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131.狩人の思惑 ----   しんと静まり返った森の奥深くに血走った眼をギラつかせて ♀ハンタは仮初の休息をとっていた。 「あのクソ♀騎士・・・あいつだけは絶対私が殺してやるから」 怒りの表情を浮かばせた向かってきた♀騎士の顔を思い出すだけで吐き気が込み上げる。 鞄から取り出したお粗末な食事を水で無理矢理喉に流し込む。 とてもじゃないが飢えを癒す気分ではない。 しかし今は体力を回復させ苛立った気分を落ち着かせなければ あの女を殺すどころか別の参加者に倒される事になる。 落ち着け…そして考えろ。 最後の一口をろくに噛まずに飲み込みそのまま目を閉じる。 私は冷静沈着な狩人だ常に上位にいなければいけない。 あくまでも狩る側に立たなければ…獲物なんてもってのほかだ。 精神を集中させろ…私が見るのは敵の心臓のただ一点だけだ。 ♀騎士の返り血を全身に浴びながら敗者の頂点で勝利の高笑いをあげるのはこの私だけ。 そこまで思考を巡らせてから目を開けると 名簿をめくり気違い女にコールされた名前を消していく。 意外にも一次職の残りが多い。 これはパーティーを組んでいると考えてよい。 少なくともプリーストかアコライトの回復職が混じっている可能性は高い 。 メンバー次第では潜り込むのもいいかもしれない。 勝利者になる為ならなんだってやってやるわ…。 ふっと自嘲気味に笑みを漏らすと名簿を鞄に突っ込み立ち上がる。 このまま森の中を移動しても意味が無い。 道に近いところまで出て多少外のことが見える位置にいないと… 薄暗い木立を抜け日の光が射す方向へと歩を進める。 枝葉の間から声が聞こえる。 さっと姿勢を低くして声の方向へ目を凝らす。 視線の先にあるのは数人のパーティー♀騎士はどうやらいないようだ。 暢気な事に笑い声まで聞こえてくる。 こんな危険な世界で大声を出しているのはただのバカかよっぽどのお人よしだ ♀ハンタはベルトに括り付けられたグラディウスを抜き出すと 自分の衣服に手をかけた………。 <♀ハンター 所持品:手製の弓、グラディウス> ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[130]] | [[目次]] | [[132]] |

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