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154.既視感 ----   埋める際になって♂アルケミは気づいた。 (そうだ…首輪外してやらないと) このゲームの象徴たる呪いの首輪を付けたまま送るのは忍びない。 そう思い、遺体の傍らにかがむと首輪を外してしまう。 そう、まるで首輪の危険性を忘れてしまったかのように 「なっ?!待っ!」 深淵の騎士子がその行為に驚き声を上げるが、既に遅い。 とっさに目をつぶる騎士子だが、2人と2匹を飲み込むように辺りは閃光につつまれ… (…………あれ?) …なかった。 おそるおそる目を開けると、さっきと変わらぬ情景がそこにある。 ( ゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ   _, ._ (;゚ Д゚) ♂アコの首輪は既に♂アルケミの手の中に収まっている… というかグルグル振り回していたり。 (…呪いというのは嘘か?) とっさにそう考える騎士子だが、それはありえない。 その手の分野には詳しくないが、自分の首輪には確かに呪いが掛かっている。 「…何故、爆発せぬ?」 深淵の騎士子の慌てっぷりに驚いた♂アルケミだが、その呟きで得心した。 「ああ、この首輪か?」 そう言って、騎士子に向けて首輪を投げ渡すが、彼女はそれを受け取らず思わず避けてしまう。 「大丈夫、付けなければただの首輪だ」 「…本当か?」 恐る恐る拾い上げる騎士子に彼は苦笑する。 「♀ノビさんが斬られた時、既に爆発してるって…  もし、そんなことで爆発していたら」 「♀ノビ?」 頭上に/?を浮かべる騎士子 そして♂アルケミはあの時の情景を思いだし顔を曇らせつつも、説明する。 「こちらに来るのが遅かったんだったな、深淵の騎士子さんは…  ♀ノビさんがこのゲーム開始直前にGMに抗議して頭から真っ二つにされた。  その時首輪ごとバッサリと。  あと、呪いの術式云々は分かないが…  純粋に【アイテム】として鑑定するのなら俺達の独壇場だから」 スキルを修得していればだけどね、と続ける。 騎士子はと言うと、恨み晴らさんとばかりに首輪を引っ張ってねじっている。 あ、千切れた。 「本当にただの首輪だな」 (馬鹿力…) 内心思ったが口にはしない。命は大切にしよう。 「だろ?  中に何か仕込んでいるか?とも思ったが、それすら無い。  生者にだけ有効な呪いなのかねぇ」 「つまり、『死ぬと爆発しない』わけか」 「………」 「………」 ((アレ?)) お互い顔を見合わせる。 霞の向こうに何か影を見つけたような、もしくは喉に引っかかった小骨のような… 役に立たないかもしれない。 でも、もしかしたら何か『ゲーム』の根底に迫れる… その時あの忌々しい声が辺りに流れ、イメージは儚く霧散した。 <♂アルケミ・深淵の騎士子現状維持> ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[153]] | [[目次]] | [[155]] |
154.既視感 ----   埋める際になって♂アルケミは気づいた。 (そうだ…首輪外してやらないと) このゲームの象徴たる呪いの首輪を付けたまま送るのは忍びない。 そう思い、遺体の傍らにかがむと首輪を外してしまう。 そう、まるで首輪の危険性を忘れてしまったかのように 「なっ?!待っ!」 深淵の騎士子がその行為に驚き声を上げるが、既に遅い。 とっさに目をつぶる騎士子だが、2人と2匹を飲み込むように辺りは閃光につつまれ… (…………あれ?) …なかった。 おそるおそる目を開けると、さっきと変わらぬ情景がそこにある。 ( ゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ   _, ._ (;゚ Д゚) ♂アコの首輪は既に♂アルケミの手の中に収まっている… というかグルグル振り回していたり。 (…呪いというのは嘘か?) とっさにそう考える騎士子だが、それはありえない。 その手の分野には詳しくないが、自分の首輪には確かに呪いが掛かっている。 「…何故、爆発せぬ?」 深淵の騎士子の慌てっぷりに驚いた♂アルケミだが、その呟きで得心した。 「ああ、この首輪か?」 そう言って、騎士子に向けて首輪を投げ渡すが、彼女はそれを受け取らず思わず避けてしまう。 「大丈夫、付けなければただの首輪だ」 「…本当か?」 恐る恐る拾い上げる騎士子に彼は苦笑する。 「♀ノビさんが斬られた時、既に爆発してるって…  もし、そんなことで爆発していたら」 「♀ノビ?」 頭上に/?を浮かべる騎士子 そして♂アルケミはあの時の情景を思いだし顔を曇らせつつも、説明する。 「こちらに来るのが遅かったんだったな、深淵の騎士子さんは…  ♀ノビさんがこのゲーム開始直前にGMに抗議して頭から真っ二つにされた。  その時首輪ごとバッサリと。  あと、呪いの術式云々は分かないが…  純粋に【アイテム】として鑑定するのなら俺達の独壇場だから」 スキルを修得していればだけどね、と続ける。 騎士子はと言うと、恨み晴らさんとばかりに首輪を引っ張ってねじっている。 あ、千切れた。 「本当にただの首輪だな」 (馬鹿力…) 内心思ったが口にはしない。命は大切にしよう。 「だろ?  中に何か仕込んでいるか?とも思ったが、それすら無い。  生者にだけ有効な呪いなのかねぇ」 「つまり、『死ぬと爆発しない』わけか」 「………」 「………」 ( (アレ?) ) お互い顔を見合わせる。 霞の向こうに何か影を見つけたような、もしくは喉に引っかかった小骨のような… 役に立たないかもしれない。 でも、もしかしたら何か『ゲーム』の根底に迫れる… その時あの忌々しい声が辺りに流れ、イメージは儚く霧散した。 <♂アルケミ・深淵の騎士子現状維持> ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[153]] | [[目次]] | [[155]] |

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