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194.笑顔の不死者 五度目の定時報告が流れた直後。 ♀騎士、ドッペルゲンガー、この2人の名前に深淵の騎士子の心は酷く痛んだ。 隣にいる♂ケミが不安気な視線を送る。 重い沈黙。 そしてそれに耐えられなくなったのは深淵の騎士子だった。 「ドッペル殿の傷はおそらく斧だろうな…」 「そうするとたぶん♂BSかな」 驚いたことに♂ケミはすぐに犯人の検討をつける。 深淵の騎士子は訝しげな表情で何故そう思う?と聞いた。 「最初、全員が集まったとき、各職業の男女が揃ってたんだ」 ♂ケミは今までの考察のまとめるかのように語りだした。 「そしてこれが今までに死んだ人のリスト」 一冊のノートを懐から覗かせる。 「あいつは3回目の放送で残り25人っていってるんだ、そして4回目、5回目で15人が死んでいる」 おもむろにノートをパラパラとめくる♂ケミ。 そしてあるページを指さして深淵の騎士子に見えるように掲げた。 「今生きているのは♂アチャ、♀アチャ、♂プリ、♂BS、♀セージ、♂ローグ、♂ケミってことになるね」 確かに男女対に羅列された各職業で取り消し線がないのはこの7人だ。 「計算ではあと3人いることになるな…」 深淵の騎士子はペコペコの進行を止めてノートを眺めながら呟いた。 「そう、キミを除くとあと二人なんだ」 ♂ケミが乗る黒馬も深淵の騎士子が止まったので当然のように動きを止めた。 ちょっと釈然としない思いにかられながらも♂ケミは話しを続けた。 「全員が集まったときアラーム仮面のバードっぽい人と小さな少女がくっついてたんだ  この死亡者リストの中のどの名前にも当てはまっていないと思うからおそらく生き残ってるのはこの二人…」 観察と考察はアルケミストの分野だと自負してる♂ケミは少し得意げな調子でいった。 そしてこんな時に調子にのった自分に軽く自己嫌悪しながら結論をだす。 「その二人とも斧を扱えるような人には見えなかったから、だから♂BSの可能性が高いんだ」 「…なるほどな」 また沈黙が続いた。 「正直驚いたぞ。私はこの現状にただ感情的になって翻弄されていただけかもしれないな…」 深淵の騎士子は目から鱗が落ちたという例えそのままに♂ケミに見直したといった表情を見せた。 (私などアリスの仇をとる、ドッペル殿の仇をとる、それだけで思考は止まっていた) 自分を恥じるとともに♂ケミが急に頼もしく思えてくる。 二人はそれぞれ思考を巡らせ現状を思う…そしてその刹那。 「うわあああっ」 アルケミの悲鳴に深淵の騎士子の表情が凍りついた。 黒馬の上から転げ落ちた♂ケミはハーブを撒き散らして倒れこんでいる。 わき腹を押さえ込んでいる手が血に濡れていた。 「何奴っ!」 深淵の騎士子は♂ケミを庇う様にペコペコの上から♂ケミの隣に飛び降りる。 そして周りをすばやく見回すとその視界に低い姿勢でダマスカスを構える♀ローグの姿が映った。 「♀ローグ、死んだはずでは!?」 深淵の騎士子は少し驚きつつもツヴァイハンターを構える。 「ふふふ、楽しそうなPTだねぇ」 ♀ローグは楽しそうに何処か壊れた笑顔を見せた。 <♂アルケミ 現在位置/プロ南 (prt_fild08)所持品/ハーブ類青×50、白×40、緑×90、赤×100、黄×100、石をつめこんだ即席フレイル、無形剣> <深遠の騎士子 現在位置/プロ南 (prt_fild08)所持品/折れた大剣(大鉈として使用可能)、ツヴァイハンター、遺された最高のペコペコ 備考:アリスの復讐> <♀ローグ 現在位置/プロ南 (prt_fild08)所持品:ダマスカス、ロープ 備考:首輪無し・アンデッド> ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[193]] | [[目次]] | [[195]] |

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