか? ロケット推進砲弾 例えばM549/549A1 RA (Rocket Assisted)155mm砲弾の場合、発射と同時に 弾尾の導火薬が点火されます。7秒後にこれはロケットの点火薬に達し、 13.5kgのロケットモーター内にある3.2kgの推進薬が発火します。これは 3秒で焼尽し、その間に砲弾を加速して射程を増します。砲弾全重は43kg超と、 同じ155mmのM795砲弾の35kgより重いのですが、炸薬量は6.8kg対10.8kgと 逆に軽くなっています。その分と、精度の低下が代償ということでしょう。 その代わりに得られる射程はM109A1自走砲に第7装薬を使用した場合、M795の 15kmがM549では20kmに延伸しています。全長はともに86cmですが、信管を 含むかどうかについて資料が明らかでないので、ひょっとしたらM549の方が 信管の長さ分(1.5cmほど)長い可能性があります。 補足 ソースはジェーンズ弾薬年鑑 #right(){(118:system)} **丘と丘の間を街道が通る地域での防御戦術 というその防御戦術は、 道路の使用権をめぐっての戦いのことでしょうか? それとも、鳥山の戦いのような地形の戦いでしょうか? 前者なら、『ミシュマルハエメクの戦い』か、 作戦名は忘れましたが、エルサレムに武装コンボイで強行補給した作戦のことだと思います。 以前、270式氏が研究用にと薦めていた図解中東戦争では、 『基幹道路のそばにある高地を保障占領する事』と書いてあったと記憶しています。 自分も研究中ですが、良い本なので探して見られてはいかがでしょうか? 後者の場合、多富洞の戦い等も参考になると思います。 #right(){(122:381)}※リンク先消滅 **ハンターキラーという用語がいまいちよく分かりません。 ハンター&キラー というのは、捜索&攻撃 のこと。 主に潜水艦関連で使われる用語だが、潜水艦が船団を攻撃したりする場合、 目標となる船団を捜索-通報する艦と、通報を受けて待ち伏せ-攻撃する艦にと 役割を分担した(潜水艦は索敵能力が低い為)。 また、通信装置等の発達で一隻で捜索/攻撃を行える艦を、ハンターキラー艦、と繋げて呼んだりする。 同じく、昔は対潜哨戒機は、(特に空母に積むような小型の機種)潜水艦を捜索する センサーを積んだ「ハンター」機と、潜水艦を攻撃する兵装を積んだ「キラー」機の 2機一組で行動した(一機に捜索装備と攻撃兵装を両方積む搭載能力がないため) これも、機体の発達で一機で捜索/攻撃の両方をこなせるようになった機種を、 ハンターキラー、と呼んだりする。 #right(){(122:399)} 敵を見つけ、狙う役割(ハンター)と攻撃する役割(キラー)を分担すること。 ハンター役は重い武装をとっぱらって軽快に機動することができる。 キラー役は攻撃の瞬間まで身を隠していられる。 #right(){(122:401)} 最近は陸戦、空戦でもハンターキラーの概念は普及してます。 特に米のネットワークを駆使する戦術では、ハンター、キラーが所在、 状況によってその役割を柔軟に交替することも当然とされています。 UAVなどもこの構図に加わります。このような場合にはむしろ センサー/シューターという言葉の方がよく使われるようです。 #right(){(122:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} >>399 その解説変だぞ。 ハンターキラーは船団護衛側の戦術であって潜水艦の戦術じゃない、 つーかそりゃウルフパックじゃ。 #right(){(122:405)} 399の解説は間違っているが「ハンターキラー型潜水艦」という用語はあるぞ。 イギリス海軍の用語で対艦ミサイルを装備した攻撃型潜水艦をそう呼称していた。 ”ウルフパック”というのは、船団に対して常に複数の潜水艦で攻撃をかけて、 防御側の戦力を分散させる戦術の事だからウルフパックの事を言いたいのではなかろう。 多分。 #right(){(122:406)} >敵を見つけ、狙う役割(ハンター)と攻撃する役割(キラー)を分担すること。 そのhunterの解釈は、日本語のハンターのイメージに囚われすぎ。 むしろこの場合のhunterは獲物を追い立てる役目、狩りの勢子と思えば良い。 Hunterが獲物を探して追い立て追い詰め、killerがとどめを刺す。 #right(){(122:425)} **穿間突撃ってどういう戦術なんですか? 文字通り、相手の防備の硬い部分の隙間を穿って、弱点に穴を開けるように突撃すること。 全面突撃では被害が多すぎるとか、こちらの兵力が足りないとかいう時に行い、 敵防衛線を分断して弱体化、あるいは後方に回りこむための突破口を作る。 #right(){(484:154)} 敵の戦線の弱体な箇所に戦力を集中し、一時的かつ局所的に優位状態を作り出す。 その機に乗じて集中箇所の戦力に戦線の突破を命じる戦法。 #right(){(484:155)} **戦争では守る側がものすごく有利っていわれてますけど、現代戦でも変わらないのですか? >確かに地の利とかがあると思うんですけど、どうもビンとこないんですね  戦闘では確実に有利だが、戦争で有利とは限らない。つーか、負けると確信 してるのに仕掛ける(攻める)奴は居らんので、「結果」だけに注目するとピ ンとこないって話になる。  「主導権は攻撃側に有る事が多い」  勝つために必要な戦力比は常に防御側有利だが、一般的に防御側は有利な状 態で戦闘を始める(攻める)事ができない。まぁ、当たり前だな。 #right(){(482:801)} それに加えて、守る側は戦力を守るべきポイントに分散させねばならないが、 攻める側は攻撃点に戦力を集中できる。 かといって守る側が戦力を集中すると攻める側はそこを迂回する。 #right(){(482:804)} 守る側は、事前に地雷を埋めたり塹壕を掘ったりして、防御陣地を構築したりできるから。 塹壕に入って戦う側と、それに突撃を加える側では、前者のほうが有利でしょう? これが、守る側が有利と言われる理由です。 しかしより大きな視点で見ると、 防御側は常に受動的な戦闘しかできません。(敵が仕掛けてくるまで待たないといけない) その点、攻撃側は、常に積極的に動けるので、好きな位置、時間、投入戦力を好きに決めることができます。 ここは攻撃側が有利です。もしかすると、全体で見れば、それほど変わらないかもしれません。 あと、空、海戦では、防御が非常に有利です。 地上のレーダーやSAM、SSMの支援が受けられますし、基地や母港に近いほうが何かと有利です。 #right(){(482:841)} 古くは孫子、近世ではクラウゼヴィッツの頃から 緒戦の戦闘では防衛有利、相手を倒す為には侵攻(反撃)必須という考え方があって これを実証する事例は第2次ポエニ戦争からヒトラーのソ連侵攻まで挙例に暇がない。 ただし圧倒的な戦力差があると湾岸戦争やイラク戦争の時のように 侵攻側にあっという間に屠られてしまった事例もあるので注意。 基本的に防衛側の利点は自分のフィールドで勝負できる事。 そして防衛側の欠点は自分のフィールドで勝負しなければならない事。 侵攻側にとって相手国は敵地であり、後退する敵を追撃するのは敵地の中だ。 この為、防衛側は相手に対して補給の負担を強要でき (だからこそ孫子は名将は敵地で効果的に略奪して補給の負担を減らすといってる) 相手を拠点での不利な戦闘に誘導しやすく、地の利を得た状態で戦闘に勤しめる。 その反面、防衛側の国土は荒れるため、徹底的な防衛戦略は焦土作戦に繋がってしまう。 さらに相手国の本土に対しては間接的な損害しか与えられない為、 どこかで反撃に結び付けないと侵攻側が諦めるまでだらだらと防衛戦が続きかねない。 近代ではベトナム戦争やソ連のアフガン侵攻が好例だな。 戦術的な面においては、拠点防衛は多くの武器弾薬を消費する。 これは防衛側は阻止射撃など多用せざるを得ない為で 防衛戦略でありながら攻撃戦術である機動防御やゲリラ戦は この意味でも画期的と呼べる代物だった。 無論、これらにもデメリットは多くあり、その最大かつ根本的なものとして 防衛拠点の直接的恩恵を受けにくいというものがある。 #right(){(482:849)} **「ランチェスター理論」ってなんですか? 相互に戦力を少しずつけずりあう作業の繰り返しを、数式に表すもの。 実はこの定義には微妙に自信がないが、軍事ではそういうもの。 単純な例: 1回の戦闘で、自軍の戦力の10%を相手に与えるとしよう。 Aの戦力は100、Bの戦力は200。戦力比は2倍。 1回めの戦闘では、Aの損害は20、Bの損害は10。損害比も2倍。 戦闘後のAの戦力は80、Bの戦力は190。比は2.375倍。 だから2回めの戦闘の損害比は、1回めより大きくなる。 戦闘が続くほどに、損害比は戦力比を大きく上回っていく。 単純で理想的なモデルでは、劣勢側全滅時点での損害比は戦力比の 2乗になる。n2乗の法則と呼ぶ。この「戦は数ですな」と言う教訓がも っとも有名だが、条件をいじって考えるとほかにも奥行きが出てくる。 #right(){(9:262)} **攻者三倍の法則とランチェスターの法則との合性がわかりません 拠点に籠もってるのを攻める時が攻者三倍則 平場で殴り合いする時がランチェスター二乗則 #right(){(345:567)} いわゆる「攻者3倍則」は永久陣地の攻略のような、割と特殊な事例に限られます。 よく野戦の決戦においてもこれを当てはめようとする例が見受けられますが、 過去の戦例からいうとあまり現実的ではありません。 一方、ランチェスターの法則は元々航空戦を元に作られた式なので、 地上戦では武器効率や地積、兵力投入時期なんかを考慮しないと正確な数値は出ないようです (火力部隊の能力はほぼ公式通りで出るようですが)。 #right(){(345:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)} **linear warfare という単語が出てきたのですが、コレは日本語に訳すとどういう意味になるのでしょうか? linear warfare はガチの戦闘のこと。 敵を端から相手にしては撃破し、次に侵攻し、という方法。 正反対がイラク戦争時の shock & woe だかなんだか。つまり、衝撃的に要所を突くだけで、 撃破したり、残敵殲滅したりせずに、さっさと中枢まで押し込んで敵の首脳を潰す。電撃戦の極端な形だね。 その反対がlinear warfare。前線があり、そこで押したり引いたりし、時には回り込んだり奇襲もするが、 とにかく地図の中の敵を消してから次に行く戦争。 #right(){(494:119)} **攻勢3倍の法則は誤った俗説なの? >軍事評論家の松村劭氏が「攻撃側が兵力同等以下で攻撃した例の方が56%と多く、劣勢で攻撃成功する確率は72%であるから、 >攻勢3倍の法則は戦後の日本だけで言われる誤った俗説である」という主張をしていることを根拠にして、 >近代的で堅固な防御陣地を攻略するにも、攻撃側は優性な戦力である必要は無いと主張する人物がいたのですが? 今手元に無いので確認できないんですが、「戦争学」か「新・戦争学」のどちらかに記述があったと思います。 あ、後近代の戦例に絞った話が「勝つ戦争学」にあったはず。 で、松村氏は更に「双方の兵力量に3倍以上の格差があるならまず決戦は生起しない」と述べています。 よく考えてみて欲しいんですが、陸戦で兵力量に3倍の差があるということは劣性側は編制単位が一個上の規模の相手と戦うことになります。 まずそういう状況なら、普通は決戦を回避しようと試みるわけで。 #right{(362:905:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)} ゼークトラインは3倍以上、 バンドン要塞は10倍以上の守備兵を相手に攻勢側が攻略してますよね。 #right{(362:906)} **ゲリラ・コマンド部隊の討伐の方法ってどんなものですか? ゲリラに対処するために最も重要なのは、「その地域の住民の協力を得る」ことだ。 大体においてゲリラはある一定の地域に潜伏し、一般人と見分けがつかないことが多い。 そこで地域住民とあらかじめ友好関係を確立すれば、でゲリラの行動を阻害し さらに住民からリーク情報も提供してもらえるという利点がある。 後は集めた情報に従って、兵士一人一人が虱潰しにゲリラを潰してゆくしかない。 ゲリラの掃討は軍隊単独では難しいのよ、地域住民との密接な連携が必須だね。 何より大事なのは、ゲリラが活動しにくい土壌を形成すること、だと思うよ。 基本的には「山狩り」。 そのあたりにいるはずだ、という前提のもと、大兵力で以って追い詰める。 ご想像の通り、実に効率の悪い方法で、 逆に言えば「わずかな人数を狩り出すために多数の兵力を貼り付けて動員させる」、 ゲリコマ対処がやっかいな理由がそこにある。 #right{(353:67,68)} **どうして山の上は守りやすいの? そもそも、山の上って見通しがいいだろ? 稜線からちょっと頭出して覗けば登ってくる敵は一目瞭然。 でも、山登りしながら攻撃しようとする敵はただでさえ疲れる山登りしながら、 敵を探しながら、クソ重い武器を抱えながら、敵を攻撃しなきゃならない。 だから山ってのは今も昔も天然の要害なわけだ。 #right{358:122} およそ軍は高きを好みて下きを悪むby孫子 #right{358:123} 上から下を撃つのは弾着の修正がしやすい 逆に下から上だとやりにくい #right{358:125} **高地に陣地を敷いている敵に対して、効果的な戦術はどんなものですか? >ただ歩兵で突撃したら、203高地のように甚大な被害をだしますよね。 迂回する そのまま引き籠もっててくれるなら、何もしなくても敵戦力を拘置出来てウマー 203高地は、高地にいる敵部隊を何とかしなきゃならなかったんじゃなくて、高地を奪取するのが目的だったから攻撃しただけ #right{(536:849)} どうしても取ろうというなら、以下のような方法が編み出されてる。 ・包囲して水を絶つ。 ・迂回して、追撃に出てきたところを叩く。 ・穴を掘って地下に仕掛けた爆薬で吹っ飛ばす。 ・掃射されないようジグザグに塹壕を掘って接近して、近くから突撃する。 ・支援砲撃で、突撃に邪魔な機関銃ポストとか鉄条網を壊す。 ・機関銃ポストとかを破壊するのに便利な、迫撃砲・火炎放射器などを歩兵に持たせる。 ・航空爆撃などの超絶火力で徹底的に叩き潰す。(これは防御力との兼ね合いだが。) #right{(536:851)} 迂回してすませればそれにこしたことはないが高地を放置したらこちらの動きが丸見え(つまり観測点になる)だし 背後を脅かされるので頑張って落とすことも多い。 基本的に戦車や火砲に支援させ、あるいは浸透戦術で一角を突き崩し、そこを足掛かりに陣地を制圧していく。 昔と違って陵線の向こう側を航空機で偵察出来るようになって楽になった #right{(536:モッティ ◆uSDglizB3o)} **現代の山岳戦においては、高いところに陣を築いて低所の敵を攻めるのが有利ですか? >それとも低いところに陣を築いて高所の敵を包囲するのが有利ですか? >三国志なんかでは、前者は持久戦に持ち込まれたときに決定的に不利とありましたが。 >馬謖が山上に陣をとって、魏軍に包囲されて殲滅されていますよね。 高いところのほうが有利。 上から見放題だし、砲の射程も延びる。 特に尾根の裏に陣取れば一方的に砲撃できる。 街亭の戦いの事なら、戦術以前に水の確保と言う兵站の要素を軽視したから駄目なの。 #right{(514:404)} 後背地を持たない山岳地帯に陣を引いたりすると足元を完全に包囲されてしまい 手も足もでない状況になります。 これは近代戦にも言える事です。 >砲は丘陵地に配置したほうがいいのでしょうか? 砲というより観測員を高地に配置すべきです。 高地に砲を置くと目立ってしまいますのですぐに報復の対砲兵射撃が飛んできます。 #right(){(101:131)} **浸透戦術って現在でも有効な戦術なんですか? 時と場合を選べば有効だろ。 この手の古典的な戦術は引っかかって初めてそれだったとわかるよなもの。 ようは状況次第。 冷戦末期に恐れられたソ連地上軍のOMG(Operational Manoeuvre Group)が現代版の大規模浸透戦術との評価も在ったな。 まあ師団規模の重機甲浸透戦術と言うものが有り得るかどうかは別だが。 今でも立派に研究されてるし有効な戦術だよ。 かの有名な電撃戦が見方によっては歩戦協同を前提とした装甲部隊による戦略的浸透戦術ともいえるし。 お互いに機動し合う現代戦においても少し上の視点からみればいくらでも応用が利く概念だからね。 #right{(512:692-695)} **戦略爆撃が廃れたわけは? 戦略爆撃ってのは恐ろしくリソースを食う割には効果の低い、富める国にしかできない戦法だったのです。 政治的なメッセージとしての戦略爆撃はアリですが、 一般に想定される「敵国の生産能力を破壊する」という意味での爆撃は大量の爆撃機と爆弾と燃料とクルーが必要な割に 敵国の生産能力は比較的早期に回復します。 現実に連合国の大編隊による爆撃を受け続けた日・独共に、最後まで軍需生産が壊滅することはありませんでした。 ドイツなど、戦略爆撃に耐えながらも1944年の軍需物資生産量は最大になってます。 工場の地下化とか疎開なんかで爆撃効果を激減させることができたんです。 #right{(358:395)} 戦争は政治の延長であり、したがって戦争目的が利益の確保ではないことはしばしばありますですよ。 それに古典的な戦略爆撃(絨毯爆撃)が廃れたのは、爆撃のみでは敵国に我の意思を強要できないのと 一般市民の巻き添えを国際社会が許容しなくなったこと、 また攻撃・防御共の兵器、戦術の発達など色々な要素があるです。 #right{(358:396)} **ナポレオンやドイツを追い返したロシアの冬将軍ですが、技術や兵站システムが発達した現代でも通用するのでしょうか? 兵站システムが発達しても、その限界を超れば結局は破綻する。 バルバロッサのドイツ軍も、トラックの数やその消耗品などの点から 最初から兵站の限界を超えていた。 馬車がトラックに替わっても、逆に補給の重要性は増しており、 米軍のように潤沢に兵站を整えられなければ現代でも破綻は起こりうる。 #right{(514:408)} ドイツ軍集団のトラック輸送連隊は装甲部隊に供給するだけの輸送量しかなく、 その他各師団自前のトラック部隊も支援距離は短く、 それも信頼性の問題で開戦数週間で30%が故障で失われている。 ドイツ軍は兵站を鉄道輸送に依存しきっていたと言っても過言ではないが 線路の規格の違いという問題の解決ができず、 各軍集団は平均で計画の3分の1の輸送力しか確保できなかった。 それがバルバロッサ作戦の劈頭から頻繁に弾薬の供給切れを起して停止せざるを得なかった事情。 #right{(514:411)} ドイツ東方外国軍課のゲーレンは 戦争遂行できるだけの兵站が全く整っていなかった内情から ドイツは1939年の段階ですら勝つに値していなかったと断言しているな。 1940年のベルギー・北フランスでの戦闘終了時には 軽野戦砲以外の重火器弾薬を事実上使い果たしてしまい フランス戦が奇跡的短期間に終わっていたから救われたものの すでにこの時期でも膠着する兆しがあった。 #right{(514:412)} **ソ連の戦術で無停止進撃というものを聞いたのですがどのようなものか教えてください ソ連の電撃戦のようなものです。戦線を縦深突破したら、そのまま敵に対応の時間を与えず突き進みます。 戦後ソ連のドクトリンに採用されており、第三次世界大戦が起きたらソ連のOMGが無停止で欧州になだれ込むと懸念されていました #right{(523:66:モッティ ◆uSDglizB3o)} **通信兵はまっさきに狙われるって聞いたのですが本当ですか? 敵が応援を呼んだり、航空支援を取り付けるのを防ぐため、通信兵は優先的に狙われる。 例えばベトナム戦争では、筐体が大きくアンテナも長く張り出しているPRC-25無線機を 背負った米兵は、まごまごしていると真っ先に狙撃されている。 地上車両でも一番高いアンテナ立ててるのが、指令車だったりするので真っ先に狙われたりする。 実際、装甲車両でもcommand postはアンテナだらけのことが珍しくない。 別に憎まれてるわけではなく、単に一番邪魔な存在だから狙われる。 旧ソ連軍の戦術教義では、 まずは敵の通信を遮断せよ、その上で正面兵力を3割叩けばあとは自滅する、と教えており、 この戦術教義を叩き込まれた前線指揮官が、やっきになって通信兵を叩きにかかることは想像に難くない。 #right(){(352:770-774)} **三兵戦術について >基本的には「大砲で漸減し、騎兵で蹂躙し、歩兵で決着する」だという事ですが、普通に考えると大砲同士の撃ち合いで撃ち減らされる兵力は、 >お互いが同数兵力である限り地形的な要素でもないと同じくらいだろうし、騎兵で蹂躙といっても、歩兵の斉射で逆に騎兵が蹂躙されそうな >気がするのですが、その辺りをどう対処するのでしょうか? 三兵戦術の時代の少銃は速射性が無いので、騎兵に突撃されたら有効射程内で2回撃てるかどうか。 全兵が横一列に並ぶわけにはいかない(それだと一列突破されたら戦列が崩壊するし 横に長い隊列は迅速に動けない上に整列を保ちづらい)ので、たとえ撃った弾が全部 当たったとしても撃ち減らせる騎兵の数には限度がある。 更に、騎馬が全速力で突撃してくるのにパニックになって逃げないような兵はそうそう いないので、歩兵は騎兵の突撃にとても弱かった。 いわゆる「会戦」は、お互いが部隊を相手の大砲の射程外において対峙するところから 始まるわけで、そうなると戦闘を開始したら先に相手の部隊に対して動いた側が先制の 砲撃を喰らうことになる。 そして、先制砲撃するにしても ・相手の歩兵や騎兵を撃つのか? ・それとも相手の砲兵を撃つのか? という目標の選択問題が出る。 歩兵や騎兵を狙わなければ自軍の歩兵や騎兵を援護できないし、砲兵を狙わなければ 相手が自軍の歩兵や騎兵を撃ち減らしてくる。 かといって門数を2分して両方を撃っても、与える損害が中途半端になるだけ。 ということで「いかに砲兵を使うか」という問題が生じ、それを双方の指揮官がどう考えるかで 戦況は違ってくる。 簡単には単純なシーソーゲームにはならない。 #right{(547:25)} **敵を包囲すると有利っていいますけど、具体的にどうして有利になるか教えて欲しいです。 >初心者的には、包囲されている側全員が外側を上手く向けば、1VS1になるような気もしますし、 >背水の陣みたいに、包囲されている側の戦意が向上したりしそうな気もするんですけど 全てが戦闘部隊と仮定すると、包囲されている側は包囲の内側の兵が遊兵化する。 逆に包囲側は現存兵力の大半が敵に接触しているので、兵力を有効に使える。 近代戦だと後方部隊が壊滅したり、補給路が遮断されたりと致命的なオマケが付く。 軍隊ってのは、古今東西停止した状態で攻撃を受けるのが一番危険なわけ。 例外は城砦や塹壕による陣地などだけど、野戦では絶対に停止してはいけないわけ。 んで、包囲すると軍隊は停止するよね。野砲にしろ小銃にしろ、格好の的になるわけ。 背水の陣ってのは奇想天外であり得べからざる戦法を実施したから歴史に残っているだけ。 #right(){(344:568,569)} あと、他の方が挙げた理由の他にも、翼側や背後といった弱点になりやすい部分を 攻撃できる位置につける(というか、包囲機動自体がそれを目的としている)という点があります。 #right(){(344:丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM)} **実際の戦場で用いられる遅延戦術とは、トラップを仕掛けたり以外にどのようなものがあるのですか? 橋を落とす、道路に穴を掘る、建物を爆破して瓦礫でふさぐ。 殿軍による反撃も遅延戦術の一つですよ。 「敵の組織的な抵抗」を考慮すれば、当然進撃速度は落ちます。 補給路の遮断もこの範疇に含まれるでしょう。 #right(){(340:899,901)} **『後詰め』の役割とは何でしょうか? >籠城する味方への援軍と言う戦略級での後詰めの話ではなく >味方前衛の直ぐ後ろに控えると言う戦術級での後詰めのお話が聞きたいです 攻める時に後もう一押しがほしい場合の増援として、 守る時に破れた/破れそうな防衛線の穴埋めとして、 後方に予備兵力を備えておくのは軍事のイロハ。 質問中の「戦略級」とか「戦術級」とかは関係ない、というか使い方が間違ってる。 多分、戦術レベルでの予備戦力の事が聞きたいんだろうね。 後詰めというのは古語だから現代ではまず使われないよ。 戦況というのは不測の事態や敵味方の作戦展開で刻々と変化するのが当たり前だから それに対応しつつ我の主導権を保持し続けるために戦力の一部を作戦開始時に投入せず 手元に置いておくのが常套手段。 このとき、手元に置かれた部隊を予備というが、多分これが質問者が想定している状況。 ちなみに予備というと一般的な感覚では二線級やみそっかす的なイメージをもつかもしれないが 軍事的にはここぞというときに投入されるとっておきとして精鋭に割り振られる場合が多い役割。 #right(){(583:431,432)} **戦略と戦術と戦法の違いはなんですか? 戦略(strategy)は、政治レベルをも含めた、国家全体の運用計画を指す。 その下位には作戦(operation)があり、戦域・方面での部隊運用を指す。 軍団、師団単位の部隊運用が一般的。 戦術(tactics)はさらに細分化されたもので、戦闘局面での部隊運用を示すことが多い。 でも、きっちりと範囲が決まってるわけじゃないし、概念的、観念的な用語だと思っておけばいい。 場合によっても用語の使い道が違う。 #right(){(38:39)} 極端に簡略化すれば、 戦術的成功:その場の戦闘で勝利 戦略的失敗:戦争(開戦)目的を果たせない さらに小さなレベルで戦技(個々の戦闘単位の技術)というものもありますね。 #right(){(80:system)} 戦術と戦法の違いとは、簡潔に言うと 戦法とはある条件下で有効なある戦闘方法の事 戦術とはあらゆる条件下に対応する戦法の集積です 広義にはほぼ同じ意味ではあります。 #right(){(330:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)} 「戦略」: 国家レベルでの戦争遂行の方針。       広義では軍事力だけでなく経済や国民の動員等も含まれる。 「戦術」: 一つの戦場(作戦)における軍事力の運用。 「戦法」: 中世までの会戦や攻城戦における兵力の運用。 #right(){(289:ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA)} 野球に喩えると、 球団経営が戦略 ピッチャー交代が戦術 カーブを投げるのが戦法 #right(){(289:91)} **揚陸作戦って守る方がかなり有利って聞いたが、具体的にどう有利なんですか? ・陣地にこもってるから、敵の攻撃を受けてもやられにくい ・陣地に据え付けた強力な火器が使える そんなわけで、一般的には攻撃側は防御側の3倍の兵力が必要と言われる ただし、これはあくまで陣地が構築されている場合の話で、防御側が穴も掘らずに その辺に展開しているだけだったりすると、奇襲効果の得られる攻撃側の方が有利だったりもする 守る方が一方的に有利とは限らない。 攻める方は上陸地点も時間も好きに選べるが、守る方はそうはいかない、 主導権を攻める方に取られた作戦であることは否めない。 ただ、攻める方は陸海空の立体的な戦力を、相当に大きく用意しないと成功は覚束ない。 >攻撃側がいつどこから攻めてくるか解らない、ってのは普通の陸戦でも言える事じゃね? 陸戦でも、例えば砂漠や平原での戦闘のように、 海に近い捉え方ができるような地形の場合は、確かにどう来るかわからない。 しかし陸戦の場合、例えば冷戦時代の「フルダ地峡」や「音威子府峠」のように、 「ここを通らないと侵攻兵力が速やかに進撃できない」ポイントがある場合は、 そこを重点的に防御することで、防御兵力を有効に使える。 現在では偵察衛星情報などで、 大規模な揚陸作戦の準備状況や、敵揚陸部隊の進発状況を把握することも可能になったが、 それでも、揚陸作戦に適した地形の海岸に限っても、 おいそれと的確な位置に防御側の兵力を貼り付けることは難しい。 #right(){(329:199,200,212)} **都市での破壊工作において高速道路、幹線道路などを破壊し交通を制限させるような戦術は有効なんでしょうか? 松村劭元陸将補は、著書の『日本人は戦争ができるか』のなかで 先進国のようなインフラの発展した都市は、 交通や通信などにおける急所だらけで、それらは少しの攻撃でも簡単に破壊され 容易に都市機能が麻痺すると書いている。 それを防ぐのは難しく 従って日本の国土を仮想戦場にしている(せざるをえない)自衛隊は 戦略の段階で大きな問題、矛盾を抱えているがとのこと。 #right(){(597:260)} 交通網に対する攻撃は都市を攻撃するときの基本です。戦略爆撃でも同様。 すぐに軍隊の移動や補給に支障がでますし、市民生活に対してボディーブローのように効いていきます。 ただし、すぐに攻め込んで占領したい場合は、交通網を壊すと侵攻軍/占領軍が困ります。 これを逆手にとって、防衛側は橋や道路などを破壊して攻撃を妨害します(当然味方の側は残す) #right(){(597:モッティ ◆uSDglizB3o)} イラク戦争の大規模な通常戦闘が終了したあと、論者によってはイラク占領期において たびたび、橋梁が爆破されています。 たとえば最近ではイラク西部・アンバル州の州都ラマディの市街を二分するユーフラテス川に かかる幹線道路の橋梁が爆破されています。 また、イラク戦争で宗派内戦がたけなわだったころは、バグダッドのティグリス河にかかり、市街の東西 を結ぶ橋梁がやはり爆破されたことがあります。 これらはテロ、或いは内戦でのゲリラ活動であるので破壊工作という語のみで括れるかはともかくとして 今でも使われている戦術とはいえるでしょう。 単に物理的に交通が遮断されるのみならず、橋は二つの地域を結ぶ象徴であり、通勤通学路であり、 崇敬の対象たる宗教施設への道であったりします。 #right(){(597:263)} **銃剣突撃って、何の目的にやってるんですか?普通に考えれば敵の機関銃にやられて、全員あぼんですよね? http://ww1.m78.com/honbun-2/infantry%20tactics.html >独仏とも500メートル前後以内では歩兵の突撃により敵を圧倒する戦術が正しいとされていた。 >更にイギリスの歩兵操典では500メートル以内で突撃すれば敵はパニックに陥り、 逃亡するか照準が狂いかえって被害を軽減するとしていた。 #right(){(602:201)} **水際防御って有効な戦術なの? 一般に、対着上陸作戦は敵が橋頭堡を築くか築かない時点で叩き潰すのが有効と言われている。 で、やはり一般的に水際防御は上陸前艦砲射撃等により損害が出やすいので防御としてはイマイチとも言われている。 しかしながら、やはり一般的には橋頭堡を築くには敵の曲射火器の有効範囲外になるまで、つまり0-2ラインくらいまでは 防御側を押さないとならないといわれている。 結論から言うと、対着上陸なんて誰もわからんちうことで、水際防御か内陸持久かなんてのはあくまでも指揮官の趣味 でしかないわけだあ(笑) #right(){(325:緑装薬4 ◆8R14yKD1/k)} **制空権取らないと機甲部隊や攻撃機は出さないの? 敵国に侵攻する場合まずSEADというものをやる これは敵防空網制圧のことで航空優勢を確保するのが目的 それが済んでからでないと地上部隊は前に出ない 航空作戦を参照 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BD%9C%E6%88%A6 #right(){(310:366)} **ゼークトラインは浸透戦術で突破と言われてますが、歴史的にこの戦いに酷似した例はありますか? ブルシロフ攻勢。 http://ww1.m78.com/honbun/brusilov%20offensive.html 浸透突破の成功例。こっちが史上初だが。 #right(){(309:363)} **相手の戦意を挫くのが目的のひとつの戦略爆撃は、実は逆に戦意高揚させてしまうことが判ったというのは本当ですか? そういう見解もある、というぐらいの話。 「前戦に出ていない連中まで戦争に巻き込むとそいつらまでやる気になる」 っていう意見ね。 戦略爆撃そのものが1世紀にも満たない歴史しか持っていない上、 実際の戦争では戦略爆撃のみが行われることはまれで、 地上軍の攻撃や海上封鎖の効果と、戦略爆撃のみの効果を切り離すことは難しいです。 第2次大戦の戦訓では、直接的に戦意をくじく効果は薄いとされています。 ただし、生活必需品が不足し出すと、国民の戦意も失われるようです。 #right(){(306:315-317)} **歴史上初めての敵都市への空襲は? 航空機による敵国都市の直接攻撃は第一次大戦当時のドイツ帝国が先鞭をつけた。 空襲によって一都市を壊滅可能であることとそれを実行した時に引き起こされる 恐怖が人心に与える効果は、スペイン戦争でドイツ・コンドル軍団が実証した。 第二次大戦における初めての敵国首都に対する継続的な攻撃はドイツ空軍による ワルシャワ爆撃で、それによってポーランドは最終的に降伏した。 航空機による都市爆撃が戦争の最終段階で決定的役割を果たした初の事例だった。 #right(){(何でドイツは戦略爆撃しなかったのか:91)} **ソ連軍の縦深戦略とは? トハチェフスキーらが推進した縦深戦略とは、 簡単に言えば機甲化された部隊によって敵の前線を後方地帯まで含めてまとめて突破し、戦略レベルで敵軍を崩壊させようというものです。 その崩壊の過程において包囲は当然選択肢に入ってきますが、場合によっては包囲よりも敵の策源地を叩き潰すことを優先することもあります。 ドイツが推進した電撃戦理論と相通じるところがあるんでよく比較されるが 縦深戦略はいかにもソ連らしく、もっとスケールがでかい。 ドイツは空陸一体・無線も使った速戦速決で敵の弱点に戦力を急速集中して突破、 後方に浸透して前線の敵軍を機能不全に陥らせて後はゆっくり歩兵で片付ける戦術。 ドイツ軍は師団レベル、ソ連軍は方面軍レベルの突破と包囲が念頭にある。 >「包囲」と「突破」はまったく別の種類の攻撃方法だと思うのですが、どちらが正しいのでしょうか? >敵の陣地に穴を開けて後方まで一気に突破、敵が態勢を立て直す前に包囲を完成させ、敵をじっくり叩き潰すということですかね? じっくりじゃない。即座に。 縦深攻撃戦略は戦略規模の突撃突破なので、 階級の敵をドーバー海峡に蹴り落とすのが目標になる。 その際、敵の強固な抵抗に遭遇した場合は大量の戦力を投入し力ずくで撃破するとしていて、 撃破する際の戦術の一つに包囲という選択肢があるだけ。 「堅い敵はあとからじっくり」はドイツの電撃戦の思想。 #right(){(661:200-209)} **戦術における陽動というのは、要するに助攻という理解でよろしいでしょうか? 陽動は陽動。 場合によって攻めることはしなくても相手を乗せられるので助攻と同義ではない。 陽動の攻撃が助攻となる場合があると言うだけだ。 が、いずれにしても、一方が陽動が助攻になると考えても、それは敵の動き次第。 例えば敵が守るべき拠点を移動できる状況にあれば、敵の陽動部隊を「戦力を分散させたマヌケ」 と理解して全力で叩き潰し、その後返す刀で敵主力に立ち向かうことも出来る。 助攻は主攻への戦力集中を阻害する目的もあるため、陽動=助攻とはいえない。 そもそも陽動はこちらの主攻正面を誤認させる、あるいは敵を誘致させる ために行われる攻撃を含む行動を指し、助攻は攻撃そのものを指すので イコールで考える、あるいはどちらかがどちらかに内包されると考えるには 無理がある。 戦史叢書「陸海軍年表 付 兵語・用語の解」より 陽攻・陽動 :  いずれも敵を欺瞞する術で、そのために攻撃を装うのを陽攻、それらしく目立った行動に  より敵の判断を誤らせるものを陽動という。 助攻が結果的に敵を引きつけ、敵がそちらに動きを取られる、もしくは動きを止めるため陽動になるのですが。 まあ、散開して陽動し、主攻で撃破するという戦術もあるので、この場合は攻撃せずに逃げる、 或いは防御して足止めをするという選択肢がとられるでしょうから助攻というものは存在しませんね。 #right(){(294:605-667)} **補給戦って何やるの? どこまでを補給戦と考えるかによるけど。 必要な戦力や前線の要求に応えて生産計画立てて、必要な原料調達して工場立ててってのは別にしても。 必要な物資を船や鉄道で運んで、途中で空襲や潜水艦に沈められたりもして。 前線でも武器弾薬食糧衣服に慰安婦の調達まで、当然敵による補給線妨害もある。 昔から騎兵は突撃や偵察だけでなく、後方獲乱として補給部隊を狙ってきた。 実際の戦闘も補給のしやすい交通の要衝や補給拠点が戦場になる。 #right(){(俺初質スレ432:103)} **戦略と戦術の違いは解ってますが、作戦級攻勢とか言った場合の「作戦」の意味が知りたい 「作戦級」は戦術レベルよりも大きな分類です。 英国の軍事思想家リデル・ハートは戦争理論の規模を「政略」「大戦略」「戦略」「戦術」 に分類しました。 各レベルにおける「計画」という意味合いだった作戦を、「作戦」というレベルにしたのは米軍で、 米陸軍のマニュアルには師団、軍団レベルの軍事行動を規定するFM100-5という野戦教程に、 「Operation(作戦)」というタイトルが付けられています。 #right(){(104:639)} **マハンの理論が、戦前の日本で熱狂的に受け入れられた理由は何なんですか? >http://www.bekkoame.ne.jp/~bandaru/deta01m.htm >海軍はともかく、陸軍にも受け入れられるとは・・・ ・わかりやすい。 ・地政学上、いわゆるリムランドに位置する海洋国家である日本には受け入れやすい。 ・決戦主義的な色彩が所々に看取され、陸海軍いずれの気質にも合っていた。 ・陸上戦におけるいわゆる内戦戦略に基づく戦略を組立てており、  大陸と南洋、両方面に仮想敵国を設定しなければならない日本の戦略条件にも合うものと考えられた。 #right(){(277:465)} **何故、包囲されるとまずいんですか?包囲してる側は兵が密集してなく薄く横に広がっているので危ないと思うのですが。 包囲されてる側が方位を突破しようとすれば後ろ側から攻撃されることをお忘れなく。 薄いとか厚いとかの問題だけで済む話ではないのです。     ○○    ○●●○   ○●●●●○ ○●●●●●●○ ○●●●●●●○   ○●●●●○    ○●●○      ○○ 包囲効果をモデルにするとこうなる。 包囲している○軍の兵力は16部隊 包囲されている●軍の兵力は24部隊 しかし最前線で実際に敵と接している部隊を数えてみると、 ○軍は16部隊全部が敵と戦っているのに対し、●軍の部隊で戦っているのは12部隊のみ。 包囲することにより最前線では兵力の逆転現象がおきる。これをゲーム化したのが囲碁。 また、包囲には相手の食料補給を断つ効果もある。 >でも完全に包囲したがために、相手が背水の陣状態で必死になって包囲側の被害がとんでもないことになったという事例もあったような。 だから両翼包囲はあまり起こらないのよ。 カンネーが特に注目されるのはあまり起こらないのが、完全な形で成功したから。 包囲された時点で大抵の軍は撤退し始めるからね。 #right(){(116:619-626)} **民家・民間人を攻撃目標とした「都市爆撃」は「戦略爆撃」ですか? 「無差別爆撃」ですか? どのような資料を読まれているか存じませんが。 戦略爆撃は戦術爆撃と対になる言葉です。 戦術目標(前線の兵力や兵站)の破壊を目的にした戦術爆撃に対し 戦略爆撃は戦略目標(後方の工場等)の破壊を目的としています。 無差別爆撃ですが、これは戦略/戦術爆撃の下位に位置し精密爆撃と 対をなします(乱暴ですが。 通常、攻撃目標を選定し破壊する精密爆撃が良いのですがWW2当時の 爆撃技術では困難で、攻撃目標を大きな範囲で破壊する無差別爆撃が 行なわれます。 軍事関係の資料を見ると分かるのですが、重慶爆撃は精密爆撃を終始 目指しています、が目標を外れ周辺に被害が出ています。 日本本土空襲も当初は精密爆撃を目指しており、後期は無差別爆撃を 行なっています。 #right(){(252:417)} **ランチェスター理論とはなんですか? フレデリック・ランチェスター氏が発見した簡単な数式によって戦闘を計算する理論。 第一法則 一騎打ちの法則  「一人が一人としか戦えない場合、数の多い方はその分だけ残って勝つ。」 第二法則 集中効果の法則 「一人が複数の敵を攻撃できる近代戦や広域戦的な総合戦では、 敵より数が多くても あぶれることなく少ない敵に集中的に損害を与えることができる」 各自に数式が存在し、これをもとに彼我の必要な戦力の計算が出来ます。 注)数式は略しました。 #right(){(46:254)} 第一法則 A0-A=E(B0-B) 第二法則 A0の2乗-Aの2乗=E(B0の2乗-Bの2乗) A0、B0:各軍の初期戦力 A、B:各軍の損害 E:A軍、B軍の質的な差異(を数値化したもの) 内容や応用は、サーチエンジンで検索かけて、ちゃんと説明しているサイトに当たった方が吉 #right(){(58:267)} **上陸戦の法則って何? 上陸作戦に限らず、一般的に言われている事は「攻者三倍の原則」です。 これは、防御を固めている守備兵力を排除する為に必要な兵力は、攻勢 側は最低三倍の兵力を要すると言う事です。 ただ、防御側の陣地構築が巧妙な場合、それ以上の兵力が必要ですし、 攻勢側の火力が圧倒的なら、それ以下で済む事も有ります。 >防衛綱領を改定しないと、保有艦船の数を増やせないのでしょうか? >イージス護衛艦を8隻まで増やして欲しい・・・ 防衛大綱では、イージス艦と他の護衛艦との区別はしていません。 ジージスと言っても、単なるシステムですから、これから先安価になれば 似たようなシステムは、他の護衛艦にも広く採用されていくでしょう。 (イージス以外の名前が付くでしょうが) #right(){(56:85)} **合法で、特定地区を制圧(篭城できる、又は支配権を奪取できる程度)するのに、有効的な物は何でしょうか? お金が一番です、武器などは相手にいらぬ警戒心を与える。 #right(){(57:432)} 他人の建造物に無断で侵入すると、住居侵入罪で逮捕されます、 ので篭城は止めましょう。 あと警備員に買収は警備員に迷惑なので止めましょう、もし買収の事実 がばれたら、警備員は警備会社を解雇される恐れがあります。 抗議をしたければ、抗議書と抗議賛同者の人の署名を集めて、 抗議しましょうね。 #right(){(57:434)} **民間人を虐殺(根絶やし)しておけばゲリラになることは無いし、反乱を起こすことも無いからいい戦術なのでは? その土地の生産力は無くなるは、他国に非難されるは、 負けたら指揮官は国際法違反で死刑になるはで、良い事は何も無し。 #right(){(58:72)} **マンシュタインの「バックハンドブロー」って何が画期的だったんでしょうか? おっしゃるのが1943年冬のロシア戦線南部における、 ドイツ陸軍の防衛戦についてでしたら、その作戦が 特に「画期的」だったわけではなく、戦術の基本である、 「優勢な敵の攻撃に正面からぶつかるのをさけ、 土地を手放すことで時間と攻撃側の疲弊を待ち、 攻撃が先細りになったところで側面を衝く」という 機動を実現しただけです。 マンシュタインが賞賛されるのは、ヒトラーの死守命令を独断で退け、 敵味方の情報が錯綜する中で、こうした機動を成し遂げたという点にある、 と大雑把にいえばそういうことになるかと思います。 #right(){(157:349)} **地上軍無しの戦略航空爆撃って、どれほど有効なんでしょうか。 連日の空襲警報、その度に防空壕に避難する、防火班はその度に配置に就き、 夜間の場合は睡眠が十分に取れません。 また、昼間の場合でも、避難することによる生産、物流の停滞、破壊された施設の 復旧などに多大な労力を要します。 特に、空爆の場合は何処が爆撃されるのか直前にならないと判らないので、広範 囲にそういう避難などが行われることになります。 連日の過労、疲労により、生産現場ではポカミスが多くなり、生産した製品は不良 品を作り出し、その不良品のために次工程は停滞します。 また物流が停止する場合も、必要なところに必要な物品が届きません。 しかも、政府や軍はそれを押しとどめられない。 こうなると、国民は政府の言うことを信じなくなり、革命の雰囲気が醸成されます。 山田風太郎の「戦中派不戦日記」とか、清沢洌の「暗黒日記」、徳川夢声の「夢声 戦争日記」などをお読みになるのが良いでしょう。 庶民生活に空襲が如何に打撃を与えているかが描かれていますから。 #right(){(WWⅡ爆撃・攻撃・雷撃機について論じる:眠い人 ◆gqikajhtf2)} ----

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